JP2016159946A - 液体吐出ポンプ装置及び液体吐出ポンプ装置のノズル構造 - Google Patents

液体吐出ポンプ装置及び液体吐出ポンプ装置のノズル構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル先端からの液垂れを効果的に低減できる液体吐出ポンプ装置及びノズル構造を提供する。
【解決手段】液体吐出ポンプ装置の本体側から横方向へ突設したノズルの構造であって、
先端側に口部68を開口するノズル筒60を有し、少なくとも口部68の下側を筒径方向に縦断して、口部68の外縁部72の下側をノズル筒60の筒孔hと連通する連通溝74を形成している。外縁部72の下側へ伝わった液体を、ポンプ装置のサックバックによりノズルの内部へ吸い戻すことができ、液垂れのリスクを低減している。上記ノズル筒60の少なくとも先端側を、下流方向に向かって斜め下方へ延びる傾斜筒部66に形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出ポンプ装置及び液体吐出ポンプ装置のノズル構造に関する。
一般的な液体吐出ポンプ装置として容器体に装着され、ノズルヘッドの押下げによりポンプ室内で加圧された液体が第2逆止弁を介してノズルから吐出され、上記押下げの解放によりポンプ室内が負圧化し、第1逆止弁を介して容器体内の液体がポンプ室内へ吸い上げられるように構成したものが知られている。
ノズルヘッドの押下げを解放すると、第2逆止弁は、ポンプ室の負圧化により開状態から閉状態へ移行するが、その移行に要する僅かの時間にポンプ室内の負圧がノズル側の流路にも作用し、ノズル内部の液体をポンプ室側へ吸い戻す現象(サックバック)が生ずることが知られている(特許文献1の段落0003、0005参照)。
特開2012−251440
上述のサックバックは、ノズルの先端からの液垂れを低減するという利点がある。しかしながら、サックバックが作用する前にノズル孔の外(ノズルの下面側)へ漏れ出した液体に関しては、吸引力が作用しないので、ポンプ室側へ回収できない。結局、程度の差こそあれ液垂れを生じてしまう可能性がある。
特に化粧料に使用される液体吐出ポンプ装置のノズルは、吐出時に手にとって使用することから、ノズルの先部が下側へ傾斜した形状となっていることが多く、中身がノズル外壁面に付着することがある。表面張力の小さい液体である場合、初めは液が外壁面に保持されていても振動等により知らぬ間に滴下してしまうことがあり、また表面張力の大きい液体の場合には、そのまま乾燥して汚れとして残る可能性がある。液の滴下や装置の回りへの付着は、周囲を汚すだけでなく、使用者が次回使用する際に不快感を与えてしまうという問題があった。
本発明の目的は、ノズル先端からの液垂れを効果的に低減できる液体吐出ポンプ装置及びノズル構造を提供することである。
第1の手段は、
液体吐出ポンプ装置の本体側から横方向へ突設したノズルの構造であって、
先端側に口部68を開口するノズル筒60を有し、
少なくとも口部68の下側を筒径方向に縦断して、口部68の外縁部72の下側をノズル筒60の筒孔hと連通する連通溝74を形成した。
本手段は、図1に示すようにノズル筒60の口部の下側に連通溝74を設けることを提案している。これにより、サックバックの吸引力を連通溝74を介してノズル筒60の下側へ作用させることができ、液垂れを効果的に低減することができる。なお、「ポンプ吐出装置の本体」とは、当該装置のうちノズル筒以外の部分という意味である。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記口部68を、口部以外のノズル筒部分で形成するノズル本体61に嵌合可能な口筒68Aとして形成し、上記連通溝74を口筒68Aにのみ形成した。
本手段は、図6から図8に示すように、連通溝74付きの口筒68Aをノズル本体に嵌合する構成を提案する。上記口筒68Aをノズル本体に嵌合するだけでよいので、既存の製品のノズルヘッドにも適用することができ、経済性が向上する。特に相対的に表面張力の小さい液体(例えばオイル系の化粧液)の吸い戻しに適している。
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記口筒68A及びノズル本体61に、口筒部をノズル本体に嵌合したときに連通溝74が筒孔hの下側に配置されるように形成した位置決め手段Iを設けた。
本手段では、図7及び図8に示すように、口筒部をノズル本体に嵌合したときに連通溝74が筒孔hの下側に配置されるように形成した位置決め手段Iを設けることを提案している。これにより口筒68Aの組付けが容易となる。
第4の手段は、第1の手段から第3の手段のいずれかに記載したノズル構造を有するノズルヘッドを含む液体吐出ポンプ装置であって、
ノズルヘッド52の押下げにより、ポンプ室P内の液体を第2逆止弁V2を介してノズル筒60から吐出し、ノズルヘッド52の押下げの解放により、ポンプ室P内の負圧により外部の液体を第1逆止弁V1を介してポンプ室Pへ吸引するとともに、ポンプ室Pの負圧によって、ノズル筒60の筒孔hの外の液体を連通溝74から液体をポンプ室P側へ吸い戻すようにした。
本手段は、図1、図6に示すようにノズル構造を有するノズルヘッドを含む液体吐出ポンプ装置を提案している。ノズル構造以外の部分としては、既存のポンプ装置の構成を使用できる。
第1の手段に係る発明によれば、少なくともノズル筒60の口部68の下側を筒径方向に縦断して、その口部の外縁部72の下側とノズル筒60の筒孔hとを連通する連通溝74を形成したから空気置換が行われ易くなり、外縁部72の下側へ伝わった液体を、ポンプ装置のサックバックによりノズルの内部へ吸い戻すことができ、液垂れのリスクを低減し或いは防止することができる。またノズルに不意に指を触れたときに指が汚れることを防止できる。
第2の手段又は第3の手段に係る発明によれば、連通溝74を口筒68Aに設けたから、既存の液体吐出ポンプ装置のノズル部分に口筒68Aを取り付けるだけで、本発明を適用することができ、経済的であり、特に相対的に表面張力が小さい液体に対して好適である。
第3の手段に係る発明によれば、位置決め手段Iを設けたから、連続溝74を下側にして口筒68Aをノズル本体61に取り付けることが容易である。
第4の手段に係る発明によれば、上述のノズル構造を有するノズルヘッドを含む液体吐出ポンプ装置としたから、ノズルからの液漏れを効果的に低減できるとともに、ポンプ装置全体として構造が複雑となることもない。
本発明の第1実施形態に係るノズル構造を具備する液体吐出ポンプ装置の縦断面図である。 図1の液体吐出ポンプ装置のノズルヘッドの断面図である。 図2のノズルヘッドをIII−III方向から見た底面図である。 図2のノズルヘッドの口部をIV−IV方向から見た部分図である。 図1の液体吐出ポンプ装置の作用説明図である。 本発明の第2実施形態に係るノズル構造を具備する液体吐出ポンプ装置の縦断面図である。 図6の液体吐出ポンプ装置のノズルヘッドの口部を示す図である。 図6の液体吐出ポンプ装置のノズルヘッドの口部の変形例を示す図である。
図1から図5は、本発明の第1実施形態に係るノズル構造を含む液体吐出ポンプ装置を示している。説明の都合上、まずこの液体吐出ポンプ装置の基本的な構成から解説する。
このポンプ装置は、図1に示す如く、ポンプシリンダ2と、抜止め筒20と、装着部材22と、ポペット弁体30と、作動部材36とで形成している。これら各部材は、特に断らない限り合成樹脂や金属で成形することができる。
ポンプシリンダ2は、ポンプシリンダ本体4と吸上げパイプ18とで形成される。上記ポンプシリンダ本体4は、図示例では下端小径の周壁6の上部に鍔部6aを有し、周壁6の下端部内面を第1弁座8に形成し、この下端部の外面から一体的に嵌合筒10を垂下している。この嵌合筒10に吸上げパイプ18の上部を嵌合している。また周壁6の下部内面からは、上向き段部14を有する複数の係止リブ12を周方向に間隔を存して内方突出している。上記鍔部6aの下面にはパッキン16を付設している。
抜止め筒20は、ポンプシリンダ2の内面上部に嵌合されており、後述の筒状ピストン50に当接して抜け止めをすることが可能に設ける。
装着部材22は、容器体口頸部への嵌合用の装着筒24の上端から内向きフランジ26を介して保護筒部28を起立している。
ポペット弁体30は、棒状の部材であり、下部の外面から側外方へフィン32を突出している。このポペット弁体30は、ポンプシリンダ本体4の下部内から上方へ延びており、後述のシール部で昇降可能にかつ垂直に支持されている。この支持状態でポペット弁体30の下端部は第1弁座8と対峙しており、この下端部と第1弁座8とで第1逆止弁V1が形成されている。上記ポペット弁体30のフィン32は、上記係止リブ12同士の間隙内に挿入している。
作動部材36は、ガイド部材38とステム48と筒状ピストン50とノズルヘッド52とで構成している。
上記ガイド部材38は、筒壁40の下部内面に付設した環状のシール部44と、筒壁40の下部外面から突出した鍔状の第2弁座46とを有する。この第2弁座46と係止リブ12の上向き段部14との間にはコイルスプリングSが介装されている。上記シール部44はポペット弁体30の外周面に接している。
上記ステム48は、上記ガイド部材38の筒壁上部に嵌合させて、ポンプシリンダ2の上方へ起立している。ステム48のうちガイド部材38への嵌合箇所の内面には、連通溝49を縦設している。図示例ではステム48の下部48aを大径部としている。
筒状ピストン50は、図示例において内筒部50aと外筒部50bとからなる2重筒状であり、内筒部50a及び外筒部50bの各上下方向中間部で連続している。外筒部50bの上下両部分は先端大径のスカート状部として、ポンプシリンダ本体4の内面に摺動可能に嵌合している。上記内筒部50aの下部は上記第2弁座46に着座可能に形成しており、これら内筒部50aの下部分と第2弁座46とで第2逆止弁V2が形成されている。また上記内筒部50aの上部分はステム48の下部48a内面に液密にかつ摺動可能に嵌合させている。
上記ノズルヘッド52は上記ステム48の上部48bに取り付けている。図示例ではノズルヘッド52の頂壁の外周部から内周壁54及び外周壁56をそれぞれ垂下している。もっともこうした構造は適宜変更することができる。その内周壁54内には、頂壁との間に一定の間隙を存して上記ステム48の上部48bに嵌着している。上記内周壁54の上部からは、外周壁56の上部を貫通してノズル筒60を前方へ突出している。
上記構成において、本発明のポンプを容器体の口頸部に装着し、ノズルヘッド52を押し下げると、ガイド部材38が筒状ピストン50に対して下降して第2逆止弁V2が開き、かつガイド部材38とともにポペット弁体30が下降して第1逆止弁V1が閉じる(図5参照)。これにより、ポンプ室P(第2弁座46の下面とポンプシリンダ2の下部との間の空間をいう)から、第2弁座46及びポンプシリンダ2の間の液体流路Lを通り、ステム48を経てノズル筒60外方へ吐出される。
上記ノズルヘッド52の押下げを解放すると、ガイド部材38はコイルスプリングSにより押し上げられ、かつポペット弁体30もシール部44との摩擦により引き上げられる。これにより第1逆止弁V1が開く。ポペット弁体30は、フィン32がコイルスプリングSの下端に接すると上昇を停止する。ステム48はさらにガイド部材38とともに上昇し、他方、筒状ピストン50は上昇しないため、第2逆止弁V2が閉じる。これによりガイド部材38が上昇を開始してから第2逆止弁V2が閉じるまでのポンプ室内の負圧化によって、サックバックが起こる。
本発明においては、図2に示すようにノズル筒60の口部68の下側に連通溝74を穿設する。この連通溝74は、ノズル筒60の筒軸方向から見て、図4に示すように、少なくとも口部68の下側を筒径方向に縦断して口部68の外縁部72の下側をノズル筒60の筒孔hと連通するように設ける。連通溝74を設けることで、空気の置換が行われ、図5に示す如く、連通溝付近の液体wがサックバックによりポンプ室側へ引き込まれることとなり、連通溝がない場合と比較して引き込み量が多くなる。
図示例では、ノズル筒60は、ほぼ水平向きの横筒部62から屈曲部64を介して斜め下方へ延びる傾斜筒部66へと連続形成している。
尚、ノズル筒60は、ほぼ水平向きの横筒部62のみとし、屈曲部64や傾斜筒部66を設けない構造としてもよい。
水系の化粧液のように表面張力の大きい液体に対して使用する場合には、上記連通溝74は、ノズル筒60に下側に、連通溝74を直接形成するとよい。本実施形態では、連通溝74は、下方から見て、図3に示すように口部68から上流側へスリット状に延設する。図示例の連通溝74は、上記傾斜筒部66に設けている。また連通溝74の基端76は、図1に示すように垂直に形成している。
図示例において、連通溝74は、下方から見て直線的で一定幅に形成している。連通溝74の幅は、液体の表面張力を考慮して、液体通路としてのノズル筒60の機能を損なわない程度に小さい幅とする。
前述の特許文献1の液体吐出ポンプ装置は、サックバックが強く作用するように構成されているが、通常のポンプ装置でも多少のサックバックを生ずる。通常のサックバックの吸引力でも、連通溝の長さの大小、連通溝の幅が広狭如何によらず、ノズルの口部下面側に一時的に溜まった液体を確実に引き込むことができる。
以下本発明の他の実施形態を説明する。これらの説明において第1実施形態と同じ構成に関しては、解説を省略する。
図6から図8は、本発明の第2実施形態に係るノズル構造を含む液体吐出ポンプ装置を示している。本実施形態では、ノズル筒60の口部68を、ノズル本体61と別体の口筒68Aとして形成し、この口筒68Aにのみ連通溝74を形成している。この構成は、特にオイル系化粧液のように表面張力の小さい液体に適している。
上記口筒68Aは、筒壁69の外面に、その筒壁69の先端寄りに位置させて、鍔部70を周設している。そして筒壁69のうち先端と反対側の部分をノズル本体61の内部へ嵌合している。そして図6に示す口筒68Aの下側の部分を筒壁69から鍔部70に亘って縦断して連通溝74を形成している。また鍔部70の上側には係合凹部71を穿設している。ノズル本体61の先端面には係合凹部71内へ嵌入する係合突部67を突出しており、これら係合凹部71及び係合突部67で位置決め手段Iを形成している。すなわち、図7に示すように、係合突部を係合凹部に嵌入させることで、口筒68Aをノズル本体61に嵌合したときに常に連通溝74が下側に位置するようにしている。なお、図示例と異なり、口部側に係合突部を、ノズル本体側に係合凹部を設けても構わない。
本実施形態の如く、口筒68Aのみに連通溝を形成する構造とした場合には、液体wがノズル筒60の下端面付近(口筒68Aに設けた連通溝74の下方位置)に留まり、ポンプのサックバック効果により内容液をノズル筒内へ引き込むことができる。
したがって、第1実施例に比べ第2実施例は、液体wが一時的に保持(溜まる)可能なスペースが設けてあるため、より効果(液垂れ防止)を発揮する。
図7に示す図示例では、口筒68Aの筒孔hを筒軸方向から見て円形に形成している。
図8は、本実施形態の変形例であり、口筒68Aの筒孔hを筒軸方向から見て矩形に形成している。図示例では、矩形の一辺の中間部に相当する箇所を縦断して連通溝74を形成している。しかしながら、これらの形状は適宜変更することができる。ノズル筒の筒孔hの形状に関しては、円形や矩形以外の形状でも本発明の効果が同様に得られる。
2…ポンプシリンダ 4…ポンプシリンダ本体 6…周壁 6a…鍔部
8…第1弁座 10…嵌合筒 12…係止リブ 14…上向き段部 16…パッキン
18…吸上げパイプ 20…抜止め筒
22…装着部材 24…装着筒 26…内向きフランジ 28…保護筒部
30…ポペット弁体 32…フィン
36…作動部材 38…ガイド部材 40…筒壁 42…連通孔 44…シール部
46…第2弁座 48…ステム 48a…ステム下部 48b…ステム上部
50…筒状ピストン 50a…内筒部 50b…外筒部
52…ノズルヘッド 54…内周壁 56…外周壁 60…ノズル筒
61…ノズル本体 62…横筒部 64…屈曲部 66…傾斜筒部
67…係合突部 68…口部 68A…口筒 69…筒壁
70…鍔部 71…係合凹部
72…外縁部 74…連通溝 76…基端
h…筒孔 I…位置決め手段 L…液体流路 P…ポンプ室
S…コイルスプリング
V1…第1逆止弁 V2…第2逆止弁 w…液体

Claims (4)

  1. 液体吐出ポンプ装置の本体側から横方向へ突設したノズルの構造であって、
    先端側に口部(68)を開口するノズル筒(60)を有し、
    少なくとも口部(68)の下側を筒径方向に縦断して、口部(68)の外縁部(72)の下側をノズル筒(60)の筒孔(h)と連通する連通溝(74)を形成したことを特徴とする、液体吐出ポンプ装置のノズル構造。
  2. 上記口部(68)を、口部以外のノズル筒部分で形成するノズル本体(61)に嵌合可能な口筒(68A)として形成し、上記連通溝(74)を口筒(68A)にのみ形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ポンプ装置のノズル構造。
  3. 上記口筒(68A)及びノズル本体(61)に、口筒部をノズル本体に嵌合したときに連通溝(74)が筒孔(h)の下側に配置されるように形成した位置決め手段(I)を設けたことを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出ポンプ装置のノズル構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したノズル構造を有するノズルヘッドを含む液体吐出ポンプ装置であって、
    ノズルヘッド(52)の押下げにより、ポンプ室(P)内の液体を第2逆止弁(V2)を介してノズル筒(60)から吐出し、ノズルヘッド(52)の押下げの解放により、ポンプ室(P)内の負圧により外部の液体を第1逆止弁(V1)を介してポンプ室(P)へ吸引するとともに、ポンプ室(P)の負圧によって、ノズル筒(60)の筒孔(h)の外の液体を連通溝(74)から液体をポンプ室(P)側へ吸い戻すようにしたことを特徴とする、液体吐出ポンプ装置。
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