JP2016163378A - 回転機の部材固定構造および部材固定方法 - Google Patents
回転機の部材固定構造および部材固定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016163378A JP2016163378A JP2015037584A JP2015037584A JP2016163378A JP 2016163378 A JP2016163378 A JP 2016163378A JP 2015037584 A JP2015037584 A JP 2015037584A JP 2015037584 A JP2015037584 A JP 2015037584A JP 2016163378 A JP2016163378 A JP 2016163378A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- superconducting coil
- coil container
- rotating machine
- split
- teeth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Landscapes
- Superconductive Dynamoelectric Machines (AREA)
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
【課題】回転機における部材を接着剤で固定する際に、接着剤の漏れや塗り斑を防止する。【解決手段】回転機に備えられる第一の部材12と第二の部材13とを液状接着剤によって固定する回転機の部材固定構造であって、前記第一の部材12と前記第二の部材13との間の少なくとも一部に介在され、前記液状接着剤が含浸される吸液部材51を備えて成る。【選択図】図2
Description
本発明は、回転機の部材固定構造および部材固定方法に関する。
回転機は、種々の部材から構成されており、それらの部材は、種々の固定方法によって組み付けられている。回転機における部材の固定方法としては、接着剤を用いた固定方法、ボルト等を用いた機械的締結方法、全体を樹脂でモールドする方法などがあり、それらは用途等によって使い分けられている。
例えば、回転機である超電導モータは、超電導線材から成る超電導コイルを収容したかご型の断熱容器(超電導コイル容器)を備えおり(例えば、特許文献1および特許文献2参照)、このような超電導モータにおいては、超電導コイル容器と固定子鉄心とを接着剤を用いて固定することがある。
しかし、接着剤によって超電導コイル容器と固定子鉄心とを固定する際には、超電導コイル容器と固定子鉄心との間に接着剤を流し入れると、当該接着剤が断熱容器と固定子鉄心との間から漏れ出て他部材にも塗布されてしまうため、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要となる。また、接着剤が超電導コイル容器と固定子鉄心との間における接着箇所に均一に塗布されず、接着剤の塗り斑を生じてしまうことがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、回転機における部材を接着剤で固定する際に、接着剤の漏れや塗り斑を防止することを目的とする。
上記課題を解決する第一の発明に係る回転機の部材固定構造は、回転機に備えられる第一の部材と第二の部材とを液状接着剤によって固定する回転機の部材固定構造であって、前記第一の部材と前記第二の部材との間の少なくとも一部に介在され、前記液状接着剤が含浸される吸液部材を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する第二の発明に係る回転機の部材固定構造は、第一の発明に係る回転機の部材固定構造において、前記第一の部材が、超電導線材を収容する超電導コイル容器であり、前記第二の部材が、超電導コイル容器と係合可能な分割構造の固定子鉄心であることを特徴とする。
上記課題を解決する第三の発明に係る回転機の部材固定構造は、第二の発明に係る回転機の部材固定構造において、前記超電導コイル容器が、軸方向に貫通する軸方向貫通穴を備えた略円筒形状を成すと共に、その周面に径方向に貫通する径方向貫通穴を備えたかご型形状を成すものであり、前記吸液部材が、前記固定子鉄心に設けられるティースと前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴との間に介在されるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第四の発明に係る回転機の部材固定構造は、第一の発明に係る回転機の部材固定構造において、前記第一の部材が、分割鉄心の一部材であり、前記第二の部材が、前記第一の部材とは異なる前記分割鉄心の一部材であり、前記液状接着剤または前記吸液部材の少なくとも一方が、圧粉磁性材を含むものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第五の発明に係る回転機の部材固定構造は、第四の発明に係る回転機の部材固定構造において、前記分割鉄心が、略円筒形状のヨークと前記ヨークの内周側に突出して設けられる分割ティースとを備えた分割固定子鉄心であり、前記第一の部材が、前記ヨークであり、前記第二の部材が、前記分割ティースであることを特徴とする。
上記課題を解決する第六の発明に係る回転機の部材固定構造は、第四の発明に係る回転機の部材固定構造において、前記分割鉄心が、略円弧形状のヨーク部と前記ヨーク部の内周側に突出するティース部とを有する鉄心部材を周方向に複数備えて成る分割固定子鉄心であり、前記第一の部材が、複数のうちの少なくとも一つの前記鉄心部材であり、前記第二の部材が、前記第一の部材と隣接して備えられる前記鉄心部材であることを特徴とする。
上記課題を解決する第七の発明に係る回転機の部材固定方法は、軸方向に貫通する軸方向貫通穴を備えた略円筒形状を成すと共に、その周面に径方向に貫通する径方向貫通穴を備えたかご型形状を成し、超電導線材から成る超電導コイルを収容する超電導コイル容器に、略円筒形状のヨーク部と前記ヨーク部の内周側に突出するティース部とを備えた固定子鉄心を固定する回転機の部材固定方法であって、前記固定子鉄心を、前記超電導コイル容器の外周側に嵌着可能な略円筒形状のヨークと、前記ヨークの内周側に突出して組み付け可能かつ前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴と係合可能な分割ティースとから成る分割構造とし、吸液部材を前記分割ティースにおける前記径方向貫通穴と対向する面、すなわち、前記径方向貫通穴との合わせ面の少なくとも一部を覆うように設け、当該分割ティースを前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴に係合し、前記分割ティースと前記径方向貫通穴との間に介在された前記吸液部材に液状接着剤を含浸させて前記分割ティースと前記超電導コイル容器とを固着し、前記ヨークを前記分割ティースに組み付けると共に前記超電導コイル容器の外周側に嵌着することを特徴とする。
上記課題を解決する第八の発明に係る回転機の部材固定方法は、第七の発明に係る回転機の部材固定方法において、前記吸液部材を設けた前記分割ティースを前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴に係合した際に、前記吸液部材の一部が前記径方向貫通穴から外周側に突出している場合には、前記吸液部材における前記径方向貫通穴から突出した部分を取り除くことを特徴とする。
第一の発明に係る回転機の部材固定構造によれば、回転機における第一の部材と第二の部材との間に吸液部材を介在させたことにより、第一の部材と第二の部材との間に液状接着剤を保持することができるので、低粘度の液状接着剤であっても漏れ出ることはなく、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要なくなる。また、回転機における第一の部材と第二の部材との間に介在させて設けた吸液部材に液状接着剤を含浸させることにより、接着剤の塗り斑を低減させることができる。
第二の発明に係る回転機の部材固定構造によれば、超電導コイル容器と固定子鉄心とを固定する際に、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要ない。また、接着剤の塗り斑がないので、超電導コイル容器と固定子鉄心とを確実に(強固に)固定することができる。
第三の発明に係る回転機の部材固定構造によれば、簡易な構造かつ容易に超電導コイル容器と固定子鉄心との間に吸液部材を介在させることができる。
第四の発明に係る回転機の部材固定構造によれば、分割鉄心における二つの部材(第一の部材と第二の部材)を固定する際に、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要ない。また、接着剤の塗り斑がないので、二つの部材を確実に(強固に)固定することができる。
第五の発明に係る回転機の部材固定構造によれば、分割固定子鉄心におけるヨークと分割ティースとを固定する際に、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要ない。また、接着剤の塗り斑がないので、ヨークと分割ティースとを確実に(強固に)固定することができる。
第六の発明に係る回転機の部材固定構造によれば、分割固定子鉄心における隣接する鉄心部材を固定する際に、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要ない。また、接着剤の塗り斑がないので、隣接する鉄心部材を確実に(強固に)固定することができる。
第七の発明に係る回転機の部材固定方法によれば、超電導コイル容器と固定子鉄心とを固定する際に、マスキングを施すなどの接着剤の漏れを防止する措置が必要ない。また、接着剤の塗り斑がないので、超電導コイル容器と固定子鉄心とを確実に(強固に)固定することができる。また、簡易な構造かつ容易に超電導コイル容器と固定子鉄心との間に吸液部材を介在させることができる。
第八の発明に係る回転機の部材固定方法によれば、径方向貫通穴から突出した部分の吸液部材を取り除くことにより、ヨークを分割ティースに組み付けると共に超電導コイル容器の外周側に嵌着する際に、ヨークと分割ティースとの間に吸液部材が入り込むことがないので、ヨークを分割ティースに組み付けることができる。
以下に、本発明に係る回転機の部材固定構造および部材固定方法の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例は、本発明に係る回転機の部材固定構造および部材固定方法を超電導モータの固定子に採用した実施例であり、当該超電導モータの固定子を構成する固定子コアと超電導コイル容器とを接着剤で固定する際に、容易に接着剤の漏れや塗り斑を防止することができるようにしたものである。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されず、回転機全般の分割鉄心に採用しても良く、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることは言うまでもない。
本発明の実施例1に係る回転機の部材固定構造について、図1から図5を参照して説明する。
本実施例における回転機は、超電導線材を用いた超電導モータであり、図1および図2に示すように、その固定子1は、図示しない超電導線材から成る超電導コイルが収容された超電導コイル容器12と、超電導コイル容器12と組み付けられる分割構造の分割固定子コア(固定子鉄心)13とから構成される。
超電導コイル容器12は、後述するヨーク30と分割ティース40とで形成(区画)される空間に設置されるように組み付けられており、超電導コイル容器12と分割ティース40との間には、後述するスポンジシート51が介在されている。なお、図2においては、図を見やすくするために、超電導コイル容器12の内部に収容される超電導コイルすなわち超電導線材の図示を省略し、超電導コイル容器12の内部を同一のハッチングで示している。
超電導コイル容器12は、断熱性の高い樹脂などから成る断熱容器であり、図示しない超電導線材から成る超電導コイルを収容可能な中空に形成されている。また、超電導コイル容器12は、超電導コイル容器12の中心を軸方向に貫通して図示しない回転軸を挿通するための断面円形の回転軸挿通穴(軸方向貫通穴)21を備えた略円筒形状を成すと共に、その周面に後述する分割固定子コア13における分割ティース40を係合するための矩形のティース装着穴(径方向貫通穴)22を周方向に所定間隔離間して複数(本実施例においては、六つ)備えたかご型形状を成している(図2および図3参照)。
また、超電導コイル容器12の一端側(図3における左方側)の周面には、液体窒素等の冷却媒体を注入するための冷却媒体注入口23が設けられており、この冷却媒体注入口23から冷却媒体を超電導コイル容器12内に注入することにより、図示しない超電導コイルすなわち超電導線材を冷却することができる。
図1および図2に示すように、超電導コイル容器12と組み付けられる分割固定子コア13は、略円環形状の電磁鋼板が軸方向に多数枚積層されて成る略円筒形状のヨーク30と、ヨーク30に組み付けられてヨーク30の径方向内周側に突出する電磁鋼板が軸方向に多数枚積層されて成る複数(本実施例においては、六つ)の分割ティース40とから成る分割構造である。
ヨーク30は、超電導コイル容器12の外径と略同径の内径で形成され、超電導コイル容器12の外周側に嵌着可能となっている。また、図2および図3に示すように、ヨーク30の内周側には、分割ティース40を組み付けるための複数(本実施例においては、六つ)の係合凹部31が軸方向に沿って形成されている。係合凹部31の周方向両側面には、係合突起部32が形成されており、この係合突起部32は、後述する分割ティース40の溝部41と係合するようになっている。
分割ティース40は、超電導コイル容器12のティース装着穴22と係合可能、すなわち、超電導コイル容器12のティース装着穴22の幅(周方向の長さ)および全長(軸方向の長さ)と略同じ幅および全長の断面を有するように形成されている。分割ティース40の径方向外周側においては、分割ティース40の周方向両側面に位置して軸方向へ延びる、すなわち、周方向における幅が狭くなる凹部が軸方向に延びる溝部41が形成されており、この溝部41は、前述したヨーク30の係合突起部32と係合するようになっている。
この分割ティース40の溝部41とヨーク30の係合凹部31における係合突起部32とが係合することにより、分割ティース40がヨーク30の径方向内周側へ突出するように組み付けられると共に、分割ティース40とヨーク30とは、径方向および周方向における相対的な移動が制限され、軸方向における相対的な移動のみが可能な状態となる。
また、図2および図4に示すように、分割ティース40における径方向内周側の端部には、周方向に突出する鍔部42が形成されており、この鍔部42は、分割ティース40を超電導コイル容器12に組み付けた際に、超電導コイル容器12の内周側に当接するようになっている。つまり、分割ティース40の鍔部42と超電導コイル容器12の内周側との当接によって、超電導コイル容器12に対する分割ティース40の径方向の位置決めがなされるようになっている。
また、分割ティース40は、分割ティース40の高さ(径方向の長さ)が超電導コイル容器12のティース装着穴22の高さよりも高くなるように形成されている。つまり、分割ティース40が超電導コイル容器12のティース装着穴22に係合し、分割ティース40の鍔部42が超電導コイル容器12の内周側に当接した状態においては、分割ティース40の径方向外周側の端部が超電導コイル容器12の外周側に突出し、分割ティース40の溝部41が、超電導コイル容器12の外周側に位置するようになっている(図2および図3参照)。
図2に示すように、超電導コイル容器12と分割ティース40との間には、スポンジシート(吸液部材)51が介在されている。このスポンジシート51は、微細な連続気孔(図示せず)を有する連続気孔構造であって、吸液性に優れたものである。よって、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に介在させたスポンジシート51に、液体状の接着剤(液状接着剤)を含浸(浸透)させることにより、当該接着剤が低粘度であっても、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に接着剤を保持することができるようになっている。また、低粘度の接着剤がスポンジシート51全体に含浸(浸透)することによって塗り斑ができず、超電導コイル容器12と分割ティース40とを確実(強固)に固定することができる。
本発明の実施例1に係る回転機の部材固定方法について、図1から図4を参照して説明する。
まず、断面略コ字形状のスポンジ部材50を、分割ティース40における超電導コイル容器12と対向する面(周方向側面)43およびヨーク30との接触面(頂面)44を覆うようにして、分割ティース40に被せる(図4参照)。このスポンジ部材50は、微細な連続気孔(図示せず)を有する連続気孔構造であって、吸液性に優れたものであり、後にその一部(切り取り部)52が切り取られることによって前述したスポンジシート51となるものである。
スポンジ部材50を被せた分割ティース40を回転軸挿通穴21内の空間に入れ、分割ティース40の溝部41が外周側に位置して鍔部42が内周側に位置するようにしてティース装着穴22に挿入して係合させる(図3参照)。このとき、分割ティース40の溝部41および当該溝部41を覆うスポンジ部材50の一部52は、ティース装着穴22を挿通して、超電導コイル容器12の周面から外周側へ突出している(図5参照)。
そして、超電導コイル容器12の周面から突出したスポンジ部材50の一部52を切り取ることにより(図6参照)、分割ティース40の周方向両側面に位置して、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に介在されるスポンジシート51が形成される。
このとき、後のヨーク30と分割ティース40との組み付けが可能(容易)となるように、超電導コイル容器12の周面から突出したスポンジ部材50の一部52の全てを切り取ることが好ましい。つまり、スポンジ部材50(スポンジシート51)が超電導コイル容器12の周面から突出せず、分割ティース40の溝部41が露出するように、超電導コイル容器12の周面から突出したスポンジ部材50の一部52を超電導コイル容器12の周面に沿って切り取ることが好ましい。
もちろん、本発明に係る回転機の部材固定方法は、本実施例に限定されず、液状接着剤を分割ティースにおける超電導コイル容器と対向する面の少なくとも一部を覆うように設ければ良い。つまり、本実施例のように、ヨーク30との接触面(頂面)44を覆わなくとも良く、分割ティース40における超電導コイル容器12と対向する周方向側面43および軸方向側面45を覆うように、短冊形の吸着部材を分割ティース40の側面に巻き付けても良い。
超電導コイル容器12と分割ティース40との間に介在させたスポンジシート51に接着剤を含浸(浸透)させることにより、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に斑なく接着剤を塗布することができると共に、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に接着剤を保持することができる。よって、超電導コイル容器12と分割ティース40を確実に固定することができる。
同様にして、複数(本実施例においては、六つ)の分割ティース40を超電導コイル容器12における複数(本実施例においては、六つ)のティース装着穴22にそれぞれ固定した後、超電導コイル容器12および超電導コイル容器12のティース装着穴22に固定された複数の分割ティース40にヨーク30を組み付ける(図3参照)。
以上のように、本実施例に係る回転機の部材固定構造によれば、図示しない超電導コイルを収容したかご型の超電導コイル容器12に分割固定子コア(固定子コア)13を組み付け、超電導コイルを利用した超電導モータの固定子1を製造することができる(図1参照)。
本実施例においては、本発明に係る回転機の部材固定構造を超電導モータの固定子に採用し、超電導コイル容器12に略円筒状のヨーク30と当該ヨーク30の内周側に突出して設けられる分割ティース40とを組み付けて成る超電導モータの固定子1において、超電導コイル容器12と分割ティース40との間にスポンジシート51を介在させることにより、当該スポンジシート51に液状接着剤を含浸させ、超電導コイル容器12と分割ティース40とを固定するようにした。
よって、液状接着剤が低粘度であっても、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に斑なく塗布することができると共に、超電導コイル容器12と分割ティース40との間に確実に保持することができるので、容易かつ確実(強固)に二つの部材を固定することができる。
もちろん、本発明に係る回転機の部材固定構造および部材固定方法は、上述の実施例1に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能である。
例えば、図7および図8に示すように、略円弧形状のヨーク部130と当該ヨーク部130の内周側に突出するティース部140とを有する分割コア(第二の部材)160を周方向に複数(図7および図8においては、六つ)連結して成る分割固定子コア113を超電導コイル容器(第一の部材)112の外周側に備えた超電導モータの固定子101において、超電導コイル容器112と分割コア160との間の少なくとも一部、すなわち、分割コア160のティース部140と超電導コイル容器112の径方向貫通穴122との間に吸液部材150を介在させることにより、本実施例と同様の効果を得ることができる。つまり、液状接着剤を吸液部材150に含浸させ、超電導コイル容器112と分割コア160とを容易かつ確実(強固)に固定することができる。
また、本発明に係る回転機の部材固定構造は、回転機全般の固定子および回転子等における種々の部材に採用することができる。
例えば、図9に示すように、略円筒形状のヨーク(第一の部材)230と当該ヨーク230の内周側に突出して設けられてコイル270が巻回される分割ティース(第二の部材)240とを備えて成る回転機の分割固定子鉄心(分割鉄心)213において、ヨーク230と分割ティース240との間に吸液部材250を介在させることにより、本実施例と同様の効果を得ることができる。つまり、液状接着剤を吸液部材250に含浸させ、ヨーク230と分割ティース240とを容易かつ確実(強固)に固定することができる。
なお、鉄心同士(ヨーク230と分割ティース240)を固定する場合には、吸液部材250または液状接着剤に圧粉磁性材を含ませて行う。このように、ヨーク230と分割ティース240との間に圧粉磁性材を含ませた吸液部材250または液状接着剤を介在させることにより、ヨーク230と分割ティース240との間の磁気抵抗を低減することができるので、回転機の分割固定子鉄心213を十分に機能させることができる。
また、図10に示すように、略円弧状のヨーク部330と当該ヨーク部330の内周側に突出してコイル370が巻回されるティース部340とを有する鉄心部材である分割コア(第一の部材、第二の部材)360を周方向に複数備えて成る回転機の分割固定子鉄心(分割鉄心)313において、隣接する分割コア360の間に吸液部材350を介在させることにより、本実施例と同様の効果を得ることができる。つまり、液状接着剤を吸液部材350に含浸させ、隣接する分割コア360同士を容易かつ確実(強固)に固定することができる。
なお、鉄心同士(隣接する分割コア360)を固定する場合には、吸液部材350または液状接着剤に圧粉磁性材を含ませて行う。このように、分割コア360同士の間に圧粉磁性材を含ませた吸液部材350または液状接着剤を介在させることにより、隣接する複数の分割コア360同士の間の磁気抵抗を低減することができるので、回転機の分割固定子鉄心313を十分に機能させることができる。
1 超電導モータ(回転機)の固定子
12 超電導コイル容器(第一の部材)
13 分割固定子コア(第二の部材)
21 超電導コイル容器の回転軸挿通穴(軸方向貫通穴)
22 超電導コイル容器のティース装着穴(径方向貫通穴)
23 超電導コイル容器の冷却媒体注入口
30 固定子コアのヨーク
31 ヨークの係合凹部
32 ヨークの係合突起部
40 固定子コアの分割ティース
41 分割ティースの溝部
42 分割ティースの鍔部
43 分割ティースの周方向側面(超電導コイル容器と対向する面)
44 分割ティースの頂面(ヨークとの接触面)
45 分割ティースの軸方向側面(超電導コイル容器と対向する面)
50 スポンジ部材(吸液部材)
51 スポンジシート(吸液部材)
52 スポンジ部材の切り取り部
101 超電導モータの固定子
112 超電導コイル容器(第一の部材)
113 分割固定子コア(第二の部材)
122 超電導コイル容器の径方向貫通穴
130 ヨーク部
140 ティース部
150 吸液部材
160 分割コア
213 回転機の分割固定子鉄心(分割鉄心)
230 ヨーク(第一の部材)
240 分割ティース(第二の部材)
250 吸液部材
270 コイル
313 回転機の分割固定子鉄心(分割鉄心)
330 ヨーク部
340 ティース部
350 吸液部材
360 分割コア(鉄心部材、第一の部材、第二の部材)
370 コイル
12 超電導コイル容器(第一の部材)
13 分割固定子コア(第二の部材)
21 超電導コイル容器の回転軸挿通穴(軸方向貫通穴)
22 超電導コイル容器のティース装着穴(径方向貫通穴)
23 超電導コイル容器の冷却媒体注入口
30 固定子コアのヨーク
31 ヨークの係合凹部
32 ヨークの係合突起部
40 固定子コアの分割ティース
41 分割ティースの溝部
42 分割ティースの鍔部
43 分割ティースの周方向側面(超電導コイル容器と対向する面)
44 分割ティースの頂面(ヨークとの接触面)
45 分割ティースの軸方向側面(超電導コイル容器と対向する面)
50 スポンジ部材(吸液部材)
51 スポンジシート(吸液部材)
52 スポンジ部材の切り取り部
101 超電導モータの固定子
112 超電導コイル容器(第一の部材)
113 分割固定子コア(第二の部材)
122 超電導コイル容器の径方向貫通穴
130 ヨーク部
140 ティース部
150 吸液部材
160 分割コア
213 回転機の分割固定子鉄心(分割鉄心)
230 ヨーク(第一の部材)
240 分割ティース(第二の部材)
250 吸液部材
270 コイル
313 回転機の分割固定子鉄心(分割鉄心)
330 ヨーク部
340 ティース部
350 吸液部材
360 分割コア(鉄心部材、第一の部材、第二の部材)
370 コイル
Claims (8)
- 回転機に備えられる第一の部材と第二の部材とを液状接着剤によって固定する回転機の部材固定構造であって、
前記第一の部材と前記第二の部材との間の少なくとも一部に介在され、前記液状接着剤が含浸される吸液部材を備えた
ことを特徴とする回転機の部材固定構造。 - 前記第一の部材が、超電導線材を収容する超電導コイル容器であり、
前記第二の部材が、超電導コイル容器と係合可能な分割構造の固定子鉄心である
ことを特徴とする請求項1に記載の回転機の部材固定構造。 - 前記超電導コイル容器が、軸方向に貫通する軸方向貫通穴を備えた略円筒形状を成すと共に、その周面に径方向に貫通する径方向貫通穴を備えたかご型形状を成すものであり、
前記吸液部材が、前記固定子鉄心に設けられるティースと前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴との間に介在されるものである
ことを特徴とする請求項2に記載の回転機の部材固定構造。 - 前記第一の部材が、分割鉄心の一部材であり、
前記第二の部材が、前記第一の部材とは異なる前記分割鉄心の一部材であり、
前記液状接着剤または前記吸液部材の少なくとも一方が、圧粉磁性材を含むものである
ことを特徴とする請求項1に記載の回転機の部材固定構造。 - 前記分割鉄心が、略円筒形状のヨークと前記ヨークの内周側に突出して設けられる分割ティースとを備えた分割固定子鉄心であり、
前記第一の部材が、前記ヨークであり、
前記第二の部材が、前記分割ティースである
ことを特徴とする請求項4に記載の回転機の部材固定構造。 - 前記分割鉄心が、略円弧形状のヨーク部と前記ヨーク部の内周側に突出するティース部とを有する鉄心部材を周方向に複数備えて成る分割固定子鉄心であり、
前記第一の部材が、複数のうちの少なくとも一つの前記鉄心部材であり、
前記第二の部材が、前記第一の部材と隣接して備えられる前記鉄心部材である
ことを特徴とする請求項4に記載の回転機の部材固定構造。 - 軸方向に貫通する軸方向貫通穴を備えた略円筒形状を成すと共に、その周面に径方向に貫通する径方向貫通穴を備えたかご型形状を成し、超電導線材から成る超電導コイルを収容する超電導コイル容器に、略円筒形状のヨーク部と前記ヨーク部の内周側に突出するティース部とを備えた固定子鉄心を固定する回転機の部材固定方法であって、
前記固定子鉄心を、前記超電導コイル容器の外周側に嵌着可能な略円筒形状のヨークと、前記ヨークの内周側に突出して組み付け可能かつ前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴と係合可能な分割ティースとから成る分割構造とし、
吸液部材を前記分割ティースにおける前記径方向貫通穴と対向する面の少なくとも一部を覆うように設け、当該分割ティースを前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴に係合し、前記分割ティースと前記径方向貫通穴との間に介在された前記吸液部材に液状接着剤を含浸させて前記分割ティースと前記超電導コイル容器とを固着し、前記ヨークを前記分割ティースに組み付けると共に前記超電導コイル容器の外周側に嵌着する
ことを特徴とする回転機の部材固定方法。 - 前記吸液部材を設けた前記分割ティースを前記超電導コイル容器の前記径方向貫通穴に係合した際に、前記吸液部材の一部が前記径方向貫通穴から外周側に突出している場合には、前記吸液部材における前記径方向貫通穴から突出した部分を取り除く
ことを特徴とする請求項7に記載の回転機の部材固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037584A JP2016163378A (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | 回転機の部材固定構造および部材固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037584A JP2016163378A (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | 回転機の部材固定構造および部材固定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016163378A true JP2016163378A (ja) | 2016-09-05 |
Family
ID=56845600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015037584A Pending JP2016163378A (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | 回転機の部材固定構造および部材固定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016163378A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109590177A (zh) * | 2018-11-19 | 2019-04-09 | 北京航天控制仪器研究所 | 一种紧压成腔式灌胶装置及灌胶方法 |
CN111293836A (zh) * | 2018-12-06 | 2020-06-16 | 广东美的环境电器制造有限公司 | 定子铁芯的加工工艺 |
WO2022196193A1 (ja) * | 2021-03-18 | 2022-09-22 | 古河電気工業株式会社 | 超電導モータ |
-
2015
- 2015-02-27 JP JP2015037584A patent/JP2016163378A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109590177A (zh) * | 2018-11-19 | 2019-04-09 | 北京航天控制仪器研究所 | 一种紧压成腔式灌胶装置及灌胶方法 |
CN111293836A (zh) * | 2018-12-06 | 2020-06-16 | 广东美的环境电器制造有限公司 | 定子铁芯的加工工艺 |
WO2022196193A1 (ja) * | 2021-03-18 | 2022-09-22 | 古河電気工業株式会社 | 超電導モータ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5141749B2 (ja) | エンドプレートおよびこれを用いた回転電機のロータ | |
US9190878B2 (en) | Rotor including anti-rotation feature for multi-pole structure | |
JP6452166B2 (ja) | 回転電機およびその製造方法 | |
CN110739787B (zh) | 电机及其转子 | |
KR102297684B1 (ko) | 로터 조립체, 이의 제조방법 및 로터 조립체를 구비하는 모터 | |
CN107408851B (zh) | 旋转电机用转子和制造方法 | |
JP5996106B2 (ja) | 回転電機の磁石埋込型ロータ | |
JP2016163378A (ja) | 回転機の部材固定構造および部材固定方法 | |
JP2009033889A (ja) | モータ用ステータ及びその製造方法 | |
JP4958891B2 (ja) | トロイダル巻線モータ | |
CN213990318U (zh) | 转子和电动机 | |
JP2009118702A (ja) | 回転電機 | |
JP5531738B2 (ja) | 電動機およびロータの製造方法 | |
EP3456976B1 (en) | Blower device | |
US20160218573A1 (en) | Electric rotary machine | |
JP2012065510A (ja) | ステータ | |
JP2014110740A (ja) | 回転電機用ステータ | |
JP6127991B2 (ja) | 電動機 | |
KR20170066868A (ko) | 자석 압입형 모터 회전자 | |
JP2019154090A (ja) | モータ | |
US10068607B2 (en) | Disk drive motor including inner bottom plate grooves for receiving conducting wires of stator coils | |
JP7064850B2 (ja) | ロータおよびモータ | |
JP2013013228A (ja) | 回転電機用ステータ | |
JP2009303445A (ja) | 永久磁石電動機 | |
JP2020178386A (ja) | ロータ及び表面磁石型回転電機 |