JP2016160270A - 近赤外線吸収組成物およびフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤への溶解性、および樹脂との相溶性に優れているため塗膜異物が発生しにくく、また近赤外線吸収領域が広く、高耐久性の近赤外線吸収組成物、並びに、前記近赤外線吸収組成物を含む近赤外線吸収フィルムを提供すること。【解決手段】前記課題は、一般式(1)で表されるナフタロシアニンと重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂とを含有してなることを特徴とする近赤外線吸収組成物、更に非重合性バインダー樹脂が含まれることを特徴とする近赤外線吸収組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のナフタロシアニンと重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂を含有してなることを特徴とする近赤外線吸収組成物、並びに、前記近赤外線吸収組成物を含む近赤外線吸収フィルムに関するものである。
近赤外線吸収材料の主な用途として、近赤外線(波長範囲750〜2500nm)を吸収・カットする機能を有する半導体受光素子用の光学フィルター、省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収板、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用近赤外線吸収フィルム、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用近赤外線カットフィルター、写真用近赤外線フィルター、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルム、光学記録用色素、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー溶着、などが挙げられる。また、CCDカメラ用ノイズカットフィルター、CMOSイメージセンサ用フィルターとしても有用である。
代表的な近赤外線吸収色素としてフタロシアニン系材料が知られている。このようなフタロシアニン系材料として、置換基を有するフタロシアニン化合物もしくはナフタロシアニン化合物(例えば、特許文献1参照)、アミノ基を有するフタロシアニン化合物(例えば、特許文献2〜6参照)、アリールオキシ基を有するフタロシアニン化合物(例えば、特許文献7参照)、含フッ素フタロシアニン化合物(例えば、特許文献8、9参照)等が知られている。
上記近赤外線吸収材料に用いられる近赤外線吸収色素は、一般的に、溶剤に溶解させた後、樹脂と混合してプラスチック等の基板にコーティングするか、或いは樹脂と加熱混練されて、フィルム状、シート状、板状或いはその他の形状に成形されて用いられる。そのため、上記近赤外線吸収色素には、溶剤に対する溶解性や樹脂との相溶性等に優れていることが求められる。さらに、上記近赤外線吸収材料は、野外で使用される場合もあるので、近赤外線吸収色素自身にも高い耐久性、熱安定性等が要求される。
特開平10−78509号公報 特開2004−18561号公報 特開2001−106689号公報 特開2000−63691号公報 特開平06−025548公報 特開2000−026748公報 特開2013−241563号公報 特開平05−078364公報 特開平06−107663公報
本発明が解決しようとする課題は、溶剤への溶解性、および樹脂との相溶性に優れているため塗膜異物が発生しにくく、また近赤外線吸収性能が良好であり、高耐久性である近赤外線吸収組成物、並びに、前記近赤外線吸収組成物を含む近赤外線吸収フィルムを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるナフタロシアニンと重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂とを含有してなることを特徴とする近赤外線吸収組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2016160270
(式中、X1〜X24はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基を表す。
Zは、下記一般式(2)または(3)で表される基を表す。)
一般式(2)
Figure 2016160270
(一般式(2)におけるR1、R2は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。)
一般式(3)
Figure 2016160270
(一般式(3)におけるR3、R4は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。)
また、本発明は、更に非重合性バインダー樹脂が含まれることを特徴とする上記の近赤外線吸収組成物に関する。
また、本発明は、上記の近赤外線吸収組成物より形成されてなる近赤外線吸収フィルムに関する。
本発明により、溶剤への溶解性、および樹脂との相溶性に優れ、また近赤外線吸収性能が良好であり、高耐久性の近赤外線吸収組成物を得ることができる。また、本発明により、前記優れた特性を有する近赤外線吸収組成物を含有する近赤外線吸収フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細について説明する。
本発明の一般式(1)で示されるナフタロシアニンについて詳しく説明する。
一般式(1)において「ハロゲン」としては、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素が挙げられる。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、2−エチルヘキシル基、ステアリル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−メトキシエチル基、2−ニトロエチル基、シクロペンチル基、ジメチルシクロヘキシル基等を挙げることができ、これらの中でもtert−ブチル基、tert−アミル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基等を挙げることができ、これらの中でもフェニル基、ナフチル基、3−ニトロフェニル基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基等を挙げることができ、これらの中でもメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、3,5−クロロフェニル基、4−クロロ−2−メチルフェニルオキシ基、4−tert− ブチルフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジエチルアミノフェニルオキシ基、4−ニトロフェニルオキシ基等を挙げることができ、これらの中でもフェノキシ基、ナフチルオキシ基、4−ニトロフェニルオキシ基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「アルキルチオ基」としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、tert−ブチルチオ基、tert−アミルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ステアリルチオ基、クロロメチルチオ基、2−メトキシエチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等を挙げることができ、これらの中でもメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアリールチオ基」としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリクロロフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、4−ジエチルアミノフェニルチオ基、4−ヒドロキシフェニルチオ基等を挙げることができ、これらの中でもフェニルチオ基、ナフチルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアルキルアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ステアリルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ基等を挙げることができ、これらの中でもエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアリールアミノ基」としては、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、4−tert−ブチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−フェニル−N−エチルアミノ基等を挙げることができ、これらの中でもフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、4−tert−ブチルフェニルアミノ基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいスルファモイル基」としては、スルファモイル基、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノスルファモイル基、ステアリルアミノスルファモイル基、ジブチルアミノスルファモイル基、2−(ピペリジノ)エチルアミノスルファモイル基等を挙げることができ、これらの中でもジブチルアミノスルファモイル基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基」としては、エトキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニル基、n−オクチロキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ステアリロキシカルボニル基等を挙げることができ、これらの中でもエトキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニル基、n−オクチロキシカルボニル基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいカルバモイル基」としては、カルバモイル基、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノカルバモイル基、ステアリルアミノカルバモイル基、ジブチルアミノカルバモイル基等を挙げることができ、これらの中でもジブチルアミノカルバモイル基が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(1)において「置換基を有してもよいフタルイミドメチル基」としては、フタルイミドメチル基、4−ニトロフタルイミドメチル基、3−クロロフタルイミドメチル基、テトラフルオロフタルイミドメチル基等を挙げることができ、これらの中でもフタルイミドメチル基、4−ニトロフタルイミドメチル基、が、溶解性付与および合成難易度の観点で好ましい。
一般式(2)および(3)において、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基は、一般式(1)と同様の意義である。
一般式(1)の具体例としては、以下のような例示化合物1〜12を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
表1
Figure 2016160270
Figure 2016160270
Figure 2016160270
本発明の一般式(1)で表されるナフタロシアニンは、公知の文献 特公平3−202395に準じた方法により合成することができるが、一般的にはナフタロシアニンを合成する際の前駆体として最適である、2,3−ジシアノナフタレン誘導体化合物と、中心金属原子の源となる金属ハロゲン化物等の金属塩とを適当な溶媒にて反応させた後、相当するリン系試薬と反応させることにより製造できる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、一般式(1)で表されるナフタロシアニンと、重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂、非重合性バインダー樹脂、重合開始剤、溶剤、光吸収性色素、安定化剤、他の補助成分などにより構成される。
本発明の近赤外線吸収組成物は、一般式(1)で表されるナフタロシアニンを、上記構成成分と任意の割合で混合し、溶解させることで作製可能である。その際、本発明の近赤外線吸収組成物における、一般式(1)で表されるナフタロシアニンの含有量は、必要に応じて調節することができるが、近赤外線吸収組成物中に0.01〜50質量%含有させることが好ましく、0.1〜30質量%含有させることがより好ましい。
<重合性モノマー>
本発明の近赤外線吸収組成物は、重合性モノマーを含むことが望ましい。重合性モノマーとしては、特に制限は無いが、各種置換基のバリエーションが多く、入手が容易な観点で、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、およびオキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することが好ましい。
重合性モノマーとしては、重合性基を2つ以上有するモノマー(以下、「2官能以上のモノマー」ともいう)が好ましい。重合性モノマーとしては、活性エネルギー線および/または熱により重合反応可能であれば特に限定されるものではないが、膜の強度や耐溶剤性等の観点から、重合性基を3つ以上有するモノマー(以下、「3官能以上のモノマー」ともいう)がより好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、3官能モノマーとして例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。
また、4官能以上のモノマーとして例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
エポキシ系モノマーとして例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert―ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタンなどを挙げることができる。
また、オキセタニル系モノマーであるオキセタニル基含有モノマーとしては、特開2003−341217号公報の段落番号[0021]〜[0084]に記載の化合物、特開2004−91556号公報の段落番号[0022]〜[0058]に記載の化合物などを挙げることができる。
<重合性バインダー樹脂>
本発明の近赤外線吸収組成物は、重合反応により硬化させることができる重合性のバインダー樹脂を含むことが望ましい。例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性バインダー樹脂や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性バインダー樹脂を挙げることができる。
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂(光硬化性バインダー樹脂)においては、光照射を受けてそれ自体が重合反応を生じるか、または、光照射を受けて活性化した光重合開始剤などの他の成分の作用により重合反応を誘起するものを用いることができる。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーとして、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
この中で、ラジカル重合型プレポリマーとしては、例えば、エステルアクリレート類、エーテルアクリレート類、ウレタンアクリレート類、エポキシアクリレート類、アミノ樹脂アクリレート類、アクリル樹脂アクリレート類、不飽和ポリエステル類などを挙げることができる。
熱硬化性バインダー樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤との組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いてもよい。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
本発明の近赤外線吸収組成物においては、重合性モノマーやバインダー樹脂を単独でもよく、両方を併用してもよい。
<非重合性バインダー樹脂>
本発明の近赤外線吸収組成物に使用できる非重合性バインダー樹脂として、例えば、脂肪族エステル系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変性樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン− ブタジエンコポリマー、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂およびそれらの共重合樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
<重合開始剤>
本発明の近赤外線吸収組成物は、重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂の重合反応を促進する目的で、重合開始剤を併用してもよい。重合開始剤は、重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂の種類、重合経路にあわせて選択することができる。また、これらの重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(メタ)アクリレートモノマー、光重合性バインダー樹脂に好適な重合開始剤としては、重合反応を活性エネルギー線により行わせる場合には光重合開始剤が用いられ、重合反応を熱により行わせる場合には熱重合開始剤が用いられる。光重合開始剤の好ましい具体例としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。また、チバガイギー社製のイルガキュアシリーズ、例えばイルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュア379等、あるいはダロキュアシリーズ、例えばダロキュアTPOなどの市販品も本発明に好適に使用できる。
また、熱重合開始剤としては、一般に知られている有機過酸化物系化合物やアゾ系の化合物を用いることができる。また、熱重合開始剤の他に、イミダゾールなどの硬化触媒を用いることもできる。有機過酸化物系化合物及びアゾ系化合物は、1種単独で用いる以外に2種以上を併用することができる。ここで、有機過酸化物は、過酸化水素(H−O−O−H)の誘導体であり、分子内に−O−O−結合を持つ有機化合物をいう。
オキセタニル基含有モノマー又はバインダー樹脂に好適な重合開始剤としては、酸を発生させる化合物を挙げることができる。発生させる酸としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、硫酸、硫酸モノエステル、スルフィン酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、トリフルオロホウ酸、ホウ素錯体、アンチモン誘導体、ヘキサフルオロリン酸などを挙げることができる。
<溶剤>
本発明の近赤外線吸収組成物に使用できる溶剤として例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等などを挙げることができる。
<光吸収性色素>
本発明の近赤外線吸収組成物に使用できる光吸収性色素としては、例えば、シアニン系、キノリン系、クマリン系、チアゾール系、オキソノール系、アズレン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、アゾ系、ベンジリデン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ナフトキノン系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、ジイモニウム系、ジチオール金属錯体系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<安定化剤>
また、本発明の近赤外線吸収組成物の、光あるいは熱に対する安定化を図る目的で使用される各種安定化剤としては、例えば、ハイドロキノン誘導体(米国特許3935016号明細書、米国特許3982944号明細書)、ハイドロキノンジエーテル誘導体( 米国特許4254216号明細書)、フェノール誘導体(特開昭54−21004号公報)、スピロインダン又はメチレンジオキシベンゼンの誘導体(英国特許出願公開2077455号明細書、英国特許2062888号明細書)、クロマン、スピロクロマン又はクマランの誘導体(米国特許3432300号明細書、米国特許3573050号明細書、米国特許3574627号明細書、米国特許3764337号明細書、特開昭52−152225号公報、特開昭53−20327号公報、特開昭53−17729号公報、特開昭61−90156号公報)、ハイドロキノンモノエーテル又はパラアミノフェノールの誘導体(英国特許1347556号明細書、英国特許2066975号明細書、特公昭54−12337号公報、特開昭55−6321号公報)、ビスフェノール誘導体(米国特許3700455号明細書、特公昭48−31625号公報)、金属錯体(米国特許4245018号明細書、特開昭60−97353号公報)、ニトロソ化合物(特開平2−300288号公報)、ジインモニウム化合物(米国特許465612号明細書)、ニッケル錯体(特開平4−146189号公報)、酸化防止剤(欧州特許820057号明細書)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<近赤外線吸収フィルム>
本発明の近赤外線吸収フィルムは、上記近赤外線吸収組成物を透明基材上に積層してなる。更には所望の近赤外線吸収性能、公知の方法により近赤外線吸収組成物の積層体を形成するためには積層体の厚みが1〜40μm 程度であることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
公知の近赤外線吸収組成物の積層体形成方法としてはマイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロット、スピンコーター等の各種コーティング方法を用いることができる。
透明基材としては特に限定されるのではないが、形状として、シート状、フィルム状又は板状の透明基材を用いることができる。色彩も無色、有色、特に限定されるものではない。透明基材の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)。メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ガラス板等が挙げられる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、例中、部とは質量部を示す。
例示化合物1〜12の合成は、公知である文献 特公平3−202395等に記載されている方法に従って、ジシアノナフタレン化合物を出発原料として、ナフタロシアニンへの縮合反応を経て、相当するリン系の試薬を反応させることにより得る事ができる。
<非重合性バインダー樹脂溶液の調製>
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)を添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
実施例1
<近赤外線吸収組成物の調製>
下記組成の色素溶液を作製することで近赤外線吸収組成物S−1を得た。
・例示化合物1 :11.0部
・先に調整したアクリル樹脂溶液 :30.0部
・トリメチロールプロパントリアクリレート :22.4部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
・光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):33.0部
実施例2〜12
例示化合物1を、例示化合物2〜12に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、近赤外線吸収組成物S−2〜S−12を作製した。
<比較例化合物1>
Figure 2016160270
<比較例化合物2>
Figure 2016160270
比較例1、2
例示化合物1を、比較例化合物1、2に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、近赤外線吸収組成物S−13〜S−14を作製した。
<近赤外線吸収組成物S−1〜S−14の耐熱性試験>
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(東レ社製 「T60 ルミラー」)上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように近赤外線吸収組成物S−1〜S−14を塗布し、ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス社製「ECS−151U」)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm2であった。露光した後、オーブンで120℃10分加熱し、それぞれ近赤外線吸収フィルムの試験基板を得た。C光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。そして、耐熱試験としてオーブンで140℃1時間加熱し、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定した。測定した色差値を用いて、下記計算式により、色差ΔEab*を算出し、塗膜の耐熱性を下記の3段階で評価した。また、評価が○以上であれば実用上問題ないレベルである。以下、表2にその結果を示す。

ΔEab*=√((L*(2)-L*(1))2+(a*(2)- a*(1))2+(b*(2)-b*(1))2)

◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
<近赤外線吸収組成物S−1〜S−14の耐光性試験>
耐熱性試験と同じ手順で、それぞれ近赤外線吸収フィルムの試験基板を作製し、C光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板を耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTESTCPS+」)に入れ、500時間放置して光曝露させた。基板を取り出した後、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、耐熱性試験と同様にして色差ΔEab*を算出し、耐熱性と同様の基準により塗膜の耐光性を評価した。以下、表2にその結果を示す。
<近赤外線吸収組成物S−1〜S−14の塗膜異物試験>
近赤外線吸収組成物の溶剤への溶解性、および樹脂との相溶性は塗膜異物試験により評価した。塗膜異物試験は試験基板を作製し粒子の数をカウントして行った。耐熱性試験と同じ手順で、それぞれ近赤外線吸収フィルムの試験基板を作製し、金属顕微鏡(オリンパスシステム社製「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。
下記の評価結果において、◎、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
◎:5個未満
○:5個以上、20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表2にその結果を示す。
<近赤外線吸収組成物S−1〜S−14の分光評価>
耐熱性試験と同じ手順で、500nm〜600nmの波長の平均透過率が90%になるように、それぞれ近赤外線吸収フィルムの試験基板を作製し、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製「U−3500」)によって分光評価した。そのときの800nmの透過率の値を示す。800nmの透過率が低いほど、高い可視光透過率を維持しつつ、近赤外線を強く吸収するため、近赤外線吸収性能が良好である。800nmの透過率が、○は10%未満、△は10%以上30%未満、×は30%以上である。10%未満であるものが、近赤外線を強く吸収し、好ましい。
以下、表2にその結果を示す。
表2
Figure 2016160270
開発した近赤外線吸収組成物は溶剤への高い溶解性、樹脂との高い相溶性を示すため、非常に綺麗で均一な塗膜の形成が可能である。また、高い耐熱性・耐光性、及び近赤外線吸収組成物として良好な分光を有している。
以上の結果から、本発明の近赤外線吸収組成物を用いることで、塗膜形状、耐久性、分光特性において優れた特性を有する近赤外線吸収フィルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるナフタロシアニンと重合性モノマーおよび/または重合性バインダー樹脂とを含有してなることを特徴とする近赤外線吸収組成物。
    一般式(1)
    Figure 2016160270
    (式中、X1〜X24はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアルコシキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、置換基を有してもよい複素環残基を表す。
    Zは、下記一般式(2)または(3)で表される基を表す。)
    一般式(2)
    Figure 2016160270
    (一般式(2)におけるR1、R2は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。)
    一般式(3)
    Figure 2016160270

    (一般式(3)におけるR3、R4は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。)
  2. 更に非重合性バインダー樹脂が含まれることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収組成物。
  3. 請求項1または2に記載の近赤外線吸収組成物より形成されてなる近赤外線吸収フィルム。
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