JP2016160017A - 媒体引渡装置及び媒体集積受渡機構 - Google Patents

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剛 山本
健志 門田
Kenji Kadota
健志 門田
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Abstract

【課題】信頼性を向上する。
【解決手段】集積部16は、紙幣を集積する集積空間16Sが内部に形成され、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わる集積庫30と、紙幣収納庫11から搬送された紙幣を集積空間16Sへ放出する放出部16Jと、放出部16Jから放出された紙幣の先端と接触するビルストッパ48と、集積庫30の底面を構成し、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わり、放出部16Jから放出された紙幣を集積するステージ16Tと、傾斜姿勢においてステージ16Tに紙幣が集積されると、ステージ16T及び集積庫30を傾斜姿勢から水平姿勢へ切り替えた後、ステージ16Tに集積された紙幣束を束搬送ユニット3へ受け渡すよう該ステージ16Tを移動させる移動アーム58と、移動アーム58によりステージ16Tを傾斜姿勢から水平姿勢へと切り替える際、該ステージ16Tに集積されている紙幣束の位置を規制するサイドガイド70とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は媒体引渡装置及び媒体集積受渡機構に関し、例えば媒体としての紙幣を出金する紙幣出金機に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される紙幣出金機においては、利用者からの要求に応じて紙幣や硬貨等の現金を出金するものが広く普及している。紙幣出金機としては、例えば紙幣を収納する紙幣収納庫と、紙幣を搬送する搬送部と、紙幣を鑑別する鑑別部と、出金可能な紙幣を集積する集積部と、出金すべきで無いリジェクト紙幣を収納するリジェクト収納庫と、集積された紙幣の束を搬送する束搬送部と、利用者に紙幣を引き渡す出金口とを有するものが提案されている。
ところで、紙幣を取り扱う装置には、紙幣を集積する集積庫の底面を水平から傾けて設けることにより、該底面に対し直交する壁面に紙幣の一端面を当接させ、紙幣束の端面を揃えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−48234号公報
そのような装置においては、傾けて集積した紙幣束の形状を崩さずに該紙幣束を出金することにより、信頼性をより向上するものが望まれている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、信頼性を向上し得る媒体引渡装置及び媒体集積受渡機構を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体引渡装置においては、紙葉状の媒体を収納する媒体収納庫と、媒体収納庫から搬送された媒体を集積する集積部と、集積部に集積された媒体束を搬送して利用者に引き渡す束搬送部とを設け、集積部は、媒体を集積する集積空間が内部に形成され、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わる集積庫と、媒体収納庫から搬送された媒体を集積空間へ放出する放出部と、放出部から放出された媒体の先端と接触するストッパと、集積庫の底面を構成し、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わり、放出部から放出された媒体を集積するステージと、傾斜姿勢においてステージに媒体が集積されると、ステージ及び集積庫を傾斜姿勢から水平姿勢へ切り替えた後、ステージに集積された媒体束を束搬送部へ受け渡すよう該ステージを移動させる駆動機構と、駆動機構によりステージを傾斜姿勢から水平姿勢へと切り替える際、該ステージに集積されている媒体の位置を規制するガイド部材とを有するようにした。
また本発明の媒体集積受渡機構においては、紙葉状の媒体を集積する集積空間が内部に形成され、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わる集積庫と、搬送された媒体を集積空間へ放出する放出部と、放出部から放出された媒体の先端と接触するストッパと、集積庫の底面を構成し、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わり、放出部から放出された媒体を集積するステージと、傾斜姿勢においてステージに媒体が集積されると、ステージ及び集積庫を傾斜姿勢から水平姿勢へ切り替えた後、ステージに集積された媒体束を束搬送部へ受け渡すよう該ステージを移動させる駆動機構と、駆動機構によりステージを傾斜姿勢から水平姿勢へと切り替える際、該ステージに集積されている媒体の位置を規制するガイド部材とを設けるようにした。
本発明は、媒体束を傾斜姿勢から水平姿勢に移動させる際に、遠心力で媒体が移動してしまうことを抑止し、媒体束の形状を保ったまま該媒体束を繰り出す方向へ搬送することができる。
本発明によれば、信頼性を向上し得る媒体引渡装置及び媒体集積受渡機構を実現できる。
紙幣出金機の構成を示す右側面図である。 第1の実施による集積庫集積状態の集積部の構成(1)を示す右側面図である。 第1の実施による集積庫集積状態の集積部の構成(2)を示す平面図である。 第1の実施による紙幣がスキューした場合の集積部の構成を示す平面図である。 第1の実施によるステージの構成を示す斜視図である。 第1の実施による集積庫受渡状態且つステージ集積状態の集積部の構成(1)を示す右側面図である。 第1の実施による集積庫受渡状態且つステージ集積状態の集積部の構成(2)を示す平面図である。 サイドガイドの構成を示す斜視図である。 放出紙幣搬送ガイドの構成を示す斜視図である。 挟持搬送ガイドの構成を示す斜視図である。 第1の実施によるステージ受渡状態の集積部の構成(1)を示す右側面図である。 第1の実施による集積庫集積状態の集積部の構成(3)を示す右側面図である。 第1の実施による集積庫受渡状態且つステージ集積状態の集積部の構成(3)を示す右側面図である。 第1の実施によるステージ受渡状態の集積部の構成(2)を示す右側面図である。 出金動作を示す略線図である。 取込動作を示す略線図である。 第2の実施による集積部の構成(1)を示す右側面図である。 第2の実施による集積部の構成(2)を示す右側面図である。 第2の実施による集積部の構成(3)を示す右側面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣出金機の構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による紙幣出金機1は、例えば金融機関等に設置され、利用者(すなわち金融機関の顧客)の操作に応じて紙幣を出金する。この紙幣出金機1は、大きく分けて下側の収納ユニット2及び上側の束搬送ユニット3により構成されており、さらに全体を制御する制御部4が組み込まれている。この紙幣出金機1は、その製造時に、下側の収納ユニット2に上側の束搬送ユニット3が取り付けられることにより組み立てられる。この紙幣出金機1は、前側に設けられた出金口26に対し該出金口26とは逆側である後側から紙幣収納庫11が収納筐体10に着脱される後面機として機能する。
制御部4は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、出金処理等の処理を行う。また制御部4は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
以下では、紙幣出金機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
[1−2.収納ユニットの構成]
収納ユニット2は、直方体状の収納筐体10内に、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれており、紙幣を収納すると共に、利用者に引き渡すべき紙幣を集積して媒体束としての紙幣束を生成する。この収納筐体10内には、4個の紙幣収納庫11(11A、11B、11C及び11D)、搬送部13、鑑別部14、切替部15、集積部16及びリジェクト収納庫17が設けられている。
媒体収納庫としての紙幣収納庫11(11A、11B、11C及び11D)は、収納筐体10の後側における上下方向の中央から下側にかけて、互いに積み重なるように取り付けられている。各紙幣収納庫11は、上下方向に短く前後方向に長い扁平な直方体状に形成されており、その内部に、紙面を前後方向に向けて前後方向に沿って並んだ状態で、紙幣を収納する。また紙幣収納庫11の前側下部には、収納されている紙幣を1枚ずつに分離して繰り出す繰出部12が設けられている。
各紙幣収納庫11は、収納筐体10に対し後方向へ引き抜かれることにより、該収納筐体10から取り外され、また該収納筐体10に対し位置を合わされ前方向へ押し込まれることにより、該収納筐体10に装着される。すなわち各紙幣収納庫11は、収納筐体10の後面から着脱可能に構成されている。また各紙幣収納庫11は、それぞれに収納される紙幣の金種が予め定められている。
搬送部13は、図示しないローラやベルト、或いはこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する経路である搬送路を構成している。この搬送路は、図中に実線で示すように、各紙幣収納庫11の繰出部12と接続され、各紙幣収納庫11の前側を上下方向に沿って進行し、さらに最も上方に位置する紙幣収納庫11Aの上側における前後方向の中央付近まで到達するように配設されている。搬送部13は、各紙幣収納庫11の繰出部12から繰り出された紙幣を、短辺に沿う方向を進行方向に沿わせて概ね上方向へ進行させる。
鑑別部14は、搬送部13における紙幣収納庫11Aの前側部分に、搬送部13の搬送路に沿って設けられている。この鑑別部14は、内部に複数種類のセンサが組み込まれており、各センサから得られた情報を基に、搬送される紙幣の金種や走行状態等を鑑別し、その鑑別結果を制御部4へ供給する。制御部4は、得られた鑑別結果を基に、各紙幣の搬送先を決定する。具体的に制御部4は、出金すべき正常な紙幣の搬送先を集積部16に、出金すべきで無い紙幣(以下これをリジェクト紙幣と呼ぶ)の搬送先をリジェクト収納庫17に、それぞれ決定する。
切替部15は、紙幣収納庫11Aの上側における前後方向のほぼ中央に配置されており、制御部4の制御に基づき、紙幣に当接して進行方向を変化させるブレード(図中三角形で示す)の傾斜角度を変更することにより、紙幣の進行方向を切り替える。また切替部15は、搬送部13により、下側の鑑別部14、前側の集積部16及び後側のリジェクト収納庫17とそれぞれ接続されている。この切替部15は、下方から搬送されてきた紙幣それぞれの進行方向を、制御部4において決定された搬送先に応じて切り替え、前側の集積部16又は後側のリジェクト収納庫17へ進行させる。
集積部16は、収納筐体10内における最も上側の前側に位置しており、内部に紙幣を集積する空間である集積空間16Sを形成している。この集積部16は、集積空間16S内に、上面に紙幣を集積するステージ16Tを有している。ステージ16Tは、上下方向に薄い板状に形成されており、前後方向及び左右方向の長さが、紙幣における短辺及び長辺の長さよりもそれぞれ長くなっている。
また集積部16における後側上寄りには、切替部15から搬送されてきた紙幣を集積空間16S内へ放出する放出部16Jが設けられている。このため集積部16は、切替部15から搬送され放出部16Jにより集積空間16S内へ放出された紙幣を、ステージ16T上に集積させる。このときステージ16T上に集積された紙幣は、束状に積み重ねられている。以下では、このように積み重ねられた紙幣を紙幣束とも呼ぶ。
さらにステージ16Tは、後述する駆動モータ及び集積部駆動伝達機構により上下方向へ移動する。また集積部16の上面には、上下方向に貫通する集積孔16Hが穿設されている。集積孔16Hにおける前後方向の長さは、ステージ16Tにおける前後方向の長さよりも僅かに長くなっている。この集積孔16Hは、収納筐体10の上面も貫通しており、集積空間16Sと収納筐体10よりも上側の空間とを連通させている。このため集積部16は、ステージ16Tに紙幣束を載置した状態で該ステージ16Tを上方へ移動させることにより、該ステージ16T及び紙幣束を収納筐体10の上面よりも上側まで持ち上げる。
リジェクト収納庫17は、収納筐体10内における最も上側の後側に位置しており、内部に紙幣を収納する収納空間17Sを形成している。この収納空間17Sは、仕切板17Pにより、後上側に位置する取忘れ紙幣収納空間17SLと、前下側に位置するリジェクト紙幣収納空間17SRとに仕切られている。またリジェクト収納庫17における前側上寄りには、切替部15から搬送されてきた紙幣をリジェクト紙幣収納空間17SR内へ放出する放出部17Jが設けられている。このためリジェクト収納庫17は、切替部15から搬送され放出部17Jによりリジェクト紙幣収納空間17SR内へ放出された紙幣(すなわちリジェクト紙幣)を収納する。
またリジェクト収納庫17の上面には、上下方向に貫通する取込孔17Hが穿設されている。取込孔17Hにおける前後方向の長さは、集積部16の集積孔16Hにおける前後方向の長さとほぼ同等となっている。さらに取込孔17Hは、収納筐体10の上面も貫通しており、取忘れ紙幣収納空間17SLと収納筐体10よりも上側の空間とを連通させている。このためリジェクト収納庫17は、上方から取忘れ紙幣束が落下してきた場合、この取忘れ紙幣束を取忘れ紙幣収納空間17SL内に収納する。
さらにリジェクト収納庫17は、紙幣収納庫11と同様、収納筐体10に対し後方向へ引き抜かれることにより、該収納筐体10から取り外され、また該収納筐体10に対し位置を合わされ前方向へ押し込まれることにより、該収納筐体10に装着される。
収納筐体10における、後述する束搬送筐体20内の上ベルト21よりも下側部分のうち、大孔部20Hの範囲内には、挟持搬送ガイド22が設けられている。挟持搬送ガイド22は、上下方向に薄い扁平な直方体状に形成されており、その上面を上ベルト21の下面と対向させている。
また挟持搬送ガイド22は、後述する駆動モータ及びガイド駆動伝達機構により、大孔部20Hの範囲内で前後方向へ移動する。例えば挟持搬送ガイド22は、前側に移動し挟持搬送ガイド前側状態となった場合、大孔部20Hのうち中央付近及び前側を閉鎖し、後側の範囲を開放した状態とする。また挟持搬送ガイド22は、後側に移動し挟持搬送ガイド後側状態となった場合、大孔部20Hのうち中央付近及び後側を閉鎖し、前側の範囲を開放した状態とする。
[1−3.束搬送ユニットの構成]
束搬送ユニット3は、全体として、上下方向に短く前後方向に長い、扁平な直方体状に形成されており、前後方向の長さが収納ユニット2よりも長くなっている。束搬送ユニット3は、直方体状の束搬送筐体20内に、紙幣束を搬送するための種々の機構が設けられている。
束搬送筐体20内における上側部分には、上ベルト21が設けられている。上ベルト21は、後端近傍及び前端近傍にそれぞれ配置されたローラの周囲に掛け回された無端ベルトであり、このローラが回転することにより、その下面を水平方向に沿った前後方向に沿って走行させる。説明の都合上、以下では、上ベルト21における下面部分の走行方向を、該上ベルト21の走行方向と見なす。
束搬送筐体20における下面のうち前後方向の中央付近から後側に渡る広い範囲には、大きな孔でなる大孔部20Hが穿設されている。束搬送筐体20内における上ベルト21よりも下側部分のうち、大孔部20Hよりも前側には、出金口搬送ガイド24が設けられている。出金口搬送ガイド24は、上下方向に薄い扁平な直方体状に形成されており、その上面を上ベルト21の下面と対向させている。
また挟持搬送ガイド22が後方へ移動された状態(図1)において、集積孔16Hは、集積部16のステージ16Tが上方へ移動された場合、該ステージ16Tにより閉鎖される。このとき束搬送ユニット3内には、上ベルト21と、ステージ16T、挟持搬送ガイド22及び出金口搬送ガイド24とにより上下方向から挟まれ水平方向に沿う束搬送路3Yが形成される。
また束搬送ユニット3内には、押出部25が設けられている。押出部25は、その一部を上ベルト21の下面よりも下方に突出させており、図示しない移動機構により、前後方向に沿って、すなわち束搬送路3Yに沿って移動する。すなわち押出部25は、出金方向(前方)へ移動することにより紙幣束の束ずれや紙幣残留等を防止しつつ該紙幣束の後端を押す一方、取込方向(後方)へ移動することにより紙幣束の束ずれや紙幣残留等を防止しつつ該紙幣束の前端を押す。また押出部25は、図示しない変位機構により、上下方向へ変位する。すなわち押出部25は、図1に示したように、上ベルト21の下面よりも下方へその一部を降ろすことの他、後述するように、上ベルト21の下面よりも上方へ変位する。
因みに押出部25は、左右方向に関し離散的な数カ所のみ上ベルト21の下面よりも下方へ突出させている。また挟持搬送ガイド22及び出金口搬送ガイド24、並びに収納ユニット2における集積部16のステージ16Tには、この押出部25に応じて前後方向に沿った隙間や溝等(図示せず)が形成されており、押出部25と干渉しないようになっている。このため押出部25は、束搬送路3Y内に紙幣束がある場合、これを前後方向へ押して進行させる。
束搬送筐体20の前端には、束搬送路3Y内を前方へ搬送されてきた紙幣束を利用者に引き渡す出金口26が形成されている。出金口26の近傍には、紙幣束を検知する出金口センサ27が設けられている。出金口センサ27は、所定の検知光を発光する発光素子及びこの検知光を受光する受光素子の組み合わせにより構成された光学センサであり、該検知光の光路を束搬送路3Yと交差させている。この出金口センサ27は、検知光の受光結果を制御部4に通知する。制御部4は、この受光結果を基に、出金口26に紙幣束があるか否かを判断する。
[1−4.集積部の構成]
図2乃至図7に示すように、集積部16は、主に、ステージ16T、集積庫30、放出部16J、集積庫フレーム42、移動アーム58及び駆動モータ(図示せず)により構成されている。なお図12乃至図14は、説明の都合上、束搬送ユニット3及び移動アーム58R等を図示せず省略する。
集積庫30は、断面が略U字(コ字)形状の部材で形成されており、集積庫前側壁30F、集積庫底板30D、集積庫右側壁30R、集積庫左側壁30L及び集積庫後側壁30Bにより、紙幣を集積する空間である集積空間16Sを形成している。この集積庫30は、駆動モータ(図示せず)、集積部駆動伝達機構(図示せず)及び移動アーム58により、集積庫回動支点としての集積庫フレーム支点42Sを支点として右側面図中時計回り及び反時計回りに回動可能に構成されている。集積庫後側壁30Bは、図3に示すように左右方向に沿って櫛歯状に形成されている。
集積庫30内部には、紙幣を集積する平板状のステージ16Tが、移動アーム58により上下方向であるステージ移動方向に沿って上方向(持上方向)及び下方向(持下方向)に昇降移動可能に設けられている。図2に示すように、ステージ16Tに紙幣を集積する際の集積庫30の状態である集積庫集積状態における集積庫後側壁30Bの前側には、収納筐体10(図1)に固定され紙幣の後端部をガイドする集積ガイド40が設けられている。集積ガイド40は、左右方向に沿って櫛歯状に形成されている。集積庫後側壁30Bの櫛歯と集積ガイド40の櫛歯とは、集積庫集積状態において互いに噛み合うように配置されている。これにより集積ガイド40は、集積庫後側壁30Bを該集積ガイド40の後側から前側まで通過させる。
図3に示すように、ステージ16Tは、後述するサイドガイド70と対向する位置において、該サイドガイド70から離隔する方向である後方へ凹設された凹み部82が形成されることにより前端部が左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、サイドガイド70及び後述する出金口搬送ガイド下側案内部72と互いに接触しないよう噛み合っている。またステージ16Tは、後端部が左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、後述する放出紙幣搬送ガイド62、放出部上側ガイド74及び挟持搬送ガイド下側案内部76と互いに接触しないよう噛み合っている。
集積庫30に紙幣を集積する場合、集積庫30は図2に示すように、集積庫フレーム42と共に時計回りに回動し、ステージ16Tは後端が前端よりも低くなるよう傾斜する集積庫集積状態となる。また、集積庫30へ集積された紙幣束を束搬送ユニット3へ搬送する場合や束搬送ユニット3から紙幣束を受け取る場合、集積庫集積状態の集積庫30は、図6に示すように、集積庫フレーム42と共に反時計回りに回動し、ステージ16Tが水平な状態である集積庫受渡状態となる。このように集積部16は、放出部16Jから該集積庫30へ紙幣を放出しステージ16Tに集積させる際の集積庫30の状態である集積庫集積状態と、紙幣束を集積部16と束搬送ユニット3との間で受け渡す際の集積庫30の状態である集積庫受渡状態とに、ステージ16T及び集積庫30を移行させる。
放出部16Jは、集積庫集積状態における集積空間16Sの後方上側に設けられている。放出部16Jにおいて集積空間16Sの上部分と対向する位置に設けられた集積ローラ46は、図示しない駆動部により図中反時計回り及び時計回りにそれぞれ回転することにより、搬送部13(図1)で搬送された紙幣を挟持し集積空間16Sへ送り出す。下側の集積ローラ46の回転軸には、ゴム等の弾性部材で形成された舌片46Zが設けられている。この舌片46Zは、下側の集積ローラ46と共に反時計回りに回転することにより、集積空間16Sへ送り出された紙幣の後端部分を、下方向へ向けて叩き落とす。
図2及び図12に示すように、放出部16Jの上側には、収納筐体10(図1)に固定された放出紙幣搬送ガイド62が設けられている。放出紙幣搬送ガイド62において放出部16Jの下側の集積ローラと対向する下面には、後方から前方へ向かうに連れて上方へ傾斜する放出紙幣搬送ガイド面62Sが形成されている。この放出紙幣搬送ガイド面62Sは、放出部16Jから集積空間16S内へ放出される紙幣の上面と対向することにより、該紙幣が上方へ舞い上がることを防止し、ステージ16T上に安定的に集積させる。
放出部16Jから集積庫30へ紙幣を放出しステージ16Tに集積させる際や、束搬送ユニット3からリジェクト収納庫17へ紙幣束を受け渡す際に取込孔17H(図1)を開放する挟持搬送ガイド前側状態において、図2に示すように、挟持搬送ガイド22の下面側における、集積空間16Sの後上側には、放出紙幣ガイド部64が形成されている。放出紙幣ガイド部64は、下端部が左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、放出紙幣搬送ガイド62の上端部と互いに接触しないよう噛み合っている。放出紙幣ガイド部64において集積庫集積状態におけるステージ16Tと対向する下前面には、該集積庫集積状態において放出紙幣搬送ガイド面62Sとほぼ同様の角度を保ち、後方から前方へ向かうに連れて上方へ傾斜する放出紙幣ガイド面64Sが形成されている。この放出紙幣ガイド面64Sは、放出部16Jから放出される紙幣の上側に形成されている。挟持搬送ガイド22は、放出紙幣ガイド面64Sで集積孔16Hの上方を閉鎖させることにより、放出部16Jから放出された紙幣が上方へ舞い上がることを防止し、ステージ16T上に安定的に集積させる。
このように挟持搬送ガイド22からは、放出紙幣搬送ガイド62に向かって放出紙幣ガイド部64が突出している。このため、集積庫集積状態(図2)においては放出紙幣ガイド部64の下端部と放出紙幣搬送ガイド62の上端部とは噛み合うものの、紙幣束を集積部16と束搬送ユニット3との間で受け渡す際に集積孔16Hを開放しステージ16Tの移動経路から退避する挟持搬送ガイド後側状態においては、図11及び図14に示すように、放出紙幣ガイド部64が放出紙幣搬送ガイド62の上端部よりも後方へ移動するため、挟持搬送ガイド22の前端部と放出部上側ガイド74の前端部との間には、放出部上側空間SJUが形成されている。
図4、図12及び図13に示すように、集積庫前側壁30Fの内側には、ステージ16Tの板面に直交する方向に対し上端部が前方へ離隔するよう傾斜して延在する略直方体でなるビルストッパ48(48L及び48R)が取り付けられている。またビルストッパ48は、左右方向に紙幣の長辺方向の長さよりもやや短い間隔を空けて2本設けられている。このビルストッパ48は、その下端部を支点として回動可能に構成され、弾性部材で形成された図示しないスプリング機構により放出部16J側(後側)に付勢されると共に図示しない係止部材でその付勢が所定の位置で規制されている。またビルストッパ48は、放出部16Jから取り込まれた紙幣の先端が衝突すると、回動軸を支点として集積庫前側壁30F(前側)に回動する。またビルストッパ48は、後壁面において紙幣が衝突する媒体衝突面としての紙幣衝突面48S(図4)が形成されると共に、該紙幣衝突面48Sにおいて、放出部16Jから紙幣が放出される放出方向に直交する、紙幣の幅方向(すなわち左右方向)に延在する、断面V字形状の凸部が上下方向に複数本並んで鋸歯状に突設している。
ビルストッパ48Lの左側における集積庫前側壁30Fの後側と、ビルストッパ48Rの右側における集積庫前側壁30Fの後側とには、ビルストッパ48L及び48Rの紙幣衝突面48Sを集積空間16Sへ向かって後方に突出させる先行端部退避空間SBL及びSBR(以下ではまとめて先行端部退避空間SBとも呼ぶ)それぞれが存在している。
ここで、図4に実線で示すように、破線で示す正常な紙幣BLtと比べ、例えば左端が右端よりも先行する(すなわち上部から見て反時計回りに回転する)ようにスキューしている紙幣BLfが集積空間16Sへ放出された場合、該紙幣BLfの先端における左端部付近が、ビルストッパ48Lにおける紙幣衝突面48Sに衝突する。以下では、紙幣において先行する左右方向いずれかの端部を、先行端部とも呼ぶ。紙幣は、ビルストッパ48Lに衝突する際、左側の先行端部が先行端部退避空間SBLに入り込む。このように先行端部退避空間SBは、ビルストッパ48の紙幣衝突面48Sよりも紙幣の進行方向側に位置し、斜行した紙幣の先行端部を入り込ませることにより、該紙幣の先行端部が集積庫前側壁30Fに衝突してしまうことを防止する、すなわち紙幣の先行端部を逃がす空間として機能する。紙幣BLfは、ビルストッパ48Lを支点としながら上部から見て時計回りに回転し、該紙幣BLfの先端における右端部付近が、ビルストッパ48Rに当接することにより、ステージ16Tにおける正常な集積位置である正常集積位置Pbnへと矯正される。このようにビルストッパ48は、放出部16Jから取り込まれた紙幣が該ビルストッパ48に衝突した際の衝撃を吸収することにより、放出部16Jから斜行して放出された紙幣(スキュー紙幣)の斜行状態を矯正しステージ16Tにおける正常集積位置Pbnに整列させる。これにより集積部16は、スキュー紙幣を整列して集積することができる。
図2に示すように、集積部16内には、集積庫30及び挟持搬送ガイド22を駆動する駆動力を発生させる駆動モータ(図示せず)が設けられている。集積庫30は、駆動モータが発生させた駆動力を、該駆動モータの出力軸と接続された集積部駆動伝達機構(図示せず)から移動アーム58(58L及び58R)を介し伝達されることで回動する。また挟持搬送ガイド22は、駆動モータが発生させた駆動力を、該駆動モータの出力軸と接続されたガイド駆動伝達機構(図示せず)から伝達されることで駆動する。
挟持搬送ガイド22は、該挟持搬送ガイド22の後端近傍に搬送ガイドギア(図示せず)が設けられており、ガイド駆動伝達機構から伝達された駆動力を、該搬送ガイドギアにより前後方向の駆動力に変換し、前後方向に沿って往復移動する。
集積庫30の集積庫左側壁30L及び集積庫右側壁30Rそれぞれの下側には、図5に示すように、板状の軸支持板50L及び軸支持板50Rが設けられている。軸支持板50L及び軸支持板50Rからは、それぞれ左右方向の外側に向かって図3に示すようにピン軸52L及びピン軸52Rが延設されている。ピン軸52Lには、集積庫フレーム42Lの集積庫フレーム溝42Gに挿入される位置において、円筒形状のピン54Uが固定されている。同様にピン軸52Rには、集積庫フレーム42Rの集積庫フレーム溝42Gに挿入される位置において、円筒形状のピン54Uが固定されている。なお図5はステージ16T、軸支持板50L、軸支持板50R、ピン軸52R、ピン54U、ピン54D及びピン55のみを図示し、それ以外の機構については図示せず省略する。
軸支持板50L及び軸支持板50Rにおけるピン54Uの下側(すなわちステージ16Tにおける持下方向側)には、円筒形状でなるピン54Dが固定されている。ピン軸52L及びピン軸52Rにおけるピン54Uよりも左右方向の外側において、移動アーム58のステージ案内溝60に挿入される位置には、円筒形状のピン55が固定されている。また集積庫フレーム42L及び集積庫フレーム42Rの後端には、円筒形状でなるピン56が固定されている。
集積庫30の左右外側には、板状の集積庫フレーム42L及び集積庫フレーム42R(以下ではまとめて集積庫フレーム42とも呼ぶ)が設けられている。この集積庫フレーム42は、駆動モータ、集積部駆動伝達機構及び移動アーム58により、集積庫フレーム支点42Sを支点として右側面図中時計回り及び反時計回りに回動可能に構成されている。集積庫フレーム42Lは、集積庫フレーム42Rとほぼ同様に構成され、該集積庫フレーム42Rと左右対称に配置されているため、以下では主に集積庫フレーム42Rについて説明する。
集積庫フレーム42Rには、ステージ16Tが移動する方向である上下方向に沿ったステージ移動方向に沿って集積庫フレーム溝42Gが直線的に穿設されている。集積庫フレーム溝42Gには、ピン54U及びピン54Dが、該集積庫フレーム溝42Gに対し摺動可能に挿入されている。これによりステージ16Tは、ステージ移動方向である、図6中の上方向及び下方向に直線的に往復移動可能に構成されている。以下では、放出部16Jから集積庫30へ紙幣を放出し紙幣を集積させるステージ16Tの状態であるステージ集積状態のステージ16Tが、束搬送ユニット3に紙幣束を受け渡す際のステージ16Tの状態であるステージ受渡状態へステージ移動方向に沿って向かう上方向を持上方向とも呼び、ステージ受渡状態のステージ16Tがステージ移動方向に沿ってステージ集積状態へ向かう下方向を持下方向とも呼ぶ。図6に示すステージ集積状態においては、集積庫フレーム溝42Gの下端部にピン54Dが位置している。
集積庫フレーム42の左右外側には、移動アーム58L及び移動アーム58R(以下ではまとめて移動アーム58とも呼ぶ)が設けられている。この移動アーム58は、駆動モータ及び集積部駆動伝達機構により、移動アーム支点38を支点として図中時計回り及び反時計回りに回動可能に構成されている。以下では、集積庫フレーム42を集積庫集積状態から集積庫受渡状態へ向かって昇降移行回動方向Rtl(右側面視反時計回り)へ回動させ且つステージ16Tを持上方向へ移動させる際の図6中時計回りの移動アーム58の回動方向を、昇降移行駆動方向Rdlとも呼ぶ。また、ステージ16Tを持下方向へ移動させ且つ集積庫フレーム42を集積庫受渡状態から集積庫集積状態へ向かって集積移行回動方向Rts(右側面視時計回り)へ回動させる際の図3中反時計回りの移動アーム58の回動方向を、集積移行駆動方向Rdsとも呼ぶ。移動アーム58Lは、移動アーム58Rとほぼ同様に構成され、該移動アーム58Rと左右対称に配置されているため、以下では主に移動アーム58Rについて説明する。
移動アーム58Rには集積庫フレーム案内溝59とステージ案内溝60が形成されている。集積庫フレーム案内溝59は、側面視で略L字形状であり、該集積庫フレーム案内溝59に対し当接しつつ摺動するようピン56が挿入されている。この集積庫フレーム案内溝59には、角度保持部59A及び回動駆動部59Bが形成されている。角度保持部59Aは、移動アーム支点38を中心とする円弧形状であり、移動アーム58Rの集積移行駆動方向Rds側の端部から、昇降移行駆動方向Rdlに向かって延設されている。この角度保持部59Aは、ステージ16Tが上昇する際に、集積庫受渡状態の集積庫30の角度を保持する(すなわちステージ16Tの上面を水平に保つ)ようピン56を摺動させる。回動駆動部59Bは、略直線形状であり、角度保持部59Aの昇降移行駆動方向Rdl側の端部から、移動アーム支点38を中心とする円弧形状よりも該移動アーム支点38に向かう方向へ向かって、移動アーム58Rの昇降移行駆動方向Rdl側の端部まで延設されている。この回動駆動部59Bは、集積庫集積状態と集積庫受渡状態との間で集積庫30を回動させる際にピン56を摺動させる。
ステージ案内溝60は、集積庫フレーム案内溝59の前方に配され、側面視で該集積庫フレーム案内溝59を90度回転させたような略L字形状であり、該ステージ案内溝60に対しピン55が挿入されている。このステージ案内溝60には、回動保持部60A、昇降駆動部60B及びピン保持部60Cが形成されている。回動保持部60Aは、湾曲した形状であり、移動アーム58Rの昇降移行駆動方向Rdl側の端部近傍から集積移行駆動方向Rdsに向かって延設されている。この回動保持部60Aは、集積庫集積状態と集積庫受渡状態との間で集積庫30を回動させる際にピン56を摺動させる。昇降駆動部60Bは、略直線形状であり、回動保持部60Aの集積移行駆動方向Rds側の端部から、移動アーム支点38から径方向に向かって、移動アーム58Rにおける前端部近傍まで延設されている。この昇降駆動部60Bは、ステージ集積状態とステージ受渡状態との間でステージ16Tを直線移動させる際にピン55を摺動させる。ピン保持部60Cは、昇降駆動部60Bにおける移動アーム支点38から離隔する径方向側の端部から、集積移行駆動方向Rdsに向かって延設されている。このピン保持部60Cは、ステージ16Tがステージ受渡状態の際にピン56が嵌り込むことにより、該ピン56の位置を保持する。
束搬送筐体20(図1)の後端近傍には、挟持搬送ガイド22を検知する挟持搬送ガイド検知センサ(図示せず)が設けられている。挟持搬送ガイド検知センサは、所定の検知光を発光する発光素子及びこの検知光を受光する受光素子の組み合わせにより構成された光学センサであり、該検知光の光路を挟持搬送ガイド22と交差させている。この挟持搬送ガイド検知センサは、検知光の受光結果を、制御部4に通知する。制御部4は、この受光結果を基に、挟持搬送ガイド22が挟持搬送ガイド後側状態又は挟持搬送ガイド前側状態の何れであるかを判断する。
集積庫30には、該集積庫30を検知する集積庫検知センサ(図示せず)が設けられている。集積庫検知センサは、光学センサであり、検知光の光路を集積庫30に固定された集積庫検知板(図示せず)の移動経路と交差させている。この集積庫検知センサは、検知光の受光結果を、制御部4に通知する。制御部4は、この受光結果を基に、集積庫30が集積庫集積状態又は集積庫受渡状態の何れであるかを判断する。
集積庫フレーム42には、ステージ16Tを検知するステージ検知センサ(図示せず)が設けられている。ステージ検知センサは、光学センサであり、検知光の光路をステージ16Tの移動経路と交差させている。このステージ検知センサは、検知光の受光結果を、制御部4に通知する。制御部4は、この受光結果を基に、ステージ16Tがステージ集積状態又はステージ受渡状態の何れであるかを判断する。
ここで、図2に示すように集積庫集積状態においては、ビルストッパ48の上端部が挟持搬送ガイド22の下部まで回動してきているため、集積部16においてこれ以上ビルストッパ48を上方向へ延ばすと、該ビルストッパ48は挟持搬送ガイド22に干渉してしまうため、ビルストッパ48をこれ以上長くすることは困難である。このため、図13に示すように、集積庫受渡状態におけるビルストッパ48の上端部と出金口搬送ガイド24の後端部との間には、ビルストッパ上側空間SBUが形成されている。
[1−5.紙幣整位機構の構成]
集積部16には、ステージ16T上に載置された紙幣の位置ずれを修正すると共に抑止することで整列状態を維持し、正常な位置に紙幣を保つ紙幣整位機構68が設けられている。紙幣整位機構68は、サイドガイド70及び出金口搬送ガイド下側案内部72からなる放出方向側ガイドとしての前側ガイド68Fと、放出部上側ガイド74及び挟持搬送ガイド下側案内部76からなる放出部側ガイドとしての後側ガイド68Bとにより構成されている。
[1−5−1.サイドガイドの構成]
集積庫受渡状態(図6、図7及び図13)におけるステージ16Tの前方、すなわちステージ16Tに対し放出部16Jとは逆側には、図3に示すように、収納筐体10(図1)に固定され上下方向に延設された棒状部材である3本のサイドガイド70(70L、70C及び70R)が設けられている。サイドガイド70Lは、集積庫受渡状態におけるビルストッパ48Lと集積庫左側壁30Lとの間に、サイドガイド70Cは、集積庫受渡状態におけるビルストッパ48Lとビルストッパ48Rとの間に、サイドガイド70Rは、集積庫受渡状態におけるビルストッパ48Rと集積庫右側壁30Rとの間にそれぞれ位置している。このようにサイドガイド70は、集積庫受渡状態においてステージ16T及びビルストッパ48と互いに接触しないように噛み合っている。またサイドガイド70は、上端部が前方に向かって屈曲しており、屈曲した部分が出金口搬送ガイド下側案内部72に入り込んでいる。
サイドガイド70において放出部16Jと対向する後側には、図8に示すようにステージ移動方向に沿う平坦面であるサイドガイド面70Sが形成されている。サイドガイド70は、サイドガイド面70Sの前後方向の位置が、右側面視におけるビルストッパ48とステージ16Tの上面との交点である紙幣集積位置前端部に設定されている。このため紙幣は、前端部が紙幣集積位置前端部よりも後側に位置する正常集積位置Pbn(図7)に集積させるよう設定されている。これによりサイドガイド70は、サイドガイド面70Sが、集積庫集積状態においてビルストッパ48の紙幣衝突面48Sよりも前方へ離隔するよう配置されている。紙幣は、その前端部が紙幣集積位置前端部よりも後側に位置するようにステージ16Tに集積される。またサイドガイド70は、集積庫受渡状態におけるステージ16Tの下側から、出金口搬送ガイド24の下側まで延設されている。
サイドガイド70は、集積庫集積状態(図2、図3及び図12)においては、ビルストッパ48よりも、放出部16Jから離隔する集積空間離隔方向側である前方に位置すると共に、集積庫受渡状態(図6、図7及び図13)においては、ビルストッパ48よりも放出部16Jに近接する集積空間近接方向側である後方に位置する。
このサイドガイド70は、集積庫集積状態から集積庫受渡状態に向かって回動する際に遠心力によって前方に向かって移動した紙幣の前端部にサイドガイド面70Sを当接させることにより、該紙幣の前方への移動を禁止し、紙幣集積位置前端部よりも後方に紙幣を配置させる。
[1−5−2.出金口搬送ガイド下側案内部の構成]
図12及び図13に示すように、出金口搬送ガイド24の後端部には、下方向に向かって突設する出金口搬送ガイド下側案内部72が形成されている。出金口搬送ガイド下側案内部72は、下端部の下側が左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、サイドガイド70の上端部と、挟持搬送ガイド22の挟持搬送ガイド下側案内部76と、ステージ16Tと互いに接触しないよう噛み合っている。出金口搬送ガイド24においてステージ16Tの移動経路と対向する後面には、上下方向に沿う面である出金口搬送ガイド下側案内面72Sが形成されている。この出金口搬送ガイド下側案内面72Sは、正常集積位置Pbnに集積され上昇する紙幣束の移動経路の前端部よりも前方に形成されていると共に、サイドガイド70のサイドガイド面70Sよりも僅かに前方に形成されている。これにより出金口搬送ガイド下側案内部72は、前端部がサイドガイド面70Sに沿って上昇してきた紙幣の前端部が、該出金口搬送ガイド下側案内部72に引っ掛かることを防止し、紙幣束をスムーズに上昇させることができる。
図13及び図14に示すように、ステージ16Tが上昇する際に紙幣が前方に位置ずれすると、該紙幣は、出金口搬送ガイド下側案内面72Sに前端部が当接しつつ上昇する。このため出金口搬送ガイド下側案内部72は、位置ずれした紙幣の前方に接触しそれ以上の前方への移動を防ぎつつステージ16Tにより上昇させる。
[1−5−3.放出部上側ガイドの構成]
図9及び図14に示すように、放出紙幣搬送ガイド62の上側には、板状であり上昇する紙幣の後端部をガイドする複数の放出部上側ガイド74が固定されている。放出部上側ガイド74は、互いに左右方向に間隔を空けて複数配置されることにより、全体として左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、挟持搬送ガイド下側案内部76の下端部及び放出紙幣ガイド部64と互いに接触しないよう噛み合っている。放出部上側ガイド74においてステージ16Tと対向する前下面には、後方から前方へ向かうに連れて上方へ傾斜してから湾曲する放出部上側ガイド面74Sが形成されている。この放出部上側ガイド面74Sは、正常集積位置Pbnに集積され上昇する紙幣束の移動経路の後端部よりも後方に形成されている。
図13及び図14に示すように、ステージ16Tが上昇する際に紙幣が後方に位置ずれすると、該紙幣は、重力方向に対し傾斜した放出部上側ガイド面74Sに後端部が下から上に向かって当接しつつ上昇する。このため放出部上側ガイド74は、位置ずれした紙幣を前方に寄せて位置を矯正しつつステージ16Tにより上昇させる。
[1−5−4.挟持搬送ガイド下側案内部の構成]
図10及び図14に示すように、挟持搬送ガイド22の前端部には、下方向に向かって突設する複数の挟持搬送ガイド下側案内部76が形成されている。挟持搬送ガイド下側案内部76は、互いに左右方向に間隔を空けて複数配置されることにより、全体として下端部の下側が左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、放出部上側ガイド74の前方の上端部と、出金口搬送ガイド下側案内部72の後端部と互いに接触しないよう噛み合っている。挟持搬送ガイド下側案内部76においてステージ16Tと対向する前面には、上下方向に沿う面である挟持搬送ガイド下側案内面76Sが形成されている。この挟持搬送ガイド下側案内面76Sは、正常集積位置Pbnに集積され上昇する紙幣束の移動経路の後端部よりも後方に形成されていると共に、放出部上側ガイド74の放出部上側ガイド面74Sとほぼ面一に形成されている。
図13及び図14に示すように、放出部上側ガイド面74Sよりも上方までステージ16Tにより紙幣束が持ち上げられると、挟持搬送ガイド下側案内面76Sに該紙幣束の後端部が対向しつつ上昇する。このため挟持搬送ガイド下側案内部76は、紙幣の後方に接触しそれ以上の後方への移動を防ぎつつステージ16Tにより上昇させる。
[1−6.集積部の動作]
かかる構成において集積部16は、集積庫30に紙幣を集積する集積動作を行う際、制御部4の制御に基づき、図2に示したように、集積庫30を集積庫集積状態に、ステージ16Tをステージ集積状態に、挟持搬送ガイド22を挟持搬送ガイド前側状態にする。
この状態においてサイドガイド70は、図12に示すように、ビルストッパ48よりも集積空間離隔側に位置しており、言い換えると、集積空間16Sの外部に位置している。
続いて集積部16は集積ローラ46を回転させることにより、搬送部13から搬送された紙幣を集積空間16Sへ放出する。続いて集積部16は、ビルストッパ48に衝突した紙幣の後端部分を舌片46Zで集積庫底板30Dに叩き落とすことにより、後続の紙幣が集積空間16Sへ送り出される前にステージ16Tに紙幣を集積する。このときステージ16Tが集積庫フレーム42と共に後下がりに傾いているため、複数の紙幣の後端が集積ガイド40に当接することにより後端が揃った状態で、上下方向に重なるよう紙幣を集積させる。
紙幣束がステージ16Tに集積されることにより集積動作が終了すると、集積部16は、駆動モータを回転させることにより、移動アーム支点38を軸として図6に示すように移動アーム58を昇降移行駆動方向Rdlへ回動させる。
このとき移動アーム58は、集積庫フレーム案内溝59の回動駆動部59Bに沿ってピン56を摺動させつつ回動することにより、昇降移行回動方向Rtlへ向かって集積庫フレーム42を回動させ、図6に示す集積庫受渡状態にする。この集積庫受渡状態においては、回動駆動部59Bと角度保持部59Aとの間にピン56が位置している。またこのとき移動アーム58は、ステージ案内溝60の回動保持部60Aに沿ってピン55を摺動させつつ回動することにより、回動保持部60Aと昇降駆動部60Bとの間にピン55が位置した状態となる。このとき、集積庫後側壁30Bが集積ガイド40を後方から前方に向かって追い越すことにより、複数の紙幣は、後端が集積庫後側壁30Bの内壁面に当接し、後端が鉛直に沿って揃った状態となる。
この状態においては、集積庫30は集積庫受渡状態に、ステージ16Tはステージ集積状態に、挟持搬送ガイド22は挟持搬送ガイド前側状態になっている。
このように集積部16は、ステージ16Tを後下がりに傾斜させ紙幣を集積すると共に、集積ガイド40を後方から前方に向かって追い越すよう集積庫後側壁30Bを回動させるようにした。このため集積部16は、集積庫30内部の後方に寄った状態で紙幣束を集積することができる。この状態においては、ビルストッパ48と、紙幣束の前端が揃う位置である集積庫前側壁30Fの後壁面との間隔が、紙幣の前後方向の長さよりも広くなる。また紙幣束は、前端の前後方向の位置が舌片46Zの回転軌跡の範囲外になるよう集積される。これにより集積部16は、上昇する紙幣束の移動経路から退避させるようビルストッパ48自体を移動させることなく、紙幣束を上昇させる際にビルストッパ48に該紙幣束が接触してしまい該ビルストッパ48が負荷となってしまうことを防止できる。また集積部16は、上昇する紙幣束の移動経路から退避させるよう放出部16J及び集積ガイド40自体を移動させることなく、紙幣束を上昇させる際に放出部16J(特に舌片46Z)又は集積ガイド40に該紙幣束が接触してしまい該放出部16J又は集積ガイド40が負荷となってしまうことを防止できる。
集積庫集積状態(図12)から集積庫受渡状態(図13)へ向かうに連れて、集積庫前側壁30Fはサイドガイド70へ徐々に近づいていく。やがてサイドガイド70は、ステージ16Tの凹み部82(図7)に入り込むことにより、図13に示すように、上端部がビルストッパ48よりも集積空間近接側に位置することにより、集積空間16S内に位置することとなる。
ここで、図13に示すように、集積庫集積状態から集積庫受渡状態に向かって集積庫30が集積庫フレーム支点42Sを軸として昇降移行回動方向Rtlへ回動する際、集積庫30に集積された紙幣には、集積庫フレーム支点42Sから集積庫前側壁30F(すなわちビルストッパ48)へ向かう方向である遠心力方向へ向けて遠心力が働く。
このとき集積空間16Sに集積された紙幣は、遠心力により前側の左右何れかの端部が先行端部退避空間SBL又はSBR(図7)に入り込むように前方へ滑って移動しようとする場合がある。具体的には、紙幣の長辺方向の左側及び右側のうち上下に隣り合う紙幣との間の摩擦が低い側が、遠心力方向に移動しやすい傾向にある。また特に、ステージ16Tが傾斜した状態から水平の状態に移行する瞬間に、紙幣は滑りやすい傾向にある。
紙幣が遠心力方向に滑ると、左右の先行端部が、対向するサイドガイド70L又は70Rに当接することにより、遠心力方向への移動が規制される。サイドガイド70は、集積庫30が集積庫受渡状態に移行するまで紙幣の遠心力方向への移動を規制することにより、紙幣の遠心力方向への移動を防ぎ、紙幣集積位置前端部よりも後方に紙幣を位置させる。
続いて集積部16は、駆動モータを回転させることにより、図11に示すように移動アーム支点38を軸として移動アーム58を昇降移行駆動方向Rdlへさらに回動させる。
このとき移動アーム58は、ステージ案内溝60の昇降駆動部60Bに沿ってピン55を摺動させつつ回動することにより、集積庫フレーム溝42Gに沿ってピン54U及び54Dを摺動させつつ持上方向に向かってステージ16Tを移動させ、図11に示すステージ受渡状態にする。またこのとき移動アーム58は、集積庫フレーム案内溝59の角度保持部59Aに沿ってピン56を摺動させつつ回動することにより、集積庫フレーム42(すなわち集積庫30)の角度を保持し、角度保持部59Aの集積移行駆動方向Rds側の端部にピン56が位置した状態となる。
また、ステージ集積状態からステージ受渡状態へステージ16Tを上昇させる際、集積部16は、集積孔16Hを開放する後方向へ挟持搬送ガイド22を移動させる。
このステージ受渡状態において、ステージ16Tの上面、出金口搬送ガイド24の上面及び挟持搬送ガイド22の上面が互いに同じ高さに揃うため、集積部16は、ステージ16Tに集積された紙幣束を、形状を崩すことなく束搬送ユニット3へ受け渡すことができる。
この状態においては、集積庫30は集積庫受渡状態に、ステージ16Tはステージ受渡状態に、挟持搬送ガイド22は挟持搬送ガイド後側状態になっている。
このステージ受渡状態においては、ピン保持部60Cにピン55が嵌り込むことにより、該ピン保持部60Cは、ピン55の下側に当接し該ピン55の下方向への移動を規制している。このため集積部16は、ステージ受渡状態のステージ16Tに上から下へ向かって負荷が加わった際にステージ16Tが下降してしまい、紙幣束と押出部25(図1)との位置関係がずれて搬送時に束ずれが発生してしまうことを防止できる。また、ステージ受渡状態からステージ集積状態へステージ16Tが下降する際は、移動アーム58が集積移行駆動方向Rdsへ回動し、ピン55がピン保持部60Cから外れて昇降駆動部60Bへ移動するため、該ステージ16Tは、ピン保持部60Cに影響されることなく下降することができる。
ここで、紙幣が上昇する際、サイドガイド70は、正常集積位置Pbnよりも前側へ移動した紙幣の前端部にサイドガイド面70Sを当接させることにより、それ以上の前方への移動を防ぎつつステージ16Tにより紙幣束を上昇させる。また出金口搬送ガイド下側案内部72は、サイドガイド面70Sの上端よりも上側に位置した紙幣束に対し、正常集積位置Pbnよりも前側へ移動した紙幣の前端部に出金口搬送ガイド下側案内面72Sを当接させることにより、それ以上の前方への移動を防ぎつつステージ16Tにより紙幣束を上昇させる。
また放出部上側ガイド74は、正常集積位置Pbnよりも後側へ移動した紙幣の後端部に放出部上側ガイド面74Sを当接させることにより、位置ずれした紙幣を前方に寄せて位置を矯正しつつステージ16Tにより上昇させる。さらに挟持搬送ガイド下側案内部76は、放出部上側ガイド面74Sの上端よりも上側に位置した紙幣束に対し、正常集積位置Pbnよりも後側へ移動した紙幣の後端部に挟持搬送ガイド下側案内面76Sを当接させることにより、それ以上の後方への移動を防ぎつつステージ16Tにより紙幣束を上昇させる。
続いて紙幣出金機1(図1)は、紙幣束を集積部16から束搬送ユニット3へ受け渡し、上ベルト21を走行させると共に、集積孔16Hの上部の束搬送路3Yから出金口26へ水平方向に沿って向かう前方向である出金方向へ押出部25を移動させることにより、該紙幣束をステージ16Tから出金方向へ搬送する。
[1−7.紙幣出金機の動作]
次に、紙幣出金機1における出金に関する動作について説明する。紙幣出金機1は、図示しない操作部により利用者から出金の指示及び出金額を受け付けると、制御部4の制御に基づき、制御プログラム等を読み出して実行することにより、その構成に応じた処理を開始する。
制御部4は、図15(A)に示すように、まずステージ16Tを下方へ移動させると共に、挟持搬送ガイド22を前方へ移動させることにより集積部16の集積孔16Hを閉鎖する。また制御部4は、押出部25を最も後側に移動させる。
この状態で制御部4は、紙幣収納庫11から出金額に応じた金種及び枚数の紙幣を繰出部12により順次繰り出させ、搬送部13により上方へ搬送し、鑑別部14により鑑別させる。このとき制御部4は、鑑別部14から得られる鑑別結果を基に、紙幣が出金可能であるか否かに応じて、その搬送先を集積部16又はリジェクト収納庫17に決定する。続いて制御部4は、鑑別部14により鑑別された紙幣を、搬送部13により後方及び上方へ搬送して切替部15に到達させる。切替部15は、制御部4の制御に基づき、紙幣それぞれについて決定された搬送先に応じて進行方向を切り替え、集積部16又はリジェクト収納庫17へ進行させる。
集積部16は、搬送されてきた紙幣を放出部16Jにより集積空間16S内へ放出し、板面が後下がりに傾斜した傾斜姿勢のステージ16T上に集積させる。このとき集積部16は、集積孔16Hの上方が挟持搬送ガイド22により閉鎖されているため、放出部16Jから放出された紙幣が上方へ舞い上がることを防止し、ステージ16T上に安定的に集積させる。またリジェクト収納庫17は、搬送されてきた紙幣を放出部17Jによりリジェクト紙幣収納空間17SR内へ放出して収納させる。
制御部4は、搬送先を集積部16とした紙幣、すなわち集積部16に集積した紙幣の金種及び枚数を逐次集計しており、集計した金額が出金額に到達した段階で、紙幣収納庫11からの紙幣の繰出を中止する。この結果、集積部16のステージ16T上には、出金額の紙幣が束状に集積された紙幣束Wが載置される。
次に制御部4は、集積庫30及びステージ16Tを水平姿勢へ回動させ、図15(B)に示すように、挟持搬送ガイド22を後方へ移動させることにより集積部16の集積孔16Hを開放すると共に、集積部16のステージ16Tを上方へ移動させることにより、束搬送ユニット3側に紙幣束Wを受け渡す位置まで該紙幣束Wを持ち上げさせる。このとき制御部4は、ステージ16Tの上面を挟持搬送ガイド22及び出金口搬送ガイド24の上面と同等の高さに揃えて、該ステージ16Tにより束搬送路3Yの一部を構成させると共に、該ステージ16T上の紙幣束Wを該束搬送路3Y内に位置させる。
さらに制御部4は、上ベルト21を前方へ走行させると共に押出部25を前方へ移動させることにより、紙幣束Wを束搬送路3Yに沿って前方へ進行させていく。やがて制御部4は、出金口センサ27からの通知を基に紙幣束Wが出金口26に到達したことを検知すると、図15(C)に示すように、上ベルト21の走行を停止する。因みに制御部4は、このときステージ16Tを下方へ移動させて、出金動作を終了する。
これにより紙幣出金機1は、出金口26から紙幣束Wの一部を露出させ、且つ上ベルト21及び出金口搬送ガイド24により該紙幣束Wの後端近傍を挟持した状態として、利用者にこの紙幣束Wを取り出させることができる。
ここで制御部4は、出金口センサ27からの通知を基に、出金口26から紙幣束Wが取り出されたか否かを監視しており、所定の待機時間(例えば30秒間)が経過しても取り出されなかった場合、この紙幣束Wを取り込む取込動作を開始する。
具体的に制御部4は、図16(A)に示すように、押出部25を上方へ変位させた上で上ベルト21を後方へ走行させることにより、紙幣束Wを束搬送路3Y内に取り込み、該束搬送路3Yに沿って後方へ進行させていく。このとき制御部4は、図示しないセンサにより紙幣束Wが押出部25よりも後方に到達したことを検知すると、該押出部25を下方へ変位させると共に後方へ移動させることにより、紙幣束Wの後方への搬送を補助する。
やがて制御部4は、図16(B)に示すように、紙幣束Wが取込孔17Hに到達すると、この紙幣束Wを束搬送路3Yから落下させ、リジェクト収納庫17の取忘れ紙幣収納空間17SL内に収納させて取込動作を終了する。かくして紙幣出金機1は、利用者が出金口26から取り忘れた取忘れ紙幣束を取り込んでリジェクト収納庫17に収納する。
[1−8.効果]
以上の構成において、集積部16は、ステージ16Tにおける放出部16Jに近接する後側が放出部16Jから離隔する前側よりも下側に位置するよう、該ステージ16Tを後下がりに傾斜させ紙幣を集積するようにした。これにより集積庫30は、集積庫集積状態において紙幣の後端面を揃えて集積空間16Sに集積させることにより紙幣束を整った形状でステージ16Tに集積できる。
また集積部16は、ビルストッパ48の左右両脇に先行端部退避空間SBを形成しスキュー紙幣の先行端部を該先行端部退避空間SBに入り込ませつつビルストッパ48に衝突させることにより、スキューを矯正する。
このように集積部16は、集積庫30を傾斜させた状態で紙幣を集積空間16Sに放出することにより、紙幣束の後端面を揃えることができるものの、水平方向に沿う束搬送路3Yにその後該紙幣束を受け渡すために、集積庫30を水平な状態に回動させる必要がある。その際、サイドガイド70が存在しないと、集積庫30が回動する際の遠心力により、紙幣のスキューを矯正するために必要な空間である先行端部退避空間SBに紙幣の先行端部が入り込んでしまう可能性がある。
これに対し集積部16は、集積庫集積状態においては集積空間16S内部からは退避し、集積庫受渡状態に向かうに連れて先行端部退避空間SBを埋めるようサイドガイド面70Sが集積空間16S内部に突出するサイドガイド70を設けるようにした。これにより集積部16は、集積庫集積状態においてはステージ16Tに紙幣を集積させる際にサイドガイド70が該紙幣に干渉しないようにすることができると共に、集積庫集積状態から集積庫受渡状態に向かうに連れて、遠心力方向に移動した紙幣にサイドガイド70のサイドガイド面70Sを当接させることにより、該紙幣の移動を抑え正常集積位置Pbnに戻すことができる。
また集積部16は、正常集積位置Pbnよりも前側において、ステージ16Tにおけるステージ集積状態からステージ受渡状態までに亘って、連続的な面であるサイドガイド面70S及び出金口搬送ガイド下側案内面72Sが形成されるよう、サイドガイド70及び出金口搬送ガイド下側案内部72を設けるようにした。さらに集積部16は、正常集積位置Pbnよりも後側において、集積庫後側壁30Bの上方からステージ16Tにおけるステージ受渡状態までに亘って、連続的な面である放出部上側ガイド面74S及び挟持搬送ガイド下側案内面76Sが形成されるよう、放出部上側ガイド74及び挟持搬送ガイド下側案内部76を設けるようにした。これにより集積部16は、紙幣束の位置ずれを抑止することにより、紙幣がビルストッパ上側空間SBU又は放出部上側空間SJUに紙幣が入り込んでしまったり、紙幣がビルストッパ上側空間SBU又は放出部上側空間SJUに紙幣が入り込んだままステージ16Tが上昇してしまい該ステージ16Tと出金口搬送ガイド24又は挟持搬送ガイド22との間に紙幣束が挟み込まれてしまったりすることを防止し、紙幣束の整列状態を保ったまま該紙幣束をステージ16Tから束搬送路3Yに受け渡すことができる。
以上の構成によれば紙幣出金機1は、紙幣を収納する紙幣収納庫11と、紙幣収納庫11から繰り出され搬送された紙幣を集積する集積部16と、集積部16に集積された紙幣束を搬送して利用者に引き渡す束搬送ユニット3とを設け、集積部16は、紙幣を集積する集積空間16Sが内部に形成され、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わる集積庫30と、紙幣収納庫11から搬送された紙幣を集積空間16Sへ放出する放出部16Jと、放出部16Jから放出された紙幣の先端と接触するビルストッパ48と、集積庫30の底面を構成し、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わり、放出部16Jから放出された紙幣を積み重ねて集積するステージ16Tと、傾斜姿勢においてステージ16Tに紙幣が集積されると、ステージ16T及び集積庫30を傾斜姿勢から水平姿勢へ切り替えた後、ステージ16Tに集積された紙幣束を束搬送ユニット3へ受け渡すよう該ステージ16Tを移動させる移動アーム58と、移動アーム58によりステージ16Tを傾斜姿勢から水平姿勢へと切り替える際、該ステージ16Tに集積されている紙幣束の位置を規制するサイドガイド70とを設けるようにした。
これにより紙幣出金機1は、紙幣束を傾斜姿勢から水平姿勢に移動させる際に、遠心力で紙幣が移動してしまうことを抑止し、紙幣束の形状を保ったまま該紙幣束を繰り出す方向へ搬送することができる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.紙幣出金機及び集積部の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による紙幣出金機101は、第1の実施の形態による紙幣出金機1と比べて、集積部116に代えて集積部16が設けられているものの、それ以外は同様に構成されている。図6と対応する図17に示すように、第2の実施の形態による集積部116は、第1の実施の形態による集積部16と比べて、紙幣整位機構68に代えて紙幣整位機構168が設けられているものの、それ以外は同様に構成されている。なお図17乃至図19は、説明の都合上、束搬送ユニット3及び移動アーム58R等を図示せず省略する。
[2−2.紙幣整位機構の構成]
第2の実施の形態による紙幣整位機構168は、第1の実施の形態による紙幣整位機構68と比べて、後側ガイド168Bが後側ガイド68Bと異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。後側ガイド168Bは、後側ガイド68Bと比べて放出部上側ガイド74が省略されると共に昇降可動ガイド80が追加されている点が異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
ここで、集積庫集積状態(図17)においては、放出部16Jから集積空間16Sへ向かって紙幣が放出されるため、放出部16Jと集積空間16Sの間には、紙幣の放出を妨げる機構を配置することはできない。このため、放出部16Jの集積ローラ46の前方と、集積受渡状態における集積庫後側壁30Bの上端部と、放出紙幣搬送ガイド62の前端部との間には、放出部前側空間SJBが形成されている。
昇降可動ガイド80は、板状部材であり、ステージ集積状態におけるステージ16Tよりも後側に設けられている。また昇降可動ガイド80は、上端部が左右方向に沿って櫛歯状に形成されており、ステージ受渡状態(図19)において挟持搬送ガイド下側案内部76の下端部と互いに接触しつつ噛み合う。昇降可動ガイド80においてステージ16Tの移動経路と対向する前面には、上下方向に沿う面であり集積庫後側壁30Bと面一な昇降可動ガイド面80Sが形成されている。この昇降可動ガイド面80Sは、上昇する紙幣束の移動経路の後端部よりも後方に形成されていると共に、挟持搬送ガイド下側案内部76の挟持搬送ガイド下側案内部76の面よりも僅かに前方に形成されている。これにより昇降可動ガイド80は、後端部が昇降可動ガイド面80Sに沿って上昇してきた紙幣の後端部が、挟持搬送ガイド下側案内部76に引っ掛かることを防止し、紙幣束をスムーズに上昇させることができる。
この昇降可動ガイド80は、昇降可動ガイド面80Sが鉛直方向に沿った状態を保ちつつ、ステージ16Tに穿設された孔部(図示せず)を介し該ステージ16Tに対し上下方向に往復移動可能に取り付けられている。具体的に昇降可動ガイド80は、図17に示すように昇降可動ガイド面80Sの下端部がステージ16Tの上面よりも下側に位置することにより、ステージ16Tに載置された紙幣の後方向への移動を規制する紙幣位置矯正状態と、図19に示すように昇降可動ガイド面80Sの上端部がステージ16Tの上面よりも下側に位置することにより、ステージ16Tに載置された紙幣の後方向への移動を規制しない退避状態とを移動する。ステージ集積状態においては、昇降可動ガイド80の上端部は集積庫後側壁30Bの上端部とほぼ同じ高さになっている。
昇降可動ガイド80は、下端がステージ16Tに取り付けられた引張ばねでなるスプリング(図示せず)の上端が取り付けられることにより、持上方向に付勢力が加えられている。集積庫受渡状態(図18及び図19)において昇降可動ガイド80の上方には、上昇規制部材としての挟持搬送ガイド下側案内部76が設けられている。挟持搬送ガイド下側案内部76は、昇降可動ガイド80が集積孔16H近傍まで上昇しステージ16Tがステージ受渡状態になる際に該昇降可動ガイド80に当接し、下方向である退避方向へ平行移動させる。
かかる構成において集積庫集積状態から集積庫受渡状態(図17)へ集積庫30が回動すると、昇降可動ガイド80は、紙幣位置矯正状態になる。続いてステージ16Tが上昇すると、昇降可動ガイド80は該ステージ16Tと共に上昇する。ここで、紙幣が上昇する際、昇降可動ガイド80は、正常集積位置Pbnよりも後側へ移動した紙幣の後端部に昇降可動ガイド面80Sを当接させることにより、それ以上の後方への移動を防ぎつつステージ16Tにより紙幣束を上昇させる。
続いてステージ16Tが集積孔16Hの下側近傍まで上昇すると、昇降可動ガイド80は、上端面が挟持搬送ガイド下側案内部76の下端部に当接することにより、上方向への移動が規制される。この状態でステージ16Tがさらに上昇すると、図18に示すように昇降可動ガイド80は、ステージ16Tの上昇に伴いスプリングの付勢力に逆らってステージ16Tに対し退避方向へ移動する。この状態においても昇降可動ガイド80は、正常集積位置Pbnよりも後側へ移動した紙幣の後端部に昇降可動ガイド面80Sを当接させることにより、それ以上の後方への移動を防ぎつつステージ16Tにより紙幣束を上昇させる。
さらにステージ16Tが上昇すると、昇降可動ガイド80が挟持搬送ガイド下側案内部76の下側に位置したまま、該ステージ16Tの上面が昇降可動ガイド80の上端面より上方へ移動する。このとき挟持搬送ガイド下側案内部76は、昇降可動ガイド面80Sの上端よりも上側に位置した紙幣束に対し、正常集積位置Pbnよりも後側へ移動した紙幣の後端部に挟持搬送ガイド下側案内面76Sを当接させることにより、それ以上の後方への移動を防ぎつつステージ16Tにより紙幣束を上昇させる。
続いて紙幣出金機1(図1)は、紙幣束を集積部16から束搬送ユニット3へ受け渡し、上ベルト21を走行させると共に、集積孔16Hの上部の束搬送路3Yから出金口26へ水平方向に沿って向かう前方向である出金方向へ押出部25を移動させることにより、該紙幣束をステージ16Tから出金方向へ搬送する。その後、ステージ受渡状態からステージ集積状態へステージ16Tが下降すると、昇降可動ガイド80は、ステージ16Tと共に下降し、ステージ集積状態においては退避状態となる。
以上の構成において集積部116は、正常集積位置Pbnよりも後側において、ステージ16Tにおけるステージ集積状態からステージ受渡状態の下側までに亘って、昇降可動ガイド面80Sがステージ16Tの後側に位置するよう、昇降可動ガイド80をステージ16Tの上昇に伴って上昇させるようにした。これにより集積部16は、紙幣束の位置ずれを抑止することにより、紙幣が放出部前側空間SJBに入り込んでしまったり、紙幣が放出部前側空間SJBに入り込んだままステージ16Tが上昇してしまい該ステージ16Tと放出紙幣搬送ガイド62との間に紙幣束が挟み込まれてしまったりすることを防止し、紙幣束の整列状態を保ったまま該紙幣束をステージ16Tから束搬送路3Yに受け渡すことができる。
また集積部116は、昇降可動ガイド80の高さを集積庫後側壁30Bとほぼ同等にするようにした。これにより集積部116は、集積庫集積状態において放出部16Jから紙幣を放出する際に、昇降可動ガイド80が該紙幣に干渉しないようにすることができる。
また集積部116は、ステージ16Tが集積孔16Hの下側近傍まで上昇すると、昇降可動ガイド80を挟持搬送ガイド下側案内部76に当接させることにより、上昇を規制するようにした。これにより集積部116は、ステージ16Tから束搬送路3Yへ紙幣束を受け渡して該束搬送路3Yにより該紙幣束を水平方向に沿って搬送させる際に、該紙幣束等に昇降可動ガイド80を干渉させないようにすることができる。
その他第2の実施の形態による集積部116は、第1の実施の形態による集積部16と同様の作用効果を奏する。
[3.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、サイドガイド70を収納筐体10に固定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、サイドガイド70を、集積空間16Sに近接する方向である集積空間近接方向と、該集積空間16Sから離隔する方向である集積空間離隔方向とに往復移動可能に構成し、所定の付勢部材により、集積空間近接方向に向かって付勢するようにしても良い。この場合、サイドガイド70は、遠心力方向に移動した紙幣の勢いを吸収することができる。
また上述した実施の形態においては、3本のサイドガイド70(70L、70C及び70R)を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、サイドガイド70Cを省略し、サイドガイド70L及び70Rのみを設けるようにしても良い。その場合サイドガイド70は、紙幣出金機1において取り扱われる紙幣のうち長辺方向の長さが最も短い紙幣が、紙幣の左右方向のいずれかに最も位置ずれし、予め想定された最大のスキュー量だけ斜行した場合においても紙幣の左右両端部に当接し得る範囲にサイドガイド面70Sが配置されれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、出金口搬送ガイド下側案内部72の下端部近傍までサイドガイド70の上端部を延設する場合について述べた。本発明はこれに限らず、出金口搬送ガイド下側案内部72を省略し、サイドガイド70の上端部をステージ受渡状態のステージ16Tの上面近傍まで延設させても良い。しかしながら前側に設けられた出金口26に対し該出金口26と同じ側である前側から紙幣収納庫11が収納筐体10に着脱される前面機と、上述した後面機とで収納ユニット2を共通化する場合、サイドガイド70の上端部は、束搬送ユニット3の下端部よりも上側までは延設されていないことが望ましい。
さらに上述した第1の実施の形態においては、それぞれ挟持搬送ガイド22に挟持搬送ガイド下側案内部76を、放出紙幣搬送ガイド62に放出部上側ガイド74を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、挟持搬送ガイド下側案内部76を省略し、放出紙幣搬送ガイド62の放出部上側ガイド74の上端部をステージ受渡状態のステージ16Tの上面近傍まで延設させても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、板面の水平状態を保ったままステージ16Tを上昇させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、板面が前下がりになった状態で紙幣束の前端面をサイドガイド面70S及び出金口搬送ガイド下側案内面72Sに摺動させつつステージ16Tを上昇させるようにしても良い。その場合、紙幣束が放出部上側空間SJUから離隔する方向へ移動しようとするため、放出部上側ガイド74及び挟持搬送ガイド下側案内部76を省略できる。また第2の実施の形態においては昇降可動ガイド80及び挟持搬送ガイド下側案内部76を省略できる。
さらに上述した第2の実施の形態においては、昇降可動ガイド80を挟持搬送ガイド下側案内部76に当接させることにより上昇を規制する場合について述べた。本発明はこれに限らず、昇降可動ガイド80を挟持搬送ガイド下側案内部76ではない他の部材に当接させることにより上昇を規制するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、集積庫30に昇降可動ガイド80を追加する場合について述べた。本発明はこれに限らず、集積庫後側壁30Bに代えて昇降可動ガイド80を設けても良い。
さらに上述した実施の形態においては、左右方向に間隔を空けてビルストッパ48を2本設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、ビルストッパ48Rから48Lまでに亘る紙幣衝突面48Sを有し左右方向の長さが紙幣の長辺方向の長さよりもやや短い1本のビルストッパを設けても良い。その場合も、ビルストッパの左右外側の空間を埋めるようにサイドガイド70を設ければ良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣整位機構68として、サイドガイド70、出金口搬送ガイド下側案内部72、放出部上側ガイド74及び挟持搬送ガイド下側案内部76を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、サイドガイド70以外の出金口搬送ガイド下側案内部72、放出部上側ガイド74及び挟持搬送ガイド下側案内部76の何れか又は複数の組み合わせを省略しても良い。
さらに、上述した第1の実施の形態の紙幣整位機構68に、第2の実施の形態の昇降可動ガイド80を組み合わせても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣を出金する紙幣出金機1及び101に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば種々の金券や証券、或いは各種チケットなど、紙葉状の媒体を収納しておき、これを利用者に引き渡す種々の装置に適用しても良い。第2乃至第5の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、媒体収納庫としての紙幣収納庫11と、集積庫としての集積庫30と、放出部としての放出部16Jと、ストッパとしてのビルストッパ48と、ステージとしてのステージ16Tと、駆動機構としての移動アーム58と、ガイド部材としてのサイドガイド70とを有する集積部としての集積部16及び116と、束搬送部としての束搬送ユニット3とによって、媒体引渡装置としての紙幣出金機1及び101を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる媒体収納庫と、集積庫と、放出部と、ストッパと、ステージと、駆動機構と、ガイド部材とを有する集積部と、束搬送部とによって、媒体引渡装置を構成しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、集積庫としての集積庫30と、放出部としての放出部16Jと、ストッパとしてのビルストッパ48と、ステージとしてのステージ16Tと、駆動機構としての移動アーム58と、ガイド部材としてのサイドガイド70とによって、媒体集積受渡機構としての集積部16及び116を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる集積庫と、放出部と、ストッパと、ステージと、駆動機構と、ガイド部材とによって、媒体集積受渡機構を構成しても良い。
本発明は、例えば着脱可能な紙幣収納庫に紙幣を収納しておき、利用者の操作に応じこの紙幣を出金する紙幣出金機でも利用できる。
1、101……紙幣出金機、2……収納ユニット、3……束搬送ユニット、3Y……束搬送路、4……制御部、10……収納筐体、11……紙幣収納庫、12……繰出部、13……搬送部、14……鑑別部、15……切替部、16、116……集積部、16H……集積孔、16J……放出部、16S……集積空間、16T……ステージ、17……リジェクト収納庫、17H……取込孔、17P……仕切板、17J……放出部、17S……収納空間、17SL……取忘れ紙幣収納空間、17SR……リジェクト紙幣収納空間、20……束搬送筐体、20H……大孔部、21……上ベルト、22……挟持搬送ガイド、24……出金口搬送ガイド、25……押出部、26……出金口、27……出金口センサ、30……集積庫、30F……集積庫前側壁、30B……集積庫後側壁、30R……集積庫右側壁、30L……集積庫左側壁、30D……集積庫底板、38……移動アーム支点、40……集積ガイド、42……集積庫フレーム、42G……集積庫フレーム溝、42S……集積庫フレーム支点、46……集積ローラ、46Z……舌片、48……ビルストッパ、48S……紙幣衝突面、50……軸支持板、52……ピン軸、54U……ピン、54D……ピン、55……ピン、56……ピン、58……移動アーム、59……集積庫フレーム案内溝、59A……角度保持部、59B……回動駆動部、60……ステージ案内溝、60A……回動保持部、60B……昇降駆動部、60C……ピン保持部、62……放出紙幣搬送ガイド、62S……放出紙幣搬送ガイド面、64……放出紙幣ガイド部、64S……放出紙幣ガイド面、68、168……紙幣整位機構、68B、168B……後側ガイド、68F……前側ガイド、70……サイドガイド、70S……サイドガイド面、72……出金口搬送ガイド下側案内部、72S……出金口搬送ガイド下側案内面、74……放出部上側ガイド、74S……放出部上側ガイド面、76……挟持搬送ガイド下側案内部、76S……挟持搬送ガイド下側案内面、80……昇降可動ガイド、80S……昇降可動ガイド面、82……凹み部、Pbn……正常集積位置、SB……先行端部退避空間、SJU……放出部上側空間、SBU……ビルストッパ上側空間、SJB……放出部前側空間、Rts……集積移行回動方向、Rtl……昇降移行回動方向、Rds……集積移行駆動方向、Rdl……昇降移行駆動方向、W……紙幣束。

Claims (14)

  1. 紙葉状の媒体を収納する媒体収納庫と、
    前記媒体収納庫から搬送された前記媒体を集積する集積部と、
    前記集積部に集積された媒体束を搬送して利用者に引き渡す束搬送部と
    を有し、
    前記集積部は、
    前記媒体を集積する集積空間が内部に形成され、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わる集積庫と、
    前記媒体収納庫から搬送された前記媒体を前記集積空間へ放出する放出部と、
    前記放出部から放出された前記媒体の先端と接触するストッパと、
    前記集積庫の底面を構成し、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わり、前記放出部から放出された前記媒体を集積するステージと、
    前記傾斜姿勢において前記ステージに前記媒体が集積されると、前記ステージ及び前記集積庫を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢へ切り替えた後、前記ステージに集積された媒体束を前記束搬送部へ受け渡すよう該ステージを移動させる駆動機構と、
    前記駆動機構により前記ステージを前記傾斜姿勢から前記水平姿勢へと切り替える際、該ステージに集積されている前記媒体の位置を規制するガイド部材と
    を有する媒体引渡装置。
  2. 前記集積庫は、集積庫回動支点を軸として回動することにより前記傾斜姿勢から前記水平姿勢へ移行し、
    前記ガイド部材は、前記集積庫回動支点を中心とする遠心力方向への前記媒体の移動を抑止する
    請求項1に記載の媒体引渡装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記ステージに対し前記放出部とは逆側に配され、前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に移行する際に前記集積空間内に突出する
    請求項2に記載の媒体引渡装置。
  4. 前記ストッパは、前記放出部から放出された前記媒体の放出方向の先端と当接する媒体衝突面が形成され、
    前記ガイド部材は、前記水平姿勢における前記ストッパの側方に配される
    請求項3に記載の媒体引渡装置。
  5. 前記ガイド部材は、前記水平姿勢における前記ストッパの前記媒体衝突面よりも前記集積空間側に突出するガイド面が形成されている
    請求項4に記載の媒体引渡装置。
  6. 前記ストッパは、前記媒体が放出される方向に直交する幅方向に該媒体の幅方向の長さよりもやや短い間隔を空けて複数本設けられ、
    前記ガイド部材は、複数の前記ストッパに対する前記幅方向の外側に設けられている
    請求項5に記載の媒体引渡装置。
  7. 前記ガイド部材は、前記ステージと前記ストッパとの交点から前記ステージの板面に対し直交する方向へ前記ガイド面が延設されている
    請求項6に記載の媒体引渡装置。
  8. 前記ステージは、前記ガイド部材と対向する位置に凹み部が形成され、前記傾斜姿勢から前記水平姿勢へ移動する際、前記凹み部に前記ガイド部材が入り込む
    請求項5に記載の媒体引渡装置。
  9. 前記集積空間の前記放出部側に配され、前記ステージに集積された前記媒体束を前記束搬送部へ受け渡すよう該ステージが移動する際に、該媒体束と対向する面を有する放出部側ガイドをさらに有する
    請求項1に記載の媒体引渡装置。
  10. 前記放出部側ガイドは、前記ステージが前記束搬送部へ向かって移動する際、該ステージに連れて移動する昇降可動ガイドを有する
    請求項9に記載の媒体引渡装置。
  11. 前記昇降可動ガイドは、前記ステージが前記束搬送部の近傍まで上昇すると所定の上昇規制部材に当接し上方への移動が規制され、該ステージの板面よりも下側へ移動する
    請求項10に記載の媒体引渡装置。
  12. 前記集積空間の前記放出方向側に配され、前記ステージに集積された前記媒体束を前記束搬送部へ受け渡すよう該ステージが移動する際に、該媒体束と対向する面を有する放出方向側ガイドをさらに有する
    請求項1に記載の媒体引渡装置。
  13. 前記ガイド部材は、前記集積空間に向かって付勢されている
    請求項1に記載の媒体引渡装置。
  14. 紙葉状の媒体を集積する集積空間が内部に形成され、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わる集積庫と、
    搬送された前記媒体を前記集積空間へ放出する放出部と、
    前記放出部から放出された前記媒体の先端と接触するストッパと、
    前記集積庫の底面を構成し、傾斜姿勢及び水平姿勢に切り替わり、前記放出部から放出された前記媒体を集積するステージと、
    前記傾斜姿勢において前記ステージに前記媒体が集積されると、前記ステージ及び前記集積庫を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢へ切り替えた後、前記ステージに集積された媒体束を受け渡すよう該ステージを移動させる駆動機構と、
    前記駆動機構により前記ステージを前記傾斜姿勢から前記水平姿勢へと切り替える際、該ステージに集積されている前記媒体の位置を規制するガイド部材と
    を有する媒体集積受渡機構。
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