JP2016161258A - 廃棄物処理方法および廃棄物処理装置 - Google Patents

廃棄物処理方法および廃棄物処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流動床部の温度を高めることなく溶融炉に流入するガスを高温状態に維持できる廃棄物処理方法および廃棄物処理装置を提供する。【解決手段】本廃棄物処理方法は、流動床部11の加熱媒体を上下方向に流動させる流動工程と、第1の廃棄物W1を流動床部11に供給する第1の廃棄物供給工程と、第1の廃棄物W1よりも高発熱量の第2の廃棄物W2を第1の廃棄物W1が供給される第1の領域E1とは水平方向において異なる領域である第2の領域E2に供給する第2の廃棄物供給工程と、第1,第2の廃棄物W1,W2から第1,第2のガスG1,G2を発生させるガス発生工程と、フリーボード部13内において第2のガスG2を着火させる第2のガス着火工程と、着火された第2のガスG1と第1のガスG1との混合ガスGを燃焼させる混合ガス燃焼工程と、燃焼させた混合ガスGを溶融炉60においてさらに燃焼させて灰分を溶融させる溶融工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物をガス化させるとともに当該ガス化した廃棄物から灰分を溶融させる廃棄物処理方法および廃棄物処理装置に関する。
従来、廃棄物をガス化し、当該ガス化した廃棄物から熱エネルギーを回収する廃棄物処理設備が知られている。この廃棄物処理設備には、例えば、廃棄物を加熱することによって当該廃棄物からガスを発生させるガス化炉と、当該ガスから熱エネルギーを回収する前に当該ガスを燃焼させることにより灰分を溶融させる溶融炉と、を備えた廃棄物処理装置が用いられる。
特許文献1には、前記ガス化炉として、加熱媒体から構成されており当該加熱媒体によって廃棄物を加熱する流動床部と、当該流動床部からのガスの上昇を許容するフリーボード部と、を有する流動床ガス化炉が記載されている。この流動床ガス化炉では、流動床部の下方から当該流動床部へ空気を供給することにより加熱媒体を流動させ、当該流動する加熱媒体上に廃棄物を投入することにより、当該廃棄物からガスを発生させて当該ガスをフリーボード部へ上昇させることができる。
また、特許文献1には、前記溶融炉として、流動床部からフリーボード部へ上昇したガスが流入する燃焼室を有する溶融炉が記載されている。この溶融炉では、前記流動床ガス化炉において発生したガスを燃焼室において燃焼させることにより、当該ガス中の灰分を溶融させることができる。
特開2000−249317号公報
溶融炉において前記ガスから効率よく灰分を溶融させるためには、当該溶融炉に流入するガスの温度を高温状態に維持する必要がある。溶融炉に流入するガスの温度を高温状態に維持するためには、例えば流動床部の温度を高く設定することが考えられるが、流動床部の温度が高すぎると、当該流動床部上に大きな塊の廃棄物が供給された際に、当該塊が急激にガス化することによりフリーボード部内の圧力が急激に上昇してしまう可能性があるため、流動床部の温度を所定値以上に高くすることは困難である。
本発明は、上記の観点からなされたものであり、その目的は、流動床部の温度を高めることなく溶融炉に流入するガスを高温状態に維持できる廃棄物処理方法および廃棄物処理装置を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決する手段として、フリーボード部から溶融炉に流入するガスを事前に着火させることにより、当該ガスの温度を高めることに想到した。
上記の手段としては、例えばガスが溶融炉に流入する前にフリーボード部内において当該ガスに対して空気を供給することが考えられるが、廃棄物の発熱量が小さい場合、当該廃棄物から発生したガスに対して空気を供給したとしても当該ガスが着火しない虞があり、溶融炉に流入するガスを高温状態に維持できない可能性がある。
廃棄物から発生したガスをフリーボード部内において安定して着火させるためには、例えば、フリーボード部内を通過するガスの発熱量を当該フリーボード部内における所定箇所において局所的に高め、当該フリーボード部内の所定箇所に空気を供給することにより、高発熱量のガスを確実に着火させることが考えられる。
その一方で、本発明者は、流動床部の下方から当該流動床部に空気が供給されることにより加熱媒体が上下方向に攪拌されるように流動する場合に、流動床部上に供給された廃棄物の水平方向の動きは、当該廃棄物の上下方向の動きに比べて小さいため、流動床部のうち水平方向における所定の領域に廃棄物が積載された際に当該廃棄物の大部分が前記領域においてガス化する点に着目した。
本発明者は、このような観点からなされたものであり、廃棄物を低発熱量の第1の廃棄物と高発熱量の第2の廃棄物とに分類し、第1供給口を通じて第1の廃棄物を流動床部上に供給するとともに第2供給口を通じて第2の廃棄物を流動床部上における前記第1の廃棄物が供給される領域とは異なる領域に供給することにより、流動床部上において第1の廃棄物と第2の廃棄物とを個別にガス化させ、高発熱量の第2の廃棄物から発生したガスに対して空気を供給することにより着火させるとともに、当該着火させたガスと低発熱量の第1の廃棄物から発生したガスとの混合ガスを燃焼させることにより当該混合ガスを高温状態とすることを骨子とする。
具体的に、本発明に係る廃棄物処理方法は、加熱媒体によって構成される流動床部および当該流動床部の上方に位置するフリーボード部を有する流動床炉において、前記流動床部の下方から当該流動床部に空気を供給することにより前記加熱媒体を上下方向に流動させる流動工程と、第1の廃棄物を前記流動床部に供給する第1の廃棄物供給工程と、前記第1の廃棄物の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物を、前記流動床部のうち前記第1の廃棄物供給工程において前記第1の廃棄物が供給される領域とは水平方向において異なる領域に供給する第2の廃棄物供給工程と、前記第1の廃棄物供給工程および前記第2の廃棄物供給工程において前記流動床部に供給された前記第1の廃棄物および前記第2の廃棄物を上下方向に流動する前記加熱媒体によって加熱することにより、前記第1の廃棄物から第1のガスを発生させるとともに前記第2の廃棄物から第2のガスを発生させ、これにより前記第1のガスおよび前記第2のガスを前記フリーボード部へ上昇させるガス発生工程と、前記ガス発生工程において前記フリーボード部へ上昇した前記第2のガスに空気を供給することにより当該フリーボード部内において当該第2のガスを着火させる第2のガス着火行程と、前記ガス発生工程において前記フリーボード部へ上昇した前記第1のガスと前記第2のガス着火工程において着火された前記第2のガスとの混合ガスに空気を供給することにより、前記フリーボード部内において前記混合ガスを燃焼させる混合ガス燃焼工程と、前記混合ガス燃焼工程において燃焼させた前記混合ガスを前記フリーボード部から溶融炉へ流入させ、当該溶融炉においてさらに燃焼させることにより当該混合ガス中の灰分を溶融させる溶融工程と、を備える。
上記の廃棄物処理方法では、第1,第2の廃棄物供給工程において、低発熱量の第1の廃棄物と高発熱量の第2の廃棄物とを流動床部上における互いに異なる領域にそれぞれ供給し、ガス発生工程において、第1の廃棄物から第1のガスを発生させるとともに第2の廃棄物から第2のガスを発生させ、第2のガス着火工程において、フリーボード部内の第2のガスに空気を供給することにより、当該第2のガスを安定して着火させることができるとともに、混合ガス燃焼工程において、前記着火させた第2のガスとフリーボード部へ上昇した第1のガスとの混合ガスに空気を供給することにより、当該混合ガスを燃焼させて高温状態とすることができる。従って、流動床部の温度を高めることなく溶融炉に流入するガスを高温状態に維持しながら廃棄処理すべき第1の廃棄物および第2の廃棄物の双方の廃棄物を処理することができる。
本発明に係る廃棄物処理装置は、加熱媒体によって構成されており当該加熱媒体によって廃棄物を加熱することにより当該廃棄物をガス化させる流動床部、および前記流動床部からの前記ガス化した廃棄物の上昇を許容する空間を形成するフリーボード部を有する流動床炉と、前記加熱媒体を上下に流動させるように前記流動床部の下方から当該流動床部に空気を供給する押込空気供給装置と、前記フリーボード部内を通過する前記ガス化した廃棄物を燃焼させるために前記フリーボード部内に空気を供給する燃焼空気供給装置と、前記フリーボード部を通じて前記流動床炉から排出される前記ガス化した廃棄物を受け入れて当該ガス化した廃棄物を燃焼させることにより当該ガス化した廃棄物中の灰分を溶融させる溶融炉と、を備え、前記流動床炉は、第1の廃棄物を前記流動床部上に導く第1供給口と、前記第1の廃棄物の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物を前記流動床部上に導く第2供給口と、を有しており、前記第2供給口は、前記第1の廃棄物と前記第2の廃棄物とが前記流動床部上における異なる領域に供給されるように、水平方向において前記第1供給口とは離間して設けられており、前記フリーボード部は、前記第1供給口よりも前記第2供給口に近い側に位置する空気供給口を有しており、前記燃焼空気供給装置は、前記流動床部にてガス化された前記第2の廃棄物に対して前記空気供給口を通じて空気を供給することにより当該ガス化された第2の廃棄物を着火させる着火用空気供給部と、前記着火用空気供給部によって着火された前記ガス化された第2の廃棄物と前記流動床部にてガス化された前記第1の廃棄物との混合ガスに対して空気を供給することにより当該混合ガスを燃焼させる燃焼用空気供給部と、を含む。
上記の廃棄物処理装置では、低発熱量の第1の廃棄物と高発熱量の第2の廃棄物とが第1供給口と第2供給口とを通じて上下に流動する加熱媒体によって構成される流動床部上の異なる領域にそれぞれ供給されることにより、当該流動床部上において第1の廃棄物と第2の廃棄物とが個別にガス化されるため、フリーボード部へ上昇したガス化された第2の廃棄物に対して着火用空気供給部から空気が供給されることにより当該ガス化した第2の廃棄物が安定して着火されるとともに、当該着火された第2の廃棄物のガスと流動床部にてガス化された第1の廃棄物のガスとの混合ガスに対して燃焼用空気供給部から空気が供給されることにより当該混合ガスを高温状態とすることができる。従って、流動床部の温度を高めることなく溶融炉に流入するガスを高温状態に維持しながら、廃棄処理装置において処理されるべき第1の廃棄物および第2の廃棄物の双方の廃棄物を処理することができる。
前記第1供給口と前記第2供給口とは、水平方向において互いに対向するように配置されることが好ましい。
上記の廃棄物処理装置では、第1供給口と第2供給口とを水平方向において対向するように配置することにより、流動床部上において第1供給口から第1の廃棄物が供給される領域と第2供給口から第2の廃棄物が供給される領域との離間距離を大きくすることができ、これによって流動床部においてガス化された第2の廃棄物をより安定して着火させることができる。
前記空気供給口は、鉛直方向において前記第2供給口よりも下方に設けられていることが好ましい。
上記の廃棄物処理装置では、鉛直方向において空気供給口が第2供給口よりも下方に設けられているため、流動床部においてガス化された第1の廃棄物に対して、当該流動床部11においてガス化された第2の廃棄物が十分に混入される前に、当該ガス化された第2のガスに対して空気が供給され、これにより当該ガス化された第2のガスを安定して着火させることができる。
前記着火用空気供給部および前記燃焼用空気供給部は、同一の前記空気供給口に接続されており、当該空気供給口を通じて前記フリーボード部内に前記ガス化された第2の廃棄物を着火させるとともに前記混合ガスを燃焼させるための空気を供給することが好ましい。
上記の廃棄物処理装置では、フリーボード部に対して着火用空気供給部が繋がる空気供給口と燃焼用空気供給部が繋がる空気供給口とを個別に設ける必要がないため、当該フリーボード部を簡易な構成とすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、流動床部の温度を高めることなく溶融炉に流入するガスを高温状態に維持できる廃棄物処理方法および廃棄物処理装置が提供される。
本実施形態に係る廃棄物処理装置の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る流動床炉のフリーボード部の鉛直方向に直交する方向における断面を示す。 本実施形態に係る流動床炉のフリーボード部の鉛直方向に直交する方向における断面を示しており、図2とは異なる高さ位置の断面を示す。 本実施形態に係る廃棄物処理装置の変形例を示した図であって、図1と同様に、当該排気処理装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下では、本発明に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法の一実施形態のうち、主要な部材および主要な工程のみを簡略化して説明する。したがって、本発明に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法は、本明細書にて特に言及しない任意の構成部材および任意の工程を備え得る。
図1には、本実施形態に係る廃棄物処理装置X1を示す。廃棄物処理装置X1は、例えばクレーン等によって運搬された各種の廃棄物を燃焼処理する装置である。
廃棄物処理装置X1は、当該廃棄物処理装置X1にて処理されるべき廃棄物のうち、低発熱量の第1の廃棄物W1と、当該第1の廃棄物W1の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物W2とが、それぞれ異なる箇所から投入される1つの流動床炉ユニット40を備えている。
第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とは、例えば、廃棄物処理装置X1が設置された施設に搬送される廃棄物から事前に分離されるとともに、当該施設において個別に保管され、必要に応じて流動床炉ユニット40における異なる2つの箇所から個別に投入される。これにより、流動床炉ユニット40では、第1,第2の廃棄物W1のそれぞれから第1,第2のガスG1,G2が個別に発生する。
さらに、廃棄物処理装置X1は、流動床炉ユニット40の所定箇所に空気を供給する空気供給ユニット50を備えている。
廃棄物処理装置X1では、流動床炉ユニット40内で第2の廃棄物W2から発生した第2のガスG2に対して空気供給ユニット50から空気を供給することにより当該第2のガスG2を着火させ、これにより流動床炉ユニット40内において混合される第1のガスG1と第2のガスG2との混合ガスGを高温状態に維持する。
以下では、図1を参照しながら、流動床炉ユニット40および空気供給ユニット50の詳細な構成について説明する。
流動床炉ユニット40は、第1の廃棄物W1と当該第1の廃棄物W1の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物W2とを所定の箇所に搬送するとともに、当該第1,第2の廃棄物W1,W2を加熱し、これにより第1のガスG1と当該第1のガスG1の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2のガスG2を発生させる。流動床炉ユニット40は、流動床炉10と、当該流動床炉10へ第1の廃棄物W1を搬送する第1の廃棄物搬送装置20と、当該流動床炉10へ第2の廃棄物W2を搬送する第2の廃棄物搬送装置30と、を有している。
第1の廃棄物搬送装置20は、第1の廃棄物W1を流動床炉10に搬送する。第1の廃棄物搬送装置20は、例えば廃棄物を貯留可能な貯留器と、当該貯留器に繋がるケーシングと、当該ケーシング内に設置されたスクリューコンベアと、を有している。第1の廃棄物搬送装置20の貯留器には、廃棄物処理装置X1にて処理されるべき廃棄物のうち低発熱量の第1の廃棄物W1が投入され、当該投入された第1の廃棄物W1は、ケーシング内のスクリューコンベアの回転に伴って流動床炉10へと搬送される。
第2の廃棄物搬送装置30は、第2の廃棄物W2を流動床炉10に搬送する。第2の廃棄物搬送装置30は、例えば第1の廃棄物搬送装置20と同様に、貯留器と、ケーシングと、スクリューコンベアと、を有している。第2の廃棄物搬送装置30の貯留器に投入された第2の廃棄物W2は、ケーシング内のスクリューコンベアの回転に伴って流動床炉10へと搬送される。
流動床炉10は、流動床式のガス化炉であって、流動する加熱媒体上に搬送された第1,第2の廃棄物W1,W2を当該加熱媒体によって加熱することにより、第1,第2のガスG1,G2を発生させる。流動床炉10は、流動床部11と、押込空気供給部12と、フリーボード部13と、を有している。
流動床部11は、加熱媒体によって構成されており、当該加熱媒体によって第1,第2の廃棄物W1,W2を加熱することにより、第1,第2のガスG1,G2を発生させる。
押込空気供給部12は、後述する空気供給ユニット50から供給される空気を流動床部11へと導く。押込空気供給部12は、流動床部11の下方に位置している。空気供給ユニット50から押込空気供給部12に流入した空気は、流動床部11の下方から当該流動床部11に供給され、これにより当該流動床部11を構成する加熱媒体が上下に攪拌されるように流動する。
フリーボード部13は、流動床部11において加熱された第1,第2の廃棄物W1,W2から発生した第1,第2のガスG1,G2を二次燃焼させるための空間を形成する。フリーボード部13は、流動床部11から前記空間への第1,第2のガスG1,G2の上昇を許容するように、流動床部11の上方に位置している。フリーボード部13は、円筒状をなす側壁と、当該側壁を鉛直方向の上方から覆う上壁と、を含んでいる。
ここで、流動床炉10は、第1の廃棄物W1を流動床部11上に導く第1供給口13aと、第2の廃棄物W2を流動床部11上に導く第2供給口13bと、を有しており、当該第1,第2供給口13a,13bを通じて第1,第2の廃棄物W1,W2が流動床部11上の異なる領域に供給されることにより、第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とが個別にガス化する。
以下では、図1に加えて図2を参照しながら、第1供給口13aおよび第2供給口13bについて詳細に説明する。
第1供給口13aは、第1の廃棄物搬送装置20によって搬送された第1の廃棄物W1を流動床部11上に導く。第1供給口13aは、フリーボード部13の側壁を貫通するように設けられている。第1の廃棄物搬送装置20によって搬送された第1の廃棄物W1は、第1供給口13aを通じてフリーボード部13によって形成される空間に流入し、流動床部11上に落下する。これにより、流動床部11上に落下した第1の廃棄物W1は、図2に示すように、流動床部11上における第1供給口13aの近傍の領域である第1の領域E1に供給される。
第2供給口13bは、第2の廃棄物搬送装置30によって搬送された第2の廃棄物W2を流動床部11上に導く。第2供給口13bは、フリーボード部13の側壁を貫通するように設けられている。第2の廃棄物搬送装置30によって搬送された第2の廃棄物W2は、第2供給口13bを通じてフリーボード部13によって形成される空間に流入し、流動床部11上に落下する。これにより、流動床部11上に落下した第2の廃棄物W2は、図2に示すように、流動床部11上における第2供給口13bの近傍の領域であって第1の領域E1とは水平方向において異なる領域である第2の領域E2に供給される。本実施形態では、第2供給口13bを通じて流動床部11上に供給される第2の廃棄物W2の供給量は、第1供給口13aを通じて流動床部11上に供給される第1の廃棄物W1の供給量に比して少ない。このため、第2の領域E2の面積は、第1の領域E1の面積よりも小さい。
ところで、流動床部11の加熱媒体は、流動床部11の下方から当該流動床部11に空気が供給されることにより、上下に流動しているため、流動床部11上の第1の領域E1に供給された第1の廃棄物W1は、当該第1の領域E1から水平方向に大きく移動することなくガス化されるとともに、流動床部11上の第2の領域E2に供給された第2の廃棄物W2は、当該第2の領域E2から水平方向に大きく移動することなくガス化される。
そこで、第1供給口13aと第2供給口13bとは、流動床部11上に供給された第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とが当該流動床部11上においてガス化される前に十分に混ざり合うことがない程度に第1の領域E1と第2の領域E2とが水平方向においてずれて位置するように、当該水平方向において互いに離間して配置されている。本実施形態では、第1供給口13aと第2供給口13bとは、水平方向において互いに対向するように配置されている。
このように、流動床炉ユニット40は、第1供給口13aを通じて流動床部11上に供給された第1の廃棄物W1の大部分を第1の領域E1においてガス化することにより第2供給口13bよりも第1供給口13a側において第1のガスG1を発生させるとともに、第2供給口13bを通じて流動床部11上に供給された第2の廃棄物W2の大部分を第2の領域E2においてガス化することにより第1供給口13aよりも第2供給口13b側において第2のガスG2が発生させ、これにより第1のガスG1と第2のガスG2とを個別に流動床部11上からフリーボード部13へと上昇させる。
空気供給ユニット50は、流動床炉10の所定箇所に空気を供給するユニットであって、本発明に係る廃棄物処理装置における押込空気供給装置および燃焼空気供給装置として機能する。具体的には、空気供給ユニット50は、流動床部11を構成する加熱媒体を上下に流動させる機能、および流動床部11からフリーボード部13へ上昇した第2のガスG2を着火させる機能を有している。
空気供給ユニット50は、空気供給部51と、空気供給配管52と、を有している。
空気供給部51は、例えば送風機等によって構成されており、空気を送出する。
空気供給配管52は、空気供給部51によって送出された空気を流動床炉10の所定箇所に導く。空気供給配管52は、空気供給部51に繋がる幹部52aと、当該幹部52aから分岐する第1枝部52b、第2枝部52c、および第3枝部52dと、を有している。
第1,第2枝部52b,52cは、空気供給部51から送出される空気を流動床炉10の押込空気供給部12に導く。第1,第2枝部52b,52cは、当該第1,第2枝部52b,52cを通じて押込空気供給部12に流入した空気が加熱媒体を上下に流動させるように流動床部11の下方から当該流動床部11に供給されるように、押込空気供給部12に繋がっている。本実施形態では、空気供給ユニット50のうち、空気供給部51、空気供給配管52の幹部52a、第1枝部52b、および第2枝部52cが、本発明に係る押込空気供給装置として機能する。
第3枝部52dは、空気供給部51から送出される空気を流動床炉10のフリーボード部13内に導くことによって、当該フリーボード部13内における第2のガスG2に対して空気を供給し、これにより当該第2のガスG2を着火させるとともに、当該着火させた第2のガスG2と流動床部11から上昇した第1のガスG1との混合ガスGに対して空気を供給し、これにより当該混合ガスGを燃焼させる。このため、本実施形態では、空気供給ユニット50のうち、空気供給部51、空気供給配管52の幹部52a、および第3枝部52dが、本発明に係る燃焼空気供給装置の着火用空気供給部および燃焼用空気供給部として機能する。すなわち、本実施形態では、本発明に係る着火用空気供給部と燃焼用空気供給部とが同一の空気供給ユニット50によって構成されている。
ここで、第3枝部52dは、以下のようにして、流動床炉10のフリーボード部13に繋がっている。
まず、流動床炉10のフリーボード部13は、空気供給部51から送出される空気をフリーボード部13内へ導く空気供給口13eを有している。空気供給口13eは、フリーボード部13の側壁を貫通するように設けられている。フリーボード部13の空気供給口13eは、第1供給口13aよりも第2供給口13bに近い側に位置している。空気供給口13eは、流動床部11から上昇した第1のガスG1と第2のガスG2とがフリーボード部13内において十分に混合されない程度の高さ位置に設けられている。本実施形態では、空気供給口13eは、鉛直方向において第2供給口13bに重なるように、当該第2供給口13bの下方に位置している。
そして、第3枝部52dは、図3に示すように、第2供給口13bを通じてフリーボード部13内に空気を導くように、当該第2供給口13bに繋がっている。本実施形態では、鉛直方向において空気供給口13eと第2供給口13bとが重なっているため、空気供給部51から第3枝部52dへ送出された空気は、空気供給口13eを通じて、フリーボード部13内における第2の領域E2の上方の空間に流入する。これにより、流動床部11上の第2の領域E2から当該第2の領域E2の上方の空間へと上昇した第2のガスG2に空気が供給され、第2のガスG2が着火される。
このように、廃棄物処理装置X1では、フリーボード部13内において、第1のガスG1と第2のガスG2とが十分に混合される前に、空気供給口13eを通じて空気供給部51からフリーボード部13内に流入する空気が、第2のガスG2に供給されることにより、当該第2のガスG2が着火される。そして、前記着火された第2のガスG2と第1のガスG1との混合ガスGが、空気供給口13eを通じてフリーボード部13内へとさらに流入する空気によって燃焼される。これにより、フリーボード部13内において第1のガスG1と第2のガスG2との混合ガスGが高温状態に維持される。
ここで、廃棄物処理装置X1は、前記混合ガスGを燃焼処理するための溶融炉60と、流動床炉10のフリーボード部13内の前記混合ガスGを溶融炉60へと排出させる排出配管70と、をさらに備えている。
以下では、図1を参照しつつ、溶融炉60および排出配管70の構成について説明する。
溶融炉60は、第1のガスG1と第2のガスG2との混合ガスGに空気を供給して燃焼処理することにより、当該混合ガスG中の灰分を溶融させるとともに、当該混合ガスG中の可燃性ガスを加熱する。溶融炉60は、燃焼部61と、当該燃焼部61に繋がるスラグ排出部62と、当該スラグ排出部62から排ガスを排出させるガス排出部63と、を有している。
燃焼部61は、混合ガスGの燃焼処理を行う。燃焼部61は、鉛直方向に延びる円筒状をなしている。燃焼部61の上端は、閉口している。また、燃焼部61の下端は、スラグ排出部62に繋がっている。
燃焼部61には、流動床炉10のフリーボード部13内から排出配管70を通じて排出された混合ガスGが流入する。この排出配管70は、以下のようにして、流動床炉10のフリーボード部13と溶融炉60の燃焼部61とを繋ぐことにより、フリーボード部13内の混合ガスGを燃焼部61内へ排出させる。
まず、流動床炉10におけるフリーボード部13は、当該フリーボード部13内の混合ガスGを当該フリーボード部13から排出させる排出口13fをさらに有している。排出口13fは、フリーボード部13の上壁の一部を貫通するように設けられており、鉛直方向において第1供給口13a、第2供給口13b、および空気供給口13eよりも上方に位置している。
また、溶融炉60における燃焼部61は、フリーボード部13内の混合ガスGを燃焼部61内に流入させる流入口61aを有している。流入口61aは、鉛直方向においてフリーボード部13の排出口13fよりも上方に位置している。
そして、排出配管70は、空気供給口13eの近傍にて燃焼されることにより高温状態となった混合ガスGが、当該排出配管70を通じて排出口13fから流入口61aへと流入することを許容するように、当該排出口13fと流入口61aとを繋いでいる。これにより、フリーボード部13内において高温状態となった混合ガスGが燃焼部61へ排出される。
スラグ排出部62は、燃焼部61において燃焼処理された混合ガスGから溶融された灰分であるスラグを溶融炉60内から排出させる。スラグ排出部62は、燃焼部61の下端に繋がっており、当該燃焼部61の下端から斜め下方に向かって延びている。また、スラグ排出部62は、当該スラグ排出部62の下端側にスラグ排出口62aを有している。燃焼部61における混合ガスGの燃焼処理によって生じたスラグは、自重に従って燃焼部61の下端からスラグ排出部62の内壁を滑り落ち、スラグ排出口62aを通じて溶融炉60内から排出される。
ガス排出部63は、燃焼部61において燃焼処理された混合ガスG中における排ガスを溶融炉60内から排出させる。ガス排出部63は、スラグ排出部62の下端に繋がっており、当該スラグ排出部62の下端から斜め上方に向かって延びている。燃焼部61において燃焼処理された混合ガスGにおける排ガスは、スラグ排出部62を通じてガス排出部63へ上昇し、当該ガス排出部63を通じて溶融炉60内から排出される。溶融炉60から排出された前記排ガスは、例えば廃棄物処理装置X1の外部に設置された熱回収装置に供給され、当該熱回収装置において前記排ガスの熱エネルギーが回収される。
以上説明した廃棄物処理装置X1によれば、流動床炉10において低発熱量の第1の廃棄物W1から第1のガスG1を発生させるとともに高発熱量の第2の廃棄物W2から第2のガスG2を発生させ、当該第2のガスG2を着火させるとともに、当該着火させた第2のガスG2と第1のガスG1との混合ガスGを燃焼させることにより、当該混合ガスGを高温状態とし、当該高温状態の混合ガスGを溶融炉60においてさらに燃焼処理させることができる。廃棄物処理装置X1によれば、以下の工程を含む廃棄物処理方法が実現される。
1)廃棄物分類工程
この工程では、廃棄物処理装置X1が設置された施設に廃棄物を搬送する前に、当該廃棄物を第1の廃棄物W1と当該第1の廃棄物W1の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物W2とに分類する。第1の廃棄物W1は、例えば一般収集ゴミ等の比較的低発熱量の廃棄物とし、第2の廃棄物W2は、例えば破砕粗大ゴミ、一般持込みゴミ、下水汚泥乾燥物、木質チップ、あるいは事業系持込みゴミ等の比較的高発熱量の廃棄物とする。第2の廃棄物W2の発熱量は、後述する第2のガス着火工程において第2のガスG2を安定して着火させることができるように、2500〜5000kcal/kgに設定することが好ましい。そして、第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とに分類された廃棄物を廃棄物処理装置X1が設置された施設に搬送し、当該施設において個別に保管する。
なお、本実施形態では、廃棄物を第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とに分類した状態で廃棄物処理装置X1が設置された施設に搬送したが、これに限らない。例えば、廃棄物処理装置X1が設置された施設に搬送された廃棄物を当該施設において第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とに分類してもよい。また、比較的高発熱量の廃棄物系バイオマス等を外部の施設から購入することにより、当該バイオマス等を第2の廃棄物W2として利用してもよい。
2)流動工程
この工程では、流動床部11の下方から当該流動床部11に対して空気を供給することにより、流動床部11を構成する加熱媒体を上下に流動させる。具体的には、空気供給ユニット50の空気供給部51を駆動することにより、空気供給配管52の幹部52aおよび第1,第2枝部52b、52cを通じて押込空気供給部12へ空気を流入させることにより、当該押込空気供給部12を通じて流動床部11へ空気を供給し、これにより加熱媒体を上下に流動させる。
3)第1の廃棄物供給工程
この工程では、以下のようにして、第1の廃棄物W1を流動床部11上の第1の領域E1に供給する。
まず、第1の廃棄物搬送装置20に第1の廃棄物W1を投入することにより、当該第1の廃棄物W1を流動床炉10の第1供給口13aに向けて搬送する。そして、第1の廃棄物搬送装置20によって搬送された第1の廃棄物W1を、第1供給口13aを通じてフリーボード部13内に流入させることにより、流動床部11上における第1供給口13aの近傍に位置する第1の領域E1に落下させる。このようにして、流動床部11上の第1の領域E1に対して第1の廃棄物W1を供給する。
4)第2の廃棄物供給工程
この工程では、以下のようにして、第2の廃棄物W2を流動床部11上の水平方向において第1の領域E1とは異なる領域である第2の領域E2に供給する。
まず、第2の廃棄物搬送装置30に第2の廃棄物W2を投入することにより、当該第2の廃棄物W2を流動床炉10の第2供給口13bに向けて搬送する。そして、第2の廃棄物搬送装置30によって搬送された第2の廃棄物W2を、第2供給口13bを通じてフリーボード部13内に流入させることにより、流動床部11上における第2供給口13bの近傍に位置する第2の領域E2に落下させる。このようにして、水平方向において第1の領域E1とは異なる領域である第2の領域E2に対して第2の廃棄物W2を供給する。
5)ガス発生工程
この工程では、流動床部11上において第1,第2の廃棄物W1,W2を加熱することにより、第1廃棄物W1から第1のガスG1を発生させるとともに、第2の廃棄物W2から第1のガスG1の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2のガスG2を発生させる。具体的には、前記流動工程において上下に流動させた加熱媒体によって第1の領域E1に供給された第1の廃棄物W1および第2の領域E2に供給された第2の廃棄物W2をそれぞれ加熱することにより、第1の領域E1において第1の廃棄物W1の大部分をガス化させて当該第1の領域E1の上方の空間へと上昇させるとともに、第2の領域E2において第2の廃棄物W2の大部分をガス化させて当該第2の領域E2の上方の空間へと上昇させる。
6)第2のガス着火工程
この工程では、以下のようにして、前記ガス発生工程において第2の廃棄物W2から発生した第2のガスG2をフリーボード部13内において着火させる。
まず、空気供給部51を駆動することによって、空気供給配管52の幹部52aおよび第3枝部52dを通じてフリーボード部13内の第2のガスG2に空気を供給することにより、当該第2のガスG2を着火させる。具体的には、第1の廃棄物W1が供給される第1供給口13aよりも第2の廃棄物W2が供給される第2供給口13bに近い側に設けられた空気供給口13eを通じて、空気供給部51の空気を第2の領域E2の上方の空間に流入させることにより、第2の領域E2から当該空間へと上昇した第2のガスG2に対して空気を供給し、これにより第2のガスG2を着火させる。
7)混合ガス燃焼工程
この工程では、以下のようにして、第1のガスG1と第2のガスG2との混合ガスGをフリーボード部13内において燃焼させる。
具体的には、フリーボード部13内において着火させた第2のガスG2と流動床部11からフリーボード部13へと上昇した第1のガスG1との混合ガスGに対して、空気供給部51から空気供給配管52の第3枝部52dを通じて空気を供給することにより、当該混合ガスGを燃焼させる。
本実施形態では、混合ガスGを燃焼させるための空気は、前記第2のガス着火工程における第2のガスG2を着火させるための空気と同様に、空気供給部51から空気供給口13eを通じてフリーボード部13内に供給する空気である。このため、空気供給部51から空気供給口13eを通じてフリーボード部13内に送出される空気量は、前記第2のガス着火工程において第2のガスG2を安定して着火させることができるとともに、当該着火させた第2のガスG2と第1のガスG1との混合ガスGを十分に燃焼させることができる程度に調整される。
8)溶融工程
この工程では、前記混合ガス燃焼工程において高温状態となった混合ガスGを燃焼させることにより、当該混合ガスG中の灰分を溶融させる。
具体的には、まず、フリーボード部13内において燃焼させることにより高温状態となった混合ガスGを、排出配管70を通じて溶融炉60の燃焼部61へ排出させる。そして、当該排出された混合ガスGを燃焼部61において燃焼処理することにより、当該混合ガスG中の灰分を溶融させる。そして、混合ガスG中から溶融された灰分によって構成されるスラグをスラグ排出部62のスラグ排出口62aを通じて溶融炉60から排出させる。一方、混合ガスG中から灰分を溶融させた後のガスについては、ガス排出部63を通じて溶融炉60から排出させ、これにより例えば廃棄物処理装置X1の外部において当該ガスから熱エネルギーを回収する。
以上のようにして、本実施形態に係る廃棄物処理方法が実現される。
このように、本実施形態に係る廃棄物処理方法では、第1,第2の廃棄物供給工程において低発熱量の第1の廃棄物W1と高発熱量の第2の廃棄物W2とを流動床部11上における互いに異なる領域である第1,第2の領域E1,E2にそれぞれ供給することにより、ガス発生工程において第1のガスG1と第2のガスG2とを個別に発生させ、第2のガス着火工程においてフリーボード部13内における高発熱量の第2のガスG2に空気を供給することにより、当該第2のガスG2を安定して着火させることができるとともに、混合ガス燃焼工程において、前記着火させた第2のガスG2とフリーボード部13へ上昇した第1のガスG1との混合ガスGに空気を供給することにより、当該混合ガスGを燃焼させて高温状態とすることができる。従って、流動床部11の温度を高めることなく溶融炉60に流入する混合ガスGを高温状態に維持しながら、廃棄処理すべき第1の廃棄物W1および第2の廃棄物W2の双方の廃棄物を処理することができる。
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置X1では、低発熱量の第1の廃棄物W1と高発熱量の第2の廃棄物W2とが、第1供給口13aと当該第1供給口13aとは水平方向において離間した第2供給口13bとを通じて、上下に流動する加熱媒体によって構成される流動床部11上の異なる領域である第1,第2の領域E1,E2にそれぞれ供給されることにより、当該流動床部11上において第1の廃棄物W1と第2の廃棄物W2とが個別にガス化されるため、第2の廃棄物W2から発生した第2のガスG2に対して空気供給部51から空気を供給することにより当該第2のガスG2を安定して着火させることができるとともに、当該着火させた第2のガスG2と第1のガスG1との混合ガスGに対して空気供給ユニット50から空気を供給することにより当該混合ガスGを高温状態とすることができる。従って、流動床部11の温度を高めることなく溶融炉60に流入する混合ガスGを高温状態に維持しながら、廃棄物処理装置X1において処理されるべき第1の廃棄物W1および第2の廃棄物W2の双方の廃棄物を処理することができる。
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置X1では、第1供給口13aと第2供給口13bとが水平方向において対向して配置されているため、第1供給口13aを通じて第1の廃棄物W1が供給される第1の領域E1と第2供給口13bを通じて第2の廃棄物W2が供給される第2の領域E2との離間距離を大きくすることができ、これによって第2の領域E2から上昇する第2のガスG2をより安定して着火させることができる。
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置X1では、鉛直方向において空気供給口13eが第2供給口13bよりも下方に設けられているため、流動床部11から第1,第2のガスG1,G2が上昇するに際して当該第1のガスG1と第2のガスG2とが十分に混合される前に、第2のガスG2に対して空気か供給され、これにより第2のガスG2を安定して着火させることができる。
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置X1では、フリーボード部13に対して、第2のガスG2を着火させるための空気が導入される空気供給口と混合ガスGを燃焼させるための燃焼用空気が導入される空気供給口とを個別に設ける必要がないため、当該フリーボード部13を簡易な構成とすることができる。
なお、上記の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記の実施形態では、水平方向における異なる領域である第1の領域E1および第2の領域E2について、第1の領域E1の全体と第2の領域E2の全体とが互いに離間している例について説明したが、これに限らない。第1の領域E1と第2の領域E2とは、第1のガスG1と第2のガスG2とが十分に混合される前に当該第2のガスG2に対して空気を供給することができる程度に水平方向にずれていればよく、当該第1の領域E1の一部と第2の領域E2の一部とが互いに重なっていてもよい。
また、上記の実施形態では、鉛直方向において第2供給口13bと空気供給口13eとが互いに重なっているが、これに限らず、第2の領域E2から上昇した第2のガスG2に対して当該空気供給口13eを通じて空気が供給されることにより、当該第2のガスG2が安定して着火されるのであれば、第2供給口13bと空気供給口13eとがフリーボード部13の周方向においてずれるように配置されてもよい。
また、上記の実施形態では、空気供給口13eは、鉛直方向において第2供給口13bよりも下方に設けられているが、これに限らない。空気供給口13eは、第1供給口13aよりも第2供給口13bに近い側に設けられることにより、第1のガスG1と第2のガスG2とが十分に混合される前に当該第2のガスG2を着火させることができるとともに当該着火させた第2のガスG2と第1のガスG1との混合ガスGを燃焼させることができるようにフリーボード部13内に空気を供給できるのであれば、その配置は特に限定されない。
例えば、空気供給口13eは、図4に示す変形例のように、第2供給口13bと同一の供給口によって構成されていてもよく、この場合であっても空気供給口13eが第1供給口13aよりも第2供給口13bに近い側に位置する例に該当する。
図4に示す変形例では、フリーボード部13には、上記の実施形態において個別に形成された空気供給口13eおよび第2供給口13bに代えて、一つの供給口13gが形成されており、当該供給口13gが空気供給口13eおよび第2供給口13bとして機能する。具体的に、供給口13gには、第2の廃棄物搬送装置30および空気供給配管52の第3枝部52dが繋がっており、これにより供給口13gを通じて第2の廃棄物W2が流動床部11上に供給されるとともに空気がフリーボード部13内の第2のガスG2に供給される。ここで、供給口13gは、流動床部11から上昇した第1のガスG1と第2のガスG2とがフリーボード部13内において十分に混合されない程度の高さ位置に設けられている。このため、第2のガスG2は、供給口13gを通じて当該第2のガスG2の供給された空気によって安定して着火される。
また、上記の実施形態では、本発明に係る着火用空気供給部および燃焼用空気供給部の機能が単一の空気供給ユニット50によって実現されており、第2のガスG2の着火用の空気と混合ガスGの燃焼用の空気とが同一の空気供給口13eを通じてフリーボード部13内に供給されているが、これに限らない。着火用空気供給部と燃焼用空気供給部とを個別に設けてもよいし、着火用の空気が導入される空気供給口と燃焼用の空気が導入される空気供給口とをフリーボード部13における互いに離間した位置に形成してもよい。具体的には、例えば、着火用空気供給部がフリーボード部13の空気供給口13eに接続されることにより、当該空気供給口13eを通じてフリーボード部13内に第2のガスG2の着火用の空気を供給するとともに、燃焼用空気供給部がフリーボード部13における空気供給口13eよりも上方に形成された空気供給口に接続されることにより、当該空気供給口を通じてフリーボード部13内に混合ガスGの燃焼用の空気を供給してもよい。
E1 第1の領域
E2 第2の領域
G 混合ガス
G1 第1のガス
G2 第2のガス
W1 第1の廃棄物
W2 第2の廃棄物
X1 廃棄物処理装置
10 流動床炉
12 流動床部
13 フリーボード部
13a 第1供給口
13b 第2供給口
13e 空気供給口
13g 供給口(第2供給口、空気供給口)
50 空気供給ユニット(押込空気供給装置、燃焼空気供給装置)
60 溶融炉

Claims (5)

  1. 加熱媒体によって構成される流動床部および当該流動床部の上方に位置するフリーボード部を有する流動床炉において、前記流動床部の下方から当該流動床部に空気を供給することにより前記加熱媒体を上下方向に流動させる流動工程と、
    第1の廃棄物を前記流動床部に供給する第1の廃棄物供給工程と、
    前記第1の廃棄物の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物を、前記流動床部のうち前記第1の廃棄物供給工程において前記第1の廃棄物が供給される領域とは水平方向において異なる領域に供給する第2の廃棄物供給工程と、
    前記第1の廃棄物供給工程および前記第2の廃棄物供給工程において前記流動床部に供給された前記第1の廃棄物および前記第2の廃棄物を上下方向に流動する前記加熱媒体によって加熱することにより、前記第1の廃棄物から第1のガスを発生させるとともに前記第2の廃棄物から第2のガスを発生させ、これにより前記第1のガスおよび前記第2のガスを前記フリーボード部へ上昇させるガス発生工程と、
    前記ガス発生工程において前記フリーボード部へ上昇した前記第2のガスに空気を供給することにより、前記フリーボード部内において当該第2のガスを着火させる第2のガス着火行程と、
    前記ガス発生工程において前記フリーボード部へ上昇した前記第1のガスと前記第2のガス着火工程において着火された前記第2のガスとの混合ガスに空気を供給することにより、前記フリーボード部内において前記混合ガスを燃焼させる混合ガス燃焼工程と、
    前記混合ガス燃焼工程において燃焼させた前記混合ガスを前記フリーボード部から溶融炉へ流入させ、当該溶融炉においてさらに燃焼させることにより当該混合ガス中の灰分を溶融させる溶融工程と、を備える廃棄物処理方法。
  2. 加熱媒体によって構成されており当該加熱媒体によって廃棄物を加熱することにより当該廃棄物をガス化させるガス流動床部、および前記流動床部からの前記ガス化した廃棄物の上昇を許容する空間を形成するフリーボード部を有する流動床炉と、
    前記加熱媒体を上下に流動させるように前記流動床部の下方から当該流動床部に空気を供給する押込空気供給装置と、
    前記フリーボード部内を通過する前記ガス化した廃棄物を燃焼させるために前記フリーボード部内に空気を供給する燃焼空気供給装置と、
    前記フリーボード部を通じて前記流動床炉から排出される前記ガス化した廃棄物を受け入れて当該ガス化した廃棄物を燃焼させることにより当該ガス化した廃棄物中の灰分を溶融させる溶融炉と、を備え、
    前記流動床炉は、第1の廃棄物を前記流動床部上に導く第1供給口と、前記第1の廃棄物の発熱量よりも大きい発熱量を有する第2の廃棄物を前記流動床部上に導く第2供給口と、を有しており、
    前記第2供給口は、前記第1の廃棄物と前記第2の廃棄物とが前記流動床部上における異なる領域に供給されるように、水平方向において前記第1供給口とは離間して設けられており、
    前記フリーボード部は、前記第1供給口よりも前記第2供給口に近い側に位置する空気供給口を有しており、
    前記燃焼空気供給装置は、前記流動床部にてガス化された前記第2の廃棄物に対して前記空気供給口を通じて空気を供給することにより当該ガス化された第2の廃棄物を着火させる着火用空気供給部と、前記着火用空気供給部によって着火された前記ガス化された第2の廃棄物と前記流動床部にてガス化された前記第1の廃棄物との混合ガスに対して空気を供給することにより当該混合ガスを燃焼させる燃焼用空気供給部と、を含む廃棄物処理装置。
  3. 前記第1供給口と前記第2供給口とは、水平方向において互いに対向するように配置される、請求項2に記載の廃棄物処理装置。
  4. 前記空気供給口は、鉛直方向において前記第2供給口よりも下方に設けられている、請求項2または3に記載の廃棄物処理装置。
  5. 前記着火用空気供給部および前記燃焼用空気供給部は、同一の前記空気供給口に接続されており、当該空気供給口を通じて前記フリーボード部内に前記ガス化された第2の廃棄物を着火させるとともに前記混合ガスを燃焼させるための空気を供給する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の廃棄物処理装置。
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