JP2016164446A - 変速制御装置 - Google Patents

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庸浩 小林
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Abstract

【課題】車両の走行状態に応じて、補助動力伝達部を利用した減速と、コースティングを利用した減速とを切替えることが可能な変速制御装置を提供すること。【解決手段】変速制御装置は、偏心駆動部(14)の回転角の情報に基づいて偏心機構(4〜13)の偏心量を調整し、車両の走行速度の情報に基づいて補助動力伝達部(80)の接続による減速とコースティングによる減速とを切替える制御を行う制御部(ECU)を有する。【選択図】 図7

Description

本発明は、車両用動力伝達装置の変速制御装置に関する。
車両の走行用駆動源の駆動力を車両のデファレンシャルギヤに伝達する主動力伝達部と、デファレンシャルギヤから走行用駆動源に動力を伝達する補助動力伝達部とを備えた無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する無段変速機が記載されている。
また、燃料消費を抑制する構成として、走行用駆動源に動力として補助動力伝達部の動力を利用する構成と、コースティング(走行用駆動源の回転数をゼロにして走行用駆動源をシャットダウンした状態で惰性走行するゼロコースティングやエンジンブレーキを働かせず、アイドル状態で惰性走行するアイドルコースティング)を利用した構成が知られている。
特許第5019080号明細書(WO2011/158603)
減速中における燃料消費を抑制する構成として、補助動力伝達部の動力を利用する場合、減速状態から再加速する際に良好な応答性は得られるものの、減速中において所定の燃料消費が必要とされる。
また、コースティングを利用した構成では、補助動力伝達部を利用した構成に比べて、燃料消費を抑制することができるが、再加速する際の応答性性能は補助動力伝達部の動力を利用した構成に比べて低下し得る。
本発明は、上記の課題に鑑み、車両の走行状態に応じて、補助動力伝達部を利用した減速と、コースティングを利用した減速とを切替えることが可能な変速制御技術を提供する。
本発明の第1の側面の変速制御装置は、車両の走行用駆動源の回転軸に接続された入力軸(2)の回転を変速して出力軸(3)に伝達する無段変速機(1)を介して、前記走行用駆動源の駆動力を前記車両のデファレンシャルギヤに調節可能な第1変速比で伝達する主動力伝達部(79)と、
前記デファレンシャルギヤから前記走行用駆動源に予め定められた第2変速比で動力を伝達する補助動力伝達部(80)と、を有する車両用動力伝達装置の変速制御装置であって、
前記主動力伝達部(79)の無段変速機(1)は、
前記入力軸(2)の軸線からの偏心量が可変である偏心機構(4〜13)と、
前記入力軸(2)と共に回転する入力側支点(P3)と、
前記出力軸(3)に接続され、係合状態で前記駆動力を伝達し係合解除状態で前記駆動力の伝達を行わないように構成されたワンウェイクラッチ(17)と、
前記ワンウェイクラッチ(17)の揺動リンク(18)に設けられた出力側支点(P5)と、
前記入力側支点(P3)および前記出力側支点(P5)の両端に接続されて、前記偏心機構(4〜13)の偏心量に応じて往復運動することにより、前記ワンウェイクラッチ(17)を前記係合状態または前記係合解除状態にするコネクティングロッド(15)と、
前記偏心機構(4〜13)の前記偏心量を調整可能な偏心駆動部(14)と、を有し、
前記補助動力伝達部(80)は、
該補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態と切断状態とに切替えるための断接クラッチ(83)を有し、
前記変速制御装置は、
前記偏心駆動部(14)の回転角の情報に基づいて前記偏心機構(4〜13)の前記偏心量を調整し、前記車両の走行速度の情報に基づいて前記補助動力伝達部(80)の接続による減速とコースティングによる減速とを切替える制御を行う制御部(ECU)を有し、
前記制御部(ECU)は、
前記車両の車速が、予め定められた前記走行用駆動源の回転数の情報と前記第2変速比に基づいて算出された燃料供給を遮断することが可能な車速である場合、前記偏心量の調整により前記ワンウェイクラッチ(17)を係合解除状態にして、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、前記補助動力伝達部(80)の接続による減速制御を行い、
前記車両の走行速度が、前記燃料供給を遮断することが可能な車速でない場合、前記偏心量の調整により前記ワンウェイクラッチ(17)を係合解除状態にして、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を遮断状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、コースティングによる減速制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の変速制御装置の第2の側面によれば、前記燃料供給を遮断することが可能な車速において前記第1変速比で走行している車両の走行用駆動源の回転数に対して、前記車速において前記補助動力伝達部(80)を接続した場合の走行用駆動源の回転数が低下する場合、
前記制御部(ECU)は、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、前記補助動力伝達部(80)の接続による減速制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の変速制御装置の第3の側面によれば、前記燃料供給を遮断することが可能な車速において前記第1変速比で走行している車両の走行用駆動源の回転数に対して、前記車速において前記補助動力伝達部(80)を接続した場合の走行用駆動源の回転数が上昇する場合、
前記制御部(ECU)は、前記回転数の上昇幅と閾値との比較を行い、
前記回転数の上昇幅が閾値を超える場合に、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を遮断状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、コースティングによる減速制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の変速制御装置の第4の側面によれば、前記回転数の上昇幅が閾値以内である場合に、前記制御部(ECU)は、
前記ワンウェイクラッチ(17)が係合解除状態で待機するように、前記第1変速比に対応する前記偏心機構(4〜13)の偏心量の調整を行い、
前記偏心量の調整に要する時間(Tr1)が、予め定められた目標制御時間(Tr1escTgt)以内となる場合、
前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、前記補助動力伝達部(80)の接続による減速制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の変速制御装置の第5の側面によれば、前記制御部(ECU)は、前記偏心量の調整に要する時間(Tr1)が、前記目標制御時間(Tr1escTgt)を超える場合、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を遮断状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、コースティングによる減速制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の変速制御装置の第6の側面によれば、制御部(ECU)は、前記コースティングによる減速制御を行う際に、予め定められた時間内において減速要求が入力されない場合、前記走行用駆動源の回転を停止する制御を行うことを特徴とする。
第1の側面乃至第6の側面の構成によれば、車両の走行状態に応じて、補助動力伝達部を利用した減速と、コースティングを利用した減速とを切替えることが可能な変速制御装置の提供が可能になる。かかる変速制御装置により、燃料消費を抑制しつつ、再加速する際の応答性性能に優れた車両の減速制御が可能になる。
また、第3の側面乃至第5の側面の構成によれば、ドライバの違和感を軽減した車両の減速制御が可能になる。
また、第6の側面の構成によれば、走行用駆動源の燃料消費を削減することが可能になる。
本実施形態の無段変速機の構造を示す断面図。 図1の無段変速機の偏心量調節機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から見た図。 図1の無段変速機の偏心量調節機構による偏心量の変化を示す図。 本実施形態の偏心量調節機構による偏心量の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角度範囲の関係を示す図。 図1の無段変速機に設けられた補助動力伝達部の構成を示す図。 制御部ECUの制御の内容を説明する図。 制御部ECUの制御の流れを説明する図。 制御部ECUの制御の内容を説明する図。 制御部ECUの制御方法の一例を示すタイミングチャート。 制御部ECUの制御方法の一例を示すタイミングチャート。 制御部ECUの制御方法の一例を示すタイミングチャート。
以下、図1〜図11に基づいて本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
<無段変速機の構造>
まず、図1および図2を参照して、本実施形態の無段変速機の構造について説明する。本実施形態の無段変速機1は、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
本実施形態の無段変速機1は、入力軸2と、出力軸3と、6つの偏心量調節機構4とを備える。出力軸3は中空構造を有しており、出力軸3内を貫通して配置されているドライブシャフトが車両の左右の車輪(駆動輪)と接続している。
入力軸2は中空の部材からなり、エンジンやモータ等の走行用駆動源(ENG)からの駆動力を受けて回転中心軸線P1を中心として回転駆動される。
出力軸3は、入力軸2とは水平方向に離れた位置に入力軸2に平行に配置され、クラッチおよびデファレンシャルギヤ等を介して自動車のドライブシャフトに駆動力を伝達する。
偏心量調節機構4はそれぞれ駆動力入力部であり、入力軸2の回転中心軸線P1を中心として回転するように設けられ、カム部としてのカムディスク5と、偏心部材としての偏心ディスク6と、ピニオンシャフト7とを有する。
カムディスク5は、円盤形状であり、入力軸2の回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、それぞれ位相を60°異なるように設定され、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
偏心ディスク6は、円盤形状であり、その中心P3から偏心した位置に受入孔6aが設けられ、その受入孔6aを挟むように、1組のカムディスク5が回転可能に支持されている。
偏心ディスク6の受入孔6aは、その中心が、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raとカムディスク5の中心P2から偏心ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように形成されている。また、偏心ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5に挟まれた内周面に、内歯6bが形成されている。
ピニオンシャフト7は、入力軸2の中空部内に、入力軸2と同心に配置され、ピニオン軸受7bを介して入力軸2の内周面に相対回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト7の外周面には、外歯7aが設けられている。さらに、ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。
入力軸2における1組のカムディスク5の間には、カムディスク5の偏心方向に対向する箇所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されており、この切欠孔2aを介して、ピニオンシャフト7の外歯7aは、偏心ディスク6の受入孔6aの内歯6bと噛合している。
差動機構8は、遊星歯車機構であり、サンギヤ9と、入力軸2に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付きピニオン12を自転及び公転可能に軸支するキャリア13とを有している。また、差動機構8のサンギヤ9は、ピニオンシャフト7の駆動用の電動機(モータ)からなる偏心駆動部14(調節用駆動源)の回転軸14aに連結されている。ピニオンシャフト7には、差動機構8を介して偏心駆動部14(調節用駆動源)の駆動力が伝達される。
そして、この偏心駆動部14(調節用駆動源)の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
また、偏心駆動部14(調節用駆動源)の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
したがって、偏心駆動部14(調節用駆動源)の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合であって、カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、偏心ディスク6はカムディスク5と共に一体に回転する。一方で、入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、偏心ディスク6はカムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図2に示すように、偏心ディスク6は、カムディスク5に対して、P1からP2までの距離RaとP2からP3までの距離Rbとが同一となるように偏心されている。そのため、偏心ディスク6の中心P3を入力軸2の回転中心軸線P1と同一線上に位置させて、入力軸2の回転中心軸線P1と偏心ディスク6の中心P3との距離、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
偏心ディスク6の外縁部には、コネクティングロッド15が回転可能に支持されている。コネクティングロッド15は、一方の端部に大径の大径環状部15aを有し、他方の端部に小径の小径環状部15bを有している。コネクティングロッド15の大径環状部15aは、コンロッド軸受16を介して偏心ディスク6の外縁部に支持されている。コネクティングロッド15は、入力側支点(P3)側および出力側支点(P5)側の両端に接続されて、偏心機構(4〜13)の偏心量に応じて往復運動することにより、ワンウェイクラッチ17を係合状態または係合解除状態にする。
出力軸3には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)を介して、揺動リンク18が連結されている。一方向クラッチ17は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心として一方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を固定し(係合状態)、他方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる(係合解除状態)。一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)は、係合状態で駆動力を伝達し係合解除状態で駆動力の伝達を行わないように構成されている。
揺動リンク18には、揺動端部18aが設けられ、揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むことができるように形成された一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bに連結ピン19が挿入されることによって、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結されている。また、揺動リンク18には、環状部18dが設けられている。
<てこクランク機構>
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態の無段変速機のてこクランク機構について説明する。
図2に示すように、本実施形態の無段変速機1において、偏心量調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とが、てこクランク機構20(四節リンク機構)を構成している。
てこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心とする揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は、図1に示すように、合計6個のてこクランク機構20を備えている。
てこクランク機構20では、偏心量調節機構4の偏心量R1が「0」でない場合に、入力軸2とピニオンシャフト7を同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18を揺動させる。
そして、揺動リンク18と出力軸3との間には一方向クラッチ17が設けられているので、揺動リンク18が押された場合には、揺動リンク18が固定されて出力軸3に揺動リンク18の揺動運動によるトルクが伝達されて出力軸3が回転し、揺動リンク18が引かれた場合には、揺動リンク18が空回りして出力軸3に揺動リンク18の揺動運動によるトルクが伝達されない。6つの偏心量調節機構4は、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸3は6つの偏心量調節機構4により順に回転駆動される。
また、本実施形態の無段変速機1では、図3に示すように、偏心量調節機構4によって偏心量R1が調節可能である。
図3(a)は、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と偏心ディスク6の中心P3(入力側支点)とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と偏心ディスク6とが位置する。この場合の変速比iは最小となる。図3(b)は、偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示し、図3(c)は、偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図3(b)では図3(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図3(c)では図3(b)の変速比iよりも大きい「大」とした状態を示している。図3(d)は、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1と、偏心ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比iは無限大(∞)となる。
図4は、本実施形態の偏心量調節機構4による偏心量R1の変化と、揺動リンク18の揺動運動の揺動角度範囲の関係を示している。
図4(a)は偏心量R1が図3(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)、図4(b)は偏心量R1が図3(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)、図4(c)は偏心量R1が図3(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、偏心量調節機構4の回転運動に対する揺動リンク18の揺動範囲θ2を示している。ここで、出力軸3の回転中心軸線P4からコネクティングロッド15と揺動端部18aの連結点、すなわち、連結ピン19の中心P5(出力側支点)までの距離が、揺動リンク18の長さR2である。
図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるのに伴い、揺動リンク18の揺動角度範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
本実施形態の車両用動力伝達装置の変速制御装置は、無段変速機1の偏心駆動部14(調節用駆動源)を制御する制御部ECU(図5参照)を備える。制御部ECUは、CPUやメモリ等により構成された電子ユニットであり、メモリに保持された制御プログラムをCPUで実行することにより、偏心駆動部14(調節用駆動源)を制御して、偏心量調節機構4の偏心量R1を調節する機能を果たす。
また、制御部ECUは、偏心駆動部14(調節用駆動源)を構成するアクチュエータ(モータ)の回転の回転角を検出する回転角検出部55からの回転角検出情報を受信できるように構成されている。また、制御部ECUは、車両に設けられたアクセル開度検出部71からのアクセル開度の情報や、車両の走行速度を検出する車速検出部73からの車速の情報、ブレーキ操作検出部75からのブレーキペダルの操作有無の情報、走行用駆動源ENGの回転速度(回転数)の情報等が受信できるように構成されている。
なお、てこクランク機構20、偏心量調節機構4、一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)等により、入力軸2から出力軸3に動力を伝達する主動力伝達部79(図5参照)が構成される。主動力伝達部79は、車両の走行用駆動源の回転軸に接続された入力軸2の回転を変速して出力軸3に伝達する無段変速機1を介して、走行用駆動源の駆動力を車両のデファレンシャルギヤに調節可能な第1変速比で伝達することが可能である。
図5において、無段変速機1に設けられる補助動力伝達部80は、減速時に、車両のデファレンシャルギヤ81から走行用駆動源ENGに動力を伝達することにより、いわゆるエンジンブレーキとしての制動力を得るための動力伝達経路である。補助動力伝達部80は、デファレンシャルギヤから走行用駆動源に予め定められた第2変速比で動力を伝達することが可能である。
図5に示すように、補助動力伝達部80は、その動力伝達経路上に設けられたワンウェイクラッチ82と、該動力伝達経路を接続状態と切断状態とに切替える断接クラッチとしての断接クラッチ83と、を備える。制御部ECUは断接クラッチ83を制御する。
ワンウェイクラッチ82は、その走行用駆動源ENG側の部材の回転速度がデファレンシャルギヤ81側の部材の回転速度よりも大きいとき空転する。回転速度の関係が逆の関係になる場合、デファレンシャルギヤ81側の部材が走行用駆動源ENG側の部材に動力を付与するときに噛み合う。これにより、ワンウェイクラッチ82は、デファレンシャルギヤ81側から走行用駆動源ENGの方向にのみ動力を伝達する。
出力軸3上には、これと同一軸線上に外軸84が設けられる。外軸84は、直列的に配置された外軸84a、外軸84b、外軸84cにより構成される。ワンウェイクラッチ82は、外軸84aから外軸84bの方向にのみ動力を伝達し得るように外軸84aと外軸84bとの間に設けられる。
従って、ワンウェイクラッチ82は、下流側の外軸84aの回転速度が上流側の外軸84bの回転速度よりも低い場合には空転し、回転速度の関係が逆の関係になる場合には噛み合って外軸84aの動力を外軸84bに伝達する。断接クラッチ83は、外軸84bと外軸84cとを接続する接続状態と、この接続を遮断する遮断状態とに切替えることができるように、外軸84bと外軸84cとの間に設けられる。制御部ECUは断接クラッチ83の接続状態と遮断状態との切替を制御する。
走行用駆動源ENGから主動力伝達部79の入力軸2への駆動力の伝達は、ダンパ付きクラッチ85を介して行われる。外軸84cは、アイドルギヤ86と、ダンパ付きクラッチ85のダンパ87とを介して走行用駆動源ENGの駆動軸88に接続される。
出力軸3のデファレンシャルギヤ81側の端部には、出力軸3と同軸上にワンウェイクラッチ89を介して伝達軸90が設けられる。ワンウェイクラッチ89は、出力軸3から伝達軸90の方向にのみ動力を伝達する。外軸84aには、これと同一軸線上に設けられたプラネタリギヤ機構91を介して、伝達軸90の動力が伝達される。プラネタリギヤ機構91のサンギヤは外軸84a上に設けられ、リングギヤは伝達軸90上に設けられる。
補助動力伝達部80は、伝達軸90から、ワンウェイクラッチ82や、断接クラッチ83を経てダンパ87に到る動力伝達経路として構成される。伝達軸90は、プラネタリギヤ機構を用いた前後進切替え機構92を介してデファレンシャルギヤ81に接続される。
出力軸3の動力は、ワンウェイクラッチ89、伝達軸90、前後進切替え機構92、デファレンシャルギヤ81及びドライブシャフト93を経て車両の車輪に伝達される。走行用駆動源ENGや、断接クラッチ83、前後進切替え機構92の制御は、制御部ECUにより行われる。
主動力伝達部79の変速比をMR(第1変速比)とする。また、補助動力伝達部80の変速比をAR(第2変速比)とする。補助動力伝達部80の変速比ARは、単段であり、例えば、図6の直線(iRTF)で示されるように一定である。制御部ECUは、上述の偏心駆動部14を制御して偏心量調節機構4の偏心量(回転半径)R1を調節することにより、主動力伝達部79の変速比MRを、運転可能領域95において、オーバドライブ側の最小の値と最大値(無限大)との間で変化させることができる。
上述のように、補助動力伝達部80のワンウェイクラッチ82は、その上流側の外軸84bの回転速度Nbが下流側の外軸84aの回転速度Naよりも大きい(Nb>Na)場合に空転する。これにより、例えば、走行用駆動源ENGへの燃料の供給が遮断された減速状態において燃料の供給が再開されたとき、ワンウェイクラッチ82は空転状態となり、補助動力伝達部80を介した走行用駆動源ENGからデファレンシャルギヤ81への動力の伝達が回避される。逆に、外軸84aの回転速度Naが外軸84bの回転速度Nbよりも大きく(Nb<Na)なろうとする場合には、ワンウェイクラッチ82は、噛み合った状態となる。
したがって、補助動力伝達部80の変速比ARよりも主動力伝達部79の変速比MRの方が小さい場合には、ワンウェイクラッチ82が噛合い状態となり得る。この場合、補助動力伝達部80が主動力伝達部79に連結した状態となるインターロックを回避するために、制御部ECUは断接クラッチ83を切断状態にするように制御することが可能である。一方、変速比ARよりも変速比MRの方が大きい場合には、Nb>Naとなり、ワンウェイクラッチ82が空転状態となる。この場合には、断接クラッチ83が接続状態であっても、インターロックが生じることはない。
制御部ECUは、車両の車速が、予め定められた走行用駆動源ENGの回転数の情報と第2変速比に基づいて算出された燃料供給を遮断することが可能な車速である場合、偏心量の調整によりワンウェイクラッチ17を係合解除状態にして、補助動力伝達部における動力の伝達経路を接続状態にするよう断接クラッチ83を制御して、補助動力伝達部の接続による減速制御を行うことが可能である。
また、制御部ECUは、車両の走行速度が、燃料供給を遮断することが可能な車速でない場合、偏心量の調整によりワンウェイクラッチ17を係合解除状態にして、補助動力伝達部における動力の伝達経路を遮断状態にするよう断接クラッチ83を制御して、コースティング(惰性走行)による減速制御を行うことが可能である。すなわち、制御部ECUは、減速要求時の車両の車速Vに応じて、補助動力伝達部80(RTF)による減速制御を行うか、コースティング(アイドルコースティングまたはゼロコースティング)による減速制御を行うかを選択的に切替えることが可能である。
<制御部ECUの処理の流れ>
図7は、制御部ECUの制御の流れを説明する図である。まず、ステップS1において、制御部ECUは、アクセル開度検出部71からのアクセル開度の情報に基づいて、アクセルペダル(AP)=offを示す減速要求の有無を判定する。減速要求が無い場合(S1−No)、処理はステップS8に進められる。ステップS8において、制御部ECUは、偏心量調節機構4の偏心量(回転半径)R1を調節することにより、主動力伝達部79の変速比MRにより駆動するための駆動レシオ制御を行う。一方、ステップS1の判定で、アクセルペダル=offを示す減速要求が有ると判定された場合(S1−Yes)、処理はステップS2に進められる。
ステップS2では、制御部ECUは、燃料供給カットを実施可能な車速か否かの判定を行う。燃料供給カットが可能な下限回転数(NFCT)は、車両の動力伝達機構やエンジンの特性により車種ごとに予め決められている。例えば、補助動力伝達部80の変速比AR=iRTFとすると、燃料供給カットが可能な下限の車速(燃料供給カット下限車速:VFCT)は、(1)式により算出することが可能である。尚、(1)式において、関数fは、無段変速機1の変速比i、デファレンシャルギヤ81の変速比(ギヤ比)、車両の車輪の直径に基づいて、走行用駆動源ENGの回転数(rpm)の情報を車速(km/h)の情報に変換する関数である。制御部ECUは、関数fを用いることにより、走行用駆動源ENGの回転数の単位(rpm)を車速の単位(km/h)に換算するための演算を行うことができる。制御部ECUは、関数fに下限回転数(NFCT:rpm)を代入することにより、下限回転数(NFCT)に対応する車速の情報(km/h)を取得することが可能である。制御部ECUは、取得した車速の情報(km/h)を補助動力伝達部80の変速比(iRTF)で除算した結果を燃料供給カット下限車速(VFCT)として取得する。
VFCT = f(NFCT)/iRTF・・・(1)
制御部ECUは、(1)式により取得された燃料供給カット下限車速(VFCT)と、車速検出部73からの車速の情報(V)とを比較する。比較の結果により、車速の情報(V)<燃料供給カット下限車速(VFCT)となる場合、制御部ECUは、燃料供給カットを実施可能な車速でないと判定し(S2−No)、処理をステップS7に進める。
ステップS7において、制御部ECUは、コースティング(ゼロコースティングまたは、アイドルコースティング)による減速制御を行う。制御部(ECU)は、コースティングによる減速制御を行う際に、予め定められた時間内において減速要求(ブレーキ操作や自動運転システムからの減速要求)が入力された場合、走行用駆動源の回転を停止する制御を行う(ゼロコースティング)。減速要求が入力されていない場合、制御部ECUは、エンジンブレーキを働かせず、アイドル状態でコースティングを行うアイドルコースティングの減速制御を行う。
一方、ステップS2の比較処理において、車速の情報(V)≧燃料供給カット下限車速(VFCT)となる場合、制御部ECUは、燃料供給カットを実施可能な車速であると判定し(S2−Yes)、処理をステップS3に進める。
ステップS3において、制御部ECUは、減速制御を実行した場合、走行用駆動源ENGの回転数Neが上昇するか否かを判定する。制御部ECUは、減速要求が入力された際の車速の情報、走行用駆動源ENGの回転数Neの情報、主動力伝達部79の変速比MRと補助動力伝達部80の変速比ARとの比較結果を示す情報に基づいて判定することが可能である。例えば、図6の点Aの走行状態において、減速制御を行う場合、走行用駆動源ENGの回転数Neは減少する。図6の点B、点Cの走行状態において、減速制御を行う場合、走行用駆動源ENGの回転数Neは上昇する。
ステップS3の判定において、走行用駆動源ENGの回転数Neが低下する場合(S3−Yes)、処理はステップS6に進められる。一方、ステップS3の判定において、走行用駆動源ENGの回転数Neが上昇する場合(S3−Yes)、処理はステップS4に進められる。
ステップS4において、制御部ECUは、走行用駆動源ENGの回転数の上昇幅が閾値以下であるか否かの判定を行う。ここで、走行用駆動源ENGの回転数Neの上昇幅と閾値の関係を、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の無段変速機1を有する主動力伝達部79の運転可能領域95を例示的示す図である。主動力伝達部79の無段変速機1は、変速比MR(=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。制御部ECUは、偏心駆動部14を制御して偏心量調節機構4の偏心量(回転半径)R1を調節することにより、主動力伝達部79の変速比MRを、運転可能領域95で示されるように、オーバドライブ側の最小の値と最大値(無限大)との間で変化させることができる。図6の横軸は車速を示し、縦軸は走行用駆動源ENGの回転数を示している。補助動力伝達部80の構成として、本実施形態では、単段の変速比を有する例を説明するが、本実施形態の趣旨は、この例に限定されるものではなく、補助動力伝達部80の構成として複数段の変速比を有する構成であってもよい。図6に示す直線は、補助動力伝達部80の単段の変速比AR=iRTFを示している。図6に示す運転可能領域95内における補助動力伝達部80の変速比ARの設定は例示的なものであり、本実施形態の趣旨はこの例に限定されるものではない。
図6において、点A、点B、および点Cは、それぞれ車両の走行状態(加速状態)の異なる点を示しており、点Aは、車速V4、走行用駆動源ENGの回転数Neの走行状態を示している。加速走行中の点Aの走行状態において、アクセルペダル(AP)が戻されると、制御部ECUは無段変速機1のワンウェイクラッチを係合解除状態にするように偏心量R1を制御し、補助動力伝達部80の断接クラッチ83を制御して補助動力伝達部80を接続状態(エンゲージ状態)に移行するように制御する。このような、制御部ECUの制御により、点Aの走行用駆動源ENGの回転数は、回転数Neから回転数N2へと低下する。点Aのような走行状態において、補助動力伝達部80を接続状態(エンゲージ状態)に移行させる制御は、ドライバの減速意思に対して走行用駆動源ENGの回転数が低下するように動作するため、ドライバにとって違和感の無い制御である。
点Bは、車速V2からV3の間において、走行用駆動源ENGの回転数Na近傍の走行状態を示している。また、点Cは、車速V5、走行用駆動源ENGの回転数Nb近傍の走行状態を示している。例えば、点Bの走行状態において、アクセルペダル(AP)が戻されると、点Aの場合と同様に、制御部ECUは無段変速機1のワンウェイクラッチを係合解除状態(ディスエンゲージ状態)にし、補助動力伝達部80を接続状態(エンゲージ状態)に移行するように制御する。制御部ECUの制御により、走行用駆動源ENGの回転数は、回転数Naから回転数N1に上昇する。このときの走行用駆動源ENGの回転数の上昇幅をΔ1とする。
同様に、点Cの走行状態において、アクセルペダル(AP)が戻されると、制御部ECUは無段変速機1のワンウェイクラッチを係合解除状態にし、補助動力伝達部80を接続状態に移行するように制御する。制御部ECUの制御により、走行用駆動源ENGの回転数は、回転数Nbから回転数N3に上昇する。このときの走行用駆動源ENGの回転数の上昇幅をΔ2とする。点B、点Cのような走行状態において、補助動力伝達部80を接続状態に移行させる制御は、ドライバの減速意思に対して走行用駆動源ENGの回転数が増加するように動作することになる。本実施形態では、予め定められた閾値Thを制御部ECUのメモリに設定しておき、制御部ECUは、走行用駆動源ENGの回転数の上昇幅Δが閾値Th以下であるか否かの判定を行い、判定の結果に応じて、補助動力伝達部80を接続状態(エンゲージ状態)に移行した減速制御を行うか、ゼロコースティングまたはアイドルコースティングによる減速制御を行うか、を切替える。このような切替制御を行うことにより、ドライバの減速意思に対して走行用駆動源ENGの回転数が増加することによるドライバの違和感を軽減することが可能になる。
補助動力伝達部80の変速比AR=iRTFとし、主動力伝達部79により駆動している状態からアクセルペダル(AP)を離したときの走行用駆動源ENGの回転数をNbdf、車速をVf、補助動力伝達部80の変速比AR=iRTFとする。このとき、補助動力伝達部80が接続状態(エンゲージ状態)になる場合の走行用駆動源ENGの回転数をNrtfとすると、Nrtfは以下の(2)式で求めることができる。尚、(2)式において、関数gは、無段変速機1の変速比i、デファレンシャルギヤ81の変速比(ギヤ比)、車両の車輪の直径に基づいて、車速(km/h)の情報を走行用駆動源ENGの回転数(rpm)の情報に変換する関数である。制御部ECUは、関数gを用いることにより、車速の単位(km/h)を走行用駆動源ENGの回転数の単位(rpm)に換算するための演算を行うことができる。制御部ECUは、関数gに車速Vf(km/h)を代入することにより、車速Vfに対応する走行用駆動源ENGの回転数(rpm)の情報を取得することが可能である。制御部ECUは、取得した回転数(rpm)の情報に補助動力伝達部80の変速比(iRTF)を乗算した結果を回転数(Nrtf)として取得する。
Nrtf = g(Vf) × iRTF ・・・(2)
加速から減速走行状態に移行する際に、回転数の上昇が許容される走行用駆動源ENGの回転数(許容回転数)の幅(閾値)は、予め任意に制御部ECUのメモリに設定することが可能であり、この許容回転数の幅をdNeshtdwnとする。図7のステップS4の処理において、制御部ECUは、(2)式により取得したNrtfとNbdfとの差分(回転数の上昇幅)を算出し、この算出結果と、許容回転数dNeshtdwnとを比較する。
比較の結果が回転数の上昇幅が閾値を超える場合、すなわち、Nrtf − Nbdf > dNeshtdwnの場合(S4−No)、処理はステップS7に進められ、制御部ECUは、アイドルコースティング、またはゼロコースティングによる減速制御を行うように制御する(S7)。一方、比較の結果が回転数の上昇幅が閾値以内である場合、すなわち、Nrtf − Nbdf ≦ dNeshtdwnの場合(S4−Yes)、処理はステップS5に進められる。
ステップS5において、制御部ECUは、レシオ干渉回避に必要な時間が所定時間以下であるか否かを判定する。
レシオ干渉とは、主動力伝達部79の無段変速機1を介した駆動状態と、補助動力伝達部80を接続した減速状態とが同時に発生するような状態をいう。レシオ干渉を回避するために、制御部ECUは、主動力伝達部79における偏心駆動部14を制御して偏心量調節機構4の偏心量(回転半径)R1を所定の偏心量R1rtfengに変化させて、一方向クラッチ17を係合解除状態にする。そして、制御部ECUは、補助動力伝達部80において、断接クラッチ83を制御する。制御部ECUは、これらの制御を並列のタイミングで、あるいは一部の制御動作がオーバーラップするようなタイミングで、実行すると、上記のレシオ干渉が生じることになる。このため、制御部ECUは、主動力伝達部79における偏心駆動部14の制御と、補助動力伝達部80における断接クラッチ83の制御と、を所定の許容制御時間(Ttotal)内に一連の制御動作として実行する。制御部ECUが実行する制御動作に要する時間に着目すると、以下の3つの時間(a、b、c)に分類することができる。すなわち、(a)偏心量調節機構4の偏心量(回転半径)R1を調整するために要する偏心量制御時間、(b)断接クラッチ83を駆動するための油圧用ソレノイド(SOL)の応答時間、(c)断接クラッチ83の応答時間の3つの時間(a、b、c)に分類することができる。
制御部ECUは、(a)、(b)、(c)の合計時間が許容制御時間(Ttotal)以内となるように制御動作を実行する。すなわち、制御部ECUは、以下の(3)式に示す条件を満たすように、制御動作を実行する。
時間(a)+時間(b)+時間(c)≦ Ttotal ・・・(3)
ここで、補助動力伝達部80における断接クラッチ83を駆動する際の時間(b)、および時間(c)は、車両の走行状態に関わらずに、一定の時間となる。しかし、偏心量調節機構4の偏心量R1の調整に要する上記の時間(a)は、例えば、車両の走行状態(加速状態)において、偏心量調節機構4の偏心量R1は可変である。このため、R1を所定の偏心量R1rtfengに変化させるために要する偏心量の調整時間は車両の走行状態に応じて異なる。上記の(3)式を変形すると、偏心量調節機構4の偏心量R1を調整するために要する偏心量制御時間(時間(a))と、目標制御時間Tr1escTgtとの関係は、以下の(4)式で求めることができる。
時間(a)≦Ttotal−(時間(b)+(c))=Tr1escTgt・・・(4)
次に、図8を参照して、制御部ECUが時間(a)を求める構成を説明する。図8は、偏心量調節機構4の偏心量(回転半径)R1を調整するために要する偏心量制御時間を説明する図である。偏心駆動部14(調節用駆動源)は、偏心量R1をゼロから最大値(偏心駆動部14の回転角:±180°)の間で自在に調整可能なアクチュエータ(モータ)として構成される。図8(a)は、アクチュエータ(モータ)の回転角と偏心量R1の関係を例示的に示す図である。図8(a)に示すように、アクチュエータ(モータ)の回転角θの増加に対応して、偏心量R1は0(ゼロ)からr1、r2・・・と増加するが、図8(a)に示すように両者の関係は非線形特性を示す。
図8(b)は、制御部ECUから回転指令がステップ入力された場合のアクチュエータ(モータ)の応答特性を示す図であり、横軸はアクチュエータ(モータ)の回転角θを示し、縦軸は所定の定格トルクを出力する際のアクチュエータ(モータ)の応答時間を示している。図8(b)に示すように、ステップ入力に対して、非線形要素として無駄時間(0〜t1)が介在し、応答時間t1からアクチュエータ(モータ)の回転が始まる。
図8(a)に示したように、アクチュエータ(モータ)の回転角と偏心量R1の関係は非線形特性を示す。また、図8(b)に示したように、アクチュエータ(モータ)の応答特性も非線形特性を示す。制御部ECUは、これらの非線形特性を考慮して、減速要求時において駆動しているときの偏心量調節機構4の偏心量R1を、レシオ干渉を回避するための偏心量R1rtfengに変更するようにアクチュエータ(モータ)の回転角を制御する。ここで、図5に示した、回転角検出部55は、アクチュエータ(モータ)の回転の回転角を検出することが可能であり、制御部ECUは、回転角検出部55からアクチュエータ(モータ)の回転の回転角を取得し、取得した回転角の結果に基づいてアクチュエータ(モータ)の回転を制御することが可能である。
図8(c)は、制御部ECUが、偏心量R1を、レシオ干渉を回避するための偏心量R1rtfengに変更する制御を実行する際に参照するデータテーブルを例示的に示す図である。データテーブルには、減速要求時において設定された偏心量R1(r1、r2、r3、・・・・)と、レシオ干渉を回避するための偏心量R1rtfengと、偏心量R1(r1、r2、r3、・・・・)から偏心量R1rtfengへの調整に要する時間T(t1、t2、t3、・・・)と、が対応づけられている。図8(c)のデータテーブルは、既知の情報として制御部ECUのメモリに記憶されている。制御部ECUは、回転角検出部55で検出された偏心駆動部14のアクチュエータ(モータ)の回転角と、データテーブル(図8(c))とを用いて、現在の偏心量R1を、レシオ干渉を回避するための偏心量R1rtfengに調整するために要する時間Tr1を取得する。データテーブルに該当するR1(r1、r2、r3、・・・・)のデータが記憶されてない場合、制御部ECUは、データテーブルに記憶されている複数のR1のデータから所望のR1に対応する時間Tr1のデータを補間演算により生成し、取得することが可能である。制御部ECUは、取得した時間Tr1と、(4)式から取得した目標制御時間Tr1escTgtと、を比較する。制御部ECUは、比較の結果によりTr1>目標制御時間Tr1escTgtとなり、Tr1が目標制御時間Tr1escTgtを超える場合(ステップS5−No)、処理はステップS7に進められる。そして、ステップS7で、制御部ECUは、アイドルコースティング、またはゼロコースティングによる減速制御を行う。
一方、ステップS5の比較の結果により、Tr1≦Tr1escTgtの関係を満たし、Tr1が目標制御時間Tr1escTgt以内に収まる場合(S5−Yes)、処理はステップS6に進められる。そして、ステップS6において、制御部ECUは、補助動力伝達部80を接続状態にした減速制御を行う(RTFエンゲージによる減速制御の実行)。以上により、補助動力伝達部80(RTF)によるRTFエンゲージによる減速制御を行うか、アイドルコースティングまたはゼロコースティングを行うかを選択的に切替える制御部ECUの処理を終了する。
図9は、補助動力伝達部80(RTF)を接続状態にして減速し(Ne降下でのエンゲージ)、その後、車速の条件でコースティング減速に切り替える制御部ECUの制御方法を示すタイミングチャートである。図9のタイミングチャートは、図7のステップS3−No、ステップS6において、制御部ECUが実行する制御方法に対応するもので、主動力伝達部79の変速比MRが補助動力伝達部80の変速比ARよりも大きい(MR>AR)第1状態で車両が速度Vで走行している場合を示している。
時刻t1で、アクセルペダル(AP)の操作がオフとなり、アクセル開度がゼロになる。アクセル開度がゼロになると、燃料供給が停止されるので、走行用駆動源ENGの回転数Neが低下する。これに応じて、車両の速度Vは徐々に減速する。
これに伴い、制御部ECUは、偏心量調節機構4の偏心量R1を調節して、主動力伝達部79の無段変速機1における一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)を係合解除状態(ディスエンゲージ状態)にする偏心量まで増加させて、主動力伝達部79の変速比MRを減少させる(時刻t2)。そして、制御部ECUは、係合解除状態を確保する偏心量の状態で待機するように、アクチュエータ(モータ)を制御する。
時刻t1のタイミングで、制御部ECUは、断接クラッチ83(RTFクラッチ)を制御して、補助動力伝達部80を接続状態にする。時刻t1において、制御部ECUの制御に従い偏心量R1が増加するに従い、主動力伝達部79の無段変速機1を介した駆動力が低下し、時刻tdにおいて、無段変速機1の一方向クラッチ17が係合解除状態になると、駆動力はゼロになる。そして、時刻t2で、路面から車輪を経てドライブシャフト93に付与される駆動力が、補助動力伝達部80を介してその変速比ARに従い、走行用駆動源ENGを駆動する。これにより、エンジンブレーキが機能し、車両が効果的に減速される(RTFエンゲージ減速)。
時刻t2でエンジンブレーキが機能して車速Vが減速し、減速状態が維持され、時刻t3において、燃料供給カット下限車速(VFCT)より車速Vが低くなると、RTFエンゲージ減速の条件(車速の情報(V)≧燃料供給カット下限車速(VFCT))を満たさなくなる。このため、制御部ECUは、時刻t3において、断接クラッチ83(RTFクラッチ)を制御して、補助動力伝達部80との接続を遮断する遮断状態にする。そして、制御部ECUは、ゼロコースティングによる減速制御、または、アイドルコースティングによる減速制御を行う。この処理は、図7のステップS2―No、ステップS7の処理に対応する。
車速(V)<燃料供給カット下限車速(VFCT)となり、車速Vは、アイドル回転速度に対応する車速になる。この状態で、予め定められた時間内において減速要求(ブレーキ操作や自動運転システムからの減速要求)が入力された場合(ブレーキON)、制御部ECUはゼロコースティングの減速制御を行い、減速要求が入力されていない場合(ブレーキOFF)、アイドルコースティングの減速制御を行う。
ゼロコースティングの場合、制御部ECUは、燃料供給を停止状態のまま維持するように制御する。制御部ECUは、走行用駆動源ENGを停止させ、走行用駆動源ENGの回転数Neをゼロにする。
また、アイドルコースティングの場合、時刻t3でアイドル復帰すると、制御部ECUは、燃料供給を行うように燃料供給部を制御することにより、燃料供給が始まる(時刻t3)。そして、時刻t3において、制御部ECUは、次の加速に備えて、所定の時間内に一方向クラッチ17を係合状態にできるように、車速なりの偏心量になるように偏心量調節機構4の偏心量R1を調節する。
図10は、補助動力伝達部80(RTF)を接続状態にして減速し(Ne上昇でのエンゲージ)、その後、車速の条件でコースティング減速に切り替える制御部ECUの制御方法を示すタイミングチャートである。図10のタイミングチャートは、図7のステップS3−Yes〜ステップS6において、制御部ECUが実行する制御方法に対応するもので、主動力伝達部79の変速比MRが補助動力伝達部80の変速比ARよりも小さい(MR<AR)第2状態で車両が速度Vで走行している場合を示している。
時刻t1で、アクセルペダル(AP)の操作がオフとなり、アクセル開度がゼロになる。アクセル開度がゼロになると、燃料供給が停止されるので、走行用駆動源ENGの回転速度Neが低下する。これに応じて、車両の速度Vは徐々に減速する。
これに伴い、制御部ECUは、偏心量調節機構4の偏心量R1を調節して、主動力伝達部79の無段変速機1における一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)を係合解除状態(ディスエンゲージ状態)にする偏心量まで減少させて、主動力伝達部79の変速比MRを増加させる(時刻t2)。
時刻t1から時刻t2の間で、制御部ECUはレシオ干渉回避のための制御を行う。主動力伝達部79の変速比MRが補助動力伝達部80の変速比ARよりも小さい(MR<AR)第2状態で車両が進行している場合には、補助動力伝達部80のワンウェイクラッチ82は噛合い状態にある。このとき、インターロックを回避するために、断接クラッチ83は切断状態に設定されているが、制御部ECUは、補助動力伝達部80を接続状態にして減速制御を行う場合、レシオ干渉を回避するために、係合解除状態を確保する偏心量になるように、減速要求時において設定されている偏心量R1を調整する制御を行う。この具体的な処理の内容は、図7のステップS5で説明したとおりである。
制御部ECUは、係合解除状態を確保する偏心量の状態で待機するようにアクチュエータ(モータ)を制御する。そして、時刻t2のタイミングで、制御部ECUは、断接クラッチ83(RTFクラッチ)を制御して、補助動力伝達部80を接続状態にする。
また、時刻t1において、制御部ECUの制御に従い偏心量R1が減少するに従い、主動力伝達部79の無段変速機1を介した駆動力が低下し、時刻tdにおいて、無段変速機1の一方向クラッチ17が係合解除状態になると、駆動力はゼロになる。そして、時刻t2で、路面から車輪を経てドライブシャフト93に付与される駆動力が、補助動力伝達部80を介してその変速比ARに従い、走行用駆動源ENGを駆動する。これにより、エンジンブレーキが機能し、車両が効果的に減速される(RTFエンゲージ減速)。
時刻t2でエンジンブレーキが機能して車速Vが減速し、減速状態が維持され、時刻t3において、燃料供給カット下限車速(VFCT)より車速Vが低くなると、RTFエンゲージ減速の条件(車速の情報(V)≧燃料供給カット下限車速(VFCT))を満たさなくなる。このため、制御部ECUは、時刻t3において、断接クラッチ83(RTFクラッチ)を制御して、補助動力伝達部80との接続を遮断する遮断状態にする。そして、制御部ECUは、ゼロコースティングによる減速制御、または、アイドルコースティングによる減速制御を行う。この処理は、図7のステップS2―No、ステップS7の処理に対応する。
車速(V)<燃料供給カット下限車速(VFCT)となり、車速Vは、アイドル回転速度に対応する車速になる。この状態で、予め定められた時間内において減速要求(ブレーキ操作や自動運転システムからの減速要求)が入力された場合(ブレーキON)、制御部ECUはゼロコースティングの減速制御を行い、減速要求が入力されていない場合(ブレーキOFF)、アイドルコースティングの減速制御を行う。
ゼロコースティングの場合、制御部ECUは、燃料供給を停止状態のまま維持するように制御する。制御部ECUは、走行用駆動源ENGを停止させ、走行用駆動源ENGの回転数Neをゼロにする。
また、アイドルコースティングの場合、時刻t3でアイドル復帰すると、制御部ECUは、燃料供給を行うように燃料供給部を制御することにより、燃料供給が始まる(時刻t3)。そして、時刻t3において、制御部ECUは、次の加速に備えて、所定の時間内に一方向クラッチ17を係合状態にできるように、車速なりの偏心量になるように偏心量調節機構4の偏心量R1を調節する。
図11は、補助動力伝達部80(RTF)を用いた減速条件に合致しない場合、アクセルペダルオフ時からコースティングによる減速制御を行う場合の制御部ECUの制御方法を示すタイミングチャートである。図11のタイミングチャートは、図7のステップS7において、制御部ECUが実行する制御方法に対応するものである。
時刻t1で、アクセルペダル(AP)の操作がオフとなり、アクセル開度がゼロになる。アクセル開度がゼロになると、燃料供給が停止されるので、走行用駆動源ENGの回転数Neが低下する。これに応じて、車両の速度Vは徐々に減速する。
これに伴い、制御部ECUは、偏心量調節機構4の偏心量R1を調節して、主動力伝達部79の無段変速機1における一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)を係合解除状態(ディスエンゲージ状態)にする偏心量まで増加させて、主動力伝達部79の変速比MRを減少させる(時刻t2)。そして、制御部ECUは、係合解除状態を確保する偏心量の状態で待機するように、アクチュエータ(モータ)を制御する。
図11のタイミングチャートでは、補助動力伝達部80を接続状態にしないため、制御部ECUは、断接クラッチ83(RTFクラッチ)の制御を行わない。従って、補助動力伝達部80は遮断状態のままである。
時刻t1において、制御部ECUの制御に従い偏心量R1が増加するに従い、主動力伝達部79の無段変速機1を介した駆動力が低下し、時刻tdにおいて、無段変速機1の一方向クラッチ17が係合解除状態になると、駆動力はゼロになる。
時刻t1で車速Vが減速し、減速状態が維持され、時刻t2において、燃料供給カット下限車速(VFCT)より車速Vが低くなると、制御部ECUは、ゼロコースティングによる減速制御、または、アイドルコースティングによる減速制御を行う。この処理は、図7のステップS2―No、ステップS7の処理に対応する。
車速(V)<燃料供給カット下限車速(VFCT)となり、車速Vは、アイドル回転速度に対応する車速になる。この状態で、予め定められた時間内において減速要求(ブレーキ操作や自動運転システムからの減速要求)が入力された場合(ブレーキON)、制御部ECUはゼロコースティングの減速制御を行い、減速要求が入力されていない場合(ブレーキOFF)、アイドルコースティングの減速制御を行う。
ゼロコースティングの場合、制御部ECUは、燃料供給を停止状態のまま維持するように制御する。制御部ECUは、走行用駆動源ENGを停止させ、走行用駆動源ENGの回転数Neをゼロにする。
また、アイドルコースティングの場合、時刻t2でアイドル復帰すると、制御部ECUは、燃料供給を行うように燃料供給部を制御することにより、燃料供給が始まる(時刻t2)。そして、時刻t2において、制御部ECUは、次の加速に備えて、所定の時間内に一方向クラッチ17を係合状態にできるように、車速なりの偏心量になるように偏心量調節機構4の偏心量R1を調節する。
本実施形態によれば、車両の走行状態に応じて、補助動力伝達部を利用した減速と、コースティングを利用した減速とを切替えることが可能な変速制御装置を提供することが可能になる。
4 偏心量調節機構、14 偏心駆動部、 17 ECU 制御部
79 主動力伝達部、 80 補助動力伝達部

Claims (6)

  1. 車両の走行用駆動源の回転軸に接続された入力軸(2)の回転を変速して出力軸(3)に伝達する無段変速機(1)を介して、前記走行用駆動源の駆動力を前記車両のデファレンシャルギヤに調節可能な第1変速比で伝達する主動力伝達部(79)と、
    前記デファレンシャルギヤから前記走行用駆動源に予め定められた第2変速比で動力を伝達する補助動力伝達部(80)と、を有する車両用動力伝達装置の変速制御装置であって、
    前記主動力伝達部(79)の無段変速機(1)は、
    前記入力軸(2)の軸線からの偏心量が可変である偏心機構(4〜13)と、
    前記入力軸(2)と共に回転する入力側支点(P3)と、
    前記出力軸(3)に接続され、係合状態で前記駆動力を伝達し係合解除状態で前記駆動力の伝達を行わないように構成されたワンウェイクラッチ(17)と、
    前記ワンウェイクラッチ(17)の揺動リンク(18)に設けられた出力側支点(P5)と、
    前記入力側支点(P3)および前記出力側支点(P5)の両端に接続されて、前記偏心機構(4〜13)の偏心量に応じて往復運動することにより、前記ワンウェイクラッチ(17)を前記係合状態または前記係合解除状態にするコネクティングロッド(15)と、
    前記偏心機構(4〜13)の前記偏心量を調整可能な偏心駆動部(14)と、を有し、
    前記補助動力伝達部(80)は、
    該補助動力伝達部における動力の伝達経路を接続状態と切断状態とに切替えるための断接クラッチ(83)を有し、
    前記変速制御装置は、
    前記偏心駆動部(14)の回転角の情報に基づいて前記偏心機構(4〜13)の前記偏心量を調整し、前記車両の走行速度の情報に基づいて前記補助動力伝達部(80)の接続による減速とコースティングによる減速とを切替える制御を行う制御部(ECU)を有し、
    前記制御部(ECU)は、
    前記車両の車速が、予め定められた前記走行用駆動源の回転数の情報と前記第2変速比に基づいて算出された燃料供給を遮断することが可能な車速である場合、前記偏心量の調整により前記ワンウェイクラッチ(17)を係合解除状態にして、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、前記補助動力伝達部(80)の接続による減速制御を行い、
    前記車両の走行速度が、前記燃料供給を遮断することが可能な車速でない場合、前記偏心量の調整により前記ワンウェイクラッチ(17)を係合解除状態にして、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を遮断状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、コースティングによる減速制御を行うことを特徴とする変速制御装置。
  2. 前記燃料供給を遮断することが可能な車速において前記第1変速比で走行している車両の走行用駆動源の回転数に対して、前記車速において前記補助動力伝達部(80)を接続した場合の走行用駆動源の回転数が低下する場合、
    前記制御部(ECU)は、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、前記補助動力伝達部(80)の接続による減速制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。
  3. 前記燃料供給を遮断することが可能な車速において前記第1変速比で走行している車両の走行用駆動源の回転数に対して、前記車速において前記補助動力伝達部(80)を接続した場合の走行用駆動源の回転数が上昇する場合、
    前記制御部(ECU)は、
    前記回転数の上昇幅と閾値との比較を行い、
    前記回転数の上昇幅が閾値を超える場合に、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を遮断状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、コースティングによる減速制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。
  4. 前記回転数の上昇幅が閾値以内である場合に、前記制御部(ECU)は、
    前記ワンウェイクラッチ(17)が係合解除状態で待機するように、前記第1変速比に対応する前記偏心機構(4〜13)の偏心量の調整を行い、
    前記偏心量の調整に要する時間(Tr1)が、予め定められた目標制御時間(Tr1escTgt)以内となる場合、
    前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を接続状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、前記補助動力伝達部(80)の接続による減速制御を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の変速制御装置。
  5. 前記制御部(ECU)は、
    前記偏心量の調整に要する時間(Tr1)が、前記目標制御時間(Tr1escTgt)を超える場合、前記補助動力伝達部(80)における動力の伝達経路を遮断状態にするよう前記断接クラッチ(83)を制御して、コースティングによる減速制御を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の変速制御装置。
  6. 前記制御部(ECU)は、前記コースティングによる減速制御を行う際に、予め定められた時間内において減速要求が入力された場合、前記走行用駆動源の回転を停止する制御を行うことを特徴とする請求項3または5に記載の変速制御装置。
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