JP6421786B2 - 粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物及び粘着シートに関する。さらに詳しくは、特に高温環境下における低極性被着体への曲面密着性および定荷重剥離性等の粘着性能に優れた粘着剤組成物及び粘着シートに関する。
粘着剤は、材料間を簡便に、且つ短時間で接合できることから、様々な産業分野で使用されている。用途によっては、被着体に捉われない高い接着信頼性や、耐剥がれ性、曲面基材への密着性、厳しい環境条件下での接着信頼性など、より高い性能が求められる傾向にある。
その中でも、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン材料は、近年、自動車分野を中心に使用量が増大傾向にあるが、低極性であるために粘着剤が接着しづらい性質がある。特に、曲面状の低極性被着体への密着性は、変形による応力を受けやすいため、端部での剥離や、凹部の浮きが生じやすいといった問題があった。
さらに、より厳しい環境条件下として、例えば自動車等の用途では、夏季は高温環境下で使用され、冬季は低温環境下で使用されるため、内装材に使用する粘着剤にも、高温と低温と環境が変わった場合でも浮きや剥がれが生じない接着信頼性や定荷重剥離性能が要求される。しかし、従来の粘着剤は、高温環境下で使用すると凝集力が不足し、剥がれが生じるなど耐熱性が不足する問題があった。
これまで、粘着剤の被着体に対する曲面密着性や定荷重剥離性、耐熱性を高める手法としては、アクリル系粘着剤組成物に、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系(C5系)、芳香族系(C9)、脂環族系(水素添加物)、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂、などの粘着付与剤(タッキファイヤー)を添加する方法が知られている。
しかしながら、これらの粘着付与剤を添加することによって、低極性被着体への曲面密着性や定荷重剥離性、耐熱性は向上するもののその性能は十分ではなく、特に、高温環境下での曲面密着性や定荷重剥離性が不足するといった問題点があった。(特許文献1〜4)。
特開平7−228851号公報 特開2000−265138号公報 特開2007−091918号公報 特開2014−189656号公報
本発明は、高温環境下における低極性被着体への曲面密着性および定荷重剥離性等の粘着性能に優れた粘着剤組成物、及びそれを用いてなる粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明は、アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)およびステロイド骨格を有する化合物(C)を含み、多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアナト基と、アクリル重合体(A)中の水酸基および/又はカルボキシル基、ステロイド骨格を有する化合物(C)中の水酸基の合計のモル数の比(イソシアナト基/水酸基およびカルボキシル基)が、0.05〜1.5である粘着剤組成物であって、アクリル重合体(A)が、水酸基および/又はカルボキシル基を有するアクリル重合体であり、アクリル重合体(A)100質量部に対してステロイド骨格を有する化合物(C)を0.1〜20質量部含んでなることを特徴とする粘着剤組成物(但し、自動車内装材用粘着剤組成物は除く)に関する。
また、本発明は、ステロイド骨格を有する化合物(C)が、水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(C1)である上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、ステロイド骨格を有する化合物(C)が、第二級水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(C1−2)である上記粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、シート状基材の少なくとも一方の面に、上記粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層が積層されてなる粘着シートに関する。
本発明により、高温環境下における低極性被着体への曲面密着性および定荷重剥離性等の粘着性能に優れた粘着剤組成物、及びそれを用いてなる粘着シートを提供できるようになった。
は、粘着シートの定荷重剥離性を試験する際の模式図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<粘着剤組成物>
本発明は、アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、ステロイド骨格を有する化合物(C)を含有する粘着剤組成物である。
本明細書における粘着物性とは、低極性被着体への粘着力、再剥離性、保持力、曲面密着性、定荷重剥離性等の諸物性を意味し、特に、低極性被着体への曲面密着性は室温および耐熱下での物性を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、粘着シートとした際に、各被着体に対して良好な粘着力を示すため、ラベルシール、両面テープ、キャストテープ、マスキングテープ、フォームテープ等の用途に使用することができる。
曲面密着性はいずれの用途においても重要視される傾向にあるのに対して、定荷重剥離性は、特に自動車用途において重要視される傾向にある。自動車用途に用いられる粘着剤は、両面テープや、キャストテープに加工した上で、内装材に貼付けした後に、自動車に貼り付けて使用したり、内装材を基材としたフォームテープとした上で、自動車に貼り付けて使用することができる。この内装材は、自動車車内に使用する内装材のみでなく、エンジンルームなどで使用する吸音材、緩衝材、カーペット類を含み、広く自動車の車内で使用する部材を意味する。
<ステロイド骨格を有する化合物(C)>
ステロイド骨格を有する化合物(C)とは、シクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核(ステロイド核と同義)を基本骨格とする化合物であり、一般的にホルモンなどが多いが、置換基によって多様な構造を有することができ、植物に存在するものも多数ある。
ステロイド骨格を有する化合物(C)としては、例えばシクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核からなる骨格、及び/または、その類似構造体からなる骨格の特定部位に置換基を有する構造が挙げられ、置換基の具体例としては、下記式[1]〜[11]で表される化合物やサポニン等が挙げられる。
式[1]
式[2]
式[3]
式[4]
式[5]
式[6]
式[7]
式[8]
式[9]
式[10]
式[11]
また、上記式[1]〜[11]の脂環部分の構造は、下記式[12]〜[17]に示すような、シクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核からなる脂環構造や、その脂環構造の一部が不飽和二重結合である構造が挙げられる。
式[12]
式[13]
式[14]
式[15]
式[16]
式[17]
上記式[1]〜[11]中、Ra1〜Ra9、Rb1〜Rb9、Rc1〜Rc7、Rd1〜Rd8、Re1〜Re9、Rf1〜Rf8、Rg1〜Rg6、Rh1〜Rh7、Ri1〜Ri5、Rj1〜Rj7およびRk1〜Rk7は、それぞれ独立に、
水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、ホルミル基、
アルキルカルボニル基、ヒドロキシアルキルカルボニル基、カルボキシアルキルカルボニル基、ホルマートアルキルカルボニル基、アセトキシアルキルカルボニル基、
アルキルカルボキシ基、ヒドロキシアルキルカルボキシ基、カルボキシアルキルカルボキシ基、ホルマートアルキルカルボキシ基、アセトキシアルキルカルボキシ基、
アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、カルボキシアルコキシ基、ホルマートアルコキシ基、アセトキシアルコキシ基、
ベンゾイルオキシ基、または下記式[18]のいずれかで表される基である。
アルキル基としては、メチル基やエチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基やアリル基などが挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基やプロパ−2−イン−1−イル基などが挙げられる。
(「ホルマート」とは、「−O−CH=O」を意味する。下記式中、|*|は、結合手であることを示す。)
式[18]
サポニンは、ステロイド核に糖類が結合している構造であり、例えば、下記式[19]で表されるソラニンが挙げられる。糖の種類としては、D−グルコース、D−ガラクトース、L−アラビノース、D−ラムノースなどを挙げることができる。
式[19]
なかでも、ステロイド骨格を有する化合物(C)の内、水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(C1)が好ましく、第二級水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(C1−2)がより好ましい。水酸基を有することによって、アクリル重合体(A)と多官能イソシアネート化合物(B)との架橋反応に部分的に組込まれるため、低極性被着体に対する曲面密着性および定荷重剥離性を向上することができる。特に第二級水酸基を有する場合、架橋反応に組込まれる量の調整が容易となるため好ましい。
ステロイド骨格を有する化合物(C)中の水酸基の数は、特に制限されないが、低極性被着体に対する粘着力と、アクリル重合体(A)との相溶性の観点から、1つであることが好ましい。
さらには、ステロイド骨格を有する化合物(C)の分子量は、250〜800であることが好ましく、300〜500であることがより好ましい。分子量が250以上であると、十分な凝集力が得られ、低極性被着体に対する曲面密着性および定荷重剥離性を向上することができる。分子量が800以下であると、過度な凝集力を抑制でき、粘着力の低下を抑制できる。
その他、好ましい態様としては、前記式[1]〜[11]中の置換基である、Ra1〜Ra9、Rb1〜Rb9、Rc1〜Rc7、Rd1〜Rd8、Re1〜Re9、Rf1〜Rf8、Rg1〜Rg6、Rh1〜Rh7、Ri1〜Ri5、Rj1〜Rj7または、Rk1〜Rk7として、炭素数が5つ以上の、アルキル基、アルケニル基、及び/または、アルキニル基を1つ以上有する事が好ましい。置換基として炭素数が5つ以上の、アルキル基、アルケニル基、および/又は、アルキニル基を有する場合、低極性被着体に対する密着性を向上させることができ、さらに、アクリル重合体(A)との相溶性が向上する。
以上述べたステロイド骨格を有する化合物(C)の具体例としては、
デスオキシコルチコステロン11−デヒドロコルチコステロン、などの第一級単官能水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物、
コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、テストステロン、エストロン、ジギトキシゲニン、デヒドロエピアンドロステロン、コプロスタノール、プレグネノロン、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロール、安息香酸エストラジオール、チゴゲニン、ヘコゲニン、などの第二級単官能水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物、
メタンジエノン、酢酸コルチゾン、ステノロン、などの第三級単官能水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物、
1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオン、4−アンドロステン−3,17−ジオン、デオキシコルチコステロンアセタート、酢酸コレステロール、(22E)−スチグマスタ−5,22−ジエン−3β−オールアセタート、プロゲステロン、酢酸20−オキソプレグナ−5,16−ジエン−3β−イル、4−アンドロステン−3,11,17−ト
リオン、5α−アンドロスタン、コレスタン、プレグナン、エストラン、などの水酸基を有さないステロイド骨格を有する化合物、
β−エストラジオール、α−エストラジオール、ボランジオール、メチルアンドロステンジオール、コルチゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、アルドステロン、18−ヒドロキシコルチコステロン、4−アンドロステン−11α, 17β−ジオール−3−オン、4−アンドロステン−16α,17β−ジオール−3−オン、ヒオデオキシコール酸、ソラニン、などの多官能水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物、などが挙げられる。
これらの内、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、コプロスタノール、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロール、酢酸コレステロール、(22E)−スチグマスタ−5,22−ジエン−3β−オールアセタート、が好ましく、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、コプロスタノール、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロール、がより好ましく、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノールが特に好ましい。
これらのステロイド骨格を有する化合物(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<<実施態様1(ラベル用粘着剤)>>
粘着剤組成物中の、ステロイド骨格を有する化合物(C)の含有量は、アクリル重合体(A)100質量部に対してステロイド骨格を有する化合物(C)を0.5〜20質量部含んでいることが好ましく、より好ましくは0.8〜10質量部であり、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。ステロイド骨格を有する化合物(C)の含有量が上記範囲にあることによって、低極性被着体に対する良好な曲面密着性を得ることができる。
また、粘着剤組成物中のステロイド骨格を有する化合物(C)の含有量は、粘着剤組成物100質量部に対して、ステロイド骨格を有する化合物(C)を0.2〜13質量部含むことが好ましく、より好ましくは0.4〜6.0質量部であり、さらに好ましくは、0.6〜4.0質量部である。
<<実施態様2(自動車用粘着剤)>>
粘着剤組成物中の、ステロイド骨格を有する化合物(C)の含有量は、アクリル重合体(A)100質量部に対してステロイド骨格を有する化合物(C)を0.5〜20質量部含んでいることが好ましく、より好ましくは2.0〜13質量部である。ステロイド骨格を有する化合物(C)の含有量が上記範囲にあることによって、低極性被着体に対する良好な定荷重剥離性を得ることができる。
また、粘着剤組成物中のステロイド骨格を有する化合物(C)の含有量は、粘着剤組成物100質量部に対して、ステロイド骨格を有する化合物(C)を0.2〜13質量部含むことが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0質量部である。
<アクリル重合体(A)>
本明細書でいうアクリル重合体(A)とは、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体や共重合体を意味し、水酸基および/又はカルボキシル基を有するアクリル重合体を意味する。ここで、「(メタ)アクリル酸エステルモノマー」とは、「アクリル酸エステルモノマー」と「メタクリル酸エステルモノマー」の総称を指す。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの内、特にブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが適度な粘着物性を得やすいという点と、重量平均分子量の比較的大きいアクリル重合体を容易に製造できる点で好ましい。
アクリル重合体(A)は、後述する多官能イソシアネート化合物(B)が有するイソシアナト基と反応し得る水酸基および/又はカルボキシル基を有する。したがって、(メタ)アクリル酸エステルモノマー以外に、水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーおよび/又は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーを共に重合させて得られるアクリル重合体(A)を使用する。
水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和結合を有するカルボン酸などが挙げられる。
又、上記以外に、粘着物性を損なわない範囲で、他の官能基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。他の官能基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、アミノ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー、イソシアナト基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー等を挙げることができる。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの、モノアルキルアミノエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
イソシアナト基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
又、上記以外のモノマーとして、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなども、エチレン性不飽和結合を有するモノマーとして使用することができる。
上記のエチレン性不飽和結合を有するモノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル重合体(A)を構成するモノマーは、アクリル重合体(A)を構成する全モノマー100質量%中、水酸基および/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーの割合が0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な粘着物性を得ることができる。20質量%以下であると、ガラス転移温度の増加を抑制でき、良好な粘着物性を得ることができる。
アクリル重合体(A)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値で、30万〜150万が好ましく、40万〜100万がより好ましい。重量平均分子量が30万以上であると、十分な凝集力および耐久性を得ることができる。重量平均分子量が150万以下であると、粘度の増加を抑制でき、良好な塗工適性を得ることができる。
また、アクリル重合体(A)のガラス転移温度は、粘着シートにした場合に、バランスの良い粘着物性(特に、タックと凝集力の両立)を発揮し得るように、−60〜0℃が好ましく、−50〜−10℃がより好ましい。ガラス転移温度が−60℃以上であると、十分な凝集力が得られ、粘着力や耐久性を高める事ができる。ガラス転移温度が0℃以下であると、十分な濡れ性が得られ、粘着力を高める事ができる。
アクリル重合体(A)は、上記のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを、重合させて得ることができる。重合は、公知の重合方法で行うことができ、溶液中または無溶剤下で重合させることが可能である。
使用する溶剤としては、例えば、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロパノールなどが挙げられる。これらの溶剤は、特に制限されないが1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、アクリル重合体(A)の分子量を調節する目的で、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン、α−ピネン、β−ピネン等が挙げられる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン、α−ピネン、β−ピネンなどが、得られる重合体が低臭気となる点で好ましい。連鎖移動剤の使用量は、アクリル重合体(A)を構成する全モノマー100質量%中、3質量%以下であることが好ましい。
重合する際に使用される重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物や、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニト
リル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などのアゾ系化合物が挙げられる。
これらの重合開始剤は、特に制限されないが1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<多官能イソシアネート化合物(B)>
多官能イソシアネート化合物(B)は、アクリル重合体(A)中の水酸基および/又はカルボキシル基と架橋反応することで、ネットワーク状の架橋構造を形成し、粘着剤として利用するための高弾性や、基材密着性を付与する目的で使用される。多官能イソシアネート化合物(B)は、アクリル重合体(A)の水酸基および/又はカルボキシル基と架橋構造を形成し得るものであれば良く、特に制限されないが、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネートおよび脂環族イソシアネートから選ばれる少なくとも1種の化合物、またはこれらの化合物の変性体などが挙げられる。
芳香族系イソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン(別名:XDI、m−キシリレンジイソシアネート)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン(別名:p−キシリレンジイソシアネート)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族系イソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族系イソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI、イソホロンジイソシアネート)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
また、イソシアネート化合物の中でも、十分な架橋構造を形成するという理由で、3官能以上のイソシアネート化合物が好ましく、具体的には、上記イソシアネートのビュレット体、ヌレート体、及び、アダクト体である3官能イソシアネート化合物などが挙げられる。
ビュレット体とは、上記1分子中にイソシアナト基を2つ以上有するポリイソシアネートモノマーが自己縮合してなる、ビュレット結合を有する自己縮合物をいい、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(スミジュールN−75、住化バイエルウレタン社製;デュラネート 24A−90CX、旭化成ケミカルズ社製)などが挙げられる。
ヌレート体とは、上記1分子中にイソシアナト基を2つ以上有するポリイソシアネートモノマーの3量体をいい、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(スミジュールN−3300、住化バイエルウレタン社製)、イソホロンジイソシアネートの3量体(デスモジュールZ−4370、住化バイエルウレタン社製)、トリレンジイソシアネートの3量体(コロネート 2030、日本ポリウレタン社製)などが挙げられる。
アダクト体とは、上記1分子中にイソシアナト基を2つ以上有するポリイソシアネートモノマーと2官能以上の低分子活性水素含有化合物とを反応させてなる、2官能以上のイソシアネート化合物の総称であり、例えば、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた化合物(タケネートD−160N、三井化学社製)、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとを反応させた化合物(コロネートL、日本ポリウレタン社製;タケネートD−102、三井化学社製)、トリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとを反応させた化合物(タケネートD−110N、三井化学社製)、トリメチロールプロパンとイソホロンジイソシアネートとを反応させた化合物(タケネートD−140N、三井化学社製)、などが挙げられる。
なお、2官能以上の低分子活性水素含有化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族あるいは脂環族ジオール類;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させてなるビスフェノール類等の芳香族ジオール類;
1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールナノデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカンなどのトリメチロール分岐アルカン類;トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,6−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン等の3官能ポリオール類;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール等の4官能以上のポリオール類;トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン等の脂肪族ポリアミン類を挙げることができる。これら2官能以上の低分子活性水素含有化合物は、それぞれを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの多官能イソシアネート化合物(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能イソシアネート化合物(B)の中でも、密着性、耐熱性、及び相溶性などを考慮すると、3官能イソシアネート化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、がより好ましく、更にはトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体や、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が好ましい。
本発明に使用する多官能イソシアネート化合物(B)の使用量は、
ラベル用粘着剤の場合には、多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアナト基と、アクリル重合体(A)中の水酸基および/又はカルボキシル基、ステロイド骨格を有する化合物(C)中の水酸基の合計のモル数の比(イソシアナト基/水酸基およびカルボキシル基)が、0.05〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8である。0.05以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な粘着力や耐熱性を得ることができ、1.5以下であると架橋度が高くなり過ぎることによる過剰な凝集力を抑制でき、被着体に対する良好な密着性を得ることができる。
自動車用粘着剤の場合には、多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアナト基と、アクリル重合体(A)中の水酸基および/又はカルボキシル基、ステロイド骨格を有する化合物(C)中の水酸基、および後述する粘着付与剤中の水酸基の合計のモル数の比(イソシアナト基/(水酸基および/又はカルボキシル基))が、0.05〜3.0であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2.0である。0.05以上であると、十分な架橋が形成され、高い凝集力と良好な定荷重剥離性や耐熱性を得ることができ、3.0以下であると架橋度が高くなり過ぎることによる過剰な凝集力を抑制でき、被着体に対する良好な密着性を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、更に、粘着付与剤、触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、充填剤、消泡剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
粘着付与剤としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン、及びそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)、アクリル樹脂など既存の全てのものが使用可能である。粘着付与剤の使用量としては、アクリル重合体(A)100質量部に対して、粘着付与剤を0〜60質量部含んでいることが好ましく、より好ましくは10〜30質量部である。粘着付与剤の含有量が上記範囲にあることによって、十分な粘着力を得ることができる。
粘着付与剤として用いることができるアクリル樹脂としては、アクリル重合体(A)以外であれば特に限定されないが、アクリル重合体(A)との相溶性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合することによって得られる、重量平均分子量が50,000以下のアクリル樹脂であることが好ましい。
触媒としては、粘着剤組成物の硬化時間を調節する目的で使用されるが、公知のものであれば特に制限はなく、例えば、第三級アミンや、有機金属化合物等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−シクロヘキシルモルフォリン、N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルブタンジアミンもしくはN、N、N’、N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、1、4、−ジメチルピペラジン、1、2−ジメチルイミダゾール、1−アゾビシクロ[3.3.0]オクタン、1、4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアルカノールアミン化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸スズ(II)、スズ(II)オクトエイト、スズ(II)エチルヘキサノエート、スズ(II)ラウレート等の有機カルボン酸スズ(II)塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズラウレート等の有機カルボン酸ジアルキルスズ(IV)塩、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンブトキシドダイマー、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド等のアルコキシド有機チタン化合物、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニウムジ-2-エチルヘキソキシビス(2-エチル-3-ヒドロキシヘキソキ
シド)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等の溶剤系キレート有機チタン化合物、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテート等の水系キレート有機チタン化合物などが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物に触媒を使用する場合は、粘着剤組成物のポットライフを向上させるために、アセチルアセトン等の公知の触媒作用抑制剤を使用することができる。
<粘着シート>
本発明の粘着剤組成物を使用して、粘着剤層が基材に積層された積層体(以下、「粘着シート」という。)を得ることができる。
粘着シートの基材としては、公知の粘着シート用基材を使用することができ、例えば、紙、金属フィルム、セロハン、各種プラスチックフィルム等のフィルム状基材、および、それらのフィルム状基材の表面をシリコーン化合物やフッ素化合物で剥離処理した剥離性フィルム基材や、綿、麻、レーヨン、もしくはポリエステルと綿、麻またはレーヨンとの混紡からなる織布、レザー、発泡体等が挙げられる。これらの粘着シートの基材は、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層のものであってもよい。
各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリヒドロキシエテンフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエテンテレフタレートやポリブテンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、プロペン酸系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリエテニルベンゼン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、オキシラン系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
発泡体としては、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリウレタン発泡体等の各種プラスチック発泡体、天然ゴム発泡体、スチレン−ブタジエンゴム発泡体、プロロプレンゴム発泡体、アクリロニトリウ−ブタジエンゴム発泡体等の各種ゴム系発泡体等が挙げられる。
粘着シートの積層構成としては、例えば、フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材のような片面粘着シート、あるいは剥離性フィルム基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材や、剥離性フィルム基材/粘着剤層/フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルム基材のような両面粘着シートが挙げられ、使用時に、片面あるいは両面の剥離性フィルム基材が剥がされ、粘着剤層が被着体に貼付される。
粘着シートは、公知の積層法によって、剥離性フィルム基材に粘着剤組成物を塗工して作成される。粘着剤組成物が、有機溶媒や水等の揮発性液体を含有する場合には、加熱等の方法により揮発性液体を除去する。一方、粘着剤組成物が揮発性液体を含有しない場合は、溶融状態にある粘着剤組成物を基材へ塗布した後、冷却して固化することで、基材上に粘着剤層を形成することができる。
粘着剤層の膜厚は、乾燥後で、1μm〜120μmの範囲であることが好ましく、ラベル用粘着剤の場合には、1μm〜50μmの範囲であることがより好ましく、自動車用粘着剤の場合には、10μm〜90μmの範囲であることがより好ましい。
本発明の粘着剤組成物を剥離性フィルム基材等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工機により塗工する事ができる。
塗工した粘着剤組成物を乾燥させる場合、乾燥方法には特に制限はなく、熱風、赤外線、減圧による方法が挙げられる。乾燥条件としては、粘着剤組成物の架橋形態、膜厚や含有する揮発性液体の種類にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風による方法がよい。
上記の方法により得られた粘着シートは、各被着体に対して良好な粘着力を示すため、ラベルシール、両面テープ、キャストテープ、マスキングテープ、フォームテープ等の用途に使用することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
<不揮発分の測定>
試料溶液約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分(不揮発分濃度)とした。
<分子量(Mn、Mw)の測定>
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定機器として、東ソー社製GPC「HPC−8020」を用いた。カラムは、東ソー社製Super HM−MおよびSuper HM−Lを直列に2本連結したものを用いた。溶媒(溶離液)としてテトラヒドロフラン(THF)を使用して、40℃にて測定した。尚、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、いずれもポリスチレンを標準とした換算値とした。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)による測定により決定した。ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。各合成例で得られたアクリル重合体の溶液を、ポリエステル製の剥離性フィルム基材に塗工・乾燥し、乾燥したものを測定用試料として用いた。測定用試料10mgを上記示差走査熱量計にセットし、100℃の温度で5分間保持した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷した。その後、昇温速度10℃/分で昇温し、200℃まで昇温してDSC測定を行った。得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg)(単位:℃)を決定した。
<酸価(AV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した後、0.1N−アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。酸価(単位:mgKOH/g)は次式により求めた。尚、酸価は乾燥した試料の数値とした。
酸価={(5.61×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
S:試料の採取量(g)
a:0.1N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1N−アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料1gを精密に量り採り、ピリジンを100ml加えて溶解した。更に、アセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、1時間攪拌した後、0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液にて滴定した。水酸基価(単位:mgKOH/g)は次式により求めた。水酸基価は乾燥した試料の数値とした。
水酸基価=[{(b−a)×F×28.05}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
S:試料の採取量(g)
a:0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.5N−アルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
D:酸価(mgKOH/g)
<イソシアナト価(NCO価)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料10gを精密に量り採り、オルトジクロロベンゼン25ml、ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン(質量比:ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン=1/24.8)混合液10mlを加えて溶解した。この溶液に、メタノール80g、ブロムフェノールブルー試薬を指示薬として加え、0.1Nアルコール性塩酸溶液で滴定した。溶液が黄緑色を呈して30秒間以上保持したところを終点とした。NCO価(単位:%)は次式により求めた。
NCO価=[0.42×(B−C)×F]/W
W:試料の採取量(g)
B:試料滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
C:空試験の滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性塩酸溶液のファクター
実施例および比較例で使用した材料と略号を、以下に記す。
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
nBA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
Vac:酢酸ビニル
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
IBXA:イソボルニルアクリレート
<連鎖移動剤>
1−メチル−4 −イソプロピリデン−1−シクロヘキセン
チオグリコール酸−2−エチルヘキシル
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート:製品名 パーブチルO(日油社製)
ベンゾイルパーオキサイド:製品名 ナイパーBW(日油社製)
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル):製品名 V−60(和光純薬工業社製)
<イソシアネート化合物(B)>
XDI−TMP:m−キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=7.7%、不揮発分=50%
TDI−TMP:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアナト基数=3、NCO価=6.5%、不揮発分=37.5%
<粘着付与剤>
S−100:不均化ロジンエステル(荒川化学工業社製:製品名 スーパーエステルS−100、水酸基価5.0)
YSポリスターT100:テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製:製品名 YSポリスターT100)
KE−359:水素化ロジンエステル、(荒川化学工業社製:製品名 パインクリスタルKE−359、水酸基価43.9)
D−125:重合ロジンエステル(荒川化学工業社製:製品名 ペンセルD−125、水酸基価32.5)
<アクリル重合体(A)の合成>
(合成例1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置を用意した。反応槽及び滴下槽に、下記に示すモノマー、溶剤、及び重合開始剤からなるモノマー混合物を、下記比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、80℃まで昇温した。次に、滴下槽のモノマー混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌しながら3時間反応させた。さらに重合開始剤を後添加し、3時間反応させた。反応後、下記に示す希釈溶剤を添加し、室温まで冷却し、アクリル重合体(A)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は470,000、ガラス転移温度は−33℃、不揮発分は50%であった。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
nBA 38.0部
MMA 5.0部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.35部
(上記以外のエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
Vac 4.0部
<溶剤>
酢酸エチル 33.8部
トルエン 0.9部
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.071部
[滴下槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
(アクリル酸エステルモノマー)
nBA 52.1部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.35部
<溶剤>
酢酸エチル 39.7部
トルエン 1.1部
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.071部
[後添加]
<重合開始剤>
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.12部
[希釈溶剤]
酢酸エチル 21.5部
トルエン 2.9部
(合成例2)
モノマー、溶剤、重合開始剤の種類と配合量を下記に変更した以外は、合成例1と同様の方法で、アクリル重合体(A)を含む溶液を得た。得られたアクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は520,000、ガラス転移温度は−43℃、不揮発分は45%であった。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
nBA 25.5部
2EHA 6.6部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.03部
(カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
AA 1.0部
<溶剤>
酢酸エチル 37.3部
<連鎖移動剤>
1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン 0.025部
<重合開始剤>
ベンゾイルパーオキサイド 0.088部
[滴下槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
(アクリル酸エステルモノマー)
nBA 51.0部
2EHA 13.3部
(水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
2HEA 0.07部
(カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマー)
AA 2.0部
<溶剤>
酢酸エチル 44.4部
<連鎖移動剤>
1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン 0.025部
<重合開始剤>
ベンゾイルパーオキサイド 0.177部
[後添加]
<重合開始剤>
ベンゾイルパーオキサイド 0.068部
tert−ブチル−2−エチルペルオキシヘキサノアート 0.102部
[希釈溶剤]
酢酸エチル 40.5部
<粘着付与剤の合成>
(合成例3)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、窒素導入管を備えた重合反応装置を用意した。反応槽及び滴下槽に、下記に示すモノマー、溶剤、連鎖移動剤、及び重合開始剤からなるモノマー混合物を、下記比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、80℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。さらに重合開始剤を後添加し、4時間反応させた。反応後、下記に示す希釈溶剤を添加し、室温まで冷却し、粘着付与剤を含む溶液を得た。得られた粘着付与剤の重量平均分子量(Mw)は3,300、ガラス転移温度は60℃、不揮発分は70%であった。
[反応槽]
<エチレン性不飽和結合を有するモノマー>
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
IBXA 100部
<溶剤>
酢酸エチル 27.7部
<連鎖移動剤>
チオグリコール酸−2−エチルヘキシル 10.8部
<重合開始剤>
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル) 0.12部
[後添加]
<重合開始剤>
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル) 0.04部
[希釈溶剤]
酢酸エチル 10.6部

<<実施態様1(ラベル用粘着剤)>>
(実施例1−1)
<粘着剤組成物の製造>
合成例1で得られたアクリル重合体(A)100部に対し、多官能イソシアネート化合物(B)としてXDI−TMPを1.0部、ステロイド骨格を有する化合物(C)としてコレステロールを2.0部、粘着付与剤としてS−100を20部それぞれ不揮発分換算で均一配合して粘着剤組成物を得た。
<粘着シートの製造>
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材[リンテック社製「SP−PET382050」、以下「剥離性フィルム基材」という]の剥離処理面上に、コンマコーターにて乾燥後の厚みが25μmになるように速度2m/分で塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。この粘着剤層面と厚さ50μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5100」)を張り合わせて、粘着シートを形成した。得られた粘着シートを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、1週間エージングさせて、粘着シートを得た。
(実施例1−2〜1−12)
アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、ステロイド骨格を有する化合物(C)、粘着付与剤を、表1に示すものに変更した以外は、実施例1−1と同様の方法で、それぞれ粘着剤組成物と粘着シートを得た。
(比較例1−1〜1−5)
アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、ステロイド骨格を有する化合物(C)、粘着付与剤を、表2に示すものに変更した以外は、実施例1−1と同様の方法で、それぞれ粘着剤組成物と粘着シートを得た。

<<実施態様2(自動車用粘着剤)>>
(実施例2−1)
<粘着剤組成物の製造>
合成例2で得られたアクリル重合体(A)100部に対し、多官能イソシアネート化合物(B)としてTDI−TMPを7.3部、ステロイド骨格を有する化合物(C)としてコレステロールを3.0部、粘着付与剤としてKE−359を10部、D−125を15部それぞれ不揮発分換算で配合して粘着剤組成物を得た。
<粘着シートの製造>
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性フィルム基材[リンテック社製「SP−PET382050」]の剥離処理面上に、コンマコーターにて乾燥後の厚みが65μmになるように速度2m/分で塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。この粘着剤層面と厚さ50μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5100」)を張り合わせて、粘着シートを形成した。得られた粘着シートを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、1週間エージングさせて、粘着シートを得た。
(実施例2−2〜2−14)
アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、ステロイド骨格を有する化合物(C)、粘着付与剤を、表3に示すものに変更した以外は、実施例2−1と同様の方法で、それぞれ粘着剤組成物と粘着シートを得た。
(比較例2−1〜2−4)
アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、ステロイド骨格を有する化合物(C)、粘着付与剤を、表4に示すものに変更した以外は、実施例2−1と同様の方法で、それぞれ粘着剤組成物と粘着シートを得た。
<評価>
上記実施例および比較例で得られた粘着剤組成物および粘着シートについて、下記の方法で評価を行った。結果を表1〜4に示す。
<<実施態様1(ラベル用粘着剤)>>
(PP粘着力)
JIS Z 0237に準じて、粘着力を測定した。得られた粘着シートを25mm幅にカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でポリプロピレン板(山宗社製「コウベポリシートPP」)に貼着し、2kgロールにて1往復させ圧着後、同環境下に24時間放置した後に、同環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、引っ張り速度300mm/分で180度方向に剥離した際の剥離強度を測定した。
14N/25mmを超える:実用上優れる。
10N〜14N/25mm:実用域。
10N/25mm未満:実用不可。
(PP曲面密着性)
得られた粘着シートを25mm×25mmに試験片をカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の環境下で直径10mmのポリプロピレン(山宗社製「コウベポリシートPP」)の棒に貼着、圧着後に、同環境下で3日放置した後の試験片端部の浮き、剥がれ、および、温度80℃の環境下で1日間放置した後の試験片端部の浮き、剥がれをそれぞれ測定し、3段階で評価した。
○:試験片の浮き、剥がれがない、又は浮きが1mm未満。実用上優れる。
△:浮きが1mm〜3mm。実用域。
×:浮きが3mmを超えている、又は全体が剥がれている。実用不可。
(塗膜外観)
粘着シートについて、その外観を目視にて観察し、3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
○:無色透明である。実用上優れる。
△:僅かに着色しているが、透明性を有する。実用域。
×:白濁している、または凝集物が多数認められる。実用不可。
(保持力)
JIS Z 0237に準じて、保持力を測定した。得られた粘着シートを幅25mm、長さ100mmカットし、縦25mm、横25mmの部分を紙やすり(#280)で研磨したステンレス板(SUS304)の片端に、剥離性フィルム基材を剥がし貼着面積25mm×25mmで貼着して、試験片を作成した。この試験片のステンレス板を、40℃の恒温槽内にて鉛直に吊り下げ、シート片のもう一方の端部に1kgの錘を吊り下げ72000秒間放置した。72000秒以内にシート片が落下したものは、落下するまでの時間を測定し、保持していたものは、初期の貼着部分からのズレの長さを測定し、3段階で評価した。
〇:保持していたものでズレなし。実用上優れる。
△:保持していたものでズレが1mm以内。実用域。
×:保持していたものでズレが1mmを超える、又は落下したもの。実用不可。
<<実施態様2(自動車用粘着剤)>>
(PP粘着力)
JIS Z 0237に準じて、粘着力を測定した。得られた粘着シートを25mm幅にカットし、剥離性フィルム基材を剥がし温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でポリプロピレン板(山宗社製「コウベポリシートPP」)に貼着し、2kgロールにて1往復させ圧着後、同環境下に24時間放置した後に、同環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、引っ張り速度200mm/分で180度方向に剥離した際の剥離強度を測定した。
13N/25mmを超える:実用上優れる
8N〜13N/25mm:実用域
8N/25mm未満:実用不可
(定荷重剥離性)
図1を元に説明する。23℃(相対湿度50%)の雰囲気下で、長さ100mm×幅25mmの粘着シート(2)の長さ80mmの部分を、被着体板(1)であるプロピレン板(山宗社製「コウベポリシートPP」)に貼着した後、2kgロールで2往復圧着し、23℃(相対湿度50%)の雰囲気下で24時間放置した。その後、80℃の雰囲気下で200gの錘(3)を粘着シート(2)の非貼着部に取り付け、被着体板(1)の面に対して垂直方向に荷重を加え、24時間経過後に粘着シートが被着体から剥がれた長さを測定した。完全に剥がれ落ちて長さを測定できない場合には、落下するまでの時間を測定した。図1のA−B間の長さが、剥がれた長さを表す。落下したものより、落下しないものの方が良好である。落下しないものの中では、剥がれた長さが短いものほど良好である。また、落下したものの中では、落下するまでの時間が長いものほど良好である。
A:被着体板に貼付け直後の、被着体板に接着している粘着シートの始点側端部
B:定荷重剥離性試験後の、被着体板に接着している粘着シートの始点側端部
C:被着体板に接着している粘着シートの終点側端部
A−B間の長さ:粘着シートが被着体板から剥がれた長さ
A−C間の長さ:被着体板に貼付け直後の、粘着シートが被着体板に貼り付いている長さ(1):被着体板
(2):粘着シート
(3):錘

Claims (5)

  1. アクリル重合体(A)、多官能イソシアネート化合物(B)およびステロイド骨格を有する化合物(C)を含んでなる粘着剤組成物であって、
    アクリル重合体(A)が、水酸基および/又はカルボキシル基を有するアクリル重合体であり、
    さらに、アクリル重合体(A)を構成する全モノマー100質量%中、水酸基および/又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーの割合が0.1〜20質量%であり、
    アクリル重合体(A)100質量部に対してステロイド骨格を有する化合物(C)を0.1〜20質量部含み、
    多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアナト基と、アクリル重合体(A)中の水酸基および/又はカルボキシル基、ステロイド骨格を有する化合物(C)中の水酸基の合計のモル数の比(イソシアナト基/水酸基およびカルボキシル基)が、0.05〜1.5であることを特徴とする粘着剤組成物(但し、自動車内装材用粘着剤組成物は除く)。
  2. 前記アクリル重合体(A)が、水酸基を有するアクリル重合体である、請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. ステロイド骨格を有する化合物(C)が、水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(C1)であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
  4. ステロイド骨格を有する化合物(C)が、第二級水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(C1−2)であることを特徴とする請求項記載の粘着剤組成物。
  5. シート状基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜いずれか記載の粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層が積層されてなる粘着シート。
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