JP2016163551A - インビトロバイオフィルム、及び洗浄剤の臭気除去効果の評価方法 - Google Patents

インビトロバイオフィルム、及び洗浄剤の臭気除去効果の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】洗濯槽に形成されるバイオフィルムの評価モデルとしてのインビトロバイオフィルム、及びこれを用いた洗浄剤の臭気除去効果の評価方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上を発生する、インビトロバイオフィルム。式(1)中、Rは、アルキル基、アルケニル基又は水素原子である。Rは、アルキル基、アルケニル基、水素原子又はヒドロキシ基である。Xは、硫黄原子を含む基、又はカルボニル基である。式(2)中、R3a〜R3cは、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基又は水素原子である。Yは、窒素原子を含む基である。
[化1]
Figure 2016163551

【選択図】なし

Description

本発明は、インビトロバイオフィルム、及び洗浄剤の臭気除去効果の評価方法に関する。
近年、衛生意識の高まりから、衣料用の洗浄剤には、被洗物に付着した汚れを除去すること(洗浄力)に加え、被洗物から発生する不快なにおい(臭気)を除去することや、被洗物から臭気が発生するのを防止することが求められている。被洗物から臭気が発生するのは、主として、被洗物の乾燥中や保管中に、繊維に付着した微生物が増殖することに起因する。
昨今の生活スタイルの変化に伴い、夜に洗濯を行い、洗濯後の被洗物を室内で乾かすという、部屋干し、を行う家庭が増えている。部屋干しは風通しが悪く、被洗物が乾きにくいことで、繊維に付着した微生物が増殖しやすい。このため、被洗物から臭気(部屋干し臭)が発生する。
洗浄剤による洗浄後の被洗物から発生する臭気についての評価としては、実際に洗浄後の被洗物を嗅いで、臭いの強さ等を判定する官能評価が行われている。また、被洗物から臭気成分を抽出し、この臭気成分を定性又は定量的に分析する機器評価が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−119663号公報
ところで、本発明者らの検討によると、生活者の中には「洗濯槽から臭気が感じられる」、「洗濯槽の汚れが原因で被洗物から臭気が発生する」という不満があることが分かった。
洗濯機において洗濯水が溜まる洗濯槽は、被洗物が投入される内側に比べて外側に水気が残りやすい。このため、洗濯槽の外側は、菌又はカビ等の微生物が発生しやすく、不衛生になりやすい場所である。
洗濯槽には、多種多様な微生物が存在する。特に、洗濯槽の外側には、微生物によってバイオフィルムが形成されやすい。
洗濯槽から発生する臭気についての評価には、家庭で実際に使用された洗濯機(洗濯槽)の実物が用いられている。しかし、家庭での実使用によってバイオフィルムが形成するまでには、長期間を要する。また、多くのサンプル数を確保するには、多大な労力及び費用も要する。
これに対し、洗濯槽に形成されるバイオフィルムの評価モデルとして、インビトロバイオフィルムの利用が考えられる。
洗濯槽から発生する臭気をインビトロで評価するには、洗濯槽に実在する菌と同様の菌種を用いて、洗濯槽と同様の臭気を発生するインビトロバイオフィルムが必要である。
しかしながら、従来、洗濯槽に形成されるバイオフィルムと同様の臭気を発生するインビトロバイオフィルムは報告されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、洗濯槽に形成されるバイオフィルムの評価モデルとしてのインビトロバイオフィルム、及びこれを用いた洗浄剤の臭気除去効果の評価方法、を課題とする。
本発明者らは、検討により、洗濯槽に実在する微生物のうち、特定の微生物を培養すれば、洗濯槽に形成されるバイオフィルムから発生する臭気成分であるスルフィド等が検出されること;特定の微生物が、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属等であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のインビトロバイオフィルムは、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上を発生することを特徴とする。
Figure 2016163551
[式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は水素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、水素原子又はヒドロキシ基である。Xは、硫黄原子を含む基、又はカルボニル基である。式(2)中、R3a〜R3cは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基又は水素原子である。Yは、窒素原子を含む基である。]
本発明のインビトロバイオフィルムにおいては、マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物を含むことが好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムにおいては、マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物を含むことがより好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムにおいては、さらに、シュードモナス属細菌を含むことが好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムは、マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上を含む微生物群を培養して作製されたものが好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムは、マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上を含む微生物群を培養して作製されたものがより好ましい。
前記微生物群は、さらに、シュードモナス属細菌を含むことが好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムは、合成樹脂体、金属体又はガラス体の表面に作製されたものが好ましい。
本発明の洗浄剤の臭気除去効果の評価方法は、前記本発明のインビトロバイオフィルムを洗浄対象物とし、前記洗浄対象物を洗浄剤により洗浄する前と後で、前記インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の発生量を測定することを特徴とする。
本発明の洗浄剤の臭気除去効果の評価方法においては、前記のインビトロバイオフィルムから発生する臭気成分が、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムによれば、洗濯槽に形成されるバイオフィルムの評価モデルを提供できる。
また、本発明の洗浄剤の臭気除去効果の評価方法によれば、洗濯槽に形成されるバイオフィルムに対する洗浄剤の臭気除去効果を、インビトロバイオフィルムを用いて簡便に評価できる。
洗濯槽から発生する臭気についてのガスクロマトグラフィー−質量分析結果の一例を示す図である。
(インビトロバイオフィルム)
本発明のインビトロバイオフィルムは、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上を発生する。
本発明において、バイオフィルムとは、微生物により形成されるフィルム状の構造体からなるものをいう。
Figure 2016163551
[式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は水素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、水素原子又はヒドロキシ基である。Xは、硫黄原子を含む基、又はカルボニル基である。式(2)中、R3a〜R3cは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基又は水素原子である。Yは、窒素原子を含む基である。]
前記式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は水素原子である。Rにおけるアルキル基、アルケニル基は、それぞれ、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。Rにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは炭素数1〜5であり、より好ましくは炭素数1〜3である。Rにおけるアルケニル基の炭素数は、好ましくは炭素数2〜5であり、より好ましくは炭素数2又は3である。
は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、水素原子又はヒドロキシ基である。Rにおけるアルキル基、アルケニル基は、それぞれ、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
Xは、硫黄原子を含む基、又はカルボニル基である。Xにおける、硫黄原子を含む基は、好ましくは硫黄原子1〜5個を含む基であり、より好ましくは硫黄原子1〜3個を含む基である。
前記式(1)で表される化合物としては、スルフィド化合物(スルフィド、ジスルフィド、トリスルフィド等)、炭素数10以下の脂肪酸、炭素数10以下のアルデヒドが挙げられる。
前記式(1)で表される化合物は、例えば、硫化水素、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、酢酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール等である。
前記式(2)中、R3a〜R3cは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基又は水素原子である。R3a〜R3cにおけるアルキル基、アルケニル基は、それぞれ、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。R3a〜R3cは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
Yは、窒素原子を含む基であり、好ましくは窒素原子1個を含む基である。
前記式(2)で表される化合物としては、アンモニア、アミンが挙げられる。
前記式(2)で表されるアミンは、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等である。
中でも、本発明のインビトロバイオフィルムは、指標となりやすい臭気成分を発生することから、一般式(1)で表される化合物及びピリジンからなる群より選択される1種以上を発生するものが好ましく、一般式(1)で表される化合物を発生するものがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物の中でも、スルフィド、ジスルフィドがさらに好ましい。
本発明のインビトロバイオフィルムとしては、微生物を含むものが挙げられる。
かかるインビトロバイオフィルムに含まれる微生物としては、特に制限はなく、好ましくは生菌であり、例えば、アクロモバクター(Achromobacter)属細菌、アシドボラクス(Acidovorax)属細菌、アシネトバクター(Acinetobacter)属細菌、アクチノバクテリウム(Actinobacterium)属細菌、アクチノマイセス(Actinomyces)属細菌、アクチノマイストスポラ(Actinomycetospora)属細菌、アクチノテルリア(Actinotelluria)属細菌、アエロモナス(Aeromonas)属細菌、アフピア(Afipia)属細菌、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属細菌、アグロコッカス(Agrococcus)属細菌、アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌、アマリコッカス(Amaricoccus)属細菌、アムニバクテリウム(Amnibacterium)属細菌、アルセニシコッカス(Arsenicicoccus)属細菌、アルスロバクター(Arthrobacter)属細菌、アトポビウム(Atopobium)属細菌、オーランチモナス(Aurantimonas)属細菌、アゾスピリラム(Azospirillum)属細菌、バチルス(Bacillus)属細菌、ブデロビブリオ(Bdellovibrio)属細菌、ベイジェリンキア(Beijerinckiaceae)属細菌、ベルナピア(Belnapia)属細菌、ブラストバクター(Blastobacter)属細菌、ブラストコッカス(Blastococcus)属細菌、ボセア(Bosea)属細菌、ブラキバクテリウム(Brachybacterium)属細菌、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobium)属細菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、ブレブンディモナス(Brevundimonas)属細菌、バークホルデリア(Burkholderia)属細菌、カンジダタス(Candidatus)属細菌、カプノサイトファガ(Capnocytophaga)属細菌、カウロバクター(Caulobacter)属細菌、セルロモナス(Cellulomonas)属細菌、セルロシミクロビウム(Cellulosimicrobium)属細菌、クリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属細菌、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属細菌、クラウロコッカス(Craurococcus)属細菌、キュープリアビダス(Cupriavidus)属細菌、ダクチロスポランギウム(Dactylosporangium)属細菌、デイノコッカス(Deinococcus)属細菌、デルフチア(Delftia)属細菌、デメトリア(Demetria)属細菌、デルマコッカス(Dermacoccus)属細菌、デルマトフィラス(Dermatophilus)属細菌、デボシア(Devosia)属細菌、ディエジア(Dietzia)属細菌、ドクドネラ(Dokdonella)属細菌、ディアドバクター(Dyadobacter)属細菌、ディスゴノモナス(Dysgonomonas)属細菌、エリザベスキンギア(Elizabethkingia)属細菌、エミチシチア(Emticicia)属細菌、エンハイドロバクター(Enhydrobacter)属細菌、エンテロバクター(Enterobacter)属細菌、エスケリチア(Eschericcia)属細菌、フィブリソーマ(Fibrisoma)属細菌、フィネゴルディア(Finegoldia)属細菌、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属細菌、フソバクテリウム(Fusobacterium)属細菌、ゲメラ(Gemella)属細菌、ゴルドニア(Gordonia)属細菌、グラニュリカテラ(Granulicatella)属細菌、グリモンテラ(Grimontella)属細菌、ヘマトバクター(Haematobacter)属細菌、ヘモフィラス(Haemophilus)属細菌、ヘルバスピリルム(Herbaspirillum)属細菌、ヒドロゲノフィラス(Hydrogenophilus)属細菌、ジャニバクター(Janibacter)属細菌、ジェオトガリコッカス(Jeotgalicoccus)属細菌、コクリア(Kocuria)属細菌、ラクトバチルス(Lactbaccillus)属細菌、ラウトロピア(Lautropia)属細菌、レジオネラ(Legionella)属細菌、レイフソニア(Leifsonia)属細菌、レプトスリクス(Leptothrix)属細菌、マクロコッカス(Macrococcus)属細菌、マルモリコラ(Marmoricola)属細菌、マシリア(Massilia)属細菌、メチリビウム(Methylibium)属細菌、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属細菌、メチロシナス(Methylosinus)属細菌、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属細菌、ミクロコッカス(Micrococcus)属細菌、ミクロテリコラ(Microterricola)属細菌、ミクロビルガ(Microvirga)属細菌、ミクロモノスポラ(Micromonospora)属細菌、ミリシア(Millisia)属細菌、モラクセラ(Moraxella)属細菌、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属細菌、ナカムレラ(Nakamurella)属細菌、ナキシバクター(Naxibacter)属細菌、ネイセリア(Neisseria)属細菌、ネステレンコニア(Nesterenkonia)属細菌、ノカルディア(Nocardia)属細菌、ノカルディオイデス(Nocardioides)属細菌、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)属細菌、オクロバクトラム(Ochrobactrum)属細菌、パントエア(Pantoea)属細菌、パラッコッカス(Paracoccus)属細菌、パツリバクター(Patulibacter)属細菌、ペドバクター(Pedobacter)属細菌、フェニロバクテリウム(Phenylobacterium)属細菌、ポンチコッカス(Ponticoccus)属細菌、ポルフィロモナス(Porphyromonas)属細菌、プレボテラ(Prevotella)属細菌、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属細菌、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属細菌、シュードルロドフェラクス(Pseudorhodoferax)属細菌、シュードキサンモナス(Pseudoxanthomonas)属細菌、サイクロバクター(Psychorobacter)属細菌、ラルストニア(Ralstonia)属細菌、リゾビアレス(Rhizobiales)属細菌、ロドバクター(Rhodobacter)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌、ロセオモナス(Roseomonas)属細菌、ロシア(Rothia)属細菌、ルベリミクロビウム(Rubellimicrobium)属細菌、セラチア(Serratia)属細菌、シノリゾビウム(Sinorhizobium)属細菌、スケルマネラ(Skermanella)属細菌、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterium)属細菌、スフィンゴビウム(Sphingobium)属細菌、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属細菌、スフィンゴピキシス(Sphingopyxis)属細菌、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属細菌、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌、テッサラコッカス(Tessaracoccus)属細菌、テトラコッカス(Tetracoccus)属細菌、テトラスファエラ(Tetrasphaera)属細菌、ツカムレッラ(Tsukamurella)属細菌、バリオボラックス(Variovorax)属細菌、ウィリアムシア(Williamsia)属細菌、キサンソモナス(Xanthomonas)属細菌、キシロフィラス(Xylophilus)属細菌、マラセチア(Malassezia)属酵母、サッカロマイセス(Saccaromyces)属酵母、ロドトルラ(Rhodotorula)属酵母などが挙げられる。
上記の中でも、かかるインビトロバイオフィルムに含まれる微生物としては、検出頻度が高いことから、アシドボラクス属細菌、アシネトバクター属細菌、アクチノマイストスポラ属細菌、アフピア属細菌、アルスロバクター属細菌、アゾスピリウム属細菌、バチルス属細菌、ボセア属細菌、ブラジリゾビウム属細菌、ブレビバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、バークホルデリア属細菌、クリセオバクテリウム属細菌、クロストリジウム属細菌、コリネバクテリウム属細菌、ドクドネラ属細菌、エンハイドロバクター属細菌、フソバクテリウム属細菌、ゴルドニア属細菌、ジャニバクター属細菌、メチロバクテリウム属細菌、ミクロバクテリウム属細菌、モラクセラ属細菌、マイコバクテリウム属細菌、ノルカディア属細菌、パラッコッカス属細菌、プレボテラ属細菌、パツリバクター属細菌、シュードモナス属細菌、シュードノカルディア属細菌、シュードキサンモナス属細菌、ラルソトニア属細菌、ロドバクター属細菌、ロドコッカス属細菌、ロセオモナス属細菌、スフィンゴビウム属細菌、スフィンゴモナス属細菌、スタフィロコッカス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、テトラコッカス属細菌、バリオボラックス属細菌、ウィリアムシア属細菌、キサンソモナス属細菌、サッカロマイセス属酵母、マラセチア属酵母、ロドトルラ属酵母が好ましい。
これらの中でも、かかるインビトロバイオフィルムにおいては、洗濯槽から発生する臭気を再現できることから、マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物を含むことがより好ましい。
その中でも、マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物を含むことがさらに好ましく、マイコバクテリウム属細菌を含むことが特に好ましい。
マイコバクテリウム属細菌を含むことで、洗濯槽から発生する臭気成分に含まれるスルフィド化合物が発生する。
さらに、本発明のインビトロバイオフィルムにおいては、マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物と、シュードモナス属細菌と、の両方を含むことがより好ましい。
その中でも、マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物と、シュードモナス属細菌と、の両方を含むことがさらに好ましく、マイコバクテリウム属細菌とシュードモナス属細菌との両方を含むことが特に好ましい。
かかるインビトロバイオフィルムに含まれる微生物として、より具体的には、アシドボラクス・アベナエ(Acidovorax avenae)、アシドボラクス・ラディシス(Acidovorax radicis)、アシネトバクター・セプティクス(Acinetobacter septicus)、アクチノマイストスポラ・クロラ(Actinomycetospora chlora)、アクチノマイストスポラ・ルテア(Actinomycetospora lutea)、ブレブンディモナス・エスピー(Brevundimonas sp.)、ブレブンディモナス・ベシクラリス(Brevundimonas vesicularis)、バークホルデリア・プランタリ(Burkholderia plantarii)、エンハイドロバクター・アエロサックス(Enhydrobacter aerosaccus)、ゴルドニア・ポリイソプレニボランス(Gordonia polyisoprenivorans)、ゴルドニア・エスピー(Gordonia sp.)、ゴルドニア・スプチ(Gordonia sputi)、ヘルバスピリルム・セロペディカ(Herbaspirillum seropedicae)、ジャニバクター・エスピー(Janibacter sp.)、メチロバクテリウム・アクアチクム(Methylobacterium aquaticum)、メチロバクテリウム・ブラチアツム(Methylobacterium brachiatum)、メチロバクテリウム・ポダリウム(Methylobacterium podarium)、メチロバクテリウム・サルスギニス(Methylobacterium salsuginis)、メチロバクテリウム・エスピー(Methylobacterium sp.)、メチロバクテリウム・バリアビレ(Methylobacterium variabile)、ミクロバクテリウム・スケレイフェリ(Microbacterium schleiferi)、ミクロバクテリウム・エスピー(Microbacterium sp.)、モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis)、モラクセラ・エスピー(Moraxella sp.)、マイコバクテリウム・フォーチュイツム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・エスピー(Mycobacterium sp.)、マイコバクテリウム・バンバアレニイ(Mycobacterium vanbaalenii)、ノルカディア・エスピー(Nocardia sp.)、パラコッカス・イー(Paracoccus yeei)、シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナス・アルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)、シュードノカルディア・ディオキサニボランス(Pseudonocardia dioxanivorans)、シュードキサンモナス・メキシカーナ(Pseudoxanthomonas mexicana)、ラルストニア・エスピー(Ralstonia sp.)、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)、スフィンゴビウム・エスピー(Sphingobium sp.)、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)、スフィンゴモナス・ドクドネンシス(Sphingomonas dokdonensis)、スフィンゴモナス・エスピー(Sphingomonas sp.)、スフィンゴモナス・ユンナネンシス(Sphingomonas yunnanensis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミデス(Staphylococcus epidermidis)、テトラコッカス・セッチ(Tetracoccus cechii)、バリオボラックス・パラドクス(Variovorax paradoxus)、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccalomyces cerevisiae)、ロドトルラ・ムシラギノーサ(Rhodotorula mucilaginosa)、ロドトルラ・スルーフィエ(Rhodotorula slooffiae)が挙げられる。
上記の中でも、かかるインビトロバイオフィルムに含まれる具体的な微生物としては、ブレブンディモナス・ベシクラリス、メチロバクテリウム・ブラチアツム、マイコバクテリウム・フォーチュイツム、シュードモナス・アルギノーサ、及びスフィンゴモナス・アサッカロリティカからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
また、かかるインビトロバイオフィルムに含まれる菌種の組合せとしては、ブレブンディモナス・ベシクラリス、メチロバクテリウム・ブラチアツム、シュードモナス・アルギノーサ、スフィンゴモナス・アサッカロリティカ及びスタフィロコッカス・アウレウスからなる群より選択される少なくとも1種と、マイコバクテリウム・フォーチュイツムと、の組合せが好ましい。
この中でも、マイコバクテリウム・フォーチュイツム及びブレブンディモナス・ベシクラリスからなる群より選択される少なくとも1種と、メチロバクテリウム・ブラチアツム、シュードモナス・アルギノーサ及びスフィンゴモナス・アサッカロリティカからなる群より選択される少なくとも1種と、の組合せがより好ましい。
[インビトロバイオフィルムの作製方法]
本発明のインビトロバイオフィルムは、例えば、微生物の培養液を用いて、支持体上で微生物を培養することにより作製される。
微生物としては、特に制限はなく、上記で例示したものが好適に用いられる。
本発明のインビトロバイオフィルムは、洗濯槽から発生する臭気を再現できることから、マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上を含む微生物群を培養して作製されたものが好ましい。この中でも、マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上を含む微生物群を培養して作製されたものがより好ましく、マイコバクテリウム属細菌を含む微生物群を培養して作製されたものがさらに好ましい。
また、本発明のインビトロバイオフィルムは、マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物と、シュードモナス属細菌と、の両方を含む微生物群を培養して作製されたものが好ましい。この中でも、マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物と、シュードモナス属細菌と、の両方を含む微生物群を培養して作製されたものがより好ましく、マイコバクテリウム属細菌とシュードモナス属細菌との両方を含む微生物群を培養して作製されたものが特に好ましい。
微生物の培養液を調製する際に用いる培地には、培地成分として、炭素源、窒素源、硫黄源が少なくとも含まれる。かかる培地としては、例えば、市販されている培地のほか、洗濯槽から採取された汚れを滅菌したものを栄養源として含ませたもの等が挙げられる。
かかる培地は、培地成分として、炭素源、窒素源、硫黄源、ミネラル源、ビタミン源を含むものが好ましい。
また、かかる培地は、菌を発育阻害する成分を含まないものが好ましい。菌を発育阻害する成分としては、アクリフラビン、胆汁塩、ブリリアントグリーン、クロラムフェニコール、ジクロラン、フクシン、塩化リチウム、ローズベンガル、セレナイト、アジ化ナトリウム、タージトール等が挙げられる。
好ましい培地としては、炭素もしくは窒素もしくは硫黄又はリンを含む有機化合物と、窒素もしくは硫黄又はリンを含む無機化合物と、カリウム化合物と、マグネシウム化合物と、カルシウム化合物と、ナトリウム化合物と、鉄分とを含み(但し、炭素、窒素及び硫黄からなる群より選択される少なくとも1種を含む)、アクリフラビン、胆汁塩、ブリリアントグリーン、クロラムフェニコール、ジクロラン、フクシン、塩化リチウム、ローズベンガル、セレナイト、アジ化ナトリウム又はタージトールを含まない培地である。
また、培地には、液体培地を用いることが好ましい。
液体培地としては、水にペプトンと酵母エキスとが含まれているものが好ましい。かかる液体培地において、ペプトンの濃度は、水1Lに対して1〜20gが好ましく、5〜10gがより好ましい。酵母エキスの濃度は、水1Lに対して0.2〜4gが好ましく、1〜2gがより好ましい。
ペプトンと酵母エキスとの比率は、ペプトン/酵母エキスで表される質量比で0.25〜50が好ましく、2.5〜10がより好ましい。
かかる液体培地は、ペプトン及び酵母エキスの他、任意成分を含むものでもよい。この任意成分としては、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。硫酸マグネシウムを併用すると、バイオフィルム形成促進効果が得られる。
かかる液体培地の30℃でのpHは、好ましくはpH6〜8である。
微生物の培養液中の微生物の濃度は、600nmの吸光度が光学密度(OD)で0.01〜1が好ましい。
バイオフィルムが形成される支持体としては、例えば樹脂製チューブ、金属板など、硬表面を有するものが挙げられる。かかる支持体には、好ましくは合成樹脂体、金属体又はガラス体が用いられる。
支持体上で微生物を培養する際の温度条件は、25〜37℃が好ましく、28〜35℃がより好ましい。培養時間は、48〜72時間が好ましい。
支持体上で微生物を培養することで、支持体上にインビトロバイオフィルムが形成される。
上述した作製方法により、インビトロバイオフィルムが作製される。
以上説明したインビトロバイオフィルムは、洗濯槽から発生する臭気に含まれる成分である、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上を発生するものである。かかる本発明のインビトロバイオフィルムは、洗濯槽に形成されるバイオフィルムの評価モデルとして利用できる。
(洗浄剤の臭気除去効果の評価方法)
本発明の洗浄剤の臭気除去効果の評価方法は、上述した本発明のインビトロバイオフィルムを洗浄対象物とし、前記洗浄対象物を洗浄剤により洗浄する前と後で、前記インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の発生量を測定する方法である。
インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の発生量は、インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分を捕集し、これを試料として高感度な機器により測定する方法のほか、気体検知管により測定できる。但し、ここで示される方法に限定されるものではない。
臭気成分を捕集する方法には、ポンプにより吸引することで捕集するアクティブサンプリング法、静置状態で捕集するパッシブサンプリング法などを用いることができる。例えば、DHS(ダイナミックヘッドスペース)法、HS(ヘッドスペース)法、固相マイクロ抽出(SPME)法等が挙げられ、TENAX捕集管、ORBOチューブ、NeedlEx(濃縮用注射針)、Sep−Pak(固相抽出製品)、Twister、TDU等が用いられる。
中でも、臭気成分を捕集する方法としては、容器のヘッドスペースの臭気成分を固相マイクロ抽出(SPME)法が、操作が簡便なことから好ましい。
高感度な機器により測定する方法には、例えば、GC−FID(ガスクロマトグラフィー−水素炎イオン検出器)、GC−MS(ガスクロマトグラフィー−質量分析計)、GC−AED(ガスクロマトグラフィー−原子発光検出器)、GC−SCD(ガスクロマトグラフィー−化学発光硫黄検出器)、GC−NPD(ガスクロマトグラフィー−窒素リン検出器)、GC−TCD(ガスクロマトグラフィー−熱伝導度検出器)、GC−FPD(ガスクロマトグラフィー−炎光光度検出器)、GC−NCD(ガスクロマトグラフィー−化学発光窒素検出器)、GC−O(ガスクロマトグラフィー−オルファクトメーター)等を用いることができる。
本発明に係る評価方法では、インビトロバイオフィルムを洗浄剤により洗浄する前と後で、前記インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の発生量が測定される。
そして、前記のインビトロバイオフィルムから発生する臭気成分を指標とし、洗浄前後における、指標とされた臭気成分の発生量の差を比較することで、洗浄剤の臭気除去効果が評価される。
本発明に係る評価方法においては、指標とされる臭気成分が、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。これらの成分は、実際の洗濯槽から発生する臭気成分と同じである。
図1は、洗濯槽から発生する臭気についてのガスクロマトグラフィー−質量分析結果の一例を示す図である。横軸は保持時間(分)、縦軸は検出強度を示している。
図1では、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド(いずれも一般式(1)で表される化合物)、ピリジンの各ピークが認められる。
スルフィド化合物は、洗濯槽から発生する臭気成分として特に検出されやすいことから、指標とする臭気成分に好適である。
洗浄剤としては、特に制限されず、例えば、衣料用洗浄剤、洗濯槽用洗浄剤、浴室用洗浄剤、台所用洗浄剤などが挙げられる。
以上説明した、洗浄剤の臭気除去効果の評価方法によれば、洗濯槽に形成されるバイオフィルムに対する洗浄剤の臭気除去効果を、インビトロバイオフィルムを用いて簡便に評価できる。
好ましくは、本発明に係る評価方法によれば、洗濯槽に実在する微生物を培養して作製されたインビトロバイオフィルムを用い、実際の洗濯槽から発生する臭気成分を指標として、洗浄剤の臭気除去効果を評価できる。
また、本発明に係る評価方法は、洗濯機の実機を使用することなく洗濯槽から発生する臭気を評価できるため、臭気除去に有効な成分の探索に活用できる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
<洗濯槽から発生する臭気成分の測定>
洗濯が繰り返し行われ、臭気が発生している洗濯機を用意した。
臭気が発生している洗濯機を解体し、洗濯槽に付着した汚れ(バイオフィルム等)をスパチュラで掻き取り、採取した。
そして、この汚れ2gとイオン交換水1mLとを容量20mLのヘッドスペース用クリンプバイアル瓶に封入し、37℃下で24時間静置した。
この後、前記静置後のヘッドスペース用クリンプバイアル瓶におけるヘッドスペースの臭気成分を固相マイクロ抽出(SPME)法により抽出した。すなわち、ヘッドスペースの臭気成分をSPMEファイバーに吸着させて検体とし、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)測定に供した。SPME条件、及び、GC−MS測定の条件は以下の通りである。
[SPME条件]
SPMEファイバーとして、DVB/CAR/PDMS(スペルコ・シグマアルドリッチ社製)を用いた。
平衡条件:37℃で30分間、吸着条件:37℃で30分間。
[GC−MS測定の条件]
GC条件
機種:GCMS−QP2010(株式会社島津製作所製)。
使用カラム:InertCap for Amines(ジーエルサイエンス株式会社製)、長さ60m、内径0.32mm。
昇温条件:60℃で5分間ホールドの後、20℃/分で昇温し、250℃で10分間ホールド。
MS条件
スキャンモード:m/z=29〜300。
電子イオン化(EI):70eV。
そして、それぞれ既知濃度の標準物質の面積値から、臭気成分の測定を行った。
GC−MS測定により得られたピークの保持時間及びマススペクトルから、臭気成分を以下のように同定した。
保持時間 5.6分のピーク、m/z=47 メチルメルカプタン。
保持時間 8.1分のピーク、m/z=62 ジメチルスルフィド。
保持時間12.6分のピーク、m/z=79 ピリジン。
保持時間12.8分のピーク、m/z=94 ジメチルジスルフィド。
すなわち、汚れた洗濯槽から発生する臭気は、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ピリジン、ジメチルジスルフィドを含んでいることが確認された。
<インビトロバイオフィルムの作製>
以下に列挙する微生物を微生物供託機関より入手し、バイオフィルムの作製を行った。
マイコバクテリウム・フォーチュイツム(Mycobacterium fortuitum)NBRC 13159、
ブレブンディモナス・ベシクラリス(Brevundimonas vesicularis)NBRC 12165、
スフィンゴモナス・アサッカロリティカ(Sphingomonas asaccharolytica)NBRC 15499、
メチロバクテリウム・ブラシアツム(Methylobacterium brachiatum)NBRC 103629、
シュードモナス・アルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)NBRC 13275。
入手したそれぞれの菌株を、R2A寒天培地(日本製薬株式会社製)に加え、30℃で48−72時間の条件で前培養を行った。
次いで、コロニー形成したものから極少量の菌塊を採取し、該菌塊を、滅菌済みの白金耳を用いて新たに調製した液体培地に加え、100rpm及び30℃で48時間の条件で振とう培養を行った。
前記液体培地としてR2A培地(日本製薬株式会社製;イオン交換水1Lに対し、ペプトン0.5gと、酵母エキス0.5gと、硫酸マグネシウム7水塩0.05gと、リン酸1水素カリウム0.3gとを含有し、30℃でのpH7.0〜7.4である培地)を用いた。
次いで、前記の振とう培養後の菌液を、新たな前記液体培地に加え、菌の濃度を600nmの吸光度で1.0(OD=1.0)に調整した培養液を得た。
(実施例1〜5)
表2に示すように、上記で得られた各微生物の培養液を、単独で用いた菌液、又は混合した菌液をそれぞれ調製した。
調製された菌液1mLを、容量2mLのポリプロピレン製エッペンドルフチューブに分注し、30℃で48時間の条件で培養を行うことにより、チューブ内壁にバイオフィルムを形成させた。
培養後、菌液を除去し、外観上乾燥するまで室温下で静置した。その後、蒸留水2mLでリンス2回を行い、各例のインビトロバイオフィルムをそれぞれ得た。
<洗浄剤の臭気除去効果の評価>
上記で得られた各例のインビトロバイオフィルム(洗浄前)から発生する臭気成分の測定をそれぞれ行った。
次いで、各例のインビトロバイオフィルムを洗浄対象物とし、該洗浄対象物を、処理剤によりそれぞれ洗浄した。
次いで、洗浄後のインビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の測定を行った。
尚、処理剤には、洗浄剤又は水を用いた。
洗浄剤として、表1に示した組成物0.1gを水300gに添加して撹拌したものを用いた。表1に示した組成物に配合されている成分には、以下に示すものを用いた。
MEE:ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
AE:アルコールエトキシレート、次の化学式「R−O−(EO)−H」で表される化合物。式中のR=炭素数12,14のアルキル基、b=15。
LAS:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸Na、商品名「ライポンLH−200」(ライオン株式会社製;LAS−H、純分96質量%、平均分子量322)を、pH調整剤である水酸化ナトリウムにより中和し、ナトリウム塩としたもの。
エタノール:商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
p−トルエンスルホン酸:商品名「PTS酸」、協和発酵キリン株式会社製。
プロテアーゼ:Coronase 48L(ノボザイムズ社製)。
pH調整剤:水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)又は塩酸(純正化学株式会社製)。組成物のpHを7.0に調整するために適量(0.1〜3質量%)を添加した。
水:精製水。配合した量は残部(液体洗浄剤の総量を100質量%とするための量)。
Figure 2016163551
インビトロバイオフィルムの洗浄、臭気成分の測定は、それぞれ以下に示すようにして行った。
[インビトロバイオフィルムの洗浄]
コントロール品の調製:
インビトロバイオフィルムが形成したポリプロピレン製エッペンドルフチューブに、蒸留水2mLを加え、室温下で30分間静置した。その後、加えた蒸留水を前記エッペンドルフチューブから除去し、蒸留水2mLでリンス2回を行い、これをコントロール品とした。
試験品の調製:
インビトロバイオフィルムが形成したポリプロピレン製エッペンドルフチューブに、処理剤2mLを加え、室温下で30分間静置した。その後、加えた処理剤を前記エッペンドルフチューブから除去し、蒸留水2mLでリンス2回を行い、これを試験品とした。
ブランク品の調製:
菌液を加えず、前記液体培地2mLのみを、容量2mLのエッペンドルフチューブに分注し、30℃で48時間の条件で培養を行った後、蒸留水2mLでリンス2回を行い、これをブランク品とした。
[インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の測定]
インビトロバイオフィルムが形成したポリプロピレン製エッペンドルフチューブを、イオン交換水1mLと0.5gのNaClとが加えられた容量20mLのヘッドスペース用クリンプバイアル瓶に封入し、37℃下で24時間静置した。
この後、前記静置後のスクリューバイアル瓶におけるヘッドスペースの臭気成分をSPMEファイバーに吸着させて検体とし、GC−MS測定に供した。SPME条件、及び、GC−MS測定の条件は上記と同様である。
そして、各標準物質の溶出時間と質量情報から、臭気成分を定性し、指標とする臭気成分の発生量を求めた。
[臭気洗浄率の算出]
上記のインビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の測定を3回行い、各臭気成分の発生量の平均値を求めた。
各臭気成分について、前記の平均値を用い、処理剤によるインビトロバイオフィルムの臭気洗浄率を下式より算出した。
処理剤によるインビトロバイオフィルムの臭気洗浄率(%)
=(コントロール品での濃度−試験品での濃度)/(コントロール品での濃度−ブランク品での濃度)×100
各例のインビトロバイオフィルムに対する、処理剤の臭気除去効果を、以下に示す評価基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
評価基準
◎:臭気洗浄率が70%以上。
○:臭気洗浄率が50%以上70%未満。
△:臭気洗浄率が30%以上50%未満。
×:臭気洗浄率が30%未満。
Figure 2016163551
表2に示す結果から、実施例1〜5のインビトロバイオフィルムから、汚れた洗濯槽から発生する臭気成分と同一の成分が発生していること、が確認できる。
これより、本発明を適用したインビトロバイオフィルムによれば、洗濯槽に形成されるバイオフィルムの評価モデルを提供できる、と言える。
また、本発明に係る評価方法を適用することにより、洗濯槽に形成されるバイオフィルムに対する洗浄剤の臭気除去効果を、インビトロバイオフィルムを用いて簡便に評価できること、が確認された。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上を発生する、インビトロバイオフィルム。
    Figure 2016163551
    [式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は水素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、水素原子又はヒドロキシ基である。Xは、硫黄原子を含む基、又はカルボニル基である。式(2)中、R3a〜R3cは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基又は水素原子である。Yは、窒素原子を含む基である。]
  2. マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物を含む、請求項1に記載のインビトロバイオフィルム。
  3. マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上の微生物を含む、請求項2に記載のインビトロバイオフィルム。
  4. さらに、シュードモナス属細菌を含む、請求項2又は請求項3に記載のインビトロバイオフィルム。
  5. マイコバクテリウム属細菌、ブレブンディモナス属細菌、メチロバクテリウム属細菌、及びスフィンゴモナス属細菌からなる群より選択される1種以上を含む微生物群を培養して作製された、請求項1に記載のインビトロバイオフィルム。
  6. マイコバクテリウム属細菌及びブレブンディモナス属細菌からなる群より選択される1種以上を含む微生物群を培養して作製された、請求項5に記載のインビトロバイオフィルム。
  7. 前記微生物群は、さらに、シュードモナス属細菌を含む、請求項5又は請求項6に記載のインビトロバイオフィルム。
  8. 合成樹脂体、金属体又はガラス体の表面に作製された、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインビトロバイオフィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のインビトロバイオフィルムを洗浄対象物とし、
    前記洗浄対象物を洗浄剤により洗浄する前と後で、前記インビトロバイオフィルムから発生する臭気成分の発生量を測定する、洗浄剤の臭気除去効果の評価方法。
  10. 前記のインビトロバイオフィルムから発生する臭気成分が、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及びピリジンからなる群より選択される1種以上である、請求項9に記載の洗浄剤の臭気除去効果の評価方法。
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