JP2016158458A - ステッピングモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステッピングモータ1は、永久磁石12を備えるロータ10と、永久磁石12の外周面に対向して周方向に並ぶ複数の極歯53A、62A、53B、62Bを備えるステータ20を有する。極歯53A、62A、53B、62Bのそれぞれは、その根元部の最大幅をAとし、先端から根元部に向けてその全長の1/10の寸法だけ寄った位置における最大幅をBとした場合に、B/A≦0.3の関係式を満たす形状である。
【選択図】図3
Description
成する巻線が巻かれる円筒部の両端に一対のフランジ部が形成されており、一方のフランジ部には端子台31Bが形成されている。端子台31Bには、給電用の配線等が接続される端子ピン32Bが保持されている。
図3は極歯の形状を示す説明図である。上述したA相のステータ組21Aを構成するように外ステータコア50Aと内ステータコア60Aとを組み付けると、ボビン30Aの円筒部の内周面に沿って起立する外ステータコア50Aの極歯53Aと内ステータコア60Aの極歯62Aとが、周方向に交互に配置された状態となる。同様に、B相のステータ組21Bでは、ボビン30Bの円筒部の内周面に沿って起立する外ステータコア50Bの極歯53Bと内ステータコア60Bの極歯62Bとが、周方向に交互に配置された状態となる。これら複数の極歯の列は、永久磁石12の外周面と対向する。永久磁石12の外周面と極歯との間には、一定のエアギャップが確保されている。
0.1≦B/A≦0.3・・・・(1)
B≦t・・・・・・・・(2)
以下、式(1)および(2)を満たすように極歯53A、62Aおよび極歯53B、62Bを形成する根拠について説明する。本発明者は、図1、図2に示すステッピングモータ1の磁場解析による検討を行った。より具体的には、極歯53A、62Aおよび極歯53B、62Bの形状に関するパラメータとして、上述した極歯最大幅Aおよび極歯先端幅Bを含む複数のパラメータの値を変えた多数の3次元モデルを設定し、これらのパラメータの変動が、磁場解析で算出したコギングトルクの値に及ぼす影響を検討した。
mmの範囲となった。全ての3次元モデルにおいて、極歯を備えるステータコアの板厚tを0.8mmに設定した。
図4(a)、図5(a)に示すように、48stepと20stepのどちらの形状でも、B/Aの値がおおむね0.2の形状で、コギングトルクが極小値となっている。また、B/Aの値が0.3以下の範囲(0.1≦B/A≦0.3の範囲)では、コギングトルクのばらつきが明らかに小さくなっている。これに対し、B/Aの値が0.3よりも大きくなると、同じB/Aでもコギングトルクのばらつきが大きく、極歯最大幅Aや極歯先端幅Bの影響によってコギングトルクが変動することがわかる。つまり、B/Aの値が0.3以下の範囲では、B/Aの値を指標として極歯の形状を決定することにより、確実に振動を少なくすることができ、且つ、安定したモータ特性を得ることができる。これに対し、B/Aの値が0.3を超えるような構成では、振動が大きくなり、且つ、振動や騒音のレベルが安定しなくなる。
図4(b)、図5(b)に示すように、48stepと20stepのどちらの形状でも、極歯先端幅Bが小さくなるとコギングトルクのばらつきが小さくなっている。具体的には、48stepの形状では、図4(b)に示すように、極歯先端幅Bが0.62mm以下になるとコギングトルクのばらつきが非常に小さくなり、極歯先端幅Bがおおむね0.6mm程度となった場合に、コギングトルクが極小値となっている。また、20stepの形状では、図5(b)に示すように、極歯先端幅Bが0.98mm以下になると、コギングトルクのばらつきが非常に小さくなり、極歯先端幅Bがおおむね0.9mm程度となった場合に、コギングトルクが極小値となっている。従って、極歯先端幅Bをこのような範囲にするように極歯の形状を決定することにより、振動を少なくすることができ、且つ、安定したモータ特性を得ることが可能である。
かしながら、上述したB/Aの値を用いた条件(式(1))と併用すれば、確実にコギングトルクを小さくすることは可能である。
以上説明したように、本形態のステッピングモータ1は、永久磁石12を備えるロータ10と、永久磁石12の外周面に対向して周方向に並ぶ複数の極歯53A、62Aを備えるA相のステータ組21A、および、複数の極歯53B、62Bを備えるB相のステータ組21Bを備えるステータ20を有している。そして、これらの極歯53A、62A、53B、62Bの形状は、先端側に向かうに従って幅が狭くなる略台形であり、極歯53A、62A、53B、62Bの根元部の最大幅をAとし、極歯53A、62A、53B、62Bの先端から根元部に向けて極歯の全長の1/10の寸法だけ寄った位置における極歯の最大幅をBとした場合に、0.1≦B/A≦0.3の関係式を満たすように構成されている。本発明者は、磁場解析により、このような関係式を満たす極歯形状では、コギングトルクが小さく、且つ、コギングトルクのばらつきを小さくできることを見出した。このような関係式は、永久磁石と極歯との間のエアギャップとは無関係に極歯の形状を適正化できるので、適用できる範囲が広い。従って、様々なサイズのモータで、振動を小さくすることができる。また、コギングトルクのばらつきが小さいので、安定したモータ特性を実現できる。
本発明は、極歯数が12個あるいは5個のステータコアを備えるステッピングモータの形態に適用できるが、他の極歯数の場合にも適用可能である。また、本発明は、磁場解析に用いたモータサイズ(外径φ=25mm、高さL0=12.8mm)に限定されるものではなく、これよりも小さいサイズや大きいサイズのステッピングモータにも適用可能である。また、略台形の範囲であれば、様々な極歯形状に適用可能である。
10…ロータ
11…回転軸
11a…雄ねじ部
12…永久磁石
20…ステータ
21A…A相のステータ組
21B…B相のステータ組
22…端板
23…軸孔
30A、30B…ボビン
31A、31B…端子台
32A、32B…端子ピン
40A、40B…コイル
50A、50B…外ステータコア
51A、51B…円環状端板部
52A、52B…筒状部
53A、53B…極歯
54A、54B…切り欠き部
55A、55B…切り欠き部
56A…凹部
57A…頂点
60A、60B…内ステータコア
61A、61B…円環状端板部
62A、62B…極歯
63A、63B…位置決め突起
64A…凹部
65A…頂点
A…極歯最大幅
B…極歯先端幅
H…全長
L…モータ軸線方向
L0…高さ
L1…出力側
L2…反出力側
P…極歯の先端から根元部側に極歯の全長の1/10だけ寄った位置
t…板厚
φ…外径
Claims (4)
- 回転軸および前記回転軸に直接又は間接的に固定された永久磁石を備えるロータと、
前記永久磁石の外周面に対向して周方向に並ぶ複数の極歯を備えるステータと、を有し、
前記複数の極歯は、
前記極歯の根元部の最大幅をAとし、
前記極歯の先端から前記根元部に向けて前記極歯の全長の1/10の寸法だけ寄った位置における前記極歯の最大幅をBとした場合に、
B/A≦0.3
の関係式を満たすことを特徴とするステッピングモータ。 - 前記ステータは、
円環状の端板部と、前記端板部の内周縁から立ち上がる前記複数の極歯と、を備えるステータコアと、前記ステータコアを励磁するコイルを有し、
前記端板部の板厚をtとした場合に、
B≦t
の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。 - 前記極歯は、略台形であることを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータ。
- 前記極歯は、
0.1≦B/A
の関係式を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載のステッピングモータ。
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