JP2016155942A - 粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着シート - Google Patents

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嘉孝 戸根
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Hiroyuki Hayashi
宏幸 林
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直樹 竹内
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Abstract

【課題】低極性被着体に対する粘着力、曲面密着性に優れ、高い透明性を有する粘着剤組成物と粘着シートを提供すること。【解決手段】アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)およびイソシアネート化合物(C)を含有し、(A)100質量部に対して(B)を5〜40質量部含有し、下記(i)〜(iv)を満足する粘着剤組成物。(i)(A)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有し、重量平均分子量30万〜150万、かつガラス転移温度(Tg)−60〜0℃。(ii)(B)は、モノマー(b1)40〜80質量%、モノマー(b2)20〜60質量%からなる数平均分子量500〜5000の共重合体。(iii)(b1)は、その単独重合体のTgが−60〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐アルキル基含有メタクリル酸エステル。(iv)(b2)は、その単独重合体のTgが40〜120℃であり、直鎖アルキル基含有メタクリル酸エステル。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物およびそれを用いてなる粘着シートに関する。さらに詳しくは、低極性被着体に対する粘着力、および曲面密着性に優れ、かつ高い透明性を有する粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着シートに関する。
従来からアクリル系粘着剤は、粘着力、凝集力等の粘着物性、および耐熱性、耐候性等の耐老化性に優れているため様々な産業分野で使用されている。
しかしながら、アクリル系粘着剤は、自動車分野を中心に近年増加傾向にある、ポリオレフィン系材料などの低極性被着体への粘着物性は十分ではなかった。
これらの低極性被着体に対する粘着物性を高める方法としては、従来、粘着付与剤(タッキファイヤー)としてロジン系樹脂を添加する方法が知られているが、ロジン系樹脂を添加した場合、低極性被着体に対する粘着物性は向上するものの、その粘着物性は十分ではなく、さらに、着色に伴う透明性の低下、高温時の保持力低下等の問題点があった。
透明性に優れる粘着付与剤としては、例えば、特許文献1には、アクリル系粘着剤に、3環以上の脂環構造を有するモノマーを含む重量平均分子量が1000〜30000のアクリル重合体を添加することで、低極性被着体への粘着物性を向上させる方法が開示されている。さらに、特許文献2には、アクリル系粘着剤との相溶性に優れる、数平均分子量が500〜100000のブロック重合体を添加する方法が開示されている。
しかしながら、これらの粘着付与剤は、透明性に優れるものの、十分な粘着力が得られなかったり、低極性被着体への曲面密着性が不足し、端部の浮きや剥がれが生じたりする場合があった。
特開2011−202012号公報 特開2004−035751号公報
本発明は、低極性被着体に対する粘着力、および曲面密着性に優れ、かつ高い透明性を有する粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)およびイソシアネート化合物(C)を含有してなる粘着剤組成物であって、アクリル重合体(A)100質量部に対してアクリル重合体(B)を5〜40質量部含有し、以下の(i)〜(iv)を満足することを特徴とする粘着剤組成物に関する。
(i)アクリル重合体(A)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有し、重量平均分子量が30万〜150万、かつガラス転移温度が−60℃〜0℃である。
(ii)アクリル重合体(B)は、モノマー(b1)およびモノマー(b2)を反応させてなる共重合体であり、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を40〜80質量%、モノマー(b2)を20〜60質量%含有し、かつ数平均分子量が500〜5000である。
(iii)モノマー(b1)は、その単独重合体のガラス転移温度が−60℃〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
(iv)モノマー(b2)は、その単独重合体のガラス転移温度が40℃〜120℃であり、直鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
また、本発明は、アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)およびイソシアネート化合物(C)を含有してなる粘着剤組成物であって、アクリル重合体(A)100質量部に対してアクリル重合体(B)を5〜40質量部含有し、以下の(i)〜(v)を満足することを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
(i)アクリル重合体(A)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有し、重量平均分子量が30万〜150万、かつガラス転移温度が−60℃〜0℃である。
(ii)アクリル重合体(B)は、モノマー(b1)、モノマー(b2)およびモノマー(b3)を反応させてなる共重合体であり、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を40〜79質量%、モノマー(b2)を20〜59質量%、モノマー(b3)を0.5〜40質量%含有し、かつ数平均分子量が500〜5000である。
(iii)モノマー(b1)は、その単独重合体のガラス転移温度が−60℃〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
(iv)モノマー(b2)は、その単独重合体のガラス転移温度が40℃〜120℃であり、直鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
(v)モノマー(b3)は、モノマー(b1)およびモノマー(b2)以外のモノマーである。
また、本発明は、アクリル重合体(B)の水酸基価が、0.5〜20mgKOH/gであることを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、アクリル重合体(B)が、リビングラジカル重合法により得られるアクリル重合体であることを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、アクリル重合体(B)が、2種の重合体ブロック(X)および(Y)を有するブロック共重合体であって、重合体ブロック(X)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を85質量%以上含有し、重合体ブロック(Y)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b2)を85質量%以上含有することを特徴とする上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、上記粘着剤組成物から形成される粘着剤層が、シート状基材の片面もしくは両面に積層されたことを特徴とする粘着シートに関する。
本発明により、低極性被着体に対する粘着力、および曲面密着性に優れ、かつ高い透明性を有する粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着シートを提供できるようになった。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に特定されない。
<粘着剤組成物>
本発明は、アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)およびイソシアネート化合物(C)を含有し、アクリル重合体(A)100質量部に対してアクリル重合体(B)を5〜40質量部含有する粘着剤組成物である。
本明細書における粘着物性とは、低極性被着体への粘着力や、曲面密着性、保持力等の諸物性を意味する。
<アクリル重合体(A)>
アクリル重合体(A)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体を意味し、水酸基および/またはカルボキシル基を有する。ここで、「(メタ)アクリル酸エステルモノマー」とは、「アクリル酸エステルモノマー」と「メタクリル酸エステルモノマー」の総称を指す。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの内、特にブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが適度な粘着物性を得やすく、重量平均分子量の比較的大きいアクリル重合体を容易に製造できる点で好ましい。
アクリル重合体(A)は、後述するイソシアネート化合物(C)が有するイソシアナト基と反応し得る水酸基および/またはカルボキシル基を有する。水酸基および/またはカルボキシル基の導入方法としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー以外に、水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーおよび/またはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーを共重合することで、水酸基および/またはカルボキシル基を有するアクリル重合体(A)を得ることができる。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和結合を有するカルボン酸等が挙げられる。
また、上記以外に、粘着物性を損なわない範囲で、水酸基および/またはカルボキシル基以外の官能基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。そのようなモノマーとしては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、アミノ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、イソシアナト基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー等を挙げることができる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の、モノアルキルアミノエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアナト基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記以外のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等も使用することができる。
上記のエチレン性不飽和結合を有するモノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基および/またはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーの割合は、アクリル重合体(A)を構成する全モノマー100質量%中、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な粘着物性を得ることができる。20質量%以下であると、ガラス転移温度の増加を抑制でき、良好な粘着物性を得ることができる。
アクリル重合体(A)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値で、30万〜150万であり、40万〜100万がより好ましい。重量平均分子量が30万以上であると、十分な凝集力と耐久性を得ることができる。重量平均分子量が150万以下であると、粘度の増加を抑制でき、良好な塗工適性を得ることができる。
また、アクリル重合体(A)のガラス転移温度は、−60〜0℃であり、−50〜−10℃がより好ましい。ガラス転移温度が−60℃以上であると、十分な凝集力が得られ、粘着力や耐久性を向上させることができる。ガラス転移温度が0℃以下であると、十分なぬれ性が得られ、粘着力を向上させることができる。
アクリル重合体(A)の製造方法としては、特に制限はなく、例えば公知のラジカル重合反応で、上記のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させて得ることができる。反応は無溶剤下でも構わないが、合成安定性およびハンドリングの観点から溶剤を使用することが好ましい。また、分子量制御の観点から、ラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」と略記することがある)を使用することが好ましい。その他、連鎖移動剤等の公知の添加剤を用いてもよい。
溶剤としては、例えば、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、イソプロパノール等が挙げられる。これらの溶剤は、特に制限されないが1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン、α−ピネン、β−ピネン等が挙げられる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン、α−ピネン、β−ピネン等が、得られる重合体が低臭気となる点で好ましい。
<アクリル重合体(B)>
アクリル重合体(B)は、モノマー(b1)およびモノマー(b2)と、好ましくはモノマー(b3)を反応させてなる共重合体であり、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を40〜80質量%、モノマー(b2)を20〜60質量%含有し、好ましくは、モノマー(b1)を40〜79質量%、モノマー(b2)を20〜59質量%、モノマー(b3)を0.5〜40質量%含有し、かつ数平均分子量が500〜5000であって、モノマー(b1)が、その単独重合体のガラス転移温度が−60℃〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーであり、モノマー(b2)が、その単独重合体のガラス転移温度が40℃〜120℃であり、直鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーであり、モノマー(b3)が、モノマー(b1)およびモノマー(b2)以外のモノマーであり、上記で示したアクリル重合体(A)と、後述するイソシアネート化合物(C)とを加えて粘着剤組成物とした際に粘着付与剤として作用し、高い透明性と、低極性被着体への高い粘着力、および曲面密着性を付与する。
モノマー(b1)について説明する。モノマー(b1)は、その単独重合体のガラス転移温度が−60℃〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。分岐鎖アルキル基を有するとは、環状構造を持たず、かつアルキル基中に少なくとも1つ以上の分岐構造を有することを意味する。モノマー(b1)の単独重合体のガラス転移温度および、分岐鎖アルキル基の炭素数が前記範囲にあることによって、粘着剤組成物、および粘着シートにした際に、アクリル重合体(A)との相溶性を高め、高い透明性を維持し、さらに低極性被着体への高い粘着力を付与することができる。
モノマー(b1)としては、例えば、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、イソラウリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレートなどが挙げられる。これらのうち、特に、イソデシルメタクリレート、イソステアリルメタクリレートなどのモノマーが、透明性および粘着物性の点から好ましい。
モノマー(b1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モノマー(b1)の含有量としては、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、40〜80質量%である。40質量%以上であると、低極性被着体に対するぬれ性が向上し、高い粘着力を得ることができ、80質量%以下であると、アクリル重合体(A)との相溶性の低下を抑制でき、粘着シートにした際に良好な透明性を得ることができる。
次に、モノマー(b2)について説明する。モノマー(b2)は、その単独重合体のガラス転移温度が40℃〜120℃であり、直鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
モノマー(b2)の単独重合体のガラス転移温度が前記範囲であり、直鎖アルキル基を有することによって、粘着剤組成物、および粘着シートにした際に凝集力を高め、耐熱時の保持力の付与および、曲面密着性を向上させることができる。
モノマー(b2)としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどが挙げられ、凝集力の観点から、メチルメタクリレートが好ましい。
モノマー(b2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モノマー(b2)の含有量としては、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、20〜60質量%である。20質量%以上であると、十分な凝集力が得られ、曲面密着性を向上させることができ、60質量%以下であると、低極性被着体に対するぬれ性の低下を抑制でき、良好な粘着力を得ることができる。
次に、モノマー(b3)について説明する。
モノマー(b3)は、モノマー(b1)およびモノマー(b2)以外のモノマーであれば特に制限が無く使用することができ、例えば、前記アクリル重合体(A)にて用いた、モノマー(b1)およびモノマー(b2)以外の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、エポキシ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、アミノ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、イソシアナト基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーや、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの、エチレン性不飽和結合を有するモノマー等が挙げられる。
これらのうち、粘着剤組成物にした際の凝集力および被着体に対するぬれ性の点からは、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレートを、曲面密着性の点からは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような、水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーが好ましい。
モノマー(b3)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モノマー(b3)の含有量としては、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、0.5〜40質量%であることが好ましい。0.5質量%以上であると、凝集力や低極性被着体に対するぬれ性を高める事ができ、曲面密着性を向上させることができる。40質量%以下であると、低極性被着体への粘着力や曲面密着性の低下を抑制する事ができる。
アクリル重合体(B)の水酸基価は、0.5〜20mgKOH/gであることが好ましい。アクリル重合体(B)の水酸基価が0.5mgKOH/g以上であると、イソシアネート化合物(C)中のイソシアナト基との架橋反応に伴う、ネットワーク状の架橋構造の形成によって、粘着剤組成物の凝集力を高め、低極性被着体に対する曲面密着性を向上させることができる。水酸基価が20mgKOH/g以下であると、架橋度が高くなり過ぎることによる過剰な凝集力を抑制でき、低極性被着体に対する良好な粘着力を得ることができる。
アクリル重合体(B)の分子量は、標準ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)が500〜5000であることを特徴とする。500以上であると、粘着シートにした際に、アクリル重合体(B)のブリードによる再剥離性の低下や、凝集力の低下による保持力悪化を抑制する事ができる。5000以下であると、粘着シートにした際に、良好な透明性を得られ、さらに、ぬれ性の低下による粘着力の低下を抑制することができる。
また、アクリル重合体(B)の分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1.5未満であることが好ましい。分散度が1.5未満であることによって、耐久性の低下や、ブリードによる再剥離性の低下の原因となる低分子量体の生成を抑制することができる。
また、アクリル重合体(B)は、ガラス転移温度(Tg)が−25〜40℃であることが好ましく、−15〜30℃がより好ましい。ガラス転移温度が前記範囲にあることによって、低極性被着体に対する粘着力や曲面密着性を向上させることができる。
アクリル重合体(B)の含有量としては、アクリル重合体(A)100質量部に対して5〜40質量部含有し、好ましくは10〜30質量部である。アクリル重合体(B)の含有量が上記範囲にあることによって、低極性被着体に対する良好な粘着力および曲面密着性を得ることができる。
本発明のアクリル重合体(B)の製造法としては、特に限定されないが、モノマーの汎用性、あるいは制御の容易さからラジカル重合法が好ましい。
ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いて、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを単に重合させる「一般的なフリーラジカル重合法」と、末端等の制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
本発明のアクリル重合体(B)の製造法としては、ラジカル重合法の中でも、リビングラジカル重合法がより好ましい。リビングラジカル重合法により合成される重合体は、一般的なフリーラジカル重合により合成される重合体よりも、分散度が狭く、かつモノマーが均一に導入されるため、低分子量成分による耐久性・耐熱性の低下や、高分子量成分による粘度の上昇等の影響を受けにくく、さらには、ブロック重合体を合成することも可能である。
リビングラジカル重合法によるアクリル重合体(B)の合成法としては、特に限定されないが、メタクリル酸エステルモノマーを重合するのに適しており、重合操作が容易で重合安定性が高く、かつ開始剤や触媒の設計の自由度が大きく、また官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に導入できる点から「原子移動ラジカル重合法(以下、ATRP法)」を使用するのが好ましい。
ATRP法は、活性化剤として遷移金属錯体とその配位子を使用し、これらの存在下、開始剤を使用して重合を行う。
遷移金属錯体としては、特に限定されないが、例えば、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体が挙げられ、特に、銅、ニッケル、ルテニウム、および鉄から選ばれる金属を中心金属とする錯体が好ましく、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄または2価のニッケルの錯体がより好ましい。1価の銅化合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅などのハロゲン化銅や、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等が挙げられる。
配位子としては、特に限定されないが、2,2’−ビピリジルおよびその誘導体、1,10−フェナントロリンおよびその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル) アミン等のポリアミン等や、メルカプタン誘導体、トリフルオレ― ト誘導体などが挙げられる。
開始剤としては、特に限定されないが、α−位にハロゲンを含有するエステル系またはスチレン系誘導体が好ましく、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸誘導体、塩化(または臭化)1−フエニル誘導体がより好ましい。具体的には、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸メチル、2−ブロモ( またはクロロ)プロピオン酸エチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸エチル、塩化(または臭化)1−フエニルエチル等が挙げられる。
ATRP法において、開始剤は、アクリル重合体(B)を構成する全モノマー100モル%に対し、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5.0モル%の割合で用いられる。また、遷移金属錯体の含有量は、上記開始剤1モル%に対して、通常0.01〜3.0モル%、好ましくは0.1〜1.0モル%の割合で用いられる。さらに、配位子は、上記遷移金属錯体1.0モル%に対して、通常1.0〜5.0モル%、好ましくは2.0〜3.0モル%の割合で用いられる。開始剤、遷移金属錯体、配位子を前記範囲で用いると、重合反応や重合体の分子量制御が容易になる。
重合反応は、無溶剤下でも構わないが、アクリル重合体(A)の製造方法で例示した溶剤を用いることができる。溶剤を用いる場合、重合速度の低下を防ぐため、アクリル重合体(B)の全質量100質量%中、溶剤が50質量%以下であることが好ましい。
重合条件としては、重合速度制御や触媒失活の点より、70〜130℃の重合温度で、約1〜100時間の重合時間とするのが好ましい。
アクリル重合体(B)は、2種の重合体ブロック(X)および(Y)を有するブロック共重合体にするのが好ましい。ブロック共重合体は、リビングラジカル重合の特性を利用して合成することができ、ブロック共重合体とすることで、重合体ブロック(X)の特性と、重合体ブロック(Y)の特性を併せ持つ重合体を得ることができる。
重合体ブロック(X)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を85質量%以上含有し、重合体ブロック(Y)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b2)を85質量%以上含有することが好ましい。
重合体ブロック(X)および重合体ブロック(Y)において、モノマー(b1)とモノマー(b2)が上記範囲であることによって、各ブロックの特性を有するブロック共重合体を得ることができる。
ブロック共重合体の製造法としては、例えば、上記ATRP法において、重合体(X)を構成するモノマーを重合した後に、重合体(Y)を構成するモノマーを加えて重合を行う方法が挙げられる。この方法においては、(X)―(Y)型のブロック共重合体が得られるが、上記の重合体(Y)を構成するモノマーの重合後に、再度、重合体(X)を構成するモノマーを加えて重合を行うと、(X)―(Y)―(X)型のブロック共重合体が得られる。さらに、これらの重合の順序を逆にする事によって、(Y)―(X)型や、(Y)―(X)―(Y)型のブロック共重合体を得ることができる。
このような逐次的な重合を行う場合に、後のモノマ―を加えるときは、前のモノマ―の重合転化率が少なくとも50質量%を超えた時点、通常は60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上となった時点で、加えるようにするのが望ましい。
<イソシアネート化合物(C)>
イソシアネート化合物(C)は、アクリル重合体(A)中の水酸基および/またはカルボキシル基、およびアクリル樹脂(B)中の水酸基と架橋反応することで、ネットワーク状の架橋構造を形成し、粘着剤として利用するための高弾性や、基材密着性を付与する目的で使用される。イソシアネート化合物(C)は、アクリル重合体(A)の水酸基および/またはカルボキシル基、およびアクリル樹脂(B)中の水酸基と架橋構造を形成し得るものであれば特に制限されないが、例えば、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネート、脂環族系イソシアネート、およびこれらのビュレット体、ヌレート体、アダクト体である2官能以上のイソシアネート化合物等が挙げられる。
芳香族系イソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン(別名:XDI、m−キシリレンジイソシアネート)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン(別名:p−キシリレンジイソシアネート)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族系イソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族系イソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI、イソホロンジイソシアネート)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
ビュレット体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(製品名「スミジュールN−75」、住化バイエルウレタン社製;製品名「デュラネート 24A−90CX」、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
ヌレート体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「スミジュールN−3300」、住化バイエルウレタン社製)、イソホロンジイソシアネートのヌレート体(製品名「デスモジュールZ−4370」、住化バイエルウレタン社製)、トリレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「コロネート 2030」、日本ポリウレタン社製)等が挙げられる。
アダクト体としては、上記芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネート、および/または脂環族系イソシアネートと2官能以上の低分子活性水素含有化合物とを反応させてなる、2官能以上のイソシアネート化合物が挙げられ、例えば、トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD−160N」、三井化学社製)、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダクト体(製品名「コロネートL」、日本ポリウレタン社製;製品名「タケネートD−102」、三井化学社製)、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD−110N」、三井化学社製)、トリメチロールプロパンのイソホロンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD−140N」、三井化学社製)等が挙げられる。
なお、2官能以上の低分子活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族あるいは脂環族ジオール類;
1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させてなるビスフェノール類等の芳香族ジオール類;
1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールナノデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカン等のトリメチロール分岐アルカン類;
トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,6−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン等の3官能ポリオール類;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール等の4官能以上のポリオール類;トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン等の脂肪族ポリアミン類を挙げることができる。これら2官能以上の低分子活性水素含有化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのイソシアネート化合物(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート化合物(C)の中でも、密着性、耐熱性、および相溶性等を考慮すると、3官能イソシアネート化合物の使用が好ましく、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体がより好ましく、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体がさらに好ましい。
本発明に使用するイソシアネート化合物(C)の含有量は、イソシアネート化合物(C)中のイソシアナト基と、アクリル重合体(A)中の水酸基および/またはカルボキシル基、アクリル樹脂(B)中の水酸基の合計のモル数の比(イソシアナト基/(水酸基および/又カルボキシル基))が、0.05〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8である。
0.05以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な粘着力や曲面密着性を得ることができ、1.5以下であると架橋度が高くなり過ぎることによる過度な凝集力を抑制でき、被着体に対する良好な密着性を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、さらに、粘着付与剤、触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、充填剤、消泡剤等の公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。
粘着付与剤としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン、およびそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類とのエステル化物、樹脂酸ダイマー等)等の公知のものが使用できる。
触媒としては、粘着剤組成物の硬化時間を調節する目的で使用されるが、特に制限はなく、例えば、公知の第三級アミンや、有機金属化合物等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−シクロヘキシルモルフォリン、N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルブタンジアミンもしくはN、N、N’、N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、1、4、−ジメチルピペラジン、1、2−ジメチルイミダゾール、1−アゾビシクロ[3.3.0]オクタン、1、4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン、アルカノールアミン化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸スズ(II)、スズ(II)オクトエイト、スズ(II)エチルヘキサノエート、スズ(II)ラウレート等の有機カルボン酸スズ(II)塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズラウレート等の有機カルボン酸ジアルキルスズ(IV)塩、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンブトキシドダイマー、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド等のアルコキシド有機チタン化合物、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニウムジ-2-エチルヘキソキシビス(2-エチル-3-ヒドロキシヘキソキシド)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等の溶剤系キレート有機チタン化合物、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテート等の水系キレート有機チタン化合物等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物に触媒を使用する場合は、粘着剤組成物のポットライフを向上させる目的で、アセチルアセトン等の公知の触媒作用抑制剤を使用することができる。
<粘着シート>
本発明の粘着剤組成物を使用して、粘着剤層が基材に積層された積層体(以下、「粘着シート」という。)を得ることができる。
粘着シートの基材としては、公知の粘着シート用基材を使用することができ、例えば、紙、金属フィルム、セロハン、各種プラスチックフィルム等のフィルム状基材、および、それらのフィルム状基材の表面をシリコーン化合物やフッ素化合物で剥離処理した剥離性フィルム基材が挙げられる。これらの粘着シートの基材は、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層のものであってもよい。
各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリヒドロキシエテンフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエテンテレフタレートやポリブテンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、プロペン酸系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリエテニルベンゼン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、オキシラン系樹脂のフィルム等が挙げられる。
粘着シートの積層構成としては、例えば、フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材のような片面粘着シート、あるいは剥離性フィルム基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材や、剥離性フィルム基材/粘着剤層/フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材のような両面粘着シートが挙げられ、使用時に、片面あるいは両面の剥離性フィルム基材が剥がされ、粘着剤層が被着体に貼付される。
粘着シートは、公知の積層法によって、剥離性フィルム基材に粘着剤組成物を塗工して作成される。粘着剤組成物が、有機溶媒や水等の揮発性液体を含有する場合には、加熱等の方法により揮発性液体を除去する。一方、粘着剤組成物が揮発性液体を含有しない場合は、溶融状態にある粘着剤組成物を基材へ塗布した後、冷却して固化することで、基材上に粘着剤層を形成することができる。
粘着剤層の膜厚は、乾燥後で、1μm〜120μmの範囲であることが好ましく、1μm〜50μmの範囲であることがより好ましい。
本発明の粘着剤組成物を剥離性フィルム基材等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工機を用いて塗工する事ができる。
塗工した粘着剤組成物を乾燥させる場合、乾燥方法には特に制限はなく、熱風、赤外線、減圧による方法が挙げられる。乾燥条件としては、粘着剤組成物の架橋形態、膜厚や含有する揮発性液体の種類にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風による方法がよい。
上記の方法により得られた粘着シートは、各被着体に対して良好な粘着力を示すため、ラベルシール、両面テープ、キャストテープ、マスキングテープ、フォームテープ等の用途に使用することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、特に断りの無い限り、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
<不揮発分の測定>
試料溶液約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブン中にて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分(不揮発分濃度)とした。
<アクリル重合体(B)の重合転化率の算出>
アクリル重合体(B)の重合転化率は、次式により算出した。
重合転化率=[(W2)−(W1)]/(W2)×100(%)
(W1):重合反応後の未反応モノマー量(部)
(W2):重合反応前の全モノマー量(部)
<分子量(Mn、Mw)の測定>
数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定機器として、東ソー社製GPC「HPC−8020」を用いた。カラムは、東ソー社製Super HM−MおよびSuper HM−Lを直列に2本連結したものを用いた。溶媒(溶離液)としてテトラヒドロフラン(THF)を使用して、40℃にて測定した。なお、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、いずれもポリスチレンを標準とした換算値とした。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)による測定により決定した。ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。各合成例で得られたアクリル重合体の溶液を、ポリエステル製の剥離性フィルム基材に塗工・乾燥し、乾燥したものを測定用試料として用いた。測定用試料10mgを上記示差走査熱量計にセットし、100℃の温度で5分間保持した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷した。その後、昇温速度10℃/分で昇温し、200℃まで昇温してDSC測定を行った。得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg)(単位:℃)を決定した。
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、ピリジンを100ml加えて溶解した。更に、アセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、1時間攪拌した後、0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。水酸基価(単位:mgKOH/g)は次式により求めた。水酸基価は乾燥した試料の数値とした。
水酸基価=[{(b−a)×F×28.05}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
S:試料の採取量(g)
a:0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
D:酸価(mgKOH/g)
<イソシアナト価(NCO価)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料10gを精密に量り採り、オルトジクロロベンゼン25ml、ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン(質量比:ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン=1/24.8)混合液10mlを加えて溶解した。この溶液に、メタノール80g、ブロムフェノールブルー試薬を指示薬として加え、0.1Nアルコール性塩酸溶液で滴定した。溶液が黄緑色を呈して30秒間以上保持したところを終点とした。NCO価(単位:%)は次式により求めた。
NCO価=[0.42×(B−C)×F]/W
W:試料の採取量(g)
B:試料滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
C:空試験の滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性塩酸溶液のファクター
実施例および比較例で使用した材料と略号を、以下に記す。
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
nBA:n−ブチルアクリレート(ホモポリマーのTg:−48℃)
MMA:メチルメタクリレート(ホモポリマーのTg:105℃)
Vac:酢酸ビニル(ホモポリマーのTg:28℃)
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(ホモポリマーのTg:−15℃)
iDMA:イソデシルメタクリレート(ホモポリマーのTg:−41℃、製品名「ライトエステルID」、共栄社製)
nDMA:n−デシルメタクリレート(ホモポリマーのTg:−70℃)
iSMA:イソステアリルメタクリレート(ホモポリマーのTg:−12℃、製品名「S−1800M」、新中村化学工業社製)
tBMA:tert−ブチルメタクリレート(ホモポリマーのTg:107℃)
EMA:エチルメタクリレート(ホモポリマーのTg:65℃)
MA:メチルアクリレート(ホモポリマーのTg:9℃)
<連鎖移動剤>
OTG:チオグリコール酸−2−エチルヘキシル
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート(製品名「パーブチルO」、日油社製)
tert−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート(製品名「パーヘキシルO」、日油社製
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(製品名「V−60」、和光純薬工業社製)
<遷移金属錯体>
Cu(I)Cl:塩化第一銅
<配位子>
TMEDA:テトラメチルエチレンジアミン
<開始剤>
EBIB:2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エチル
<イソシアネート化合物(C)>
XDI−TMP:m−キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=7.7%、不揮発分=50%
TDI−TMP:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=6.5%、不揮発分=37.5%
<溶剤>
MEK:メチルエチルケトン
<アクリル重合体(A)の合成>
(合成例1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置の反応槽および滴下槽に、下記に示すモノマー、溶剤、および重合開始剤からなるモノマー混合物を、下記比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、80℃まで昇温した。次に、滴下槽のモノマー混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌しながら3時間反応させた。さらに重合開始剤を後添加し、3時間反応させた。反応後、下記に示す希釈溶剤を添加し、室温まで冷却し、アクリル重合体(A)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は470,000、ガラス転移温度は−33℃、不揮発分は50%であった。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
nBA 38.0部
MMA 5.0部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.35部
(上記以外のエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
Vac 4.0部
<溶剤>
酢酸エチル 33.8部
トルエン 0.9部
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.071部
[滴下槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
(アクリル酸エステルモノマー)
nBA 52.1部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.35部
<溶剤>
酢酸エチル 39.7部
トルエン 1.1部
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.071部
[後添加]
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.12部
[希釈溶剤]
酢酸エチル 21.5部
トルエン 2.9部
<アクリル重合体(B)の合成>
(合成例(B)−1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置の反応槽に、下記に示すモノマー、遷移金属錯体、配位子、開始剤、溶剤を、下記比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、70℃まで昇温した。昇温終了後、攪拌しながら8時間反応させた。反応後、下記に示す希釈溶剤を添加し、室温まで冷却し、アクリル重合体(B)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の数平均分子量(Mn)は2,000、ガラス転移温度は−5℃、不揮発分は60%であった。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
iDMA 34.2部
MMA 15.1部
<遷移金属錯体>
Cu(I)Cl 2.2部
<配位子>
TMEDA 5.1部
<開始剤>
EBIB 3.5部
<溶剤>
MEK 30.0部
[希釈溶剤]
MEK 10.0部
(合成例(B)−2〜(B)−9、(B)−14〜(B)−19)
表1〜表3に示す組成に変更した以外は、合成例(B)−1と同様の合成方法にて、それぞれアクリル重合体(B)を合成した。
(合成例(B)−10)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置の反応槽に、下記に示すモノマー、溶剤、連鎖移動剤、および重合開始剤からなるモノマー混合物を、下記比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、80℃まで昇温することで反応を開始した。反応を開始してから1時間後と2時間後および3時間後に重合開始剤を後添加した後に、さらに、4時間反応させた。反応後、下記に示す希釈溶剤を添加し、室温まで冷却し、アクリル重合体(B)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の数平均分子量(Mn)は2,000、ガラス転移温度は−10℃、不揮発分は60%であった。なお、表2において、AIBNの数値は、合算値として表記している。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
iDMA 40.1部
MMA 17.0部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.82部
<連鎖移動剤>
チオグリコール酸−2−エチルヘキシル 1.93部
<重合開始剤>
AIBN 0.07部
<溶剤>
酢酸エチル 30.0部
[後添加]
<反応1時間後重合開始剤>
AIBN 0.023部
<反応2時間後重合開始剤>
AIBN 0.023部
<反応3時間後重合開始剤>
AIBN 0.023部
[希釈溶剤]
酢酸エチル 10.0部
(合成例(B)−11)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置の反応槽に、下記に示すモノマー、遷移金属錯体、配位子、開始剤、溶剤を、下記比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、70℃まで昇温した。昇温終了後、攪拌しながら8時間反応させた。重合転化率が80%以上となったことを確認した後に、モノマーを後添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下70℃にて、さらに8時間反応させた。反応後、下記に示す希釈溶剤を添加し、室温まで冷却し、(X)―(Y)型のアクリル重合体(B)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の数平均分子量(Mn)は2,000、ガラス転移温度は0℃、不揮発分は60%であった。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
iDMA 34.1部
<遷移金属錯体>
Cu(I)Cl 2.1部
<配位子>
TMEDA 5.0部
<開始剤>
EBIB 3.5部
<溶剤>
MEK 30.0部
[後添加]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
MMA 14.5部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.7部
[希釈溶剤]
MEK 10.0部
(合成例(B)−12〜(B)−13)
表2に示す組成に変更した以外は、合成例(B)−11と同様の合成方法にて、アクリル重合体(B)を合成した。
<粘着剤組成物の製造>
(実施例1)
合成例1で得られたアクリル重合体(A)100部に対し、合成例(B)−1で得られたアクリル重合体(B)15部、およびイソシアネート化合物(C)としてXDI−TMP0.4部をそれぞれ不揮発分換算にて配合し、更に、溶剤として酢酸エチルを不揮発分が45%となるように加え、均一になるよう混合して粘着剤組成物を得た。
<粘着シートの製造>
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材(製品名「SP−PET382050」、リンテック社製、以下「剥離性フィルム基材」という)の剥離処理面上に、コンマコーターにて乾燥後の厚みが25μmになるように速度2m/分で塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。この粘着剤層面と厚さ50μmのポリエステルフィルム(製品名「E5100」、東洋紡社製)を張り合わせて、粘着シートを形成した。得られた粘着シートを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、1週間エージングさせて、粘着シートを得た。
(実施例2〜15)
実施例1と同様の方法で、アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)、およびイソシアネート化合物(C)を表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、それぞれ粘着剤組成物と粘着シートを得た。
(比較例1〜6)
実施例1と同様の方法で、アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)、およびイソシアネート化合物(C)を表4に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、それぞれ粘着剤組成物と粘着シートを得た。
<評価>
実施例1〜15、および比較例1〜6で得られた粘着剤組成物および粘着シートについて、下記の方法で評価を行った。結果を表4〜表6に示す。
(SUS粘着力)
JIS Z 0237に準じて、粘着力を測定した。得られた粘着シートを25mm幅にカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でステンレス板(SUS304)に貼着し、2kgロールにて1往復させ圧着後、同環境下に24時間放置した後に、同環境下で、引張試験機(製品名「テンシロン」、オリエンテック社製)を用いて、引っ張り速度300mm/minで180度方向に剥離した際の剥離強度を測定した。
15N/25mm以上:実用上優れる。
10N/25mm以上、15N/25mm未満:実用域。
10N/25mm未満:実用不可。
(PP粘着力)
JIS Z 0237に準じて、粘着力を測定した。得られた粘着シートを25mm幅にカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でポリプロピレン板(製品名「コウベポリシートPP」、山宗社製)に貼着し、2kgロールにて1往復させ圧着後、同環境下に24時間放置した後に、同環境下で、引張試験機(製品名「テンシロン」、オリエンテック社製)を用いて、引っ張り速度300mm/分で180度方向に剥離した際の剥離強度を測定した。
14N/25mm以上:実用上優れる。
9N/25mm以上、14N/25mm未満:実用域。
9N/25mm未満:実用不可。
(曲面密着性)
得られた粘着シートを25mm×25mmに試験片をカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の環境下で直径10mmのポリプロピレン板(製品名「コウベポリシートPP」、山宗社製)の棒に貼着、圧着後に、温度80℃の環境下で2日間放置した後の試験片端部の浮き、剥がれを測定し、3段階で評価した。
○:試験片の浮き、剥がれがない、または浮きが1mm未満。実用上優れる。
△:浮きが1mm〜3mm。実用域。
×:浮きが3mmを超えている、または全体が剥がれている。実用不可。
(シート透明性)
粘着シートについて、その外観を目視にて観察し、3段階で評価した。
○:無色透明である。実用上優れる。
△:僅かに着色しているが、透明性を有する。実用域。
×:白濁している、または凝集物が多数認められる。実用不可。
(保持力)
JIS Z 0237に準じて、保持力を測定した。得られた粘着シートを幅25mm、長さ100mmカットし、縦25mm、横25mmの部分を紙やすり(#280)で研磨したステンレス板(SUS304)の片端に、剥離性フィルム基材を剥がし貼着面積25mm×25mmで貼着して、試験片を作成した。この試験片のステンレス板を、40℃の恒温槽内にて鉛直に吊り下げ、シート片のもう一方の端部に1kgの錘を吊り下げ72000秒間放置した。72000秒以内にシート片が落下したものは、落下するまでの時間を測定し、保持していたものは、初期の貼着部分からのズレの長さを測定し、3段階で評価した。
〇:保持していたものでズレなし。実用上優れる。
△:保持していたものでズレが1mm以内。実用域。
×:保持していたものでズレが1mmを超える、または落下したもの。実用不可。
Figure 2016155942
Figure 2016155942
Figure 2016155942
Figure 2016155942
Figure 2016155942
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Claims (6)

  1. アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)およびイソシアネート化合物(C)を含有してなる粘着剤組成物であって、アクリル重合体(A)100質量部に対してアクリル重合体(B)を5〜40質量部含有し、以下の(i)〜(iv)を満足することを特徴とする粘着剤組成物。
    (i)アクリル重合体(A)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有し、重量平均分子量が30万〜150万、かつガラス転移温度が−60℃〜0℃である。
    (ii)アクリル重合体(B)は、モノマー(b1)およびモノマー(b2)を反応させてなる共重合体であり、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を40〜80質量%、モノマー(b2)を20〜60質量%含有し、かつ数平均分子量が500〜5000である。
    (iii)モノマー(b1)は、その単独重合体のガラス転移温度が−60℃〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
    (iv)モノマー(b2)は、その単独重合体のガラス転移温度が40℃〜120℃であり、直鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
  2. アクリル重合体(A)、アクリル重合体(B)およびイソシアネート化合物(C)を含有してなる粘着剤組成物であって、アクリル重合体(A)100質量部に対してアクリル重合体(B)を5〜40質量部含有し、以下の(i)〜(v)を満足することを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
    (i)アクリル重合体(A)は、水酸基および/またはカルボキシル基を有し、重量平均分子量が30万〜150万、かつガラス転移温度が−60℃〜0℃である。
    (ii)アクリル重合体(B)は、モノマー(b1)、モノマー(b2)およびモノマー(b3)を反応させてなる共重合体であり、アクリル重合体(B)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を40〜79質量%、モノマー(b2)を20〜59質量%、モノマー(b3)を0.5〜40質量%含有し、かつ数平均分子量が500〜5000である。
    (iii)モノマー(b1)は、その単独重合体のガラス転移温度が−60℃〜0℃であり、炭素数6〜18の分岐鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
    (iv)モノマー(b2)は、その単独重合体のガラス転移温度が40℃〜120℃であり、直鎖アルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーである。
    (v)モノマー(b3)は、モノマー(b1)およびモノマー(b2)以外のモノマーである。
  3. アクリル重合体(B)の水酸基価が、0.5〜20mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
  4. アクリル重合体(B)が、リビングラジカル重合法により得られるアクリル重合体であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物。
  5. アクリル重合体(B)が、2種の重合体ブロック(X)および(Y)を有するブロック共重合体であって、重合体ブロック(X)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b1)を85質量%以上含有し、重合体ブロック(Y)を構成する全モノマーの合計100質量%中、モノマー(b2)を85質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の粘着剤組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層が、シート状基材の片面もしくは両面に積層されたことを特徴とする粘着シート。
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