JP2016160759A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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了介 福山
Ryosuke Fukuyama
了介 福山
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Abstract

【課題】小流量時と大流量時との双方に好適に対応可能な遠心圧縮機を提供すること。
【解決手段】遠心圧縮機10は、流体が吸入されるハウジング11と、回転することによってハウジング11内に吸入された流体を圧縮するインペラ22とを備えている。ハウジング11は、インペラ22が収容されたインペラ室26と、インペラ22によって圧縮された流体が吐出される吐出室41とを有している。ここで、ハウジング11は、インペラ室26と吐出室41とを連通させるものとして、第1ディフューザ流路30と、当該第1ディフューザ流路30よりも流路断面積が小さい第2ディフューザ流路50とを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、遠心圧縮機に関する。
従来から、回転することによって、ハウジング内に吸入される流体を圧縮するインペラを備えた遠心圧縮機が知られている(例えば特許文献1参照)。ハウジングは、例えばインペラが収容されたインペラ室と、ディフューザ流路を介して連通している吐出室とを有している。インペラによって圧縮された流体は、ディフューザ流路を通過することによって更に圧縮されて、吐出室に流入する。
特開平05−60097号公報
ここで、例えば要求される最大吐出流量に対応させて、ディフューザ流路の流路断面積等が設定される場合、比較的大きな吐出流量が要求される場合である大流量時には、好適に対応できる一方、比較的小さな吐出流量が要求される場合である小流量時には、サージ現象が発生して正常に運転できない場合が生じたり、効率が低下したりする場合がある。
これに対して、例えば特許文献1に示すように、流体を循環させることによりインペラに吸入される流量を増加させるケージングトリートメントを採用することも考えられる。しかしながら、ケージングトリートメントは、その特性上、効率は向上しない。
以上のことから、小流量時と大流量時との双方に対応するための構成には未だ改善の余地がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は小流量時と大流量時との双方に好適に対応可能な遠心圧縮機を提供することである。
上記目的を達成する遠心圧縮機は、流体が吸入されるハウジングと、回転することによって、前記流体を圧縮するインペラと、を備え、前記ハウジングは、前記インペラが収容されたインペラ室と、前記インペラによって圧縮された流体が流入する吐出室と、前記インペラ室と前記吐出室とを連通させる第1ディフューザ流路と、前記インペラ室と前記吐出室とを連通させるものであって、前記第1ディフューザ流路よりも流路断面積が小さい第2ディフューザ流路と、を有し、前記遠心圧縮機は、前記第1ディフューザ流路を介する流体の通過を規制可能な第1規制部と、前記第2ディフューザ流路を介する流体の通過を規制可能な第2規制部とを有する切替部を備え、当該切替部は、前記両規制部によって、前記第2ディフューザ流路よりも前記第1ディフューザ流路に優先的に流体が流れる第1状態と、前記第1ディフューザ流路よりも前記第2ディフューザ流路に優先的に流体が流れる第2状態と、に切り替わることを特徴とする。
かかる構成によれば、切替部の状態を切り替えることにより、優先的に流体が通過するディフューザ流路を、第1ディフューザ流路又は第2ディフューザ流路に切り替えることができる。これにより、例えば大流量時には切替部を第1状態にすることにより、優先的に第2ディフューザ流路よりも流路断面積が大きい第1ディフューザ流路を介して流体を通過させることができ、それを通じて大流量時に好適に対応できる。一方、例えば小流量時には切替部を第2状態にすることにより、優先的に第1ディフューザ流路よりも流路断面積が小さい第2ディフューザ流路を介して流体を通過させることができ、それを通じて小流量時に好適に対応できる。よって、大流量時及び小流量時の双方に好適に対応できる。
上記遠心圧縮機について、前記第1規制部は、前記切替部が前記第2状態である場合、前記第1ディフューザ流路の最小流路断面積が、前記第2ディフューザ流路の最小流路断面積よりも小さくなるように前記第1ディフューザ流路を介する流体の通過を規制するとよい。これにより、切替部が第2状態である場合には、優先的に第2ディフューザ流路に流体を流すことができる。
上記遠心圧縮機について、前記第1規制部は、前記第1ディフューザ流路に出没可能であり、前記第2規制部は、前記第2ディフューザ流路に出没可能であり、前記第1状態とは、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に対して没入し、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に突出して当該第2ディフューザ流路を介する流体の通過が規制された状態であり、前記第2状態とは、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に突出して当該第1ディフューザ流路を介する流体の通過が規制され、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に対して没入している状態であるとよい。かかる構成によれば、第1規制部が第1ディフューザ流路に出没することによって、第1ディフューザ流路を介する流体の通過を制御することができ、第2規制部が第2ディフューザ流路に出没することによって、第2ディフューザ流路を介する流体の通過を制御することができる。これにより、両規制部の位置制御によって、大流量時及び小流量時の双方に好適に対応できる。
上記遠心圧縮機について、前記切替部は、前記第1状態に対応した第1位置と、前記第2状態に対応した第2位置との間を移動可能であり、前記第1規制部と前記第2規制部とは、前記切替部が前記第1位置に配置されている場合には、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に対して没入し、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に突出して当該第2ディフューザ流路を介する流体の通過が規制される一方、前記切替部が前記第2位置に配置されている場合には、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に突出して当該第1ディフューザ流路を介する流体の通過が規制され、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に対して没入するように、互いの相対位置が規定された状態で連結されているとよい。かかる構成によれば、両規制部は、一方の規制部が突出している場合には他方の規制部が没入しているように相対位置が規定された状態で連結されているため、両規制部の双方が突出したり没入したりすることを回避できる。これにより、誤動作の抑制を図ることができる。また、両規制部を個別に制御する必要がないため、制御の容易化を図ることができる。
上記遠心圧縮機について、前記第1ディフューザ流路及び前記第2ディフューザ流路の双方は、位置に応じて流路断面積が変化する流路であり、前記第2ディフューザ流路の最小流路断面積が前記第1ディフューザ流路の最小流路断面積よりも小さく設定されているとよい。かかる構成によれば、両ディフューザ流路は、位置に応じて流路断面積が変化する流路であるため、両ディフューザ流路の設計の自由度の向上を図ることができる。また、この場合であっても、第2ディフューザ流路の最小流路断面積が第1ディフューザ流路の最小流路断面積よりも小さく設定されているため、上述した効果を得ることができる。よって、大流量時及び小流量時の双方に好適に対応可能としつつ、両ディフューザ流路の設計の自由度の向上を図ることができる。
上記遠心圧縮機について、前記インペラは、基端部から、前記基端部よりも前記流体の吸入側に配置された先端部に向けて縮径した形状であり、前記第2ディフューザ流路における前記インペラ室と連通する流入口は、前記インペラ室を区画するものであって前記インペラの側方に対向する区画側壁面のうち、前記インペラの前記先端部と前記基端部との中間部位に対向する位置に設けられているとよい。かかる構成によれば、切替部が第2状態である場合には、インペラ室に吸入された流体は、第2ディフューザ流路の流入口を介して第2ディフューザ流路に流れ込み、第2ディフューザ流路を通って吐出室に流れる。当該流入口は、区画側壁面のうちインペラの中間部位に対向する位置に設けられている。この場合、インペラにおける先端部から中間部位までの部分が流体の圧縮に用いられることとなるため、インペラの先端部から基端部までの全体が用いられる場合と比較して、インペラの効率の向上を図ることができる。これにより、小流量時における効率の向上を図ることができる。
上記遠心圧縮機について、前記第1ディフューザ流路は、前記インペラの回転軸線方向に互いに対向配置された第1対向壁面及び第2対向壁面によって囲まれた流路であり、前記第2対向壁面よりも前記インペラの先端側に配置されている前記第1対向壁面と、前記区画側壁面とは滑らかに連続しており、前記第2ディフューザ流路は、互いに対向配置された第3対向壁面及び第4対向壁面によって囲まれた流路であり、前記第2ディフューザ流路は、前記流入口から前記吐出室側に向かうに従って、前記第3対向壁面及び前記第4対向壁面の対向距離が徐々に短くなる絞り領域を有しているとよい。第1ディフューザ流路を区画する第1対向壁面と区画側壁面とが滑らかに連続している構成においては、インペラ室の流体は第1ディフューザ流路に円滑に流れ込みやすい。一方、第2ディフューザ流路の流入口は、区画側壁面における途中位置、詳細にはインペラの中間部位と対向する位置に設けられているため、流体が流れ込みにくい場合がある。これに対して、本構成によれば、第2ディフューザ流路に絞り領域が設けられていることにより、最小流路断面積を小さくしつつ、第2ディフューザ流路の流入口を大きくすることができるため、流体を第2ディフューザ流路に流れ込み易くすることができる。
上記遠心圧縮機について、前記第2ディフューザ流路の流路長は、前記第1ディフューザ流路の流路長よりも短いとよい。かかる構成によれば、第2ディフューザ流路の流路長が第1ディフューザ流路の流路長よりも短くなっているため、小流量時における効率の向上を図ることができる。
この発明によれば、小流量時と大流量時との双方に好適に対応できる。
遠心圧縮機の主要な部分を模式的に示す断面図。 図1の一部拡大図。 切替部の斜視図。 (a)は切替部が第1位置に場合の断面図であり、(b)は切替部が第2位置にある場合の断面図。 別例の第2ディフューザ流路を示す一部断面図。 別例の第2ディフューザ流路を示す一部断面図。
以下、遠心圧縮機の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、遠心圧縮機は、燃料電池を有する燃料電池車両に搭載されており、燃料電池に対して空気を供給する空気供給装置に用いられる。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、その外郭を構成するものであって流体(例えば空気)が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11を備えている。ハウジング11は、例えば互いに組み付けられた2つのパーツ12,13を有している。フロントパーツ12は、例えば軸線方向に貫通したフロント貫通孔12aを有する円筒形状のフロント本体部12bを備えている。リアパーツ13は、略円板形状である。フロントパーツ12とリアパーツ13とは、フロント本体部12bの軸線とリアパーツ13の軸線とが一致する状態で組み付けられている。
フロントパーツ12は、フロント本体部12bにおけるリアパーツ13側とは反対側の面12baから突出形成されたボス12cを有している。ボス12cは、フロント本体部12bのフロント貫通孔12aの周縁部から立設している。吸入口11aは、ボス12cによって形成された開口であり、フロント貫通孔12aと連通している。流体は、吸入口11aからハウジング11内(詳細にはフロント貫通孔12a内)に流入する。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、回転軸21と、当該回転軸21に取り付けられたインペラ22とを備えている。回転軸21は、回転可能な状態でハウジング11に支持されている。リアパーツ13の中央部には、回転軸21よりも一回り大きいリア貫通孔13aが形成されている。回転軸21は、その軸線方向Zがリアパーツ13の軸線方向と一致した状態でリア貫通孔13aに挿通されており、その一部は、リア貫通孔13aを介して、フロント貫通孔12a内に突出している。なお、両パーツ12,13の軸線及び両貫通孔12a,13aの軸線と、回転軸21の軸線とは一致している。また、インペラ22の回転軸線と回転軸21の軸線とは一致している。このため、回転軸21の軸線方向Zとは、インペラ22の回転軸線方向とも言える。
回転軸21とリア貫通孔13aの内面との間には、回転軸21が回転可能な状態で回転軸21とリア貫通孔13aとの空間を埋めるシール部材23が設けられている。当該シール部材23によって、リアパーツ13の吸入口11a側と、吸入口11a側とは反対側との間の流体の移動が規制されている。なお、図示は省略するが、リアパーツ13よりも吸入口11a側とは反対側には、回転軸21を軸支する機構等が設けられている。
インペラ22は、回転軸21と一体的に回転するものであって、その回転軸線方向の基端部22aから先端部22bに向けて縮径した形状である。インペラ22は、インペラ22の回転軸線方向に延び、且つ、回転軸21が挿通可能な挿通孔22cを有している。インペラ22は、回転軸21におけるフロント貫通孔12a内に突出している部分が挿通孔22cに挿通された状態で、取り付けられている。この場合、インペラ22は、フロント貫通孔12a内に配置されており、フロント貫通孔12aの内壁面24と、リアパーツ13におけるインペラ22の基端部22aと対向する基端対向面25とによって区画されたインペラ室26に収容されている。つまり、ハウジング11は、インペラ22が収容されたインペラ室26を有している。インペラ室26と吸入口11aとは連通しており、インペラ22は、その先端部22bが基端部22aよりも吸入口11a側に配置された状態でインペラ室26に収容されている。
図2に示すように、インペラ22は、例えばオープンインペラであって、基端部22a、先端部22b及び挿通孔22cを構成する本体部22dと、本体部22dの表面に設けられた複数の羽根22eとを有している。
本体部22dの表面は、先端部22bから基端部22aに向かうに従って、回転軸21の径方向Rの外側へ向けて湾曲している。
羽根22eは、本体部22dから回転軸21の径方向Rに延びており、軸線方向Zに対して螺旋状となっている。この場合、インペラ22が回転した場合には、羽根22eの側面(回転軸21の径方向Rにおける先端面)によって、仮想的に周方向に延びたインペラ22の側面22fが形成される。すなわち、羽根22eの側面がインペラ22の側面22fを構成する。なお、図示の都合上、各図においては、羽根22eを簡略化して示す。
図2に示すように、インペラ22の側面22fは、円筒面形状の第1インペラ側面22faと、第1インペラ側面22faよりも拡径された円筒面形状の第2インペラ側面22fbと、両インペラ側面22fa,22fbの双方と連続するテーパ形状の中間インペラ側面22fcとを有している。
フロント貫通孔12aは、インペラ22の形状に対応させて形成されている。詳細には、フロント貫通孔12aは、吸入口11a側の開口から途中位置(中間インペラ側面22fcと対向する位置)までは吸入口11aと同一径であり、当該途中位置からリアパーツ13側の開口に向かうに従って徐々に拡径した形状となっている。換言すれば、インペラ室26を構成するフロント貫通孔12aの内壁面24は、吸入口11a側に配置されているものであって吸入口11aと同一径の円筒面24aと、当該円筒面24aと滑らかに連続するとともに円筒面24aよりもリアパーツ13側に配置され、リアパーツ13に向かうに従って拡径した湾曲面24bとを有する。湾曲面24bは、インペラ22の先端側から基端側に向かうに従って回転軸21の径方向Rの外側に向けて湾曲した面とも言える。
かかる構成において、吸入口11a及び円筒面24aの径は、第1インペラ側面22faよりも一回り大きい径であり、湾曲面24bの拡径態様(湾曲態様)は、中間インペラ側面22fcの拡径態様(湾曲態様)と同一である。すなわち、インペラ室26は、インペラ22よりも一回り大きな円錐台形状となっている。
そして、インペラ22がインペラ室26に収容されている状態において、第1インペラ側面22faと円筒面24aとは、回転軸21の径方向Rに一定の間隔を隔てて対向配置され、中間インペラ側面22fcと湾曲面24bとは、回転軸21の径方向Rに一定の間隔を隔てて対向配置されている。すなわち、フロント貫通孔12aの内壁面24が、インペラ室26を区画するものであって、インペラ22の側方に対向している。フロント貫通孔12aの内壁面24が「区画側壁面」に対応する。フロント貫通孔12aの内壁面24は、インペラ22に対して当該インペラ22の回転軸線方向(詳細には軸線方向Z)と直交する方向に対向する壁面とも言える。
かかる構成によれば、吸入口11aから吸入された流体はインペラ室26に流入する。そして、インペラ22が回転することによってインペラ室26に流入した流体は、インペラ22の先端側から基端側に向けて流れるとともに圧縮される。
図2に示すように、ハウジング11には、インペラ22の回転によって圧縮された流体が流れるディフューザ流路30が区画されている。ディフューザ流路30は、全体として環状(詳細には円環状)であって、インペラ室26に対して回転軸21の径方向Rの外側に設けられている。
ディフューザ流路30は、フロントパーツ12とリアパーツ13とによって区画されている。詳細には、パーツ12,13は、ディフューザ流路30を区画するものとして、軸線方向Zに互いに対向配置された対向壁面31,32を有している。ディフューザ流路30は、両対向壁面31,32によって囲まれた流路である。本実施形態では、両対向壁面31,32の対向距離H1は、ディフューザ流路30における回転軸21の径方向Rの位置に関わらず一定となっている。
フロントパーツ12の第1対向壁面31は、軸線方向Zにおいてリアパーツ13の第2対向壁面32及びインペラ22の基端部22aよりもインペラ22の先端側に配置されている。第1対向壁面31とインペラ室26を区画するフロント貫通孔12aの内壁面24(詳細には湾曲面24b)とは滑らかに連続している。「滑らかに連続」とは、例えば第1対向壁面31と内壁面24との間に角や段差が生じないように連続している態様であり、詳細には第1対向壁面31と内壁面24との境界付近の接線の傾きが連続的に変化している態様である。
リアパーツ13の第2対向壁面32は、軸線方向Zにおいて基端対向面25よりも第1対向壁面31側に突出しており、第2対向壁面32と基端対向面25との間には段差面33が形成されている。インペラ22の基端部22aは、当該基端部22aが第2対向壁面32よりもインペラ22の先端側に突出しないように、段差面33と基端対向面25とによって区画された凹部に入り込んでいる。この場合、インペラ22の基端部22aと段差面33とは、所定の間隔を隔てて回転軸21の径方向Rに対向している。
ハウジング11は、インペラ22によって圧縮された流体が吐出される吐出室41を有している。吐出室41は、ディフューザ流路30に対して回転軸21の径方向Rの外側に配置されている。吐出室41とインペラ室26とはディフューザ流路30を介して連通している。換言すれば、ディフューザ流路30とは、インペラ室26と吐出室41とを連通させるものとも言える。吐出室41には、ディフューザ流路30からの流体が流入する。そして、吐出室41の流体は、ハウジング11に設けられた吐出口(図示略)を介して吐出される。
ここで、本実施形態では、ディフューザ流路30が円環状となっている関係上、ディフューザ流路30の流路断面積は、外径側である吐出室41側よりも、内径側であるインペラ室26側の方が小さくなっている。つまり、本実施形態のディフューザ流路30は、その位置に応じて流路断面積が変化する流路である。この場合、ディフューザ流路30の最小流路断面積は、ディフューザ流路30におけるインペラ室26と連通する流入口34の断面積となる。なお、流入口34は、ディフューザ流路30の入り口とも言える。ちなみに、ディフューザ流路30(詳細には流入口34)と、インペラ22の側面22fにおける第2インペラ側面22fbとは、回転軸21の径方向Rに対向している。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、回転軸21を回転させる電動モータ42と、電動モータ42等を制御する制御部43と、を備えている。制御部43は、車両に搭載されている車両コントローラ100からの指令に基づいて、電動モータ42を制御することにより、回転軸21の回転を制御する。これにより、インペラ22の回転を制御することができ、それを通じて遠心圧縮機10(詳細には吐出室41)から吐出される流体の流量(以降単に吐出流量という)を制御することができる。
なお、図示は省略するが、ハウジング11は電動モータ42が収容されたモータハウジングを有している。モータハウジングとハウジング11とはユニット化されている。
また、回転軸21と電動モータ42とは、電動モータ42の回転力が回転軸21に直接伝達される構成であってもよいし、上記回転力が遠心圧縮機10に設けられた増速機を介して回転軸21に伝達される構成であってもよい。
ここで、遠心圧縮機10が吐出できる流量の最大値である最大吐出流量は、インペラ22の形状、及び、ディフューザ流路30の最小流路断面積によって決まる。例えば最大吐出流量は、インペラ22(詳細には羽根22eのスロート部分)での速度が音速に達するチョーク現象の発生閾値となる流量である。
このため、インペラ22の形状及びディフューザ流路30の最小流路断面積は、要求される最大吐出流量に対応させて設定されている。詳細には、インペラ22の軸線方向Zの長さ、及び、ディフューザ流路30の両対向壁面31,32の対向距離H1は、要求される最大吐出流量の流体を吐出することができるように、当該最大吐出流量に対応させて長く設定されている。これにより、遠心圧縮機10は、要求される最大吐出流量の流体を吐出することができるとともに、例えば吐出流量が最大吐出流量に近い大流量時には比較的高い効率で正常に運転することができる。
一方、要求される最大吐出流量に対応させてインペラ22の形状及びディフューザ流路30の最小流路断面積が設定されている構成においては、吐出流量が小さい小流量時には、流動の自励振動であるサージ現象が発生して運転に支障が生じたり、効率が低下したりするといった不都合が生じ得る。
これに対して、本実施形態の遠心圧縮機10は、小流量時に好適に対応可能な構成を備えている。当該構成について以下に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、以降の説明においては、ディフューザ流路30を第1ディフューザ流路30とし、第1ディフューザ流路30の流入口34を第1流入口34とする。
図2に示すように、遠心圧縮機10のハウジング11は、第1ディフューザ流路30とは別に、インペラ室26と吐出室41とを連通させる第2ディフューザ流路50を備えている。第2ディフューザ流路50は、例えば環状(詳細には円環状)である。第2ディフューザ流路50は、軸線方向Zに互いに対向配置された第3対向壁面51及び第4対向壁面52によって囲まれた流路である。
なお、第2ディフューザ流路50は、全周に亘って形成された完全な環状ではなく、周方向の一部が切り欠かれた形状である。このため、フロント本体部12bにおける第3対向壁面51を有するパーツと、フロント本体部12bにおける第4対向壁面52を有するパーツとは、第2ディフューザ流路50の切欠部分に対応するフロント本体部12bの一部によって連結(一体化)されている。
両ディフューザ流路30,50は、インペラ室26と、当該インペラ室26よりも回転軸21の径方向Rの外側に配置されている吐出室41との間に設けられた流路であり、回転軸21の径方向Rに延びている。第2ディフューザ流路50は、軸線方向Zにおいて第1ディフューザ流路30よりもインペラ22の先端側に配置されており、両ディフューザ流路30,50は、軸線方向Zに対向配置されている。また、本実施形態では、第2ディフューザ流路50の流路長は、第1ディフューザ流路30の流路長よりも長く設定されている。
第2ディフューザ流路50におけるインペラ室26と連通している第2流入口53は、インペラ室26を区画するフロント貫通孔12aの内壁面24に設けられている。詳細には、第2流入口53は、フロント貫通孔12aの内壁面24のうち、インペラ22の先端部22bと基端部22aとの中間部位22gに対向する位置に設けられている。換言すれば、第2流入口53は、インペラ室26の中間位置に設けられている。また、流体の流れに着目すれば、第2流入口53は、第1流入口34よりも上流側に配置されていると言える。なお、本実施形態では、第2流入口53は、フロント貫通孔12aの内壁面24の湾曲面24bに設けられている。第2流入口53が「第2ディフューザ流路の流入口」に対応する。
ちなみに、吐出室41がインペラ室26よりも回転軸21の径方向Rの外側に配置されており、インペラ室26と吐出室41とを連通させるディフューザ流路30,50が環状であることに着目すれば、インペラ室26と連通する流入口34,53は、ディフューザ流路30,50の内周端であるとも言える。第2流入口53は、第1流入口34よりも、回転軸21の軸線に近づいた位置に配置されている。
第2ディフューザ流路50は、第2流入口53から吐出室41側に向かうに従って第2ディフューザ流路50を区画する両対向壁面51,52の対向距離H2が徐々に短くなっている絞り領域54と、絞り領域54と連続するものであって上記両対向壁面51,52の対向距離H2が一定の定幅領域55とを有している。定幅領域55における両対向壁面51,52の対向距離H2は、当該対向距離H2の最小距離であり、第1ディフューザ流路30を区画する両対向壁面31,32の対向距離H1よりも短い。
なお、本実施形態では、絞り領域54においては、第2ディフューザ流路50を区画する両対向壁面51,52のうちインペラ22の基端部22aに近い第3対向壁面51が湾曲することによって、上記対向距離H2が変化している。但し、これに限られず、第4対向壁面52が湾曲してもよいし、両対向壁面51,52の双方が湾曲してもよい。また、絞り領域54は、吐出室41側から第2流入口53に向かうに従って両対向壁面51,52の対向距離H2が徐々に長くなっている広がり領域とも言える。
ここで、第2ディフューザ流路50は円環状であるため、第2ディフューザ流路50においては、回転軸21の径方向Rの位置に応じて回転軸21の軸線からの距離が変動する。また、第2ディフューザ流路50の絞り領域54においては、回転軸21の径方向Rの位置に応じて両対向壁面51,52の対向距離H2が変動する。このため、第2ディフューザ流路50の流路断面積は、位置に応じて変化している。かかる構成において、第2ディフューザ流路50の最小流路断面積は、第1ディフューザ流路30の最小流路断面積よりも小さく設定されている。
なお、第2ディフューザ流路50において最小流路断面積の位置は、位置に応じて変動する上記2つのパラメータに基づいて決まる。つまり、第2ディフューザ流路50において最小流路断面積の位置は、回転軸21の軸線からの距離(回転軸21の径方向Rの距離)と、両対向壁面51,52の対向距離H2とによって決まる。
ここで、第2ディフューザ流路50の最小流路断面積は、要求される吐出流量の最小値である最小吐出流量に対応させて設定されている。詳細には、上記最小流路断面積は、吐出流量が要求される最小吐出流量である場合にサージ現象が発生しないように設定されている。
遠心圧縮機10は、第2ディフューザ流路50よりも第1ディフューザ流路30に優先的に流体が流れる第1状態と、第1ディフューザ流路30よりも第2ディフューザ流路50に優先的に流体が流れる第2状態と、に切り替わる切替部61を備えている。第2状態は、少なくとも第1ディフューザ流路30の最小流路断面積が、第2ディフューザ流路50の最小流路断面積よりも小さくなっている状態である。第1状態は、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過が許容され、且つ、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過が規制された状態とも言える。第2状態は、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過が規制され、且つ、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過が許容された状態とも言える。
図2及び図3に示すように、切替部61は、例えばインペラ室26の最大径よりも大きい内径を有する円筒形状である。また、ハウジング11には、切替部61が収容される収容室62が形成されている。収容室62は、切替部61と同一径を有する円筒形状の空間であって、回転軸21と同一軸線上に配置されている。収容室62は、両ディフューザ流路30,50の途中位置に配置されており、両ディフューザ流路30,50に跨って配置されている。また、収容室62の軸線方向Zの長さは、切替部61の軸線方向Zの長さよりも長く設定されている。切替部61は、軸線方向Zに移動可能な状態で収容室62に収容されている。
切替部61は、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過を規制可能な第1規制部71と、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過を規制可能な第2規制部72とを備えている。第1規制部71は、第1ディフューザ流路30に出没可能であり、第2規制部72は、第2ディフューザ流路50に出没可能である。第1規制部71は円筒形状であって、その軸線方向Zの長さは、第1ディフューザ流路30を塞ぐことができるように当該第1ディフューザ流路30を区画する両対向壁面31,32の対向距離H1以上に設定されている。同様に、第2規制部72は円筒形状であって、その軸線方向Zの長さは、第2ディフューザ流路50を塞ぐことができるように当該第2ディフューザ流路50を区画する両対向壁面51,52の対向距離H2以上に設定されている。
なお、本実施形態では、切替部61は、定幅領域55に跨って配置されているため、第2規制部72の軸線方向Zの長さは、定幅領域55における両対向壁面51,52の対向距離H2以上に設定されているとよい。
更に、図3に示すように、切替部61は、第1規制部71と第2規制部72とを連結している連結部73を備えている。連結部73は、切替部61の周方向に複数(例えば2箇所)設けられている。このため、第1規制部71と第2規制部72との間には、流体が通過可能なものであって周方向に延びた隙間74が形成されている。当該隙間74の幅(詳細には軸線方向Zの長さ)は、第1ディフューザ流路30を区画する両対向壁面31,32の対向距離H1以上に設定されている。なお、隙間74の幅は、連結部73の軸線方向Zの長さと同一である。
切替部61は、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に対して没入している第1位置と、第2規制部72が第2ディフューザ流路50に対して没入している第2位置との間を移動可能となっている。
ここで、図2の実線に示すように、切替部61が第1位置に配置されている場合、第2規制部72は、第2ディフューザ流路50に突出して当該第2ディフューザ流路50を塞ぐ位置に配置されている。換言すれば、第1規制部71と第2規制部72との相対位置は、切替部61が第1位置に配置されている場合に、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に没入し、且つ、第2規制部72が第2ディフューザ流路50に突出して当該第2ディフューザ流路50を塞ぐように設定されていると言える。切替部61が第1位置に配置されている状態が第1状態に対応する。
なお、隙間74の幅が、第1ディフューザ流路30を区画する両対向壁面31,32の対向距離H1以上に設定されているため、切替部61が第1位置に配置されている状況において、第2規制部72が第1ディフューザ流路30に突出することはない。
一方、図2の2点鎖線及び図4(b)に示すように、切替部61が第2位置に配置されている場合、第1規制部71は、第1ディフューザ流路30に突出して当該第1ディフューザ流路30を塞ぐ位置に配置されている。換言すれば、第1規制部71と第2規制部72との相対位置は、切替部61が第2位置に配置されている場合に、第2規制部72が第2ディフューザ流路50に没入し、且つ、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に突出して当該第1ディフューザ流路30を塞ぐように設定されていると言える。切替部61が第2位置に配置されている状態が第2状態に対応する。
すなわち、第1規制部71は、切替部61が第1位置に配置されている場合には第1ディフューザ流路30に対して没入している一方、切替部61が第2位置に配置されている場合には第1ディフューザ流路30に突出して当該第1ディフューザ流路30を塞ぐ。第2規制部72は、切替部61が第1位置に配置されている場合には第2ディフューザ流路50に突出して当該第2ディフューザ流路50を塞ぐ一方、切替部61が第2位置に配置されている場合には第2ディフューザ流路50に対して没入している。
なお、切替部61が第1位置に配置されている場合、第1規制部71における第2規制部72と対向する端面は、第2対向壁面32と面一であってもよいし、第2対向壁面32よりも凹んだ位置にあってもよい。
更に、上記端面は、第1ディフューザ流路30を流れる流体の流れに支障が生じない範囲内で、第2規制部72に向けて突出していてもよい。この場合、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に突出する際に第1規制部71が第2対向壁面32に引っ掛かることを抑制できる。
すなわち、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過が許容される状態とは、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に対して完全に没入している状態に限られず、第1ディフューザ流路30を流れる流体の流れに支障が生じない範囲内で第1規制部71の一部が突出している状態をも含む。第2規制部72についても同様である。
図2に示すように、遠心圧縮機10は、切替部61を、第1位置又は第2位置に移動させる駆動部75を備えている。制御部43は、駆動部75を制御することにより、切替部61の位置(つまり状態)を制御することができる。
なお、駆動部75の具体的な構成は任意であるが、例えば制御部43から信号に応じて、機械的に切替部61を移動させるアクチュエータであってもよいし、磁力を用いて切替部61を移動させる電磁駆動装置であってもよい。
また、第1位置は、切替部61の第1規制部71が、収容室62を区画する軸線方向Zの一端面と当接する位置であり、第2位置は、切替部61の第2規制部72が、収容室62を区画する軸線方向Zの他端面と当接する位置であるとよい。これにより、切替部61の位置決めが容易なものとなる。
制御部43は、要求される吐出流量が比較的大きい場合である大流量時には、切替部61が第1位置に配置される一方、要求される吐出流量が比較的小さい場合である小流量時には、切替部61が第2位置に配置されるように駆動部75を制御する。
例えば、制御部43は、車両コントローラ100から車両の運転状況に関する情報を取得することにより、車両の運転状況を把握可能に構成されている。そして、制御部43は、車両の運転状況に基づいて、切替部61の位置制御を行う。詳細には、一般的に、車両が加速中である場合や上り勾配の道路を運転中である場合等といった高負荷時には、要求される吐出流量が大きいことが想定される。このため、制御部43は、車両の運転状況が上記のような高負荷時である場合には、切替部61が第1位置に配置されるように駆動部75を制御する。
一方、例えば車両がアイドル運転中である場合や、車両の運転モードが通常モードよりも燃費の向上を図ることができる燃費モードである場合等といった低負荷時には、要求される吐出流量が小さいことが想定される。このため、制御部43は、車両の運転状況が上記のような低負荷時である場合には、切替部61が第2位置に配置されるように駆動部75を制御する。
次に本実施形態の作用について説明する。
大流量時には、図4(a)に示すように、切替部61が第1位置に配置される。この場合、切替部61(詳細には第2規制部72)によって、第2ディフューザ流路50を介するインペラ室26から吐出室41への流体の通過は規制される一方、第1ディフューザ流路30を介するインペラ室26から吐出室41への流体の通過は許容される。このため、インペラ22によって圧縮された流体は、第1ディフューザ流路30を通って吐出室41に流入する。なお、流体は、第1ディフューザ流路30を通ることによって、減速されるとともに圧縮される。
一方、小流量時には、図4(b)に示すように、切替部61が第2位置に配置される。この場合、切替部61(詳細には第1規制部71)によって、第1ディフューザ流路30を介するインペラ室26から吐出室41への流体の通過は規制される一方、第2ディフューザ流路50を介するインペラ室26から吐出室41への流体の通過は許容される。このため、インペラ22によって圧縮された流体は、第2ディフューザ流路50を通って吐出室41に流入する。なお、流体は、第2ディフューザ流路50を通ることによって、減速されるとともに圧縮される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)遠心圧縮機10は、流体が吸入されるハウジング11と、回転することによってハウジング11内に吸入された流体を圧縮するインペラ22とを備えている。ハウジング11は、インペラ22が収容されたインペラ室26と、インペラ22によって圧縮された流体が流入する吐出室41とを有している。
かかる構成において、ハウジング11は、インペラ室26と吐出室41とを連通させるものとして、第1ディフューザ流路30と、当該第1ディフューザ流路30よりも流路断面積が小さい第2ディフューザ流路50とを有している。そして、遠心圧縮機10は、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過を規制可能な第1規制部71と、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過を規制可能な第2規制部72とを有する切替部61を備えている。当該切替部61は、第2ディフューザ流路50よりも第1ディフューザ流路30に優先的に流体が流れる第1状態と、第1ディフューザ流路30よりも第2ディフューザ流路50に優先的に流体が流れる第2状態と、に切り替わる。
かかる構成によれば、切替部61の状態を切り替えることにより、流体が優先的に流れるディフューザ流路を、第1ディフューザ流路30又は第2ディフューザ流路50に切り替えることができる。第1ディフューザ流路30と第2ディフューザ流路50とは、流路断面積が異なっている。このため、例えば大流量時には、切替部61を第1状態にすることにより、優先的に第2ディフューザ流路50よりも流路断面積が大きい第1ディフューザ流路30を介して流体を通過させることができ、それを通じて大流量時(例えば最大吐出流量の流体を吐出する場合)に好適に対応できる。一方、例えば小流量時には、切替部61を第2状態にすることにより、優先的に第1ディフューザ流路30よりも流路断面積が小さい第2ディフューザ流路50を介して流体を通過させることができることができるため、サージ現象の発生を抑制できる。よって、大流量時及び小流量時の双方に好適に対応でき、運転可能範囲の拡大を図ることができる。
特に、本実施形態では、ハウジング11に、流路断面積が異なる2つのディフューザ流路30,50が予め形成されている。これにより、小流量時と大流量時とで使用するディフューザ流路を切り替えることにより、小流量時と大流量時との双方にて効率の向上を図ることができる。
ここで、例えば小流量時に好適に対応するために、例えばインペラに向けて吸入される流体を主流と副流とに分岐させる弁を設けて当該弁の位置を調整したり、角度可変式のガイド翼(ベーン)を設けて当該ガイド翼の角度を調整したりすることも考えられる。しかしながら、このような調整は、状況に応じて最適位置が変動する場合があり得るため、煩雑なものとなり易い。
これに対して、本実施形態では、切替部61の状態を切り替えるという比較的単純な制御で、小流量時と大流量時との双方に対応できる。よって、比較的容易に、小流量時と大流量時との双方において比較的高い効率を確保することができる。
更に、流路断面積が異なる2つのディフューザ流路30,50が予め形成されているため、流路断面積の変動がない。これにより、例えばディフューザ流路上に流路断面積をリニアに変化させる比例制御弁などを設ける構成と比較して、単純な制御で安定した流路断面積を確保することができる。
また、本実施形態では、大流量時には、比較的流路断面積が大きい第1ディフューザ流路30に優先的に流体を流す構成となっているため、比較的流路断面積が小さい2つのディフューザ流路の双方に均等に流体を流す構成と比較して、効率の向上を図り易い。更に、両ディフューザ流路30,50が接続されている吐出室41は共通しているため、吐出室41をそれぞれ設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
(2)両ディフューザ流路30,50の双方は、位置に応じて流路断面積が変化する流路である。詳細には、両ディフューザ流路30,50は、インペラ室26と、当該インペラ室26よりも回転軸21の径方向Rの外側に配置されている吐出室41との間に設けられた環状の流路である。かかる構成において、第2ディフューザ流路50の最小流路断面積は、第1ディフューザ流路30の最小流路断面積よりも小さく設定されている。これにより、(1)の効果を得ることができる。すなわち、位置に応じて流路断面積が変化しているディフューザ流路の性能は最小流路断面積に律速される。
(3)第1規制部71は、第1ディフューザ流路30に出没可能であり、第2規制部72は、第2ディフューザ流路50に出没可能である。切替部61の第1状態とは、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に対して没入し、且つ、第2規制部72が第2ディフューザ流路50に突出して当該第2ディフューザ流路50を介する流体の通過が規制された(詳細には第2規制部72によって第2ディフューザ流路50が塞がれた)状態である。第2状態とは、第1規制部71が第1ディフューザ流路30に突出して当該第1ディフューザ流路30を介する流体の通過が規制され(詳細には第1規制部71によって第1ディフューザ流路30が塞がれ)、且つ、第2規制部72が第2ディフューザ流路50に対して没入している状態である。これにより、切替部61を用いて、流体が流れるディフューザ経路を切り替えることができる。
特に、本実施形態では、切替部61を制御する制御部43としては、規制部71,72を没入させるか突出させるかの制御でよいため、位置の微調整が求められる制御と比較して、小流量時と大流量時との双方に対して容易に対応できる。
(4)切替部61は、第1状態に対応した第1位置と、第2状態に対応した第2位置との間を移動可能である。切替部61は、第1規制部71と第2規制部72とを連結する連結部73を有しており、当該連結部73によって、両規制部71,72の相対位置が規定されている。そして、両規制部71,72の相対位置は、切替部61が第1位置に配置されている場合には第1状態となる一方、切替部61が第2位置に配置されている場合には第2状態となるように設定されている。これにより、両規制部71,72を個別に制御する必要がないため、制御の簡素化を図ることができる。
また、両規制部71,72は、一方の規制部が突出した場合には他方の規制部が没入するように相対位置が設定された状態で連結されているため、両規制部71,72が突出したり没入したりする事態が生じにくい。これにより、両ディフューザ流路30,50の双方が塞がれたり、開放されたりする事態を抑制できる。
(5)インペラ22は、その基端部22aから、基端部22aよりも流体の吸入側に配置された先端部22bに向けて縮径した形状である。第2ディフューザ流路50におけるインペラ室26と連通する第2流入口53は、インペラ室26を区画するものであってインペラ22の側方に対向するフロント貫通孔12aの内壁面24のうちインペラ22の先端部22bと基端部22aとの中間部位22gに対向する位置に設けられている。
かかる構成によれば、切替部61が第2状態である場合には、インペラ室26に吸入された流体は、第2流入口53を介して第2ディフューザ流路50に流れ込み、第2ディフューザ流路50を通って、吐出室41に流れる。当該第2流入口53は、フロント貫通孔12aの内壁面24のうちインペラ22の先端部22bと基端部22aとの中間部位22gに対向する位置に設けられているため、インペラ22における先端部22bから中間部位22gまでの部分が、流体の圧縮に用いられることとなる。換言すれば、流体が第2流入口53に流れ込む状態において、インペラ22は、先端部22bから上記中間部位22gまでの部分のみのインペラと等価となる。これにより、流体が第2流入口53に流れ込む状態においては、インペラ22において流体の圧縮に用いられる実効的な部分が小さくなるため、インペラ22の効率としては向上する。よって、小流量時における効率の向上を図ることができる。
更に詳述すると、一般的に、インペラ22の軸線方向Zの長さが長くなると、大流量に対応し易くなる一方、インペラ22の効率は低下し易い。そして、本実施形態では、インペラ22の軸線方向Zの長さは、要求される最大吐出流量に対応させて設定されている。このため、小流量時には、インペラ22の軸線方向Zの長さが必要以上に長くなっている。これに対して、本実施形態では、上記のように、第2流入口53が中間部位22gと対向する位置に配置されているため、インペラ22の実効的な部分を小さくすることができる。よって、大流量時(最大吐出流量)に対応させてインペラ22の形状を設定することによる不都合、詳細には小流量時におけるインペラ22の効率の低下を抑制することができる。
(6)第1ディフューザ流路30は、インペラ22の回転軸線方向(すなわち軸線方向Z)に互いに対向配置された第1対向壁面31及び第2対向壁面32によって囲まれた流路である。第2対向壁面32よりもインペラ22の先端側に配置されている第1対向壁面31と、フロント貫通孔12aの内壁面24とは滑らかに連続している。これにより、切替部61が第1状態である場合には、インペラ室26に吸入された流体は、フロント貫通孔12aの内壁面24及び第1対向壁面31に沿って流れ易いため、インペラ22の回転によって圧縮された流体は、比較的円滑に第1ディフューザ流路30に流れ込む。一方、第2ディフューザ流路50の第2流入口53は、フロント貫通孔12aの内壁面24の途中位置に設けられているため、流体が流れ込みにくい場合がある。
これに対して、本実施形態では、第2ディフューザ流路50は、第2流入口53から吐出室41側に向かうに従って、当該第2ディフューザ流路50を区画する両対向壁面51,52の対向距離H2が徐々に短くなっている絞り領域54を有している。これにより、小流量時に好適に対応できるように最小流路断面積を小さくしつつ、第2流入口53を広くすることができるため、流体が第2ディフューザ流路50に流入し易くすることができる。
(7)環状の第2ディフューザ流路50の内周端である第2流入口53は、環状の第1ディフューザ流路30の内周端である第1流入口34よりも、回転軸21に近づいた位置に配置されている。換言すれば、第2ディフューザ流路50の内径は、第1ディフューザ流路30の内径よりも短い。これにより、上記内径の違いから、第2流入口53の流路断面積が第1流入口34の流路断面積よりも小さくなり易いため、比較的容易に、第2ディフューザ流路50の最小流路断面積を、第1ディフューザ流路30の最小流路断面積よりも小さくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第2ディフューザ流路50の第2流入口53の位置は、中間部位22gと対向する位置に限られず、任意である。例えば、図5に示すように、第2ディフューザ流路110の第2流入口111は、インペラ22の下流側、詳細にはフロント貫通孔12aの内壁面24と第1対向壁面31との境界付近に設けられていてもよい。この場合、両ディフューザ流路30,110は二叉に分岐しているとも言える。かかる構成によれば、より高圧の流体が第2ディフューザ流路110を流れるため、サージ現象の発生を、より抑制することができる。よって、運転可能範囲の更なる拡大を図ることができる。
○ また、実施形態では、第2流入口53は湾曲面24bに設けられていたが、これに限られない。例えば図6に示すように、第2ディフューザ流路120の第2流入口121は円筒面24aに設けられていてもよい。
○ 図6に示すように、第2ディフューザ流路120の流路長L2が第1ディフューザ流路30の流路長L1よりも短く設定されていてもよい。この場合、第2ディフューザ流路120の流路長L2が第1ディフューザ流路30の流路長L1よりも短い分だけ、小流量時における効率の向上を図ることができる。詳述すると、第2ディフューザ流路120の流路長L2を短くすることにより、サージ現象の発生を抑制できるため、その分だけ第2ディフューザ流路120の最小流路断面積を大きくすることができる。よって、小流量時の効率の向上を図ることができる。
特に、大流量時に対応させて、インペラ22の形状などの各種設計がなされている場合、小流量時における効率が低くなり易い。これに対して、上記別例のように、小流量時に用いる第2ディフューザ流路120の流路長L2を、大流量時に用いられる第1ディフューザ流路30の流路長L1よりも短くすることにより、効率が低くなり易い小流量時に好適に対応できる。
また、吐出室41は、インペラ22の基端部22aから先端部22bに向かうに従って、回転軸21に張り出した形状となっている。このため、第2ディフューザ流路120の第2流入口121が内壁面24(換言すればインペラ室26における軸線方向Zの途中位置)に設けられていることによって、第2ディフューザ流路120の流路長L2を短くし易い。よって、より好適に小流量時における効率の向上を図ることができる。
○ インペラ22の羽根22eに、第2流入口53を介して第2ディフューザ流路50に入り込むリング状の突起が設けられてもよい。この場合、小流量時における効率の向上を図ることができる。なお、本別例においては、フロント本体部12bにおける第3対向壁面51側のパーツと第4対向壁面52側のパーツとを連結する連結部(第2ディフューザ流路50の切欠部分に対応する部分)は、上記突起と干渉しないように吐出室41側に凹んでいるとよい。
○ 両ディフューザ流路の少なくとも一方が、位置に関わらず流路断面積が一定の流路となっていてもよい。例えば、第1ディフューザ流路は、位置に関わらず流路断面積が一定の流路であり、第2ディフューザ流路は、位置に応じて流路断面積が変化する流路であってもよい。この場合、第2ディフューザ流路の最小流路断面積が第1ディフューザ流路の流路断面積よりも小さいとよい。
なお、位置に関わらず流路断面積が一定の第1ディフューザ流路とは、例えば流路断面積が一定となるように、回転軸21の径方向Rの外側に向かうに従って両対向壁面の対向距離が徐々に短くなるように形成された流路等が考えられる。但し、両ディフューザ流路の設計の自由度の観点に着目すれば、両ディフューザ流路は、位置に応じて流路断面積が変化する流路であるとよい。
○ 両ディフューザ流路30,50の形状は、環状に限られず任意である。例えば、第2ディフューザ流路は、インペラ室26から放射状に延びた一定の径を有する貫通孔で構成されてもよい。また、上記貫通孔は、周方向に複数設けられていてもよい。この場合、貫通孔の断面積が第1ディフューザ流路30の最小流路断面積よりも小さくなっているとよい。また、第2ディフューザ流路を構成する上記貫通孔が複数設けられている構成においては、全貫通孔の断面積の総和が第1ディフューザ流路30の最小流路断面積よりも小さいとよい。
また、上記貫通孔は、インペラ室26と連通する流入口から吐出室41に向けて徐々に先細りとなった絞り領域を有する構成であってもよい。この場合、絞り領域は、軸線方向Zの距離が徐々に短くなる構成であってもよいし、軸線方向Zと直交する方向の距離が徐々に短くなる構成であってもよい。
○ 第2規制部は、切替部61が第2状態である場合に、第1ディフューザ流路30の最大流路断面積が第2ディフューザ流路50の最小流路断面積よりも小さくなるように、第1ディフューザ流路30における流体の流れを規制する構成であってもよい。具体的には、第2規制部は、第1ディフューザ流路30を全体的に狭める構成であってもよい。
○ 第1規制部71は、切替部61が第2位置に配置されている場合に、第1ディフューザ流路30に突出し、当該第1ディフューザ流路30を完全に塞ぐ構成に限られず、部分的に塞ぐ構成であってもよい。この場合であっても、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過は、ある程度規制される。要は、第1規制部は、第1ディフューザ流路30に突出することによって当該第1ディフューザ流路30を介する流体の通過を規制することができればよい。第2規制部72についても同様である。
すなわち、第2規制部72は、切替部61が第1位置に配置されている場合には、当該第2規制部72によって規制された箇所の流路断面積が第2ディフューザ流路50の最小流路断面積となるように、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過を規制すればよい。一方、第1規制部71は、切替部61が第1位置に配置されている場合には、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過を規制していなくてもよいし、第2規制部72によって規制された箇所の流路断面積よりも広い流路断面積を確保できる範囲内で、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過を規制してもよい。
同様に、第1規制部71は、切替部61が第2位置に配置されている場合、該第1規制部71による規制箇所の流路断面積が第1ディフューザ流路30の最小流路断面積となり、且つ、少なくとも該最小流路断面積が第2ディフューザ流路50の最小流路断面積よりも小さくなるように、第1ディフューザ流路30を介する流体の通過を規制すればよい。これにより、切替部61が第2状態である場合には、優先的に第2ディフューザ流路50に流体を流すことができる。
一方、第2規制部72は、切替部61が第2位置に配置されている場合には、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過を規制していなくてもよいし、第1規制部71によって規制された箇所の流路断面積よりも広い流路断面積を確保できる範囲内で、第2ディフューザ流路50を介する流体の通過を規制してもよい。
換言すれば、第1状態とは、第2ディフューザ流路50よりも第1ディフューザ流路30に優先的に流体が流れるように、少なくとも第2規制部72による規制が行われている状態とも言える。更に、第2状態とは、第1ディフューザ流路30よりも第2ディフューザ流路50に優先的に流体が流れるように、少なくとも第1規制部71による規制が行われている状態とも言える。このように、所望でないディフューザ流路(例えば大流量時では第2ディフューザ流路50)を介する流体の通過を積極的に規制することにより、所望のディフューザ流路(例えば大流量時では第1ディフューザ流路30)に優先的に流体を流すことができ、且つ、所望でないディフューザ流路に流体が流れることを抑制できる。
○ 切替部61の位置や具体的な形状等は任意である。例えば連結部73を省略して、両規制部71,72を個別に制御可能な構成であってもよい。また、切替部は、第1ディフューザ流路30に設けられた第1制御弁と、第2ディフューザ流路50に設けられた第2制御弁とを有する構成であってもよい。要は、切替部は、第1状態又は第2状態に切り替わることができれば、その具体的な構成は任意である。
○ 両ディフューザ流路の位置は任意であり、例えば流路断面積が相対的に小さい第2ディフューザ流路がインペラ22の基端部22a側に配置され、流路断面積が相対的に大きい第1ディフューザ流路がインペラ22の先端部22b側に配置されてもよい。
○ 第2流入口53は第1流入口34よりも広くてもよいし、狭くてもよい。また、両者は同一の広さであってもよい。
○ インペラ22の数や形状は任意である。例えば、インペラ22は、オープンインペラに限られず、羽根22eが連結された環状の側壁を有するクローズドインペラであってもよい。この場合、側壁の表面がインペラ22の側面22fを構成する。かかる構成においては、側壁における第2流入口53と対向する部位には、流体が通過可能なスリットが形成されているとよい。また、遠心圧縮機10は、互いに対向配置された2つのインペラを有する構成であってもよい。
○ 切替部61の位置を制御するパラメータとしては、車両の運転状況に限られず、任意である。例えば、遠心圧縮機10が、吐出流量を検出する流量センサを備えている構成においては、制御部43は、流量センサにより検出された検出流量が予め定められた閾値流量以上である場合には切替部61が第1位置に配置される一方、上記検出流量が上記閾値流量未満である場合には切替部61が第2位置に配置されるように駆動部75を制御してもよい。
また、例えば制御部43は、インペラ22の回転数が予め定められた閾値回転数以上である場合には切替部61が第1位置に配置される一方、インペラ22の回転数が上記閾値流量未満である場合には切替部61が第2位置に配置されるように駆動部75を制御してもよい。この場合、上記インペラ22の回転数は、実際の回転数であってもよいし、目標回転数であってもよい。当該目標回転数は、例えば車両コントローラ100によって決定され、車両コントローラ100から制御部43に通知される構成であってもよい。
○ 遠心圧縮機10の適用対象及び圧縮対象の流体は任意である。例えば、遠心圧縮機10は空調装置に用いられていてもよく、圧縮対象の流体は冷媒であってもよい。また、遠心圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず任意である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記インペラが取り付けられた回転軸を備え、前記第1ディフューザ流路及び前記第2ディフューザ流路は、前記インペラ室と当該インペラ室よりも前記回転軸の径方向外側に配置された前記吐出室との間に設けられた環状の流路である請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
(ロ)前記遠心圧縮機は、燃料電池を有する燃料電池車両に搭載され、当該燃料電池に空気を供給する空気供給装置に用いられるものであって、前記流体は空気である請求項1〜8及び(イ)のうちいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、21…回転軸、22…インペラ、22a…インペラの基端部、22b…インペラの先端部、22g…インペラの中間部位、24…フロント貫通孔の内壁面(区画側壁面)、26…インペラ室、30…ディフューザ流路(第1ディフューザ流路)、31…第1対向壁面、32…第2対向壁面、41…吐出室、42…電動モータ、50,110,120…第2ディフューザ流路、51…第3対向壁面、52…第4対向壁面、53…第2流入口(流入口)、54…絞り領域、61…切替部、71…第1規制部、72…第2規制部、H2…第3対向壁面及び第4対向壁面の対向距離、L1…第1ディフューザ流路の流路長、L2…第2ディフューザ流路の流路長。

Claims (8)

  1. 流体が吸入されるハウジングと、
    回転することによって、前記流体を圧縮するインペラと、
    を備えた遠心圧縮機において、
    前記ハウジングは、
    前記インペラが収容されたインペラ室と、
    前記インペラによって圧縮された流体が流入する吐出室と、
    前記インペラ室と前記吐出室とを連通させる第1ディフューザ流路と、
    前記インペラ室と前記吐出室とを連通させるものであって、前記第1ディフューザ流路よりも流路断面積が小さい第2ディフューザ流路と、
    を有し、
    前記遠心圧縮機は、前記第1ディフューザ流路を介する流体の通過を規制可能な第1規制部と、前記第2ディフューザ流路を介する流体の通過を規制可能な第2規制部とを有する切替部を備え、
    当該切替部は、前記両規制部によって、前記第2ディフューザ流路よりも前記第1ディフューザ流路に優先的に流体が流れる第1状態と、前記第1ディフューザ流路よりも前記第2ディフューザ流路に優先的に流体が流れる第2状態と、に切り替わることを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記第1規制部は、前記切替部が前記第2状態である場合、少なくとも前記第1ディフューザ流路の最小流路断面積が、前記第2ディフューザ流路の最小流路断面積よりも小さくなるように前記第1ディフューザ流路を介する流体の通過を規制する請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記第1規制部は、前記第1ディフューザ流路に出没可能であり、
    前記第2規制部は、前記第2ディフューザ流路に出没可能であり、
    前記第1状態とは、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に対して没入し、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に突出して当該第2ディフューザ流路を介する流体の通過が規制された状態であり、
    前記第2状態とは、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に突出して当該第1ディフューザ流路を介する流体の通過が規制され、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に対して没入している状態である請求項1又は請求項2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記切替部は、前記第1状態に対応した第1位置と、前記第2状態に対応した第2位置との間を移動可能であり、
    前記第1規制部と前記第2規制部とは、
    前記切替部が前記第1位置に配置されている場合には、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に対して没入し、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に突出して当該第2ディフューザ流路を介する流体の通過が規制される一方、
    前記切替部が前記第2位置に配置されている場合には、前記第1規制部が前記第1ディフューザ流路に突出して当該第1ディフューザ流路を介する流体の通過が規制され、且つ、前記第2規制部が前記第2ディフューザ流路に対して没入するように、互いの相対位置が規定された状態で連結されている請求項3に記載の遠心圧縮機。
  5. 前記第1ディフューザ流路及び前記第2ディフューザ流路の双方は、位置に応じて流路断面積が変化する流路であり、
    前記第2ディフューザ流路の最小流路断面積が前記第1ディフューザ流路の最小流路断面積よりも小さく設定されている請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  6. 前記インペラは、基端部から、前記基端部よりも前記流体の吸入側に配置された先端部に向けて縮径した形状であり、
    前記第2ディフューザ流路における前記インペラ室と連通する流入口は、前記インペラ室を区画するものであって前記インペラの側方に対向する区画側壁面のうち、前記インペラの前記先端部と前記基端部との中間部位に対向する位置に設けられている請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  7. 前記第1ディフューザ流路は、前記インペラの回転軸線方向に互いに対向配置された第1対向壁面及び第2対向壁面によって囲まれた流路であり、
    前記第2対向壁面よりも前記インペラの先端側に配置されている前記第1対向壁面と、前記区画側壁面とは滑らかに連続しており、
    前記第2ディフューザ流路は、互いに対向配置された第3対向壁面及び第4対向壁面によって囲まれた流路であり、
    前記第2ディフューザ流路は、前記流入口から前記吐出室側に向かうに従って、前記第3対向壁面及び前記第4対向壁面の対向距離が徐々に短くなる絞り領域を有している請求項6に記載の遠心圧縮機。
  8. 前記第2ディフューザ流路の流路長は、前記第1ディフューザ流路の流路長よりも短い請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
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