JP2016166087A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像表示装置において、表示されたフックの移動方向をオペレータに認識させ易くし、かつフックが実際に動き始めたことを認識させることができるものとする。【解決手段】画像表示装置100は、ブームに設けられた監視カメラ300で撮影され、フックを含む画像Pを表示する表示部10と、操作部820に入力された操作により出力された操作信号Sを取得する操作信号取得部20と、水平面に対するフックの移動方向を、操作信号Sに基づいて求める移動方向設定部30と、操作信号Sがフックを実際に動かす操作信号であるか否かを判定する操作信号判定部50と、を備え、表示部10は、求められたフックの移動方向を特定する印を、フックの画像に併せて表示するとともに、判定の結果に応じて、印の表示の態様を異ならせる。【選択図】図3

Description

本発明は、画像表示装置に関する。
クレーンのブームやジブ(以下、ブーム等という。)には、下方の被写体を撮影するカメラが取り付けられている。ブーム等からは、ワイヤロープによりフックが吊り下げられていて、フックに吊り荷が玉掛けされる。そして、カメラは、ワイヤロープ、フック、吊り荷等が地上面等の水平面に投影された被写体を撮影する。
カメラで撮影された画像は、オペレータによってクレーンの操作が行われるオペレータ室に設けられたモニタに表示される。オペレータがクレーンの操作を行う際、オペレータは、モニタに表示された画像を見ながらクレーンを操作して、吊り荷を所望とする場所に移動させる(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−30315号公報
クレーンのオペレータは、モニタに映し出されたフックの動きを見ながら、操作部に入力する操作を調整している。
しかし、フックが動き始めるときや操作を変化させたときは、フックや吊り荷の慣性、風の影響などにより、モニタに映し出されたフックの画像だけから、フックの動きがオペレータの意図に沿ったものか否かを瞬時に判断できない場合がある。
また、操作部からブーム等を駆動するポンプまでの系には、操作部に操作を入力してもブーム等に吊られたフックが実際に動き始めない、いわゆる不感帯域が存在する。したがって、オペレータは、不感帯域を超えた操作(フックが実際に動き始める操作)を入力し、ブーム等が実際に動き始めたのをモニタで確認することによって、フックの動きを判断している。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、表示部に表示されたフックの移動方向を、オペレータに認識させ易くすることができるとともに、フックが実際に動き始めたことを認識させることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、クレーンのブームに設けられたカメラで撮影され、前記ブームからワイヤロープで吊り下げられたフックを含む画像を表示する表示部と、前記フックを移動させる操作部に入力された操作により出力された操作信号を取得する操作信号取得部と、前記操作部に入力された操作により、水平面に対する前記フックの移動方向を、前記操作信号取得部により取得された操作信号に基づいて求める移動方向設定部と、前記操作信号取得部が取得した操作信号が、前記フックを実際に動かす操作信号であるか否かを判定する操作信号判定部と、を備え、前記表示部は、前記移動方向設定部により求められた前記フックの移動方向を特定する印を、前記フックの画像に併せて表示するとともに、前記操作信号判定部による判定の結果に応じて、前記印の表示の態様を異ならせる画像表示装置である。
本発明に係る画像表示装置によれば、表示部に表示されたフックの移動方向を、オペレータに認識させ易くすることができるとともに、フックが実際に動き始めたことをオペレータに認識させることができる。
クレーンを用いて吊り荷を移動させるクレーン作業の様子を示す模式図である。 オペレータ室に設置された画像表示装置の一例を示す模式図である。 画像表示装置の構成を示すブロック図である。 印として単一の矢印を表示パネルに表示する例(表示例1)を示す模式図であり、(A)は不感帯域に対応して矢印を表示した態様、(B)は感応帯域に対応して矢印500aを表示させない態様、をそれぞれ示す。 印として単一の矢印を表示パネルに表示する例(表示例2)を示す模式図であり、(A)は不感帯域に対応して矢印を点滅して表示した態様、(B)は感応帯域に対応して矢印を連続して点灯した表示の態様、をそれぞれ示す。 印として単一の矢印を表示パネルに表示する例(表示例3)を示す模式図であり、(A)は不感帯域に対応して矢印を濃い色で表示した態様、(B)は感応帯域に対応して矢印を他の色(又は薄い色)で表示した態様、をそれぞれ示す。 単一の印として、xy座標系の原点から見て第1象限を向いた三角マークを表示パネルに表示した例(表示例4)を示す模式図である。 印として、表示パネルの縦方向yに沿った矢印(第1の印の一例)と、表示パネルの横方向xに沿った矢印(第2の印の一例)との2成分で表示パネルに表示した例(表示例5)を示す模式図である。 印として仮想軌跡線を表す単一の矢印を表示パネルに表示した例を示す模式図である。 印として図4に示した単一の矢印に加えて、フックの昇降の操作による、水平面に対するフックの動きの方向に沿った矢印を表示パネルに表示した例を示す模式図である。
以下、本発明に係る画像表示装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<クレーン作業>
図1は、クレーン800を用いて吊り荷700を移動させるクレーン作業の様子を示す模式図である。クレーン800は、伸縮、起伏及び旋回するブーム810と、昇降するフック830と、ブーム810の伸縮、起伏及び旋回、並びにフック830の昇降の操作が入力される操作部820とを備えている。ブーム810の先端に設けられたシーブには、ウインチモータで巻き上げられ又は巻き下げられるワイヤロープ840が巻き掛けられている。ワイヤロープ840には、吊り荷700が玉掛けされるフック830が吊り下げられている。そして、吊り荷700は、ウインチモータによるワイヤロープ840の巻き上げ又は巻き下げの操作によりフック830とともに昇降する。
なお、本明細書において「ブーム」とは、上部旋回体の一端を支点とした腕となる構造体の全般を意味する。したがって、本明細書における「ブーム」には、箱型構造ジブであるブームの他、ラチス構造ジブ、ブームを伸長するための補助ジブも含まれる。
ブーム810の伸縮、起伏及び旋回、並びにフック830の昇降は、クレーン800のオペレータが、オペレータ室850に設けられた操作部820に対して操作を入力することで行われる。
具体的には、操作部820は、入力された操作に対応した操作信号Sを出力する。操作部820から出力された操作信号Sは、油圧ポンプ、方向制御弁、流量制御弁等の動作を制御する。そして、これら油圧ポンプ、方向制御弁、流量制御弁等の動作により、油圧モータや油圧シリンダが作動して、ブーム810の伸縮、起伏及び旋回、並びにフック830の昇降が行われる。
また、ブーム810の先端には、フック830を含む下方の被写体を撮影する監視カメラ300が設けられている。監視カメラ300の撮影範囲は、例えば、図1において破線で示した範囲である。
図2は、オペレータ室850に設置された画像表示装置100の一例を示す模式図である。監視カメラ300で撮影された画像Pは、図2に示す画像表示装置100の表示パネル12に表示される。監視カメラ300は、フック830の鉛直線上からずれた位置に設置されている。したがって、表示パネル12において、画像P中のワイヤロープ840の画像840Aは、表示パネル12の外方から斜めに延びた画像840Aとなって表示されている。
<画像表示装置>
図3は、画像表示装置100の構成を示すブロック図である。画像表示装置100は、図3に示すように、表示部10と操作信号取得部20と移動方向算出部30と操作信号判定部50とを備えている。
表示部10は、入力された情報に基づいて表示する内容を処理する表示制御部11と、表示制御部11で処理された内容に応じた画像Pを表示する表示パネル12とを備えている。そして、表示制御部11は、前述したように監視カメラ300で撮影された画像Pが入力され、表示パネル12に表示させる画像Pに処理し、表示パネル12は、その処理された画像Pを表示する。画像Pにはフック830の画像830Aも含まれる。
操作信号取得部20は、フック830を移動させるように操作部820に入力された操作により出力された操作信号Sを取得する。移動方向算出部30は、操作部820に入力された操作による、地上面等の水平面に対するフック830の移動方向を求める。移動方向算出部30は、操作信号取得部20により取得された操作信号Sに基づいて、水平面に対するフック830の移動方向を求める。操作信号判定部50は、操作信号取得部20が取得した操作信号Sが、フック830を実際に動かす操作信号であるか否かを判定する。
ここで、クレーン800をはじめとした機械には、操作部820に操作を入力してもフック830が実際に動き始めない、いわゆる不感帯域がある。この不感帯域は、例えば以下のような理由で発生する。すなわち、操作部820は、入力された操作を検知し、その検知した操作に対応した操作信号Sを出力する。しかし、操作信号Sによる流量制御弁や方向制御弁の開度に応じて油圧ポンプ等により発生した油圧が、吊り荷700の負荷に対して小さい場合は、フック830は動き始めない。
したがって、不感帯域は、操作部820に対する操作の入力が小さい範囲で主に発生する。そして、不感帯域を超えた大きさの操作の入力により、フック830は実際に動き始める。
なお、画像表示装置100の操作信号取得部20は、上述した不感帯域も含めて操作信号Sを取得する。
このように不感帯域での操作では、フック830は実際に動き始めないため、フック830の移動方向は存在しないことになる。しかし、入力された操作信号Sが上述した不感帯域に対応した操作信号Sであったとしても、移動方向算出部30は、負荷が無いと仮定して、水平面に対してフック830が動くであろう移動方向を求める。
移動方向算出部30により算出された、水平面に対するフック830の移動方向は、表示部10の表示制御部11に入力される。表示制御部11は、入力された水平面に対するフック830の移動方向に基づいて、表示パネル12に表示されたフック830の画像830Aに対応させた移動方向を特定する印500(後述する図4参照)を生成する。そして、表示パネル12は、表示制御部11で生成された印500を、フック830の画像830Aを含む画像Pに重畳させて表示する。
また、操作信号判定部50により判定された結果(操作信号Sがフック830を実際に動かす操作信号(以下、感応帯域の操作に対応して出力される操作信号という。)であるか、又は操作信号Sがフック830を実際に動かさない操作信号(以下、不感帯域の操作に対応して出力される操作信号という。)であるかの別を示す判定結果)も、表示制御部11に入力される。表示制御部11は、操作信号判定部50により判定された結果に応じて、フック830の移動方向を特定する印500として異なる態様の印を生成し、表示パネル12に出力する。
つまり、操作部820に入力された操作が、不感帯域に対応した操作であるか又は感応帯域に対応した操作であるかに応じて、表示パネル12に表示される印500が異なるものとなる。
(印の表示例1)
図4は、印500として単一の矢印500aを表示パネル12に表示する例(表示例1)を示す模式図であり、(A)は不感帯域に対応して矢印500aを表示した態様、(B)は感応帯域に対応して矢印500aを表示させない態様、をそれぞれ示す。
図4に示す例においては、移動方向算出部30は、水平面に対するフック830の移動方向を、ブーム810の伸縮及び起伏の操作による、水平面に対するフック830の第1の動き(例えば、表示パネル12の縦方向(y方向)に沿った動き)の方向と、ブーム810の旋回の操作による、水平面に対するフック830の第2の動き(例えば、表示パネル12の横方向(x方向)に沿った動き)の方向とに分ける。
そして、表示制御部11は、表示パネル12に表示する、フック830の移動方向を特定する印500として、移動方向算出部30から入力された第1の動きと第2の動きとをベクトル加算して得られた方向に沿った単一の矢印500a(単一の印の一例)を生成する。
表示制御部11は、操作信号判定部50から入力された判定結果に応じて、操作信号Sが不感帯域の操作信号であるときは、図4(A)に示すように、生成した単一の矢印500aを表示パネル12に表示させる。なお、表示制御部11は、単一の矢印500aを表示パネル12に表示するときは、矢印500aの始点を、表示された画像P上におけるフック830の画像830Aの位置に対応させるように制御する。
一方、操作信号Sが感応帯域の操作信号であるときは、図4(B)に示すように、表示制御部11は矢印500aを表示パネル12に表示させない。
操作部820に操作を入力してフック830を動かす場合、操作部820からは、不感帯域の操作信号Sが出力され、その後、感応帯域の操作信号Sが出力される。したがって、表示パネル12には、不感帯域の操作信号Sが出力されている期間中は、図4(A)に示すように、フック830の移動方向を特定する矢印500aが表示される。そして、不感帯域を超えて感応帯域の操作信号Sが出力され、フック830が実際に動き始めると、図4(B)に示すように、表示パネル12に表示されていた矢印500aは消える。
このように構成された画像表示装置100によれば、フック830が実際に動き始める前の段階(不感帯域)から、フック830の画像830Aとともに、フック830がこれから動こうとする移動方向を示す矢印500aが、表示パネル12に表示される。したがって、本実施形態の画像表示装置100によれば、オペレータに、表示パネル12に表示された矢印500aを視認させることで、オペレータに、フック830の移動方向を瞬時に認識させることができる。
しかも、本実施形態の画像表示装置100によれば、単一の矢印500aでフック830の移動方向を示すことにより、ブーム810の伸縮、ブーム810の起伏及びブーム810の旋回の3つ操作のうち少なくとも2つの操作が同時に行われている(複合操作が行われている)場合であっても、フック830の水平面に対する移動方向に対応して、表示パネル12の2次元平面上での移動方向を、オペレータに直感的に認識させることができる。
さらに、本実施形態の画像表示装置100によれば、操作部820に入力される操作が不感帯域から感応帯域に切り替わったときに矢印500aの表示が消えて、表示の態様が変化する。これにより、フック830が実際に動き始めたことを、そのタイミングで、オペレータに認識させることができる。しかも、フック830が実際に動き始めて印500が非表示となることにより、フック830の移動先の背景画像が、印500によって遮られることが無い。
なお、表示制御部11は、操作信号Sが不感帯域の操作信号であるときは矢印500aを非表示とし、操作信号Sが感応帯域の操作信号であるときは矢印500aを表示パネル12に表示させることで、表示の態様を異ならせるようにしてもよい。
また、操作信号取得部20が取得した操作信号Sが、ブーム810を伸縮させるとともにブーム810を起伏させる複合操作に対応した操作信号である場合であって、水平面におけるフック830の旋回中心に対する半径がこの複合操作により変化するときは、フック830が実際に動き始めた後も、フック830の移動方向を特定する印500を非表示とせずに、表示パネル12に表示させるように表示制御部11が制御してもよい。
オペレータが複合操作を行うように操作部820に操作を入力しているときは、オペレータは、操作している内容と、フック830の実際の動きとの対応関係を直感的に認識しづらくなることがある。そして、フック830の旋回の半径が変化する複合操作のときは、フック830が実際に動き始めた後も、フック830の移動方向を特定する印500を表示パネル12に表示することにより、オペレータに対し、フック830と周囲との位置関係について注意を惹かせることができる。
なお、この場合であっても、水平面におけるフック830の旋回中心に対する半径がこの複合操作により変化しないときは、フック830が実際に動き始めた後、表示制御部11は、フック830の移動方向を特定する印500を非表示とするように制御する。
(印の表示例2)
図4の表示例1は、不感帯域に対応した操作の期間中に連続して表示されていた印500を、感応帯域に対応した操作に切り替わったタイミングで非表示とした態様である。しかし、本発明に係る画像表示装置は、不感帯域から感応帯域に操作が切り替わったことにより印500の表示の態様を変化させるものであればよく、表示と非表示とを切り替えるものに限定されない。
図5は、印500として単一の矢印500aを表示パネル12に表示する例(表示例2)を示す模式図であり、(A)は不感帯域に対応して矢印500aを点滅して表示した態様、(B)は感応帯域に対応して矢印500aを連続して点灯した表示の態様、をそれぞれ示す。
表示制御部11は、例えば、不感帯域に対応した操作の期間中(不感帯域の操作信号Sが出力されている期間中)は、図5(A)に示すように印500を表示パネル12に点滅して表示させ、感応帯域に対応した操作の期間中(感応帯域の操作信号Sが出力されている期間中)は、図5(B)に示すように印500を表示パネル12に連続した点灯で表示させるようにしてもよい。
このような、印500の表示例2によっても、印500の点滅した表示から連続した点灯の表示に変化することにより、フック830が実際に動き始めたことを、オペレータに認識させることができる。なお、印500が点滅して表示されているときは、オペレータに対して、フック830が実際に動き始める前であることを意識させ、印500が連続して点灯して表示されているときは、オペレータに対して、フック830が実際に動き始めたことを意識させる。
したがって、印500の表示の態様が、オペレータの意識に適合したものとなり、表示の態様とフック830の動きの有無との対応付けを、オペレータに対して直感的に認識させ易い。
(印の表示例3)
図6は、印500として単一の矢印500aを表示パネル12に表示する例(表示例3)を示す模式図であり、(A)は不感帯域に対応して矢印500aを濃い色で表示した態様、(B)は感応帯域に対応して矢印500aを他の色(又は薄い色)で表示した態様、をそれぞれ示す。
表示制御部11は、例えば、不感帯域に対応した操作の期間中(不感帯域の操作信号Sが出力されている期間中)は、図6(A)に示すように印500を表示パネル12に濃い色で表示させ、感応帯域に対応した操作の期間中(感応帯域の操作信号Sが出力されている期間中)は、図6(B)に示すように印500を表示パネル12に他の色(又は薄い色)で表示させるようにしてもよい。
このような、印500の表示例3によっても、印500の表示した色の変化により、フック830が実際に動き始めたことを、オペレータに認識させることができる。
(印の表示例4)
上述した印500の各表示例1〜3は、フック830の移動方向を特定する印500として単一の矢印500aを適用したものであるが、本発明に係る画像表示装置は、印500として単一の矢印500aに限定するものではない。
図7は、印500を、単一の矢印500aに代えて、xy座標系の原点から見て第1象限を向いた三角マーク500bを表示パネル12に表示した例を示す模式図である。表示例1〜3に示した矢印500aは、フック830の第1の動きと第2の動きとをベクトル加算することにより単一の方向を得、その単一の方向を向いた矢印である。
しかし、単一の印(矢印500aに限定されない)によって、オペレータに、フック830の移動方向を瞬時に認識させる観点からは、その単一の印が、フック830の移動方向を正確に示すことまで要求されない場合も多い。つまり、オペレータに対してフック830の移動方向を瞬時に認識させる場合は、フック830の大まかな移動方向を特定する印を表示すれば足りることも多い。
特に、フック830が実際に動き始める前の不感帯域での操作では、印の表示は、その後の感応帯域でのフック830の動きの予告となるため、印が特定する移動方向は極めて正確であることまで要求されない。
そこで、表示制御部11は、フック830の第1の動きの向き(y方向の正の向きであるか、又は負の向きであるかの別)と第2の動きの向き(x方向の正の向きであるか、又は負の向きであるかの別)とにのみ基づいて、移動方向が、xy座標系の原点から第1象限を向いているか、第2象限を向いているか、第3象限を向いているか、又は第4象限を向いているかの別を特定する。
具体的には、表示制御部11は、第1の動きの向きが正かつ第2の動きの向きが正の場合は、移動方向は第1象限を向いていると特定し、第1の動きの向きが正かつ第2の動きの向きが負の場合は、移動方向は第2象限を向いていると特定し、第1の動きの向きが負かつ第2の動きの向きが正の場合は、移動方向は第4象限を向いていると特定し、第1の動きの向きが負かつ第2の動きの向きが負の場合は、移動方向は第3象限を向いていると特定する。
そして、表示制御部11は、単一の印として、矢印500aに代えて、図6に示すように、特定した象限に頂点を向けた三角マーク500bを生成する。図6においては、特定した象限が第1象限であるため、第1象限に頂点を向けた三角マーク500bが表示されている。
なお、第1象限に向けられた三角マーク500bの頂点の向きは、原点からx方向に対して反時計回りに45[度]の角度の方向であり、第2象限に向けられた三角マーク500bの頂点の向きは、原点からx方向に対して反時計回りに135[度]の角度の方向であり、第1象限に向けられた三角マーク500bの頂点の向きは、原点からx方向に対して反時計回りに225[度]の角度の方向であり、第1象限に向けられた三角マーク500bの頂点の向きは、原点からx方向に対して反時計回りに315[度]の角度の方向である。
このように構成された画像表示装置100によれば、フック830の大まかな移動方向を、三角マーク500bの頂点の向きにより、フックの830の画像830Aを原点としたxy座標系における第1象限、第2象限、第3象限又は第4象限に特定することができ、オペレータに対してフック830の移動方向を瞬時に認識させることができる。
そして、この画像表示装置100は、表示制御部11が、この三角マーク500bを、表示・非表示で表示の態様を切り替えたり、点滅・連続点灯で表示の態様を切り替えたり、色を変化させて表示の態様を切り替えたりする。
(印の表示例5)
図8は、印500を、表示パネル12の縦方向yに沿った矢印500y(第1の印の一例)と、表示パネル12の横方向xに沿った矢印500x(第2の印の一例)との2成分で表示パネル12に表示した例(表示例5)を示す模式図である。
図8に示す例においては、移動方向算出部30は、水平面に対するフック830の移動方向を、ブーム810の伸縮及び起伏(不感帯域のために、実際に伸縮又は起伏していなくてもよい。以下、同じ。)の操作による、水平面に対するフック830の第1の動きの方向と、ブーム810の旋回(不感帯域のために、実際に旋回していなくてもよい。以下、同じ。)の操作による、水平面に対するフック830の第2の動きの方向とに分ける。
そして、表示制御部11は、表示パネル12に表示する印500として、移動方向算出部30から入力された第1の動きの方向に基づいて、表示パネル12に表示されたフック830の画像830Aに対応させた第1の移動方向(表示パネル12の縦方向y)に沿った矢印500y(第1の印)と、移動方向算出部30から入力された第2の動きの方向に基づいて、表示パネル12に表示されたフック830の画像830Aに対応させた第2の移動方向(表示パネル12の横方向x)に沿った矢印500x(第2の印)とを生成する。
このとき、表示制御部11は、2つの矢印500y,500xの各始点を、表示パネル12に表示された画像Pにおけるフック830の画像830Aの位置に対応させて、矢印500y,500xを生成する。表示パネル12は、フック830の移動する方向を特定する印500として2つの矢印500x,500yを、それら矢印500x,500yの各始点をフック830の画像830Aに対応させて表示する。
そして、この画像表示装置100は、表示制御部11が、2つの矢印500x,500yを、表示・非表示で表示の態様を切り替えたり、点滅・連続点灯で表示の態様を切り替えたり、色を変化させて表示の態様を切り替えたりする。
なお、表示パネル12に表示された画像P上におけるフック830の画像830Aの位置は、表示制御部11がパターンマッチング等の画像処理により求めてもよいし、又は表示制御部11が、ブーム810の長さ及び起伏角度並びにフック830を吊ったワイヤロープ840の繰り出し長さ(ウインチモータの駆動状態)の情報の入力を受け、表示制御部11がこれらの情報に基づいて求めてもよい。
このように構成された画像表示装置100によれば、操作部820に操作が入力されると、フック830が実際に動き始める前の段階から、フック830の画像830Aとともに、フック830がこれから動こうとする移動方向を示す矢印500y,500xが、表示パネル12に表示される。
したがって、本実施形態の画像表示装置100によれば、2つの方向の成分に対応した矢印500x,500yでフック830の移動方向を示すことにより、ブーム810の伸縮及び起伏のうち少なくとも一方の操作と、ブーム810の旋回の操作とが同時に行われている(複合操作が行われている)か否かを、オペレータに認識させることができる。
なお、矢印500yは、ブーム810の伸縮の単独の操作又は起伏の単独の操作が行われている場合と、ブーム810の伸縮及び起伏の操作が同時に行われ(複合操作が行われ)、かつ旋回中心からのフック830の作業半径が変化する場合とにおいて、表示されることになる。
(印の表示例6)
図9は、印500として仮想軌跡線を表す単一の矢印500cを表示パネル12に表示した例(表示例6)を示す模式図である。図9に示す例においては、移動方向算出部30は、水平面に対するフック830の移動方向を、ブーム810の伸縮及び起伏の操作による、水平面に対するフック830の第1の動きの方向と、ブーム810の旋回の操作による、水平面に対するフック830の第2の動きの方向とに分ける。
そして、表示制御部11は、表示パネル12に表示する印500として、移動方向算出部30から入力された第1の動きの直線状の軌跡と第2の動きの弧状の軌跡とを合成して単一の仮想軌跡線を表す矢印500cを生成する。
このとき、表示制御部11は、単一の仮想軌跡線を表す矢印500cの始点を、表示パネル12に表示された画像P上におけるフック830の画像830Aの位置に対応させて、矢印500cを生成する。また、表示制御部11は、操作信号判定部50から操作信号Sが感応帯域に対応した操作信号であるとの判定結果が入力された場合は、生成した矢印500cを表示パネル12に表示させるように制御する。
一方、表示制御部11は、操作信号判定部50から操作信号Sが不感帯域に対応した操作信号であるとの判定結果が入力された場合は、生成した矢印500cを非表示とするように表示パネル12を制御する。
このように構成された画像表示装置100によれば、感応帯域の操作では、実際に動き始めたときフック830の動きを、移動方向が時間的に変化する仮想軌跡線の矢印500cで表示パネル12に表示することで、オペレータに、フック830の到達位置を予測させ易くすることができる。
なお、表示制御部11が、不感帯域の操作でフック830の移動方向を特定する印500を表示させないと、不感帯域の操作の期間中に、感応帯域での操作に切り替わったときのフック830の移動方向の予告が何ら示されないことになる。そこで、表示制御部11は、不感帯域の操作の期間中は、矢印500cを非表示とするのに代えて、矢印500cとは別の表示態様の印500(例えば、図7に示した三角マーク500bなど)を生成して、その生成した印500を表示するのが好ましい。
この場合、不感帯域の操作で、感応帯域の操作で表示される矢印500cとは異なる態様の印500が表示されるため、不感帯域の操作の期間中に、感応帯域での操作に切り替わったときのフック830の移動方向を、オペレータに予告することができる。さらに、不感帯域の操作から感応帯域の操作に切り替わったことを、オペレータに認識させることができる。
(印の表示例7)
図10は、印500として図4に示した単一の矢印500aに加えて、フック830の昇降の操作による、水平面に対するフック830の動きの方向に沿った矢印500zを表示パネル12に表示した例(表示例7)を示す模式図である。図10に示す例においては、移動方向算出部30は、水平面に対するフック830の移動方向を、ブーム810の伸縮及び起伏の操作による、水平面に対するフック830の第1の動きの方向と、ブーム810の旋回の操作による、水平面に対するフック830の第2の動きの方向と、フック830の昇降の操作による、水平面に対するフック830の第3の動きの方向と、に分ける。
そして、表示制御部11は、移動方向算出部30から入力された第1の動きと第2の動きとをベクトル加算して単一の矢印500aを生成する。また、表示制御部11は、移動方向算出部30から入力された第3の動きに基づいて、表示パネル12に表示されたワイヤロープ840の画像840Aに沿った矢印500zを生成する。
このとき、表示制御部11は、矢印500a,500zの各始点を、表示パネル12に表示された画像P上におけるフック830の画像830Aの位置に対応させて、矢印500a,500zを生成する。また、表示制御部11は、操作信号判定部50から操作信号Sが感応帯域に対応した操作信号であるとの判定結果が入力された場合は、生成した矢印500a,500zを表示パネル12に表示させるように制御する。
一方、表示制御部11は、操作信号判定部50から操作信号Sが不感帯域に対応した操作信号であるとの判定結果が入力された場合は、生成した矢印500a,500zを非表示とするように表示パネル12を制御する。
このように構成された画像表示装置100によれば、ブーム810の伸縮、起伏及び旋回の3つ操作のうち少なくとも2つの操作が同時に行われている(複合操作が行われている)場合であっても、これらの動きは単一の矢印500aで表示される。したがって、ブーム810の複合操作が行われている場合であっても、表示パネル12の2次元平面上での移動方向を、オペレータに直感的に認識させることができる。
また、この表示例7の画像表示装置100によれば、感応帯域の操作では、ブーム810の伸縮、傾動及び旋回に対応したフック830の動きが、単一の矢印500aによって表示され、フック830の昇降が、別の矢印500zによって表示される。したがって、フック830が実際に動き始めたときのフック830の3次元の動きを、ブーム810の動きに応じたフック830の動きと、フック830の昇降による上下方向への動きとを分けて、オペレータに認識させることができる。
なお、表示制御部11は、移動方向算出部30から入力された第1の動きと第2の動きと第3の動きとをベクトル加算して単一の印500(矢印500aと矢印500zとをベクトル加算して得られた印)を生成し、表示パネルにその単一の印を表示させるようにしてもよい。
なお、この表示例7も、表示例6と同じように不感帯域の操作で、表示制御部11が、フック830の移動方向を特定する印500が表示されない。このため、不感帯域の操作の期間中に、感応帯域での操作に切り替わったときのフック830の移動方向の予告が何ら示されないことになる。そこで、表示制御部11は、不感帯域の操作の期間中は、矢印500a,500zを非表示とするのに代えて、矢印500a,500zとは別の印500(例えば、図5(A)に示した点滅する矢印500aなど)を生成して、その生成した印500を表示するのが好ましい。
この場合、不感帯域の操作で、感応帯域の操作で表示される矢印500a,500zとは異なる態様の印500が表示されるため、不感帯域の操作の期間中に、感応帯域での操作に切り替わったときのフック830の移動方向を、オペレータに予告することができる。さらに、不感帯域の操作から感応帯域の操作に切り替わったことを、オペレータに認識させることができる。
10 表示部
11 表示制御部
12 表示パネル
20 操作信号取得部
30 移動方向算出部
50 操作信号判定部
100 画像表示装置
300 監視カメラ
800 クレーン
810 ブーム
820 操作部
830 フック
840 ワイヤロープ

Claims (9)

  1. クレーンのブームに設けられたカメラで撮影され、前記ブームからワイヤロープで吊り下げられたフックを含む画像を表示する表示部と、
    前記フックを移動させる操作部に入力された操作により出力された操作信号を取得する操作信号取得部と、
    前記操作部に入力された操作により、水平面に対する前記フックの移動方向を、前記操作信号取得部により取得された操作信号に基づいて求める移動方向設定部と、
    前記操作信号取得部が取得した操作信号が、前記フックを実際に動かす操作信号であるか否かを判定する操作信号判定部と、を備え、
    前記表示部は、前記移動方向設定部により求められた前記フックの移動方向を特定する印を、前記フックの画像に併せて表示するとともに、前記操作信号判定部による判定の結果に応じて、前記印の表示の態様を異ならせる画像表示装置。
  2. 前記表示部は、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号でないときは、前記移動方向を特定する印を表示し、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号であるときは、前記移動方向を特定する印を表示しない請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記操作信号取得部が取得した操作信号が、前記ブームを伸縮させるとともに前記ブームを起伏させる複合操作に対応した操作信号である場合、
    前記水平面における前記フックの旋回中心に対する半径が、前記複合操作により変化するときは、前記表示部は、前記フックの前記半径の方向に沿った移動方向を特定する印を表示し、前記水平面における前記フックの旋回中心に対する半径が、前記複合操作により変化しないときは、前記表示部は、前記フックの前記半径の方向に沿った移動方向を特定する印を表示しない請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記表示部は、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号であるか否かに応じて、前記移動方向を特定する印の表示色を異ならせた請求項1に記載の画像表示装置。
  5. 前記表示部は、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号でないときは、前記移動方向を特定する印を点滅して表示し、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号であるときは、前記移動方向を特定する印を連続した点灯で表示する請求項1に記載の画像表示装置。
  6. 前記操作信号が前記ブームの伸縮及び起伏に対応した動きと前記ブームの旋回に対応した動きとの複合操作の操作信号であり、かつ、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号でないときは、前記表示部は、前記ブームの伸縮及び起伏の操作による、前記水平面に対する前記フックの第1の動きと、前記ブームの旋回の操作による、前記水平面に対する前記フックの第2の動きとをベクトル加算して得られた方向に沿った単一の印を、前記移動方向を特定する印として表示する請求項1から5のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. 前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号でないときは、前記表示部は、前記ブームの伸縮及び起伏の操作による、前記水平面に対する前記フックの第1の動きの方向に沿った第1の印と、前記ブームの旋回の操作による、前記表示部に表示された前記フックの第2の動きの方向に沿った第2の印とを、前記移動方向を特定する印として表示する請求項1から5のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 前記表示部は、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号であるときは、前記ブームの伸縮及び起伏の操作による、前記水平面に対する前記フックの第1の動きと、前記ブームの旋回の操作による、前記水平面に対する前記フックの第2の動きとをベクトル加算して得られた方向に沿った単一の印を、前記移動方向を特定する印として表示する請求項1から7のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
  9. 前記表示部は、前記操作信号が前記フックを実際に動かす操作信号であるときは、前記ブームの伸縮及び起伏の操作による、前記水平面に対する前記フックの第1の動きの直線状の軌跡と、前記ブームの旋回の操作による、前記水平面に対する前記フックの第2の動きの弧状の軌跡とを合成して得られた単一の仮想軌跡線を、前記移動方向を特定する印として表示する請求項1から7のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
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