JP2016160368A - 白色樹脂組成物、転写材料、基材、タッチパネル、及び、情報表示装置 - Google Patents

白色樹脂組成物、転写材料、基材、タッチパネル、及び、情報表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化後のひび割れの発生が抑えられる白色樹脂組成物、また、上記白色樹脂組成物を用いた転写材料及び基材、上記基材を含むタッチパネル、並びに、上記タッチパネルを有する情報表示装置を提供すること。
【解決手段】白色顔料、及び、下記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造とを含むシリコーン樹脂を含有し、上記シリコーン樹脂中の、下記式で表されるT体/D体比が6.4以下であることを特徴とする白色樹脂組成物。
T体/D体比=(式Tで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)/(式Dで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)
Figure 2016160368

【選択図】なし

Description

本発明は、白色樹脂組成物、転写材料、基材、タッチパネル、及び、情報表示装置に関する。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの表面にタッチパネル型の入力装置が配置され、液晶装置の画像表示領域に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指又はタッチペンなどを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものがある。
このような入力装置(タッチパネル)には、抵抗膜型、静電容量型などがある。静電容量型の入力装置は、単に一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点がある。また、静電容量型の入力装置は、一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点がある。カバーガラス一体型(OGS:One Glass Solution)タッチパネルの静電容量型タッチパネルは、前面板が静電容量型の入力装置と一体化しているため、薄層/軽量化が可能となる。
このような静電容量型の入力装置においては、表示装置の引き回し回路等を使用者から視認されないようにするため、また、見栄えをよくするため、指又はタッチペンなどで触れる情報表示部(画像表示部、透光領域ともいう。)を囲む枠状に加飾材が形成されて、加飾が行われている。このような加飾をするための加飾材としては、デザインや見栄えの観点から白色加飾材が求められている。また、白色加飾材(白色層)だけでは表示装置の引き回し回路等が透けて使用者から視認されてしまわないように、黒色加飾材(遮光層と呼ばれることもある。)や、その他の色に着色された加飾材を用いることが求められることもある。
白色加飾材などの加飾材を製造する際には、基板上に白色樹脂組成物を配置し、必要に応じて更に遮光層形成用組成物を配置した後に、ポストベーク(加熱)を行うことにより、未硬化の層を硬化させて加飾材とする方法が知られている。
特許文献1には、基材、白色着色層及び遮光層をこの順で含み、上記白色着色層と、上記遮光層がいずれもシロキサン結合を主鎖に有する樹脂を含むことを特徴とする加飾材付き基材が開示されている。
国際公開第2014/097803号
上記白色樹脂組成物の組成や、白色層の層厚、ポストベークの条件によっては、硬化により、白色層がひび割れてしまうという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、硬化後のひび割れの発生が抑えられる白色樹脂組成物を提供することである。また、上記白色樹脂組成物を用いた転写材料及び基材、上記基材を含むタッチパネル、並びに、上記タッチパネルを有する情報表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<6>、<8>、<9>、<12>又は<13>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である、<2>〜<5>、<7>、<10>及び<11>と共に以下に記載する。
<1> 白色顔料、及び、下記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造とを含むシリコーン樹脂を含有し、上記シリコーン樹脂中の、下記式で表されるT体/D体比が6.4以下であることを特徴とする白色樹脂組成物、
T体/D体比=(式Tで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)/(式Dで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)
Figure 2016160368
式T及び式D中、RT1、RD1、及び、RD2はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリル基、又は、水素原子を表し、波線部は他の構造との結合部位を表す、
<2> RT1、RD1、及び、RD2が、それぞれ独立に、メチル基又はフェニル基である、<1>に記載の白色樹脂組成物、
<3> 白色樹脂組成物の全固形分に対し、上記シリコーン樹脂を30質量%以上含有する、<1>又は<2>に記載の白色樹脂組成物、
<4> 下記式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーを更に含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の白色樹脂組成物、
Figure 2016160368
式1中、R1〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立に、単結合又は二価の有機連結基を表し、Aは顔料吸着部位を有する基を表し、Bは下記式2で表される構造を有する基を表し、l及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す、
Figure 2016160368
式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す、
<5> 上記式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーが、下記式3で表される化合物である、<4>に記載の白色樹脂組成物、
Figure 2016160368
式3中、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立に、単結合又は二価の有機連結基を表し、A1は酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素原子数4以上の炭化水素基、複素環基、アミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアナト基、ヒドロキシ基、及び、チオール基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有する顔料吸着部位を有する基を表し、Bは下記式2で表される構造を有する基を表し、l、m1及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数を表す、
Figure 2016160368
式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す、
<6> 仮支持体上に白色層を有し、上記白色層が、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の白色樹脂組成物からなることを特徴とする転写材料、
<7> 上記仮支持体と上記白色層の間に、遮光層を有する、<6>に記載の転写材料、
<8> 基板、白色層、及び、遮光層をこの順で有し、上記白色層を、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の白色樹脂組成物により作製したことを特徴とする基材、
<9> <6>又は<7>に記載の転写材料により作製したことを特徴とする基材、
<10> 遮光層の、基板とは反対側に、導電性層を更に有する、<8>又は<9>に記載の基材、
<11> 加飾用である、<8>〜<10>のいずれか1つに記載の基材、
<12> <8>〜<11>のいずれか1つに記載の基材を含むことを特徴とするタッチパネル、
<13> <12>に記載のタッチパネルを有することを特徴とする情報表示装置。
本発明によれば、硬化後のひび割れの発生が抑えられる白色樹脂組成物を提供することである。また、上記白色樹脂組成物を用いた転写材料及び基材、上記基材を含むタッチパネル、並びに、上記タッチパネルを有する情報表示装置を提供することができる。
加飾材の一例を示す、部分拡大断面図である。 加飾材の他の一例を示す、部分拡大断面図である。 加飾材の他の一例を示す、部分拡大断面図である。 傾斜部と基板とのなす傾斜角を表した部分拡大断面図である。 本発明の基材を用いた、本発明のタッチパネルの一例の構成を示す断面概略図である。 本発明の基材を用いた、本発明のタッチパネルの他の一例の構成を示す断面概略図である。 本発明のタッチパネルにおける前面板の一例を示す説明図である。 本発明のタッチパネルにおける第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 開口部が形成された強化処理ガラスの一例を示す上面図である。 加飾材及び遮光層が形成された本発明のタッチパネルの一例を示す上面図である。 第一の透明電極パターンが形成された本発明のタッチパネルの一例を示す上面図である。 第一及び第二の透明電極パターンが形成された本発明のタッチパネルの一例を示す上面図である。 第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素が形成された本発明のタッチパネルの一例を示す上面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明では、ポリマー成分の分子量については、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。具体的には、下記の条件で測定することができる。
・カラム:GPCカラムTSKgelSuper HZM−H(東ソー(株)製)
・溶媒:テトラヒドロフラン
・標準物質:単分散ポリスチレン
1.白色樹脂組成物
本発明の白色樹脂組成物は、白色顔料、及び、下記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造とを含むシリコーン樹脂(以下、「特定シリコーン樹脂」ともいう。)を含有し、上記シリコーン樹脂中の、下記式で表されるT体/D体比が6.4以下であることを特徴とする。
T体/D体比=(式Tで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)/(式Dで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)
Figure 2016160368
式T及び式D中、RT1、RD1、及び、RD2はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリル基、又は、水素原子を表し、波線部は他の構造との結合部位を表す。
本発明者らが鋭意検討した結果、本発明の白色樹脂組成物を用いることにより、白色層のひび割れの発生が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
その詳細な作用機序は明確ではないが、T体/D体比が6.4以下であるシリコーン樹脂を用いることにより、2官能体であるD体部分が硬化膜に柔軟性を付与し、硬化により生じる収縮応力を緩和したためと推測している。
また一般的に、白色層を厚くすることにより、白色層の白色度を向上させることができるが、厚い白色層ではひび割れが発生しやすくなってしまう。
ひび割れの発生を抑制することができる本発明の白色樹脂組成物は、このような白色層を厚くした場合にも好適である。
<白色顔料>
白色顔料としては特に限定されないが、特開2005−7765公報の段落0015や段落0114に記載の白色顔料を用いることができる。
具体的には、白色顔料としては二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウムが好ましく、二酸化チタン、酸化亜鉛がより好ましく、本発明では白色顔料が二酸化チタンであることが更に好ましく、その中でもルチル型又はアナターゼ型二酸化チタンが特に好ましく、ルチル型二酸化チタンが最も好ましい。
二酸化チタンの表面の処理は、シリカ処理、アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理、有機物処理及びそれらを併用することができる。
これにより二酸化チタンの触媒活性を抑制でき、耐熱性、褪光性等を改善することができる。
本発明の白色樹脂組成物の塗布膜を高温処理した後のb値を抑制する観点から、二酸化チタンの表面への表面処理はアルミナ処理、ジルコニア処理、シリカ処理が好ましく、アルミナ/ジルコニア併用、又は、アルミナ/シリカ併用処理が特に好ましい。
白色顔料の含有量は、本発明の白色樹脂組成物の全固形分に対し、5〜75質量%であることが好ましく、15〜65質量%であることがより好ましく、25〜55質量%であることが更に好ましい。
本発明に用いられる白色層における白色顔料の含有量は、5〜75質量%であることが好ましく、15〜65質量%であることがより好ましく、25〜55質量%であることが更に好ましい。
なお、「全固形分」とは、白色樹脂組成物から、溶媒等の揮発性成分を除いた成分を意味する。
また、白色顔料は、後述する白色顔料分散液として、白色樹脂組成物に添加してもよく、白色顔料分散液における白色顔料の含有量は、白色顔料分散液全体に対して、20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
<特定シリコーン樹脂>
本発明の白色樹脂組成物は、特定シリコーン樹脂を含有する。
特定シリコーン樹脂は、下記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造とを含み、上記シリコーン樹脂中の、下記式で表されるT体/D体比が6.4以下である。
T体/D体比=(式Tで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)/(式Dで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)
Figure 2016160368
式T及び式D中、RT1、RD1、及び、RD2はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリル基、又は、水素原子を表し、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又はナフチル基であることがより好ましく、メチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、波線部は他の構造との結合部位を表す。
T体/D体比は、6.4以下であり、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましい。上記態様によれば、硬化後のひび割れの発生が抑えられた白色樹脂組成物が得られる。T体/D体比の下限は、特に制限されないが、本発明の白色樹脂組成物を転写フィルムに用いる際の仮支持体の剥離性の観点から、2.0以上であることが好ましい。
T体/D体比が2.0以上であれば、適度に柔軟な白色層が得られるため、仮支持体の剥離性が良好となる。
〔T体/D体比の測定方法〕
T体/D体比は、「シリコーンハンドブック第20章記載(伊藤邦雄著、日刊工業新聞社)」に記載の方法を参考にし、下記の方法により測定される。
29Si−NMR(日本電子(株)製ECP400)を用いて、29Si−NMRのピーク面積比から、シリコーン樹脂のT体/D体比を求める。29Si−NMRの測定条件は、PTFE製10mmφ試料管使用、プローブ:T10、共鳴周波数79.42MHz、パルス幅10μsec、待ち時間20sec、積算時間1,500回、緩和試薬:Cr(acac)を0.1wt%、外部標準試料:テトラメチルシランとする。また、各構造に由来する29Si−NMRの化学シフトは、以下のとおりである。
D体:−20〜−25ppm
T体:−60〜−70ppm
また、本発明に用いられる特定シリコーン樹脂は、上記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造以外のその他の構造を含んでもよいが、上記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造の合計量が、シリコーン樹脂全体の質量に対し、80質量%であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
上記その他の構造としては、下記式Mで表される構造や、下記Qで表される構造が挙げられる。
Figure 2016160368
式M及び式Q中、RM1、RM2、及び、RM3はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリル基、又は、水素原子を表し、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又はナフチル基であることがより好ましく、メチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、波線部は他の構造との結合部位を表す。
〔特定シリコーン樹脂の製造方法〕
本発明に用いられる特定シリコーン樹脂は、例えば、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解し、シラノール基を発生させた上で、加熱により縮合させる方法により製造することができる。
上記加水分解性基としては、アルコキシ基又はハロゲン原子が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は、塩素原子が好ましい。
本発明においては、特定シリコーン樹脂に上記式Tで表される構造と、上記式Dで表される構造を含有させるため、縮合後に上記式Tで表される構造を形成できる、加水分解性基を3つ有するシラン化合物と、縮合後に上記式Dで表される構造を形成できる、加水分解性基を2つ有するシラン化合物とを縮合させることが好ましい。
また、特定シリコーン樹脂に、上記式Mで表される構造や、上記式Qで表される構造を含有させるため、加水分解性基を1つ有するシラン化合物と、加水分解性基を4つ有するシラン化合物とを更に縮合させてもよい。
加水分解性基を3つ有するシラン化合物と、加水分解性基を2つ有するシラン化合物の使用量は、特定シリコーン樹脂のT体/D体比を6.4以下とする必要があるため、(加水分解性基を3つ有するシラン化合物のモル量)/(加水分解性基を2つ有するシラン化合物のモル量)が6.4以下であり、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましい。
加水分解性基を3つ有するシラン化合物としては、下記式T1で表される化合物が、加水分解性基を2つ有する化合物としては下記式D1で表される化合物が、それぞれ好ましく挙げられる。
Figure 2016160368
式T1及び式D1中、RT1、RD1、及び、RD2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリル基、又は、水素原子を表し、RT2〜RT4はアルキル基を表す。
T1、RD1、及び、RD2は、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又はナフチル基であることがより好ましく、メチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、波線部は他の構造との結合部位を表す。
T2〜RT4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、イソプロピル基が好ましく、メチル基、又は、イソプロピル基がより好ましい。
本発明に用いられる特定シリコーン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が-10℃以上であることが好ましい。
特定シリコーン樹脂のTgは、0℃以上であることが好ましく、10℃〜120℃であることがより好ましい。Tgが上記範囲であることにより、得られる硬化物の加熱時のひび割れ耐性に優れ、また、転写材料や加飾材としてより好適に用いることができる。
特定シリコーン樹脂のTgの測定方法としては、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定する方法が挙げられる。
特定シリコーン樹脂の重量平均分子量としては、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、また、5,000,000以下であることが好ましく、3,000,000以下であることがより好ましい。
特定シリコーン樹脂の含有量は、白色樹脂組成物の全固形分に対し、1〜90質量%であることが好ましく、10〜85質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましい。
本発明の白色樹脂組成物は、顔料分散剤、溶媒、その他の樹脂、重合触媒、塗布助剤、酸化防止剤、及び、その他の添加剤を含有することができる。
以下、各成分について説明する。
<顔料分散剤>
本発明に用いられる白色樹脂組成物は、顔料分散剤を含有することが好ましい。顔料分散剤を含有することにより、白色顔料の白色樹脂組成物中での分散性を向上させることができる。
顔料分散剤としては、公知の顔料分散剤から適宜選択して用いることができる。
顔料分散剤は、単独で顔料の分散性を向上させる機能を有する化合物であり、本発明において、高分子分散剤が好ましく例示される。高分子分散剤は、顔料吸着基、及び、立体反発鎖の双方を有していることが好ましい。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)」、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010(ポリウレタン系)、4165(ポリウレタン系)、EFKA4300(アクリルブロック共重合体)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ(株)製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学(株)製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成(株)製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王(株)製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカルズ(株)「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、信越シリコーン(株)製「KP−541、KP−578(アクリルシリコーン)」等が挙げられる。
これらの中でも、シリコーン系の顔料分散剤が好ましく、具体的には、信越シリコーン(株)製「KP−541、KP−578(アクリルシリコーン)」等が挙げられる
本発明において、顔料分散剤としては、下記式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーが好ましく例示される。
Figure 2016160368
式1中、R1〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立に、単結合又は二価の有機連結基を表し、Aは顔料吸着部位を有する基を表し、Bは下記式2で表される構造を有する基を表し、l及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す。
Figure 2016160368
式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す。
式1中、R1〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R10におけるアリール基としては、フェニル基や置換フェニル基を挙げることができる。
1〜R10における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基を挙げることができ、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
1〜R10は、更に置換基を有していてもよい。例えば、R1〜R10がヒドロキシ基を表す場合、任意のアルキル基を更に置換基として有し、アルコキシ基を形成してもよい。ただし、R1〜R10は更に置換基を有さないことが好ましい。
lが2以上である場合、l個のR4及びR5はそれぞれ互いに同一であっても、異なっていてもよい。
mが2以上である場合、m個のR6は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
nが2以上である場合、n個のR7は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式1中、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。
mが2以上である場合、m個のR11は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
nが2以上である場合、n個のR12は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式1中、R13は、単結合又は二価の有機連結基を表す。
mが2以上である場合、m個のR13は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式1中、R14は、単結合又は二価の有機連結基を表す。
nが2以上である場合、n個のR13は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
13又はR14における二価の有機連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、及び、0〜20個の硫黄原子からなる基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
13又はR14における二価の有機連結基は、具体的な例として、下記の構造単位群Gから選ばれる構造単位、又は、これらの構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
Figure 2016160368
13又はR14としては、単結合、又は、1〜50個の炭素原子、0〜8個の窒素原子、0〜25個の酸素原子、1〜100個の水素原子及び0〜10個の硫黄原子からなる二価の有機連結基が好ましく、単結合、又は、1〜30個の炭素原子、0〜6個の窒素原子、0〜15個の酸素原子、1〜50個の水素原子及び0〜7個の硫黄原子からなる二価の有機連結基がより好ましく、単結合、又は、1〜10個の炭素原子、0〜5個の窒素原子、0〜10個の酸素原子、1〜30個の水素原子及び0〜5個の硫黄原子からなる二価の有機連結基が特に好ましい。
13又はR14は、単結合、又は、上記構造単位群Gから選ばれた構造単位若しくはこれらの構造単位が組み合わさって構成される、「1〜10個の炭素原子、0〜5個の窒素原子、0〜10個の酸素原子、1〜30個の水素原子及び0〜5個の硫黄原子」からなる二価の有機連結基(置換基を有していてもよく、この置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜16のアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素原子数1〜6のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1〜6のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素原子数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。)であることが好ましい。
13は、−(CH2)−CH(R13A)−で表される二価の有機連結基であることが好ましい。R13Aは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。R13Aは、更に置換基を有していてもよく、置換基を有する場合は、カルボキシル基が好ましい。
14は、−(CH2)−CH(R14A)−C(=O)−O−(Cq2q)−で表される二価の有機連結基であることが好ましい。R14Aは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。R14Aは、更に置換基を有していてもよい。qは0以上の整数を表し、1以上の整数であることが好ましい。
式1中、Aは顔料吸着部位を有する基を表す。
mが2以上である場合、m個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
Aは、1つの顔料吸着部位を有していてもよいし、複数の顔料吸着部位を有していてもよい。Aが複数の顔料吸着部位を有する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Aは、例えば、顔料吸着部位と、1〜200個の炭素原子、0〜20個の窒素原子、0〜100個の酸素原子、1〜400個の水素原子及び0〜40個の硫黄原子から構成される有機連結基とが結合してなる一価の有機基であることが好ましい。顔料吸着部位自体が一価の有機基を構成する場合には、顔料吸着部位そのものがAで表される有機基であってももちろんよい。
上記顔料吸着部位は、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、複素環残基、アミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基及びチオール基よりなる群から選択される部位を、少なくとも1種類含むことが好ましく、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、配位性酸素原子を有する基、複素環残基、アミド基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基及びチオール基よりなる群から選択される部位を少なくとも1種類含むことがより好ましく、酸性基及びアルコキシシリル基よりなる群から選択される部位を少なくとも1種類含むことが更に好ましく、カルボン酸基、リン酸基又はトリメトキシシリル基であることが特に好ましい。
顔料吸着部位における酸性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基(ホスホノ基など)、ホスホノオキシ基、モノリン酸エステル基、及び、ホウ酸基が好ましく挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、ホスホノオキシ基、及び、モノリン酸エステル基がより好ましく挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基が特に好ましく挙げられる。
顔料吸着部位における塩基性窒素原子を有する基としては、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHRC1、−NRC2C3、ここで、RC1、RC2及びRC3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、グアニジル基又はアミジニル基などが挙げられる。
顔料吸着部位におけるウレア基としては、−NRC4CONRC5C6(ここで、RC4〜RC6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が挙げられ、−NRC4CONHRC6(ここで、RC4及びRC6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHRC6(ここで、RC6は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
顔料吸着部位におけるウレタン基としては、−NHCOORC7、−NRC8COORC9、−OCONHRC10、−OCONRC11C12(ここで、RC7〜RC12はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが挙げられ、−NHCOORC7、−OCONHRC10(ここで、RC7及びRC10はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCOORC7、−OCONHRC10(ここで、RC7及びRC10はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
顔料吸着部位における配位性酸素原子を有する基としては、アセチルアセトナート基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
顔料吸着部位における炭素数4以上の炭化水素基としては、炭素数4以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基などが挙げられ、炭素数4〜20アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましく、炭素数4〜15アルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基など)、炭素数6〜15のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)又は炭素数7〜15のアラルキル基(例えばベンジル基など)が特に好ましい。
顔料吸着部位における複素環残基としては、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、及び、アントラキノンよりなる群から選ばれた複素環を有する残基等が挙げられる。
顔料吸着部位におけるアミド基としては、−CONHRC13(ここで、RC13は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが挙げられる。
顔料吸着部位におけるアルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
顔料吸着部位を有する有機基のその他のとり得る態様の例は、特開2013−43962号公報の段落0016〜0046に記載された態様が挙げられ、特開2013−43962号公報の段落0016〜0046は本発明に組み込まれる。
式1中、Bは式2で表される構造を有する基を表す。
Figure 2016160368
式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す。
15及びR16はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
kは1以上の整数を表し、2〜300の整数であることが好ましく、10〜200の整数であることがより好ましい。
Bは式2で表される構造を有する基を表す。
式2で表される構造は、シリコーン系モノマーから誘導される構造であることが好ましい。B単独がシリコーン系モノマーから誘導される構造であってもよく、BとR14の組み合わせがシリコーン系モノマーから誘導される構造であってもよい。シリコーン系モノマーは、シリコーン系マクロマーであってもよい。なお、本明細書中、「マクロマー(マクロモノマーともいう。)」は、重合性官能基を持ったオリゴマー(重合度2以上300以下程度)あるいはポリマーの総称であり、高分子と単量体(モノマー)との両方の性質を有するものである。上記式2で表される構造は、重量平均分子量が1,000〜50,000(より好ましくは1,000〜10,000であり、更に好ましくは1,000〜5,000)であるシリコーン系マクロマーから誘導される構造であることが好ましい。
更には、式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーは、有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が高いと、例えば、分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が強まり、分散安定化に十分な吸着層を確保しやすい。
式2で表される構造を有する基の例には、信越化学工業(株)製のX−22−174ASX、X−22−174BX、KF−2012、X−22−173BX、X−22−3710由来の基などを挙げることができる。
式1中、lは1以上の整数を表し、1〜100の整数であることが好ましく、1〜60の整数であることがより好ましく、1〜30の整数であることが特に好ましい。
式1中、mは0以上の整数を表し、1以上の整数であることが顔料の分散性を高める観点から好ましく、1〜60の整数であることがより好ましく、1〜30の整数であることが特に好ましい。
式1中、nは1以上の整数を表し、1〜100の整数であることが好ましく、1〜60の整数であることがより好ましく、1〜30の整数であることが特に好ましい。
式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーにおける各部分構造の含有量の割合は、特に制限はない。すなわち、式1中、lとmとnとの割合は、特に制限はない。
また、式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーにおける各部分構造(右下にl〜nの添え字が付された各括弧内の構造や、後述する式3で表される繰り返し単位)の順番は、特に制限はなく、任意の順番で結合していればよく、例えば、ブロックを形成して結合していても、ランダムに結合していてもよい。
本発明において、式1中、mは1以上の整数を表すことが好ましい。
式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーはl、m、n、k個の繰り返し単位以外のその他の繰り返し単位を有していてもよいが、その他の繰り返し単位を有さないことが好ましい。
その他の繰り返し単位としては、A以外の顔料吸着部位を有するその他の繰り返し単位を挙げることができる。例えば、式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーは、下記式4で表される(未反応の)チオール基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2016160368
式4中、R17及びR18はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、sは0以上の整数を表す。
式4におけるR17及びR18の好ましい態様は、式1におけるR6及びR11の好ましい態様と同様である。
sは、0であることが好ましい。
式4で表されるチオール基を有する繰り返し単位を含むポリマーの例には、信越化学工業(株)製KF−2001及びKF−2004などを挙げることができる。
本発明において、式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーは、下記式3で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2016160368
式3中、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立に、単結合又は二価の有機連結基を表し、A1は酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素原子数4以上の炭化水素基、複素環基、アミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアナト基、ヒドロキシ基、及び、チオール基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有する顔料吸着部位を有する基を表し、Bは下記式2で表される構造を有する基を表し、l、m1及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数を表す。
Figure 2016160368
式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す。
式3におけるR11、R12、R13、R14、B、l及びnの定義、及び、好ましい範囲は、式1におけるR11、R12、R13、R14、B、l及びnの定義、及び、好ましい範囲とそれぞれ同様である。
式3におけるA及びm1の好ましい範囲は、式1におけるA及びmの好ましい範囲とそれぞれ同様である。
〔グラフト型シリコーンポリマーの製造方法〕
上述の式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーの製造方法としては特に制限はない。
例えば、以下のメルカプト変性シリコーンである化合物A、シリコーンマクロモノマーである化合物B、及び、顔料吸着部位を有するマクロモノマーである化合物Cの組み合わせにより合成することができ、例えば以下のスキーム1により合成できる。なお、下記スキーム1ではマクロモノマー(具体的にはラジカル重合性モノマー、より具体的には(メタ)アクリルモノマー)である化合物B及び化合物Cを用いた例を示したが、上述の式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーの製造方法はこのような製造方法に限定されるものではない。
化合物A、B、C及びスキーム1中、R1〜R11、l、m、及び、nは、式1中のR1〜R11、l、m、及び、nとそれぞれ同義であり、pは0以上の整数であり、kは1以上の整数であり、RBは任意の置換基であり、R及びXはそれぞれ後掲の表1中の置換基を表し、PGMEAはエステル系溶媒の一例であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、V−601は重合開始剤の一例であるジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)である。
Figure 2016160368
Figure 2016160368
上記顔料分散剤の製造方法は、特開2013−43962号公報の[0110]〜[0134]の記載を参照してもよく、特開2013−43962号公報の[0110]〜[0134]は本発明に組み込まれる。ただし、本発明においては、これらに制限されるものではない。
グラフト型シリコーンポリマーの重量平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜70,000であることがより好ましく、3,000〜50,000であることが更に好ましい。重量平均分子量が1,000以上であると、顔料分散性が良好となる。
本発明において、顔料分散剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
顔料分散剤の含有量は、白色顔料100質量部に対し、1〜40質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましく、2〜15質量部であることが更に好ましい。
〔顔料分散液〕
白色顔料は、白色顔料分散液として、白色樹脂組成物に添加してもよい。また、後述する黒色顔料は、黒色顔料分散液として、後述する遮光層形成用組成物に添加してもよい。
以下、白色顔料分散液と黒色顔料分散液について、まとめて顔料分散液として説明する。以下の説明は、白色顔料分散液と黒色顔料分散液のいずれについても適用される。
顔料分散液は、上記白色顔料又は後述する黒色顔料と、上記顔料分散剤と、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びアルコール系溶媒よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒とを含有することが好ましい。
上記顔料分散剤としては、上記グラフト型シリコーンポリマーが好ましい。
顔料分散液を調製する方法としては、特に制限はないが、顔料分散時には白色顔料、グラフト型シリコーンポリマー、溶媒及び選択的に少量の分散バインダーのみが使われることが好ましい。また、白色顔料又は黒色顔料分散時には、分散補助剤として機能する先述の特定シリコーン樹脂や、後述の重合触媒などの添加剤を顔料分散液の材料として添加してもよい。
顔料分散液に用いられる溶媒としては、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びアルコール系溶媒よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒を用いることが好ましい。
炭化水素系溶媒としては、キシレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ヘキサンなどが好ましい。
ケトン系溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、ジエチルケトンなどが好ましい。
エステル系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどが好ましい。
アルコール系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ノルマルプロピルアルコール、ブタノールなどが好ましい。
中でも、炭化水素系溶媒、エステル系溶媒及びケトン系溶媒よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒が好ましく、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び酢酸エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒が特に好ましい。
顔料分散液(全固形分と溶媒の合計)に対する溶媒の含有量としては、5〜98質量%が好ましく、10〜95質量%がより好ましい。
白色顔料又は黒色顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル、ビーズミル等の公知の分散機が挙げられる。更に前述の文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
白色顔料粒子又は黒色顔料粒子の沈降、凝集を抑制するため、バインダーを顔料分散液に添加してもよい。バインダーとしては、熱着色の点から、変性シリコーン化合物が挙げられる。変性シリコーン化合物としては、シロキサン結合を主鎖に有し、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を主鎖末端及び/又は側鎖末端に有する化合物が好適に用いられる。特に、黒色顔料分散液において、変性シリコーン化合物を含有することが好ましい。
顔料分散液中の全固形分に対するバインダーの含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、0.2〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
また、顔料分散液におけるグラフト型シリコーンポリマーの含有量は、白色顔料又は黒色顔料100質量部に対し、1〜40質量部であることが好ましく、3〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることが更に好ましい。
<その他の樹脂>
本発明において、白色樹脂組成物は、その他の樹脂を含有してもよい。
白色樹脂組成物が含有するその他の樹脂は特に制限はないが、熱架橋性樹脂であることが好ましい。熱架橋性樹脂としては、例えば、シロキサン結合を主鎖に有するシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、中でもシロキサン結合を主鎖に有するその他のシリコーン樹脂が好ましい。なお、その他のシリコーン樹脂は、上記特定シリコーン樹脂及びグラフト型シリコーンポリマー以外のシリコーン樹脂である。
その他のシリコーン樹脂としては、公知のものが使用でき、メチル系ストレートシリコーンレジン(ポリジメチルシロキサン)、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン(メチル基の一部をフェニル基に置換したポリジメチルシロキサン)、アクリル樹脂変性シリコーンレジン、ポリエステル樹脂変性シリコーンレジン、エポキシ樹脂変性シリコーンレジン、アルキッド樹脂変性シリコーンレジン及びゴム系のシリコーンレジン、シリコーンアルコキシオリゴマー等が好ましく使用できる。中でも、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン、アクリル樹脂変性シリコーンレジン、シリコーンアルコキシオリゴマーがより好ましく挙げられ、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン、シリコーンアルコキシオリゴマーが更に好ましく挙げられる。
中でも、シリコーン樹脂としては、シラノール基を有し、かつTgが10℃以上であるシリコーン樹脂であることが好ましい。上記態様であると、得られる硬化物の加熱時のひび割れ耐性により優れ、硬化物の熱による着色がより少なく、また、硬化物の耐摩耗性により優れる。
シリコーン樹脂は、1種のみを用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらを任意の比率で混合することにより膜物性を制御することもできる。
シリコーン樹脂は、有機溶媒などに溶解されたものを用いてもよく、例えば、キシレン溶液やトルエン溶液に溶解されたものを用いることができる。
シリコーン樹脂としては、市販のシリコーン樹脂を用いてもよく、例えば、信越化学工業(株)製KR251、KR255、KR300、KR311、KR216、ES−1001N、ES−1002T、ES−1023等が好ましく挙げられる。
また、シリコーンアルコキシオリゴマーとしては、市販のシリコーンオリゴマーを用いてもよく、例えば、信越化学工業(株)製KC−89S、KR−500、X―40−9225、X−40−9246、X−40−9250、KR−510、KR−9218、X−40−9227、KR−213等が好ましく挙げられる。
シリコーン樹脂の重量平均分子量としては、1,000以上であることが好ましく、また、5,000,000以下であることが好ましく、3,000,000以下であることがより好ましく、2,000,000以下であることが更に好ましい。
シリコーン樹脂の含有量は、白色樹脂組成物の全固形分に対し、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%であることが更に好ましい。
<溶媒>
本発明の白色樹脂組成物は、溶媒を含有していてもよい。
溶媒としては、特に制限はなく、公知の溶媒を用いることができる。中でも、上述した、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及びアルコール系溶媒よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒が好ましく挙げられ、炭化水素系溶媒及びケトン系溶媒よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒がより好ましく挙げられ、芳香族炭化水素系溶媒及びケトン系溶媒よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒が更に好ましく挙げられる。
溶媒は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の白色樹脂組成物における溶媒の含有量は、特に制限はないが、白色樹脂組成物の全質量に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜85質量%であることがより好ましい。
<硬化触媒>
本発明において、白色樹脂組成物がシリコーン樹脂を含有する場合、その架橋反応を促進し、硬化皮膜を形成するために、縮合反応硬化触媒(縮合触媒、又は、重合触媒ともいう。)を用いてもよい。縮合反応硬化触媒は、金属塩であることが好ましく、有機酸金属塩を含有する縮合触媒であることがより好ましい。
金属塩(アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を除く。)、より好ましくは有機酸金属塩(アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を除く。)からなる縮合触媒は、従来公知の縮合触媒が好適に用いられる。すなわち、硬化触媒として、有機酸のアルミニウム塩、錫塩、鉛塩又は遷移金属塩を挙げることができ、有機酸と前述の金属イオンがキレート構造に代表される錯塩を形成しているものでもよい。このような硬化触媒はアルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、コバルト、パラジウム、錫、水銀又は鉛から選ばれる1種又は2種以上の金属を含有する縮合触媒が特に好適であって、有機酸ジルコニウム塩、有機酸錫塩、有機酸アルミニウム塩が最も好適に用いられる。
縮合触媒の具体例として、ジブチルスズジアセテ−ト、ジブチルスズジオクテ−ト、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、オクチル酸スズなどの有機酸スズ塩;テトラ(i−プロピル)チタネート、テトラ(n−ブチル)チタネート、ジブトキシビス(アセチルアセトナート)チタン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネートなどの有機酸チタン塩;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウムなどの有機酸ジルコニウム塩;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機酸アルミニウム塩;ナフテン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトなどの有機酸金属塩が挙げられる。また、市販品として、CAT−AC、D−15、D−20、D−25(以上、信越化学工業(株)製)を用いてもよい。
上記触媒の使用量は触媒量でよいが、顔料分散剤、分散バインダー及び追加のバインダー樹脂に対し、金属分として0.1〜20質量%使用することが好ましく、硬化条件により任意に選択できる。
<他の添加剤>
本発明において白色樹脂組成物は、上述した以外の他の添加剤を含有していてもよい。
他の添加剤としては、特に制限はなく、公知の添加剤を用いることができ、例えば、塗布助剤、酸化防止剤、重合禁止剤等を用いることができる。
2.転写材料
本発明の転写材料は、仮支持体上に白色層を有し、上記白色層が、本発明の白色樹脂組成物からなることを特徴とする。
また、本発明の転写材料は、上記仮支持体と上記白色層の間に、遮光層を有することが好ましい。
上記白色層又は遮光層としては、未硬化の白色層(以下、「未硬化白色層」ともいう。)又は未硬化の遮光層(以下、「未硬化遮光層」ともいう。)が好ましい。
また、本発明の転写材料は、仮支持体上に遮光層及び白色層をこの順で有することがより好ましい。なお、以下の説明において、仮支持体上に遮光層及び白色層をこの順で有する転写材料を中心に説明するが、本発明の転写材料はこれに限定されるものではなく、遮光層を有していなくてもよく、また、遮光層の代わりに他の色相を有する層を有していてもよく、特に限定されるものではない。
本発明において、転写材料は、加飾材形成用の転写材料であることが好ましい。
<フィルム転写材料>
本発明において、転写材料は加飾材形成用の転写材料であることが好ましく、仮支持体上に、白色樹脂組成物からなる層又は白色樹脂組成物を乾燥させた層(未硬化白色層)を有し、更に、上記仮支持体と上記白色層の間に、遮光層形成用組成物からなる層又は遮光層形成用組成物を乾燥させた層(未硬化遮光層)を有することが好ましい。
遮光層形成用組成物については、後述する。
本発明の転写材料は、フィルム転写材料であることが好ましい。
図7の構成の開口部8を有する静電容量型入力装置において、図5に記載される未硬化白色層(加熱前の加飾材2a)や未硬化遮光層2b等を、フィルム転写材料を用いて形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、特に前面板の境界ギリギリまで遮光パターンを形成する必要のある加飾材2aや遮光層2bでのガラス端からのレジスト成分のはみ出しがないため基板裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層/軽量化のメリットがあるタッチパネルの製造が可能となる。
フィルム転写材料は、仮支持体、未硬化遮光層、及び、未硬化白色層を有することが好ましい。
<仮支持体>
転写材料は、仮支持体を有することが好ましい。
仮支持体としては、可撓性を有し、加圧下、又は、加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮又は伸びを生じないことが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さは、特に限定はないが、5〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
また、仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
また、仮支持体には、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
<熱可塑性樹脂層>
転写材料は、熱可塑性樹脂層を少なくとも1層有していてもよい。
熱可塑性樹脂層は、仮支持体と未硬化白色層との間に設けられることが好ましい。すなわち、転写材料は、仮支持体、熱可塑性樹脂層、未硬化遮光層及び未硬化白色層をこの順で含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂層として具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル又はそのケン化物との共重合体、エチレンとアクリル酸エステル又はそのケン化物との共重合体などのエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物との共重合体などの塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル又はそのケン化物との共重合体などのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル又はそのケン化物の共重合体などのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニルとの共重合体などの(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンなどのポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
熱可塑性樹脂層の厚さは、6〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましい。上記範囲であると、基板上に凹凸がある場合であっても、凹凸を十分に吸収でき、平滑性に優れる。
<中間層>
転写材料は、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を少なくとも1層有していてもよい。
中間層は、仮支持体と未硬化白色層との間、熱可塑性樹脂層を有する場合には、熱可塑性樹脂層と未硬化遮光層との間に設けられることが好ましい。すなわち、転写材料は、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、未硬化遮光層及び未硬化白色層をこの順で含むことが好ましい。
中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを含有する層が特に好ましい。
中間層の厚さは、0.1〜5.0μmが好ましく、0.5〜2.0μmがより好ましい。上記範囲であると、酸素遮断機能が低下することもなく、現像時又は中間層除去時に時間がかかりすぎることもない。
<保護剥離層>
転写材料には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために未硬化白色層を覆うようにして、保護剥離層(カバーフィルムともいう。)が設けられることが好ましい。保護剥離層は仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、未硬化白色層から容易に分離されねばならない。保護剥離層の材料としては、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
保護剥離層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが特に好ましい。この厚さが1μm以上であれば、保護剥離層の強度が十分であり、破断しにくく、また、100μm以下であると保護剥離層の価格が高くならず、また、保護剥離層をラミネートする際にシワが発生しにくい。
保護剥離層は、市販のものとして、例えば、王子製紙(株)製アルファンMA−410、E−200C、E−501、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)製PS−25等、のPSシリーズ、タマポリ(株)製、GF−1、GF−3、GF−8、のGFシリーズ等が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、市販のフィルムをサンドブラスト加工することにより、簡単に製造することが可能である。
保護剥離層としては、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムを用いることができる。また、保護剥離層として用いられるポリオレフィンフィルムは、原材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング又はインフレーション法によって好適に製造される。
<フィルム転写材料の製造方法>
フィルム転写材料を製造する方法としては、特に限定はないが、例えば、特開2005−3861号公報の段落0064〜0066に記載の工程によって製造することができる。また、フィルム転写材料は、例えば特開2009−116078号公報に記載の方法で作製することもできる。
フィルム転写材料の製造方法の一例としては、仮支持体上に遮光層形成用組成物や白色樹脂組成物等を塗布し、乾燥させて層を形成する工程と、形成された層を保護剥離層で覆う工程と、を有して構成される方法が挙げられる。
ここで、本発明に用いることができるフィルム転写材料は、未硬化白色層及び未硬化遮光層の2層を少なくとも形成してもよく、一方で仮支持体及び未硬化白色層を有するフィルム転写材料を基板上に転写した後に仮支持体を取り除き、更に少なくとも仮支持体及び未硬化遮光層を含むフィルム転写材料を未硬化白色層上に転写する場合は未硬化白色層及び未硬化遮光層のうち少なくとも1層を形成したものを用いてもよい。前者の場合、本発明の転写材料は、仮支持体上に、未硬化白色層及び未硬化遮光層をこの順番で積層したものであってもよく、この場合は、基板、好ましくはガラス上に、一度に白色層と遮光層を設けることができ、工程的に好ましい。
本発明に用いることができるフィルム転写材料では、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、その他の層を更に形成してもよい。また、未硬化白色層の形成前に、熱可塑性樹脂層及び/又は中間層(酸素遮断層)を塗布形成してもよい。
仮支持体上に、白色樹脂組成物、遮光層形成用組成物、熱可塑性樹脂層形成用の塗布液、中間層形成用の塗布液等を塗布する方法としては公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて、それらの塗液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。
〔溶媒〕
フィルム転写材料の各層は、各成分と共に溶媒を用いて好適に調製することができる。
溶媒としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに、3−オキシプロピオン酸メチル及び3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル)、並びに、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル及び2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン;等が挙げられる。
これらのうち、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
保護剥離層で白色層又は未硬化白色層を覆う方法としては特に限定はないが、仮支持体上の白色層又は未硬化白色層に保護剥離層を重ね、圧着する方法を用いることができる。
圧着には、ラミネーター、真空ラミネーター、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。
圧着の条件としては、雰囲気温度20〜45℃、線圧1,000〜10,000N/mが好ましい。
<遮光層形成用組成物>
本発明に用いられる遮光層形成用組成物は、黒色顔料と、顔料分散剤と、溶媒と、樹脂とを含むことが好ましい。
顔料分散剤、溶媒及び樹脂に関しては、本発明の白色樹脂組成物に用いられる顔料分散剤、溶媒及びその他の樹脂が用いられ、好ましい態様も同様である。
また、遮光層形成用樹脂組成物は、本発明の白色樹脂組成物に用いられる硬化触媒及び他の添加剤を含有してもよく、好ましい態様も同様である。
以下、黒色顔料について説明する。
〔黒色顔料〕
本発明における遮光層形成用組成物に用いられる黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、酸化チタン及びカーボンブラックのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、カーボンブラックを含むことがより好ましい。
黒色顔料の含有量は、遮光層形成用組成物の全固形分に対して、3〜60質量%であることが好ましく、5〜45質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。
本発明で用いる黒色顔料は、分散安定性及び隠ぺい力の観点から、一次粒子の平均粒径5〜100nmのものが好ましく、10〜50nmのものがより好ましい。一次粒子の平均粒径が5nm以上であると、隠ぺい力が高く、遮光層の下地が見えにくくなり、遮光層形成用組成物の粘度上昇を起こしにくい。一方、100nm以下であると色度が十分に高く、同時に隠ぺい力が高く、また塗布した際の面状が良好となる。
なお、ここでいう「一次粒子の平均粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径をいい、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前述の粒径を求め、この100個の算術平均値をいう。
3.基材
本発明の基材は、基板、白色層、及び、遮光層をこの順で有し、上記白色層が、本発明の白色樹脂組成物により作製された基材であるか、又は、本発明の転写材料により作製された基材であることを特徴とする。
本発明の基材は、加飾用であることが好ましい。
また、本発明において、加飾用である基材を、「加飾材付き基材」ともいい、加飾材付き基材が基板上に有する白色層を「加飾材」ともいう。
白色層を有する基材では、白色層が熱処理等によって変色(着色)することが問題となっていた。本発明において、白色層又は遮光層に、顔料分散剤として上述した式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーを使用することによって、白色層の変色(着色)が抑制されるので好ましい。
更に、遮光層が上記グラフト型シリコーンポリマーを含むことが好ましい。
遮光層が上記グラフト型シリコーンポリマーを含むことにより、白色層の変色が抑えられる詳細な作用機序は明確ではないが、以下のように推定される。すなわち、白色層と隣接する遮光層に、黒色顔料の分散剤として、従来の高分子分散剤が使用されていると、このような高分子分散剤の一部が白色層に移動すると考えられる。加飾材付き基材に熱処理が行われた際に、白色層に移動した高分子分散剤が着色し、その結果、白色層の変色が起こると考えられる。遮光層が、黒色顔料の分散剤として上述した式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーを使用することにより、分散剤の一部が白色層に移動した場合であっても、着色が抑制され、その結果、白色層の変色が抑制されたものと考えられる。
また、本発明の基材及び本発明における加飾材付き基材は、遮光層の、基板とは反対側に、導電性層を更に有することが好ましい。
本発明の基材及び本発明における加飾材付き基材は、基板、白色層、遮光層及び導電性層をこの順で有することが好ましい。
本発明の基材及び本発明における加飾材付き基材は、基板、白色層、及び、遮光層をこの順で有し、基材は、厚さ方向に光を透過する透光領域を有し、白色層及び遮光層は、透光領域を囲むように基板上に積層され、加飾材の内縁には、透光領域の内方に向かい加飾材の厚さが薄くなるように形成された傾斜部を有することが好ましく、傾斜部表面と基板表面とのなす傾斜角が10〜60度であることがより好ましい。加飾材に傾斜部を有し、傾斜部表面と基板表面とのなす傾斜角が10〜60度であることにより、加飾材と、加飾材が形成されていない基板の箇所との間の膜厚段差が緩やかとなり、遮光層上の導電性層が断線等の問題を起こしにくくなる。
以下、本発明の基材の好ましい態様について説明する。
本発明の基材又は本発明における加飾材付き基材は、基材又は加飾材付き基材の光学濃度が、3.5〜6.0であることが好ましく、4.0〜5.5であることがより好ましく、4.5〜5.0であることが特に好ましい。
本発明の基材又は本発明における加飾材付き基材は、基材側の色味が、SCI指標で、L*値が89以上であることが好ましく、90以上であることがより好ましく、91以上であることが特に好ましい。更に本発明の基材又は本発明における加飾材付き基材は、280℃、40分間の高温処理後の加飾材付き基材の基材側のL*値がSCI指標で、上記範囲であることが、遮光層の上に導電性層をスパッタにより蒸着した後の色味を改善する観点から好ましい。
本発明の基材又は本発明における加飾材付き基材は、基材側の色味が、SCI指標で、b*値が1.0未満であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.0以下であることが特に好ましい。更に、本発明の基材又は本発明における加飾材付き基材は、280℃、40分間の高温処理後の基材又は加飾材付き基材の基材側のb*値がSCI指標で、上記範囲であることが、遮光層の上に導電性層をスパッタにより蒸着した後の色味を改善する観点から好ましい。
本発明の加飾材の好ましい実施態様は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された透光領域(表示領域)周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにする目的や、加飾を目的として形成される。図1〜図3に一例を示すように、基板1上に設けられた、加飾材2aと遮光層2bとの積層体の内縁には、透光領域の内方に向かい加飾材の厚さが薄くなるように形成された傾斜部2cを有することが好ましい。導電性層6は、加飾材上に形成されており、加飾材の傾斜部2cに沿って、基板1に延在していることが好ましい。
傾斜部を設けたことにより、加飾材と、加飾材が形成されていない基板の箇所との間の膜厚段差が緩やかとなり、導電性層の断線等の問題を起こしにくくなる。
傾斜部の形成方法については、特に限定されず、遮光層を加熱により収縮させることにより形成する方法、本発明の白色樹脂組成物からなる層又は本発明の白色樹脂組成物を乾燥させた層(未硬化白色層)を加熱によりメルトさせることにより形成する方法などが挙げられ、遮光層を加熱により収縮させることにより形成する方法が好ましい。遮光層が加熱により収縮することにより、遮光層側の未硬化白色層も遮光層に追随して収縮する一方、基板側の未硬化白色層は遮光層に追随しないので、傾斜部を形成することができる。遮光層を加熱により収縮させることにより傾斜部を形成することについては後記する。
加飾材における傾斜部2cの形状については特に制限はなく、例えば、図1及び図3に一例を示すように、盛り上がった突出部を有していたり、図2に一例を示すように、なだらかな曲線でつながる形状を有していたりしていてもよい。また、図1〜図3に示したように、傾斜部2cは加飾材2aの厚さが透光領域の内方に向かい薄くなっていればよく、遮光層2bも加飾材2aと共に厚さが透光領域の内方に向かい薄くなっていてもよい。図3に一例を示したように、加飾材は、加飾材2aは2層以上が積層されている態様であってもよい。
図4に示す傾斜部表面と基板表面とのなす傾斜角θは、10〜60度であり、15〜55度がより好ましい。傾斜角θが10度以上であると、加飾材上に遮光層を有さない箇所が減少し、外観異常、すなわち、光学濃度が低い領域が減少し、表示装置の光漏れや回路の輔が見える場合が少なくなる。一方、傾斜角θが60度以下であると、導電性層が断線等の問題を引き起こすことが少なくなる。
傾斜角θは、図1〜図4の点線で示すように、傾斜部表面を平面に近似し、この平面と基板表面とのなす傾斜角である。傾斜角θは、基板を切断し、断面方向から光学顕微鏡を用いて基板と傾斜のなす角度を測定することで求めことができる。
遮光層を加熱により収縮させることで傾斜部を形成する場合、白色層及び/又は遮光層を構成する樹脂の種類及び/又は組成を変化させることにより、所望の傾斜角を有する傾斜部を形成することができる。
本発明においては、加飾材の基板側の幅と、遮光層の幅との差が、200μm以下となるように、傾斜角θを設けることが好ましい。このような構成とすることで、外観異常及び導電性層の断線等の問題を解消することができる。
加飾材の基板側の幅と、遮光層の幅との差(エッジの差)としては、200μm以下が好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜90μmが更に好ましい。
加飾材の基板側の幅とは、加飾材のうち、基板と接している側の加飾材の幅をいう。
<基板>
本発明の基材に用いる基板としては、種々のものを用いることができるが、フィルム基板であることが好ましく、光学的に歪みがないものや、透明度が高いものがより好ましい。本発明の加飾材付き基材における基板は、全光透過率が、80%以上であることが好ましい。
基板がフィルム基板である場合の具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)を挙げることができる。
また、基板は、ガラスなどでもよい。
本発明の加飾材付き基材では、基板は、ガラス、TAC、PET、PC、COP又はシリコーン樹脂(ただし、本明細書中におけるシリコーン樹脂やポリオルガノシロキサンは、R2SiOの構成単位で現れる狭義の意味に限定されるものではなく、RSiO1.5の構成単位で表されるシルセスキオキサン化合物も含む。)から選ばれることが好ましく、ガラス、シクロオレフィンポリマー又はシリコーン樹脂からなることが好ましい。
シリコーン樹脂は、籠型ポリオルガノシロキサンを主成分とすることが好ましく、かご型シルセスキオキサンを主成分とすることがより好ましい。なお、組成物又は層の主成分とは、その組成物又はその層の50質量%以上を占める成分のことをいう。
シリコーン樹脂を含む基板としては、特許第4142385号、特許第4409397号、特許第5078269号、特許第4920513号、特許第4964748号、特許第5036060号、特開2010−96848号、特開2011−194647号、特開2012−183818号、特開2012−184371号、特開2012−218322号の各公報に記載のものを用いることができ、これらの公報に記載の内容は本発明に組み込まれる。
また、基板表面には、種々の機能を付加してもよい。具体的には、反射防止層、防眩層、位相差層、視野角向上層、保護層、自己修復層、帯電防止層、防汚層、防電磁波層、導電性層を挙げることができる。
本発明の基材では、基材は、基材表面に導電性層を有することが好ましい。
導電性層としては、特表2009−505358号公報に記載のものが好ましく挙げられる。
また、基板は、耐傷層及び防眩層のうち少なくとも1つを更に有することが好ましい。
本発明の基材における基板の膜厚は、35〜200μmであることが好ましく、40〜150μmであることがより好ましく、40〜100μmであることが特に好ましい。
また、加飾材の密着性を高めるために、あらかじめ基板(前面板)の非接触面に表面処理を施すことができる。表面処理としては、シラン化合物を用いた表面処理(シランカップリング処理)を実施することが好ましい。シラン化合物を用いた表面処理としては、例えば、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。加熱槽を用いてもよく、ラミネーターの基板予備加熱でも反応を促進できる。
<白色層>
本発明の基材は、本発明の白色樹脂組成物を用いて形成された白色層を含み、白色層に対して基材とは反対側の面上に遮光層を含む。白色層は、基板と隣接して設けられることが好ましい。
白色層は、白色顔料と、少なくとも特定シリコーン樹脂が縮合した縮合物とを含む。
特定シリコーン樹脂において説明したT体/D体比の測定方法と同様に、白色層に含まれる樹脂のT体/D体比を測定し、T体/D体比が6.4以下であれば、本発明における特定シリコーン樹脂を使用したと推定することが可能である。
上記T体/D体比は、上記特定シリコーン樹脂におけるT体/D体比と同様に測定できる。
また、白色層は、上述した本発明の白色樹脂組成物において説明した、白色顔料及び特定シリコーン樹脂以外の各成分を、更に含有することが好ましい。
<遮光層>
本発明の基材は、白色層を基準として、基板とは反対側に、遮光層を含む。遮光層は、白色層と隣接して設けられることが好ましいが、白色層と遮光層との間に、接着層等が設けられていてもよい。
遮光層は、上述の遮光層形成用組成物により作製することが好ましい。
また、遮光層は、上述した本発明の遮光層形成用組成物において説明した各成分を、含有することが好ましい。
本発明の基材における遮光層の膜厚は、遮光層の隠蔽力を高めるための観点から、1.0〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜4.0μmであることがより好ましい。
遮光層の光学濃度(OD)は、遮光層の隠蔽力を高めるための観点から、3.5以上であることが好ましく、4.0以上であることが特に好ましい。
遮光層の表面抵抗は、1.0×1010Ω/□以上であることが好ましく、1.0×1011Ω/□以上であることがより好ましく、1.0×1012Ω/□以上であることが更に好ましく、1.0×1013Ω/□以上であることが特に好ましい。なお、Ω/□は、Ω毎スクウェアである。
(導電性層)
本発明の基材は、遮光層上に、導電性層を更に有することが好ましい。
導電性層としては、特表2009−505358号公報に記載のものを好ましく用いることができる。また、導電性層の構成や形状については、後述の本発明のタッチパネルの説明中における第一の透明電極パターン、第二の電極パターン、他の導電性要素の説明に記載する。
本発明の基材は、導電性層が、インジウム(酸化インジウムスズ(ITO)やインジウム合金など、インジウム含有化合物を含む。)を含むことが好ましい。
本発明の加飾材付き基材は、本発明の加飾材のひび割れ耐性が高いため、導電性層をスパッタにより蒸着してなる場合でも加飾材の膜物性を改善することができ、また、加飾材のb*値を小さくすることができる。
(基材の製造方法)
本発明における機材の製造方法は、基板上に白色層及び遮光層を形成する層形成工程、白色層及び遮光層を加熱するポストベーク工程を含むことが好ましく、その他の工程を更に含むことが好ましい。
<層形成工程>
層形成工程としては、特に制限はないが、本発明の白色樹脂組成物からなる層及び遮光層形成用組成物からなる層、又は、本発明の白色樹脂組成物を乾燥させた層(未硬化白色層)及び遮光層形成用組成物を乾燥させた層(未硬化遮光層)を、フィルム転写、熱転写印刷、スクリーン印刷及びインクジェット印刷よりなる群から選ばれた方法で作製することが好ましく、本発明の転写材料を用いたフィルム転写(ラミネート方法)により作製することがより好ましい。上記転写材料としては、フィルム転写材料が好ましく用いられる。
層形成工程は、具体的には、基板上に未硬化白色層及び未硬化遮光層をこの順で積層する工程を含み、未硬化白色層及び未硬化遮光層を、それぞれ仮支持体上に少なくとも未硬化白色層及び未硬化遮光層の一方を含むフィルム転写材料から少なくとも未硬化白色層及び未硬化遮光層の一方を転写した後に仮支持体を取り除く方法、仮支持体上に少なくとも未硬化白色層及び未硬化遮光層の一方を含む熱転写材料の仮支持体側を加熱して、仮支持体から少なくとも未硬化白色層及び未硬化遮光層の一方を転写する熱転写印刷、白色層形成用組成物又は遮光層形成用組成物のスクリーン印刷、及び、白色層形成用組成物又は遮光層形成用組成物のインクジェット印刷よりなる群から選ばれた方法で作製することが好ましい。
また、加飾材は、基板上において透光領域を囲むよう額縁上の形状を有するようにし、加飾材の内縁には、透光領域の内方に向かい加飾材の厚さが薄くなるよう傾斜部を形成する工程を含むことが好ましい。
未硬化白色層及び未硬化遮光層は、フィルム転写、熱転写印刷、スクリーン印刷及びインクジェット印刷のうちの複数を組み合わせて形成してもよい。
更に、基材の製造方法は、未硬化白色層及び未硬化遮光層を、少なくとも仮支持体、未硬化遮光層及び未硬化白色層の順に含むフィルム転写材料から未硬化遮光層及び未硬化白色層を、基板上に転写した後に仮支持体を取り除くこと、あるいは、仮支持体及び未硬化白色層を有するフィルム転写材料から未硬化白色層を基板上に転写した後に仮支持体を取り除き、更に少なくとも仮支持体及び未硬化遮光層を含むフィルム転写材料から未硬化遮光層を未硬化白色層上に転写した後に仮支持体を取り除くことにより形成することが好ましい。
以下、本発明における機材の製造方法について、層形成工程におけるフィルム転写、熱転写印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ポストベーク工程、及び、その他の工程の詳細を記載する。
<フィルム転写>
本発明において、フィルム転写(ラミネート方法)は、本発明の転写材料を用いる方法であり、白色層及び遮光層、又は、白色樹脂成物を乾燥させた層(未硬化白色層)及び遮光層形成用組成物を乾燥させた層(未硬化遮光層)を少なくとも基板へ転写する転写工程を含む方法であることが好ましい。
未硬化白色層及び未硬化遮光層の基板表面への転写(貼り合わせ)は、未硬化白色層を基板表面に重ね、加圧、加熱することに行われる。貼り合わせには、上記したような公知のラミネーターを使用することができる。
ラミネート方法は、所望の打ち抜いた未硬化白色層及び未硬化遮光層を基板に転写することから、毎葉式で精度よく、基板と未硬化白色層間に気泡が入らない方法が、得率を上げられる観点から好ましい。具体的には、真空ラミネーターの使用を好ましく挙げることができる。
ラミネート(連続式/枚葉式)に用いられる装置としては、例えば、クライムプロダクツ(株)製V−SE340aaHなどを挙げることができる。
真空ラミネーター装置としては、例えば、高野精機(有)製のものや、大成ラミネーター(株)製FVJ−540R、FV700などを挙げることができる。
フィルム転写材料を基板に貼り付ける前に、仮支持体の、遮光層及び/又は白色層の反対側に、更に支持体を積層する工程を含むことにより、ラミネート時に気泡を入れない好ましい効果を得ることができることがある。このときに用いる支持体としては、特に制限はないが、支持体の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーを挙げることができる。
また、上記支持体の膜厚は、50〜200μmの範囲であることが好ましい。
〔仮支持体を取り除く工程〕
本発明における機材の製造方法において、層形成工程をフィルム転写により行う場合、本発明における機材の製造方法は、基板に貼り付けられた転写材料から仮支持体を取り除く工程を更に含むことが好ましい。
〔熱可塑性樹脂層を除去する工程、中間層を除去する工程〕
本発明における機材の製造方法において、層形成工程をフィルム転写により行い、フィルム転写材料が熱可塑性樹脂層や中間層を含む場合は、本発明における機材の製造方法は、熱可塑性樹脂層及び/又は中間層を除去する工程を更に有することが好ましい。
熱可塑性樹脂層及び/又は中間層を除去する工程は、一般にフォトリソ方式で使用されるアルカリ現像液を用いて行うことができる。
アルカリ現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は加飾材が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶媒を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶媒の濃度は、0.1〜30質量%が好ましい。
また、アルカリ現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は、0.01〜10質量%が好ましい。
熱可塑性樹脂層及び/又は中間層を除去する工程の方式としては、パドル、シャワー、シャワー&スピン、ディプ等のいずれでもよい。ここで、シャワーについて説明すると、熱可塑性樹脂層や中間層を、現像液をシャワーにより吹き付けることにより除去することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、残渣を除去することが好ましい。液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、pHは、8〜13が好ましい。
<熱転写印刷>
熱転写印刷は、未硬化白色層及び未硬化遮光層を、それぞれ仮支持体上に少なくとも未硬化白色層及び未硬化遮光層の一方を含む熱転写材料の仮支持体側を加熱して、仮支持体から少なくとも未硬化白色層及び未硬化遮光層の一方を転写する熱転写印刷で作製することが好ましい。なお、熱転写においては、未硬化白色層及び未硬化遮光層が完全に硬化しない程度の加熱温度及び加熱時間で行うことが好ましい。
熱転写印刷の方法としては、インクリボン印刷が好ましい。本発明の基材の製造方法に用いられるインクリボン印刷の方法としては、「ノンインパクトプリンティング−技術と材料−((株)シーエムシー刊、1986年12月1日)」などに記載の方法を挙げることができる。
<スクリーン印刷>
スクリーン印刷は、未硬化白色層及び/又は未硬化遮光層を、本発明の白色樹脂組成物及び/又は遮光層形成用組成物のスクリーン印刷で作製する。
スクリーン印刷の方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができ、例えば特許第4021925号公報に記載の方法などを用いることができる。また、スクリーン印刷を複数回行うことにより、スクリーン印刷でも膜厚を厚くすることもできる。
<インクジェット印刷>
インクジェット印刷は、未硬化白色層及び/又は未硬化遮光層を、本発明の白色樹脂組成物及び/又は遮光層形成用組成物のインクジェット印刷で作製する。本発明の基材の製造方法に用いられるインクジェット印刷の方法としては、「インクジェット技術のエレクトロニクス応用((株)リアライズ理工センター刊、2006年9月29日)」などに記載の方法を挙げることができる。
<ポストベーク工程>
本発明において、層形成工程後にポストベーク工程を含むことが好ましく、フィルム転写により層形成工程を行う場合は、熱可塑性樹脂層及び/又は中間層を除去する工程後にポストベークを行う工程を含むことがより好ましい。ポストベークを行うことにより、未硬化白色層及び未硬化遮光層を硬化させ加飾材とすることが好ましい。
ポストベーク工程においては、転写材料の未硬化白色層及び未硬化遮光層を0.08〜1.2気圧の環境下で50℃〜300℃に加熱して形成することが強度と生産性との両立の観点から好ましい。なお、1気圧=0.101325MPaである。
また、本発明における加飾材の内縁には、透光領域の内方に向かい加飾材の厚さが薄くなるように形成された傾斜部を有することが好ましいが、傾斜部は、遮光層を加熱により収縮させることにより形成することが好ましい。例えば、ポストベーク工程において、加飾材を50℃〜300℃で加熱することにより遮光層を収縮させ、これにより傾斜部を形成することができる。
ポストベークの加熱は、0.5気圧以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、1.1気圧以下の環境下で行うことがより好ましく、1.0気圧以下の環境下で行うことが特に好ましい。更に、約1気圧(大気圧)環境下で行うことが特別な減圧装置を用いることなく製造コストを低減できる観点からより特に好ましい。ここで、従来は未硬化白色層及び未硬化遮光層を加熱により硬化して形成する場合、非常に低い圧力の減圧環境下で行い、酸素濃度を低くすることでベーク後の強度を維持していたが、フィルム転写材料を用いることにより、上記圧力の範囲でベークした後も白色層及び遮光層の基材側の色味を改善し(b*値を小さくし)、白色度を高めることができる。
ポストベークの温度は、50℃〜300℃が好ましく、100℃〜300℃がより好ましく、120℃〜300℃がより好ましい。
また、ポストベークは2以上の異なる温度でそれぞれ所定の時間だけ行ってもよい。例えば、まず、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは100℃〜200℃で加熱し、次いで、好ましくは200℃〜280℃、より好ましくは220℃〜260℃で加熱することができる。
ポストベークの時間は、20〜150分であることがより好ましく、30〜100分であることが特に好ましい。2段階以上の温度で行う場合には、各段階の温度の合計が20〜150分となるように行うことが好ましい。
ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよいが、空気環境下で行うことが、特別な減圧装置を用いることなく製造コストを低減できる観点から特に好ましい。
<その他の工程>
本発明において、機材の製造方法は、上述した以外のその他の工程を有していてもよい。
なお、熱可塑性樹脂層及び/又は中間層を除去する工程、並びに、その他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜0051に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
5.タッチパネル
本発明のタッチパネルは、本発明の基材(加飾材付き基材)を含む。
このようなタッチパネルは、静電容量型入力装置であることが好ましい。
<静電容量型入力装置、及び、静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置>
静電容量型入力装置は、前面板(基板ともいう。)と、前面板の非接触側に少なくとも下記(1)〜(4)の要素を有し、前面板(基板)と(1)加飾材の積層体として本発明の加飾材付き基材を含むことが好ましい。
(1)加飾材
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の電極パターン
(4)第一の透明電極パターンと第二の電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
また、静電容量型入力装置は、第二の電極パターンが透明電極パターンであってもよい。
更に、静電容量型入力装置は、下記(5)を更に有していてもよい。
(5)第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
更に、静電容量型入力装置は、前面板(基板)と(1)加飾材と、導電性層として上述の(2)、(3)及び(5)のうち少なくとも1つの電極パターンを有する積層体として、本発明の基材を含むことがより好ましい。
(1)加飾材は、遮光層を更に有していることが好ましい。
<静電容量型入力装置の構成>
まず、本発明の製造方法によって形成される静電容量型入力装置の構成について説明する。
図5及び図6は、本発明の静電容量型入力装置の中でも好ましい構成を示す断面図である。
図5において静電容量型入力装置10は、前面板1G(カバーガラス)と、加飾材2aと、遮光層2bと、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層7と、から構成されている。加飾材2aには傾斜部2cが設けられており、加飾材2aは、静電容量型入力装置10の内方に向かい厚みが薄くなるように形成されている。
前面板1及び/又は1Gは、透光性基材で構成されていることが好ましい。透光性基材はカバーガラス1Gに下記加飾材を設けたもの、又は、カバーガラス1G、フィルム基材1の順にフィルム基材に下記加飾材を設けたもの、いずれをも用いることができる。
カバーガラスに加飾材を設ける場合は、タッチパネル薄型化に、フィルム基材に加飾材を設け、それをカバーガラスに張り合わせる場合は、タッチパネル生産性に、各々好ましい。
また、フィルム基材の電極の反対側に、更にカバーガラス1Gを設けることができる。
ガラス基材としては、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。
また、図5及び図6において、前面板1及び/又は1Gの各要素が設けられている側を非接触面1aと称する。本発明の静電容量型入力装置10においては、前面板1及び/又は1Gの接触面(1a非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。以下、前面板を、「基材」と称する場合がある。
また、前面板1及び/又は1Gの非接触面上には加飾材2aと遮光層2bとが設けられている。加飾材2aと遮光層2bとは加飾材として、タッチパネル前面板の非接触側に形成された透光領域(表示領域)周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにする目的や、加飾を目的として形成される。
本発明の静電容量型入力装置10には、不図示の配線取出し口を設けることができる。配線取出し部を有する静電容量型入力装置の加飾材付き基材を形成する場合、加飾材形成用液体レジストやスクリーン印刷インクを用いて加飾材2aを形成してもよいが、基材裏側の汚染を容易に防ぐ観点から、配線取出し部を有する加飾材付き基材を用いることが好ましい。
前面板1及び/又は1Gの非接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン3と、第一の透明電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する絶縁層5とが形成されている。第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、上述の導電性繊維を用いた加飾材を有する転写フィルムを用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落0014〜0016等を参考にすることができる。
また、第一の透明電極パターン3及び第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、前面板1及び/又は1Gの非接触面及び遮光層2bの前面板1及び/又は1Gとは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図5及び図6においては、第二の透明電極パターン4が、前面板1及び/又は1Gの非接触面及び遮光層2bの前面板1及び/又は1Gとは逆側の面の両方の領域にまたがって設置され、加飾材2aの側面を第二の透明電極パターン4が覆っている図が示されている。ただし、加飾材2aの幅を、遮光層2bの幅よりも狭くすることもでき、その場合は第一の透明電極パターン3及び第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、前面板1及び/又は1Gの非接触面、加飾材2a及び遮光層2bの前面板1及び/又は1Gとは逆側の面の領域にまたがって設置することができる。このように、一定の厚みが必要な加飾材2a及び遮光層2bを含む加飾材と前面板裏面とにまたがって転写フィルムをラミネートする場合でも、フィルム転写材料(特に熱可塑性樹脂層を有するフィルム転写材料)を用いることで真空ラミネーターなどの高価な設備を用いなくても、簡単な工程で加飾材2aの部分境界に泡の発生がないラミネートが可能になる。
図8を用いて第一の透明電極パターン3及び第二の透明電極パターン4について説明する。
図8は、本発明における第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。
図8に示すように、第一の透明電極パターン3は、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン4は、第一の透明電極パターン3と絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図8における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン3を形成する場合、パッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図8に示すように接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、かつ、絶縁層5によって第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
図5及び図6において、遮光層2bの前面板1及び/又は1Gとは逆側の面側には導電性要素6が設置されている。導電性要素6は、第一の透明電極パターン3及び第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、かつ、第一の透明電極パターン3及び第二の透明電極パターン4とは別の要素である。図5及び図6においては、導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
また、図5及び図6においては、各構成要素の全てを覆うように透明保護層7が設置されている。透明保護層7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層5と透明保護層7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。絶縁層5と透明保護層7とを構成する材料としては、表面硬度、耐熱性が高いものが好ましく、公知の感光性シロキサン樹脂材料、アクリル樹脂材料などが用いられる。
本発明の製造方法の過程で形成される態様例として、図9〜図13の態様を挙げることができる。
図9は、開口部8が形成された強化処理ガラス11の一例を示す上面図である。図10は、加飾材2aが形成された前面板の一例を示す上面図である。図11は、第一の透明電極パターン3が形成された前面板の一例を示す上面図である。図12は、第二の透明電極パターン4が形成された前面板の一例を示す上面図である。図13は、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素6が形成された前面板の一例を示す上面図である。これらは、上記説明を具体化した例を示すものであり、本発明の範囲はこれらの図面により限定的に解釈されることはない。
静電容量型入力装置、及び、この静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、(株)テクノタイムズ社)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004.12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
6.情報表示装置
本発明の情報表示装置は、本発明のタッチパネルを有する。本発明のタッチパネルは、OGS型タッチパネルとして用いることが有効である。
本発明のタッチパネルを使用することができる情報表示装置としては、モバイル機器が好ましく、例えば、以下の情報表示装置を挙げることができる。
iPhone4(登録商標)、iPad(登録商標)(以上、米国アップル社製)、Xperia(SO−01B)(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーション(株)製)、Galaxy S(SC−02B)、Galaxy Tab(SC−01C)(以上、韓国サムスン電子社製)、BlackBerry 8707h(加国リサーチ・イン・モーション社製)、Kindle(米国アマゾン社製)、Kobo Touch(楽天(株)製)。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(測定方法)
本実施例において、各測定値は以下の方法により測定した。
<T体/D体比>
T体/D体比は、「シリコーンハンドブック第20章記載(伊藤邦雄著、日刊工業新聞社)」に記載の方法を参考にし、下記の方法により測定される。
29Si−NMR(日本電子(株)製ECP400)を用いて、29Si−NMRのピーク面積比から、シリコーン樹脂のT体/D体比をそれぞれ求めた。29Si−NMRの測定条件は、PTFE製10mmφ試料管使用、プローブ:T10、共鳴周波数79.42MHz、パルス幅10μsec、待ち時間20sec、積算時間1,500回、緩和試薬:Cr(acac)を0.1wt%、外部標準試料:テトラメチルシランとする。また、各構造に由来する29Si−NMRの化学シフトは、以下のとおりである
D体:−20〜−25ppm
T体:−60〜−70ppm
<重量平均分子量、数平均分子量>
本実施例では、ポリマー成分の分子量については、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量又は数平均分子量として測定した。具体的には、下記の条件で測定した。
・カラム:GPCカラムTSKgelSuper HZM−H(東ソー(株)製)
・溶媒:テトラヒドロフラン
・標準物質:単分散ポリスチレン
(シリコーン樹脂R1〜R12の作製)
<合成例1>
撹拌機、コンデンサー、温度計及び加熱、冷却用ジャケットを備えた反応容器に477部のトルエン、478.5部のトリエトキシメチルシラン(東京化成(株)製)及び34.8部のジクロロジメチルシラン(東京化成(株)製)を仕込み、均一になるように撹拌した。
次いで、200部の純水を滴下し加水分解を行った。その後、撹拌しつつ50℃まで昇温し、還流状態にして温度を一定に保持しながら更に80分間撹拌を続けた。次いで、反応液を静置して有機層と水層を分離させた。これに純水200部を加えて水洗した。再び静置分離を行い、淡黄色透明なシリコーン樹脂のトルエン溶液500部を得た。更にトルエンを加えてシリコーン樹脂含有量が30質量%の溶液(R1)とした。
<合成例2〜6>
トリエトキシメチルシラン及びジクロロジメチルシランの添加量を表1の通りに変更した以外は、合成例1と同様に、シリコーン樹脂R2〜R6の溶液を得た。
表1中の数値は添加した各化合物の有効成分の質量部を示している。
また、表1中のT体/D体比は、上記の測定方法による測定値を示している。
Figure 2016160368
<合成例7〜12>
使用するシラン化合物を、トリエトキシメチルシラン及びジクロロジメチルシランから、表2に記載の化合物に変更した以外は、合成例1と同様にして、シリコーン樹脂R7〜R12の溶液を得た。
Figure 2016160368
表2に記載の化合物の詳細は以下の通りである。
メチルトリメトキシシラン、東京化成(株)製
トリメトキシフェニルシラン、東京化成(株)製
ジクロロジメチルシラン、東京化成(株)製
ジクロロ(メチル)フェニルシラン、東京化成(株)製
表2中の数値は添加した各化合物の有効成分の質量部を示しており、「−」は当該成分を含有しないことを示している。
また、表2中のT体/D体比は、上記測定による測定値を示している。
(実施例1〜21及び比較例1〜9)
<白加飾材の作製>
〔白色着色液(白色樹脂組成物)及び遮光層用黒色着色液(遮光層形成用組成物の調製〕
下記表3及び表4に記載の白色着色液(白色樹脂組成物)1〜26及び、下記表5に記載の遮光層用黒色着色液(遮光層形成用組成物)1、2を、以下の材料を用いて調製した。表3〜表5中の数値は、各着色液の全質量に対する有効成分の質量部を示し、「−」は当該成分を含有していないことを示している。
Figure 2016160368
Figure 2016160368
Figure 2016160368
表3〜表5に記載の化合物の詳細は以下の通りである。
・白色顔料分散液1(FP White AD4035、山陽色素(株)製)(酸化チタン濃度70%、固形分濃度73%)
・白色顔料分散液2
以下の材料を混合した。
酸化チタン(CR−97、石原産業(株)製):60.0部
分散剤A(下記に合成法記載):6.0部
キシレン:34.0部
混合物に対しジルコニアビーズ(粒径0.5mm)を加え,ビーズミル(アイメックス社製 BSG−01)を用いて、2000rpm、1時間分散処理を行い、白色分散液2を得た。
・黒色顔料分散液1(GC4151、山陽色素(株)製)
(カーボンブラック濃度15%、固形分濃度20.7%)
・黒色顔料分散液2
以下の材料を混合した。
カーボンブラック(三菱化学(株)製):15.0部
分散剤A(下記に合成法記載):4.8部
シリコーンオイル(X−22−4039、信越化学(株)製):3.0部
キシレン:77.2部
混合物に対し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いてビーズミルで3時間分散し、黒色顔料分散液を得た。
・シリコーンオリゴマー(X−40−9246、信越シリコーン(株)製、アルコキシシリコーンオリゴマー(100質量%))
・重合触媒1(テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム(IV)、和光純薬工業(株)製)
・重合触媒2(D−15、信越化学工業(株)製、亜鉛含有触媒のキシレン溶液(固形分25質量%))
・酸化防止剤(IRGAFOS 168、BASF社製、下記化合物)
Figure 2016160368
・塗布助剤(メガファックF−780F、DIC株式会社製、界面活性剤のメチルエチルケトン溶液(不揮発分30質量%))
・シリコーン樹脂1(KR300、信越シリコーン(株)製、下記組成)
シリコーン樹脂のキシレン溶液(固形分50質量%)
・シリコーン樹脂2(KR311、信越シリコーン(株)製、下記組成)
シリコーン樹脂のキシレン溶液(固形分60質量%)
−分散剤Aの合成−
キシレン100部にKF−2001(信越化学工業(株)製)45.8部、KF−2012(信越化学工業(株)製)53.3部、メタクリル酸 0.9部を溶解すると共に、重合開始剤(ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、V−601、和光純薬工業(株)製)を全重合成分に対する比率で0.3mol%溶解させ、窒素雰囲気下、80℃で重合を行った。途中、重合開始2時間後に重合開始剤(V−601)を全重合成分に対する比率で0.3mol%追添し、合計4時間重合した。重合後、精製処理及び乾燥を行い、分散剤A(重量平均分子量40,000)を得た。
なお、KF−2001は、以下の式で表される構造(RAは任意の連結基を表し、a1及びa2は自然数を表す。)であり、官能基当量1,900(g/mol)である。
Figure 2016160368
また、KF−2012は、以下の式で表される構造(Rは任意の置換基又は連結基を表し、nは自然数を表す)であり、KF−2012は官能基当量4,600(g/mol)である。
Figure 2016160368
〔加飾材形成用転写材料の作製〕
−剥離フィルムの準備−
転写材料の剥離層付きの仮支持体として、以下の剥離フィルムを準備した。
ユニピール TR6(ユニチカ(株)製、厚さ75μmのPETフィルム上に、剥離層からマット剤が200nm隆起しているオレフィン系の剥離層を有する。)
−保護フィルムの準備−
次に、以下の保護フィルムを準備した。
アルファンE−501(王子エフテックス(株)製、厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)
〔仮支持体上への色材層(遮光層及び白色層からなる転写層)の作製〕
エクストルージョン型塗布機を使用し、剥離層付きの仮支持体の剥離層上に、遮光層を形成するための上記表3〜表5に記載の遮光層用黒色着色液1又は2を乾燥厚み3.0μmとなるように塗布し、乾燥させた。
遮光層の上に、白色層を形成するための上記表に記載の白色着色液1〜26のいずれかを乾燥厚み40.0μmとなるように塗布し、乾燥させた。白色層の上に、上記の保護フィルムを圧着した。
こうして仮支持体と、遮光層及び白色層とが一体となった下記表6に記載の遮光層及び白色層からなる転写材料1〜30を作製した。得られた転写材料1〜30を、それぞれ実施例1〜21、及び、比較例1〜9の加飾材形成用の転写材料とした。
Figure 2016160368
(実施例101〜121及び比較例101〜109)
<加飾材付き基材の作製(実施例101)>
図7のような開口部(15mmΦ)が形成された強化処理ガラス(300mm×400mm×0.7mm)を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄した。このガラス基板を基板予備加熱装置で90℃、2分間予備加熱した。
上記のガラス基板上に、実施例1の遮光層と白色層を積層した転写材料1をガラス基板の四辺に対応するサイズの額縁状に成形した後で転写した。その後、転写材料1の仮支持体を剥離した。遮光層、及び、白色層を硬化するため、得た膜をガラス基板(基板)ごと、150℃30分加熱、更に、240℃30分、280℃40分の順で3回の熱処理を行い、白色層を加熱して形成されてなる白色加飾材を有する実施例101の白色加飾材付き基材を得た。
<加飾材付き基材の作製(実施例102〜121、及び、比較例101〜109)>
実施例101において、用いた転写材料を下記表7に記載の通りに変更した以外は、実施例101と同様に、ガラス基板上に遮光層及び白色層が形成された実施例102〜121、及び、比較例101〜109の白色加飾材付き基材を得た。
<評価>
上記で得た各実施例及び比較例の白色加飾材付き基材の特性の評価方法を以下に示す。また、得られた結果を下記表7に記載した。
〔着色による耐熱性評価(ひび割れ)〕
各実施例及び比較例の加飾材付き基材について、ひび割れの有無を目視で観察した。
評価結果は官能評価にて、以下のように評価した。
A: 目視でひび割れが確認できない。
B: 端部に数本のわずかなひび割れが認められる。
(インク等で修正可能なレベル)
C: 全面にひび割れが見られる。
ひび割れのレベルとしてはA、B評価であることが実用上必要であり、Aであることが好ましい。
得られた結果を下記表7に記載した。
〔剥離性評価〕
各実施例及び比較例の転写フィルムについて、仮支持体の剥離性について評価した。
A: 仮支持体がスムーズに剥れ、かつ、加飾材に欠けは見られない。
B: 仮支持体剥離時に音がなるものの、加飾材に欠けは見られない。
C: 仮支持体剥離時にびりびり音がなり、加飾材に欠けが生じた。
剥離性のレベルとしてはA、B評価であることが実用上必要であり、Aであることが好ましい。
得られた結果を下記表7に記載した。
Figure 2016160368
表7より、実施例101〜121により作製された白色加飾材付き基材は、加熱後のひび割れが目視により確認できない、又は、修正可能なレベルであり、前面板一体型タッチパネル用の白色加飾材として好ましいものであった。
一方、比較例101〜109により作製された白色加飾材付き基材は加熱後に全面にひび割れが見られることから、前面板一体型タッチパネル用の白色加飾材としては好ましくない。
(ひび割れが見られた加飾材つき基材の修正)
端部に数本のわずかなひび割れが認められた実施例101の加飾材付き基材に対して、ひび割れ部に白色着色液4を筆により塗りつけ、ひび割れが見え立たないよう修正を施した。修正した加飾材付き基材を、150℃30分加熱、更に、240℃30分の順で熱処理を行い、得られた加飾材付き基材を以降の評価に用いた。
実施例106の加飾材付き基材についても、白色着色液10を用いて、実施例101と同様のひび割れの修正を施し、以降の評価に用いた。
その他の実施例又は比較例における加飾材付き基材については、特に修正を施さず、そのまま使用した。
(実施例201:タッチパネルの作製)
<第一の透明電極パターンの形成>
〔透明電極層の形成〕
実施例101の白色加飾材付き基材を、真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基材の温度250℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)により、厚さ40nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は80Ω/□であった。
〔第一の透明電極パターンの形成〕
白色加飾材、遮光層、透明電極層を形成した前面板を洗浄し、保護フィルムを除去したエッチング用転写フィルムE1をラミネートした(基材温度:130℃、ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分)。仮支持体を剥離後、露光マスク(透明電極パターンを有する石英露光マスク)面と前述のエッチング用光硬化性樹脂層との間の距離を200μmに設定し、露光量50mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
−エッチング用転写フィルムE1の調製−
以下の方法で仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層を形成した。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。
−熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1−
・メタノール:11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:6.36質量部
・メチルエチルケトン:52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃):5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃):13.6質量部
・モノマー(商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製):9.1質量部
・塗布助剤(メガファックF−780F、DIC(株)製):0.54質量部
なお、熱可塑性樹脂層用塗布液H1の溶媒除去後の120℃の粘度は1,500Pa・secであった。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を25℃で100秒間、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間処理し、回転ブラシ、超高圧洗浄ノズルで熱可塑性樹脂層と中間層の残渣除去を行い、更に130℃、30分間のポストベーク処理を行って、白色加飾材、遮光層、透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を得た。
白色加飾材、遮光層、透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を、ITOエッチャント(塩酸、塩化カリウム水溶液。液温30℃)を入れたエッチング槽に浸漬し、100秒処理し、エッチング用光硬化性樹脂層で覆われていない露出した領域の透明電極層を溶解除去し、白色層、遮光層、エッチング用光硬化性樹脂層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を得た。
次に、エッチング用光硬化性樹脂層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を、レジスト剥離液(N−メチル−2−ピロリドン、モノエタノールアミン、界面活性剤(商品名:サーフィノール465、エアープロダクツ製)液温45℃)を入れたレジスト剥離槽に浸漬し、200秒処理し、エッチング用光硬化性樹脂層を除去し、白色層と、遮光層と、前述の前面板の非接触面及び前述の遮光層の前述の前面板とは反対側の面の両方の領域にまたがって図5のように設置された第一の透明電極パターンとを形成した前面板を得た。
〔絶縁層の形成〕
−絶縁層形成用転写フィルムW1の調製−
エッチング用転写フィルムE1作製において、前述のエッチングレジストE1を、下記処方W1からなる絶縁層形成用塗布液に代えた以外はエッチング用転写フィルムE1の調製と同様にして、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層(酸素遮断膜)、絶縁層用光硬化性樹脂層及び保護フィルムとが一体となった、絶縁層形成用転写フィルムW1を得た(絶縁層用光硬化性樹脂層の膜厚は1.4μm)。
−絶縁層形成用塗布液:処方W1−
・バインダー3(シクロヘキシルメタクリレート(a)/メチルメタクリレート(b)/メタクリル酸共重合体(c)のグリシジルメタクリレート付加物(d)(組成(質量%):a/b/c/d=46/1/10/43、重量平均分子量:36,000、酸価66mgKOH/g)の1−メトキシ−2−プロパノール、メチルエチルケトン溶液(固形分:45%)):12.5質量部
・DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(不揮発分76質量%):1.4質量部
・ウレタン系モノマー(商品名:NKオリゴUA−32P、新中村化学(株)製、不揮発分75質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25質量%):0.68質量部
・トリペンタエリスリトールオクタアクリレート(商品名:V#802、大阪有機化学工業(株)製):1.8質量部
・ジエチルチオキサントン:0.17質量部
・2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:Irgacure379、BASF社製):0.17質量部
・分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア社製):0.19質量部
・界面活性剤(商品名:メガファックF−780F、DIC(株)製):0.05質量部
・メチルエチルケトン:23.3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:59.8質量部
なお、絶縁層形成用塗布液W1の溶媒除去後の100℃の粘度は4,000Pa・secであった。
前述の白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン付の前面板を洗浄し、保護フィルムを除去した絶縁層形成用転写フィルムW1をラミネートした(基材温度:100℃、ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度2.3m/分)。仮支持体を剥離後、露光マスク(絶縁層用パターンを有す石英露光マスク)面と前述のエッチング用光硬化性樹脂層との間の距離を100μmに設定し、露光量30mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を33℃で60秒間、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム系現像液(商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を25℃で50秒間、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間処理し、回転ブラシ、超高圧洗浄ノズルで残渣除去を行い、更に230℃、60分間のポストベーク処理を行って、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターンを形成した前面板を得た。
〔第二の透明電極パターンの形成〕
−透明電極層の形成−
第一の透明電極パターンの形成と同様にして、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターンを形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し(条件:基材の温度50℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)、厚さ80nmのITO薄膜を形成し、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は110Ω/□であった。
第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング用転写フィルムE1を用いて、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、透明電極層、エッチング用光硬化性樹脂層パターンを形成した前面板を得た(ポストベーク処理;130℃、30分間)。
更に、第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング(30℃、50秒間)して、エッチング用光硬化性樹脂層を除去(45℃、200秒間)することにより、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、前述の前面板の非接触面及び前述の遮光層の前述の前面板とは逆側の面の両方の領域にまたがって図5のように設置された第二の透明電極パターンを形成した前面板を得た。
〔第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の形成〕
第一、及び、第二の透明電極パターンの形成と同様にして、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し、厚さ200nmのアルミニウム(Al)薄膜を形成した前面板を得た。
第一、及び、第二の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング用転写フィルムE1を用いて、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、アルミニウム薄膜、エッチング用光硬化性樹脂層パターンを形成した前面板を得た(ポストベーク処理;130℃、30分間)。
更に、第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング(30℃、50秒間)して、エッチング用光硬化性樹脂層を除去(45℃、200秒間)することにより、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板を得た。
〔透明保護層の形成〕
絶縁層の形成と同様にして、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素まで形成した前面板に、保護フィルムを除去した絶縁層形成用転写フィルムW1をラミネートし、仮支持体を剥離後、露光マスクを介さずに露光量50mJ/cm2(i線)で全面露光し、現像、ポスト露光(1000mJ/cm2)、ポストベーク処理を行って、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の全てを覆うように絶縁層(透明保護層)を図5のように積層した前面板を得た。得られた前面板は静電容量型入力装置として利用可能である。
<画像表示装置(タッチパネル)の作製>
特開2009−47936号公報の段落0097〜段落0119に記載の方法で製造した液晶表示素子に、先に製造した前面板(静電容量型入力装置)を貼り合わせ、公知の方法で静電容量型入力装置を構成要素として備えた実施例201の画像表示装置を作製した。
実施例101の白色加飾材付き基材に代えて、実施例102〜121、及び、比較例101〜109の白色加飾材付き基材を用いて、画像表示装置を作製することにより、実施例202〜221、及び、比較例201〜209の画像表示装置を作製した。
<前面板、及び、画像表示装置の全体評価>
実施例201〜221の画像表示装置では、上述の各工程において、白色加飾材、遮光層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板(静電容量型入力装置)は、開口部、及び裏面に汚れがなく、洗浄が容易であり、かつ、他部材の汚染の問題がなかった。
また、白色加飾材にはピンホールがなく、ムラも問題なかった。遮光層には同様にピンホールがなく、光遮蔽性に優れており、外観に問題はみられない。
そして、第一の透明電極パターン、第二の透明電極パターン、及び、これらとは別の導電性要素の、各々の導電性には問題がなく、一方で、第一の透明電極パターンと第二の透明電極パターンの間では絶縁性を有していた。
更に、透明保護層にも気泡等の欠陥がなく、また、表示特性及び動作性に優れた画像表示装置が得られた。
一方、比較例201〜209の画像表示装置では、白色加飾材にひび割れが見られ、外観上に問題が見られ、また、ひび割れ部から背面の光が漏れ出ており光遮蔽性にも問題が見られた。
また、タッチパネルの動作性に問題が見られることから、画像表示装置としては使用に耐えないものであった。
1:基板(フィルム基材。フィルム基材のみを前面板としてもよい。)
1G:ガラス(カバーガラス。カバーガラスのみを前面板としてもよく、基材とガラスの積層体を前面板としてもよい。)
2a:加飾材
2b:遮光層
2c:傾斜部
3:導電性層(第一の透明電極パターン)
3a:パッド部分
3b:接続部分
4:導電性層(第二の透明電極パターン)
5:絶縁層
6:導電性層(他の導電性要素)
7:透明保護層
8:開口部
10:静電容量型入力装置
11:強化処理ガラス
C:第1の方向
D:第2の方向

Claims (13)

  1. 白色顔料、及び、
    下記式Tで表される構造と、下記式Dで表される構造とを含むシリコーン樹脂を含有し、
    前記シリコーン樹脂中の、下記式で表されるT体/D体比が6.4以下であることを特徴とする
    白色樹脂組成物。
    T体/D体比=(式Tで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)/(式Dで表される構造に含まれるケイ素原子のモル量)
    Figure 2016160368
    式T及び式D中、RT1、RD1、及び、RD2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリル基、又は、水素原子を表し、波線部は他の構造との結合部位を表す。
  2. T1、RD1、及び、RD2が、それぞれ独立に、メチル基又はフェニル基である、請求項1に記載の白色樹脂組成物。
  3. 白色樹脂組成物の全固形分に対し、前記シリコーン樹脂を30質量%以上含有する、請求項1又は2に記載の白色樹脂組成物。
  4. 下記式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーを更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物。
    Figure 2016160368
    式1中、R1〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立に、単結合又は二価の有機連結基を表し、Aは顔料吸着部位を有する基を表し、Bは下記式2で表される構造を有する基を表し、l及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す。
    Figure 2016160368
    式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す。
  5. 前記式1で表されるグラフト型シリコーンポリマーが、下記式3で表される化合物である、請求項4に記載の白色樹脂組成物。
    Figure 2016160368
    式3中、R11及びR12はそれぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14はそれぞれ独立に、単結合又は二価の有機連結基を表し、A1は酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素原子数4以上の炭化水素基、複素環基、アミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアナト基、ヒドロキシ基、及び、チオール基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有する顔料吸着部位を有する基を表し、Bは下記式2で表される構造を有する基を表し、l、m1及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数を表す。
    Figure 2016160368
    式2中、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、kは1以上の整数を表す。
  6. 仮支持体上に白色層を有し、前記白色層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物からなることを特徴とする
    転写材料。
  7. 前記仮支持体と前記白色層の間に、遮光層を有する、請求項6に記載の転写材料。
  8. 基板、白色層、及び、遮光層をこの順で有し、
    前記白色層を、請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物により作製したことを特徴とする
    基材。
  9. 請求項6又は7に記載の転写材料により作製したことを特徴とする
    基材。
  10. 遮光層の、基板とは反対側に、導電性層を更に有する、請求項8又は9に記載の基材。
  11. 加飾用である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の基材。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の基材を含むことを特徴とする
    タッチパネル。
  13. 請求項12に記載のタッチパネルを有することを特徴とする
    情報表示装置。
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