JP2016160379A - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不燃性と断熱性を有する断熱材の提供。【解決手段】イソシアネート、活性水素含有化合物、水、反応触媒、及び、平均粒子径10〜100μmのアルミナセメント水和物を含有し、密度が350kg/m3以下である断熱材であり、アルミナセメント水和物がアルミナセメントとシリカ源と水を混合して得られる水和物である断熱材。イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒を混合して得られる組成物中に、平均粒子径10〜100μmのアルミナセメント水和物を含有することにより得られる該断熱材の製造方法。整泡剤、水酸化アルミニウム、熱膨張性黒鉛を含有しても良い。【選択図】なし

Description

本発明は、建築物の天井、壁、床や、車両、航空機、船舶や、冷凍、冷蔵設備の断熱を目的に利用される難燃性・不燃性を有する断熱材に関する。
近年、建築物は気密性の向上により、外気温との差異により生じる結露防止や省エネの観点から、様々な断熱材、結露防止材が開発され利用されている。中でもポリウレタンフォームは、軽量性、接着性、コスト等にも優れているため多用されている。ポリウレタンフォームは、有機系素材であることから難燃性・不燃性は劣り、しばしば火災による被害拡大の原因となるので、その対策を施すことが望まれている。解決策として、グラスウールやロックウール等の無機系の断熱材を使用することが挙げられる。しかし、グラスウールやロックウール等は、ポリウレタンフォームに比べて熱伝導率が高い傾向があり、粗い繊維であるために、穿痛感を有し、作業性の点で劣る。
ポリウレタン発泡体に不燃性を付与する方法として、難燃剤を混合し難燃化したり、膨張性黒鉛を使用したりして、防火性を持たせる方法等が提案されている(特許文献1、特許文献2)。燃焼時の形状保持性を良くするため、硼酸やリン酸アンモニウムを使用する方法が開示されている(特許文献3)。より高い耐火性と発煙量の少ない組成物にするには、無機系添加剤等の添加量を増やす必要がある。しかし、この方法では、更なる断熱性の向上が課題になる。
難燃性を付与した発泡体としては、アルカリ金属炭酸塩、イソシアネート類、水及び反応触媒で発泡体を形成する断熱材(特許文献4)、リチウム、ナトリウム、カリウム、ホウ素、及びアルミニウムからなる群より選ばれる金属の、水酸化物、酸化物、炭酸塩類、硫酸塩、硝酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩類からなる群より選ばれる一種又は二種以上の無機化合物と水とイソシアネート類とからなる硬化性組成物(特許文献5)が挙げられる。特許文献4や特許文献5は、難燃性を付与するものであり、断熱性に関する記載がない。特許文献4は無機充填材としてカルシウムアルミネートの例示がある。特許文献4記載の断熱材は、アルカリ金属端炭酸塩の30%以上の水溶液とイソシアネート類を反応させ、多量の水を使用するため、未反応の水が多量に残り、断熱材として使用するためには乾燥する必要がある。本発明は乾燥が必要でないので、作業性が向上する。
難燃性を付与するために、リン含有及びリンを含まぬポリオール及びポリイソシアネートの反応生成物をベースとする膨張性組成物にフィラーを使用する技術が示されている(特許文献6)。フィラーとしてCaO・Al・10HOや3CaO・Al・6HOが例示されている。特許文献6は、リンを含む膨張性組成物に関するもので、密度は0.6〜1.8g/cm(600〜1800kg/m)が好ましい範囲として示されており、十分な断熱性を得ることが難しい。本発明は密度が350kg/m以下である断熱材を対象にしている。
特許第2732435号公報 特開2001−348487号公報 特開2002−3713号公報 特開平10−67576号公報 特開平8−92555号公報 特開昭63−165424号公報
本発明は発泡ウレタンの優れた断熱性を損なうことなく、充分な防火性・耐火性を有し、天井、壁、鉄骨等構造物を火炎から保護できる難燃性・不燃性を有する断熱材を提供する。
即ち、本発明は、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、反応触媒、及び、平均粒子径10〜100μmのアルミナセメント水和物を含有し、密度が350kg/m以下である断熱材であり、アルミナセメント水和物がアルミナセメントとシリカ源と水を混合して得られる水和物である断熱材であり、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して10〜200質量部のアルミナセメント水和物を含有する該断熱材であり、整泡剤を含有する該断熱材であり、水酸化アルミニウム及び/又は熱膨張性黒鉛を含有する該断熱材であり、活性水素含有化合物100質量部に対して0.1〜5質量部の水を含有する該断熱材であり、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒を混合して得られる組成物中に、平均粒子径10〜100μmのアルミナセメント水和物を含有することにより得られる該断熱材の製造方法である。
本発明の断熱材を用いることにより、不燃性と断熱性を付与することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の断熱材は、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒を混合して得られる発泡体であり、その発泡体中にアルミナセメント水和物を含有する。本発明のアルミナセメント水和物はアルミナセメントとシリカ源と水を混合して得られる水和物である。必要に応じて、整泡剤、水酸化アルミニウム、熱膨張性黒鉛を併用することができる。
本発明の断熱材の難燃化・不燃化メカニズムは、ウレタン化反応と同時にアルミナセメント水和物が樹脂内、又は、気泡内に取り込まれる。取り込まれたアルミナセメント水和物はCaO・Al・10HO、8CaO・Al・8HO、3CaO・Al・6HO等が知られており、温度によって生成する割合が変わる物質である。ストラトリンガイトは、スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等のシリカ源の存在下でアルミナセメントと反応してできる水和物(2CaO・Al・SiO・8HO等)である。本発明のアルミナセメント水和物はストラトリンガイトを含有することにより、通常の環境下において安定化した状態を保つことができる。本発明のアルミナセメント水和物は、200〜400℃で脱水することから消火作用を示すと考えられる。
本発明のイソシアネートとしては、有機イソシアネート等が挙げられる。有機イソシアネートとしては、公知の各種多官能性の脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート及び芳香族イソシアネート等を使用できる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、これらのイソシアネートを用いたイソシアネート含有プレポリマー等が挙げられる。イソシアネートとしては、ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートとは、イソシアネート基を2個以上有するイソシアネートをいう。イソシアネートのNCO(イソシアネート基)含有量は、5〜55質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。イソシアネートの中では、ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はその高分子同族体が好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
本発明の活性水素含有化合物としては、水酸基やアミノ基等の活性水素を有する官能基を2個以上有する化合物、又は、その化合物を2種以上混合した混合物等が挙げられる。これらの中では、2個以上の水酸基を有する化合物が好ましい。2個以上の水酸基を有する化合物としては、ポリオール等が挙げられる。ポリオールとしては、ポリエーテル系ポリオール,ポリエステル系ポリオール,多価アルコール,ひまし油ポリオール、ひまし油変性ポリオール、水酸基含有ジエチレン系ポリマー等が挙げられる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、2官能性ポリオール(2官能性とは、水酸基を2個有することをいう)、3官能性ポリオール(3官能性とは、水酸基を3個有することをいう)、多官能性ポリオール(多官能性とは、水酸基を4個以上有することをいう)、アルカノールアミンにアルキレンオキシドを付加重合したもの等が挙げられる。2官能性ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、これらにアルキレンオキシドを1種又は2種以上付加重合した2官能性ポリオール等が挙げられる。3官能性ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、これらにアルキレンオキシドを付加重合した3官能性ポリオール等が挙げられる。多官能性ポリオールとしては、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュガー等、これらにアルキレンオキシドを付加重合した多官能性ポリオール、その他アルカノールアミンにアルキレンオキシドを付加重合した多官能性ポリオール等が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコールと多塩基酸との縮合により得られる、末端水酸基を有するポリエステルポリオールが挙げられる。多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオール類、その他ペンタエリストール、ソルビトール等が挙げられる。多塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、シソフタル酸、ヘット酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸が挙げられる。
本発明の活性水素含有化合物の数平均分子量は、500〜5000が好ましく、1000〜3000がより好ましい。数平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算の数平均分子量であり、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定する。例えば、数平均分子量は、溶剤として水を用い、GPCシステム(東ソ−社製SC−8010)を使用し、市販の標準ポリエチレングリコールで検量線を作成して求める。
本発明のイソシアネートと活性水素含有化合物の併用において、イソシアネート中のイソシアネート基と活性水素含有化合物中の活性水素との当量比((イソシアネート基当量)/(活性水素当量))は、0.7〜5.0が好ましく、0.8〜3.0がより好ましい。0.7未満だと未反応活性水素基が残り、難燃性・耐熱性が悪くなる場合があり、5.0を超えると断熱材の脆性が増加する場合がある。
本発明の水は、イソシアネートとの反応により、二酸化炭素を発生し発泡剤として作用する。
水の使用量は、活性水素含有化合物100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。0.1質量部未満だと十分な水和反応が進行しない場合があり、5質量部を超えると強度が低下する場合がある。
本発明の反応触媒としては、一般にウレタン化触媒として知られているものを使用することができる。例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキセン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノエチルピペラジル)エタン、N,N’,N”−トリス(ジエチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等の第3級アミン、及び、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は併用で使用できる。
反応触媒の使用量は、イソシアネート100重量部に対して0.1〜1.5質量部が好ましく、0.3〜1.2質量部がより好ましい。
本発明のアルミナセメントとしては、モノカルシウムアルミネートを主要鉱物として含有するクリンカー粉砕物から得られるもの等が挙げられ、例えば、アルミナセメント1号やアルミナセメント2 号、鉄分の多いタイプのアルミナセメント等が挙げられる。本発明のシリカ源としては、スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が挙げられる。シリカ源の中では、高炉スラグが好ましい。本発明は、アルミナセメントとシリカ源と水を混合することによりストラトリンガイトを生成する。本発明のアルミナセメント水和物は、ストラトリンガイトを含有する。
シリカ源の使用量は、アルミナセメント100質量部に対して、20〜300質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましく、50〜100質量部が最も好ましい。
アルミナセメント水和物の平均粒子径は、10〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。10μm未満だと消化時間が長くなる場合があり、100μmを超えると消火時間が長くなる場合がある。
アルミナセメント水和物は、アルミナセメントとシリカ源と水を混合し、1日以上養生することにより得られる。アルミナセメント水和物は、1日以上養生して得られた硬化体を粉砕して使用する。アルミナセメント水和物の粉砕方法としては、ボールミルや振動ミル等を使用する方法等が挙げられる。
アルミナセメント水和物を生成する際に使用する水の使用量は、アルミナセメントとシリカ源の合計100質量部に対して、20〜600質量部が好ましく、50〜100質量部がより好ましい。
本発明のアルミナセメント水和物の使用量は、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して10〜200質量部が好ましく、15〜175質量部がより好ましく、20〜150質量部がより好ましい。10質量部未満だと難燃性・不燃性を付与することが難しい場合があり、200質量部を超えると難燃性・不燃性は向上するが、断熱性が低下する場合がある。
本発明は整泡剤を含有しても良い。
本発明の整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン、並びに、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミン変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、及び、カルビノール変性シリコーン等の各種変性シリコーン、フッ素系の界面活性剤等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体等が挙げられる。ポリジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体としては、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシプロピレン共重合体が好ましい。
これらの中では、気泡サイズを調整しやすい点で、ジメチルポリシロキサン、及び/又は、ポリジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体が好ましく、ポリジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体がより好ましい。
整泡剤の使用量は、イソシアネート100質量部に対して、0.005〜6質量部が好ましく、0.1〜4質量部がより好ましい。0.005質量部未満だとより均一に分散した泡の形成が難しく、不燃性と断熱性が得られない場合があり、6質量部を超えても効果が向上しない場合がある。
本発明の断熱材は、水酸化アルミニウム及び/又は熱膨張性黒鉛を含有しても良い。水酸化アルミニウム及び/又は熱膨張性黒鉛を併用することにより、延焼性を阻止することができる。
本発明の水酸化アルミニウムは、200〜300℃で脱水するので不燃化剤として使用されており、市販されているものであれば特に限定せずに使用できる。
本発明の熱膨張性黒鉛は、150〜250℃で膨張し、断熱性を発揮するものであり、市販されているものが使用できる。例えば、熱膨張性黒鉛としては、天然グラファイト、熱分解グラファイト等のグラファイト粉末を、硫酸や硝酸等の無機酸と、濃硝酸や過マンガン酸塩等の強酸化剤とを用いて表面処理し、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物を使用できる。
本発明の水酸化アルミニウムの使用量は、イソシアネート類、活性水素含有化合物類、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して100質量部以下が好ましく、25〜75質量部がより好ましい。
本発明の熱膨張性黒鉛の使用量は、イソシアネート類、活性水素含有化合物類、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して0.01〜5質量部以下が好ましく、0.3〜2質量部がより好ましい。
本発明の断熱材の密度は、断熱性の点で、350kg/m以下が好ましく、300kg/m以下がより好ましく、250kg/m以下が最も好ましい。350kg/mを超えると密度が大きくなり、十分な断熱性が得られない場合がある。本発明の断熱材の密度は、30kg/m以上が好ましい。
本発明の断熱材の熱伝導率は0.01〜0.180W/m・Kが好ましく、0.02〜0.080W/m・Kがより好ましい。
本発明は、輻射加熱量50kW/mの加熱ヒーターで600〜700℃に加熱しながら、電気スパークで着火させた場合に、着火後3分以内に消火する断熱材、又は、20分間加熱しても着火しない断熱材であることが好ましい。この特性を満たすには、気孔率を低下することなく、断熱材の内部にアルミナセメント水和物が均一に混合していることが重要である。アルミナセメント水和物は1分子中に保有する水の割合が多いため、難燃性、不燃性を付与できると考えられる。加熱ヒーターによる加熱は、コーンカロリーメーターで実施することができる。600〜700℃に加熱された雰囲気に、縦10cm×横10cm×厚み5cmに成形した断熱材を、加熱体(加熱ヒーター)より断熱材表面が25mmの位置になるように置いたとき、電気スパークにより着火させ、着火後の消火時間を測定する。
本発明では、性能に悪影響を与えない範囲で混和剤を併用することができる。混和剤としては、一般的に市販されている難燃剤、粘土鉱物、中空粒子、増粘剤、界面活性剤、繊維状物質、エトリンガイト含有物質、砂等が挙げられる。
本発明の断熱材の製造方法としては、ポリウレタンの技術分野において公知の発泡方法を使用することができる。例えば、連続製造法、不連続製造法、スプレー法、注入法等が使用できる。特に、スプレー法は施工対象物に各成分の原液をスプレー装置で混合し吹き付ける方法であり、対象物に到達すると発泡・硬化し、施工が容易なため、有効な方法である。連続製造法は連続コンベア上において、下面材上に断熱材の原液を供給し、その後原液上に上面材を供給して連続発泡させる方法であり、所定の長さに裁断することにより、サンドイッチパネルを製造することができる。
特記しない限り、試験環境温度20℃、相対湿度60%で実施した。
<実施例1>
イソシアネート中のイソシアネート基とポリオール中の活性水素との当量比(ここでポリオールの中の活性水素は水酸基であり、当量比は(イソシアネート基当量)/(活性水素当量)をいう)が、0.95になるように、イソシアネートと活性水素含有化合物を使用し、イソシアネート100質量部に対して反応触媒を0.7質量部、活性水素含有化合物100質量部に対して水を2質量部、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して表1に示す量のアルミナセメント水和物を加えて混合した後、24時間静置し、発泡体を作製した。得られた発泡体について密度、熱伝導率、消火時間を測定した。結果を表1に示す。
(使用材料)
イソシアネート:4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソシアネート含有量31質量%、市販品
活性水素含有化合物A:グリセリンとプロピレンオキサイドを付加重合した数平均分子量3000の3官能性ポリオール、市販品
反応触媒:N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、市販品
水:水道水
アルミナセメント水和物a:アルミナセメント100質量部、高炉スラグ50質量部、アルミナセメントと高炉スラグの合計100質量部に対して70質量部の水を混合して得られた水和物(材齢28日後に粉砕したもの、平均粒子径:22μm)
アルミナセメント水和物b:アルミナセメント100質量部、高炉スラグを50質量部、アルミナセメントと高炉スラグの合計100質量部に対して70質量部の水を混合して得られた水和物(材齢28日後に粉砕したもの、平均粒子径:88μm)
アルミナセメント水和物c:アルミナセメント100質量部、高炉スラグ50質量部、アルミナセメントと高炉スラグの合計100質量部に対して70質量部の水を混合して得られた水和物(材齢28日後に粉砕したもの、平均粒子径:110μm)
アルミナセメント水和物d:アルミナセメント100質量部、高炉スラグ50質量部、アルミナセメントと高炉スラグの合計100質量部に対して70質量部の水を混合して得られた水和物(材齢28日後に粉砕したもの、平均粒子径:8μm)
アルミナセメント:アルミナセメント1号、市販品
高炉スラグ:高炉水砕スラグ、市販品
水酸化アルミニウムe:市販品
(試験方法)
密度:発泡体を5cm×5cm×5cmに成形し、その質量を測定した後、密度を下記式より求めた。
密度(g/cm)=質量(g)/125(cm
着火性試験:コーンカロリーメーター法(ISO 5660−1)に準拠した。輻射加熱量50kW/mの加熱ヒーターを用いた。断熱材を縦10cm×横10cm×厚さ5cmに成形し、専用ホルダーにセットし、そのホルダーを650℃に加熱された雰囲気下に、加熱体(加熱ヒーター)より断熱材表面が25mmの位置になるように置き、電気スパークにより着火させ、着火してから消火するまでの時間を計測した。
熱伝導率:断熱体を縦10cm×横5cm×厚み3cmに成形し、ボックス式プローブ法による熱伝導率計を用いて測定した。
平均粒子径:レーザー回折法により平均粒径を測定。機種は、LA−920(堀場製作所)を使用した。
Figure 2016160379


<実施例2>
活性水素含有化合物Aの代わりに活性水素含有化合物Bを使用し、アルミナセメント水和物としてアルミナセメント水和物aを使用したこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
(使用材料)
活性水素含有化合物B:グリセリンとプロピレンオキサイドを付加重合した数平均分子量1000の3官能ポリオール、市販品
Figure 2016160379


<実施例3>
実施例1に示す実験No.1−7の配合に、イソシアネート100質量部に対して、表3に示す量の整泡剤を加えたこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表3に示す。
(使用材料)
整泡剤:ポリジメチルシロキサン−ポリオキシプロピレン共重合体、市販品
Figure 2016160379


<実施例4>
実施例1に示す実験No.1−7の配合に、イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して、表4に示す量の水酸化アルミニウム及び/又は熱膨張性黒鉛を加えたこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表4に示す。
(使用材料)
水酸化アルミニウム:市販品
熱膨張性黒鉛:GRAFTECH社製「GRAFGUARD 160−80」、発泡開始温度160℃
Figure 2016160379


<実施例5>
木枠の内側に、実験No.1−7、実験No.1−16、実験No.3−3、及び、実験No.4−4の配合からなる組成物を充填し、縦1m×横1m×厚さ1.3cmとなる発泡成形体を作製した。それを金属性の枠にはめ込み、垂直に立て、発泡成形体の中心部に1300℃程度のバーナーの火炎をあて燃焼性を確認した。又、上記発泡成形体を用いて、密閉した箱体を作り、箱体内部の中心付近に60Wの電球を1個設置し、発泡成形体の内壁近傍に熱電対を設置した。電球を点灯させ箱内の温度が50℃に達したら電灯を消灯し温度変化を測定した。箱体の外気温度は20℃一定とした。尚、比較のために、実験No.1−1,実験No.1−2、及び、実験No.1−3についても同様に実施した。
その結果、実験No.1−7、実験No.1−16、実験No.3−3、及び、実験No.4−4は、ともにバーナーの炎をあてることにより着火したが、1分以内に消火した。一方、実験No.1−1はバーナーをあてると着火し、発泡成形体が全て燃焼した。
又、実験No.1−7、実験No.1−16、実験No.3−3、及び、実験No.4−4は、箱体内部の温度が50℃に達してから24時間後まで30℃を維持していた。一方、実験No.1−2及び1−3は12時間後には30℃以下を示した。
以上のことから、本発明の断熱材は良好な不燃性と断熱性を有することがわかる。
本発明は、良好な断熱性を維持しながら難燃性・不燃性を付与することができるので火災時の延焼を阻止する効果が大きくなり、防火安全性の高い建築物、車両、航空機、船舶、冷凍、及び、冷蔵設備の建造に寄与できる。

Claims (6)

  1. イソシアネート、活性水素含有化合物、水、反応触媒、及び、平均粒子径10〜100μmのアルミナセメント水和物を含有し、密度が350kg/m以下である断熱材であり、アルミナセメント水和物がアルミナセメントとシリカ源と水を混合して得られる水和物である断熱材。
  2. イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒の合計100質量部に対して10〜200質量部のアルミナセメント水和物を含有する請求項1記載の断熱材。
  3. 整泡剤を含有する請求項1又は2記載の断熱材。
  4. 水酸化アルミニウム及び/又は熱膨張性黒鉛を含有する請求項1〜3のうちの1項記載の断熱材。
  5. 活性水素含有化合物100質量部に対して0.1〜5質量部の水を含有する請求項1〜4のうちの1項記載の断熱材。
  6. イソシアネート、活性水素含有化合物、水、及び、反応触媒を混合して得られる組成物中に、平均粒子径10〜100μmのアルミナセメント水和物を含有することにより得られる請求項1〜5のうちの1項記載の断熱材の製造方法。
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