JP2015167458A - モータ制御装置および画像形成装置 - Google Patents

モータ制御装置および画像形成装置 Download PDF

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Akinori Kimata
明則 木俣
斉 浅野
Hitoshi Asano
斉 浅野
隆史 渡辺
Takashi Watanabe
隆史 渡辺
吉村 和俊
Kazutoshi Yoshimura
和俊 吉村
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Abstract

【課題】DCブラシモータを安定的に回転させること。【解決手段】モータ制御装置10は、複数の整流子93と、各整流子が摺動し接触するブラシと、を含むDCブラシモータ9と、入力PWMパルスに基づき、DCブラシモータ9を駆動する駆動手段105と、DCブラシモータ9の駆動中、各整流子およびブラシによる転流時に発生しうる電気ノイズを検知する検知手段103と、CPU101と、を備える。CPU101は、検知手段103で検出された電気ノイズの発生タイミングが、DCブラシモータ9への通電オフ期間に入っているか否かを判断し、所定のPWM周波数を有するPWMパルスを生成する。ここで、CPU101は、判断結果に基づき、PWMパルスの位相をシフトさせることで、DCブラシモータ9への通電がオフとなるタイミングを電気ノイズが発生するタイミングに重ね、位相シフトしたPWMパルスを駆動手段105に出力する。【選択図】図4

Description

本発明は、DCブラシモータをPWM制御するモータ制御装置、および、それを備えた画像形成装置に関する。
周知の通り、画像形成装置には、様々な回転体(各種ローラ、感光体等)と、これら回転体の駆動源とが備わっている。駆動源としては、DCブラシモータ(ブラシ付きDCモータと呼ばれる場合もある)、または、DCブラシレスモータ等が例示される。DCモータの回転精度は、画像形成装置による印刷物の画質に影響を与えるため、その回転速度は、PI制御(Proportional−Integral control)またはPID制御(Proportional−Integral−Derivative control)等によりフィードバック制御される。
DCブラシモータは、小型で低コストの画像形成装置を製造する場合に多用される。DCブラシモータは、周知の通り、複数の整流子と、各整流子が摺動し接触するブラシとを有する。各整流子とブラシは機械式接点を構成するため、例えば、かかる接点部分で転流時に電気ノイズが発生する。この電気ノイズは、DCブラシモータの安定的な回転に影響を及ぼす。なお、ブラシモータにおける電気ノイズの低減手法は、例えば、下記特許文献1,2に記載されている。
特開2007−037374号公報 特開2002−218697号公報
上記に鑑み、本発明の目的は、DCブラシモータが安定的に回転可能なモータ制御装置、および、それを備えた画像形成装置を提供することである。
本発明の第一局面は、モータ制御装置であって、複数の整流子と、各前記整流子が摺動し接触するブラシと、を含むDCブラシモータと、入力PWMパルスに基づき、前記DCブラシモータを所定のPWM周波数で駆動する駆動手段と、前記DCブラシモータの駆動中、各前記整流子および前記ブラシによる転流時に発生しうる電気ノイズを検知する検知手段と、前記検知手段で検出された電気ノイズの発生タイミングが、前記DCブラシモータへの通電オフ期間に入っているか否かを判断する判断手段と、前記所定のPWM周波数を有するPWMパルスを生成するパルス生成手段と、前記判断手段の判断結果に基づき、前記パルス生成手段で生成されたPWMパルスの位相をシフトさせることで、前記DCブラシモータへの通電がオフとなるタイミングを前記電気ノイズが発生するタイミングに重ね、位相シフトしたPWMパルスを前記駆動手段に出力する位相シフト手段と、を備える。
本発明の第二局面は、上記モータ制御装置を備えた画像形成装置である。
上記各局面によれば、DCブラシモータが安定的に回転可能なモータ制御装置、および、それを備えた画像形成装置を提供することが可能となる。
実施形態のモータ制御装置を適用可能な画像形成装置の典型的な構成を示す図である。 図1の各回転体を回転させるDCブラシモータの構成を示す図である。 図2のDCブラシモータで発生する電気ノイズの発生メカニズムを示す図である。 実施形態に係るモータ制御装置の詳細な構成を示す図である。 図4のモータ制御装置の動作を示すフロー図である。 PWMパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを示す図である。 図4のモータ制御装置の作用・効果を示す図である。
《実施形態》
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置、これを備えた画像形成装置について詳説する。それに先立ち、図中および以下の説明において、参照符号の後に記載されたアルファベット小文字のa、b、c、dは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)を意味する添え字である。例えば、感光体ドラム51aは、イエロー用の感光体ドラム51を意味する。なお、以下の説明において、色を限定せずに単に感光体ドラム51と記載した場合、これは各色の感光体ドラム51を意味する。
《画像形成装置の構成・動作》
まず、図1を参照する。画像形成装置1は、例えば、複写機、プリンタまたはファクシミリ、もしくは、これらの機能を備えた複合機であって、例えば電子写真方式およびタンデム方式により、フルカラー画像をシートSh(例えば、用紙またはOHP用フィルム)に印刷する。かかる画像形成装置1には、大略的に、供給部2と、レジストローラ部3と、画像形成部4と、定着器6と、排出トレイ7と、制御回路基板8と、が備わっている。
供給部2は、大略的に、供給トレイと供給ローラ群とを含む。供給トレイは、未印刷のシートShが積載可能である。供給ローラ群は、制御回路8の制御下で回転して、供給トレイからシートShを一枚ずつピックアップする。このシートShは、供給部2から、図1中破線で示される搬送経路FPに送り出され、その後、搬送経路FP上をレジストローラ部3に向かって搬送される。
レジストローラ部3は、例えば2個1対のローラを含む。このローラ対は互いに当接してレジストニップを形成しており、制御回路8による制御下で回転可能に構成されている。このローラ対が停止中に、供給部2からのシートShはレジストニップに突き当たり一旦停止する。その後、ローラ対は、二次転写のために回転を開始して、シートShを二次転写領域(詳細は後述)に送り出す。
画像形成部4は、大略的に、作像ユニット41a〜41dと、露光装置42と、中間転写ベルト43と、駆動ローラ44と、従動ローラ45と、一次転写ローラ46a〜46dと、二次転写ローラ47と、を含む。
作像ユニット41a〜41dは、画像形成装置1のフレーム(図示せず)に左から右へと直線的に並ぶように取り付けられる。作像ユニット41aは、対応色の感光体ドラム51aを備える。感光体ドラム51aの周囲には、その回転方向(つまり、副走査方向)の上流側から下流側に向かって、少なくとも、帯電器52aと、現像器53aと、がこの順番で設けられている。同様に、作像ユニット41b〜41dも、感光体ドラム51b〜51dと、帯電器52b〜52dと、現像器53b〜53dと、を備えている。
画像形成部4において、帯電器52a〜52dは、典型的には、コロナ放電を利用した帯電器(コロトロンまたはスコロトロン)、もしくは近接放電を利用した帯電器(帯電ローラまたは帯電ブラシ)である。これら帯電器52a〜52dは、回転する感光体ドラム51a〜51dの周面を一様に帯電させる(帯電プロセス)。また、露光装置42は、典型的には、所謂レーザ走査方式またはLEDアレイ方式を用いることが可能である。露光装置42は、後述の制御回路8から、各色の画像データを受信すると、色毎の画像データで変調された光ビームBa〜Bdを生成する。そして、露光装置42は、帯電器52a〜52dにより帯電させられた感光体ドラム51a〜51dの周面に、対応色の光ビームを主走査方向に一ライン毎に順次走査する(露光プロセス)。以上の帯電・露光プロセスによって、感光体ドラム51a〜51dの周面には、対応色の静電潜像が形成される。
画像形成部4ではさらに、感光体ドラム51a〜51dに形成された静電潜像に対し、現像器53a〜53dが対応色のトナーを供給する(現像プロセス)。この現像プロセスにより、Y,M,C,Bk色のトナー像が感光体ドラム51a〜51dの周面上に形成される。ここで、以下の説明では、帯電プロセスから現像プロセスに至るまでを、画像形成プロセスという場合がある。
中間転写ベルト43は、自身の外周面が感光体ドラム51a〜51dの上端部分と接するように、駆動ローラ44と従動ローラ45との間に張り渡された無端状ベルトであって、矢印A1で示す方向に回転するよう構成されている。
一次転写ローラ46a〜46dは、中間転写ベルト43の外周面を押圧して、中間転写ベルト43の内周面を感光体ドラム51a〜51dに一定量押し込むように配置される。以下、中間転写ベルト43と感光体ドラム51a〜51dとが接触する部分を、一次転写領域と称する。また、各一次転写ローラ46a〜46dには、トナーとは逆極性の一次転写電圧が印加される。このような一次転写プロセスにより、感光体ドラム51a〜51d上のトナー像が中間転写ベルト43上に転写される。ここで、中間転写ベルト43や感光体ドラム51a〜51dの回転速度および配置等を適切に調整することで、各色のトナー像は中間転写ベルト43の外周面上の同一領域に順次転写され、これによって、フルカラーの合成トナー像が中間転写ベルト43上に形成される。このような合成トナー像は、中間転写ベルト43の回転により、中間転写ベルト43に担持されたまま、後述の二次転写領域まで搬送される。
二次転写ローラ47は、駆動ローラ44等により張架支持される中間転写ベルト43を挟んで横方向から駆動ローラ44と対向するよう配置されると共に、搬送経路FP上で中間転写ベルト43に押し込まれるように配置される。これによって、中間転写ベルト43と二次転写ローラ47とは二次転写領域を形成する。この二次転写領域には、レジストローラ部3からシートShが送り込まれる。また、この二次転写ローラ47には、二次転写電圧が印加される。中間転写ベルト43上の合成トナー像は、二次転写領域に送り込まれたシートSh上に転写される。シートShは、二次転写ニップから定着器6に向けて送り出される。
定着器6は、典型的には、互いに当接して定着ニップを形成する2個の回転体を含んでおり、定着ニップに送り込まれたシートShを、一方の回転体で加熱すると共に他方の回転体で加圧する。かかる定着プロセスにより、シートSh上の合成トナー像が定着させられる。このシートShは、印刷物Shとして、定着器6に対して搬送経路FPの下流側に設けられた排出トレイ7に排出される。
制御回路基板8は、CPU、不揮発性メモリおよびメインメモリを含んでおり、不揮発性メモリに格納されたプログラムをCPUがメインメモリを使って実行することで、画像形成装置1の構成各部を制御する。なお、このCPUおよび不揮発性メモリは、図4に示すCPU101および不揮発性メモリ102に対応する。
《モータ制御装置の構成》
上記の通り、画像形成装置1には、感光体ドラム51および各種ローラに代表される回転体が備わっている。各回転体の駆動源として、図2に示すようなDCブラシモータ(以下、単に、モータと略記する)9が画像形成装置1には備わる。このモータ9は、周知の通り、少なくとも1対の磁石(N極)および磁石(S極)を含む固定子91と、所定個数(例えば3個)のコイルを含む回転子92と、所定個数の整流子93と、例えば2個のブラシ94と、を備えている。
各整流子93は、円筒状の導電性材料を分割した複数の部分筒状体である。本実施形態では、整流子93の個数は3個として説明を続ける。各整流子93は互いに電気的に絶縁される。また、隣り合う2個の整流子93の一方および他方は、各コイルの一方端および他方端と電気的に接続される。
2個のブラシ94には、後述のモータ制御装置10から電源ライン103を介して、電源電圧をPWMパルスにてスイッチングした駆動電圧が供給される。2個のブラシ94は、常に、少なくとも2個の整流子93と接触しており、回転子92の回転中、駆動電圧が供給されると各コイルに電流を流す。
また、上記各整流子93は、図3にて矢印A2で示すように回転子92が回転すると、それに同期して回転する。かかる回転により、ブラシ94は、ある整流子93上を摺動し接触していた状態から、その隣の整流子93上を摺動し接触するようになる。これにより、これら整流子93と接続されたコイルに流れる電流の方向が変化する。かかる電流の流れる方向が変化することを、本実施形態では転流という。かかる転流に起因して、コイルを流れる電流には電気ノイズが重畳される。この電気ノイズは、整流子93およびブラシ94が接触する際に発生するスパーク、および/または、転流により生じる高周波電流等に起因する。
上記のような電気ノイズの影響を抑制すべく、モータ9の回転は、モータ制御装置10により制御される。このモータ制御装置10は、図4に示すように、制御回路基板8に実装されており、前述のCPU101および不揮発性メモリ102に加えて、電源ライン103と、ノイズ検知手段104と、スイッチング駆動手段105と、を備えている。
CPU101は、不揮発性メモリ102に格納されたプログラムをメインメモリを用いて実行する。これにより、CPU101は、回転数設定手段101A、PWM周波数演算手段101B、電気ノイズ識別手段101C、判断手段101D、PWMパルス生成手段101E、および、位相シフト手段101Fとして機能する。なお、都合上、図4には、メインメモリの図示を省略している。
電源ライン103は、大略的には、第一電源ラインと、第二電源ラインとを含んでいる。第一電源ラインは、図示しない電源回路と、モータ9の一方のブラシ94(図2を参照)とを電気的に接続する。また、第二電源ラインは、DCモータ9の他方のブラシ94と、スイッチング駆動手段105を構成するトランジスタのコレクタと接続される。
ノイズ検知手段104は、コンデンサおよび差動増幅器を少なくとも含む微分回路であって、電源ライン103に接続されている。かかるノイズ検知手段104は、電源ライン103上の信号における瞬時的なレベル変化を検出し、検出結果を示す信号(以下、単に、検出結果という)をCPU101に出力する。このレベル変化は、瞬時的なパルス状の電気ノイズの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジと、駆動電圧の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジにて発生する。
スイッチング駆動手段105はFETまたはトランジスタからなる。このトランジスタのコレクタは、上記の通り、電源ライン103と結線される。エミッタは接地される。また、トランジスタのベースには、CPU101からのPWMパルスが供給される。これにより、電源電圧がPWMパルスによりスイッチングされ、駆動電圧としてモータ9に供給される。
《モータ制御装置の動作》
モータ制御装置10の動作について、まず、モータ9のフィードバック制御を説明する。このフィードバック制御に関しては、周知であるが、本実施形態では、PID制御を例示する。PID制御では、モータ9の目標回転速度と、現在の回転速度との偏差に基づき、モータ9に供給すべき電力量(以下、投入電力量という)が制御される。かかる投入電力量は、PWMにより制御される。PWM制御の周波数は、一般的に、モータ9の電気的時定数の1/5以下に設定され、典型的には、数kHz〜数十kHzである。
上記の通り、モータ9では電気ノイズが発生する。ここで、モータ9の整流子数は予め定められているため、モータ9の回転速度が一定であれば、電気ノイズは基本的に一定周期で発生する。例えば、整流子数が3個でブラシ数が2個のモータ9が2500rpmで回転した場合では、一回転における電気ノイズの発生数と、その発生周期は、下記の通りとなる。
電気ノイズの発生数=3×2=6回
電気ノイズの発生周期=1/(6×2500/60)=4μs
以下、モータ9のPID制御および電気ノイズの影響抑制について、図5のフロー図を参照して説明する。
モータ制御装置10において、CPU101は、画像形成装置1の印刷開始前に、モータ9の駆動準備として、モータ9の回転数と、後述のS03で生成すべきPWMパルスの周期とを設定する(図5:S01,S02)。
より具体的には、回転数設定手段101Aは、不揮発性メモリ102に予め記憶された回転数の値を、CPU101のレジスタ(図示せず)に設定する(S01)。
また、PWM周波数演算手段101Bは、不揮発性メモリ102に予め記憶された整流子数と、S01の回転数を変換した回転周波数の値と、不揮発性メモリ102に予め記憶された係数(但し、整数)との積を、PWM周波数として演算する(S02)。
ここで、整流子数が3個で、回転周波数が41.67Hzで、係数が20の場合、PWM周波数は下記の通りとなる。
PWM周波数=3×41.67×20≒2.5kHz
次に、PWMパルス生成手段101Eは、PWMパルスのデューティ比を設定すると共に、設定されたデューティ比およびPWM周波数を有するPWMパルスを生成する(S03)。ここで、図6上段および下段に示すように、PWM周期は、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのいずれか一方を起点とする。かかるPWMパルスは、上記の通りトランジスタのベースに供給される。これにより、電源電圧がPWMパルスでスイッチングされて、モータ9に供給される。これにより、モータ9は回転を開始する。
次に、モータ9がS01で設定された回転数で安定的に回転するようになると(S04)、電気ノイズ識別手段101Cは、S05において、ノイズ検知手段104の検出結果を受け取る。この検出結果は、電源ライン103上の信号のエッジ位置にて所定の電圧レベルを有する。ここで、電気ノイズおよびPWMパルスの各電圧レベルには差がある。電気ノイズ識別手段101Cは、受け取った検出結果を所定の基準値と比較することで電気ノイズを抽出して、判断手段101Dに渡す(S05)。
次に、判断手段101Dは、S06において、例えば、受け取った電圧レベルから立ち下がりエッジ位置を特定すると共に、その直前のPWMパルスにおける立ち下がりエッジからの時間差を第一時間差として測定する。ここで、PWMパルスにおける立ち下がりエッジと立ち上がりエッジまでの第二時間差は既知の値であるため、判断手段101Dは、第一時間差が第二時間差よりも小さいか否かを判断する。なお、PWMパルスの立ち上がりエッジを基準として第一時間差を測定しても構わない。これにより、判断手段101Dは、電気ノイズがPWMパルスのオフ期間に入っているか否かを判断し、その判断結果を位相シフト手段101Fに渡す(S06)。
位相シフト手段101Fは、S07において、電気ノイズがPWMパルスのオフ期間に入っているか否かを判断する。S07にてYesと判断すると、図5の処理は終了する。それに対し、S07でNoと判断すると、位相シフト手段101Fは、S08において、現在のPWMパルスのオフ期間が、S05で特定された電気ノイズのエッジ位置と時間軸上でオーバーラップするように、PWMパルスの位相シフトを行う。より具体的には、図7に示すように、位相シフト手段101Fは、PWMパルスのPWM周波数を電気ノイズが発生する周波数の整数倍となるように調整する。その後、位相シフト手段101Fは、PWMパルスのオフ期間を、電気ノイズの発生タイミングとオーバーラップするように、PWMパルスの位相をシフトさせる。
《モータ制御装置の作用・効果》
以上のように、本モータ制御装置10は、電気ノイズの発生タイミングに、PWMパルスのオフ期間を合わせこんで、電気ノイズの発生タイミングにてモータ9への給電をオフにする。これにより、モータ9の回転ムラを抑制して、モータ9を安定的に回転させることが可能となる。以下、この技術的効果について詳説する。
図7上段に示すように、DCブラシモータでは転流に起因して電気ノイズが発生する。かかる電気ノイズがDCブラシモータの駆動電圧(つまり、PWMパルスのオン期間)に重畳されると、DCブラシモータの駆動電圧が変動するため、その回転が不安定になってしまう。
それに対し、本モータ制御装置10によれば、図7下段に示すように、PWMパルスの周波数を、電気ノイズの周波数の整数倍(図示は5倍)にすると共に、電気ノイズの発生タイミングにPWMパルスのオフ期間を合わせこむ。これにより、モータ9への駆動電圧の供給がオフの期間に転流が起こるため、電気ノイズが駆動電圧に重畳されることが無くなる。これにより、モータ9の駆動電圧の変動を抑制し、その回転を安定的にすることが可能となる。
また、本モータ制御装置10によれば、ノイズ検知手段104は、電源ライン103と接続されており、電源ライン103上の信号を微分し出力する。これにより、電気ノイズを簡単かつ効果的に検出することが可能となる。
また、本モータ制御装置10によれば、電気ノイズ識別手段101Cは、所定の基準値と比較することで、電気ノイズを簡単に抽出することが可能となる。
また、判断手段101Dは、PWMパルスの立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッジを基準とすることで、電気ノイズの位置を精度よく測定することが可能となる。
《第一変形例》
ところで、電気ノイズは、モータ9の構造、および/または、ブラシ94ならびに整流子93の摩耗状態にもよるが、概ね10μs〜20μsの間発生する。一方、例えばPWM周波数を約2.5kHzで、デューティ比を50%〜90%とすると、下記の通り、PWMパルスのオフ期間は約200μs〜40μsとなる。
デューティ比90%時:(1/2500Hz)×(1−0.9)=40μs
デューティ比50%時:(1/2500Hz)×(1−0.5)=200μs
上記のとおり、モータ9への通電オフ期間が電気ノイズの発生時間よりも短くならないように、PWMパルスのデューティ比を設定することが好ましい。これによれば、電気ノイズの発生時間よりもPWMパルスのオフ期間の方が大きいため、電気ノイズを全発生時間にわたってPWMパルスのオフ期間に合わせこむことが可能となる。よって、電気ノイズによるモータ9の回転ムラを抑えることが可能となる。
《第二変形例》
また、モータ9が瞬間的に過負荷状態になると、PID制御により、PWMパルスのデューティ比が瞬間的に大きくなることがある。仮に、PID制御により、PWM周波数が約2.5kHzの場合に、デューティ比が95%を超え、かつPWMパルスのオフ期間が20μs未満になったとしても、PWMパルスのオフ期間は20μsを優先することが好ましい。換言すると。PWMパルスのデューティ比の上限値を95%とすることが好ましい。
《第三変形例》
また、モータ9を連続的に駆動すると、モータ制御装置10の温度ドリフト等の要因で、モータ9の回転数が0.1%未満のレベルでシフトする可能性がある。このような現象により、電気ノイズの発生タイミングがPWMパルスのオン期間と重なり合ってしまった場合、電気ノイズの影響によりモータ9に回転ムラが生じる可能性がある。これに対処するため、モータ9の安定回転後、所定時間が経過するか、モータ9の総回転数が所定の基準値を超えると、図5のS05〜S08の処理が再度実行されることが好ましい。
本発明に係るモータ制御装置および画像形成装置は、DCブラシモータを安定的に回転させることが可能である、複写機、ファクシミリまたは印刷機、もしくはこれらの機能を備えた複合機等に好適である。
1 画像形成装置
9 DCブラシモータ
91 固定子
92 回転子
93 整流子
94 ブラシ
10 モータ制御装置
101 CPU
101A 回転数設定手段
101B PWM周波数演算手段
101C 電気ノイズ識別手段
101D 判断手段
101E PWMパルス生成手段
101F 位相シフト手段
103 電源ライン
104 ノイズ検知手段(微分回路)
105 スイッチング駆動手段

Claims (7)

  1. 複数の整流子と、各前記整流子が摺動し接触するブラシと、を含むDCブラシモータと、
    入力PWMパルスに基づき、前記DCブラシモータを所定のPWM周波数で駆動する駆動手段と、
    前記DCブラシモータの駆動中、各前記整流子および前記ブラシによる転流時に発生しうる電気ノイズを検知する検知手段と、
    前記検知手段で検出された電気ノイズの発生タイミングが、前記DCブラシモータへの通電オフ期間に入っているか否かを判断する判断手段と、
    前記所定のPWM周波数を有するPWMパルスを生成するパルス生成手段と、
    前記判断手段の判断結果に基づき、前記パルス生成手段で生成されたPWMパルスの位相をシフトさせることで、前記DCブラシモータへの通電がオフとなるタイミングを前記電気ノイズが発生するタイミングに重ね、位相シフトしたPWMパルスを前記駆動手段に出力する位相シフト手段と、を備えるモータ制御装置。
  2. 前記検知手段は、前記DCブラシモータへの電源ラインに接続された微分回路を含む、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記検知手段は、前記微分回路の出力信号を所定の基準値で比較することで、前記電気ノイズと、前記PWMパルスのエッジとを識別する、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記判断手段は、前記PWMパルスの立ち下がりエッジに対する、前記検知手段により識別された前記電気ノイズの時間差を測定し、測定結果に基づき、前記検知手段で検出された電気ノイズの発生タイミングが、前記DCブラシモータへの通電オフ期間に入っているか否かを判断する、請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記パルス生成手段は、前記DCブラシモータへの通電オフ期間が前記電気ノイズの発生時間よりも短くならないように、PWMパルスのデューティ比を設定する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 前記位相シフト手段は、前記測定手段で測定された時間差が変化した場合には、前記パルス生成手段で生成されたPWMパルス位相のシフト量を再調整して、前記DCブラシモータへの通電がオフとなるタイミングを、前記電気ノイズが発生するタイミングに重ね、位相シフト量を調整したPWMパルスを前記駆動手段に出力する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のモータ制御装置を備えた、画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017227737A (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置及びプログラム

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