JP2016159576A - ガスバリア積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然資源を有効利用し、基材として不織布などの空隙の大きな基材に対してコーティングしても浸み込みにくく、基材表面にセルロース繊維層を形成し、良好なバリア性を発言することが出来る優れたガスバリア積層体を提供することを目的とする。【解決手段】表面及びバルク中に空隙を有する不織布等の基材2の上に、セルロース繊維及びセルロース繊維の酸化物からなるセルロース繊維層を形成してなるガスバリア積層体であって、セルロース繊維の酸化物は、セルロース繊維の水酸基の一部がカルボキシル基、アルデヒド基の1つ以上から選ばれる官能基に酸化され、且つ、その酸化の割合はセルロース繊維の質量1gに対して0.5〜3.5mmol/gであることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は医薬品、日用品等の包装分で用いられるガスバリア性を備えるガスバリア積層体に関する。特に、天然資源を有効に利用した環境への負荷の少ない、バリア性に優れた包装材料に用いられるガスバリア積層体及びその製造方法に関する。
トイレタリー製品、薬品、医療品等の容器や包材には内容物の保護などのため、高いガスバリア性が要求される。現在用いられているガスバリア剤は化石資源から製造されるものや、無機物の蒸着により製造されるものが大半を占めているため、製造時や廃棄時に莫大な二酸化炭素や熱が排出されている。また、無機物の蒸着膜においては、焼却時には焼却炉を傷つけ、リサイクルの際にはフィルムを剥がす必要がある等の問題もあった。そのため、ガスバリア材料においてもこれらの諸問題を抑制する環境配慮型の材料への転換が進められている。
環境配慮型の材料として、天然物由来の多糖類が注目されている。中でもセルロースは植物の細胞壁や微生物の体外分泌物、ホヤの外套膜等に含まれており、地球上で最も多く存在する多糖類で、生分解性を有し、結晶性が高く、安定性や安全性に優れているため、様々な分野への応用展開が期待されている。
しかしながら、セルロースは、分子内の水素結合が強く、結晶性が高いという特徴があり、水や一般的な溶剤にはほとんど不溶であるため、液状の形態で機能性を付与することが難しく、セルロースの溶解性を向上させる研究が盛んに行われている。中でも、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−n−オキシル(以下、TEMPO)からなるTEMPO触媒系を用いてセルロースの骨格であるグルコピラノース環のC6位の一級水酸基を酸化し、アルデヒドを経てカルボキシル基を導入する手法は、一級水酸基のみを選択的に酸化することができ、また温和な条件下で反応を行うことが可能であるため、近年非常に注目されている。また、天然のセルロースを用いてTEMPO酸化を行うと、セルロースの結晶性を保ったままナノオーダーの結晶表面のみを酸化させることができる。この方法によれば、洗浄後、軽微な機械的処理を加えるだけで、微細なセルロース繊維を水分散させることができる。
この方法で調製されたセルロース繊維分散液のコーティング剤は、塗工後に乾燥させることで、セルロースの高い結晶性と乾燥状態での酸素バリア性からガスバリア材料としての応用展開が期待されている。
上記のようなセルロース繊維分散液のコーティング剤は、基材としてプラスチックフィルムを使用する場合、基材表面に均一な膜を形成し、良好なガスバリア性を発揮することができる。しかしながら、表面やバルク中に比較的大きな空隙を有する不織布、織布を基材として使用する場合、塗工後に乾燥させるまでの間にコーティング剤が前記基材中に浸み込み易く、基材の表面に留まり一定の膜厚を形成することが難しかった。
これらの課題を解決するため、様々な試みがなされてきた。例えば、特許文献1では紙に繊維径の大きなセルロース繊維を微細なセルロース繊維に混合したコーティング液を調整することで、繊維が基材の隙間を埋め、ガスバリア性を発現さると記載されている。しかし、基材として不織布など空隙の大きな基材へのバリア性付与についての言及がない。
特願2013−154572号公報
本発明は以上のような背景技術を考慮してなされたもので、天然資源を有効利用し、基材として不織布などの空隙の大きな基材に対してコーティングしても浸み込みにくく、基材表面にセルロース繊維層を形成し、良好なバリア性を発言することが出来る優れた積層体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、表面及びバルク中に空隙を有する基材の上にセルロース繊維層を形成してなることを特徴とするガスバリア積層体である。
請求項2の発明は、前記基材が不織布からなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体である。
請求項3の発明は、前記セルロース繊維層はセルロース繊維及びセルロース繊維の酸化物からなり、
セルロース繊維の酸化物は、セルロース繊維の水酸基の一部がカルボキシル基、アルデヒド基の1つ以上から選ばれる官能基に酸化され、且つ、その酸化の割合はセルロース繊維の質量1gに対して0.5〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア積層体である。
請求項4の発明は、前記セルロース繊維及びセルロース繊維の酸化物は、その繊維の短方向における数平均繊維幅が3〜200nmで、繊維長が0.2〜500μmの範囲であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア積層体である。
請求項5の発明は、前記セルロース繊維層の膜厚が0.2〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア積層体である。
請求項6の発明は、表面及びバルク中に空隙を有する基材の上にセルロース繊維層を形成することを特徴とするガスバリア積層体の製造方法であって、
セルロース繊維層は、セルロース繊維及びセルロース繊維の水酸基の一部がカルボキシル基、アルデヒド基の1つ以上から選ばれる官能基に酸化されたセルロース繊維の酸化部を含む分散液を塗布して形成されることを特徴とするガスバリア積層体の製造方法である。
請求項7の発明は、分散液に含まれるセルロース繊維の酸化物は、その酸化の割合がセルロース繊維の質量1gに対して0.5〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項6に記載のガスバリア積層体の製造方法である。
請求項8の発明は、分散液の分散媒が水またはアルコールを含むことを特徴とする請求項6または7に記載のガスバリア積層体の製造方法である。
請求項9の発明は、分散液の波長600nmにおける光線透過率が、50%以下であることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のガスバリア積層体の製造方法である。
本発明によれば、天然資源を有効利用し、基材の本来の機能を損なわず、かつ基材表面にセルロース繊維層を形成し、良好なバリア性を発言することが出来る優れたガスバリア積層体を提供することができる。すなわち、セルロース繊維を部分的に酸化させることで水やアルコ−ル溶媒への溶解及び分散が可能となり、セルロース繊維層を分散液としてコーティング法にて形成することができる。
また、セルロース繊維及びその酸化物の数平均繊維幅を3〜200nm、繊維長を0.2〜200μmの範囲とすることで繊維同士が絡み合い、基材に用いられる比較的大きな空隙を有する不織布や織布への内部浸透を防ぐことができ、基材の表面に一定の膜厚でセルロース繊維層を形成することができる。これによりガスバリア性に優れた不織布や織布を提供することができる。
本発明に係るガスバリア積層体の一実施形態を示す断面概略図。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は図1に示すように、表面及びバルク中に空隙を有する基材2の上に、セルロース繊維及びセルロース繊維の酸化部からなるセルロース繊維層3が形成されたことを特徴とするガスバリア積層体1である。
表面及びバルク中に空隙を有する基材2は、その空隙の効果として耐衝撃性、クッション性、吸着性等に優れ、これらの機能に加えてさらに別の機能、例えばガスバリア性(匂いの吸着性)等を付与することが可能である。
<基材>
本発明に用いられる基材2は、表面及びバルク中に空隙を有するものであれば特に限定することはないが、合成樹脂からなる不織布が好ましい。例えば、ポリオレフィン系(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等)ポリアミド系(ナイロン等)、アクリル系(ポリアクリルニトリル等)、ポリスチレン系、ポリイミド系、ポリカーボネート系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系のいずれかもしくはそれらの誘導体や複合材料等を使用できる。
基材上にセルロース繊維層の形成向上のため、基材に表面処理を施し、濡れ性やアンカー効果を付与してもよい。表面処理については特に限定されないが、本発明の趣旨やコスト面、工程の簡便さから、コロナ放電処理やプラズマ処理、紫外線照射、アルカリ表面処理などの改質が好ましい。
セルロース繊維層を形成する前後において、基材内になんらかの樹脂、微粒子、顔料、香料、クレー、反応性物質などを含有させても構わない。
基材に機能を付与する目的で、金属等を担持していても良い。金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属またはこれらの合金、または酸化物、複酸化物、炭化物などを用いることができる。
或いは、基材にカーボン粒子等を含有していてもよい。カーボン粒子としては、あらゆるカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、ランプブラック)を始め、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、黒鉛、を挙げることができ、これらを物理的、化学的処理した物質の何れを用いてもよい。
基材の表面の形状としては、不織布、織布の繊維間の距離が小さい物のほうがガスバリア性を付与しやすい。不織布、織布の繊維間の距離が小さいものは、セルロース繊維による基材表面の目止め効果あるいは平滑性改善効果に関しては優位性が薄いが、ガスバリア性によるガス透過を抑制する作用をもたらしやすい。不織布、織布の繊維間の距離が50nmより大きいと、基材の繊維の隙間にセルロース繊維層形成による充填が十分に行えず、ガスバリア性が発揮されにくい。
<セルロース繊維層>
本発明に用いられるセルロース繊維層を構成するセルロース繊維の原料としては、木材パルプ、非木材パルプ、コットン、バクテリアセルロース等を用いることができる。セルロース繊維の微細化方法としては特に限定されないが、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、グラインダー磨砕、凍結粉砕、メディアミルなど機械処理が挙げられるが、いずれの方法を用いてもよい。また、機械処理を行う前工程として、化学処理してもよい。機械化処理や化学処理の処理度を任意に制御することにより、所望の繊維形状を有するセルロース繊維を得ることが出来る。化学処理については後述する。また、セルロース繊維が高結晶性である事が好ましい。結晶性が高いとガスバリア性、力学強度、耐水性、熱安定性が向上する。
セルロース繊維層の形成方法としては、セルロース繊維分散液を各種ウェット成膜法により形成することができ、公知の方法を用いることができる。具体的には、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、スプレーコーターなどを挙げることができる。分散液の分散媒としては特に限定されないが、作業環境上の問題や溶媒回収が不要である点から水が好ましい。また、塗工性や乾燥性など製造工程改善や分散性、分散安定性の向上などを目的として分散媒にアルコールなど有機溶媒を混合させても構わない。また、セルロース分散液の濃度は、所望のセルロース繊維層を得るためにセルロース繊維層の形成上問題のない範囲で任意に調整して構わない。
セルロース繊維の形状に関して、数平均繊維幅が3〜200nmであり、繊維長が0.2〜500μmをであることが好ましい。すなわち、繊維形状を維持するためには幅3nm以上が好ましく、200nm以下であればウェット製膜法により成型するための適当な粘度を維持することができる。また、3〜200nm以下であれば繊維が緻密に膜化し、良好なガスバリア性を発揮することができる。さらに、繊維長において0.2μm未満では繊維同士の絡み合いが十分ではなく、特に基材に不織布、織布を用いる場合、基材内にセルロース繊維が染込んでしまい膜として機能する成分の歩留まり低下や膜化自体が困難になる。また500μm以上ではセルロース繊維の絡み合いが強くなりすぎて粘度の増大が生じ、形成されるセルロース繊維層の表面形状に問題が生じ易くなる。また、このような形状を有する繊維を使用することにより、基材へ浸み込みにくく、隙間の充填を効率よく行うことが出来ると共に、合成樹脂のコーティングや金属膜の蒸着では不可能であった不織布、織布へのバリア性付与が可能になる。
数平均繊維幅が3〜200nmであり、平均粒度分布が一つの粒径ピークを有するセルロース繊維は、上記のセルロースを微細化する工程で用いられる分散媒の種類および量を変更する、微細化するための手段から適当な手段を選択し処理時間等を調整するなどの方法で得ることができるが、これらの方法に限定されない。
なお、セルロース繊維の形状は0.0001〜0.001wt%に調製したセルロース繊維分散液を表面が平滑なマイカ等に展開して乾燥させ、SEMやAFM観察により確認することができる。
さらにセルロース繊維層は、耐水性の点では、架橋剤によって架橋構造が形成されていることが好ましい。架橋剤としては例えばオキサゾリン、ジビニルスルホン、カルボジイミド、ジヒドラジン、ジヒドラジド、エピクロルヒドリン等が挙げられる。前記架橋剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記工程により得られた本発明のセルロース繊維分散液は、その透過率(波長:600nm)が、50%以下であることが好ましい。本発明のセルロース繊維分散液の透過率をこの範囲にすることで、コーティング剤が基材として用いられる不織布、織布に浸みこまず、表面に留まるため均一な膜を形成することができる。なお、上記透過率は、セルロース繊維分散液の固形分濃度が0.1〜10重量%の範囲で、50%以下であることが好ましい。ここで得られるセルロース繊維分散液の透過率が低いものほど、分散処理に必要なエネルギーがー小さいため、コスト的に有利である。また透過率が50%以上の場合、セルロース繊維が細かすぎるためセルロース繊維間の相互作用が弱く、基材への浸み込みが大きくなるため均一な膜が形成しにくく、バリア性が発現しにくくなる。
セルロース繊維分散液をコーティングして形成する際、コーティングの塗工量が固形分重量換算で0.3〜15g/mであることが好ましい。塗工量が0.3g/m未満であると、特に基材に不織布、織布を用いた場合、基材表面の凹凸に追従してセルロース繊維層が形成出来ず、セルロース繊維層による一様な膜面が形成されにくくなるため、バリア性が低下する。また、塗工量が15g/mを超えると、ハンドリング時にセルロース繊維層およびそれに伴う隣接した基材にクラック発生等の問題が生じ易くなり、またセルロース繊維層を形成する材料の必要量が増加するためコスト増大による経済的な問題が生じ、生産性が低下する。
また、セルロース繊維分散液がコーティング後形成されたセルロース繊維層の膜厚が0.2〜10μmであることが好ましい。膜厚が0.2μm未満であると、特に基材に不織布、織布を用いた場合、基材表面の凹凸を覆い平滑化する効果が低くなるため、ピンホールやクラック発生を抑制する効果が得られず、バリア性が低下する。また、10μmを越えると、ハンドリング時にセルロース繊維層およびそれに伴う隣接した基材にクラック発生等の問題が生じ易くなると共に、セルロース繊維層と基材との線膨張係数の差による密着低下が顕著になるため好ましくない。
<セルロース繊維の化学処理>
次に、本発明に用いられるセルロース繊維は化学処理を行い、さらにこれに続く機械処理を施すことにより、低エネルギーで所望の形状のセルロース繊維を得ることが出来る。繊維としてセルロースの化学処理の一例を下記に示す。
セルロースを化学処理する方法として、触媒として2、2、6、6−テトラメチル−1−ピペジニルオキシラジカル(TEMPO)を使用し、pHを調整しながら次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を用いて処理方法が提案されている。この方法によりセルロースC6位の水酸基がカルボキシル化されると、セルロース繊維相互の静電反発が高まり膨潤するため、低エネルギー投入による機械処理によってセルロース繊維が微細化し、セルロース繊維の水分散液が得られる。さらに、本方法を利用すると、得られたセルロース繊維の分子量低下が抑えられるため、セルロース繊維層は高い力学強度を有する。
上述の化学処理は次の手順で行われる。
水中で分散させたセルロースにニトロキシラジカルと臭化ナトリウムとを添加して室温で攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加してセルロースの酸化を行う。酸化反応中に水酸化ナトリウムを添加し、反応系内のpHを10.5に制御する。この時、セルロース繊維表面のC6位の水酸基がカルボキシル基に酸化される。十分水洗し、得られたセルロースを微細化したものをセルロース繊維層の構成材料として用いることが出来る。
なお、酸化剤としては、次亜ハロゲン酸又はその塩、亜ハロゲン酸又はその塩が使用でき、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。臭化物としては、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム等が挙げられ、臭化ナトリウムが好ましい。
セルロース繊維層に用いられるセルロース繊維は、化学処理により、セルロースがセルロース重量に対してカルボキシル基含有量が0.5〜3.5mmol/g、好ましくは0.5〜1.8mmol/gを有する。こうして得られた化学処理後のセルロース繊維は、水中での機械処理による繊維の微細化が進行しやすく、均質な分散液が得られるため、基材上で均一な膜厚かつ均質な層形成が可能となる。また、微細化が進行するとセルロース繊維の繊維径は数nm〜200nm程度となり、この細い繊維径が微細繊維層として緻密な膜を形成し、高いバリア性を発現すると考えられる。
なお、セルロースに含有されるカルボキシル基量は以下の方法にて算出される。化学処理したセルロースの乾燥重量換算0.2gをビーカーにとり、イオン交換水80mlを添加する。そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mlを加え、攪拌させながら0.1M塩酸を加えて全体がpH2.0となるように調整した。ここに自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製:AUT−701)を用いて0.1m水酸化ナトリウム水溶液を0.05ml/30秒で注入し、30秒毎の電導度とpH値を測定し、pH11まで測定を続けた。得られた電導度曲線から水酸化ナトリウムの滴定量を求め、カルボキシル基含有量を算出した。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。なお、実施例で使用した材料を以下に示すが、限定されるものではない。
<基材>
基材として以下の不織布を用いた。なお、SMS不織布とはスパンボンド製(S)、マイクロウエッブ製(M)、スパンボンド製(S)を順次積層した3層構造からなる不織布である。
・基材A−1:市販PP製SMS不織布(坪量15g/m
・基材A−2:市販PP製SMS不織布(坪量30g/m
・基材A−3:市販PP製スパンボンド不織布(坪量20g/m
<セルロース繊維層形成用分散液>
セルロース繊維として漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ「Machenzie」)を用い、下記の方法でTEMPO酸化を行い、セルロース繊維層形成用分散液B−1及びB−2を調整した。
・セルロース繊維層形成用分散液B−1
セルロース繊維の平均繊維幅150nm、平均繊維長80μmからなる、固形分濃
度2質量%、光線透過率10%、カルボキシル基量1.0mmol/gの分散液。
・セルロース繊維層形成用分散液B−2
セルロース繊維の平均繊維幅4nm、平均繊維長1.0μmからなる、固形分濃
度2質量%、光線透過率90%、カルボキシル基量1.6mmol/gの分散液。
なお、セルロース繊維層形成用分散液については、以下の方法にて体積平均粒度分布、透過率を測定した。結果は下記表1に示す。
・体積平均粒度分布測定
セルロース繊維分散液を、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−7000H)を用いて測定した。約200mlの純水をセル中に循環させ、サンプルを滴下していくことで測定可能な濃度に調整し測定した。
・透過率測定
実施例および比較例のセルロース繊維分散液について、光透過率を測定した。石英製のサンプルセルに気泡が混入しないように分散液を入れ、光路長1cmにおける波長600nmの光透過率を分光光度計(日本分光:NRS−1000)にて測定した。
<TEMPO酸化反応及び分散液の調整>
2lのガラスビーカー中に、乾燥質量10gの漂白クラフトパルプとイオン交換水500mlとを投入して一晩静置し、パルプを膨潤させた。これを温調付きウォーターバスにより40.0℃に温度調整し、TEMPO0.1gと臭化ナトリウム1gを添加して撹拌し、パルプ懸濁液とした。さらに撹拌しながら、セルロース質量当たり5mmol/gの次亜塩素酸ナトリウムを添加した。この際、約1nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してパルプ懸濁液のpHを約10.5に保持した。その後、30分間反応を行い、イオン交換水でパルプを充分に水洗して、TEMPO酸化セルロースを得た。
次に、得られたTEMPO酸化セルロースをイオン交換水中で所定濃度となるように調整し、ミキサー(大阪ケミカル、アブソルートミル、14,000rpm)を用いて10分間撹拌し、微細化することにより白濁したセルロース繊維分散液(固形分濃度2質量%)を得た(分散液B−1)。同様にして、反応時間を120分、ミキサーの攪拌時間を60分間としたものを分散液B−2とした。分散液B−1およびB−2を固形分濃度0.0001質量%に希釈し、マイカ上に少量展開して乾燥させAFM観察したところ、10本平均の繊維幅及び繊維長はそれぞれB−1:150nm、80μm、B−2:4nm、1μmであった。
<実施例1>
基材A−1の一方の面に、バーコート法によりセルロース繊維層形成用分散液B−1を塗布し、80℃、20分乾燥して塗布量1.5g/mのセルロース繊維層を形成したガスバリア積層体を作製した。
<実施例2>
基材A−2を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を作製した。
<実施例3>
基材A−3を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を作製した。
<比較例1>
セルロース繊維層形成用分散液として同B−1とB−2とを1:1で配合して用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を作製した。
<比較例2>
基材A−2の一方の面に、セルロース繊維層形成用分散液として同B−1とB−2とを1:1で配合して用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を作製した。
<比較例3>
基材A−3の一方の面に、セルロース繊維層形成用分散液として同B−1とB−2とを1:1で配合して用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア積層体を作製した。
<評価>
実施例1〜3、比較例1〜3で得られたセルロース繊維層の塗布量、層厚(膜厚)を測定し、それぞれのガスバリア積層体のガスバリア性(匂い透過率)について評価した。結果を下記表1に示す。
・塗工量
セルロース繊維層の塗工量は、シート材及びセルロース繊維層が形成されていない基材を15cm角に切り出し、重量差を切り出し面積で割り算することにより算出した。
・膜厚
セルロース繊維層を形成したシート材を切り出し樹脂で包含し、ミクロトームでシート面と垂直方向に断面出しをしたものをSEMで観察した。基材表面からセルロース繊維層側に積層された膜の厚さを測定した。
・匂い透過率
実施例1〜2及び比較例1〜2において、匂い透過率をアルミカップを用いて20℃乾燥雰囲気下で測定した。秤量瓶にp−ジクロロベンゼンをいれて重さを測定し、アルミカップに入れた。アルミカップに不織布や積層体、不織布でフタをし、測定条件に置いた。数日間置いた後に秤量瓶を取り出して重量を測定し、重量変化から積層体の匂い透過率を計算した。
Figure 2016159576
<比較結果>
実施例1〜3で得られた本発明品であるガスバリア積層体は、比較例1〜3で得られた比較例品に比べて、基材へのセルロース繊維の浸透を抑制しつつ良好なバリア性が得られることが分かった。
本発明によれば、天然資源を有効利用し、基材の本来機能を損なわず、かつ良好なガスバリア性を有し、そのバリア性層の密着に優れたシート材を提供することができる。さらに、それを用いたバリア性包装容器を製造することが出来る。基材に不織布、織布といった比表面積が大きく細孔を有する材料を、材料の本来機能を損なうことなく用いることができるため、食品、医薬品、日用品等の包装分野のみならず、電子部材など幅広い分野でガスバリア性包材として好適に用いることができる。
1:ガスバリア積層体
2:基材
3:セルロース繊維層

Claims (9)

  1. 表面及びバルク中に空隙を有する基材の上にセルロース繊維層を形成してなることを特徴とするガスバリア積層体。
  2. 前記基材が不織布からなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体。
  3. 前記セルロース繊維層はセルロース繊維及びセルロース繊維の酸化物からなり、
    セルロース繊維の酸化物は、セルロース繊維の水酸基の一部がカルボキシル基、アルデヒド基の1つ以上から選ばれる官能基に酸化され、且つ、その酸化の割合はセルロース繊維の質量1gに対して0.5〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア積層体。
  4. 前記セルロース繊維及びセルロース繊維の酸化物は、その繊維の短方向における数平均繊維幅が3〜200nmで、繊維長が0.2〜500μmの範囲であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア積層体。
  5. 前記セルロース繊維層の膜厚が0.2〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア積層体。
  6. 表面及びバルク中に空隙を有する基材の上にセルロース繊維層を形成することを特徴とするガスバリア積層体の製造方法であって、
    セルロース繊維層は、セルロース繊維及びセルロース繊維の水酸基の一部がカルボキシル基、アルデヒド基の1つ以上から選ばれる官能基に酸化されたセルロース繊維の酸化部を含む分散液を塗布して形成されることを特徴とするガスバリア積層体の製造方法。
  7. 分散液に含まれるセルロース繊維の酸化物は、その酸化の割合がセルロース繊維の質量1gに対して0.5〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項6に記載のガスバリア積層体の製造方法。
  8. 分散液の分散媒が水またはアルコールを含むことを特徴とする請求項6または7に記載のガスバリア積層体の製造方法。
  9. 分散液の波長600nmにおける光線透過率が、50%以下であることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のガスバリア積層体の製造方法。
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