JP2016166091A - ロープ緩み検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予め多様な物理量を求めることなく、ウインチ装置から繰り出されるロープの緩みを検知できるロープ緩み検知装置を提供する。【解決手段】ロープ緩み検知装置2は、第1検出部21と、第2検出部22と、緩み検知部23とを備えている。第1検出部21は、ウインチ装置から繰り出されたロープの経路上において、ロープの繰り出し方向におけるロープの移動を検出する。第2検出部22は、ウインチ装置の動作を検出する。緩み検知部23は、第1検出部21で検出されたロープの移動と、第2検出部22で検出されたウインチ装置の動作との比較結果に基づいて、ロープの緩みを検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、一般にロープ緩み検知装置に関し、より詳細には、ウインチ装置を備えたクレーンに用いられ、ウインチ装置から繰り出されたロープの緩みを検知するロープ緩み検知装置に関する。
従来、ウインチ装置のウインチドラムを回転させることにより、ロープの繰り出しおよび巻き取りがなされるように構成されたクレーンが知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載のクレーンは、基台上に起伏自在に配設されたブームの先端からロープ(吊下ワイヤ)を繰り出すように構成されている。
この種のクレーンでは、たとえばロープの先端に取り付けられた吊下フックが地面に接地する等してロープの張力がなくなると、ロープがフリーな状態となり、ウインチ装置において巻取張力がなくなる。このような状態からさらにロープの繰り出しを行うと、ウインチドラム上でロープが緩み(たるみ)、ロープの配列が崩れ、そのまま巻き上げると乱巻になる。特許文献1には、このようなウインチドラム上でのロープの乱巻(乱巻き)を防止するための装置(ワイヤ乱巻防止装置)が記載されている。
特許文献1に記載の装置は、基台に作用する実モーメントが、無負荷モーメントよりも小さくなったときに、ウインチ装置の作動を規制する。無負荷モーメントは、吊下フックの無負荷状態におけるブームの状態別に予め求めたモーメントであって、無負荷モーメント記憶手段に記憶されている。これにより、ウインチ装置において巻取張力がなくなった状態からさらにロープの繰り出しを行うことがなく、ウインチ装置におけるロープの乱巻を防止する。
特開平9−278381号公報
特許文献1に記載の構成では、無負荷モーメントを予め求める必要があるが、クレーンにおいては、作業状況に応じてブームの状態(ブーム長さ等)が変化するため、何種類もの無負荷モーメントを求める必要がある。つまり、特許文献1に記載の構成では、作業状況に応じた様々なブームの状態ごとに無負荷モーメントを予め求める必要があるため、ブームの状態が多様になれば、予め求めなければならない物理量(無負荷モーメント)も多様になる。
本発明は上記事由に鑑みてなされており、予め多様な物理量を求めることなく、ウインチ装置から繰り出されるロープの緩みを検知できるロープ緩み検知装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の形態のロープ緩み検知装置は、ウインチドラムの回転によりロープの巻き取りおよび繰り出しを行うウインチ装置を備えたクレーンに用いられ、前記ウインチ装置から繰り出された前記ロープの緩みを検知するロープ緩み検知装置であって、前記ウインチ装置から繰り出された前記ロープの経路上において、前記ロープの繰り出し方向における前記ロープの移動を検出する第1検出部と、前記ウインチ装置の動作を検出する第2検出部と、前記第1検出部で検出された前記ロープの移動と、前記第2検出部で検出された前記ウインチ装置の動作との比較結果に基づいて、前記ロープの緩みを検知する緩み検知部とを備えることを特徴とする。
第2の形態のロープ緩み検知装置は、第1の形態において、前記第1検出部は、前記ウインチ装置から繰り出された前記ロープの経路上に設けられたシーブの回転を検出することにより、前記ロープの移動を検出するように構成されていることを特徴とする。
第3の形態のロープ緩み検知装置は、第1または2の形態において、前記緩み検知部は、前記第1検出部の検出結果から求まる前記ロープの移動速度と、前記第2検出部の検出結果から求まる前記ロープの繰り出し速度との速度差に基づいて、前記ロープの緩みを検知するように構成されていることを特徴とする。
第4の形態のロープ緩み検知装置は、第3の形態において、前記ウインチ装置を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記速度差に応じて、前記ウインチドラムの回転速度を減速または前記ウインチドラムの回転を停止させるように構成されていることを特徴とする。
第5の形態のロープ緩み検知装置は、第2の形態において、前記シーブは、前記クレーンの下部ブームまたは上部旋回体に搭載されたガイドシーブであることを特徴とする。
本発明の第1の形態のロープ緩み検知装置によれば、ウインチ装置から繰り出されたロープの経路上でのロープの移動と、ウインチ装置の動作とが、第1検出部および第2検出部で個別に検出される。緩み検知部は、ウインチ装置から繰り出されたロープの経路上でのロープの移動と、第2検出部で検出されたウインチ装置の動作との比較結果に基づいて、ロープの緩みを検知する。言い換えれば、ロープ緩み検知装置は、2か所で同時に検出されるロープの繰り出し状況を比較することで、直接的にロープの緩みを検知する。したがって、ロープ緩み検知装置は、予め多様な物理量を求めることなく、ウインチ装置から繰り出されるロープの緩みを検知できる、という利点がある。
第2の形態によれば、ウインチ装置から繰り出されたロープの経路上に元々設けられているガイドシーブなどを利用して、ロープの移動を検出できるので、第1検出部の構成が簡略化される。
第3の形態によれば、ウインチ装置が動作し、かつウインチ装置から繰り出されたロープの経路上でロープが移動している状況でも、ロープの移動速度とロープの繰り出し速度とに速度差が生じていれば、緩み検知部は、ロープの緩みを検知することができる。したがって、ロープ緩み検知装置は、より確実に、ウインチ装置から繰り出されるロープの緩みを検知できる。
第4の形態によれば、ロープの移動速度とロープの繰り出し速度との速度差に基づいて、ウインチ装置が適切に制御されることになり、乱巻の原因となる緩みを防止することができる。
第5の形態によれば、たとえばブームの先端部に搭載されたシーブの回転を第1検出部で検出する構成に比べて、乱巻の原因となるロープの緩みの検知の確度が高くなる。
実施形態1に係るロープ緩み検知装置の概略構成を示すブロック図である。 実施形態1に係るクレーンを示す側面図である。 図3Aは実施形態1に係るクレーンの要部を示す背面図、図3Bは図3AのX−X断面図である。 実施形態1に係るロープ緩み検知装置の動作を示すフローチャートである。 図5Aは実施形態1の変形例に係るクレーンの要部を示す背面図、図5Bは実施形態1の変形例に係るクレーンの要部を示す側面図である。 実施形態2に係るロープ緩み検知装置の動作を示すフローチャートである。
(実施形態1)
本実施形態に係るロープ緩み検知装置は、ウインチドラムの回転によりロープの巻き取りおよび繰り出しを行うウインチ装置を備えたクレーンに用いられ、ウインチ装置から繰り出されたロープの緩みを検知する。
ここでいうクレーンは、移動式クレーンやデリック以外の定置式クレーンのみを指す狭義のクレーンではなく、定置式クレーン、移動式クレーン、デリックを含む広義のクレーンを意味する。本実施形態では、移動式クレーンの一種でありクローラ(無限軌道)で走行するクローラクレーンを、ロープ緩み検知装置が用いられるクレーンの例として説明する。
<クレーンの基本構成>
以下ではまず、本実施形態に係るロープ緩み検知装置が用いられるクレーンの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るクレーン10の全体構成を示している。クローラクレーンからなるクレーン10は、起伏可能なブーム140を有するクレーン本体11を備えている。クレーン本体11は、下部走行体12と、上部旋回体13と、アタッチメント14とを有している。
下部走行体12は、クローラ120を具備し自走可能に構成されている。上部旋回体13は、下部走行体12上に搭載され、下部走行体12に対し鉛直軸周りで旋回可能に構成されている。アタッチメント14は、上部旋回体13に起伏可能に支持されたブーム140を含んでいる。
ブーム140は、下部ブーム141と中間ブーム142と上部ブーム143とが、上部旋回体13に近い側から下部ブーム141、中間ブーム142、上部ブーム143の順となるように機械的に結合されて構成されている。ブーム140の基端部(下部ブーム141の下端部)は、ブーム140が水平軸周りで回転可能となるように、ブームフットピン144にて上部旋回体13の前部に取り付けられている。ブーム140の先端部(上部ブーム143)には、主巻ワイヤロープ150を介して主フック145が吊り下げられており、さらに補巻ワイヤロープ151を介して補フック146が吊り下げられている。
なお、アタッチメント14には、ブーム140の先に付け足されるジブが含まれていてもよい。
下部ブーム141には、主巻ウインチ152および補巻ウインチ153が搭載されている。主巻ウインチ152は、主巻ワイヤロープ150の巻き取りおよび繰り出しを行うウインチ装置である。補巻ウインチ153は、補巻ワイヤロープ151の巻き取りおよび繰り出しを行うウインチ装置である。主巻ウインチ152は、主巻ワイヤロープ150の巻き取りを行うことで、主フック145の巻き上げを行う。主巻ウインチ152は、主巻ワイヤロープ150の繰り出しを行うことで、主フック145の巻き下げを行う。同様に、補巻ウインチ153は、補巻ワイヤロープ151の巻き取りを行うことで、補フック146の巻き上げを行う。補巻ウインチ153は、補巻ワイヤロープ151の繰り出しを行うことで、補フック146の巻き下げを行う。
さらに、上部旋回体13には、ブーム140を起伏させるためのマスト16が取り付けられている。マスト16の基端部(下端部)は、マスト16が水平軸周りで回転可能となるように、上部旋回体13におけるブームフットピン144の取付位置よりもやや後方の位置に取り付けられている。
上部旋回体13には、起伏ウインチ170が搭載されている。起伏ウインチ170は、起伏ワイヤロープ171の巻き取りおよび繰り出しを行うウインチ装置である。起伏ウインチ170は、起伏ワイヤロープ171の巻き取りあるいは繰り出しを行うことで、上部旋回体13に対してマスト16を起伏させる。
具体的には、起伏ワイヤロープ171は、マスト16の先端部(上端部)に設けられた上部スプレッダ172と、上部旋回体13の後部に設けられた下部スプレッダ173とに掛け渡されている。起伏ウインチ170は、上部スプレッダ172と下部スプレッダ173とに掛け回された起伏ワイヤロープ171の巻き取りおよび繰り出しを行うことで、上部スプレッダ172と下部スプレッダ173との間の距離を変化させる。マスト16は、上部スプレッダ172と下部スプレッダ173との間の距離の変化に合わせて起伏する。
マスト16の先端部は、ガイライン18を介してブーム140の先端部(上部ブーム143)に連結されている。つまり、ガイライン18は、マスト16の先端部とブーム140の先端部とを連結することにより、ブーム140を支持している。そして、マスト16は、起伏ワイヤロープ171の巻き取り時にはブーム140を起こし、起伏ワイヤロープ171の繰り出し時にはブーム140を倒すように、自身の起伏に応じてブーム140を起伏させる。すなわち、ブーム140は、起伏ウインチ170での起伏ワイヤロープ171の巻き取りおよび繰り出しに伴って、ブームフットピン144を支点に回転し、ブーム140の先端部(上部ブーム143)を上下動させるように起伏する。
<ロープの巻き取り、繰り出し構造>
主巻ウインチ152、補巻ウインチ153、あるいは起伏ウインチ170として用いられる各ウインチ装置は、図3Aおよび図3Bに示すように、ウインチドラム31の回転によりロープ4の巻き取りおよび繰り出しを行うように構成されている。以下の説明では、主巻ウインチ152と補巻ウインチ153と起伏ウインチ170とを区別しない場合には、各々を単に「ウインチ装置3」という。また、ウインチ装置3により巻き取りおよび繰り出しが行われる主巻ワイヤロープ150と補巻ワイヤロープ151と起伏ワイヤロープ171とを区別しない場合には、各々を単に「ロープ4」という。
図3Aおよび図3Bでは、一例として主巻ウインチ152をウインチ装置3として示しているが、他のウインチ装置(補巻ウインチ153、起伏ウインチ170)であっても、基本的な構成は共通である。すなわち、主巻ウインチ152として用いられるウインチ装置3は、ウインチドラム31の回転により、主巻ワイヤロープ150として用いられるロープ4の巻き取りおよび繰り出しを行う。同様に、補巻ウインチ153として用いられるウインチ装置3は、ウインチドラム31の回転により、補巻ワイヤロープ151として用いられるロープ4の巻き取りおよび繰り出しを行う。同様に、起伏ウインチ170として用いられるウインチ装置3は、ウインチドラム31の回転により、起伏ワイヤロープ171として用いられるロープ4の巻き取りおよび繰り出しを行う。
ウインチドラム31は、円筒形状の巻胴311と、巻胴311の中心軸方向の両側に設けられた円盤形状の一対のフランジ312,313とを有している。言い換えれば、一対のフランジ312,313は巻胴311の中心軸方向に対向し、一対のフランジ312,313の間が巻胴311によって連結されている。ウインチ装置3は、巻胴311の中心軸周りでウインチドラム31を一方向に回転させることによりロープ4の巻き取りを行い、逆方向に回転させることによりロープ4の繰り出しを行う。図3Bの例では、ウインチドラム31が反時計回りに回転することでロープ4が巻き取られ、ウインチドラム31が時計回りに回転することでロープ4が繰り出されることになる。
ウインチ装置3は、巻き取ったロープ4を、巻胴311に巻き付けることによって、ウインチドラム31の一対のフランジ312,313の間に収容する。ここでは、ウインチドラム31は、ロープ4の巻き付け面となる巻胴311の表面(外周面)に、ロープ4を巻き取る際のガイドとなる溝(図示せず)が形成された溝付きドラムである。そのため、ウインチドラム31は、ロープ4を溝に沿って平行に巻き取ることができ、ロープ4の乱巻の発生を抑制できる。ロープ4の乱巻については後述する。
上記構成のウインチ装置3は、油圧モータ(図示せず)を含む駆動装置(図示せず)によって駆動される。つまり、駆動装置で発生する駆動力(回転力)がウインチドラム31に伝わることにより、ウインチドラム31が回転し、ロープ4の巻き取りおよび繰り出しが行われる。駆動装置は、クレーン本体11の運転室に設けられている操作レバー(図示せず)に対するオペレータの操作に従って、ウインチドラム31の回転・停止や、ウインチドラム31の回転方向、さらにはウインチドラム31の回転速度等が制御される。ウインチドラム31の回転速度は、たとえば油圧モータの制御によって複数段階(一例として4段階)で切り替え可能である。一例として、操作レバーに対して主フック145の巻き下げ操作がなされると、駆動装置は、主巻ウインチ152のウインチドラム31を回転させて主巻ワイヤロープ150の繰り出しを行うことで、主フック145の巻き下げを行う。
ところで、上述したロープの乱巻とは、ウインチドラム31に対してロープ4が整然と巻かれていない状態、つまりロープ4の巻列が乱れた状態を意味する。さらに、ロープ4が巻胴311に対して多層巻きされる場合、上層のロープ4が下層(内側の層)に入り込むこと(いわゆる食い込み)があるが、ここでいう乱巻にはこのような状態(食い込み)も含む。乱巻は、たとえばロープ4に作用する張力が不足し、ウインチドラム31に対するロープ4の巻き付けが緩んだ(ロープ4がたるんだ)状態で、ロープ4の巻き取りが行われることによって発生する。ロープ4に作用する張力の不足は、たとえばロープ4の先端に取り付けられたフック(主フック145)が地面に接地するなどした場合に発生する。
乱巻の発生を抑制するための構成として、ウインチドラム31との間にロープ4を挟み込む緩み止めローラ(図示せず)が設けられていてもよい。緩み止めローラは、ウインチドラム31におけるロープ4の巻き付け面(巻胴311の表面)に対してロープ4を押し付けるように、ばね等によりロープ4に対する押圧力が付与される。そのため、緩み止めによれば、ウインチドラム31に対するロープ4の巻き付けの緩み(ロープ4のたるみ)が抑制され、乱巻の発生が抑制される。
なお、上述したように乱巻の発生を抑制するための構成、すなわち、ウインチドラム31が溝付きドラムであること、並びに緩み止めローラが設けられることは、本実施形態において必須の構成ではない。したがって、ウインチドラム31は、ロープ4の巻き付け面(巻胴311の表面)に溝がない、溝なしドラムであってもよく、緩み止めローラはなくてもよい。
また、本実施形態のクレーン10においては、図3Aおよび図3Bに示すように、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上にガイドシーブ5が設けられている。ここで、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路とは、ウインチドラム31とロープ4の先端との間にあってウインチ装置3から繰り出されたロープ4が通る経路を意味する。具体的には、主巻ウインチ152から繰り出された主巻ワイヤロープ150の経路は、主巻ウインチ152のウインチドラム31と主フック145との間にあって主巻ワイヤロープ150が通る経路である。補巻ウインチ153から繰り出された補巻ワイヤロープ151の経路は、補巻ウインチ153のウインチドラム31と補フック146との間にあって補巻ワイヤロープ151が通る経路である。起伏ウインチ170から繰り出された起伏ワイヤロープ171の経路は、起伏ウインチ170のウインチドラム31と下部スプレッダ173との間にあって起伏ワイヤロープ171が通る経路である。
ガイドシーブ5は、ウインチ装置3でのロープ4の巻き取りおよび繰り出し時において、ロープ4をガイドする機能を有している。ガイドシーブ5は、円盤形状に形成されている。ガイドシーブ5の中心部には円柱形状の軸部材51が貫通する貫通孔52が形成されている。軸部材51は、軸方向の両端部が一対の支持部材54,55に固定されている。これにより、ガイドシーブ5は、軸部材51周りで回転可能に、一対の支持部材54,55によって支持される。
ガイドシーブ5の外周面には、ガイドシーブ5の周方向の全周に亘ってガイド溝53が形成されている。ロープ4は、ガイド溝53内を通してガイドシーブ5に掛け回される。この状態で、ロープ4の巻き取りあるいは繰り出しが行われると、ガイドシーブ5が回転しながらロープ4をガイドする。
軸部材51の軸方向(一対の支持部材54,55の対向方向)は、巻胴311の中心軸方向と一致している。一対の支持部材54,55の間隔は、ウインチドラム31の一対のフランジ312,313の間隔よりも大きく設定されている。これにより、ガイドシーブ5は、一対のフランジ312,313の間の全範囲において、軸部材51の軸方向(巻胴311の中心軸方向)に沿って平行移動(スライド)可能となる。図3Aでは、矢印の向きに移動後のガイドシーブ5を二点鎖線で示している。したがって、ロープ4の巻き取りおよび繰り出しに伴い、巻胴311の中心軸方向において、ウインチドラム31からのロープ4の引き出し位置が変化すると、ガイドシーブ5はロープ4を追従して移動することになる。
また、一対の支持部材54,55には、軸部材51に平行な円柱形状のガイドローラ6が支持されている。ガイドローラ6は、軸方向の両端部が、一対の支持板56,57に対して回転可能に支持されており、一対の支持板56,57が一対の支持部材54,55に固定されることにより、一対の支持部材54,55に間接的に支持されている。ガイドローラ6は、その外周面とガイドシーブ5の外周面との間にロープ4を挟み込むことにより、ガイド溝53からのロープ4の浮きを防止する。この状態で、ロープ4の巻き取りあるいは繰り出しが行われると、ガイドローラ6はガイドシーブ5と共に回転する。
さらに、図3Aおよび図3Bの例では、一対の支持部材54,55は、主巻ウインチ152として用いられるウインチ装置3に対して固定されている。一対の支持部材54,55には、ガイドシーブ(軸部材51)5およびガイドローラ6が2組支持されている。これら2組のガイドシーブ5およびガイドローラ6のうち、一方のガイドシーブ5は主巻ワイヤロープ150のガイドに用いられ、他方のガイドシーブ5は補巻ワイヤロープ151のガイドに用いられる。要するに、主巻ワイヤロープ150用のガイドシープ5、および補巻ワイヤロープ151用のガイドシーブ5は、いずれもウインチ装置(主巻ウインチ152)3と共に下部ブーム141に搭載されている。なお、図3Bでは、補巻ワイヤロープ151、および補巻ワイヤロープ151用のガイドシーブ5を二点鎖線で示している。
また、詳しくは下記「ロープ緩み検知装置の構成」の欄で説明するが、図3Bに示すように、ガイドシーブ5の貫通孔52の周囲には、ガイドシーブ5の厚み方向に貫通した円形状の透孔58が複数個形成されている。
なお、起伏ウインチ170においても、搭載場所こそ主巻ウインチ152と異なるものの、基本的には上述した主巻ウインチ152と同様の構成を採用している。すなわち、起伏ウインチ170は、上部旋回体13に搭載されている点では、下部ブーム141に搭載された主巻ウインチ152と異なるが、主巻ウインチ152と同様に、ガイドシーブ5およびガイドローラ6と共に用いられる。
ところで、上述したような乱巻の発生を抑制するための構成を採用することで、乱巻の発生を抑制することはできるものの、乱巻の発生を完全に防ぐことは難しい。そして、ひとたび乱巻が発生すると、ロープ4をウインチドラム31から一旦繰り出し、巻き取り直す必要があるため、多大な労力や時間を要することになり、さらにはロープ4の劣化にもつながる。
そこで、本実施形態においては、クレーン10は、上記構成のクレーン本体11に加えて、ロープ緩み検知装置2をさらに備え、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の緩みを検知可能に構成されている。
<ロープ緩み検知装置の構成>
次に、図1を参照して、本実施形態のロープ緩み検知装置2について説明する。ここでは一例として、主巻ワイヤロープ150の緩み検知に用いられるロープ緩み検知装置2について説明するが、他のロープ(補巻ワイヤロープ151、起伏ワイヤロープ171)の緩み検知にもロープ緩み検知装置2は適用可能である。
ロープ緩み検知装置2は、第1検出部21と、第2検出部22と、緩み検知部23とを備えている。
第1検出部21は、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上において、ロープ4の繰り出し方向におけるロープ4の移動を検出する。第2検出部22は、ウインチ装置3の動作を検出する。緩み検知部23は、第1検出部21で検出されたロープ4の移動と、第2検出部22で検出されたウインチ装置3の動作との比較結果に基づいて、ロープ4の緩みを検知する。
すなわち、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4に緩みが生じていない状況では、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でのロープ4の移動と、ウインチ装置3の動作とは整合するはずである。これに対して、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4に緩みが生じる状況では、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でのロープ4の移動と、ウインチ装置3の動作とが整合しなくなる。
本実施形態のロープ緩み検知装置2は、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でのロープ4の移動と、ウインチ装置3の動作とが整合するか否かによって、ロープ4の緩みを検知する。たとえば、ウインチ装置3がウインチドラム31を回転させている場合に、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上においてロープ4が移動していなければ、ロープ緩み検知装置2は、ロープ4に緩みが生じていることを検知する。言い換えれば、ロープ緩み検知装置2は、2か所で同時に検出されるロープ4の繰り出し状況を比較することで、ロープ4の緩みを検知する。したがって、本実施形態のロープ緩み検知装置2によれば、予め多様な物理量を求めることなく、ウインチ装置3から繰り出されるロープ4の緩みを検知できる、という利点がある。
また、本実施形態のロープ緩み検知装置2は、第1検出部21、第2検出部22、および緩み検知部23に加えて、報知部24および制御部25をさらに備えている。
報知部24は、クレーン本体11の運転室に設けられている。報知部24は、緩み検知部23がロープ4に緩みが生じていることを検知した場合に、たとえば警報音や音声メッセージを出力したり、エラー灯を点灯したりすることにより、異常を報知する。これにより、ロープ緩み検知装置2は、ロープ4に緩みが生じた場合に、その旨を即座に報知することができる。
制御部25は、ウインチ装置3を制御する。図1では、制御部25がウインチ装置3を直接的に制御するように記載しているが、制御部25は駆動装置を制御することによってウインチ装置3を間接的に制御してもよい。本実施形態においては、制御部25は、少なくとも回転しているウインチドラム31を停止させるように、ウインチ装置3を制御可能である。
以下、本実施形態のロープ緩み検知装置2の具体的な構成について説明する。
本実施形態では、第1検出部21は、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上に設けられたシーブの回転を検出することにより、ロープ4の移動を検出するように構成されている。ここでは、第1検出部21は、ロープ4がウインチドラム31から繰り出された直後に通るガイドシーブ5の回転を検出する。第1検出部21は、図3Aおよび図3Bに示すように、一対の支持板56,57に設けられた受光部211と発光部212とで構成された光学式のセンサである。受光部211および発光部212は、軸部材51の軸方向において互いに対向するように配置されている。発光部212は、たとえば発光ダイオード(LED)からなり、連続的に光を出力する。受光部211は、たとえばフォトダイオードからなり、発光部212からの光を受けたときに電気信号を出力する。
ガイドシーブ5の貫通孔52の周囲には、上述したように透孔58が複数個形成されている。これら複数個(ここでは6個)の透孔58は、ガイドシーブ5の周方向に沿って等間隔で並ぶように配置されている。そして、受光部211と発光部212とを結ぶ直線が、ガイドシーブ5の回転時における透孔58の軌道を通るように、受光部211および発光部212とガイドシーブ5との位置関係が設定されている。これにより、ガイドシーブ5が回転し、受光部211と発光部212とを結ぶ直線上に透孔58がきたときに、発光部212からの光が透孔58を通して受光部211に届くことになる。そのため、ガイドシーブ5が回転すると、受光部211には、ガイドシーブ5の回転速度(回転数)に応じた時間間隔で発光部212からの光が入射する。したがって、受光部211からは、ガイドシーブ5の回転速度に応じた周期でH(ハイ)/L(ロー)が切り替わる電気信号が出力される。
第2検出部22は、ウインチ装置3の動作を検出できればよく、たとえば駆動装置から監視信号を取得してウインチ装置3の動作を検出するように構成される。ただし、この構成に限らず、第2検出部22は、ウインチ装置3から出力される監視信号を取得する構成であってもよいし、ウインチドラム31の回転を直接的に検出するセンサであってもよい。ウインチドラム31の回転を直接的に検出する場合、第2検出部22は、たとえば第1検出部21と同様に光学式のセンサを用いて、ウインチドラム31の回転軸あるいはウインチドラム31のフランジ312,313の回転速度(回転数)を検出する。本実施形態では、第2検出部22は、ウインチドラム31の回転速度に応じた周期でH(ハイ)/L(ロー)が切り替わる電気信号を出力する。
緩み検知部23には、第1検出部21の受光部211からの電気信号と、第2検出部22からの電気信号とが入力される。これにより、緩み検知部23は、第1検出部21で検出されたロープ4の移動と、第2検出部22で検出されたウインチ装置3の動作とを監視可能になる。
ここでは、緩み検知部23は、第1検出部21の検出結果からはロープ4が移動しているか否かを判断し、第2検出部22の検出結果からはウインチドラム31が回転しているか否かを判断する。具体的には、緩み検知部23は、第1検出部(受光部211)21からの電気信号におけるH/Lの切り替わりの周期が所定の判定閾値以上であればロープ4が移動していると判断し、判定閾値未満であればロープ4が移動していないと判断する。また、緩み検知部23は、第2検出部22からの電気信号におけるH/Lの切り替わりの周期が所定の判定閾値以上であればウインチドラム31が回転していると判断し、判定閾値未満であればウインチドラム31が回転していないと判断する。
そして、緩み検知部23は、ウインチドラム31が回転していると判断され、かつロープ4が移動していると判断される場合に、ロープ4に緩みが生じていないと判断する。一方、緩み検知部23は、ウインチドラム31が回転していると判断され、かつロープ4が移動していないと判断される場合に、ロープ4に緩みが生じていると判断する。このようにして緩み検知部23は、ロープ4に緩みが生じているか否かを判断することにより、ロープ4の緩みを検知する。
さらに、本実施形態の緩み検知部23には操作レバーの操作結果が入力される。緩み検知部23は、操作レバーに対して主フック145の巻き下げ操作がなされるまではロープ4の緩みの検知を行わないように構成されている。そのため、緩み検知部23は、操作レバーに対して主フック145の巻き下げ操作がなされるまでは、たとえば第1検出部21の動作を停止(発光部212を消灯)し、第1検出部21の消費電力の低減を図ることが可能である。
緩み検知部23でのロープ4の緩みの検知結果(ロープ4に緩みが生じているか否か)は、緩み検知部23から報知部24および制御部25へ出力される。これにより、ロープ緩み検知装置2は、緩み検知部23の検知結果に応じて、報知部24での報知、並びに制御部25でのウインチ装置3の制御が可能になる。
なお、緩み検知部23は、一例としてマイコン(マイクロコンピュータ)を主体として構成され、運転室内の制御装置(制御系の装置)に組み込まれる。ここでいう制御装置は、たとえば1ないし複数のメインコントローラ(MC)である。メインコントローラは、ウインチ装置3の制御機能の他、各種のスイッチやセンサからのデータ取得機能および演算機能を有しており、たとえばロープ4にかかる張力や、ウインチ装置3からのロープ4の繰り出し量(あるいは残量)などの演算が可能である。さらに、メインコントローラは、電気式レバーの制御や、エアコン(エアーコンディショナ)、エンジン等の制御も行う。なお、制御装置は、メインコントローラに限らず、たとえばクレーン本体11の転倒を防止するためにブーム140に作用するモーメントの大きさに応じて警告等を出すモーメントリミッタ(M/L)であってもよい。また、制御装置は、キャリア網を使用したデータ通信、遠隔監視等を行うインフォメーションテクノロジコントローラ(ITC)などでもよい。
次に、本実施形態のロープ緩み検知装置2の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
緩み検知部23は、操作レバーに対して主フック145の巻き下げ操作がなされるか否かを監視している(S1)。巻き下げ操作がなされるまでは(S1:No)、緩み検知部23は待機状態にあり、処理S1を繰り返し行う。
巻き下げ操作がなされると(S1:Yes)、緩み検知部23は、第2検出部22からの電気信号に基づいて、ウインチドラム31が回転しているか否かを判断する(S2)。ウインチドラム31が回転を開始するまでは(S2:No)、緩み検知部23は処理S2を繰り返し行う。
ウインチドラム31が回転すると(S2:Yes)、緩み検知部23は、第1検出部21からの電気信号に基づいて、ロープ4が移動しているか否かを判断する(S3)。このとき、ロープ4が移動していれば(S3:Yes)、緩み検知部23は、ロープ4に緩みが生じていない、つまりロープ4の繰り出し状況が正常であると判断し、処理S1へと戻る。
一方、ロープ4が移動していなければ(S3:No)、緩み検知部23は、ロープ4に緩みが生じている、つまりロープ4の繰り出し状況に異常があると判断する。このように緩み検知部23がロープ4に緩みが生じていることを検知した場合、本実施形態のロープ緩み検知装置2では、ウインチドラム31を停止させるようにウインチ装置3を制御する(S4)。つまり、緩み検知部23の検知結果を受けた制御部25は、ウインチドラム31を停止させるようにウインチ装置3を制御する。
<効果>
以上説明した本実施形態のロープ緩み検知装置2によれば、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でのロープ4の移動と、ウインチ装置3の動作とを、第1検出部21および第2検出部22で個別に検出している。そして、緩み検知部23は、第1検出部21で検出されたウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でのロープ4の移動と、第2検出部22で検出されたウインチ装置3の動作との比較結果に基づいて、ロープ4の緩みを検知する。言い換えれば、ロープ緩み検知装置2は、2か所で同時に検出されるロープ4の繰り出し状況を比較することで、直接的にロープ4の緩みを検知する。したがって、本実施形態のロープ緩み検知装置2によれば、予め多様な物理量(無負荷モーメントなど)を求めることなく、ウインチ装置3から繰り出されるロープ4の緩みを検知できる、という利点がある。
また、本実施形態では、第1検出部21は、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上に設けられたシーブ(ガイドシーブ5)の回転を検出することにより、ロープ4の移動を検出するように構成されている。この構成によれば、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上に元々設けられているガイドシーブ5などを利用して、ロープ4の移動を検出できるので、第1検出部21の構成が簡略化される。
ところで、たとえばブーム140の先端部(上部ブーム143)に設置されたシーブの回転を第1検出部21で検出する構成であっても、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でのロープ4の移動を検出することは可能である。しかし、ブーム140の先端部に設置されたシーブにおいては、ロープ4の乱巻とは無関係な現象、たとえば吊り荷の動きによってロープ4に作用する張力が変動し、ロープ4がシーブから浮いてしまうことがある。さらに、ウインチ装置3からブーム140の先端部までの距離は数十mにもなる場合がある。このような場合、ロープ4自体の変形(伸びによる直径や長さの変化)の影響もあり、ブーム140の先端部でのロープ4の移動は、ウインチ装置3からのロープ4の繰り出しに必ずしも追従することにならない。したがって、ブーム140の先端部に設置されたシーブの回転とウインチ装置3の動作とを比較した場合、乱巻の原因となるロープ4の緩みの検知の確度が比較的低くなる。
これに対して、ガイドシーブ5は、ロープ4の繰り出し元になるウインチ装置3と共に、下部ブーム141あるいは上部旋回体13に搭載されており、その結果、ウインチ装置3の近傍に位置することになる。したがって、ガイドシーブ5の回転とウインチ装置3の動作との間には、ロープ4の緩み以外に起因した不整合が生じにくい。要するに、本実施形態のようにガイドシーブ5の回転とウインチ装置3の動作とを比較する構成によれば、乱巻の原因となるロープ4の緩みの検知の確度が高くなる。
さらに、ガイドシーブ5の回転を検出する構成によれば、第1検出部21についても、下部ブーム141あるいは上部旋回体13に搭載されることになる。したがって、ブーム140の先端部に第1検出部21が搭載される場合に比較して、クレーン本体11の吊り上げ能力への第1検出部21の自重の影響が小さくなる。しかも、運転室から第1検出部21までの配線長が短く、第1検出部21のメンテナンスも容易である、という利点がある。
<変形例>
第1検出部21は、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上においてロープ4の移動を検出する構成であればよく、上述したようにウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上に設けられたシーブの回転を検出することは必須の構成ではない。
図5Aおよび図5Bに実施形態1の変形例を示す。この変形例では、第1検出部21は、ガイドローラ6の回転を検出するロータリエンコーダ213である。ロータリエンコーダ213は、一対の支持板56,57のうちの一方の支持板57に取り付けられており、ガイドローラ6の軸方向の一端部の回転を検出する。ロータリエンコーダ213は、たとえばインクリメンタル形であって、ガイドローラ6の回転量に応じたパルス列の信号を出力する。
ガイドローラ6は、ロープ4の巻き取りあるいは繰り出しが行われるとガイドシーブ5と共に回転する。そのため、第1検出部21は、ガイドローラ6の回転を検出することにより、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上におけるロープ4の移動を検出することが可能である。
また、図5Aおよび図5Bの例に限らず、第1検出部21は、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上においてロープ4の移動を検出するために、適宜の構成を適用可能である。第1検出部21は、たとえばイメージセンサを用いてロープ4を撮像し、撮像された画像からロープ4の移動を検出する構成であってもよい。
(実施形態2)
本実施形態のロープ緩み検知装置2では、緩み検知部23は、第1検出部21の検出結果から求まるロープ4の移動速度と、第2検出部22の検出結果から求まるロープ4の繰り出し速度との速度差に基づいて、ロープ4の緩みを検知するように構成されている。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
第1検出部21がガイドシーブ5の回転を検出している場合には、緩み検知部23は、ガイドシーブ5の回転速度(回転数)から、ガイドシーブ5を通るロープ4の移動速度(以下、「移動速度Y」という)を演算する。すなわち、ガイドシーブ5のピッチ円直径は既知であるので、ガイドシーブ5のピッチ円直径と、ガイドシーブ5の回転速度とから、ロープ4の移動速度Yが演算可能である。同様に、第2検出部22がウインチドラム31の回転を検出している場合には、緩み検知部23は、ウインチドラム31の回転速度(回転数)から、ウインチ装置3でのロープ4の繰り出し速度(以下、「繰り出し速度X」という)を演算する。すなわち、ウインチドラム31の巻胴311の直径は既知であるので、巻胴311の直径と、ウインチドラム31の回転速度とから、ロープ4の繰り出し速度Xが演算可能である。
なお、ロープ4の移動速度Yと、ロープ4の繰り出し速度Xとは、いずれも緩み検知部23で演算されることは必須ではなく、たとえば第1検出部21および第2検出部22にてそれぞれ演算されてもよい。ロープ4の繰り出し速度Xの演算機能がウインチ装置3にある場合には、緩み検知部23は、ウインチ装置3から出力される繰り出し速度Xをそのまま用いてもよい。
本実施形態では、緩み検知部23は、このようにして求まるロープ4の移動速度Yとロープ4の繰り出し速度Xとの速度差(X−Y)に基づいて、ロープ4の緩みを検知する。すなわち、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4に緩みが生じていない状況では、移動速度Yと繰り出し速度Xとは一致するため、速度差(X−Y)は略ゼロになる。これに対して、ウインチ装置3から繰り出されたロープ4に緩みが生じる状況では、移動速度Yと繰り出し速度Xとの間にずれが生じるため、速度差(X−Y)が発生する。そこで、本実施形態のロープ緩み検知装置2は、上記の速度差(X−Y)に基づいてロープ4の緩みを検知する。
また、本実施形態のロープ緩み検知装置2は、実施形態1と同様に、ウインチ装置3を制御する制御部25を備えている。ただし、制御部25の機能は実施形態1と異なり、本実施形態の制御部25は、上記の速度差(X−Y)に応じて、ウインチドラム31の回転速度を減速またはウインチドラム31の回転を停止させるように構成されている。すなわち、本実施形態では、制御部25は、回転しているウインチドラム31を停止させるだけでなく、ウインチドラム31の回転速度についても制御可能に構成されている。
具体的には、制御部25は、緩み検知部23で求まる上記の速度差(X−Y)を、所定の閾値Thと比較する。速度差(X−Y)が閾値Th以下であれば、制御部25は、ウインチドラム31の回転速度を減速させるようにウインチ装置3を制御する。速度差(X−Y)が閾値Thを超えていれば、制御部25は、ウインチドラム31の回転を停止させるようにウインチ装置3を制御する。
ところで、ロープ4が巻胴311に対して多層巻きされる場合においては、内側(巻胴311側)から何層目のロープ4が繰り出されるかによって、ロープ4の巻き付け面の直径(円周)が異なる。そのため、ウインチドラム31が同じように1回転した場合でも、繰り出されているロープ4が何層目かによって、ロープ4の繰り出し速度Xが変化する。そこで、本実施形態では、緩み検知部23は、ロープ4が何層目にあるかをパラメータとして用い、ウインチドラム31の巻胴311の直径を補正するように構成されている。これにより、緩み検知部23は、ロープ4の繰り出し速度Xを正確に求めることが可能になる。あるいは、緩み検知部23は、ロープ4が何層目にあるかによって、閾値Thを変化させる(切り替える)ように構成されていてもよい。
なお、ロープ4が何層目にあるかについては、どのような手段で求めることができ、たとえばウインチ装置3からのロープ4の繰り出し量(長さ)を監視することで求めることができる。
次に、本実施形態のロープ緩み検知装置2の動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
緩み検知部23は、操作レバーに対して主フック145の巻き下げ操作がなされるか否かを監視している(S11)。巻き下げ操作がなされるまでは(S11:No)、緩み検知部23は待機状態にあり、処理S11を繰り返し行う。
巻き下げ操作がなされると(S11:Yes)、緩み検知部23は、第2検出部22からの電気信号に基づいて、ウインチドラム31が回転しているか否かを判断する(S12)。ウインチドラム31が回転を開始するまでは(S12:No)、緩み検知部23は処理S12を繰り返し行う。
ウインチドラム31が回転すると(S12:Yes)、緩み検知部23は、第2検出部22からの電気信号に基づいて、ロープ4の繰り出し速度Xを演算する(S13)。さらに、緩み検知部23は、第1検出部21からの電気信号に基づいて、ロープの移動速度Yを演算する(S14)。そして、制御部25は、ロープ4の繰り出し速度Xとロープの移動速度Yとの速度差(X−Y)と閾値Thとを比較する(S15)。
速度差(X−Y)が閾値Th以下であれば(S15:Yes)、制御部25は、速度差(X−Y)に応じてウインチドラム31の回転速度を減速させる減速処理を行う(S16)。減速処理では、制御部25は、速度差(X−Y)が大きいほどウインチドラム31の回転速度が低速になるように、速度差(X−Y)の大きさに合わせてウインチドラム31の回転速度を調節する。そのため、速度差(X−Y)がゼロであれば、制御部25はウインチドラム31の回転速度を実質的に減速しない。なお、制御部25は、ウインチドラム31の回転速度を、複数段階で段階的に調節してもよいし、無段階でリニアに調節してもよい。処理S16の後は処理S1へと戻る。
一方、速度差(X−Y)が閾値Thを超えていれば(S15:No)、制御部25は、ウインチドラム31の回転を停止させる停止処理を行う(S17)。つまり、緩み検知部23の検知結果を受けた制御部25は、ウインチドラム31を停止させるようにウインチ装置3を制御する。
<効果>
以上説明した本実施形態のロープ緩み検知装置2によれば、緩み検知部23は、ロープ4の移動速度Yと、ロープ4の繰り出し速度Xとの速度差(X−Y)に基づいて、ロープ4の緩みを検知する。そのため、ウインチ装置3が動作し、かつウインチ装置3から繰り出されたロープ4の経路上でロープ4が移動している状況でも、速度差(X−Y)が生じていれば、緩み検知部23は、ロープ4の緩みを検知することができる。したがって、ロープ緩み検知装置2は、より確実に、ウインチ装置3から繰り出されるロープ4の緩みを検知できる、という利点がある。
また、本実施形態では、制御部25は、上記の速度差(X−Y)に応じて、ウインチドラム31の回転速度を減速またはウインチドラム31の回転を停止させるように構成されている。この構成によれば、ロープ4の移動速度Yと、ロープ4の繰り出し速度Xとの速度差(X−Y)に基づいて、ウインチ装置3が適切に制御されることになり、乱巻の原因となる緩みを防止することができる。
また、上述した構成に限らず、制御部25は、上記の速度差(X−Y)に応じて、ウインチドラム31の回転速度の減速と、ウインチドラム31の回転の停止との一方の制御のみを行う構成であってもよい。ウインチドラム31の減速制御のみを行う場合、制御部25は、たとえば速度差(X−Y)が閾値Thを超えた場合に、ウインチドラム31の回転を停止させる。ウインチドラム31の回転の停止制御のみを行う場合、制御部25は、たとえば閾値Thに関係なく、速度差(X−Y)に応じてウインチドラム31の回転速度を調節する。
また、制御部25は必須の構成ではなく、本実施形態のロープ緩み検知装置2は、ロープ4の移動速度Y、ロープ4の繰り出し速度Xとの速度差(X−Y)に基づいて、ロープ4の緩みを検知する構成であればよい。
2 ロープ緩み検知装置
3 ウインチ装置
4 ロープ
5 ガイドシーブ(シーブ)
10 クレーン
21 第1検出部
22 第2検出部
23 緩み検知部
25 制御部
31 ウインチドラム
150 主巻ワイヤロープ(ロープ)
151 補巻ワイヤロープ(ロープ)
152 主巻ウインチ(ウインチ装置)
153 補巻ウインチ(ウインチ装置)
171 起伏ワイヤロープ(ロープ)
170 起伏ウインチ(ウインチ装置)

Claims (5)

  1. ウインチドラムの回転によりロープの巻き取りおよび繰り出しを行うウインチ装置を備えたクレーンに用いられ、前記ウインチ装置から繰り出された前記ロープの緩みを検知するロープ緩み検知装置であって、
    前記ウインチ装置から繰り出された前記ロープの経路上において、前記ロープの繰り出し方向における前記ロープの移動を検出する第1検出部と、
    前記ウインチ装置の動作を検出する第2検出部と、
    前記第1検出部で検出された前記ロープの移動と、前記第2検出部で検出された前記ウインチ装置の動作との比較結果に基づいて、前記ロープの緩みを検知する緩み検知部とを備える
    ことを特徴とするロープ緩み検知装置。
  2. 前記第1検出部は、前記ウインチ装置から繰り出された前記ロープの経路上に設けられたシーブの回転を検出することにより、前記ロープの移動を検出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のロープ緩み検知装置。
  3. 前記緩み検知部は、前記第1検出部の検出結果から求まる前記ロープの移動速度と、前記第2検出部の検出結果から求まる前記ロープの繰り出し速度との速度差に基づいて、前記ロープの緩みを検知するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のロープ緩み検知装置。
  4. 前記ウインチ装置を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記速度差に応じて、前記ウインチドラムの回転速度を減速または前記ウインチドラムの回転を停止させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のロープ緩み検知装置。
  5. 前記シーブは、前記クレーンの下部ブームまたは上部旋回体に搭載されたガイドシーブである
    ことを特徴とする請求項2に記載のロープ緩み検知装置。
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