JP2016161770A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリントジョブ実行中に搬送中の用紙が転写位置を通過中には(S4で「Y」)、高圧電源部の転写出力を通常(ATVC制御により決められた転写電圧)に設定して転写ローラーに供給する(S5)。搬送中の1枚の用紙が転写位置を通過してから次の用紙が転写位置に到達するまでの紙間では(S4で「N」)、高圧電源部の転写出力を紙間(通常よりも低い電圧:例えば0V)に設定して転写ローラーに供給する(S7)。紙間において転写ローラーに印加されている転写電圧の検出値をモニターし、モニター電圧が閾値Mを超えていると(S8で「N」)、高圧電源部の異常を判断する(S11)。
【選択図】図8
Description
この転写性は、画像形成装置周辺の温湿度などの環境変化の影響を受け易い。環境変化により、転写部材やシートなどの各部材の電気抵抗値が変動し易いからである。従って、環境変動が生じても一定以上の転写性が確保されるように、環境に適した転写電圧の値を決めることが望ましい。転写電圧の決定方法としては、例えばATVC(Auto Transfer Voltage Control)制御がある。
図10は、高圧電源部の出力電圧と転写モニター電圧の対応関係の例を示す図である。
同図では、転写電圧の実使用範囲を50V〜4500V、高圧電源部の最大出力可能電圧を6000Vとして、転写モニター電圧の監視レンジ(検出可能範囲)αをV1〜V2の範囲とした場合の例を示している。電圧V1とV2の差は、例えば数ボルトである。
転写モニター電圧の検出時の分解能が低下するということは、転写電圧の検出精度が下がることを意味するので、最適な転写電圧の出力制御を行えないおそれが生じる。このような問題は、転写部材に印加される転写電圧の検出結果に基づいて転写電圧を制御する画像形成装置一般に生じ得る。
さらに、前記所定の閾値は、前記実使用範囲の上限の転写電圧が出力された場合における前記検出手段の検出値と同じ値、または前記検出値よりも所定量だけ低い値であるとしても良い。
さらに、前記制御手段は、前記電源部の異常の判断を、前記検出手段の検出値が前記所定の閾値よりも大きい状態が所定時間以上継続した場合にだけ行うとしても良い。
また、前記電源部は、別の電源から供給される電圧を昇圧して前記転写電圧を生成し、前記制御手段は、前記電源部の異常を判断すると、前記別の電源から前記電源部への電圧供給を遮断させるとしても良い。
また、前記制御手段は、前記電源部の異常を判断すると、前記像担持体への画像形成を禁止させること、および前記電源部に異常が発生している旨を警告することの少なくとも一つを実行するとしても良い。
一方で非転写時には、転写時と同じ第1転写電圧の出力の必要はなく、非転写時に、転写時の第1転写電圧よりも低い第2転写電圧の出力を電源部に指示すれば、電源部が正常な場合、検出手段による検出結果が当該指示による第2転写電圧を示すものになり、電源部の異常により電源部から最大出力可能電圧が出力されている場合には、第2転写電圧よりも大きい電圧を示すものになるはずである。
(1)プリンターの全体の構成
図1は、プリンター1の全体構成を示す概略図である。
同図に示すようにプリンター1は、電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、全体制御部50と、操作部60と、低圧電源部70と、高圧電源部80を備え、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置(不図示)からのジョブの実行要求に基づき、カラーの画像形成(プリント)を実行する。
作像部10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配された帯電ローラー12、露光部13、現像部14、クリーナー15などを備えている。
帯電ローラー12は、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム11の周面に接触して、矢印Bで示す方向に回転しながら感光体ドラム11を帯電させる。
現像部14は、感光体ドラム11上の静電潜像をY色のトナーで現像する。これにより感光体ドラム11上にY色のトナー像が形成される。感光体ドラム11上に形成されたY色のトナー像は、中間転写部20の中間転写ベルト21上に一次転写される。
中間転写部20は、駆動ローラー24と従動ローラー25に張架されて矢印方向に循環走行される中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を挟んで各作像部10Y〜10Kの感光体ドラム11と対向配置される一次転写ローラー22と、中間転写ベルト21を介して駆動ローラー24と対向配置される二次転写ローラー23と、クリーナー26を備える。
定着部40は、定着ローラー41とこれに圧接される加圧ローラー42を有する。
全体制御部50は、画像プロセス部10〜定着部40の動作を統括的に制御し、円滑なジョブを実行させる。
作像部10Y〜10Kのそれぞれごとに、露光部13から発せられた光ビームLにより、帯電後の感光体ドラム11上に静電潜像が作像され、その静電潜像がトナーにより現像されてトナー像が形成され、そのトナー像が一次転写ローラー22の静電作用により中間転写ベルト21上に一次転写される。
この作像タイミングに合わせて、給送部30からは、カセット31から用紙Sが二次転写ローラー23に向けて搬送されて来ており、二次転写ローラー23による中間転写ベルト21の表面への接触位置である二次転写位置29を用紙Sが通過する際に、中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像が二次転写ローラー23の静電作用により用紙Sに一括して二次転写される。
操作部60は、装置正面側であり、ユーザーが操作し易い位置に設けられており、ユーザーからの入力指示を受け付けたり、全体制御部50からの指示に基づき各種情報を表示したりするタッチパネル式の液晶表示部を備えている。ユーザーは、操作部60を目視することにより、液晶表示部に表示される情報、例えば後述の高圧電源部80の異常発生などを確認することができる。
高圧電源部80は、低圧電源部70から供給される直流の電圧、ここではDC24Vの入力を受け付けて、これを二次転写ローラー23に供給すべき電圧(以下、「転写電圧」という。)に変換して、変換した転写電圧を転写バイアス電圧として二次転写ローラー23に出力する。二次転写ローラー23への転写電圧の供給により二次転写が実行される。
図2は、全体制御部50の構成を示すブロック図である。
同図に示すように全体制御部50は、主な構成要素として、通信インターフェース(I/F)部51と、CPU(Central Processing Unit)52と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、転写電圧制御部55と、記憶部56等を備える。
CPU52は、ROM53から必要なプログラムを読み出し、画像プロセス部10、中間転写部20、給送部30、定着部40の動作をタイミングを取りながら統一的に制御して、通信I/F部51が受信したプリントジョブのデータに基づくプリント動作を円滑に実行させる。RAM54は、CPU52のワークエリアとなる。
図2に戻って、転写電圧制御部55は、高圧電源部80からの転写モニター信号と電流値検出信号を受信する。転写モニター信号は、現に二次転写ローラー23に供給されている転写電圧の大きさを示す信号である。電流値検出信号は、ATVC制御のときに二次転写ローラー23に流れている電流の大きさを示す信号である。
また、転写電圧制御部55は、高圧電源部80の異常を判断する機能(後述)を有しており、高圧電源部80の異常を判断すると、低圧電源部70から高圧電源部80への電圧(DC24V)の供給路の間に介在しているスイッチ75をOFFさせて(非導通)、低圧電源部70から高圧電源部80への電圧供給を遮断する。これにより、高圧電源部80からの電圧出力が強制的に停止される。また、操作部60に対して出力異常通知信号を送信して、操作部60に出力異常が発生した旨を表示させる。
図4は、高圧電源部80の回路構成を示す図である。
同図に示すように、高圧電源部80は、大きく分けて第1高圧出力部81と、第2高圧出力部82と、転写出力モニター部83と、電流検出部84を備える。
第1高圧出力部81は、トランス101と、スイッチング素子102と、第1出力制御部103と、コンデンサー104,107と、ダイオード105,106と、抵抗108などを備える。
第1出力制御部103は、転写電圧制御部55から入力端子8cを介して入力される転写PWM信号のデューティー比に基づき、スイッチング素子102のスイッチング動作を制御する。
トランス121の一次巻線には、入力端子8aからの直流電圧(DC24V)が供給される。スイッチング素子122は、トランス121の一次巻線に接続され、トランス121の一次巻線に供給される電流をON/OFFスイッチングする。
ダイオード124とコンデンサー125と抵抗126からなる回路は、トランス121の二次巻線に接続され、トランス121の一次巻線に流れる電流がスイッチング素子122のON/OFFスイッチングにより昇圧されることにより二次巻線から出力される負の交流電圧を整流、平滑して、所定の電圧、例えば−1kVを生成する。
図4に戻って転写出力モニター部83は、ダイオード131と、直列接続される抵抗132,133と、これらの抵抗132,133に対して並列接続されるコンデンサー134と、リミッタ回路135を備える。
抵抗132,133で分圧された電圧は、リミッタ回路135を介して出力端子8bから転写モニター電圧として転写電圧制御部55に出力される。
リミッタ回路135は、転写モニター電圧が所定値、ここでは転写電圧制御部55に設けられているアナログ/デジタル(A/D)変換回路(不図示)の電圧入力レンジの上限値であるV2を超えないように(V2で頭打ちになるように)、制限をかける回路であり、V2以下の電圧については制限をかけない。よって、V2以下の転写モニター電圧については、そのまま出力端子8bから出力される。
この電圧入力レンジα内で転写モニター電圧の検出時の分解能をできるだけ大きくとるべく、転写電圧の実使用範囲に相当する電圧範囲を検出可能範囲としており、この検出が可能なように抵抗132と133の分圧比が設計される。
トランス101の一次側に転写出力モニター部83を設けることにより、転写出力モニター部83の抵抗132,133を耐圧の小さいものを用いることができる。通常、耐圧が大きい抵抗素子ほどコスト高になるので、トランス101の二次側に設ける場合に高耐圧のものが必要になる構成に比べると、安価な抵抗素子を用いることが可能になる。
電流検出部84は、トランス121の二次巻線の負側のラインとDC+5V電源との間に介在される抵抗141を備え、ATVC制御時に出力端子8dに接続されている二次転写ローラー23や中間転写ベルト21などの負荷(以下、「外部負荷」という。)に流れる電流を抵抗141の両端間の電圧に変換して、変換した電圧を出力端子8eから電流値検出信号として転写電圧制御部55に出力する。
電流検出部84による電流値の検出と並行して、トランス101の二次側の出力電圧に比例した大きさの電圧が転写出力モニター部83で検出され、その検出電圧が出力端子8bから転写電圧制御部55に出力される。
目標の転写電圧の決定以降に実行されるプリントジョブにおける二次転写時には、転写電圧制御部55は、記憶部56に記憶されているデューティー比の転写PWMを高圧電源部80の入力端子8cに出力する。高圧電源部80は、入力された転写PWMのデューティー比に応じた電圧を出力端子8dから出力する。これにより二次転写時に目標の転写電圧が高圧電源部80の出力端子8dから出力され、二次転写ローラー23に印加される。
図5と図6は、プリント中における転写電圧と転写モニター電圧のタイミングチャートの例を示す図であり、図5は、高圧電源部80の正常時を示し、図6は、高圧電源部80の異常時を示している。また、図5と図6においてプリント動作の開始と同時に二次転写ローラー23のクリーニングが開始され、その後、1枚目の用紙Sの先端が二次転写位置29に到達するタイミングに同期して二次転写が開始される制御を示している。
<高圧電源部80が正常のとき>
図5に示すようにプリント開始から1枚目の用紙Sの先端が二次転写位置29に到達するまでの間には、転写電圧制御部55は、高圧電源部80に対して出力電圧がクリーニングバイアス電圧(ここでは−500V)になるように指示する。高圧電源部80が正常なので、高圧電源部80からクリーニングバイアス電圧として−500Vが出力される。これにより、二次転写ローラー23の表面がクリーニングされる。
転写電圧制御部55は、高圧電源部80に対して+4000Vの出力を指示しているが、転写出力電圧のグラフを見ると二次転写ローラー23に実際に印加される転写電圧が4000Vを中心に上下にある程度の幅で変動していることが判る。これは、主に二次転写ローラー23が1回転する間に二次転写ローラー23表面と中間転写ベルト21の表面との接触面積や接触圧が微小に変化することに起因する。二次転写ローラー23への印加電圧がオーバーシュートやアンダーシュートを繰り返し上下に変動し、例えば4000V程度であれば、その10%の+400V、−400Vの変動が起きることもある。
紙間では、用紙Sが二次転写位置29に存在せず、二次転写が実行されないので、転写電圧制御部55は、高圧電源部80に対して出力電圧が二次転写時の転写電圧(ここでは+4000V)よりも低い所定電圧(ここでは0V)になるように指示する。高圧電源部80が正常なので、高圧電源部80の出力電圧が0Vになる。これにより転写モニター電圧の出力値も0Vになる。
高圧電源部80が正常の場合、紙間では高圧電源部80の出力電圧が0Vになり、転写モニター電圧の出力値も0Vになるので、転写モニター電圧が閾値M(=3.0V)を超えることはない。高圧電源部80が正常であるので、操作部60に対する出力異常通知信号は、Lレベルのままになる。
一方で、二次転写時以外の紙間は、二次転写を行っていない期間であるから、二次転写時の指示電圧(第1転写電圧)を二次転写ローラー23に供給する必要はない。
この指示のときに高圧電源部80が正常であれば、指示通りの電圧(=0V)が高圧電源部80から出力され、転写モニター電圧も0Vになるはずである。一方で、高圧電源部80が異常であり最大出力可能電圧(=+6000V)が出力されているような場合には、指示にも関わらず、高圧電源部80からは最大出力可能電圧が出力されたままになり、転写モニター電圧の出力値も電圧入力レンジαの上限である3.3Vになる。
なお、上記に代えて、仮に紙間で第2転写電圧の大きさを第1転写電圧と同じとする場合、図7に示すように正常時でも紙間では転写モニター電圧が3.3Vまで上昇することがあり得るので(破線99で示す状態)、高圧電源部80が正常か異常かを判断できない。このことから、(紙間の第2転写電圧)<(二次転写時の第1転写電圧)の大小関係を満たすように、第2転写電圧の値が設定される。第2転写電圧の値は0Vに限られないが、できるだけ低い値が望ましい。閾値Mは、電圧入力レンジα内においてできるだけ高い値、例えばその上限値(実使用範囲の上限値の転写電圧が出力された場合における転写モニター電圧の値に相当)または上限値よりも所定量だけ低い値とすることが望ましい。
図8は、プリントジョブ実行中における高圧電源部の異常を判断する異常判断処理を示すフローチャートであり、転写電圧制御部55により実行される。
図8に示すようにプリントの開始を判断すると(ステップS1で「YES」)、転写電圧制御部55は、低圧電源部70から出力される直流電圧(DC24V)を高圧電源部80に供給させる(ステップS2)。この処理は、スイッチ75を導通(ON)させることにより行われる。そして、転写出力をONにする(ステップS3)。ここでは、以降のステップS5またはS7で転写出力設定が行われると転写出力が開始できるようにフラグをセットすることが行われる。
1枚目の用紙Sが二次転写位置29を通過したことを判断するまで、ステップS4〜S6の処理を繰り返し実行する。1枚目の用紙Sの後端が二次転写位置29を通過したことを判断すると(ステップS4で「NO」)、1枚目の用紙Sに対する二次転写が終了して、紙間に移行したとして、転写出力を紙間に設定して(ステップS7)、ステップS8に移る。ここで、転写出力が紙間とは、上記の第2転写電圧(=0V)を、出力すべき転写電圧に設定することを意味する。ステップS3で転写出力がONになっており、ステップS7で転写出力が設定されると、設定された転写出力、ここでは0Vの転写電圧の出力を高圧電源部80に指示する。具体的には、0Vの転写電圧に対応するデューティー比の転写PWMを高圧電源部80に出力する。
転写モニター電圧と閾値Mの大小関係の判断を例えば瞬時に行う方法をとるとしても良いし、転写モニター電圧≦閾値Mの関係を満たしている状態が所定時間以上継続した場合にだけ肯定的と判断し、所定時間内で1回でも転写モニター電圧>閾値Mの関係になった場合には否定的と判断する方法をとるとしても良い。転写モニター電圧波形がある程度の幅で上下に変動するような波形であれば、判断時間を長くとることが望ましい。
プリント終了ではなく(ステップS6で「NO」)、紙間の途中であることを判断すると(ステップS4で「NO」)、ステップS7で再度、転写出力を紙間に設定して、ステップS8に移る。紙間ではステップS4、S7、S8、S6の処理を繰り返し実行する。
そして、低圧電源部70から高圧電源部80へのDC24Vの電圧供給を停止させて(ステップS10)、当該異常判断処理を終了する。高圧電源部80への電圧供給の停止は、スイッチ75を非導通(OFF)させることにより行われる。
また、図8では、プリントジョブ実行中に紙間のタイミングに至る度に、高圧電源部80の異常発生の有無の判断(ステップS8)を行うとしたが、これに限られない。例えば、高圧電源部80の異常発生がジョブ実行途中に突発的に発生することが少ないような場合には、1回のプリントジョブにおいて1枚目の用紙Sと2枚目の用紙Sの紙間のときだけにステップS8の処理を行う構成をとることもできる。
また、ATVC制御における転写電圧の検出回路である転写出力モニター部83を、高圧電源部80の異常を判断するための回路に兼用することにより、新たな回路を設けることなく、安価に異常判断を行うことができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を考えることができる。
図1に示すように作像部10Y〜10Kごとに一次転写ローラー22は、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム11に対向配置されている。一次転写ローラー22に供給される一次転写電圧についてもATVC制御により最適な電圧が事前に決定されている。
図9は、プリントジョブ実行中におけるY色の一次転写用の電源部の異常を判断する異常判断処理を示すフローチャートであり、図8に示すフローチャートと同じ処理のステップについては同じ符号を付している。
ステップS3に続いて、ステップS20では転写出力を通紙前に設定する。この通紙前の設定とは、上記の紙間の設定に等しく、ここでは0Vである。
続いて、転写出力を通常に設定する(ステップS5)。これにより高圧電源部から一次転写ローラー22にATVC制御により決定された一次転写電圧が供給される。一次転写ローラー22への一次転写電圧の供給は、最後の用紙Sの通紙が完了するまで、具体的には最後の用紙Sが二次転写位置29を通過するまでの間に亘って継続される。
転写モニター電圧≦閾値M1の関係を満たしていることを判断すると(ステップS25で「YES」)、ステップS9、S10を経て、当該処理を終了する。
一方、転写モニター電圧≦閾値M1の関係を満たしていないことを判断すると(ステップS25で「NO」)、ステップS11に移る。これにより、通紙開始から通紙終了までの間に何らかの要因により発生した高圧電源部の異常を通紙終了時に判断できる。
(2)上記実施の形態では、高圧電源部80のトランス101の一次側に転写出力モニター部83を設ける構成例を説明したが、これに限られない。例えば、トランス101の二次側に転写出力モニター部83を設ける構成とすることも可能である。この構成では、高圧電源部80の出力端子8dから出力される電圧値を直接、検出することができる。
さらに、ATVC制御において高圧電源部80が定電流制御を行うとしたが、これに限られない。例えば、次のような構成を考えることもできる。
すなわち、高圧電源部80とは別に定電流源を設け、転写出力モニター部83を高圧電源部80とは独立して設ける。そして、ATVC制御のときには定電流源だけを二次転写ローラー23に接続して、定電流を二次転写ローラー23に供給して、そのときの二次転写ローラー23に印加されている電圧を転写出力モニター部83で検出する。定電流値と検出電圧値とから二次転写ローラー23の電気抵抗値を求め、求めた電気抵抗値に基づき最適な二次転写電圧を決める。
例えば、高圧電源部80が転写電圧の出力を行い、クリーニングバイアス電圧を別の電源部が行う構成とすることもできる。この構成では、高圧電源部80に第2高圧出力部82を備える必要がなくなり、第1高圧出力部81だけで転写電圧を出力することができる。また、トランス101の二次巻線112の正の出力電圧に負の電圧が重畳されることがなくなるので、トランス101の二次巻線112の出力電圧が出力端子8dの出力電圧に一致することになり、上記のような転写モニター電圧の補正処理が不要になって、それだけ処理負担の軽減を図れる。
さらに、転写部材として転写ローラーを使用した場合を例に説明したが、ローラーに限られず、例えばブラシ状のものなどを使用しても良い。また、高圧電源部80の回路構成が上記のものに限られないこともいうまでもない。さらに、リミッタ回路135が高圧電源部80に設けられる構成に限られず、転写電圧制御部55に設けられる構成でも良く、転写電圧制御部55の電圧入力レンジαが一定幅に制限される構成とすることができる。
11 感光体ドラム
21 中間転写ベルト
22 一次転写ローラー
23 二次転写ローラー
39 シートの搬送路
50 全体制御部
55 転写電圧制御部
56 記憶部
60 操作部
70 低圧電源部
75 スイッチ
80 高圧電源部
81 第1高圧出力部
82 第2高圧出力部
83 転写出力モニター部
84 電流検出部
101 トランス
111 一次巻線
112 二次巻線
135 リミッタ回路
M,M1 閾値
Claims (12)
- 転写部材に印加された転写電圧により生成される静電力により、像担持体上の画像を被転写体に転写する画像形成装置であって、
前記転写部材に供給する転写電圧を変更して出力可能な電源部と、
前記電源部の最大出力可能電圧の絶対値よりも低い所定値を上限とする所定の実使用範囲内で前記転写部材に印加されている転写電圧またはその指標値を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき前記転写部材に供給すべき目標の第1転写電圧を決め、以降の転写時に前記電源部に対して前記第1転写電圧の出力を指示する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記転写時以外の非転写時に前記電源部に対して、前記第1転写電圧よりも低い第2転写電圧の出力を指示した場合に、当該指示にも関わらず前記検出手段の検出値が所定の閾値よりも大きければ前記電源部の異常を判断することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記非転写時であり、前記第2転写電圧の出力指示とは別の期間に、前記電源部に対して、前記転写部材に一定の電流が流れたときの前記検出手段の検出結果に基づき前記第1転写電圧を決めるATVC制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記所定の閾値は、
前記実使用範囲の上限の転写電圧が出力された場合における前記検出手段の検出値と同じ値、または前記検出値よりも所定量だけ低い値であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記第2転写電圧は、0Vであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、
前記電源部の異常の判断を、前記検出手段の検出値が前記所定の閾値よりも大きい状態が所定時間以上継続した場合にだけ行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記電源部は、
別の電源から供給される電圧を昇圧して前記転写電圧を生成し、
前記制御手段は、
前記電源部の異常を判断すると、前記別の電源から前記電源部への電圧供給を遮断させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記別の電源から前記電源部への電圧供給路の途中に設けられ、当該電圧供給路を断続するスイッチを備え、
前記制御手段は、
前記電源部の異常を判断すると、前記スイッチをオフにして、前記電圧供給路を切断させることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記電源部の異常を判断すると、前記像担持体への画像形成を禁止させること、および前記電源部に異常が発生している旨を警告することの少なくとも一つを実行することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記電源部は、
一次巻線に入力された電圧を昇圧して二次巻線から出力するトランスを備え、
前記トランスの二次巻線の出力電圧に、これとは逆極性の電圧を重畳させた電圧を前記転写電圧として出力し、
前記検出手段は、
前記トランスの一次巻線に流れる電流を電圧変換したものを前記転写電圧の指標値として検出し、
前記制御手段は、
前記トランスの二次巻線の出力電圧が前記逆極性の電圧の重畳により変化する分だけ前記検出手段の検出値を補正した値を、前記転写電圧の指標値とみなすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 感光体から画像が中間転写体に一次転写され、前記中間転写体上の画像がシート上に二次転写位置で二次転写される中間転写方式の場合に、
前記像担持体は、前記中間転写体であり、
前記被転写体は、前記シートであり、
前記転写部材は、前記二次転写位置において前記シートの搬送路を挟んで前記中間転写体と対向配置される二次転写部材であり、
前記非転写時における前記第2転写電圧の出力指示は、
前記シートの先端が前記二次転写位置に到達する前の期間、前記シートの後端が前記二次転写位置を通過した以降の期間、および複数枚のシートが間隔をおいて1枚ずつ搬送される場合に先行のシートの後端が前記二次転写位置を通過後、次のシートの先端が前記二次転写位置に到達するまでの紙間の少なくとも一つの期間に実行されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - シート収容部からシートを1枚ずつ繰り出して搬送する給送部を備え、
感光体から画像が中間転写体に一次転写位置で一次転写され、前記中間転写体上の画像が、前記給送部により搬送されるシート上に二次転写位置で二次転写される中間転写方式の場合に、
前記像担持体は、前記感光体であり、
前記被転写体は、前記中間転写体であり、
前記転写部材は、前記一次転写位置において前記中間転写体を挟んで前記感光体と対向配置される一次転写部材であり、
前記一次転写は、前記給送部による1枚目のシートの繰り出し開始後に実行され、
前記非転写時における前記第2転写電圧の出力指示は、
前記給送部による1枚目のシートの繰り出し開始から前記給送部により最後に搬送されたシートの後端が前記二次転写位置を通過するまでの期間を除く期間に実行されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 感光体から画像がシート上に転写位置で転写される方式の場合に、
前記像担持体は、前記感光体であり、
前記被転写体は、前記シートであり、
前記転写部材は、前記シートの搬送路を挟んで前記感光体と対向配置され、
前記非転写時における前記第2転写電圧の出力指示は、
前記シートの先端が前記転写位置に到達する前の期間、前記シートの後端が前記転写位置を通過した以降の期間、および複数枚のシートが間隔をおいて1枚ずつ搬送される場合に先行のシートの後端が前記転写位置を通過後、次のシートの先端が前記転写位置に到達するまでの紙間の少なくとも一つの期間に実行されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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