JP2016162550A - シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケースへの電解液の注入の際に注液口の内周面に電解液が付着することを抑止すること。【解決手段】シール装置20は、ゴムチューブ21と、プランジャ31と、挿入治具41とを備えている。ゴムチューブ21は、円筒状である本体22を備える。ゴムチューブ21は、本体22を、軸線方向に貫通する円形の貫通孔24を備え、この貫通孔24にはプランジャ31が挿入される。貫通孔24にプランジャ31が挿入されると、ゴムチューブ21はプランジャ31によって挿入孔34の内側から外周に向けて押し拡げられるように弾性変形する。【選択図】図4
Description
本発明は、ケース内に電解液を注入する際に注液口をシールするシール装置に関する。
二次電池は、例えば特許文献1に記載されるように、ケース内に電極組立体などの電池要素を備える。ケースは、有底筒状のケース本体の開口部を蓋体で閉塞することで構成されている。また、ケースは、ケース本体の開口部を閉塞した後のケース内に電解液を注入するための注液口を備えており、その注液口は電解液の注入後に封止部材によって封止されている。また、特許文献2には、注液口の封止にブラインドリベットを用いることが提案されている。
ところで、ケース内に電解液を注入する際には、注液口の内周面に電解液が付着するおそれがある。注液口の内周面に電解液が付着したまま封止部材によって注液口が封止されると、注液口のシール性が低下し、ケース内で発生した気体や電解液がケースの外部に漏れ出すおそれがある。特許文献2には、電解液を拭き取った後、封止することが記載されているが、拭き取りが可能なのはケースの表面側に留まり、細かな傷・溝を有する注液口の内周面にて拭き取りを行うことは困難である。
本発明の目的は、ケース内への電解液の注入の際に注液口の内周面に電解液が付着することを抑止することができるシール装置を提供することにある。
上記課題を解決するシール装置は、ケースに設けられた注液口から前記ケース内に電解液を注入する際に前記注液口をシールするシール装置であって、前記注液口に挿入される筒状の弾性体と、前記弾性体の内側に挿入されるプランジャとを備え、前記弾性体は、軸線方向に沿う寸法が前記注液口の軸線方向に沿う寸法以上であり、前記プランジャは、前記弾性体への挿入方向の先端部に向けて先細り形状であり、かつ、前記弾性体の内側に挿入されることで前記注液口に挿入された前記弾性体を内側から押し拡げる。
これによれば、プランジャを弾性体の内側に挿入することで、注液口の内周面に弾性体の外周面が密着する。この状態でケース内に電解液を注入すると、電解液の一部が注液口に向けて飛散しても、注液口の内周面に電解液が付着しにくい。このため、注液口を封止部材によって封止したときに、注液口と封止部材との間に電解液が介在しにくく、注液口と封止部材との間に電解液が介在することに起因して注液口のシール性が低下することが抑止される。また、注液口の内周面から電解液を拭き取る必要もない。
上記シール装置について、前記プランジャを前記弾性体の内側に押し込むために前記プランジャに挿入される挿入治具を備え、該挿入治具は、前記プランジャへの挿入先で、該プランジャと係止する係止部と、前記電解液を前記ケースに注入する注液ノズルを有する。
これによれば、係止部がプランジャと係止することで挿入治具によってプランジャを弾性体の内側に押し込み、押し込みによって弾性体を内側から押し拡げることができる。そして、挿入治具は、注液ノズルを有しているため、プランジャを弾性体の内側に押し込んだ後には、注液ノズルを介してケース内に電解液を注入することができる。したがって、挿入治具と注液ノズルを別体にする場合に比べて、容易に電解液の注入をすることができる。
上記シール装置について、前記プランジャは、前記係止部が挿入されるキー溝を有し、前記キー溝は、前記プランジャにおける前記挿入治具が挿入される開口側に開口し、かつ、前記挿入治具を前記プランジャの内側に挿入した際に前記係止部と係止可能な第1係止面と、前記挿入治具を前記プランジャの内側から引き抜く際に前記係止部と係止可能な第2係止面とを備える。
これによれば、挿入治具をプランジャに挿入すると、係止部と第1係止面との係止によりプランジャを弾性体に押し込むことができる。また、挿入治具をプランジャから引き抜こうとすると、係止部と第2係止面との係止によりプランジャを弾性体から引き抜くことができる。
上記シール装置について、前記弾性体は、前記注液口の周囲に位置した前記ケースの外面と接することで前記弾性体の位置決めを行うフランジを有する。
これによれば、弾性体の位置決めを容易に行うことができる。
これによれば、弾性体の位置決めを容易に行うことができる。
本発明によれば、ケースへの電解液の注入の際に注液口の内周面に電解液が付着することを抑止することができる。
以下、シール装置の一実施形態について説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、二次電池10は、ケース11と、ケース11内に収容された電極組立体12及び電解液(図示せず)とを備える。ケース11は、有底筒状のケース本体13と、ケース本体13に電極組立体12を挿入するための開口部を塞ぐ平板状の蓋体14とを有する。蓋体14は、その厚み方向に貫通する注液口15を有する。注液口15は、封止部材16によって封止され、ケース11内からの気体及び電解液の漏れが抑止されている。本実施形態の封止部材16は、ブラインドリベットである。封止部材16は、樹脂製であり、かつ、有底筒状のリベット本体16aと、リベット本体16a内に収容され、先端に拡径部16bを有する金属製の軸部16cよりなる。
図1(a)及び図1(b)に示すように、二次電池10は、ケース11と、ケース11内に収容された電極組立体12及び電解液(図示せず)とを備える。ケース11は、有底筒状のケース本体13と、ケース本体13に電極組立体12を挿入するための開口部を塞ぐ平板状の蓋体14とを有する。蓋体14は、その厚み方向に貫通する注液口15を有する。注液口15は、封止部材16によって封止され、ケース11内からの気体及び電解液の漏れが抑止されている。本実施形態の封止部材16は、ブラインドリベットである。封止部材16は、樹脂製であり、かつ、有底筒状のリベット本体16aと、リベット本体16a内に収容され、先端に拡径部16bを有する金属製の軸部16cよりなる。
図1(c)に示すように、ケース11を封止する前の封止部材16は、軸部16cがリベット本体16aの上方まで延びており、軸部16cの途中には図示しない切欠きが形成されている。
図1(b)に示すように、封止状態の封止部材16は、軸部16cが上方に引っ張り上げられることで、拡径部16bがリベット本体16aの周壁の一部を外周側へ膨らませるとともに、軸部16cが切欠きで破断することで、軸部16cはリベット本体16aの内部に一部のみ残る。これにより、リベット本体16aが注液口15の内周面及び蓋体14の内面における注液口15の周辺に密着する。
ケース本体13と蓋体14は、いずれも金属製(例えばステンレス製やアルミニウム製)である。本実施形態において、二次電池10はリチウムイオン電池である。
電極組立体12は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極とを絶縁するセパレータを有する。正極電極は、正極金属箔(アルミニウム箔)の両面に正極活物質層を備える。負極電極は、負極金属箔(銅箔)の両面に負極活物質層を備える。正極活物質層は、正極活物質粒子同士が樹脂製のバインダにより相互に固定された多孔質層である。また、負極活物質層は、負極活物質粒子同士が樹脂製のバインダにより相互に固定された多孔質層である。そして、電極組立体12は、複数の正極電極と複数の負極電極が交互に積層されるとともに、両電極の間にセパレータが介在された積層構造である。セパレータは、絶縁性の樹脂よりなり、電解液を含浸することでイオンの行き来を可能とする多孔性の樹脂シートである。
電極組立体12は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極とを絶縁するセパレータを有する。正極電極は、正極金属箔(アルミニウム箔)の両面に正極活物質層を備える。負極電極は、負極金属箔(銅箔)の両面に負極活物質層を備える。正極活物質層は、正極活物質粒子同士が樹脂製のバインダにより相互に固定された多孔質層である。また、負極活物質層は、負極活物質粒子同士が樹脂製のバインダにより相互に固定された多孔質層である。そして、電極組立体12は、複数の正極電極と複数の負極電極が交互に積層されるとともに、両電極の間にセパレータが介在された積層構造である。セパレータは、絶縁性の樹脂よりなり、電解液を含浸することでイオンの行き来を可能とする多孔性の樹脂シートである。
図1(a)に示すように、二次電池10は、電極組立体12の正極電極に接続された正極端子17、及び、電極組立体12の負極電極に接続された負極端子18を備える。正極端子17及び負極端子18は蓋体14に固定されている。
一般的な二次電池の製造方法を挙げる。まず、電極組立体12を製造した後、電極組立体12に正極端子17及び負極端子18を接続し、それらを蓋体14に固定する。次に、蓋体14をケース本体13に接合して、ケース本体13の開口部を蓋体14で閉塞する。次に、注液口15からケース11内に電解液を注入し、その後、注液口15を封止部材16で封止する。
次に、二次電池10の製造過程において、ケース11内に電解液を注入する際に用いられるシール装置について説明する。
図2に示すように、シール装置20は、弾性体としてのゴム製のゴムチューブ21と、ゴムチューブ21に挿入され、ゴムチューブ21の内径を押し拡げる拡張部材としてのシリコンゴム製のプランジャ31と、プランジャ31に挿入される金属製の挿入治具41とを備えている。プランジャ31は、ゴムチューブ21よりも硬い。
図2に示すように、シール装置20は、弾性体としてのゴム製のゴムチューブ21と、ゴムチューブ21に挿入され、ゴムチューブ21の内径を押し拡げる拡張部材としてのシリコンゴム製のプランジャ31と、プランジャ31に挿入される金属製の挿入治具41とを備えている。プランジャ31は、ゴムチューブ21よりも硬い。
ゴムチューブ21は、円筒状である本体22を備える。ゴムチューブ21において、本体22の中心軸が延びる方向を軸線方向とすると、ゴムチューブ21は軸線方向に沿う一端に第1端部22aを有し、他端に第2端部22bを有する。ゴムチューブ21は、第1端部22aに位置する円環状のフランジ23を有する。ゴムチューブ21は、本体22を、軸線方向に貫通する円形の貫通孔24を備え、この貫通孔24にはプランジャ31が挿入される。
ゴムチューブ21の軸線方向に沿う寸法は、注液口15の軸線方向に沿う寸法以上である。本体22の外径は、ゴムチューブ21の貫通孔24にプランジャ31が押し込まれていない状態において、注液口15の直径よりも僅かに短い。また、フランジ23の外径は、注液口15の直径よりも長い。
ゴムチューブ21は、第2端部22bから注液口15に挿入される。また、ゴムチューブ21を第2端部22bから注液口15に挿入すると、フランジ23は、蓋体14の外面のうち、注液口15の周囲に接する。
プランジャ31は、筒状である。プランジャ31の中心軸の延びる方向を軸線方向とすると、プランジャ31は、円筒状の第1筒部32と、円錐台形状の第2筒部33とを軸線方向に連続して有している。第2筒部33は、プランジャ31の軸線方向に沿って、第1筒部32から離れるに従い徐々に縮径している。プランジャ31は、軸線方向に沿う一端で、かつ、第2筒部33の先端に先端部31aを有し、軸線方向の他端で、かつ、第1筒部32の先端に基端部31bを有する。プランジャ31は、軸線方向に沿って先端部31aに向かうに従い縮径する先細り形状である。なお、先細り形状とは、先端部31aに向けて徐々にプランジャ31が縮径している形状に限られず、先端部31aに向けて段階的にプランジャ31が縮径している形状も含む。
プランジャ31において基端部31bを含む第1筒部32の外径は貫通孔24の直径よりも長い。プランジャ31の第2筒部33において、先端部31aの外径は、貫通孔24の直径よりも短い。また、図2に仮想線で示すように、プランジャ31の第2筒部33には、外径が、貫通孔24の直径と同一となる境界部33aが存在しており、この境界部33aよりも基端部31b側は貫通孔24の直径よりも外径が長くなっている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、プランジャ31は、当該プランジャ31を軸線方向に貫通する円形状の挿入孔34を有している。また、プランジャ31は、内周面から径方向に凹み、かつ、挿入孔34と連通するキー溝35を有している。キー溝35は、プランジャ31の軸線方向に沿う直線状の挿入溝36と、この挿入溝36よりもプランジャ31の周方向に沿って幅広な係止溝37とを有する。
挿入溝36は、プランジャ31の軸線方向に沿う一端が基端部31bで開口し、他端で係止溝37に繋がっている。係止溝37は、第1係止面としての底面37aと、底面37aに対向する第2係止面としての上面37bとを有している。
図2に示すように、挿入治具41は、円柱状の挿入部42と、挿入部42の外周面の一部から突出する矩形状の係止部43とを有している。挿入部42の外径は、プランジャ31の内径よりも僅かに短い。挿入部42の周方向に沿う係止部43の寸法は、プランジャ31の周方向に沿う挿入溝36の寸法よりも短く、挿入部42の軸線方向に沿う係止部43の寸法は、プランジャ31の軸線方向に沿う係止溝37の寸法よりも短い。したがって、係止部43の大きさは、キー溝35の挿入溝36に挿入可能であり、かつ、キー溝35の係止溝37内で周方向に移動可能な大きさである。
また、本実施形態の挿入治具41は、電解液が貯留されるタンクTと連通する注液ノズル51と、真空ポンプPと連通する排気ノズル52とを有しており、注液ノズル51と排気ノズル52とは挿入部42を軸線方向に貫通している。挿入治具41がプランジャ31の挿入孔34に挿入された状態で、注液ノズル51からは、電解液がケース11内に流出する。挿入治具41がプランジャ31の挿入孔34に挿入された状態で、排気ノズル52からは、空気が吸引される。したがって、本実施形態のシール装置20は、ケース11内に電解液を注入する注液装置としても機能する。
次に、上記シール装置20を用いたケース11内への電解液の注入方法について作用とともに説明する。
図4に示すように、ケース11内に電解液60を注入するときには、注液口15にゴムチューブ21を第2端部22b側から挿入する。フランジ23が注液口15の周囲に位置する蓋体14の外面に係止することで、ゴムチューブ21の注液口15への挿入が規制され、ゴムチューブ21の蓋体14上での位置決めが行われる。ゴムチューブ21が位置決めされた状態では、注液口15の内周面の全面がゴムチューブ21の外周面と対向している。
図4に示すように、ケース11内に電解液60を注入するときには、注液口15にゴムチューブ21を第2端部22b側から挿入する。フランジ23が注液口15の周囲に位置する蓋体14の外面に係止することで、ゴムチューブ21の注液口15への挿入が規制され、ゴムチューブ21の蓋体14上での位置決めが行われる。ゴムチューブ21が位置決めされた状態では、注液口15の内周面の全面がゴムチューブ21の外周面と対向している。
次に、ゴムチューブ21の貫通孔24に、プランジャ31を先端部31a側から挿入する。プランジャ31は、境界部33aと貫通孔24の内周縁との接触によりケース11内に向けた挿入が規制される。
次に、ゴムチューブ21の挿入孔34に、挿入治具41を挿入する。この際、挿入治具41の係止部43をキー溝35に挿入するように位置合わせする。そして、挿入治具41の挿入部42を挿入孔34に挿入し、かつ、挿入治具41の係止部43をキー溝35の挿入溝36に挿入していく。挿入治具41の係止部43がキー溝35の底面37aまで達した状態で更に挿入治具41をケース11内に向けて挿入しようとすると、挿入治具41の係止部43とキー溝35の底面37aとの係止によりケース11内に向けた荷重がプランジャ31に作用する。そして、この荷重によってプランジャ31はケース11内に向けて押し込まれ、貫通孔24に圧入されていく。プランジャ31において、貫通孔24の直径よりも外径が大きい部分がゴムチューブ21に押し込まれることになるため、ゴムチューブ21はプランジャ31によって内側から外周に向けて押し拡げられるように弾性変形する。プランジャ31は、境界部33aがゴムチューブ21の第2端部22bを超えるまでゴムチューブ21に押し込まれる。ゴムチューブ21が押し拡げられることでゴムチューブ21の外周面と注液口15の内周面とが密着する。したがって、注液口15の内周面について、蓋体14の厚み方向も含め全面がゴムチューブ21によってシールされる。
そして、注液ノズル51からケース11内に向けて電解液60を注入する。電解液60を注入する際には、真空ポンプPを駆動することでケース11内から空気を排出し、電解液60の注入と並行して行うことで、注液作業の時間を短縮できる。ケース11内からの空気の排出は、電解液60の注入と並行して行われてもよいし、ケース11内への電解液60の注入を開始する前に行われてもよい。
図5に示すように、ケース11内への電解液60の注入が終わった後には、挿入治具41を回転させて、係止部43を係止溝37内に位置させる。この状態で、挿入治具41を引き抜こうとすると、係止部43と上面37bとが係止し合うことでプランジャ31にはケース11外に向けた力が作用し、プランジャ31と挿入治具41は一体となってゴムチューブ21から引き抜かれる。そして、プランジャ31が引き抜かれたゴムチューブ21を注液口15から取り外す。
その後、注液口15を仮封止栓により封止して所定の温度環境下で自己放電させるエージングなどを行い、仮封止栓を開放して内部のガスなどを放出した後、封止部材16により注液口15を封止することで、二次電池10が得られる。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)注液口15に挿入したゴムチューブ21をプランジャ31によって内側から押し拡げることでゴムチューブ21を注液口15の内周面に密着させている。このため、注液ノズル51から電解液60をケース11内に注入するときに、注液口15に向けて電解液60の一部が飛散しても、注液口15の内周面に電解液60が付着することを抑止することができる。このため、注液口15の内周面に電解液60が付着したまま注液口15が封止部材16によって封止されることが抑止され、注液口15と封止部材16との間に電解液60が介在することによる注液口15のシール性の低下が抑止される。また、注液口15の内周面に電解液60が付着することが抑止されるため、注液口15の内周面から電解液60を拭き取る作業が不要となる。
(1)注液口15に挿入したゴムチューブ21をプランジャ31によって内側から押し拡げることでゴムチューブ21を注液口15の内周面に密着させている。このため、注液ノズル51から電解液60をケース11内に注入するときに、注液口15に向けて電解液60の一部が飛散しても、注液口15の内周面に電解液60が付着することを抑止することができる。このため、注液口15の内周面に電解液60が付着したまま注液口15が封止部材16によって封止されることが抑止され、注液口15と封止部材16との間に電解液60が介在することによる注液口15のシール性の低下が抑止される。また、注液口15の内周面に電解液60が付着することが抑止されるため、注液口15の内周面から電解液60を拭き取る作業が不要となる。
(2)特に、本実施形態では、真空ポンプPによってケース11内の空気を排出しながら電解液60を注液することで作業時間を短縮しているため、空気の排出に伴い、電解液60が飛散しやすい。電解液60の一部は、注液口15に向けて飛散するが、注液口15の内周面は、全面に亘ってゴムチューブ21に覆われているため、注液口15の内周面に電解液60が付着することが抑止されている。
(3)挿入治具41は、注液ノズル51を有している。このため、挿入治具41によるゴムチューブ21へのプランジャ31の圧入と同時に、注液ノズル51を注液口15に挿通できる。よって、挿入治具41によって注液口15の内周面をシールすると同時に、注液ノズル51を注液口15に挿通できる。したがって、注液口15をシールした後に、注液ノズル51を注液口15に挿入する場合と比べて、注液作業性を向上できる。
(4)プランジャ31は、挿入溝36と係止溝37とを有している。挿入治具41をプランジャ31に挿入する際には、キー溝35の底面37aが挿入治具41の係止部43と係止し合う。このため、挿入治具41を押し込むと、この係止によってプランジャ31をゴムチューブ21に押し込むことができる。また、キー溝35は、係止溝37を有する。このため、挿入治具41を回転させて、挿入治具41の係止部43を係止溝37内に位置させることで、挿入治具41を引き抜こうとする際に係止部43と上面37bとを係止させて挿入治具41とともにプランジャ31を貫通孔24から引き抜くことができる。
(5)ゴムチューブ21は、フランジ23を有している。このため、フランジ23が蓋体14の外面に接するまでゴムチューブ21を注液口15に挿入することで、容易にゴムチューブ21の軸線方向に沿う位置決めを行うことができる。
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
○挿入治具41は、注液ノズル51と排気ノズル52を有していなくてもよい。この場合、挿入治具41をプランジャ31に挿入し、プランジャ31をゴムチューブ21に挿入することで、挿入治具41でゴムチューブ21を押し拡げた後に、挿入治具41をプランジャ31から引き抜く。挿入治具41をプランジャ31から引き抜いた後には、プランジャ31の挿入孔34に挿入治具41とは別体の注液ノズルを挿入し、電解液60の注入を行う。この際、注液ノズルとともに排気ノズルも挿入孔34に挿入してもよい。
○挿入治具41は、注液ノズル51と排気ノズル52を有していなくてもよい。この場合、挿入治具41をプランジャ31に挿入し、プランジャ31をゴムチューブ21に挿入することで、挿入治具41でゴムチューブ21を押し拡げた後に、挿入治具41をプランジャ31から引き抜く。挿入治具41をプランジャ31から引き抜いた後には、プランジャ31の挿入孔34に挿入治具41とは別体の注液ノズルを挿入し、電解液60の注入を行う。この際、注液ノズルとともに排気ノズルも挿入孔34に挿入してもよい。
○挿入治具41は、排気ノズル52を有さず、注液ノズル51のみを有していてもよい。この場合、電解液60の注入の際に真空ポンプPによるケース11内の空気の排出を行わない。
○挿入治具41は、係止部43を有していなくてもよい。また、挿入治具41が係止部43を有していない場合には、プランジャ31にキー溝35を設けなくてもよい。この場合、挿入治具41を挿入孔34に挿入したときに、挿入治具41と係止する部分をプランジャ31に設ける。例えば、挿入孔34においてプランジャ31の先端部31a側に位置している部分の内径を挿入治具41の外径よりも小さくすることで挿入孔34内に段差を形成し、この部分と挿入治具41が係止し合うようにしてもよい。また、プランジャ31を挿入治具41から引き抜く機構を別に設けることが好ましい。
○ゴムチューブ21は、フランジ23を有さず、本体22のみで構成されていてもよい。
○フランジ23は環状でなくてもよく、本体22の外周面の一部から突出してもよい。
○フランジ23は環状でなくてもよく、本体22の外周面の一部から突出してもよい。
○貫通孔24の形状は、円形とは異なる形状であってもよく、例えば、四角状などでもよい。この場合、貫通孔24に挿入されるプランジャ31の外形も貫通孔24の形状に合わせて変更することが好ましい。同様に、注液口15、ゴムチューブ21の外形、挿入孔34の形状、挿入治具41などの形状は適宜変更してもよい。
○挿入治具41において、係止部43の形状は、適宜変更してもよい。
○シール装置20は、挿入治具41を有していなくてもよい。例えば、作業者などがプランジャ31をゴムチューブ21に挿入してもよい。
○シール装置20は、挿入治具41を有していなくてもよい。例えば、作業者などがプランジャ31をゴムチューブ21に挿入してもよい。
○注液口15は、ケース本体13に設けられていてもよい。
○二次電池10は、ニッケル水素二次電池など、リチウムイオン電池とは異なる二次電池であってもよい。
○二次電池10は、ニッケル水素二次電池など、リチウムイオン電池とは異なる二次電池であってもよい。
○弾性体として、筒状に巻回された金属線材、すなわち、コイル状のバネを用いてもよい。
○挿入治具41を回転させて、係止部43を係止溝37内に位置させるタイミングは、ケース11内への電解液60の注入を行う前でもよいし、プランジャ31を挿入治具41によって貫通孔24に挿入する前でもよい。
○挿入治具41を回転させて、係止部43を係止溝37内に位置させるタイミングは、ケース11内への電解液60の注入を行う前でもよいし、プランジャ31を挿入治具41によって貫通孔24に挿入する前でもよい。
○ゴムチューブ21の軸線方向に沿う寸法は、注液口15の軸線方向に沿う寸法と同一でもよい。
○封止部材16は、ブラインドリベットに限定されるものではなく、金属製の封止栓をレーザー溶接により固定する構造であってもよい。
○封止部材16は、ブラインドリベットに限定されるものではなく、金属製の封止栓をレーザー溶接により固定する構造であってもよい。
11…ケース、15…注液口、20…シール装置、21…ゴムチューブ、23…フランジ、31…プランジャ、31a…先端部、35…キー溝、36…挿入溝、37…係止溝、37a…底面、37b…上面、41…挿入治具、43…係止部、51…注液ノズル、60…電解液。
Claims (4)
- ケースに設けられた注液口から前記ケース内に電解液を注入する際に前記注液口をシールするシール装置であって、
前記注液口に挿入される筒状の弾性体と、
前記弾性体の内側に挿入されるプランジャとを備え、
前記弾性体は、軸線方向に沿う寸法が前記注液口の軸線方向に沿う寸法以上であり、
前記プランジャは、前記弾性体への挿入方向の先端部に向けて先細り形状であり、かつ、前記弾性体の内側に挿入されることで前記注液口に挿入された前記弾性体を内側から押し拡げるシール装置。 - 前記プランジャを前記弾性体の内側に押し込むために前記プランジャに挿入される挿入治具を備え、
該挿入治具は、前記プランジャへの挿入先で、該プランジャと係止する係止部と、
前記電解液を前記ケースに注入する注液ノズルを有する請求項1に記載のシール装置。 - 前記プランジャは、前記係止部が挿入されるキー溝を有し、
前記キー溝は、前記プランジャにおける前記挿入治具が挿入される開口側に開口し、かつ、前記挿入治具を前記プランジャの内側に挿入した際に前記係止部と係止可能な第1係止面と、前記挿入治具を前記プランジャの内側から引き抜く際に前記係止部と係止可能な第2係止面とを備える請求項2に記載のシール装置。 - 前記弾性体は、前記注液口の周囲に位置した前記ケースの外面と接することで前記弾性体の位置決めを行うフランジを有する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のシール装置。
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CN114365346A (zh) * | 2020-05-19 | 2022-04-15 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 端盖组件、二次电池、电池模块、装置、注液方法及装置 |
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2015
- 2015-02-27 JP JP2015038826A patent/JP2016162550A/ja active Pending
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CN114365346B (zh) * | 2020-05-19 | 2023-02-28 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 端盖组件、二次电池、电池模块、装置、注液方法及装置 |
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