JP2016167990A - 植物栽培方法及びそれを用いる有用タンパク質の製造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により植物に感染させて該有用タンパク質を発現させるための、植物の栽培方法であって、該方法は、前記植物を、閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、前記栽培工程の少なくとも一部において、照射サイクル及び気温を制御する工程と、を含み、前記照射サイクルは、人工光の点灯及び消灯により前記栽培工程中に1サイクル以上とし、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
非特許文献1には、タバコ属(Nicotiana)植物にアグロバクテリウムを介した一過性発現でタンパク質を生産する方法において、タバコ属種やウイルス株の種類、及びタバコの葉にウイルスを浸潤(インフィルトレーション)させる際の減圧度等について検討した結果が開示されている。これによれば、アグロバクテリウム溶液を浸潤させる際の減圧度が高すぎると、植物が機械的な損傷を受けて、その後短期間でしおれ、植物死を生ずる一方、減圧度合いを低くすると、葉の50%程度にしか浸潤せずタンパク質の発現量が低下する。その結果、比較的マイルドな条件(50〜200ミリバール、30〜60秒間)でアグロバクテリウムを浸潤させることにより植物の生育に悪影響を与えることなくタンパク質を発現させうることが提案されている。
すなわち、特許文献1では、植物に導入された、ヘマグルチニン(HA)をコードする遺伝子の発現調節機構について詳細な検討が行われているが、この形質導入植物は、通常の条件で栽培されているにすぎない。
また、非特許文献2では植物の栽培条件について種々の検討が行われているものの、人工気象器内での植物の栽培条件のみであって、減圧処理によるアグロバクテリウム感染やそれによるタンパク質の発現量への影響については何ら検討されていない。
従って、本発明は、植物を用いて有用タンパク質を製造する際の植物を栽培する条件を改良し、有用タンパク質の生産効率を最適化することを目的とする。
[1] 有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により植物に感染させて該有用タンパク質を発現させるための、植物の栽培方法であって、該方法は、
前記植物を、閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、
前記栽培工程の少なくとも一部において、照射サイクル及び気温を制御する工程と、を含み、
前記照射サイクルは、人工光の点灯及び消灯により栽培工程中に1サイクル以上とし、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御することを特徴とする、植物の栽培方法。
[2] 植物に有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを導入する方法であって、
前記植物を閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、
前記栽培工程の少なくとも一部において、照射サイクル及び気温を制御する工程であって、人工光の点灯及び消灯により当該照射サイクルを前記栽培工程中に1サイクル以上とし、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御する工程と、
前記植物に、前記ポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により感染させる工程と、
を含むことを特徴とする、植物への前記ポリヌクレオチドの導入方法。
[3] 植物を用いて有用タンパク質を製造する方法であって、
前記植物を、閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、
前記栽培工程後の植物に、有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により感染させる工程と、
前記感染工程後の植物に有用タンパク質を発現させる工程と、を含み、
前記栽培工程の少なくとも一部において、人工光の点灯及び消灯により前記栽培工程中に1サイクル以上の照射サイクルを有し、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御することを特徴とする、有用タンパク質の製造方法。
[4] 前記点灯時間における気温が、消灯時間の気温より2〜30℃高い範囲内で制御される[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記水耕栽培に用いられる養液の温度が、消灯時間の間、前記気温以上の温度で制御される[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記養液の点灯時間と消灯時間と間での温度差が、±1℃の範囲で制御される[5]に記載の方法。
[7] 前記発現工程の後に前記有用タンパク質を精製し回収する工程をさらに含むことを特徴とする、[3]〜[6]のいずれかに記載の有用タンパク質の製造方法。
[8] 前記有用タンパク質が、医療用タンパク質であることを特徴とする、[3]〜[7]のいずれかに記載の有用タンパク質を製造する方法。
[9] 前記植物が、ベンサミアナタバコであることを特徴とする、[3]〜[8]のいずれかに記載の有用タンパク質を製造する方法。
本発明の方法のうち、第二の態様は、植物に有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを導入する方法であって、植物を栽培する工程(栽培工程)、次いで、該植物に該有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを感染させる工程(感染工程)を含む。
本発明の方法のうち、第三の態様は、植物を用いて有用タンパク質を製造する方法であって、植物を栽培する工程(栽培工程)、次いで、該植物に該有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを感染させる工程(感染工程)、及び、感染工程後の植物を栽培して該有用タンパク質を発現させる工程(発現工程)を含む。
医療用タンパク質としては、治療用タンパク質と診断タンパク質に分類され、治療用タンパク質としては、ペプチド、ワクチン、抗体、酵素、ホルモン(好ましくはペプチドホルモン)などが例示され、より具体的には、ワクチンとして使用されるウイルスタンパク質、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン等の造血因子、インターフェロン、インターロイキン(IL)−1やIL−6等のサイトカイン、モノクローナル抗体またはその断片、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ウロキナーゼ、血清アルブミン、血液凝固第VIII因子、レプチン、インシュリン、幹細胞成長因子(SCF)などが例示される。また、診断タンパク質としては、抗体、酵素、ホルモン等が例示される。
本工程における重要な視点は、後に詳述するように、植物を光の照射サイクルと気温変動を制御する条件下で生育させることであり、以下順を追って説明する。
本工程は、前記植物を水耕栽培法で栽培する工程を含む。本明細書において水耕栽培とは、土を使用しない養液栽培のことをいい、ロックウールなどの固形培地に定着させた植物を養液中で栽培する方法や、緩傾斜の平面上に養液を薄く流下させる薄膜水耕法(NFT:Nutrient Film Technique)と、溜めた養液中で栽培する湛液型水耕法(DFT:Deep Flow Technique)等がある。薄膜水耕法(NFT)は、植物を保持するための複数の穴を開けたパネルを栽培台に載置し、該穴に植物を挿通して保持し、養液を供給して栽培する方法である。湛液型水耕法(DFT)は、養液(液肥)の流動により十分な酸素を根部に供給して養分吸収を促進し、さらに液肥の温度及び濃度を含む根圏環境も安定化し、栽培環境を一定に整えるという利点がある。
また、水耕栽培においては、肥料を含む水である養液をかけ流したり、循環させたりして、常に植物に養液を供給しながら栽培する方法と、養液を一定期間貯留して植物を栽培する方法が挙げられる。酸素などが豊富に供給されるので植物の高速栽培が可能であることから、養液を常に供給しながら栽培する方法が好ましく、コストメリットの点から養液を循環させて栽培する方法がより好ましい。このような高速栽培の条件においては、本発明の効果が顕著に表れる。
また、植物内に高濃度のタンパク質を蓄積できる植物を用いた場合には、植物の草丈が上限値以下であると、植物の地上部全体における葉の割合が高くなり、植物1株当たりの葉の収穫量が増え、十分な量のタンパク質を確保することができる。また、精製工程で取り扱いが容易な葉の重量割合が増えることで精製負荷を低減することができ、その結果、容易にタンパク質を確保することができるので好ましい。
なお、ここでいう「草丈」とは、地上部の下端から生長点までの長さを意味し、収穫直後の植物の地下部を切除した後、草丈の長さを測定することにより求めることができる。
地上部新鮮重量が、上述の範囲内である植物は生長速度が速く、このような生長速度の速い時期にある植物を用いると、有用タンパク質の生産効率が向上するので好ましい。特に、植物の高速栽培が可能な条件で栽培工程を実施する場合には、後述の光の照射サイクルと気温変動の制御による、本発明の効果が顕著に得られるため好ましい。高速栽培可能な条件とは、前述の養液を常に供給しながら栽培すること、光の照射時間を長くすること、養液中の肥料成分を多くすること、bare-root法を採用することなどが挙げられ、これらの条件を適宜組み合わせることにより、例えばタバコであれば、育苗を含む栽培期間28日間で地上部新鮮重量60g以上とすることが可能である。
照射サイクルの1サイクルにおける点灯(昼)時間は、1日に1サイクルの場合には、約10時間以上であることが好ましく、より好ましくは12時間以上、さらに好ましくは14時間以上、特に好ましくは15時間以上であって、23時間以下であることが好ましく、より好ましくは22時間以下、さらに好ましくは21時間以下、特に好ましくは20時間以下である。一方、光の照射サイクルの1サイクルにおける消灯(夜)時間は、約1時間以上であることが好ましく、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは3時間以上、特に好ましくは4時間以上であって、14時間以下であることが好ましく、より好ましくは12時間以下、さらに好ましくは10時間以下である。
1サイクルを1日を超えて実施する照射サイクルとした場合には、照射サイクルの1サイクルにおける点灯(昼)時間は、1サイクルの昼夜合計時間の45%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、98%以下が好ましく、95%以下がより好ましい。
このとき、夜時間における液温が、夜時間における気温以上に制御されることが好ましく、気温より高く制御されることがさらに好ましい。例えば、夜時間の間の液温が、好ましくは気温と同等から10℃の範囲されることが好ましく、より好ましくは1〜5℃高い範囲内で制御されることである。具体的には、夜時間の気温が20℃のとき、液温20〜30℃であり、好ましくは21〜25℃である。
また、夜時間における液温と気温との差が、昼時間における液温と気温との差よりも小さいことが好ましい。
また、昼夜で液温が変動するように制御する場合、夜時間における液温が気温以上に制御されていればよく、気温と同様に昼時間の液温が夜時間の液温よりも高くてもよいし、逆に、夜時間の液温が昼時間の液温よりも高くてもよい。
本発明の栽培方法により、植物の物理的強度が向上する理由は必ずしも明らかではないが、例えば、葉の光合成で合成されたエネルギーの転流(植物体の、ある部分で合成された物質が篩管(しかん)を通して他の部分に運ばれること)が、夜時間の間に促進され植物体そのものが頑健となることによって、アグロバクテリウムを浸潤させる際の機械的ダメージにも耐え得る健康な状態の植物を得られると推測される。また、アグロバクテリウムに対する生物学的な耐性も獲得したと推測される。その結果、一過性発現における目的タンパク質の発現効率が向上したと考えられる。
栽培工程における二酸化炭素濃度は、通常300ppm以上、好ましくは500ppm以上であり、また、通常5000ppm以下、好ましくは3000ppm以下である。例えば、昼時間の二酸化炭素濃度が、夜時間の二酸化炭素濃度よりも少なくとも100ppm高く、好ましくは500ppm以上、1000ppm以上高く設定することで、本発明の効果が顕著になる場合がある。
感染工程では、前記栽培工程で得られた植物に、有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを圧力サイクル処理により感染させる。圧力サイクル処理には、加圧又は減圧処理を含む。大気圧(通常は、1気圧=101.325kPa=約0.1MPa)よりも高い圧力で処理する加圧処理を行なう場合、少なくとも1.1気圧(112kPa)、1.5気圧(152kPa)、2気圧(203kPa)、2.5気圧(253kPa)、3気圧(304kPa)、4気圧(405kPa)若しくは5気圧(507kPa)又は任意の中間値又はこれを超える任意の値で処理する。好ましくは1.7気圧(172kPa)〜10気圧(1013kPa)の範囲であり、より好ましくは4気圧(405kPa)〜8気圧の範囲である。大気圧よりも低い圧力で処理する減圧処理を行なう場合、0.005気圧(0.5kPa)〜0.3気圧(30kPa)の範囲が好ましく、0.01気圧(1.0kPa)〜0.1気圧(10.1kPa)の範囲がより好ましく、0.02気圧(2.0kPa)〜0.06気圧(6.1kPa)の範囲がさらに好ましい。減圧の圧力が高すぎる場合は、感染液の浸潤が不十分になるため好ましくない。逆に圧力が低すぎる場合は、液体が沸点に達し著しく蒸発して液体が減少し浸潤が不十分になることや、製造プロセスや設備が大がかりになるためやはり好ましくない。したがって、これらの加圧処理又は減圧処理する時間は、植物の種類や処理する組織に応じて適宜設定することができるが、10秒〜10分であり、好ましくは20秒〜5分であり、さらに好ましくは30秒〜3分程度である。
発現工程では感染工程後の植物を栽培して該有用タンパク質を発現させる。発現工程での栽培条件は有用タンパク質が効率よく発現できる条件であれば特に制限されないが、該発現工程における温度、湿度等の条件は上記栽培工程における条件と同様の条件とすることができる。また、光照射の条件も太陽光、蛍光灯、LED、冷陰極蛍光ランプ(CCFL、HEFL)、無機・有機EL等を用いた通常の条件を採用することができる。あるいは、発現させるタンパク質の種類に依存するか又は依存せず、発現に好適な昼夜サイクル及び温湿度等の条件を設定することも可能である。発現工程における栽培日数は、好ましくは3日以上、より好ましくは4日以上であり、また、好ましくは14日以下、より好ましくは10日以下である。
栽培気温は、通常10℃以上、好ましくは15℃以上であり、また、通常40℃以下、好ましくは37℃以下である。植物工場内の相対湿度は、通常20%以上、好ましくは30%以上であり、また、通常100%以下、好ましくは95%以下である。植物工場内の二酸化炭素濃度は、通常300ppm以上、好ましくは500ppm以上であり、また、通常5000ppm以下、好ましくは3000ppm以下である。
発現工程において、植物内に蓄積した有用タンパク質は植物から回収されることが好ましい。植物から有用タンパク質を含む画分を取得し、有用タンパク質を適当な方法により精製することが好ましい。なお、有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドは精製のためのタグ配列を含んでもよい。
1.形質転換アグロバクテリウムの調製
1.1 発現プラスミド
GFP(クラゲ緑色蛍光タンパク質)発現の検討には、以下の2種類の発現プラスミドを用いた。
植物バイナリーベクターpMM444(特開平9−313059号公報)のカナマイシン耐性発現カセット(ノパリンシンターゼ遺伝子のプロモーター、カナマイシン耐性遺伝子、及びノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーターからなる)を、pIZI(特開平7−274752)由来のハイグロマイシン耐性発現カセット(カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーター、ヒマのカタラーゼ遺伝子の第一イントロン、ハイグロマイシン耐性遺伝子、及びノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーター)に置換した。このようにして得られたプラスミドに、さらに、pIG221(Plant Cell Physiol., 31, 805(1990))由来のGUS発現カセット(カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーター、ヒマのカタラーゼ遺伝子の第一イントロン、β−グルクロニダーゼ遺伝子、及びノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーターからなる)のβ−グルクロニダーゼ遺伝子をEGFP遺伝子(pEGFP−N3:クローンテック社製)に置換したEGFP発現カセットを導入し、EGFP遺伝子発現プラスミドを作製した(以下、このプラスミドを「pGFP/MM444」と称する。その構造を図1に示す)。
35SP:カリフラワーモザイクウィルス 35Sプロモーター
int:ヒマカタラーゼ遺伝子 第一イントロン
Nost:ノパリンシンターゼ ターミネーター
SpecR:スペクチノマイシン耐性遺伝子
TcR:テトラサイクリン耐性遺伝子
HmR:ハイグロマイシン耐性遺伝子
OripBR322:pBR322 ori
OripRK2:pRK2 ori
BL:T−DNA left border
BR:T−DNA right border
上述のプラスミド(pGFP/MM444、p19/MM444)をそれぞれ、エレクトロポレーション法(Mattanovich et al.1989)によってアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens AGL1: Rhizobium radiobacter ATCC BAA-101; American Type Culture Collection (ATCC), Manassas, VA20108,USA)株に導入した(得られた形質転換アグロバクテリウムを、以下、それぞれ、GFP−アグロバクテリウム、P19−アグロバクテリウムと称する)。
上記1.2で作成した形質転換アグロバクテリウム(GFP−アグロバクテリウム、P19−アグロバクテリウム)のグリセロールストックをLB培地に植菌して、培養を行った。
培養後、遠心することで集菌し、得られた菌体をインフィルトレーションbuffer(5mM MES、10mM MgCl2、pH5.6)に懸濁して濃縮菌液を得た。得られた濃縮菌体をGFP−アグロバクテリウムとP19−アグロバクテリウムの1:1混合菌液のOD600が0.8となるように4Lのインフィルトレーションbufferに加えて、pH5.6に調整し、感染工程用アグロバクテリウム菌液(GFP・P19共発現用)とした。
2.1 播種
播種用液体肥料(大塚ハウスS1号(大塚アグリテクノ株式会社)0.78g/L、大塚ハウス2号(大塚アグリテクノ株式会社)0.25g/L、pH5.0)を水耕栽培用ウレタンマット(江松化成W587.5mm×D282mm×H28mm:12×2マス、穴径φ9mm)にしみこませ、育苗トレー(W600mm×D300mm×H300mm)に収め、ベンサミアナタバコ(Nictiana benthamiana)種子を播種した。
播種後の植物を人工気象器(NC−410HC)(日本医化器械製作所)にて気温28℃、16時間昼/8時間夜の光サイクルにて12日間生育させた。ここで、人工気象器内の空間は一定の気温が保たれていた。
2.2で育苗に用いたウレタンマットを1マスずつ分離し、栽培(前期)用パネル(W600mm×D300mm、30穴)に移植した。移植後の栽培(前期)用パネルを栽培装置にセットし、湛液方式(deep flow technique, DFT方式)にて9日間栽培した。環境条件および養液条件は以下のとおりに制御した。なお、気温を測定するための温度計は、半径5cm以内に複数の植物が存在する位置であって、植物栽培容器棚の棚面から6cm〜12cmの高さに温度センサーがくるように設置した。
−気温:28℃
−相対湿度:60〜80%
−CO2濃度:500ppm
−照明:平均光合成光量子束密度(PPFD):160μmol/m2・秒、24h連続照射、三波長蛍光灯「ルピカライン」(三菱電機株式会社)
液体肥料として、肥料A液(大塚ハウスS1号150g/L、大塚ハウス5号(大塚アグリテクノ株式会社)2.5g/L)、肥料B液(大塚ハウス2号100g/L)をそれぞれ脱塩素水に溶解し、等量に混合して使用した。pH調整にはpH調整剤ダウン(大塚アグリテクノ株式会社)および4%KOH水溶液を用いた。養液の電気伝導度(electrical conductivity, EC)およびpHは「らくらく肥料管理機3」(株式会社セムコーポレーション)を用いてEC:2.3mS/cm、pH6.0になるように調整した。また、養液の温度は25℃に制御した。なお、養液温度は、キャリークール(オリオン機械株式会社)を用いて冷却することで、25℃に制御した。EC、pHおよび温度を上記の通り一定とした養液を循環させて、植物の栽培を行った。
栽培(前期)用パネルより植物体を取り出し、栽培(後期)用パネル(W600mm×D300mm、6穴)に定植した。移植後の栽培(後期)用パネルを栽培装置にセットし、DFT方式にて7日間(播種後28日間)栽培した。環境条件は以下のとおり制御した。養液条件は、栽培(前期)と同様の条件に制御した。なお、温度は栽培(前期)と同様の方法で測定した。
栽培(後期)終了後、後述する3.1の感染を行う前の植物の総重量を表2に示した。
−温度:28℃(昼時間)/26℃(夜時間)
−相対湿度:45〜65%
−CO2濃度:500ppm
−照明:平均PPFD:180μmol/m2・秒、20h連続光照射・4h消灯の明暗サイクル、三波長蛍光灯「ルピカライン(登録商標)」(三菱電機株式会社)
3.1 Vacuum Infiltration(真空浸潤法)による感染
上記2.4で得られた播種後28日目のベンサミアナタバコを逆さにしてビーカー中のアグロバクテリウム菌液(上述の1.3で調製したもの)に全ての葉が完全に液中に浸るように沈めた。
その後、該ビーカーを真空デシケーター(FV−3P)(東京硝子器械株式会社)に入れ、19〜40Torrに1分間静置し、減圧した。その後、バルブを一気に開放して復圧をおこなった。
復圧終了後、植物を正立に戻して栽培(後期)用パネルにはめ込んだ後、栽培装置にセットした。
感染後の栽培は人工気象器(日本医化器械製作所製)内の栽培装置を用いて行った。光源として、三波長蛍光灯「ルピカライン(登録商標)」(三菱電機株式会社)を用い、16時間昼/8時間夜の光サイクルで、平均PPFD125μmol/m2・秒にて栽培した。湛液方式(deep flow technique, DFT方式)にて、養液は、EC:2.1〜2.4mS/cm、pH5.6として栽培した。温度は、25℃昼/20℃夜のサイクルとした。また、相対湿度は60〜85%とした。養液の温度は20℃に制御した。なお、液体肥料は栽培(前期)と同様にして、EC、pHおよび温度を上記の通り一定とし、養液を循環させて、植物の栽培を行った。
6日間かけて上述の発現工程を行ったアグロバクテリウム感染ベンサミアナタバコは、葉柄を含めずに全ての葉を収穫し,−80℃にて保管した。
3.2の発現工程での栽培後の植物の総重量および収穫した葉重量を表2に示した。
4.1 粗抽出液の調製
3.3で凍結保存したGFP・P19共発現アグロバクテリウム感染葉を乳鉢に移し、液体窒素中で磨砕した。その後、サンプル新鮮重量の6倍量のGFPアッセイ用抽出バッファー(50mM Tris−HCl、150mM NaCl、2mM EDTA、0.1%Triton−X100(pH7.25))を加え、激しく懸濁することでタンパク質粗抽出を行った。粗抽出液1mlを1.5mlエッペンドルフチューブに移し、4℃、20,400×g、10分間遠心後、上清を回収し、後述のGFP定量に用いた。
GFP蛍光の検出にはWallac ARVO SX 1420 Multilabel counter (Perkin-Elmer Life Sciences) を用いて485nmの励起光によって生じる507nmの発光を検出した。定量には段階希釈したGFPスタンダード (rAcGFP1 Protein:タカラバイオ社製) を用いた。測定サンプルはGFP用抽出バッファーで5倍希釈し、100μLずつ、96−ウェルマイクロプレート(Nuncフルオロヌンクプレート:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に分注し、測定を行い、新鮮重当たりのGFP発現量(mg/kg−FW)、株当たりのGFP発現量(mg)を算出した。3株の測定結果を平均し、栽培(後期)において24h連続光照射・温度一定とした時の値(下記比較例1)を100%とした場合の割合を表1に示した。
植物バイオマスの調整において、播種、育苗、栽培(前期)は実施例1と同様の条件で行い、2.4栽培(後期)においては、昼夜サイクルがなく24h連続光照射であり、昼夜の温度差がなく、27℃一定の条件で実験を行った。
GFP定量について3株の測定結果を平均し、この値を100%として結果を表1に示した。また、実施例1と同様に測定した植物の総重量および収穫した葉重量を、表2に示した。
上記の結果より、栽培工程において照射サイクル及び気温を制御した場合において、後の発現工程で目的のタンパク質の発現が向上することが確認された。また、栽培工程では連続光照射でバイオマス量が多くなっていたの対して、感染工程および発現工程を経た後では、栽培工程で照射サイクル及び気温の制御を行った実施例1の方が、最終的なバイオマス量が多くなる結果となった。これは、栽培工程において頑健性の高い植物が得られたことにより、感染工程を経た後の植物の生育が良好に進んだためと推察される。
Claims (9)
- 有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により植物に感染させて該有用タンパク質を発現させるための、植物の栽培方法であって、該方法は、
前記植物を、閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、
前記栽培工程の少なくとも一部において、照射サイクル及び気温を制御する工程と、を含み、
前記照射サイクルは、人工光の点灯及び消灯により前記栽培工程中に1サイクル以上とし、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御することを特徴とする、植物の栽培方法。 - 植物に有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを導入する方法であって、
前記植物を閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、
前記栽培工程の少なくとも一部において、照射サイクル及び気温を制御する工程であって、人工光の点灯及び消灯により当該照射サイクルを前記栽培工程中に1サイクル以上とし、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御する工程と、
前記植物に、前記ポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により感染させる工程と、
を含むことを特徴とする、植物への前記ポリヌクレオチドの導入方法。 - 植物を用いて有用タンパク質を製造する方法であって、
前記植物を、閉鎖型植物工場にて水耕栽培する工程と、
前記栽培工程後の植物に、有用タンパク質をコードするポリヌクレオチドを有するアグロバクテリウムを、圧力サイクル処理により感染させる工程と、
前記感染工程後の植物に有用タンパク質を発現させる工程と、を含み、
前記栽培工程の少なくとも一部において、人工光の点灯及び消灯により前記栽培工程中に1サイクル以上の照射サイクルを有し、そして点灯時間の気温を消灯時間の気温より少なくとも1℃高く制御することを特徴とする、有用タンパク質の製造方法。 - 前記点灯時間における気温が、消灯時間の気温より2〜30℃高い範囲内で制御される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記水耕栽培に用いられる養液の温度が、消灯時間の間、前記気温以上の温度で制御される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記養液の点灯時間と消灯時間との間での温度差が、±1℃の範囲で制御される請求項5に記載の方法。
- 前記発現工程の後に前記有用タンパク質を精製し回収する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一項に記載の有用タンパク質の製造方法。
- 前記有用タンパク質が、医療用タンパク質であることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項に記載の有用タンパク質を製造する方法。
- 前記植物が、ベンサミアナタバコであることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか一項に記載の有用タンパク質を製造する方法。
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