JP2016160526A - ニッケル硫化物の製造方法、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents

ニッケル硫化物の製造方法、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケルを含む硫酸酸性溶液からニッケル硫化物を得る方法において、得られるニッケル硫化物の粒径を制御することができるニッケル硫化物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせてニッケル硫化物を得るニッケル硫化物の製造方法において、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lである硫酸酸性溶液に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、その硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加し、種晶を添加した硫酸酸性溶液に、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niの範囲として硫化水素ガスを吹き込む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル硫化物の製造方法に関し、より詳しくは、例えば高温加圧酸浸出法を用いたニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法における硫化工程で、ニッケルやコバルトを含む硫酸酸性の水溶液に硫化水素ガスを吹き込んで硫化することによりニッケル硫化物を得るニッケル硫化物の製造方法、及びそのニッケル硫化物の製造方法を適用したニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に関する。
従来、ニッケルの製錬方法としては、ニッケル硫化鉱石を乾式製錬することによりニッケル品位が30質量%程度のマットを得て、その後、塩素浸出−電解採取法により電気ニッケルを製造する方法が行われていた。
近年、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、硫酸を用いた高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)法が注目されている。この方法は、従来の一般的なニッケル酸化鉱石の製錬方法である乾式製錬法とは異なり、還元及び乾燥工程等の乾式工程を含まず、一貫した湿式工程からなるので、エネルギー的及びコスト的に有利となる。また、ニッケル品位を50質量%程度まで向上させたニッケルを含む硫化物(以下、「ニッケル硫化物」ともいう)を得ることができるという利点を有している。このニッケル硫化物は、ニッケル酸化鉱石を浸出して得られた浸出液を浄液した後に、硫化工程においてその浸出液に硫化水素ガスを吹き込んで硫化反応を生じさせることにより硫化物の沈殿を生成させる。ニッケル硫化物は、硫化反応により得られたスラリーをシックナー等の固液分離装置を用いて沈降分離処理することによって回収される。
沈澱生成されるニッケル硫化物の粒径には適正な範囲がある。粒径が小さすぎると、固液分離後に圧搾、乾燥された硫化物の粉体中に含まれる水分が多くなり、圧搾した後に、例えば輸送中に粉体が硬化してしまう。また、粉体の全表面積が大きくなってしまうため、空隙率が大きくなり、粒径が大きいものに比べて同じ重量でも体積が増え、運搬コストが掛ってしまう。一方で、粒径が大きすぎると、硫化反応後のニッケル濃度が高くなり、ニッケル実収率が低下してしまう。
しかしながら、従来の技術では、ニッケルを含む硫酸酸性溶液からニッケル硫化物を得る方法において、その得られるニッケル硫化物の粒径を制御する方法は確立されておらず、所望の粒径のニッケル硫化物を安定して製造する方法が求められていた。
特許文献1には、ニッケル等の卑金属イオンの錯塩溶液をネブライザーにより一定の粒径となるように微粒化し、微粒化された卑金属の錯塩溶液を、この卑金属に反応する還元溶液や還元性のガス中に接触ないし導入させることにより微粒子卑金属錯塩を瞬時に金属に還元し、得られた金属の微粉末を回収する方法が開示されている。より具体的に、この引用文献1には、金属錯体の溶液濃度、ネブライザーから出る液滴の径をコントロールするネブライザーに付属するノズルメッシュの径を変えることによって金属微粉末の粒径を制御する方法が開示されている。しかしながら、この方法をニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に適用した場合、硫化工程に供給する浸出液中に含まれる固形浮遊物がネブライザーの微孔に詰まってしまい、操業稼働率が低下する原因となる。
特開2006−75708号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケルを含む硫酸酸性溶液からニッケル硫化物を得る方法において、得られるニッケル硫化物の粒径を制御することができるニッケル硫化物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して粒径を調整したニッケル硫化物を特定量の割合で添加し、その種晶を添加した硫酸酸性溶液に、特定の吹き込み量で硫化水素ガスを吹き込んで硫化反応を生じさせることにより、粒径が所定の範囲に制御されたニッケル硫化物を安定的に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせてニッケル硫化物を得るニッケル硫化物の製造方法であって、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lである前記硫酸酸性溶液に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、該硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加し、前記種晶を添加した硫酸酸性溶液に、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niとして前記硫化水素ガスを吹き込むことを特徴とするニッケル硫化物の製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、複数の硫化反応槽を用いて行い、少なくとも、最初に硫化反応を生じさせる第1の硫化反応槽に前記吹き込み量の硫化水素ガスを吹き込むことを特徴とするニッケル硫化物の製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記種晶としての粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して100〜150質量%の割合で添加することを特徴とするニッケル硫化物の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記硫化水素ガスの吹き込み量を0.33〜0.82Nm/kg−Niとすることを特徴とするニッケル硫化物の製造方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記種晶として添加するニッケル硫化物として、前記硫化反応により得られたニッケル硫化物を繰り返して使用することを特徴とするニッケル硫化物の製造方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において該ニッケル酸化鉱石に対して硫酸を用いた浸出処理を施して得られる浸出液であることを特徴とするニッケル硫化物の製造方法である。
(7)本発明の第7の発明は、ニッケル酸化鉱石に対して硫酸を用いてニッケルを浸出し、得られた浸出液からニッケルを含む硫化物を生成させるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lである浸出液に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、該浸出液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加し、該種晶を添加した浸出液に、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niとして前記硫化水素ガスを吹き込んで硫化反応を生じさせる硫化工程を含むことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
本発明によれば、粒径が所定の範囲に制御されたニッケル硫化物を得ることができる。
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の流れを示す工程図である。 硫化水素ガスの吹き込み量(添加量)に対する生成されたニッケル硫化物の平均粒径の関係を示したグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」であることを意味する。
≪1.概要≫
本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせてニッケル硫化物を得る方法である。ここで、ニッケル硫化物とは、ニッケルを含む硫化物をいい、コバルト等の他の金属とニッケルとの混合硫化物をも含むものである。
具体的に、このニッケル硫化物の製造方法では、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lであるニッケルを含む硫酸酸性溶液に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、その硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加する。そして、種晶を添加した硫酸酸性溶液に対して、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niとして硫化水素(HS)ガスを吹き込み、硫化反応を生じさせる。
このニッケル硫化物の製造方法は、後述するように、例えばニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法における硫化工程での処理に適用することができる。このとき、ニッケルを含む硫酸酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱石に対して硫酸を用いた浸出処理を施して得られた浸出液を用いることができる。なお、後述するように、その浸出処理を経て得られた浸出液に対して中和剤を用いて中和処理を行うことで得られた中和終液を用いてもよい。
ニッケルを含む硫酸酸性溶液は、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lの硫酸酸性の水溶液である。この硫酸酸性溶液は、ニッケル以外の元素として、例えばコバルト、鉄、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉛を含むものであってもよい。本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法では、このようなニッケルを含む硫酸酸性溶液を硫化反応始液(以下、単に「始液」ともいう)として耐圧性のある硫化反応槽に導入し、硫化剤として硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせる。
硫化反応始液となる硫酸酸性溶液のニッケル濃度に関して、0.5g/L未満であると、ニッケル濃度が薄すぎるためにニッケルの実収率が低下する。一方で、ニッケル濃度が5.0g/Lを超える硫酸酸性溶液の場合、例えば高ニッケル品位のニッケル酸化鉱石を原料としてその硫酸酸性溶液を生成させることが必要となるが、このような高ニッケル品位の酸化鉱石を入手することは難しく、安定的に且つ効率的にニッケル硫化物を得ることが困難となる。
ここで、硫化反応を行う硫化反応槽では、始液である硫酸酸性溶液を導入した後、反応槽内の気相部分に硫化水素ガス製造設備等から供給された硫化水素ガスが吹き込まれ、気相中の硫化水素ガスが液相中に溶解することで、硫化反応が進行する。
硫化反応槽としては、特に限定されないが、例えば4段等の複数段の硫化反応槽から構成される多段連続攪拌硫化反応設備を用いることができる。硫化反応槽は、通常、反応始液を導入する導入口と、反応後のスラリーを排出する排出口と、硫化水素ガスを吹き込むガス吹き込み口と、硫化反応槽内のガスの一部を排ガスとして排出する排ガス口とを備えた密閉型の反応槽である。
具体的に、例えば上述したような4段の硫化反応槽から構成されてなる硫化反応設備では、先ず、連続的に設けられた最初の反応槽である第1の硫化反応槽内に、反応始液であるニッケルを含む硫酸酸性溶液が導入されるとともに、ガス吹き込み口から反応槽内の気相部分に硫化水素ガスが吹き込まれる。そして、第1の硫化反応槽において所定の時間で硫化反応を生じさせると、次に、生成したニッケル硫化物を含んだ溶液が第2の硫化反応槽内に移送され、適宜硫化水素ガスが供給されて硫化反応が生じる。以降、順次、第3の硫化反応槽、第4の硫化反応槽において硫化反応が進行していき、第4の硫化反応槽にて得られた反応後のスラリーからシックナー等の固液分離装置によりニッケル硫化物と反応終液である貧液とが分離する。このように、例えば合計4段の硫化反応槽から構成される硫化反応設備では、主として第1の硫化反応槽にて硫化反応に基づくニッケル硫化物の生成反応が生じ、続く第2〜第4の硫化反応槽においては、生成したニッケル硫化物のいわゆる成長が生じる。
このように、ニッケルを含む硫酸酸性溶液から硫化反応によりニッケル硫化物を生成させるに際して、複数の硫化反応槽から構成される硫化反応設備を用いることによって、ニッケル硫化物の生成と、生成したニッケル硫化物の所望とする大きさへの成長を効率的に生じさせることができる。
本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法では、上述したような硫化反応槽により硫化反応を生じさせるに際し、反応槽に導入した硫化反応始液に対して、種晶として所定の粒径に調整されたニッケル硫化物を添加する。このように、種晶として所定の粒径のニッケル硫化物を添加することで、その種晶が、硫化反応により新規に析出生成されるニッケル硫化物の発生の核となり、生成するニッケル硫化物の粒子を大きくすることによって溶液中に存在する微細なニッケルを含む粒子の沈降性を高めることができる。このことにより、その微細な粒子をニッケル硫化物の沈殿物として十分に回収することができる。
具体的に、このニッケル硫化物の製造方法においては、種晶としては、その粒径が5〜20μmとなるように調整されたニッケル硫化物を、硫化反応始液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量となるように添加する。
種晶として添加するニッケル硫化物の粒径調整方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、湿式サイクロン(「液体サイクロン」とも呼ばれる)や振動式篩機等を用いて、粒径が所定の大きさ以上となるように設定された分級点において分級処理を施すことによって粒径調整することができる。その粒径調整方法の中でも、特に、液体サイクロンを用いて分級処理する方法が好ましい。液体サイクロンを用いた方法によれば、そのサイクロン内においてニッケル硫化物間での衝突や接触が起こり、それにより造粒が進行して、より効率的に適切な範囲に粒径を調整することができる。
種晶としてのニッケル硫化物の添加量としては、上述したように、硫化反応始液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量とする。ニッケル硫化物の添加量が、硫化反応始液中のニッケル量に対して40質量%未満であると、得られるニッケル硫化物の粒径が60μmを超える大きなものになる可能性がある。一方で、ニッケル硫化物の添加量が、始液に含まれるニッケル量に対して500質量%を超えると、硫化反応が終了した後の液(反応終液)中のニッケル濃度が0.25g/Lを超える可能性があり、ニッケルの実収率が低下する。
また、種晶としてのニッケル硫化物の添加量に関して、硫化反応始液に含まれるニッケル量に対して100〜150質量%の割合の量であることが、より好ましい。このように、硫化反応始液に含まれるニッケル量に対して100〜150質量%のニッケル量となるように、粒径5〜20μmのニッケル硫化物を種晶として繰り返し、所定の吹き込み量で硫化水素ガスを添加することによって、得られるニッケル硫化物の粒径を最も好ましい粒径範囲、具体的には10〜60μmの粒径範囲に、より効果的に制御することができる。
本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法においては、上述のように種晶を所定の割合で添加した硫化反応始液に対して、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niに調整して硫化水素ガスを吹き込む。
硫化水素ガスの吹き込み量に関して、0.30Nm/kg−Ni未満であると、硫化反応のための硫黄(S)の供給が不足するため、ニッケルの実収率が低下する。一方で、硫化水素ガスの吹き込み量が0.85Nm/kg−Niを超えると、硫化反応に必要な硫黄の量以上の硫黄が供給されることになり、吹き込んだ硫化水素ガスに無駄が生じて非効率となる。
また、硫化水素ガスの添加方法(吹き込み方法)としては、例えば多段連続攪拌反応設備を用いた場合、最初に設けられた第1の硫化反応槽内の気相部分に対する硫化水素ガスの添加速度が0.33〜0.82Nm/kg−Niの範囲となるようにして、供給される硫化水素ガスの全量をその第1の硫化反応槽に添加することができる。あるいは、第1の硫化反応槽における硫化水素ガスの添加速度を0.33〜0.82Nm/kg−Niの範囲になるようにした上で、供給される硫化水素ガスの一部を第2の硫化反応槽に振り分けて添加してもよい。
以上のように、本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法では、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lであるニッケルを含む硫酸酸性溶液(硫化反応始液)に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、その硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加し、その硫酸酸性溶液に対して吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niとして硫化水素ガスを吹き込み、硫化反応を生じさせる。
このような方法によれば、その硫化反応により得られるニッケル硫化物の粒径を所定の範囲に制御することができる。具体的には、その平均粒径がおよそ10〜60μmの範囲の好ましい範囲に適切に制御したニッケル硫化物を効率的に製造することができる。
ここで、ニッケル硫化物の粒径には適正な範囲がある。ニッケル硫化物の粒径が小さすぎると、固液分離処理後のニッケル硫化物の粉体中に含まれる水分量が多くなり、その粉体が硬化してしまう。また、粉体の全表面積が大きくなるため空隙率が大きくなり、粒径が大きいものに比べて、同じ重量でも体積が増えて運搬コストがかかってしまう。一方で、粒径が大きすぎると、硫化反応後の終液に含まれるニッケル濃度が高くなりニッケル実収率が低下してしまう。これらのことから、ニッケル硫化物の粒径としては、平均粒径で10〜60μmの範囲であることが好ましく、さらには15〜55μmの範囲であることがより好ましい。
なお、硫化反応始液であるニッケルを含む硫酸酸性溶液に添加する種晶は、当該製造方法に基づく硫化反応により得られたニッケル硫化物を繰り返して使用することが好ましい。上述したように、本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法では、平均粒径が10〜60μmの好ましい範囲に制御されたニッケル硫化物を得ることができるので、その得られたニッケル硫化物を分級することによって、ほとんどコストを掛けることなく、容易に粒径5〜20μmに調整することができ、種晶として好適に用いることができる。
≪2.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法での適用≫
本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法では、硫化反応始液としてニッケルを含む硫酸酸性溶液を用い、この溶液に対して硫化水素ガスを添加して硫化反応を生じさせる。ニッケルを含む硫酸酸性溶液としては、例えば、ニッケル酸化鉱石に対して硫酸により浸出処理を施して得られる浸出液を用いることができ、その浸出液に対して硫化反応を生じさせてニッケル硫化物を得る。このように、本実施の形態に係るニッケル硫化物の製造方法は、ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する湿式製錬方法に適用することができる。
以下では、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法についての概要を説明して、その湿式製錬方法における硫化工程での処理に上述したニッケル硫化物の製造方法を適用した具体的な態様について説明する。なお、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、高温高圧下で浸出を行う高温加圧酸浸出法(HPAL法)による湿式製錬方法を例に挙げて説明する。
<2−1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の各工程について>
図1は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の流れの一例を示した工程図である。図1に示すように、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、原料のニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施す浸出工程S1と、浸出スラリーから残渣を分離してニッケルやコバルトを含む浸出液を得る固液分離工程S2と、浸出液のpHを調整して浸出液中の不純物元素を中和澱物スラリーとして分離して中和終液を得る中和工程S3と、中和終液に硫化剤としての硫化水素ガスを添加することでニッケル硫化物を生成させる硫化工程(ニッケル回収工程)S4とを有する。
(1)浸出工程
浸出工程S1では、オートクレーブ等の高温加圧反応槽を用い、ニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に硫酸を添加して温度230〜270℃程度、圧力3〜5MPa程度の条件下で攪拌し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを生成する。
ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10〜50重量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。また、浸出工程S1では、このようなラテライト鉱の他に、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば深海底に賦存するマンガン瘤等を用いることができる。
浸出工程S1における浸出処理では、例えば下記式(i)〜(v)で表される浸出反応と高温熱加水分解反応が生じ、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。ただし、鉄イオンの固定化は完全には進行しないため、通常、得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等の他に2価と3価の鉄イオンが含まれる。なお、この浸出工程S1では、次工程の固液分離工程S2で生成されるヘマタイトを含む浸出残渣の濾過性の観点から、得られる浸出液のpHが0.1〜1.0にとなるように調整することが好ましい。
・浸出反応
MO+HSO⇒MSO+HO ・・(i)
(なお、式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す)
2Fe(OH)+3HSO⇒Fe(SO+6HO ・・(ii)
FeO+HSO⇒FeSO+HO ・・(iii)
・高温熱加水分解反応
2FeSO+HSO+1/2O⇒Fe(SO+HO ・・(iv)
Fe(SO+3HO⇒Fe+3HSO ・・(v)
なお、鉱石スラリーを装入したオートクレーブへの硫酸の添加量としては、特に限定されないが、鉱石中の鉄が浸出されるような過剰量が用いられる。例えば、鉱石1トン当り300〜400kgとする。
(2)固液分離工程
固液分離工程S2では、浸出工程S1で生成した浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケルやコバルト等の有価金属を含む浸出液と浸出残渣とを得る。
固液分離工程S2では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の固液分離装置を用いて固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、浸出スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケル分をその希釈度合に応じて減少させることができる。なお、実操業では、このような機能を持つシックナーを多段に連結して用いることにより、ニッケルの回収率の向上を図ることができる。
(3)中和工程
中和工程S3では、浸出液の酸化を抑制しながら、pHが4以下となるように酸化マグネシウムや炭酸カルシウム等の中和剤を添加して、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用母液である中和終液とを得る。
中和工程S3では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、得られる中和終液のpHが4以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように、その浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加し、ニッケル回収用の母液の元となる中和終液と、不純物元素として3価の鉄を含む中和澱物スラリーとを形成する。中和工程S3では、このように浸出液に対する中和処理(浄液処理)を施すことで、HPAL法による浸出処理で用いた過剰の酸を中和して中和終液と生成するとともに、溶液中に残留する3価の鉄イオンやアルミニウムイオン等の不純物を中和澱物として除去する。
なお、中和終液は、上述したように、原料のニッケル酸化鉱石に対して硫酸による浸出処理(浸出工程S1)を施して得られた浸出液に基づく溶液であって、ニッケルを含む硫酸酸性溶液である。この中和終液は、後述する硫化工程S4における硫化反応の反応始液となるものであり、ニッケル濃度がおよそ0.5〜5.0g/Lの範囲である。また、この中和終液中には、ニッケル以外にも有価金属としてコバルトが含まれており、また浄液処理を施して得られた溶液であるとしても、微量に残存した鉄、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉛等が含まれることがある。
[硫化工程(ニッケル回収工程)]
硫化工程S4では、ニッケル回収用母液である中和終液を硫化反応始液として、その硫化反応始液に対して硫化剤としての硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせ、不純物成分の少ないニッケル硫化物と、ニッケル濃度を低い水準で安定させた貧液(硫化後液)とを生成させる。なお、中和終液中に亜鉛が含まれる場合には、ニッケル硫化物としてニッケルを分離するに先立って、亜鉛を硫化物として選択的に分離することができる。
硫化工程S4における硫化処理は、硫化反応槽等を用いて行うことができ、硫化反応槽に導入した硫化反応始液に対して、その反応槽内の気相部分に硫化水素ガスを吹き込み、溶液中に硫化水素ガスを溶解させることで硫化反応を生じさせる。この硫化処理により、硫化反応始液中に含まれるニッケルをニッケル硫化物として固定化して回収する。
なお、硫化反応の終了後においては、得られたニッケル硫化物を含むスラリーをシックナー等の沈降分離装置に装入して沈降分離処理を施し、ニッケル硫化物のみをシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分は、シックナーの上部からオーバーフローさせて貧液として回収する。
<2−2.湿式製錬方法の硫化工程について>
ここで、硫化工程S4での処理、つまりニッケルを含む硫酸酸性溶液である中和終液からニッケル硫化物を生成させる硫化処理においては、上述したニッケル硫化物の製造方法を適用することができる。
すなわち、本実施の形態に係る硫化工程S4では、ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lである中和終液(ニッケルを含む硫酸酸性溶液)に対して、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、その中和終液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加する。そして、その中和終液に対して吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niに調整して硫化水素ガスを吹き込み、硫化反応を生じさせる。
具体的な硫化処理の方法については上述したニッケル硫化物の製造方法と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。本実施の形態においては、このようにして、中和終液に対して、粒径を調整したニッケル硫化物を種晶として所定の割合で添加し、所定の吹き込み量で硫化水素ガスを添加して硫化反応を生じさせる。これにより、所定の適正な範囲に粒径が制御されたニッケル硫化物を効率的に且つ安定的に得ることができる。
図1の工程図にも示すように、この硫化工程S4において得られたニッケル硫化物は、その一部を種晶として、硫化工程S4における硫化反応に繰り返し用いることが好ましい(図1中の矢印R)。上述したように、本実施の形態における硫化工程S4を経て得られたニッケル硫化物は、その粒径が適正な範囲、具体的には平均粒径が10〜60μm程度の範囲に制御されたものである。したがって、このようにして得られたニッケル硫化物を繰り返し用いることによって、得られたニッケル硫化物に分級処理等を施して5〜20μmの範囲に粒径調整することで、種晶として添加するニッケル硫化物を容易に且つ効率的に得ることができる。また、このようにニッケル硫化物を繰り返して、硫化反応始液中のニッケル量が40〜500質量%の割合となるようにすることで、より一層に効果的に、得られるニッケル硫化物の粒径を適正な範囲に制御することができる。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例]
ニッケル濃度が1.0〜3.0g/Lである硫酸ニッケル溶液を始液として用いて、4段連続攪拌反応槽に導入し、種晶として、粒径が7〜15μmの範囲となるように調整したニッケル硫化物を、その始液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%(40質量%以上500質量%以下)の範囲の量で変化させて添加した。なお、下記表1に示すように、ニッケル硫化物は、始液のニッケル量に対して40質量%以上100質量%未満、100質量%以上150質量%以下、150質量%超200質量%以下、200質量%超500質量%以下のそれぞれの割合で添加した。
ここで、種晶であるニッケル硫化物としては、硫酸ニッケル溶液に対する硫化反応により得られたニッケル硫化物を含むスラリーをシックナーにて濃縮分離してシックナー底部から回収し、液体サイクロンにより分級して粒径7〜15μmの範囲で調整したニッケル硫化物を繰り返して使用した。
より具体的に、実施例においては、4段連続攪拌反応槽のうちの最初の反応槽(第1の硫化反応槽)に始液である硫酸ニッケル溶液と共に種晶を添加し、硫化水素(HS)ガスを、吹き込み量(添加量)が0.33〜0.82Nm/kg・Niの範囲になるように、供給する硫化水素ガスの全量を第1の硫化反応槽へ、又は、第1の硫化反応槽における硫化水素ガスの吹き込み量が0.33〜0.82Nm/kg−Niの範囲となるようにした上で第2の硫化反応槽へも振り分けて供給して、硫化反応を生じさせた。
このような硫化反応により生成したニッケル硫化物を含むスラリーをシックナーに流送し、ニッケル硫化物と貧液(終液)とに分離する沈降分離処理を行った。このときの、シックナーに沈降したニッケル硫化物の粒径、及び、貧液となるシックナーオーバーフロー液中におけるニッケル濃度を求めた。なお、ニッケル硫化物の粒径は、レーザー回折式粒度分布装置を用いて測定した。また、オーバーフロー液中のニッケル濃度は、ICP発光分析装置を用いて測定した。
下記表1に、それぞれの測定結果を示す。また、図2に、硫化水素ガスの吹き込み量に対する生成されたニッケル硫化物の平均粒子径の関係を示したグラフを示す。
Figure 2016160526
表1及び図2に示すように、種晶として、粒径を調整したニッケル硫化物を、例えば始液に含まれるニッケル量に対して100質量%以上150質量%以下の量となるように添加した硫酸ニッケル溶液に、第1の硫化反応槽における硫化水素ガスの添加速度が0.36〜0.82Nm/kg−Niの範囲になるよう硫化水素ガスの供給量を調整することで、硫化反応により析出するニッケル硫化物の平均粒径を15〜55μmの範囲で適切に制御することができた。
また、種晶添加量を50質量%以上100質量%未満とし、第1の硫化反応槽における硫化水素ガス添加速度を0.33〜0.37Nm/kg−Ni程度に調整した場合では、ニッケル硫化物の粒径は比較的大きくなる傾向にあるものの、平均粒径で40〜60μmの範囲で制御することができた。なお、種晶としてのニッケル硫化物の添加量を100質量%以上150質量%以下とした場合と比べて、硫化反応後の終液中のニッケル濃度が高くなり、ニッケル実収率が下がる傾向にあることが分かった。
また、種晶添加量を150質量%以上500質量%以下とし、第1の硫化反応槽における硫化水素ガス添加速度を0.38〜0.74Nm/Kg−Niに調整した場合では、ニッケル硫化物の粒径は比較的小さくなる傾向にあるものの、平均粒径で12.4〜32.0μmとなり所定の範囲で制御することができた。なお、種晶としてのニッケル硫化物の添加量を100質量%以上150質量%以下とした場合と比べて、硫化反応後の終液中のニッケル濃度が高くなり、ニッケル実収率が下がる傾向にあることが分かった。
以上の実施例の結果から、種晶としての粒径調整したニッケル硫化物の添加量を、硫化反応始液中のニッケル量に対して40質量%以上500質量%以下の量とし、その硫化反応始液に対して吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niの範囲に調整して硫化水素ガスを吹き込んで硫化反応を生じさせることによって、得られるニッケル硫化物の粒径を所定の範囲に適切に制御できることが分かった。
その中でも、種晶としてのニッケル硫化物の添加量を始液中のニッケル量に対して100質量%以上150質量%以下の範囲とすることによって、ニッケル硫化物の粒径をより好ましい適正な範囲に制御することができ、終液中のニッケル濃度を低く抑え、ニッケル実収率の低下をより効果的に抑えることができることが分かった。
[比較例1]
種晶としてのニッケル硫化物の添加量を始液に含まれるニッケル量に対して20質量%とし、第1の硫化反応槽に対して吹き込む硫化水素ガスの吹き込み量を0.20Nm/kg−Niとして硫化反応を生じさせた。なお、その他は実施例と同様とした。
その結果、生成したニッケル硫化物の平均粒径は100μm以上と大きくなり過ぎてしまった。
[比較例2]
種晶としてのニッケル硫化物の添加量を始液に含まれるニッケル量に対して600質量%とし、第1の硫化反応槽に対して吹き込む硫化水素ガスの吹き込み量を0.90Nm/kg−Niとして硫化反応を生じさせた。なお、その他は実施例と同様とした。
その結果、硫化反応終了後の終液中のニッケル濃度が0.32g/Lと非常に高くなり、ニッケル実収率は低下した。また、得られたニッケル硫化物の平均粒径は8μmであった。
[比較例3]
種晶としてのニッケル硫化物の添加量を始液に含まれるニッケル量に対して20質量%とし、第1の硫化反応槽に対して吹き込む硫化水素ガスの吹き込み量を0.37Nm/kg−Niとして硫化反応を生じさせた。なお、その他は実施例と同様とした。
その結果、生成したニッケル硫化物の平均粒径は100μm以上と大きくなり過ぎてしまった。
[比較例4]
種晶としてのニッケル硫化物の添加量を始液に含まれるニッケル量に対して600質量%とし、第1の硫化反応槽に対して吹き込む硫化水素ガスの吹き込み量を0.37Nm/kg−Niとして硫化反応を生じさせた。なお、その他は実施例と同様とした。
その結果、硫化反応終了後の終液中のニッケル濃度が0.30g/Lと非常に高くなり、ニッケル実収率は低下した。また、得られたニッケル硫化物の平均粒径は8μmであった。
この比較例1〜4の結果から分かるように、種晶としてのニッケル硫化物の添加量の範囲である40〜500質量%、硫化水素ガスの吹き込み量の範囲である0.30〜0.85Nm/kg−Niを超える条件では、生成するニッケル硫化物の粒径が極小化又は極大化し、ニッケル実収率が低下してしまうことが分かった。

Claims (7)

  1. ニッケルを含む硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせてニッケル硫化物を得るニッケル硫化物の製造方法であって、
    ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lである前記硫酸酸性溶液に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、該硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加し、
    前記種晶を添加した硫酸酸性溶液に、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niとして前記硫化水素ガスを吹き込む
    ことを特徴とするニッケル硫化物の製造方法。
  2. 複数の硫化反応槽を用いて行い、
    少なくとも、最初に硫化反応を生じさせる第1の硫化反応槽に前記吹き込み量の硫化水素ガスを吹き込む
    ことを特徴とする請求項1に記載のニッケル硫化物の製造方法。
  3. 前記種晶としての粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液に含まれるニッケル量に対して100〜150質量%の割合で添加する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル硫化物の製造方法。
  4. 前記硫化水素ガスの吹き込み量を0.33〜0.82Nm/kg−Niとする
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のニッケル硫化物の製造方法。
  5. 前記種晶として添加するニッケル硫化物として、前記硫化反応により得られたニッケル硫化物を繰り返して使用する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のニッケル硫化物の製造方法。
  6. 前記ニッケルを含む硫酸酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において該ニッケル酸化鉱石に対して硫酸を用いた浸出処理を施して得られる浸出液である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のニッケル硫化物の製造方法。
  7. ニッケル酸化鉱石に対して硫酸を用いてニッケルを浸出し、得られた浸出液からニッケルを含む硫化物を生成させるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、
    ニッケル濃度が0.5〜5.0g/Lである浸出液に、種晶として粒径5〜20μmのニッケル硫化物を、該浸出液に含まれるニッケル量に対して40〜500質量%の割合の量で添加し、該種晶を添加した浸出液に、吹き込み量を0.30〜0.85Nm/kg−Niとして前記硫化水素ガスを吹き込んで硫化反応を生じさせる硫化工程を含む
    ことを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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