JP2016159132A - 画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤ及び光干渉断層画像診断カテーテルとの組立体、並びに光干渉断層画像診断装置との組立体 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる場合に、ガイドワイヤは光を遮断する為、バックシャドーが発生する。これを解消するため、ガイドワイヤの先端側に光透過部材の管状体を備えたガイドワイヤが記載されている。
接合部材を用いて、コイル体の先端と芯線先端径小部の先端と接合して先端接合部とし、コイル体の後端と芯線先端径小部の後端側とを接合して後端接合部とする。
コイル体の等径部の最大外径を仮想線で結んだ円筒体を仮想コイル円筒体とし、仮想コイル円筒体に対する芯線中間細径部の表面積比(芯線中間細径部の表面積/仮想コイル円筒体の表面積)が、0.357以上0.548以下であることを特徴とする画像診断用カテーテルに用いるガイドワイヤである。
操作制御装置は、測定データを処理する本体制御部と測定値の入力を行う操作パネルと画像を表示するLCDモニタを備え、画像診断用カテーテルに用いるガイドワイヤと光干渉断層画像診断用カテーテルと光干渉断層画像診断装置との組立体である。
芯線中間細径部は、芯線後端径大部に対する芯線中間細径部のねじれ角比(芯線中間細径部のねじれ角/芯線後端径大部のねじれ角)が、11.06以上61.47以下である。
芯線先端径小部を、等径部を有するコイル体内へ貫挿し、コイル体の等径部の最大外径を仮想線で結んだ円筒体を仮想コイル円筒体とし、仮想コイル円筒体に対する芯線中間細径部の表面積比(芯線中間細径部の表面積/仮想コイル円筒体の表面積)が、0.357以上0.548以下であることを特徴とする画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤである。
この理由は、ガイドワイヤの機械的強度特性、特にねじれ角を少なくする為には、芯線の外径を太くして断面二次極モーメントを高める必要がある。その一方で、芯線の外径を太くすれば断層画像内にガイドワイヤに起因する明度の低い暗色のバックシャドーがより拡大して現れ、術者の病変部の症状の見落とし、誤診を招き易くなり、相反する技術課題が存在する。そして、断層画像を得る為にプローブが後退する範囲内に位置する芯線中間細径部について、機械的強度特性については「ねじれ角比」を、断層画像内のバックシャドーについては「表面積比」に着目して、数多くの実験を重ねた結果、この「ねじれ角」と「表面積比」の双方の範囲を満たすことにより、相反する技術課題を克服できることを見出したからである。
この理由は、断層画像を得る為にプローブが後退する範囲内に芯線中間細径部を配置させる為であり、かつ、芯線中間細径部の表面積を小さくさせて、ガイドワイヤに起因するバックシャドーの暗色画像を縮小し、かつ低減させる為である。
この理由は、芯線先端径小部の芯線が、後端側から先端側へ徐変縮径すれば断面二次極モーメントはより低下して先端側のねじれ角はさらに拡大する。この芯線先端径小部の断面二次極モーメントの低下分を徐変拡径する密巻きの傾斜部を有するコイル体で補完する為である。又、ガイドワイヤ挿通部とコイル体との緊密接合を可能とし、ガイドワイヤの遊動を軽減させる為である。
画像診断用カテーテルが0.75μm以上1.4μm以下の波長を用いた光干渉断層画像診断用カテーテルとしたのは、生体内における水による光吸収が極めて少なく、かつ、生体組織に対する光の侵襲性(光のフォトンエネルギー、X線等)が極めて低いからである。
これにより、芯線中間細径部の外周に形成した親水性被膜が水を吸収して膨潤し、膜厚が増大しても水による光吸収が極めて少ない為、増大した膜厚分が加算されて暗色のバックシャドーが拡張することはない。そして、膨潤した親水性被膜により動摩擦係数を低くして、摺動性を飛躍的に向上させることができる。
操作制御装置は、測定データを処理する本体制御部と測定値の入力を行う操作パネルと画像を表示するLCDモニタを備え、画像診断用カテーテルに用いるガイドワイヤと光干渉断層画像診断用カテーテルと光干渉断層画像診断装置との組立体である。
これにより、生体内の水による光吸収の極めて少ない波長を用いている為、光が生体組織の深部まで到達し易く、又ガイドワイヤの芯線中間細径部の外周に形成された潤滑性物質が親水性樹脂被膜であれば、水による光吸収は極めて少なく、その結果、術者は従来品よりも鮮明な断層画像を得て、病変部の症状を認識することができ、病変部の見落とし、誤診等を防ぐことができる。
中間部1Bの芯線中間細径部25の外径D2は0.165mm、長手方向の長さL2は100mm、先端接合部4aの先端から芯線中間細径部25の先端端部までの長さL3は50mmである。この芯線中間細径部25は、図2で示すように断層画像を得る為にカテーテル10に備えられたプローブ11bが後退する範囲に位置している。
中間部1Bの中間第1テーパ部22、中間第1等径部23、中間第2テーパ部24の外径は、0.3556mmから0.165mmへ徐変縮径する。
先端部1Cの先端第1テーパ部26aの長手方向の長さが40mm、外径は0.165mmから0.060mmへ徐変縮径し、先端第1等径部26bの外径D3は0.060mmの等径で長手方向の長さは10mmである。
この理由は、縮径伸線加工により引張強さを容易に向上できるとともに、ねじり剛性を向上させ、ねじれ角を減少させることができるからである。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、反応性シリコーンオイルであり、好ましくは反応性シリコーンオイルである。この理由は、金属線材(芯線中間細径部25、芯線先端径小部26、コイル体3等)との密着性が高いからである。
一般に、ガイドワイヤ1の、病変部での通過性と術者への応答性を高める為には、例えば芯線2の機械的強度特性のうち、特にねじれ角を少なくする必要があり、ねじれ角を少なくする為には芯線2の外径をより太くする必要がある。
その一方で、芯線2の外径をより太くすれば、これに伴ってコイル体の外径も大きくなり断層画像内にガイドワイヤに起因する明度の低い、強い暗色のバックシャドーがより拡大して現れることとなる。例えば、特許文献2のガイドワイヤは、先端側に外径が約0.360mm、長手方向の長さが300mmの外側コイルが配置されていて、このことは断層画像を得る為にプローブ11bが後退する全ての範囲内に外側コイルが配置されていることとなる。この為、断層画像内には、外径が約0.360mmの外側コイルに起因する明度の低い、強い暗色のバックシャドーが現れることとなる。
この為、本発明は、機械的強度特性については「ねじれ角比」を、断層画像内のバックシャドーについては「表面積比」に着目して、数多くの実験を重ねた結果、この「ねじれ角比」と「表面積比」の双方の範囲を満たすことにより、相反する技術課題を克服できることを見出した発明である。
ここでいう「ねじれ角比」とは、単位長さ当りの「ねじれ角比(各部位の単位長さ当りのねじれ角/芯線後端径大部の単位長さ当りのねじれ角)」のことをいう、以下単に「ねじれ角比」という。
芯線後端径大部21の単位長さ当りのねじれ角をθo(以下単にねじれ角θoという)とし、ねじりモーメントT,単位長さをl、横弾性係数をG,断面二次極モーメントをIpoとすると、芯線後端径大部21のねじれ角θoは、
θo=(T×l)/(G×Ipo) ・・・(1)
関係式(1)で表すことができる。
次に、芯線中間細径部25の単位長さ当りのねじれ角をθ1(以下単にねじれ角θ1という)とし、断面二次極モーメントをIp1とすると、前記関係式(1)と同様に、芯線中間細径部25のねじれ角θ1は、
θ1=(T×l)/(G×Ip1) ・・・(2)
関係式(2)で表すことができる。
そして、芯線後端径大部21のねじれ角θoに対する芯線中間細径部のねじれ角θ1のねじれ角比θ1/θoは、
θ1/θo=Ipo/Ip1 ・・・(3)
関係式(3)で表すことができる。
外径D2が0.165mm、長手方向の長さL2が100mmの芯線中間細径部25のねじれ角比は、約21.57である。
そして後述する「表面積比」と併せて、芯線2の、特に芯線中間細径部25のねじれ角を最小限にして断層画像内のガイドワイヤ1に起因するバックシャドーを低減させる為には、芯線後端径大部21に対する芯線中間細径部25のねじれ角比θ1/θoは、
11.06(図示符号X1)以上61.47(図示符号X2)以下で、好ましくは13.65以上48.14以下で、より好ましくは17.05以上36.17以下である。
ここでいう「表面積比」とは、コイル体3の最大等径部の外径を仮想線で結んだ円筒体を仮想コイル円筒体30(図3(ロ))とした場合に、仮想コイル円筒体の単位長さ当りの表面積に対する各部位の単位長さ当りの表面積のことを「表面積比(各部位の単位長さ当りの表面積/仮想コイル円筒体の単位長さ当りの表面積)」といい、以下単に「表面積比」という。コイル体3の最大外径A2は0.3556mm(0.014インチで心臓血管治療用)、等径部の長手方向の長さは25mmである。そして、仮想コイル円筒体30の外径は、コイル体3の最大外径D2が0.3556mmである為、0.3556mmとなる。
本発明の実施例では、仮想コイル円筒体30と芯線中間細径部25は共に横断面が円形である為、長手方向の長さをlとすると、仮想コイル円筒体30の外径がA2で、芯線中間細径部25の外径がD2であることから、仮想コイル円筒体30に対する芯線中間細径部25の表面積比S1/Soは、
S1/So=D2/A2 ・・・(4)
関係式(4)で表すことができる。
本実施例では、前記表面積比S1/Soが、外径比D2/A2で表すことができる。
表面積比は、後端から芯線中間細径部25まで段階的に減少し、芯線中間細径部25及び芯線先端径小部26の後端側の一部を超えると大きく増大する。外径D2が0.165mm、長手方向の長さL2が100mmの芯線中間細径部25の表面積比S1/Soは、0.464である。この表面積比の値が低い程、暗色のバックシャドーは減少し、断層画像内に現れ難くなる。
そして前述した「ねじれ角比」と併せて、芯線のねじれ角を最小限にして断層画像内のガイドワイヤ1に起因するバックシャドーを低減させる為には、仮想コイル円筒体30に対する芯線中間細径部25の表面積比S1/Soは、0.357(図示符号Y1)以上0.548(図示符号Y2)以下で、好ましくは0.380以上0.520以下で、さらに好ましくは、0.408以上0.492以下である。
この「ねじれ角比」と「表面積比」の双方の範囲を満たすことにより、断層画像内でのガイドワイヤ1に起因するバックシャドーの暗色画像を低減できると同時に、病変部でのガイドワイヤ1の通過性を確保することができる。
この為、ガイドワイヤ1に起因する断層画像に現れる暗色のバックシャドーを大きく低減させることができる。
そして、カテーテル10に備えられたプローブ11bが後退する実用範囲を考慮すると、芯線中間細径部25は、先端接合部4aの先端から後端側へ30mm以上200mm以下に位置していることが好ましい。
従って、芯線中間細径部25は、断層画像を得る為にプローブ11bが後退する範囲に少なくとも位置し、断層画像を得る為には、プローブ11bが後退する範囲を超えて存在していてもよい。又、芯線中間細径部25は、横断面が円形で、長手方向の全長にわたって等径で、先端接合部4aの先端から後端側へ30mm以上200mm以下に位置している。
これにより、断層画像を得る為にカテーテル10に備えられたプローブ11bが後退する範囲に細径で表面積の小さい芯線中間細径部25を配置させ、ガイドワイヤ1に起因するバックシャドーの暗色画像を低減させることができる。
芯線中間細径部25の先端側の芯線先端径小部26は、後端外径が0.165mm(外径D2に相当)、先端外径D3が0.060mmで後端側から先端側へ徐変縮径し、断面二次極モーメントもこれに伴って低下する。
コイル体3は、後端が先端第1テーパ部26aの後端側の後端接合部4bで接合され(本実施例では後端接合部4bの先端第1テーパ部26aの外径は約0.125mm)、後端から先端側へ長手方向の長さが10mmの徐変拡径する密巻きの傾斜部と、長手方向の長さが25mm、外径0.3556mmで疎巻きの等径部から成るコイルである。等径部の疎巻きの線間間隙は、線直径t1の1.20倍以上1.90倍以下である。
この理由は、芯線先端径小部26の芯線が後端側から先端側へ徐変縮径するのに伴って、断面二次極モーメントは減少し、先端側のねじれ角はさらに増大する。この芯線先端小径部26の断面二次極モーメントの低下分を密巻きの傾斜部を有するコイル体3で補完する為である。
これにより、芯線先端径小部26のねじれ角のさらなる増大を防ぎ、ねじり力による耐疲労特性を向上できる。又、断層画像撮影時にコイル体3の後端側の傾斜部がガイドワイヤ挿通部12の先端端面に位置する為、ガイドワイヤ挿通部12との緊密嵌合を可能とし、ガイドワイヤ1の遊動を低減させることができる。
前記した画像診断用カテーテル10は、血管内超音波画像診断装置に用いる超音波画像診断用カテーテルとして説明したが、ここでいう画像診断用カテーテルには、光干渉画像診断装置に用いる光干渉画像診断用カテーテルも含まれる。
超音波画像診断用カテーテルと光干渉画像診断用カテーテルとの主な差は、超音波画像診断用カテーテルが超音波振動子11eを内蔵したプローブ11bをラジアル方向へ走査させるのに対して、光干渉断層画像診断カテーテルは、光学レンズ及び光学ミラーを内蔵したプローブをラジアル方向へ走査させる点であり、他の基本構造は同じである。
ここでいう光干渉断層画像診断装置には、波長掃引利用の光干渉断層画像診断装置(SS−OCT)も含まれる。
光干渉断層画像診断装置と波長掃引利用の光干渉断層画像診断装置との主な差は、光干渉断層画像診断装置が低干渉光(数μmから数十μm)を用いるのに対して、波長掃引利用の光干渉断層画像診断装置は、波長の長い(4mmから10mm)光源を用い、波長の異なる光を連続して出射する点であり、他の基本構造は光干渉断層画像診断装置と同じである。
この理由は、光干渉断層画像診断用カテーテルの波長が0.75μm以上1.4μm以下の場合には、生体内における水による光吸収が極めて少なく、かつ、生体に対する光の侵襲性が極めて低いからである。又、動摩擦係数を低くして摺動性を飛躍的に向上させることができるからである。
従って、芯線中間細径部25の外周に湿潤時に高潤滑特性を示す親水性被膜を形成し、親水性被膜が水を吸収して膨潤率が500%近くまで膨潤して膜厚が増大しても水による光吸収が少ない為、増大した膜厚分が加算されて暗色のバックシャドーが拡張することはない。
そして、膨潤率を高くして動摩擦係数をより低くして、摺動性を飛躍的に向上させることができる画像診断用カテーテルに用いられるガイドワイヤ1を提供することができる。尚、親水性被膜は、芯線中間細径部25の外周のみならず芯線先端径小部26の先端第1テーパ部26aのコイル体3より露出している後端側、及びコイル体3の外周に形成してもよい。
光干渉断層画像診断装置(100)は、操作制御装置101と、スキャナ及びプルバック部102を備え、操作制御装置101は、測定データを処理する本体制御部101aと、測定値の入力を行う操作パネル101bと、画像を表示するLCDモニタ101cを備えている。スキャナ及びプルバック部102は、プローブ11bを備えた光干渉断層画像診断用カテーテル(カテーテル10)と接続し、かつ、信号線101dを用いて操作制御装置101と接続されている。
光干渉断層画像診断用カテーテル(カテーテル10)は、信号線101dで接続された操作制御装置101とスキャナ及びプルバック部102を備えた光干渉断層画像診断装置(100)の、スキャナ及びプルバック部102と接続する。
操作制御装置101は、測定データを処理する本体制御部101aと、測定値の入力を行う操作パネル101bと、画像を表示するLCDモニタ101cとを備える。
そして、画像診断用カテーテル10に用いる医療用ガイドワイヤ1と、光干渉断層画像診断用カテーテル(カテーテル10)と、光干渉断層画像診断装置(100)との組立体である。
これにより、水による光吸収の少ない波長を用いている為、生体組織の深部まで光が到達し易く、かつ、ガイドワイヤ1の芯線中間細径部25の外周に形成されている親水性被膜が水を吸収して膨潤し、膜厚が増大しても水による光吸収が少ない為、増大した膜厚分が加算されて暗色のバックシャドーが拡張することはなく、摺動性の高いガイドワイヤ1を提供することができる。その結果、術者は従来品よりも鮮明な断層画像を得ることができ、病変部の症状の見落とし、誤診等を低減させることができる。
2 芯線
3 コイル体
5 ふっ素樹脂被膜
6 潤滑性被膜
10 画像診断用カテーテル
11b プローブ
11c 駆動シャフト
12 ガイドワイヤ挿通部
21 芯線後端径大部
25 芯線中間細径部
26 芯線先端径小部
100 画像診断装置
101 操作制御装置
102 スキャナ及びプルバック部
コイル体の先端と芯線先端径小部の先端とを接合した先端接合部と、コイル体の後端と芯線先端径小部の後端側とを接合した後端接合部とを備える。
コイル体の等径部の最大外径を仮想線で結んだ円筒体を仮想コイル円筒体とし、仮想コイル円筒体に対する芯線中間細径部の表面積比(芯線中間細径部の表面積/仮想コイル円筒体の表面積)が、0.357以上0.548以下であることを特徴とする画像診断用カテーテルに用いるガイドワイヤである。
画像診断用カテーテルに用いるガイドワイヤと画像診断用カテーテルと光干渉断層画像診断装置との組立体である。
芯線中間細径部は、芯線後端径大部に対する芯線中間細径部のねじり角比(芯線中間細径部のねじれ角/芯線後端径大部のねじれ角)が、11.06以上61.47以下である。
芯線先端径小部を、等径部を有するコイル体内へ貫挿し、コイル体の等径部の最大外径を仮想線で結んだ円筒体を仮想コイル円筒体とし、仮想コイル円筒体に対する芯線中間細径部の表面積比(芯線中間細径部の表面積/仮想コイル円筒体の表面積)が、0.357以上0.548以下であることを特徴とする画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤである。
この理由は、ガイドワイヤの機械的強度特性、特にねじれ角を少なくする為には、芯線の外径を太くして断面二次極モーメントを高める必要がある。その一方で、芯線の外径を太くすれば断層画像内にガイドワイヤに起因する明度の低い暗色のバックシャドーがより拡大して現れ、術者の病変部の症状の見落とし、誤診を招き易くなり、相反する技術課題が存在する。そして、芯線中間細径部について、機械的強度特性については「ねじれ角比」を、断層画像内のバックシャドーについては「表面積比」に着目して、数多くの実験を重ねた結果、この「ねじれ角」と「表面積比」の双方の範囲を満たすことにより、相反する技術課題を克服できることを見出したからである。
画像診断用カテーテルが0.75μm以上1.4μm以下の波長を用いた光干渉断層画像診断用カテーテルとしたのは、生体内における水による光吸収が極めて少なく、かつ、生体組織に対する光の侵襲性(光のフォトンエネルギー、X線等)が極めて低いからである。
これにより、芯線中間細径部の外周に形成した親水性被膜が水を吸収して膨潤し、膜厚が増大しても水による光吸収が極めて少ない為、増大した膜厚分が加算されて暗色のバックシャドーが拡張することはない。そして、膨潤した親水性被膜により動摩擦係数を低くして、摺動性を飛躍的に向上させることができる。
画像診断用カテーテルに用いるガイドワイヤと画像診断用カテーテルと光干渉断層画像診断装置との組立体である。
これにより、生体内の水による光吸収の極めて少ない波長を用いている為、光が生体組織の深部まで到達し易く、又ガイドワイヤの芯線中間細径部の外周に形成された潤滑性物質が親水性樹脂被膜であれば、水による光吸収は極めて少なく、その結果、術者は従来品よりも鮮明な断層画像を得て、病変部の症状を認識することができ、病変部の見落とし、誤診等を防ぐことができる。
前記した画像診断用カテーテル10は、血管内超音波画像診断装置に用いる超音波画像診断用カテーテルとして説明したが、ここでいう画像診断用カテーテルには、光干渉断層画像診断装置に用いる光干渉断層画像診断用カテーテルも含まれる。
超音波画像診断用カテーテルと光干渉断層画像診断用カテーテルとの主な差は、超音波画像診断用カテーテルが超音波振動子11eを内蔵したプローブ11bをラジアル方向へ走査させるのに対して、光干渉断層画像診断カテーテルは、光学レンズ及び光学ミラーを内蔵したプローブをラジアル方向へ走査させる点であり、他の基本構造は同じである。
光干渉断層画像診断用カテーテル(カテーテル10)は、信号線101dで接続された操作制御装置101とスキャナ及びプルバック部102を備えた光干渉断層画像診断装置(100)の、スキャナ及びプルバック部102と接続する。
操作制御装置101は、測定データを処理する本体制御部101aと、測定値の入力を行う操作パネル101bと、画像を表示するLCDモニタ101cとを備える。
そして、画像診断用カテーテル10に用いる医療用ガイドワイヤ1と、画像診断用カテーテル(光干渉断層画像診断用カテーテル、カテーテル10)と、光干渉断層画像診断装置(100)との組立体である。
これにより、水による光吸収の少ない波長を用いている為、生体組織の深部まで光が到達し易く、かつ、ガイドワイヤ1の芯線中間細径部25の外周に形成されている親水性被膜が水を吸収して膨潤し、膜厚が増大しても水による光吸収が少ない為、増大した膜厚分が加算されて暗色のバックシャドーが拡張することはなく、摺動性の高いガイドワイヤ1を提供することができる。その結果、術者は従来品よりも鮮明な断層画像を得ることができ、病変部の症状の見落とし、誤診等を低減させることができる。
Claims (5)
- 管腔内へ配置された医療用ガイドワイヤの後端を、画像診断用カテーテルの先端部に設けられた円筒状のガイドワイヤ挿通部へ挿入して、前記画像診断用カテーテルを前記医療用ガイドワイヤに沿わせて管腔内へ導入した後、前記ガイドワイヤ挿通部よりも後端側で、前記画像診断用カテーテルのシース内に備えられたプローブを回転させながら後端側へ後退させ、生体組織の断層画像を得る為の画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤであって、
前記医療用ガイドワイヤは、芯線が後端から先端へ、芯線後端径大部と芯線中間細径部と芯線先端径小部とを備え、後端側から先端側へ徐変縮径する部分を有し、前記芯線先端径小部を、等径部を有するコイル体内へ貫挿し、
接合部材を用いて、前記コイル体の先端と前記芯線先端径小部の先端と接合して先端接合部とし、前記コイル体の後端と前記芯線先端径小部の後端側とを接合して後端接合部とし、
前記芯線中間細径部は、前記プローブを回転させながら後端側へ後退させる範囲に位置し、前記芯線後端径大部に対する前記芯線中間細径部のねじれ角比(前記芯線中間細径部のねじれ角/前記芯線後端径大部のねじれ角)が、
11.06以上61.47以下で、
前記コイル体の等径部の最大外径を仮想線で結んだ円筒体を仮想コイル円筒体とし、前記仮想コイル円筒体に対する前記芯線中間細径部の表面積比(前記芯線中間細径部の表面積/前記仮想コイル円筒体の表面積)が、
0.357以上0.548以下であることを特徴とする画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤ。 - 前記芯線中間細径部は、横断面が円形で長手方向の全長にわたって等径で、前記先端接合部の先端から後端側へ、30mm以上200mm以下に位置していることを特徴とする請求項1に記載の画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤ。
- 前記後端接合部で接合する前記芯線先端径小部の芯線が、前記後端接合部を挟んで後端側から先端側へ徐変縮径するのに伴って、前記コイル体の後端側に、前記後端接合部の後端側から先端側へ徐変拡径する密巻きの傾斜部を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれか一つに記載の画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤ。
- 少なくとも前記芯線中間細径部の外周に親水性被膜が形成された請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤであって、
前記画像診断用カテーテルが、低干渉光を送信・受信する光プローブを備え、0.75μm以上1.4μm以下の波長を用いた光干渉断層画像診断用カテーテルで、
前記ガイドワイヤ挿通部に前記医療用ガイドワイヤを挿入し、生体組織の断層画像を得る為の、前記画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤと前記光干渉断層画像診断用カテーテルとの組立体。 - 請求項4に記載の画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤと光干渉断層画像診断用カテーテルであって、
前記光干渉断層画像診断用カテーテルは、信号線で接続された操作制御装置とスキャナ及びプルバック部を備えた光干渉断層画像診断装置の前記スキャナ及びプルバック部と接続し、
前記操作制御装置は、測定データを処理する本体制御部と測定値の入力を行う操作パネルと画像を表示するLCDモニタを備え、画像診断に用いることを特徴とする画像診断用カテーテルに用いる医療用ガイドワイヤと光干渉断層画像診断用カテーテルと光干渉断層画像診断装置との組立体。
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