まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図3は、パチンコ遊技機を示す背面図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠200(図3参照)と、から構成されている。遊技盤2の前面には、ガイドレール2bによって囲まれた遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。尚、本実施例では、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていたが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、閉鎖位置となる閉鎖状態と開放位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの右方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉(図示略)を備え、その大入賞口扉(図示略)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口(図示略)を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を開放状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面(遊技盤面)には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口16が設けられている。
遊技機用枠3の上部左右側には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。ガラス扉枠50の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル52(操作ノブ52)が設けられている。例えば、打球操作ハンドル52は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル52には、発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(打球供給皿)が設けられている。
ガラス扉枠50の前面下部には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。また、スティックコントローラ31Aの下部には、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。
スティックコントローラ31Aの上方には、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における打球供給皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
また、外枠200の下部には、後述する幕板214が設けられており、該幕板214の内部には、スピーカ8Uが内蔵されている(図示略)。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8R,8Uによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」または「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板91、発射制御基板、インタフェース基板、ターミナル基板154(図3参照)、電源基板92(図3参照)などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8R,8Uから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施例では、演出制御基板12は、第1基板12Aと該第1基板12Aに対し基板対基板接続される第2基板12Bとを有し、第1基板12Aには、演出制御用CPU120やVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)などが搭載され、第2基板12Bには、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121やキャラクタROM126(図5参照)など機種に固有なデータ等が記憶された電子部品が搭載されている。
また、本実施例では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、動作可能に設けられた可動体(図示略)を有する演出ユニット(図示略)が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット(図示略)に設けられる各種モータ、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。尚、図2において、これら電子部品の図示は省略している。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9、演出ユニット(図示略)など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
尚、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、可動体(図示略)が落下する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じた処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。
変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
特別図柄通常処理や変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。
大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R,8U、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御や演出ユニット(図示略)の駆動制御等を実行する。次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し、その後、タイマ割込フラグの監視処理に移行する。
演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じて以下のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理においては、演出図柄の変動が開始されるように制御する。具体的には、演出制御用CPU120は、ROM121に予め記憶されているプロセスデータの中から、変動パターン指定コマンド受信待ち処理において受信した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。尚、各プロセスデータには表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、駆動制御データ等が含まれており、これらプロセスデータの制御内容が後述する演出図柄変動中処理にて時系列に沿って実行されることによって、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8R,8Uからの音出力、演出用LED9の発光及び演出ユニット(図示略)の駆動制御等を実行可能となっている。
演出図柄変動中処理においては、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、演出図柄変動中処理では、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8R,8Uからの音出力、演出用LED9の発光及び演出ユニット(図示略)の駆動制御等も行う。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理においては、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理または変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
図3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側、つまり、遊技機用枠3の背面上部には、遊技場に設置される遊技島(図示略)から供給される遊技球を受ける球タンク150が設けられている。球タンク150に供給された遊技球は、補給通路151を流下して左側の払出装置152に供給される。払出装置152から払い出された遊技球は、賞球通路153を流下してパチンコ遊技機1の前面に設けられた打球供給皿に誘導される。また、遊技機用枠3の背面における補給通路151の上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板154が設置されている。
遊技機用枠3に取付けられる遊技盤2の背面には、主基板11が収納された遊技制御基板ケース400(以下、主基板ケース400と略称する)、演出制御基板12が収納された演出制御基板ケース800(以下、基板ケース800と略称する)とが設けられている。基板ケース800と主基板ケース400の上部とは、遊技機用枠3の背面に開閉可能に設けられた透明なカバー体301により覆われている。また、遊技機用枠3における遊技盤2の下方位置には、遊技球の払い出しに関わる制御を行う払出制御基板91と、パチンコ遊技機1に電力を供給するための電源基板92と、が前後に重畳するように設けられている。
次に、基板ケース800の構造について、図4〜図8に基づいて説明する。図4は、演出制御基板ケースの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図5は、演出制御基板ケースの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、ベース部材を示す六面図である。図7は、カバー部材を示す六面図である。図8は、(A)〜(C)は基板ケースを閉止する状態を示す断面図である。
図4及び図5に示すように、基板ケース800は、演出制御基板12の前面側を覆うベース部材801と、演出制御基板12の背面側を覆うカバー部材802と、から構成され、演出制御基板12を前後から挟持するように組付けられる。
図4〜図6に示すように、ベース部材801は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、縦長略長方形状に形成されるベース板801aと、上下及び左右側辺に背面側に向けて立設される側壁801b〜801eとから構成され、背面側に向けて開口する箱状に形成されている。ベース板801aの背面(内面)側には、演出制御基板12の所定箇所に対応する位置にボス803が左右2箇所に突設されている。また、第2基板12Bの所定箇所に対応する位置にボス804が左右方向に3つ突設されており、これら各ボス804はベース板801aに立設されたリブ804aにより連結されている。これらボス803、804は、ベース部材801に対しカバー部材802を閉止したときに対応する第2基板12Bの前面に当接して支持する。
上側の側壁801bにおける左右位置には、左右方向を向く係止バー805がそれぞれ側壁801bの上方に形成されているとともに、ベース板801aにおける係止バー805に対応する位置には、パチンコ遊技機1の背面に係止される下向きに屈曲する係止フック806が突設されている。また、下側の側壁801cにおける左右位置には係止孔807がそれぞれ形成されている。
左右の側壁801d,801eの外面長手方向の略中央位置には、被係止部808が形成されているとともに、被係止部808の下方位置には、カバー部材802をベース部材801に取付けるためのワンウェイネジ809のネジ穴810が形成されている。また、ネジ穴810の下側には、基板ケース800をパチンコ遊技機1の背面に取付けるための取付部材(図示略)を取付けるための取付孔811が形成されている。
左右の側壁801d,801eの内側には、ベース板801aに対し後向きに立設された基板支持用リブ812,813が、左右側辺の長手方向にわたり側壁801d,801eに沿うように該側壁801d,801eから所定距離離間して並設されている。基板支持用リブ812の上半分は第1基板12Aの前面左端部を支持する第1支持部812a、下半分は第2基板12Bの前面左端部を支持する第2支持部812bが立設されている。また、基板支持用リブ813の上半分は第1基板12Aの前面右端部を支持する第1支持部813a、下半分は第2基板12Bの前面右端部を支持する第2支持部813bが立設されている。
また、ベース板801aは、上部及び略中央位置に左右方向を向く段部814a,814bが形成されており、これらベース板801aにおける段部814a,814b間の領域が前面側に僅かに突出して設けられている。また、ベース板801aの背面には、背面視格子状に形成された複数本の補強用のリブ815が立設されている。
カバー部材802は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、縦長略長方形状に形成されるベース板821aと、上下及び左右側辺に背面側に向けて立設される側壁821b〜811eとから構成され、背面側に向けて開口する箱状に形成されている。
ベース板821aの背面(内面)における上半角部には、第1基板12Aを取付けるためのネジ822が螺入されるネジ穴823が3箇所に突設されているとともに、位置決め凸部824が3箇所に突設されている。また、下半角部には、第2基板12Bを取付けるためのネジ825が螺入されるネジ穴826が3箇所に突設されているとともに、位置決め凸部827が2箇所に突設されている。
尚、本実施例では、これら演出制御基板12である第1基板12A及び第2基板12Bはカバー部材802にネジにより取付けられるように構成されているが、ベース部材801側に取付けられるようにしてもよいし、あるいは、ベース部材801及びカバー部材802のいずれにも取付けられなくてもよい。また、ネジ以外の取付部材にてベース部材801及びカバー部材802のいずれかに取付けられてもよい。
また、ベース板801aにおける第1基板12A及び第2基板12Bの上部に対応する位置には複数の放熱孔829が形成されている。また、ベース板801aの背面における第2基板12Bの上端部に対応する位置には、ボス828が左右2箇所に突設されている。
上側の側壁821bにおける左右位置には、ベース部材801の係止バー805に係止される側面視略上向きコ字形の係止フック831がそれぞれ形成されている。また、下側の側壁821cにおける左右位置には、ベース部材801の係止孔807に差し込まれて係止される係止片832がそれぞれ形成されている。
左右の側壁821d,821eの外面長手方向の略中央位置には、ベース部材801の被係止部808に係止される係止部833が形成されているとともに、外面下部位置には、ワンウェイネジ809の取付孔834aが形成された取付片834が連結片を介して取付けられている。また、左側の側壁821dの長手方向の略中央位置には、演出表示装置5に接続される配線の配線側コネクタ(図示略)が挿通されるコネクタ用開口837が形成されている。
また、ベース板821aにおける上部左側には、第1基板12Aに搭載された音量調整用スイッチ835aを外部に臨ませるためのスイッチ用開口835が形成されている。また、上部右側には、第1基板12Aに搭載された各種基板側コネクタKCN10を外部に臨ませるための縦長方形状のコネクタ用開口836が、右辺に沿うように形成されている。また、左側の側壁821dには、第2基板12Bに搭載された基板側コネクタKCN5を外部に臨ませるためのコネクタ用開口837が形成されている。
また、図11に示すように、ベース板801aには、ベース部材801を成型する際に金型などにより形成される目印部840,841が複数個所に形成されている。例えば、目印部840は、成形の際に溶解した樹脂の流入口に形成されるゲート跡により形成され(図11において、網線丸印を参照)、目印部841は、成形された製品を金型から取外すためのエジェクタピンにより押圧されたエジェクタピン跡により形成される(図11において、網点丸印を参照)。尚、目印部840,841は、ボス803,804、リブ804a、リブ815及び側壁801b〜801eなど、離型抵抗(金型から製品を剥がすときの抵抗)が大きい部分に設定されている。よって、目印部840,841により、その近傍に阻害部としてのボス804、リブ804a、段部814b’及びリブ815の位置を透明な基板ケース800の外側から特定することができるようになっている。
このように、ベース部材801を成型する際に形成されるゲート跡やエジェクタピン跡は、ケース側阻害部としてのボス804、リブ804a、段部814b’及びリブ815の位置を基板ケース800の外側から特定可能とする目印部840,841を兼ねることで、目印部を形成するために金型に別途凸部や凹部等を形成しなくても済むため、製造コストを低減できる。尚、本実施例では、ベース部材801を成型する際に形成されるゲート跡やエジェクタピン跡により目印部840,841が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記ゲート跡やエジェクタピン跡にて形成される目印部840,841とは別個に、金型に凸部や凹部等を形成して目印部を形成してもよい。
また、図11に示すように、放熱孔829は、ソケット700A,700B,700Cと対向する位置以外の個所に形成されているため、放熱孔829から針金等の異物を差し込んでROM121やキャラクタROM126などに不正な改造を施すといった不正行為が抑制される。
第1基板12Aの後面12bには、演出制御用CPU120やVDP等の電子部品が実装されている。また、下辺に沿って基板側コネクタKCN1が設けられているとともに、右側辺に沿って複数の基板側コネクタKCN10が列設されている。また、左側辺には基板側コネクタKCN5が設けられている。
第2基板12Bの前面12fには、ROM121と複数(本実施例では2つ)のキャラクタROM126等の電子部品が実装されている。尚、これらROM121とキャラクタROM126は、後述するソケットを介して第2基板12Bに実装されるようになっている。また、基板側コネクタKCN1に基板対基板接続される基板側コネクタKCN2が上辺に沿って設けられている。
このように構成されたカバー部材802の前面側(ケース内面側)には、演出制御基板12である第1基板12Aと第2基板12Bとが取付けられる。ここで、カバー部材802の前面への第1基板12Aと第2基板12Bとの取付け方を、図4及び図5に基づいて説明すると、まず、第2基板12Bをネジ825によりカバー部材802の前面に取付ける。次いで、第1基板12Aの基板側コネクタKCN1を第2基板12Bの基板側コネクタKCN2に接続し、ネジ822によりカバー部材802の前面に取付ける。尚、第1基板12Aと第2基板12Bとを接続した状態でカバー部材802にネジにて取付けてもよい。
次に、図8に基づいて基板ケース800を封止する方法を説明する。
まず、第1基板12Aと第2基板12Bとが組付けられたカバー部材802の係止フック831の先端を、ベース部材801の係止バー805と側壁801bとの間に形成された開口に差し込む(図8(A)参照)。ここで、係止フック831は側面視L字形に形成されているため、カバー部材802をベース部材801に対し略直交する起立姿勢にしなければ、係止フック831の先端をベース部材801の係止バー805と側壁801bとの間に形成された開口に差し込むことができない。すなわち、基板ケース800を開封する際には、カバー部材802をベース部材801に対し略直交する起立姿勢になるまで約90度回転させない限り、カバー部材802をベース部材801から離脱させることができないので、開封し難くすることができる。
次いで、係止フック831を係止バー805に係止し、該係止バー805を中心としてカバー部材802を傾倒させて、ベース部材801の上面開口にカバー部材802を載置する。このとき、カバー部材802の係止片832がベース部材801の側壁801cの内側に入り込むようにする(図8(B)参照)。
そして、ベース部材801に対してカバー部材802を下方に向けてスライド移動させる。これにより、係止片832が係止孔807に係止されるとともに、左右側辺の係止部833(図4,5参照)が被係止部808に係合する。よって、カバー部材802の上辺の係止フック831が係止バー805に係止され、下辺の係止片832が係止孔807に係止され、左右側辺の係止部833が被係止部808に係合することで、ベース部材801に対するカバー部材802の離脱方向への移動が規制され、ベース部材801の開口がカバー部材802により閉止される(図8(C)参照)。
このようにベース部材801とカバー部材802とを組付けた組付状態では、カバー部材802の取付孔834aがベース部材801のネジ穴810に合致するため、取付孔834aに取付けたワンウェイネジ809をネジ穴810に螺入することで、痕跡を残さずに基板ケース800を開封できないように封止される封止状態(所謂カシメ)となる。
つまり、ワンウェイネジ809は、ドライバー等の工具により取付方向に回転させることはできるが、取外し方向へ回転させることができない従来公知のワンウェイネジであるため、封止状態とした後は、例えば、取付片834の連結片を切断するなど基板ケース800を破壊しなければ封止状態を解除して開封することができない。つまり、ワンウェイネジ809、取付片834、取付孔834a及びネジ穴810は、ベース部材801とカバー部材802とを組付けた後、痕跡を残さずに基板ケース800を開封できないように封止する封止手段を構成している。
尚、本実施例では、痕跡を残さずに基板ケースを開封できないように封止する封止手段の一例として、ワンウェイネジ809を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一度封止したら基板ケースの封止に関連する箇所を破壊しない限り開封できないものや、開封することで開封痕や傷跡等を残すことなく開封できないものが該当する。例えば、一度貼着したら剥離する際に破断するなどして痕跡が残る封印シール等を適用してもよく、この場合、ベース部材801とカバー部材802とを組付けた組付状態において、封印シールをベース部材801とカバー部材802とに跨るように貼着すれば封止状態を構成することができる。また、上記ワンウェイネジ809と封印シールとを用いて封止状態としてもよいし、これら以外の手段(例えば、溶着固定など)により封止状態を構成してもよい。
また、このような閉止状態において、第1基板12Aの前面における基板側コネクタKCN1に対応する位置がボス803に当接するとともに、第2基板12Bの背面における基板側コネクタKCN2に対応する位置がボス828に当接することで、基板側コネクタKCN1、2の接続状態が解除されないように、第1基板12Aと第2基板12Bとがボス803、828により前後から挟持される。
次に、電子部品の一例であるROM121やキャラクタROM126を第2基板12Bに接続するためのソケット700A,700B,700Cについて、図9〜図15に基づいて説明する。図9は、ソケットを示す斜視図である。図10は、(A)〜(C)はソケットにROMを装着する状態を示す概略断面図である。図11は、ベース部材とソケットとの配置位置関係を示す基板ケースの正面図である。図12は、図11のA−A断面図である。図13は、(A)は図11のB−B断面図、(B)はC−C断面図である。図14は、(A)(B)はROMの取出し状況の一例を上下方向から見た状態を示す説明図である。図15は、ROMの取出し状況の一例を左右方向から見た状態を示す説明図である。
図9及び図10に示すように、ソケット700A,700B,700Cは、第2基板12Bの前面12fに設けられ、ROM121やキャラクタROM126を着脱可能に装着して第2基板12Bに接続可能に構成されている。尚、ソケット700Aは、ROM121を装着可能、ソケット700B,700CはキャラクタROM126を装着可能であるが、全て同一に形成されているため、以下においては、ROM121を装着するソケット700Aについてのみ説明し、キャラクタROM126を装着するソケット700B,700Cについての説明は省略する。
具体的には、ソケット700Aは、合成樹脂材により形成され、ROM121を載置可能に形成されたハウジング701と、装着するROM121のリード端子121aに接続可能に設けられるコンタクト702と、合成樹脂材により形成され、ハウジング701に載置されたROM121を保持するレバー703L,703Rと、を主に有している。
ハウジング701は、正面視長方形状に形成された底板部710と、底板部710の左右側上下位置にそれぞれ立設される立壁部711L,711Rと、を有する。底板部710の左右側には、左右方向を向く溝部712L,712Rが、上下方向に亘り複数形成されており、これら各溝部712L,712Rには、コンタクト702が配設されている。
コンタクト702は、短冊状の金属板を折り曲げ加工により形成され弾性を有し、ハウジング701の外側から各溝部712L,712Rに取付けられている。ハウジング701に取付けられた状態において、下側の接続端子702aはハウジング701の左右側方に広がるように延設され、第2基板12Bにハウジング701を実装したときに、該第2基板12Bの図示しない配線パターンの接点と接触される。また、コンタクト702は、底板部710の左右方向の中央位置近傍において略U字状に折り返して形成されることで弾性を有し、上側の接続端子702bが底板部710の上面より上方に突出するように配置されている。
レバー703L,703Rは、上下方向に延設される棒状部材からなり、上下方向を向く回動軸720を介して上下の立壁部711L,711Rに対し回動可能に枢支されている。また、レバー703L,703Rの上下端部には、先端外面に係止爪713aが形成された弾性係止片713が左右方向に連設されている。
また、レバー703L,703Rにおけるハウジング701側の内面には、後述する第2位置において、ハウジング701に載置されたROM121の前面に当接または近接してハウジング701からの逸脱を規制する保持部714と、ハウジング701に載置されたROM121のリード端子121aに当接して接続端子702bに向けて押圧する押圧部716と、がそれぞれ突設されている。
このように構成されたレバー703L,703Rは、図10(A)に示すように、装着部710Fの左右側方、つまり、装着部710Fに装着されるROM121の側方に動作可能に設けられ、ROM121を、ハウジング701の底板部710の上面である装着部710Fに保持可能な状態に配置または装着部710Fから前方へ取出し可能とする第1位置と、図10(B)に示すように、装着部710Fに配置されたROM121の前方(第2基板12Bから離れる方向)への移動を規制して装着部710Fに保持する第2位置と、の間で回動可能に設けられている。
すなわち、ソケット700Aは、レバー703L,703Rを第2位置に配置することで第2基板12BにROM121などを装着する第1状態と、レバー703L,703Rを第1位置と第3位置との間の回動範囲に配置することでROM121を第2基板12Bから離れる方向(例えば、前方)に取出し可能とする第2状態と、に変化可能に構成されている。
図10(A)に示すように、レバー703L,703Rは、第1位置にある状態では、回動軸720の左右側方、つまり、ハウジング701から離れた位置に起立した状態で配置され、装着部710Fを前方に向けて開放する。よって、左右のレバー703L,703Rの間に、ROM121の本体と該本体の左右側面に突出するように設けられたリード端子121aとを挿通可能な空間が確保されるため、ROM121を第2基板12Bの前方から装着部710Fに載置したり、装着部710Fから前方へ取出すことができる。
また、弾性係止片713はハウジング701側に向けて第2基板12Bと略平行に配置され、係止爪713aが立壁部711L,711Rの内面に形成された係合溝717に弾性係合することで(図9参照)、第1位置に保持される。
図10(B)に示すように、ROM121を装着部710Fに載置すると、ROM121の各リード端子121aがコンタクト702の各接続端子702b上に配置される。ここで、レバー703L,703Rを第2位置へ向けて回動させることで、レバー703L,703Rにおいて回動軸720から最も遠い位置である頂点Tが回動軸720の略直上に配置される第3位置よりやや第2位置側へ回動したとき、押圧部715がリード端子121aの前面側に当接する。ここでさらにレバー703L,703Rを回動させると、押圧部715がリード端子121aに当接して接続端子702b側に押圧していく。
次いで、図10(C)に示すように、レバー703L,703Rを第2位置へ向けて回動させると、弾性係止片713が底板部710と立壁部711L,711Rとの間に形成された隙間に差し込まれていく。次いで、ROM121が装着部710F上に載置されるとともに、ROM121の前面左右側に保持部714が前側から当接または近接する。
そして、弾性係止片713の係止爪713aが、立壁部711L,711Rに形成された被係合部718(図12参照)に係合し、レバー703L,703Rの第1位置側への回動が規制される。尚、この係止爪713aの被係合部718への係合状態は、例えば、図示しない治具等を用いて係止爪713aをハウジング701の外側から押圧しない限り解除することは困難とされている。よって、ROM121は、レバー703L,703Rの保持部714により装着部710Fから前方への移動が規制されることで、装着部710Fに保持される。また、このようにROM121が装着部710Fに保持されることで、リード端子121aがコンタクト702を介して第2基板12Bの前面12fに形成された図示しない配線パターンに接続される。
尚、本実施例では、レバー703L,703Rは、図10(A)に示す第1位置及び図10(C)に示す第2位置において、第2基板12Bの前面12fからレバー703L,703Rの頂点Tまでの前後方向の離間寸法は、立壁部711L,711Rの高さ寸法とほぼ同一である離間寸法L1となり、図10(B)に示す第3位置において、第2基板12Bの前面12fからレバー703L,703Rの頂点Tまでの前後方向の離間寸法L2は、離間寸法L1よりも長寸となる(離間寸法L1<L2)。
すなわち、レバー703L,703Rは、ハウジング701の左右側部にて回動軸720を中心として回動可能に設けられており、第1位置と第2位置との回動範囲にある第3位置付近において、第1位置または第2位置にあるときよりも頂点Tが前方、つまり、第2基板12Bの前面12fから離れる方向(例えば、第2基板12Bの前面12fに対し直交する方向)へ突出するようになっている。
また、ROM121を装着部710Fから取出すには、図10(C)に示す状態において、図示しない治具等を用いて係止爪713aを外側から押圧して被係合部718との係合状態を解除し、レバー703L,703Rを持って第2位置から第1位置まで回動操作すればよい。
次に、ROM121やキャラクタROM126がソケット700A,700B,700Cを介して装着された第2基板12Bが基板ケース800に収納され封止状態とされたときのソケット700Aについて、図11〜図15に基づいて説明する。
図11〜図13に示すように、第1基板12Aと第2基板12Bとを含む演出制御基板12が基板ケース800に収納された状態では、第2基板12Bは、ソケット700A,700B,700Cがベース部材801のベース板801aに対向するとともに、ベース板801aに対し離間した位置に略平行に配置される。ソケット700A,700B,700Cは、第2基板12Bの前面12fに左右方向に所定間隔おきに並設されており、ベース板801aにおける段部814bとボス804及びリブ804aとの間の領域に対応する位置に配置される。
各ソケット700A,700B,700Cは、図12に示すソケット700Aを一例に説明すると、レバー703L,703Rが第2位置にありROM121を装着部710Fに保持している状態において、レバー703L,703Rの頂点T及び立壁部711L,711Rからベース板801aまでの前後方向の離間寸法L10は、ROM121の本体の板厚寸法L11よりも短寸となっている(L10<L11)。
尚、本実施例では、レバー703L,703Rが第1位置及び第2位置にあるときの第2基板12Bの前面12fから頂点Tまでの離間寸法L1と、第2基板12Bの前面12fから立壁部711L,711Rまでの離間寸法L1とはほぼ同一寸法であるため、レバー703L,703Rが第1位置または第2位置にあるときでも離間寸法L10は同じである。
ここで、演出制御基板12が収納された基板ケース800が封止されている状態において、基板ケース800の封止状態を解除せずに、例えば、ベース部材801とカバー部材802とを強制的に撓ませるなどしてベース部材801とカバー部材802との間に隙間を形成したり、パチンコ遊技機1の背面に設けられる基板ケース800を背面から見たときに目立ちにくい側面(例えば、ソケット700Aに対応する側壁801b〜801eなど)に孔をあけたりする等、何らかの方法により治具等の異物を不正に進入させ、ソケット700Aのレバー703L,703Rを第2位置から第1位置へ回動させてROM121を取出し、不正な改造が施されたROMに交換するといった不正行為を行う場合について説明する。
ROM121をソケット700Aから不正に取外すには、まず、図14及び図15に示すように、上記したように基板ケース800内に進入させた治具等により、レバー703L,703Rを第2位置から第1位置へ回動させた後、装着部710Fに載置されているROM121を前方に向けて移動、つまり、装着部710Fから離間し、ソケット700Aとベース部材801のベース板801aとの間の隙間を通過させ、基板ケース800の側壁に近寄せて、ベース部材801とカバー部材802との隙間や不正に形成した孔からROM121を抜き出す必要がある。
しかし、図14(A)に示すように第2位置にあるレバー703L,703Rを回動し、図14(B)に示すように第1位置まで回動させ、ROM121を前方のベース板801a側へ移動させたとしても、装着部710Fの左右側にはレバー703L,703Rが第2基板12Bに対し起立するように配置されており、該レバー703L,703Rの頂点Tとベース板801aとの離間寸法L10は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であるため(L10<L11)、ROM121をベース板801aに接触する位置まで移動させて該ベース板801aに沿うように左方向または右方向へ移動させても、レバー703L,703Rの頂点Tとベース板801aとの隙間を通過させることができない。
また、装着部710Fの上方及び下方の左右側には立壁部711L,711Rがそれぞれ立設されており、立壁部711L,711Rの前端とベース板801aとの離間寸法L10は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であるとともに(L10<L11)、これら左側の立壁部711Lと右側の立壁部711Rとの間の左右方向の離間寸法L16は、ROM121の左右寸法L15よりも短寸であるため(L15>L16)、図15に示すように、ROM121をベース板801aに接触する位置まで移動させて該ベース板801aに沿うように上方または下方へ移動させても、左右の立壁部711L,711Rや弾性係止片713に接触し、左右の立壁部711L,711Rとの間を通過させることはできない。
また、レバー703L,703Rを第2位置から第3位置へ回動させると、レバー703L,703Rの頂点Tが第2位置にあるときよりもベース板801aに近接することで、頂点Tとベース板801aとの離間寸法L10が、レバー703L,703Rが第1位置や第2位置にあるときよりも短寸となるため、ROM121をベース板801aに接触する位置まで移動させて該ベース板801aに沿うように左右方向へ移動させても、左右のレバー703L,703Rにより接触しやすくなるので、頂点Tとの間を通過させることが困難となる。
このように本実施例では、レバー703L,703Rが第1位置にあるときだけでなく、第3位置から第1位置までの回動範囲にある状態では、ROM121を、ハウジング701の底板部710の上面である装着部710Fに保持可能な状態に配置または装着部710Fから前方へ取出し可能な状態となる。
しかし、基板ケース800が封止された状態で第2位置にあるレバー703L,703Rを第3位置から第1位置までの回動範囲まで回動させて、ROM121を装着部710Fから前方へ移動させることができたとしても、装着部710Fの周囲にレバー703L,703Rや立壁部711L,711Rがあることで、装着部710Fの側方、つまり、第2基板12Bに沿う方向へ移動させることができないため、ベース部材801の側壁801b〜801eとカバー部材802の側壁821b〜802eとの隙間や不正に形成した孔等からROMを抜き出すこと、及び不正な改造が施されたROMに交換して装着部710Fに装着することが困難となる。よって、基板ケース800に収納された第2基板12Bに装着されたROM121やキャラクタROM126等の電子部品を、基板ケース800を開封せずに不正な改造が施されたROMに交換されるといった不正行為を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、演出制御基板12の第2基板12Bに電子部品であるROM121やキャラクタROM126などを装着する第1状態と該電子部品を第2基板12Bから離れる方向(例えば、第2基板12Bの前面12fの垂線方向)に取出し可能とする第2状態とに変化可能な装着具としてのソケット700A,700B,700Cと、ベース部材801とカバー部材802とを有し、第2基板12Bを収納する基板ケース800と、ベース部材801とカバー部材802とを組付けた後、痕跡を残さずに前記基板ケースを開封できないように封止する封止手段(例えば、ワンウェイネジ809、取付片834、取付孔834a及びネジ穴810など)と、を備え、第2基板12Bは、ソケット700A,700B,700Cがベース部材801のベース板801aに対向するように基板ケース800に収納され、ソケット700A,700B,700Cは、第2基板12Bに装着するROM121の側方に設けられる動作可能なレバー703L,703Rを有し、レバー703L,703Rは、第2基板12Bを基板ケース800に収納した状態において、レバー703L,703Rを第2位置から第3位置へ回動させると、レバー703L,703Rの頂点Tが第2位置にあるときよりもベース板801aに近接する。
このようにすることで、基板ケース800が封止された状態でソケット700Aのレバー703L,703Rを第1位置へ回動してROM121をソケット700Aから取出す場合、ソケット700Aを第2基板12Bから離れる方向へ取出す際にベース部材801のベース板801aが邪魔になるとともに、第2位置にあるときよりもレバー703L,703Rとベース板801aとの間が狭まることで、第2基板12Bから離したソケット700Aをベース板801aに沿って移動させて該ベース板801aとレバー703L,703Rとの間を通過させることが困難となるため、基板ケース800を開封せずにROM121を不正なROMに交換するといった不正行為を抑制できる。
また、ソケット700A,700B,700Cのレバー703L,703Rが第3位置から第1位置の回動範囲に配置されている状態へ変化したとき、レバー703L,703Rとベース部材801のベース板801aとの間の離間寸法L10がROM121の板厚寸法L11よりも短寸となることで、ソケット700Aのレバー703L,703Rを第1位置へ回動してROM121をソケット700Aから取出す場合に、ROM121をベース板801aとレバー703L,703Rとの間を通過させることが困難となるため、より好適に不正行為を抑制できる。
尚、本実施例では、レバー703L,703Rが第1位置へ回動したとき、レバー703L,703Rとベース板801aとの離間寸法L10がROM121の板厚寸法L11よりも短寸となるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、レバー703L,703Rとベース板801aとの離間寸法L10が「0」になる、つまり、レバー703L,703Rがベース板801aに当接するようにしてもよい。
さらに、本実施例では、レバー703L,703Rが第1位置へ回動したとき、レバー703L,703Rとベース板801aとの離間寸法L10がROM121の板厚寸法L11よりも短寸となるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、レバー703L,703Rとベース板801aとの離間寸法L10が、ROM121の板厚寸法L11よりも長寸とされていてもよい(L10>L11)。すなわち、レバー703L,703Rが第2位置にあるときよりもレバー703L,703Rがベース板801aに近づき、ROM121をベース板801aとレバー703L,703Rとの間を通過させることが困難となるため、不正行為を抑制できる。
また、可動部としてのレバー703L,703Rは、第2位置に配置されている状態においてROM121を第2基板12Bに保持する保持部714を有することで、保持部714を利用して、ROM121をベース板801aとレバー703L,703Rとの間を通過させることを困難とすることができるため、ソケット700Aの構造を簡素化できる。
尚、本実施例では、可動部としてのレバー703L,703Rは、第2位置に配置されている状態においてROM121を第2基板12Bに保持する保持部714を有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動部は、ROM121を第2基板12Bに保持する保持部とは別個に動作可能に設けられていてもよい。
また、可動部は、保持部714を操作するための操作部としてのレバー703L,703Rであることで、保持部714を操作する操作部を利用して、ROM121をベース板801aとレバー703L,703Rとの間を通過させることを困難とすることができるため、ソケット700Aの構造を簡素化できる。
尚、本実施例では、可動部であるレバー703L,703Rは操作者が操作可能な操作部であり、かつ、ROM121を保持する保持部714を有していた。つまり、可動部と保持部と操作部と一の部材に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動部と保持部と操作部とはそれぞれ別個に設けられていてもよいし、可動部と保持部と操作部とのうちいずれか2つが一の部材に設けられていてもよい。
例えば、可動部は、第2基板12Bを基板ケース800に収納した状態において、第1状態から第2状態への変化に応じてベース板801aに近接するように動作するものであれば、第2状態においてROM121を保持するレバー703L,703Rとは別個に設けられてもよい。
また、操作部は、可動部であるレバー703L,703Rとは別個に設けられていてもよく、この場合、レバー703L,703Rとは別個の操作部を操作することで、レバー703L,703Rが動作するようになっていればよい。
また、レバー703L,703Rは、ROM121の装着部710Fの左右側方に配置されていることで、ROM121を装着部710Fから前方へ取出す際に左右のレバー703L,703Rが邪魔になるため、より好適に不正行為を抑制できる。尚、本実施例では、レバー703L,703Rは、ROM121の装着部710Fの左右側方に配置されていたが、上下方に配置されていてもよい。
また、前記実施例では、装着具としてソケット700A,700B,700C,1700を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回路基板に装着する電子部品の側方に動作可能に設けられる可動部を有し、該可動部は、回路基板を基板ケースに収納した状態において、電子部品を装着する第1状態から電子部品を回路基板から離れる方向へ取出し可能とする第2状態への変化に応じて、基板ケースの第1部材の壁面部に近接する方向に動作するようになっていれば、上記ソケット700A,700B,700C,1700のようにハウジング701に対し回動可能に設けられたものだけでなく、ハウジング701に対しスライド移動可能に設けられていてもよく、可動部の動作態様は種々に変更可能である。
また、ベース部材801のベース板801aには放熱孔829が設けられ、放熱孔829は、ソケット700Aと対向する位置以外の個所に形成されていることで、治具や針金等を放熱孔829から進入させても、ソケット700Aに到達させることが困難であるため、ROM121を容易に取外すことを抑制できる。また、放熱孔829から針金等の異物を挿入してROM121に不正な改造を施し難くすることができる。
次に、本発明の変形例1〜4について、図16〜図19に基づいて説明する。図16は、本発明の変形例1としての基板ケースの要部を示す断面図である。図17は、本発明の変形例2としての基板ケースの要部を示す断面図である。図18は、本発明の変形例3としての基板ケースの要部を示す断面図である。図19は、本発明の変形例4としての基板ケースの要部を示す断面図である。尚、変形例1〜4の基板ケースについては、前記実施例と異なる構成のみ説明し、前記実施例と同様に構成についての説明は省略する。
図16に示すように、変形例1としての基板ケース800Dは、第2基板12Bが基板ケース800Dに収納された状態において、立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tからベース板801aまでの離間寸法L10が、ROM121の板厚寸法L11よりも長寸となるように配置されるように構成されている(L10>L11)。このような場合、ROM121を装着部710Fから前方へ移動させた後、第2基板12Bに沿う方向(上下左右方向)へ移動させることができる。
このような場合にあっても、例えば、ソケット700Aの上方近傍位置には第1基板12Aが配置されており、第1基板12Aとベース板801aとの前後方向の離間寸法L21は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であることで(L21<L11)、ROM121を第1基板12Aとベース板801aとの隙間を通過させて基板ケース800Dの上方から抜き取ることは困難となる。
また、ソケット700Aの下方近傍位置にはリブ804aが配置されており、リブ804aと立壁部711Rとの前後方向の離間寸法L22は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であることで(L22<L11)、ROM121を立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tとリブ804aの後端との隙間を通過させて基板ケース800Dの下方から抜き取ることは困難となる。
図17に示すように、変形例2としての基板ケース800Eは、第2基板12Bが基板ケース800Eに収納された状態において、立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tからベース板801aまでの離間寸法L10が、ROM121の板厚寸法L11よりも長寸となるように配置されるように構成されている(L10>L11)。しかし、ベース板801aにおけるソケット700Aの上方近傍位置には段部814b’があり、ソケット700Aの前方のベース板801aよりも第1基板12A側に近接しているため、第1基板12Aとベース板801aとの前後方向の離間寸法L23は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であることで(L23<L11)、ROM121を第1基板12Aとベース板801aとの隙間を通過させて基板ケース800Eの上方から抜き取ることは困難となる。
また、ソケット700Aの下方近傍位置には、ベース板801aの背面に第2基板12B側へ向けて突設されたリブ815が配置されており、リブ815と立壁部711Rとの前後方向の離間寸法L24は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であることで(L24<L11)、ROM121を立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tとリブ815の後端との隙間を通過させて基板ケース800Eの下方から抜き取ることは困難となる。
図18に示すように、変形例3としての基板ケース800Fは、第2基板12Bが基板ケース800Fに収納された状態において、立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tからベース板801aまでの離間寸法L10が、ROM121の板厚寸法L11よりも長寸となるように配置されるように構成されている(L10>L11)。しかし、ベース板801aにおけるソケット700Aの上方近傍位置には、第1基板12Aの前面に搭載された電子部品850が設けられており、電子部品850とベース板801aとの前後方向の離間寸法L25は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であることで(L25<L11)、ROM121を電子部品850とベース板801aとの隙間を通過させて基板ケース800Fの上方から抜き取ることは困難となる。
また、ソケット700Aの下方近傍位置には、ベース板801aの背面に第2基板12Bへ向けて突設されたボス804が配置されており、ボス804と立壁部711Rとの前後方向の離間寸法L26は、ROM121の板厚寸法L11よりも短寸であることで(L26<L11)、ROM121を立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tとボス804との隙間を通過させて基板ケース800Fの下方から抜き取ることは困難となる。
これら変形例1〜3に示したように、立壁部711L,711Rの前端及びレバー703L,703Rの頂点Tからベース板801aまでの離間寸法L10が、ROM121の板厚寸法L11よりも長寸となるように配置される場合であっても、ソケット700Aの側方近傍位置に、ROM121の第2基板12Bに沿う方向への移動を阻害する阻害部としての第1基板12A、ボス804、リブ804a、段部814b’、リブ815や電子部品850等があることで、ROM121を不正に抜き取ることを抑制することができる。
尚、これら阻害部は、ソケット700Aの近傍位置に配置されていることが好ましいが、近傍位置とは、ソケット700Aから阻害部までの離間寸法Laが、ROM121の幅寸法L12(阻害部が上下側方にある場合は上下寸法、左右側方にある場合は左右寸法)よりも短寸であることが好ましい(La<L12)。離間寸法Laが幅寸法L12とほぼ同寸または幅寸法L12より長寸である場合は、ROM121を阻害部と立壁部711L,711Rやレバー703L,703Rとの間を通過させることが可能となるが、阻害部があることにより前後方向の隙間が狭まることで、ROM121の移動を困難とさせることができるため、不正行為を抑制することができる。
また、阻害部としてのボス804、リブ804a、段部814b’及びリブ815は、第2基板12Bが取付けられないベース部材801側に設けられているため、ソケット700Aに対しROM121を着脱する際に、これら阻害部が干渉して邪魔になることが防止される。
そしてこれら阻害部としてのボス804、リブ804a、段部814b’及びリブ815は、図8(A)(B)に示すように、ベース部材801に対しカバー部材802を回動させることによりソケット700Aに近接するため、よりソケット700Aに近接して配置することができる。
さらに、ボス804及びリブ804aは、図8(B)(C)に示すように、ベース部材801とカバー部材802とを組付ける際に、ベース部材801に対しカバー部材802を下方へスライドさせることによりソケット700Aに近接するため、よりソケット700Aに近接して配置することができる。
図19に示すように、変形例4としての基板ケース800Gは、第2基板12Bにソケット700A,700B,700Cとは異なるソケット1700が設けられている。ソケット1700は、前記実施例に記載のソケット700A,700B,700Cのレバー703L,703Rの代わりに、ROM121を装着部1701Fに保持する正面視四角枠状または板状(図示略)の保持枠1702が、ハウジング1701の一側辺に設けられた左右方向を向く回動軸1703を介して回動可能に設けられている。
詳しくは、保持枠1702は、ROM121の前面側に配置され保持部1702aによりROM121の前面を保持する第1位置(図19(A)参照)と、装着部1701Fを前方に開放するように第2基板12Bに対し略直交する方向を向く第2位置(図19(B)において2点鎖線で示す位置)との間で回動可能に設けられている。
また、基板ケース800Gは、第2基板12Bが基板ケース800Gに収納された状態において、ハウジング1701の前端からベース板801aまでの離間寸法L30が、ROM121の板厚寸法L11よりも長寸となるように配置されるように構成されている(L30>L11)が、保持枠1702を第1位置から第2位置へ回動させる途中で保持枠1702がベース板801aに当接し、第2位置まで回動させることができないようになっているため、ROM121を装着部1701Fから前方へ取出すことは困難となる。
このように、第2基板12Bが基板ケース800Gに収納された状態において、ソケット1700は、保持枠1702を操作して第1位置から第2位置側へ回動させる途中でベース板801aに当接して第2位置側への回動が規制されるようになっているため、ROM121を装着部1701Fから前方へ取出し、ROM121を基板ケース800から抜き取ることは困難となる。
また、特に図示しないが、保持枠1702を第1位置から第2位置側へ回動させる途中でベース板801aに当接して第2位置側への回動が規制されないように、第2基板12Bがベース板801aから離れて配置される場合であっても、第2位置に配置されたときに、保持枠1702が装着部1701Fの側方に起立して配置されることになるため、少なくとも装着部1701Fから前方に移動させたROM121を保持枠1702側へ移動させることが困難となるため、不正行為を抑制することができる。
また、前記実施例及び変形例1〜3に記載のソケット700Aは、レバー703L,703Rが第3位置から第1位置の回動範囲に配置されている状態においてROM121がベース板801aに沿って移動することを阻害する装着具側阻害部としての立壁部711L,711R、弾性係止片713、レバー703L,703Rなどを有することで、ROM121をベース板801aに沿って移動させることが阻害されるので、ROM121のソケット700Aからの取外しを好適に抑制できる。
また、基板ケース800,800D,800F,800Gは、レバー703L,703Rが第3位置から第1位置の回動範囲に配置されている状態においてROM121がベース板801aに沿って移動することを阻害するケース側阻害部としての第1基板12A、ボス804、リブ804a、段部814b’、リブ815や電子部品850等を有することで、ROM121をベース板801aに沿って移動させることが阻害されるので、ROM121のソケット700Aからの取外しを好適に抑制できる。
また、第2基板12Bは、カバー部材802に取付けた状態で基板ケース800,800D,800F,800Gに収納され、ケース側阻害部は、ベース部材801に設けられていることで、ROM121を第2基板12Bに装着する際に、ケース側阻害部(例えば、第1基板12A、ボス804、リブ804a、段部814b’、リブ815や電子部品850等)が邪魔になり作業性が低下することを防止できる。
また、阻害部としてのボス804、リブ804a、段部814b’及びリブ815は、図8(A)(B)に示すように、ベース部材801に対しカバー部材802を回動させることによりソケット700Aに近接することで、ROM121を第2基板12Bに装着する際に、ケース側阻害部が邪魔になり作業性が低下することを防止できる。
また、ボス804は、基板ケース800,800D,800F,800Gに収納した第2基板12Bを押える基板押えを兼ねることで、阻害部をボス804とは別個に設ける必要がないので、基板ケース800の構造を簡素化できる。
また、ベース部材801のベース板801aには、前記ケース側阻害部(例えば、阻害部としてのボス804、リブ804a、段部814b’及びリブ815)の位置を基板ケース800の外側から特定可能とする目印部としての目印部840,841が設けられていることで、基板ケース800の製造時等において、ソケット700Aとケース側阻害部との位置関係を基板ケース800の外側から容易に確認することができる。
また、演出制御基板12は、第1基板としての第1基板12Aと基板ケース800に収納した状態において該第1基板12Aよりもベース板801aから遠い位置に配置される第2基板としての第2基板12Bとを有し、ソケット700Aは、ベース板801aに対向するように第2基板12Bに設けられ、第1基板12Aは、第2状態においてROM121がベース板801aに沿って移動することを阻害することで、ROM121をベース板801aに沿って移動させることでソケット700Aから取外されることを抑制できる。
また、前記実施例では、回路基板として演出制御基板12を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、主基板11や払出制御基板91等、電子部品が装着される他の制御基板を適用してもよい。
また、前記実施例では、電子部品として演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121やキャラクタROM126を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120や、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101やCPU103等、遊技者に対して有利度を付与する制御に関連する他の電子部品を適用してもよい。すなわち、特にROM121やROM101など、遊技者に対して有利度を付与する制御に関連する電子部品は不正の対象となりやすいため、本発明をこのような電子部品に適用すれば不正行為を好適に抑制できるので好ましいが、遊技者に対して有利度を付与する制御に関連しない電子部品に本発明を適用してもよい。
尚、遊技者に対して付与する有利度とは、パチンコ球等の遊技に用いる遊技媒体、遊技者所有の遊技媒体として記憶された遊技価値(所謂クレジット)、遊技者にとって有利な特典などが該当する。
ここで遊技者にとって有利な特典とは、例えば、遊技者に対して有利度を付与する制御とは、例えば、演出制御用CPU120が、大当り種別としてラウンド数が異なる複数種類の大当りがある場合において、大当り中において実行されるラウンド数を報知するラウンド数報知演出や、確率変動図柄ではない通常大当り図柄にて大当りとなった大当り遊技中において、該大当り終了後に高確率状態に移行することを報知する昇格報知演出や、大当り終了後に高確率状態に移行することが報知されていない状態において高確率状態に制御されている可能性を示唆する潜伏報知演出等、遊技者にとって有利な状態であることを報知する報知演出を実行する権利等が含まれる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等に移行させる権利等が含まれる。
また、前記実施例では、演出制御基板12は第1基板12Aと第2基板12Bとを含む複数の基板を有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3以上の基板を含む構成としてもよいし、一の基板にて構成されていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンを適用してもよい。
また、スロットマシンにおいて、遊技者に対して付与する有利度とは、メダルやパチンコ球等の遊技に用いる遊技媒体、遊技者所有の遊技媒体として記憶された遊技価値(いわゆるクレジット)、遊技者にとって有利な特典などが該当する。
ここで遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
尚、前記実施例では、本発明を遊技機としてのパチンコ遊技機1に適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1やスロットマシンなどの遊技機に対応して設けられる遊技用装置(例えば、遊技球やメダルなどの遊技媒体を貸し出すカードユニット等の遊技媒体貸出装置や、遊技機に関連する情報(例えば、大当り回数、ボーナス回数、AT回数、大当り・ボーナス後変動数など)を表示可能な情報表示装置など)に本発明を適用してもよい。
例えば、遊技媒体貸出装置であれば、基板ケースに収納された回路基板に装着具を介して接続された電子部品(遊技媒体の貸出しに関する貸出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM等)に対する不正行為を抑制することを目的として本発明を適用することが可能であり、情報表示装置であれば、基板ケースに収納された回路基板に装着具を介して接続された電子部品(遊技機に関連する情報の表示に関する表示制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM等)に対する不正行為を抑制することを目的として本発明を適用することが可能である。