JP2021014513A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高分子化合物の特徴を保持しながら、難燃性、耐火性に優れた低熱伝導性、低比重の難燃性樹脂組成物や、かかる難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物を提供する。【解決手段】下記成分(A)ないし(F)を何れも含有する難燃性樹脂組成物、及び、下記成分(B)ないし(F)を何れも含有する難燃性樹脂原料組成物。(A)高分子化合物、(B)ポリリン酸アンモニウム、(C)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム、(D)多価アルコール、(E)メラミン骨格を有する化合物、および(F)中空セラミックビーズ及び/又は膨張黒鉛。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物、該難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物、該難燃性樹脂組成物を構造物に被覆させることを特徴とする耐火性構造物の製造方法に関する。
建築物・船舶等に用いられている断熱パネルや、椅子等に用いられているクッション材にはポリウレタン樹脂が用いられているが、火災に弱いという欠点がある。この欠点を克服するために、難燃性を得る目的で、水酸化アルミニウム、黒鉛やリン系難燃剤をポリウレタン樹脂に混合する方法がとられている(例えば、特許文献1〜特許文献3)。
しかしながら、これらの方法では大量の水酸化アルミニウムをポリウレタン樹脂に添加するために良好な発泡が行なわれず、断熱性と弾力性等の確保が困難であった。また、水酸化アルミニウムを多く配合するとすぐに固化してしまう場合があり、作業性に劣るという問題点があり、改善が望まれている。
また、エポキシ樹脂は、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れ、塗料、電子部品、土木建築等の様々な分野において使用されている。
エポキシ樹脂についても、難燃性を高める需要があり、水酸化アルミニウム、リン系難燃剤等を使用した難燃化の方法が種々提案されている(例えば、特許文献4〜特許文献5)。
しかし、これらの方法においても、水酸化アルミニウムの使用量は多く、前記したポリウレタン樹脂の場合と同様な問題がある。
このため、高分子化合物の難燃化において、作業効率が良く、更に難燃性を高めることのできる手法の開発が期待されている。
特開2005−120646号公報 特開2006−083208号公報 特開2009−167326号公報 特開平11−302509号公報 特開平10−110087号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、高分子化合物の特徴を保持しながら、難燃性、耐火性に優れた低熱伝導性、低比重の難燃性樹脂組成物を提供することにあり、かかる難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、高分子化合物に複数の成分を含有させることによって、高分子化合物の長所である耐水性、断熱性、弾力性等を保持しながら、その欠点である燃焼性と耐火性の改善とともに、低熱伝導性と低比重化を実現できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記成分(A)ないし(F)を何れも含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供するものである。
(A)高分子化合物
(B)ポリリン酸アンモニウム
(C)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム
(D)多価アルコール
(E)メラミン骨格を有する化合物
(F)中空セラミックビーズ及び/又は膨張黒鉛
また、本発明は、上記の難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物であって、上記成分(B)ないし(F)を何れも含有することを特徴とする難燃性樹脂原料組成物を提供するものである。
また、本発明は、更に、高分子化合物原料の主剤を含有する上記の難燃性樹脂原料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記の難燃性樹脂組成物を構造物に被覆させることを特徴とする耐火性構造物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、高分子化合物の特徴を保持しながら、難燃性、耐火性に優れた難燃性樹脂組成物やかかる難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物を提供することができる。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、低熱伝導性であり、また、低比重であることから、取り扱いが容易である。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
(難燃性樹脂組成物)
本発明の難燃性樹脂組成物は、後記の成分(A)ないし(F)を何れも含有する。
[(A)高分子化合物]
本発明の難燃性樹脂組成物は、高分子化合物を含有する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、後述する成分(B)ないし(F)を含有する難燃性樹脂原料組成物に、高分子化合物の原料を添加し、重合反応させることによって製造する。このため、本発明の難燃性樹脂組成物は、高分子化合物を含有している。
本発明の難燃性樹脂組成物に含有される高分子化合物としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、断熱性、弾力性、遮音性等に特に優れている点から、ポリウレタンが特に好ましい。
「ポリウレタン」は、イソシアネート基とアルコール基が反応してできる高分子化合物である。本発明におけるポリウレタンは、ウレタン結合でモノマーを共重合させたものであれば特に限定はなく、通常、ポリオールとポリイソシアネートを原料の主成分として合成されるものである。
本発明におけるポリウレタンは、発泡ポリウレタンでも非発泡ポリウレタンでもよく、軟質ポリウレタンでも硬質ポリウレタンでもよい。また、本発明におけるポリウレタンには、イソシアネートの3量化反応で生成するイソシアヌレート環を含有するイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンも含まれる。本発明の前記効果は、特に発泡ポリウレタンにおいて発揮される。
ここで、ポリオール成分とポリイソシアネート成分としては、特に限定することなく通常使用されているものの中から任意に選ぶことができる。ポリオール成分としては、例えば、カルボキシル基を有するジオール化合物、カルボキシル基を有しないポリオール化合物等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオール化合物としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸;ジヒドロキシコハク酸;ジヒドロキシ安息香酸;等が挙げられる。特に、反応性、溶解性等の点から、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が好ましい。
カルボキシル基を有しないポリオール化合物としては、一般にポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分として知られているものならば特に限定されず、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール等のジオールモノマー類;ポリエーテルポリオール類;ポリエステルポリオール類;ポリカーボネートポリオール類;ポリブタジエングリコール類;これらの混合物;等が使用できる。軟質ポリウレタンにおいては、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類等が特に好ましい。
ポリエーテルポリオール類としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体等が挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ダイマージオール等の飽和又は不飽和の低分子ジオール類、並びに、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル類のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類又はこれらの無水物類を、脱水縮合して得られるポリエステルポリオール類や、環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類としては、(1)ジオール又はビスフェノールと炭酸エステルとの反応物、及び、(2)ジオール又はビスフェノールをアルカリの存在下でホスゲンと反応させた反応物が使用できる。
炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
ビスフェノールとしては、ビスフェノールAやビスフェノールF、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類等が挙げられる。
これらのポリオール化合物は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記カルボキシル基を有しないポリオール化合物の場合、数平均分子量(Mn)は、得られるポリウレタンの難燃性等を考慮して適宜決定されるが、500〜8000の範囲が好ましく、1000〜5000の範囲が特に好ましい。Mnが500未満になると、ポリウレタン中のウレタン結合が多くなりすぎる場合があり、またMnが8000を越えると、架橋点間分子量が大きくなりすぎる場合がある。
また、ポリイソシアネートとしては、公知のポリイソシアネートを用いられるが、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族イソシアネート、又はこれらの混合物等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族イソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
また、下記に示したように、ジイソシアネートが3量化して環を形成したトリイソシアヌレート等のポリイソシアヌレート化合物が挙げられる。
Figure 2021014513
上記式中、Rは、具体的に前記したジイソシアネートの2個のイソシアネート基が置換している2価の有機基を示す。
上記ポリイソシアネートの配合量は特に制限されるものではないが、難燃性樹脂組成物を得るときは、全ポリオール成分100質量部に対して、10〜130質量部が好ましく、30〜110質量部がより好ましく、50〜110質量部が特に好ましい。
硬質の難燃性樹脂組成物を得るときは、全ポリオール成分100質量部に対して、30〜130質量部が好ましく、40〜120質量部がより好ましく、50〜110質量部が特に好ましい。
軟質の難燃性樹脂組成物を得るときは、上記ポリイソシアネートの配合量は、全ポリオール成分100質量部に対して、10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましく、30〜60質量部が特に好ましい。
反応は、製造時間、副反応の制御等の点から、常温(20℃)〜150℃の間で行なわれるのが好ましく、60〜120℃の間で行なわれるのが特に好ましい。
反応には、触媒を用いることも好ましい。触媒は公知のものが使用可能である。
本発明の難燃性樹脂組成物に含有される高分子化合物として、エラストマー(弾性を有する高分子化合物)が例示できる。
特に、熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、本発明の難燃性樹脂組成物に含有される高分子化合物として適している。
[(B)ポリリン酸アンモニウム]
本発明の難燃性樹脂組成物に含有されるポリリン酸アンモニウムは、炭化層の形成に寄与する。「炭化層」はチャーとも呼ばれ、分解生成物、燃焼物からの可燃性気体、大気中からの酸素の出入を遮断する効果がある。
また、表面膨張層の形成に寄与する。「表面膨張層」とは、燃焼時に表面に形成される気体を含んで膨張した層をいい、分解生成物、燃焼物からの可燃性気体、大気中からの酸素の出入を遮断する効果がある。炭化層や表面膨張層の形成に関しては、後述する多価アルコールとの併用による相乗効果が見られる。
ポリリン酸アンモニウムとしては、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変成ポリリン酸アンモニウム、カルバミルポリリン酸アンモニウム、被覆型ポリリン酸アンモニウム等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、特に、被覆型ポリリン酸アンモニウムは、耐水性、発泡性、分散性が良好であり、高分子化合物の安定性、難燃性等にも寄与するため好ましい。
被覆型でないポリリン酸アンモニウムの場合には、耐水性が無いため、加熱の際に後述の水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムから生じる結晶水の吸収により分解が起き、炭化層形成力が低下する場合がある。更に、被覆型でないポリリン酸アンモニウムの場合には、耐水性が無いため、長期間放置しておくと吸湿による分解が起き、アンモニアガスが発生し、炭化層形成力が低下してしまう場合がある。
ここで「被覆型ポリリン酸アンモニウム」とは、ポリリン酸アンモニウムを合成樹脂で被覆若しくはマイクロカプセル化したものであり、これらの被覆型ポリリン酸アンモニウムの水溶性は25℃において0.5質量%以下であることが好ましい。
被覆又はマイクロカプセル化に使用できる樹脂としては、水が透過しにくく耐水性に優れた被膜を形成することのできる熱硬化性樹脂が好適であり、例えば、アルキッド樹脂、アリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂;それらを、アニオン、カチオン等にイオン変成したもの;高縮合タイプ等の特殊変成したもの;及びその他のもので変成したもの;からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
これらの樹脂の中で、耐水性に優れる、熱分解温度が高く熱安定性に優れている、分散性が良好、被膜の強度が高い、緻密な被膜が作製可能、耐水性が良好、発泡性が良好、難燃性に寄与する等の観点から、特に、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等が好ましく、メラミン樹脂が上記の観点から特に好ましい。
すなわち、ポリリン酸アンモニウムの中でも、上記の好ましい被覆型ポリリン酸アンモニウム等を用いると、経時変化によるポリリン酸アンモニウムの分解を防ぐことができ、長期にわたって本発明の難燃性樹脂組成物の性能を維持することが可能である。また、本発明の難燃性樹脂組成物が、熱分解時に生じる後述の水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム由来の結晶水を吸水するのを防ぐことができる。
上記の被覆型ポリリン酸アンモニウムのレーザー回折式粒度分布測定装置にて測定した平均粒径(d50)は、分散性、難燃性等が良好である点で、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜50μm、特に好ましくは15〜25μmである。
なお、本発明において、単に「粒径」と記載したときは、何れの成分についても、上記方法で測定した平均粒径のことをいう。
ポリリン酸アンモニウムの含有量は、高分子化合物170質量部に対して、20〜100質量部が好ましく、より好ましくは30〜80質量部、特に好ましくは40〜70質量部である。
ポリリン酸アンモニウムが少なすぎる場合には、難燃性が劣る場合があり、一方、多すぎる場合には、コスト高になってしまう場合がある。
[(C)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム]
本発明の難燃性樹脂組成物は、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの何れか一方を含有していてもよいし、両方を含有していてもよい。
反応開始温度が膨張黒鉛等の他の成分の反応開始温度とほぼ同一である水酸化アルミニウムを含有すると、難燃性が特に優れたものになり、好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物に含有される水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは、アルミニウムやマグネシウムの水酸化物であれば特に限定なく用いることができ、結晶水を有しているものが挙げられる。
特に、水酸化アルミニウムは、結晶水を有しており、熱分解時に結晶水を放出し大きな吸熱を伴うため、加熱されても温度上昇が抑えられ、自己消化性を促すとともに発煙を抑制する。また、水酸化アルミニウムの難燃化機構としては、吸熱脱水反応で生成する水の気化による燃焼温度の低下、燃焼時の炭化層形成による外部からの熱伝導抑制や、高分子化合物から発生する可燃性気体と大気中からの酸素の遮断、更に大量充填による可燃物濃度の希釈効果等が挙げられる。ポリリン酸アンモニウムは、燃焼時に、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムと相互作用して、後述する炭化層形成を開始し易くする。
水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムの含有量(合計含有量)は、高分子化合物170質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、3〜20質量部が特に好ましい。
水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが少なすぎる場合には、難燃性が劣る場合があり、一方、多すぎる場合には、粘度が高くなるとともに固化が速く進行するため、混合しにくくなる場合がある。
[(D)多価アルコール]
本発明の難燃性樹脂組成物に含有される多価アルコールは、温度の上昇と共に炭化して、炭化層を形成する。高分子化合物の重合時に炭化物の多孔質を形成するものが好ましい。
多価アルコールは、表面膨張層の形成に寄与する。「表面膨張層」とは、燃焼時に表面に形成される気体を含んで膨張した層を言い、分解生成物、燃焼物からの可燃性気体、大気中からの酸素の出入を遮断する効果がある。炭化層や表面膨張層の形成に関しては、前記したポリリン酸アンモニウムとの併用による相乗効果が見られる。
多価アルコールの具体例としては、例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、カテコール、レゾルシン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、ビスフェノールA、多糖類(デンプン、セルロース等)、少糖類(フルクトース等)、糖アルコール(マンニトール、ソルビトール等)等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐熱性・耐水性に優れている、分散性が良い、炭化層の強度を促進する等の点で、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等が好ましく、コストや入手の容易さの点から、ペンタエリスリトールが特に好ましい。
多価アルコールの配合量は、高分子化合物170質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、4〜15質量部がより好ましく、5〜10質量部が特に好ましい。
多価アルコールが少なすぎる場合には、耐熱性、耐火性が劣り、炭化層の強度が弱くなってしまう場合がある。
[(E)メラミン骨格を有する化合物]
本発明の難燃性樹脂組成物に含有されるメラミン骨格を有する化合物としては、メラミン;メチロールメラミン、メラミン樹脂、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メロン等のメラミン誘導体;等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。メラミン骨格を有する化合物は、加熱すると重縮合を起こし、網目状に架橋することで熱硬化樹脂となり、炭化層や表面膨張層の形成に寄与する。炭化層や表面膨張層の形成に関しては、前記したポリリン酸アンモニウムと多価アルコールとの併用による相乗効果が著しい。
メラミン骨格を有する化合物の中でも、燃焼残渣を固定できる、燃焼中の対流による空中飛散を防げる、より強固な炭化層が形成できる、等の点で、メラミン、メチロールメラミン、メラミン樹脂等が好ましく、メラミンが特に好ましい。
メラミン骨格を有する化合物の配合量は、高分子化合物170質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、3〜18質量部がより好ましく、5〜16質量部が特に好ましく、7〜15質量部が更に好ましい。
メラミン骨格を有する化合物が少なすぎる場合には、難燃性が劣る、燃焼残渣の固定が弱い、燃焼中の対流による空中飛散により炭化層のやせ細りや貫通ができる場合があり、多すぎる場合には、有害なアンモニアガスやシアンガスが環境悪化を引き起こす場合がある。
本発明の難燃性樹脂組成物は、燃焼時に、(B)ポリリン酸アンモニウムと(C)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが反応を開始し炭化層を形成することにより、高分子化合物の燃焼により発生する可燃性ガスを熱源から遮断し、炭化層が大気中からの酸素の供給を遮断する。上記した(D)多価アルコール及び(E)メラミン骨格を有する化合物は、該炭化層の形成を促進する。これにより、得られた高分子化合物は、断熱性を保ちながら、優れた難燃性・耐火性を得ることができる。
[(F)中空セラミックビーズ及び/又は膨張黒鉛]
本発明の難燃性樹脂組成物は、(F)中空セラミックビーズ及び/又は膨張黒鉛を含有する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、(F1)中空セラミックビーズと(F2)膨張黒鉛の何れか一方を含有していてもよいし、両方を含有していてもよい。
[(F1)中空セラミックビーズ]
中空セラミックビーズを含有することによって、本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性と耐火性が更に向上するだけでなく、熱伝導性が低くなり、また、低比重となり、扱いやすくなる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、中空セラミックビーズを含有し、膨張黒鉛を含有しない場合、熱伝導性が低く、低比重となるだけでなく、導電性が無くなり、燃料電池、太陽電離、回路基板等の保護剤として使用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物に含有される中空セラミックビーズを構成する素材について特に限定はなく、主成分として、シリカ、アルミナ、ジルコニア、イットリア、セリア、チタニア、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が例示できる。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物に含有される中空セラミックビーズは、粒状のセラミックの内部が、空隙となっているものである。内部が空隙となっていることによって、難燃性樹脂組成物の熱伝導率を低下させることができ、また、難燃性樹脂組成物の比重を低下させることができる。
中空セラミックビーズは、内部に1つの大きな空隙を有するものであることが、前記効果を奏しやすい点から望ましいが、複数の空隙を内部に有する場合が本発明の範囲外となるものではない。
中空セラミックビーズの空隙率、すなわち、中空セラミックビーズ全体に対して、空隙部分の占める体積の割合は、以下の式で定義される。
Figure 2021014513
中空セラミックビーズの空隙率の平均値(平均空隙率)は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが特に好ましい。また、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、80%以下であることが特に好ましい。
平均空隙率が上記範囲内であると、難燃性樹脂組成物の熱伝導率低下や、比重低下の効果を十分に奏しやすい。
中空セラミックビーズの粒径は、20μm〜300μmであることが好ましく、150μm〜300μmであることが特に好ましい。
また、中空セラミックビーズとして、粒径の異なる2種を混合して使用してもよい。例えば、粒径20μm〜75μmのものと粒径150μm〜300μmのものを混合して使用してもよい。
中空セラミックビーズの平均球形度は、0.9以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましく、0.99以上であることが特に好ましい。すなわち、中空セラミックビーズは、真球に近ければ近いほどよい。
上記下限以上であると(特に、真球に近いと)、空気層が大きくなりやすく、難燃性樹脂組成物の断熱性や放熱性が向上しやすい。
なお、「球形度」とは、以下の式から算出した球形度の平均値である。
球形度=4πS/L
[Sは画像解析により得られる粒子の面積であり、Lは画像解析により得られる粒子の周囲長さである。]
「平均球形度」とは、少なくとも100個程度の粒子を選び出して上記球形度を算出した際の平均値をいう。
また、画像解析には、公知の走査型電子顕微鏡(SEM)等を使用することができる。
[(F2)膨張黒鉛]
膨張黒鉛は、公知のものを任意に使用することができ、例えば、天然黒鉛を濃硫酸、硝酸、セレン酸等と、強酸化剤である濃硝酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩等で処理して得られるものが挙げられる。このようにして得られた膨張黒鉛は、グラファイト層間化合物を生成させた炭素の層状構造を維持したままの結晶質化合物であり、熱によりガスを発生することにより膨張し、不燃の層を形成する。膨張黒鉛は、上述した炭化層の形成を促進すると同時に、難燃性樹脂組成物に耐火能力を付与する。
また、粒径が大きいほど膨張度合いが高いため、難燃性・耐火性付与能力は高いが、粒径が大きすぎると分散性が劣るため、炭化層の強度を落としてしまう。そして、粒径が小さいほど膨張度合いは低く、耐火性・難燃性の付与能力は低いが、表面積が大きく、分散性が良いため炭化層の強度を増すことが出来る。
膨張黒鉛の膨張開始温度は130℃〜300℃が好ましく、特に好ましくは180℃〜200℃であり、膨張容積は10〜300mL/gが好ましく、粒径は30〜500μmが好ましい。本発明においては、膨張黒鉛は、膨張開始温度、膨張容積、粒径の何れかがそれぞれ異なるものを2種以上混合して用いることが、難燃性向上の点、炭化層形成促進の点で好ましい。特に、本発明における他の難燃性付与材との組み合わせにより炭化層が強固に形成されるため3種以上混合して用いることがより好ましい。
中でも、粒径の異なる2種を混合して用いることがより好ましく、粒径の異なる3種以上を混合して用いることがより好ましい。
例えば、粒径の異なる3種を混合して用いる場合には、粒径10〜70μm、粒径100〜300μm、粒径150〜600μmのものを混合することがより好ましく、粒径35〜60μm、粒径150〜250μm、粒径250〜500μmのものを混合することが特に好ましい。
膨張黒鉛の含有量は、高分子化合物170質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、10〜47質量部がより好ましく、20〜45質量部が特に好ましい。
膨張黒鉛の含有(配合)量が少なすぎる場合には難燃性が劣る場合があり、多すぎる場合には燃焼中の対流による空中飛散により炭化層のやせ細りや貫通が起きる場合がある。
[その他の成分]
本発明の難燃性樹脂組成物は、前述の成分(A)ないし(F)に加えて、金属酸化物、ケイ素化合物等を更に更に含有してもよい。
金属酸化物としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化ホウ素、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−酸化マグネシウム、酸化ケイ素−酸化ジルコニウム、酸化ケイ素−酸化チタン、酸化鉄−酸化チタン、酸化チタン−酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム−酸化ホウ素等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。金属酸化物は、結晶性であっても非晶性でもよい。
これらの中でも、炭化層強化による難燃性・耐火性向上の点で酸化チタンが好ましい。酸化チタンの中でも、ルチル型酸化チタンが、分散性、安定性、安価である点等から特に好ましい。
ケイ素化合物としては、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、ガラスフリット等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ケイ素化合物を配合することによって、更に強固で厚い炭化層や表面膨張層を形成することができる。
(難燃性樹脂原料組成物)
本発明は、前記した難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物にも関する。
本発明の難燃性樹脂原料組成物は、前記した成分(B)ないし(F)を何れも含有する。難燃性樹脂原料組成物に、高分子化合物の原料を添加し、重合反応させることにより、前記した本発明の難燃性樹脂組成物を製造することができる。
本発明の難燃性樹脂原料組成物は、成分(B)ないし(F)に加えて、更に、高分子化合物原料の主剤を含有していてもよく、この場合、高分子化合物原料の硬化剤を添加し、重合反応させることにより、前記した本発明の難燃性樹脂組成物を製造することができる。
例えば、本発明の難燃性樹脂組成物が含有する高分子化合物がポリウレタンの場合、成分(B)ないし(F)とポリオール成分を含有させて混合した状態の難燃性樹脂原料組成物として、貯蔵・保管し、後から該難燃性樹脂原料組成物に、イソシアネート成分を添加することによって硬化させることで、本発明の難燃性樹脂組成物を製造することができる。
(耐火性構造物の製造方法)
本発明は、前記した難燃性樹脂組成物を構造物に被覆させることを特徴とする耐火性構造物の製造方法にも関する。
本発明の方法において、難燃性樹脂組成物を被覆される構造物の種類に特に限定はなく、公知の建築物等を挙げることができる。
本発明において、「耐火性」とは、構造体の性質ではなく、物質の性質であり、財団法人日本建築総合試験所の「防耐火性能試験・評価業務方法書」に掲載された耐火性能試験における「耐火性」を指す。当該耐火性能試験の「耐火性」の判定基準は、「加熱した試験体の裏面温度に一定限度以上の上昇が生じないこと」、「加熱した試験体裏面への一定時間を超える継続する火炎噴出及び発炎がないこと」、「加熱した試験体に火炎が通る亀裂の損傷がないこと」である。このように「耐火性」とは、燃え易いか燃え難いかという「難燃性」の性能に比べ、より高度な基準であり、火炎を貫通させない性能の基準である。
本発明の耐火性構造物の製造方法は、建築物の施工現場での複数液混合型スプレーガンによる断熱材の装着のための工事や、不燃性の建築材、造形物等の成型加工を容易に行うことができる。例えば、連続製造法、不連続製造法、スプレー法、注入法等が使用できる。これらの中でも、スプレー法は施工対象物に2成分の原液をスプレー装置で混合し吹き付ける方法で、対象物に到達するため好ましい。また、連続製造法は連続コンベア上において、下面材上に混合原液を流し、上面材を供給して連続発泡させる方法であり、所定の長さに裁断することにより、サンドイッチパネルを製造することができる。
このようにして得られた耐火性構造物は、構造物の屋根、壁や間仕切り等、断熱、結露防止、防・耐火等を求められる部位に吹き付け、又は空隙に注入することで、従来のポリウレタン発泡体の優れた断熱特性に、更に防・耐火性を加えた素材として新たな用途に利用することができる。また、建築物の鉄骨構造物の表面に吹き付けコーティングをすることにより、火事に際して、高熱による鉄骨の強度及び耐力の低下を防止する被覆材とすることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
調製例1
以下に示すからなる成分をよく混合し、粉体1を作製した。
[粉体1]
・被覆型ポリリン酸アンモニウム 60質量部
・水酸化アルミニウム 60質量部
・メラミン 60質量部
・ペンタエリスリトール 30質量部
・膨張黒鉛 30質量部
・中空セラミックビーズa 30質量部
(太平洋セメント(株)製、イースフィアーズ(登録商標)SL300、平均粒径175μm)
・中空セラミックビーズb 30質量部
(太平洋セメント(株)製、イースフィアーズ(登録商標)SL75、平均粒径45μm)
粉体1を55質量部に対して、変性ポリオール55質量部を添加し、撹拌混合した。使用した変性ポリオールは、日新レジン株式会社製、「ADAPT−E−NO.3」で使用されている変性ポリオールである。
粉体1と変性ポリオールの撹拌混合物に対して、更に、MDIプレポリマーを添加し、撹拌混合し、10cm×10cm×2cmの型に注入して硬化させ、硬化後に型から取り出すことで、10cm×10cm×2cmのポリウレタンを含有する難燃性樹脂組成物1(試験体1)を得た。使用したMDIプレポリマーは、日新レジン株式会社製、「ADAPT−E−NO.3」で使用されているMDIプレポリマーである。
調製例2
例1において、粉体1の代わりに以下に示すからなる成分をよく混合した粉体2を使用した以外は、例1と同様の操作を行い、ポリウレタンを含有する難燃性樹脂組成物2(試験体2)を得た。
[粉体2]
・被覆型ポリリン酸アンモニウム 60質量部
・水酸化アルミニウム 60質量部
・メラミン 60質量部
・ペンタエリスリトール 40質量部
・中空セラミックビーズa 40質量部
(太平洋セメント(株)製、イースフィアーズ(登録商標)SL300、平均粒径175μm)
・中空セラミックビーズb 40質量部
(太平洋セメント(株)製、イースフィアーズ(登録商標)SL75、平均粒径45μm)
調製例3
例1において、粉体1の代わりに以下に示すからなる成分をよく混合した粉体3を使用した以外は、例1と同様の操作を行い、ポリウレタンを含有する難燃性樹脂組成物3(試験体3)を得た。
[粉体3]
・被覆型ポリリン酸アンモニウム 63質量部
・水酸化アルミニウム 24質量部
・メラミン 17質量部
・ペンタエリスリトール 12質量部
・膨張黒鉛 22質量部
調製例4
以下に示すからなる成分をよく混合し、粉体4を作製した。
[粉体4]
・被覆型ポリリン酸アンモニウム 48質量部
・水酸化アルミニウム 12質量部
・メラミン 8質量部
・ペンタエリスリトール 8質量部
・膨張黒鉛 24質量部
粉体4を11質量部に対して、日新レジン株式会社製の「クリスタルレジン」(2液性のエポキシ樹脂)の主剤17質量部、硬化剤8質量部を添加しよく撹拌混合し、4cm×6cm×0.3cmの型に注入して硬化させ、硬化後に型から取り出すことで、4cm×6cm×0.3cmのエポキシ樹脂を含有する難燃性樹脂組成物4(試験体4)を得た。
<バーナー火炎照射試験>
各調製例で得た試験体(難燃性樹脂組成物)を、火炎照射試験用の台座に設置し、ガスバーナー(新富士バーナー株式会社製、スポットフレームプロRZ−511CR)によって、火炎照射を開始し、開始後の経過時間をストップウォッチで計測した。炎の先端温度は、火炎温度を熱電対温度計(シース熱電対)で計測し、1000℃程度となるようにした。また、試験体の裏面(火炎照射している面とは逆側の面)の温度を、放射温度計(非接触型温度計MT−7型)にて測定した。
ポリウレタンを含有する試験体について、結果を表1に示す。試験体1と試験体2の何れも、火炎照射開始後20分を経過しても、裏面への貫通は認められなかった。
Figure 2021014513
また、エポキシ樹脂を含有する試験体4について、目視で裏面の様子を観測したところ、火炎照射開始後1分、5分、10分においては裏面への貫通が認められなかったが、18分経過後に貫通が見られた。
<電気炉内の加熱試験>
中空セラミックビーズを含む試験体2を、電気炉(城田電気炉材(株)製、MF−P25)に入れて加熱したところ、782℃で溶解が確認された。一方、中空セラミックビーズを含まない試験体3を同様に電気炉に入れて加熱したところ、656℃で溶解が確認された。
<比重の測定>
ポリウレタンを含有する各試験体の比重について、分析天びん((株)島津製作所社製、AUY220)によって測定したところ、試験体1は0.987、試験体2は0.953、試験体3は1.348であった。中空セラミックビーズを含有する試験体は、比重が小さかった。
本発明の難燃性樹脂組成物は、高分子化合物の特徴を保持しながら、難燃性、耐火性に優れており、低熱伝導性であり、低比重であることから、建築・土木分野における断熱材や、燃料電池・太陽電池・回路基板の保護材等に広く利用されるものである。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)ないし(F)を何れも含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
    (A)高分子化合物
    (B)ポリリン酸アンモニウム
    (C)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム
    (D)多価アルコール
    (E)メラミン骨格を有する化合物
    (F)中空セラミックビーズ及び/又は膨張黒鉛
  2. 成分(A)が、エラストマーである請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 成分(A)が、ポリウレタンである請求項1又は請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 成分(F)が、中空セラミックビーズである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記中空セラミックビーズの平均空隙率が、30%以上90%以下である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の難燃性樹脂組成物を製造するための難燃性樹脂原料組成物であって、下記成分(B)ないし(F)を何れも含有することを特徴とする難燃性樹脂原料組成物。
    (B)ポリリン酸アンモニウム
    (C)水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム
    (D)多価アルコール
    (E)メラミン骨格を有する化合物
    (F)中空セラミックビーズ及び/又は膨張黒鉛
  7. 更に、高分子化合物原料の主剤を含有する請求項6に記載の難燃性樹脂原料組成物。
  8. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の難燃性樹脂組成物を構造物に被覆させることを特徴とする耐火性構造物の製造方法。
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