JP5229421B1 - アルコール溶剤を用いた感圧式接着剤組成物、及びそれを用いてなる感圧式接着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)を98.0〜99.9重量%、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタクリレートモノマー(B)を0.1〜2.0重量%の割合で含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーをアルコール溶剤(C)中でラジカル重合し得られ、ガラス転移温度が−60〜10℃のアクリル重合体(X)と、架橋剤(D)と、を含有する感圧式接着剤組成物であり、モノマー(A)および/またはモノマー(B)が、カルボキシル基、水酸基、およびアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する感圧式接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)を98.0〜99.9重量%、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタクリレートモノマー(B)を0.1〜2.0重量%の割合で含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーをアルコール溶剤(C)中でラジカル重合し得られ、ガラス転移温度が−60〜10℃のアクリル重合体(X)と、
架橋剤(D)と、を含有する感圧式接着剤組成物の製造方法であって、
モノマー(A)および/またはモノマー(B)が、カルボキシル基、水酸基、およびアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、
重合時のアルコール溶剤(C)の使用量が、エチレン性不飽和結合を有するモノマー100重量%に対し20〜50重量%であり、
架橋剤(D)が、エポキシ化合物(D1)、オキサゾリン化合物(D2)、金属キレート化合物(D3)、アルコキシシリル化合物(D4)、アジリジン化合物(D5)、およびカルボジイミド化合物(D6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、
アクリル重合体(X)が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーをエタノール中でラジカル重合することを特徴とする感圧式接着剤組成物の製造方法に関する。
本発明に用いられる感圧性接着剤組成物は、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する主モノマー(A)と、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタアクリレートモノマー(B)とを含有し、更にこれらモノマーをアルコール溶剤(C)中でラジカル重合し得られた、カルボキシル基、水酸基、およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するガラス転移温度が−60〜10℃のアクリル重合体(X)を含有することを特徴とする。なお、本願発明におけるカルボキシル基は、中和されたカルボキシル塩構造をも含む。
まず、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)について説明する。1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとは、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、及び(メタ)アクリレートモノマーを含むエチレン性不飽和モノマーであり、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーの両方を、(メタ)アクリレートモノマーとは、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーの両方を意味する。通常、アクリル重合体を架橋して粘着剤層に耐久性を付与するために、下記で示す架橋剤(D)と反応し得る官能基を有しないエチレン性不飽和モノマーと、架橋剤(D)と反応し得る官能基を有するエチレン性不飽和モノマーとを共重合させてアクリル重合体(X)を得る。
本発明におけるアクリル重合体(X)は、架橋剤(D)が含有する官能基と反応し得る官能基として、カルボキシル基、及び/又は水酸基、及び/又はアルコキシシリル基を有する、すなわち1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)中にカルボキシル基、水酸基、アルコキシシリル基から選ばれる少なくとも1種を有するモノマーを含有することを特徴とする。
≪カルボキシル基を有するモノマー≫
1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)中、架橋剤(D)と反応し得るカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、これらカルボキシル基を有するモノマーを、後述する塩基性化合物(E)等で中和したモノマーを用いてもよい。
次に、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられる。
アルコキシシリル基を含有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物や、ビニル基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられ、(メタ)アクリロキシ基を有するシラン化合物としては、γ−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられ、ビニル基を有するシラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシランなどが挙げられる。
1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)中、架橋剤(D)と反応し得る官能基を有しないエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを挙げることができる。エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物のうち、特にアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが下記で説明するアクリル重合体(X)のガラス転移温度を下げやすく、適度な接着性能を得やすい点で好ましい。
次に、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタアクリレートモノマー(B)について説明する。本発明は、下記で示す重合溶剤であるアルコール溶剤(C)への連鎖移動による分子量の低下を抑制し分子量を上げるため、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタアクリレートモノマー(B)を用いて分岐構造を有した高分子量のアクリル重合体(X)を得ることを特徴とする。
本発明のアクリル重合体(X)について説明する。本発明のアクリル重合体(X)とは、上記で示した(メタ)アクリル酸エステルモノマー、及び(メタ)アクリレートモノマーを含むエチレン性不飽和モノマーと、下記で説明する重合開始剤と、アルコール溶剤(C)とによりラジカル重合を行うことで得られる重合体である。また、重合方法としては、重合反応による発熱が起きにくく、且つ重合時に使用するアルコール溶剤(C)量を少なくすることが可能となり、連鎖移動の低減による安定的に高分子量体が得られるため、滴下方式が好ましい。
次に、アルコール溶剤(C)について説明する。本発明は、アクリル重合体(X)を、エチレン性不飽和モノマーと、ラジカル重合開始剤を用いてアルコール溶剤(C)溶剤中でラジカル重合することを特徴とする。ラジカル重合は、公知の重合方法で行うことができ、本発明に用いるアルコール溶剤(C)としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール等の炭素原子数1〜7の脂肪族アルコール類の他、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類等が挙げられる。なかでも環境負荷、連鎖移動揮発速度が速い面からアクリル重合体(X)を重合する場合に
はエタノール、重合終了後に希釈溶剤として使用する場合にはエタノール、又はイソプロパノールの使用が好ましい。
上記重合開始剤は、特に限定されるものでなく、更に、これら重合開始剤は単独で、または2種以上を適宜混合して用いてもよい。重合温度が使用するアルコール溶剤(C)の沸点にもよるが、60〜90℃の範囲が好ましく、重合時間は5〜12時間が好ましいため、重合開始剤の使用量は、これら重合温度や重合時間、更にはモノマー組成に応じて設定すればよい。
本発明は、アクリル重合体(X)中の架橋剤(D)と反応し得る官能基がカルボキシル基である場合、塩基性化合物(E)によりカルボキシル基を中和したアクリル重合体(X2)も同様に用いることができる。
トルエン、ケトン系溶剤、エステル系溶剤等の場合、塩基性化合物によりカルボキシル基を中和すると、中和により形成させる塩の析出や、粘度の大幅な上昇、及びゲル化、更には塩構造が十分に形成されないといった問題が生じる場合があるが、溶剤にアルコール溶剤(C)を用いることで、中和による上記のような問題は生じず、塩は安定した状態で存在する。
このため、アクリル重合体(X2)を用いることは、下記で説明する架橋剤(D)を加えた際の反応性の制御が可能となり、更なる保存安定性と硬化性の両立が可能となるため、特に好ましい。
塩基性化合物(E)としては、アンモニア、もしくはトリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンなどのアルキルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノールなどのアルコールアミン類、モルホリン等の塩基で中和することができる。その中でも、乾燥後に架橋剤(D)が素早く反応する点で、比較的低沸点のアンモニア、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール等が好ましい。
また、各用途に応じてアクリル重合体(X)の分子量を制御することが好ましい。ラベルや汎用シール等の比較的高い密着性と再剥離性が要求される用途の場合は、凝集力とぬれ性を両立させるため250,000〜600,000が好ましく、表面保護フィルム等の低い密着性が要求される用途の場合は、適度なぬれ性を発現させるため200,000〜250,000が好ましい。
また、分子量同様に、ガラス転移温度も各用途に応じて制御することが好ましい。ラベルやシール等の用途の場合は、凝集力と密着性を付与するため−40〜0℃が好ましく、表面保護フィルム等の用途の場合は、ぬれ性を発現させるため−50℃〜−35℃が好ましい。
次に架橋剤(D)について説明する。架橋剤(D)中の官能基は、アクリル重合体(X)中の反応性官能基と反応しネットワーク状の架橋構造を形成することで高弾性、かつ高い密着性を有すようになる。また、感圧式接着剤の場合、架橋剤を加えてから重合体の反応性官能基、または架橋剤同士との反応を一定の時間抑制する必要がある。従来、架橋剤としてイソシア化合物が多く用いられるが、アルコール溶剤との反応によりウレタン結合が生じてしまい、架橋構造を形成するのは困難である。
よって本発明では、感圧式接着剤組成物中のアクリル重合体(X)に含有される官能基、即ち、アルコキシシリル基、水酸基、カルボキシル基等の反応性官能基と反応し、且つアルコール溶剤(C)と反応しても架橋構造の形成に影響がない架橋剤(D)である必要がある。これらの反応性官能基と反応し得る架橋剤(D)中の官能基としては、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジル基等が挙げられ、例えば、エポキシ化合物(D1)、オキサゾリン化合物(D2)、金属キレート化合物(D3)、アルコキシシリル化合物(D4)、アジリジン化合物(D5)、カルボジイミド化合物(D6)などが挙げられる。
エポキシ化合物(D1)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
オキサゾリン化合物(D2)としては、分子内にオキサゾリン基を2個以上有する化合物が好ましく用いられ、具体的には、2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エテンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エテンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロペンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。または、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンなどのビニル系モノマーとこれらのビニル系モノマーと共重合し得る他のモノマーとの共重合体でもよい。
これらオキサゾリン基含有共重合体としては、(株)日本触媒のエポクロスシリーズが挙げられる。その中でも、WS−500,700はアルコール溶剤との相溶性に優れており好ましい。
金属キレート化合物(D3)としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属が2,4−ペンタンジオンやアセト酢酸エチル、アセチルアセトン等に配位した化合物が挙げられる。これら金属キレート化合物は、アルコールと容易に反応するが、交換反応であるため架橋形成への影響は小さい。
また、金属キレート化合物(D3)を架橋剤として使用する場合、アクリル重合体(X)中の反応性官能基との反応性をより遅延し、塗液中での保存安定性を向上するため、配位性化合物を併用してもよい。
上記配位性化合物としては、アセチルアセトン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、エチレンジアミン四酢酸(別名:EDTA)のようなポリアミノオキシ酸、クエン酸のようなオキシカルボン酸、縮合リン酸等が挙げられる。その中でも、アセチルアセトンはアルコール溶剤に可溶であり、揮発性を有し除去することが容易であるため、好ましい。
アルコキシシリル化合物(D4)としては、具体的には、上記に示したアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和モノマーが同様に使用できる。その他、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、9−デセニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのアミノアルキル基とアルコキシ基とを有するシラン;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトメチルフェニルエチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有する化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、さらにこれらアルコキシランが縮合化したアルコキシシランオリゴマー;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、ジフェニルジメトキシシラン、1, 3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ビニルトリス( 2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
アジリジン化合物(D5)としては、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
カルボジイミド化合物(D6)としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジイミドが使用できる。また、カルボジイミド化合物(D6)は、ジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。 このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、またはこれらの混合物を使用することができる。
このような高分子量ポリカルボジイミドとしては、日清紡績(株)製のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、02、02−2L、04、06は水溶性であるため、アルコール溶剤(C)との相溶性に優れており好ましい。
又、表面保護フィルム等の用途の場合は、0.8〜1.5となる量を使用することが好ましい。0.8未満であると、接着力が高くなり、再剥離性が低下してしまう場合があり、1.5を超えると、多くの架橋剤が未反応のまま存在し、被着体を汚染してしまう場合がある。
本発明の感圧式接着剤組成物には、この他に一般的に感圧式接着剤に使用される粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤、レベリング剤、各種薬剤、重点剤、顔料、染料等の各種添加剤を必要に応じて加えてもよい。これら添加剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよく、添加剤の使用量は、特に限定されるものではない。
層製品(以下、「感圧式接着シート」という。)を得ることができる。
ここで、感圧式接着剤組成物及び感圧式接着シートについて一般的な説明をする。感圧式接着シートの基本的積層構成は、フィルム状基材/感圧式接着剤層/剥離性フィルムのような片面感圧式接着シート、あるいは剥離性フィルム/感圧式接着剤層/フィルム状基材/感圧式接着剤層/剥離性フィルムのような両面感圧式接着シートである。使用時に、剥離性フィルムが剥がされ、感圧式接着剤層が被着体に貼付される。感圧式接着剤組成物は、貼着の際被着体に感圧式接着剤層が触れるその瞬間に感圧式接着剤層がタックを有すのみならず、感圧式接着剤組成物以外の接着剤(以下、単に接着剤という)とは異なり、貼着中も完全に固化することなく、タックと適度な固さを有しつつ、貼着状態を維持するための凝集力を有することが必要である。凝集力は分子量に大きく依存する。
感圧式接着剤層の厚さは、乾燥時膜厚で1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、100μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては感圧式接着剤組成物の架橋形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
また、感圧式接着剤組成物を塗工するに際し、アルコール溶剤を添加して、粘度を調整することもできるし、感圧式接着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。
分子量の測定は、東ソー(株)製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、数平均分子量(Mn)、及び重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。また、カラムは、TSKgel SuperHM−M、およびTSKgel SuperHM−Lを2本連結したものを用いた。
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。各合成例で得られたアクリル重合体の溶液を、ポリエステル製の剥離性フィルムに塗工・乾燥し、乾燥した樹脂を約10mgかきとり、試料としてアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、昇温中に得られたDSCチャートからガラス転移温度(単位:℃)を決定した。
(合成例1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、空気導入管を備えた重合反応装置の反応槽及び滴下槽に、下記、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタクリレートモノマー(B)、アルコール溶剤(C)及び重合開始剤をそれぞれ下記の比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら空気雰囲気下中、80℃まで昇温した。次に滴下槽の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間反応した。反応後、希釈溶剤としてアルコール溶剤33部を加えて、室温まで冷却しアクリル重合体(X−1)を得た。得られたアクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は300,000、ガラス転移温度は−45℃、不揮発分は60%であった。
<モノマー(A)>
((D)と反応し得る官能基を有さないモノマー)
アクリル酸2−エチルヘキシル 10.0部
アクリル酸−ブチル 11.0部
((D)と反応し得る官能基を有するモノマー)
アクリル酸 0.8部
<アルコール溶剤(C)>
エタノール 10.0部
<重合開始剤>
パーロイルL 0.02部
[滴下槽]
<モノマー(A)>
((D)と反応し得る官能基を有さないモノマー)
アクリル酸2−エチルヘキシル 35.0部
アクリル酸−ブチル 40.0部
((D)と反応し得る官能基を有するモノマー)
アクリル酸 2.7部
<モノマー(B)>
EDMA 0.5部
<アルコール溶剤(C)>
エタノール 33.0部
<重合開始剤>
パーロイルL 0.06部
表1の組成で合成例1と同様の合成方法にてアクリル重合体(X−2)〜(X−17)を合成した。
表1の組成で合成例1と同様の方法にてアクリル重合体を合成し、反応後、希釈溶剤として表1に示す量のアルコール溶剤を加え、室温まで冷却した。次に、得られたアクリル重合体中のカルボキシル基のモル数に対して、同モル数となるよう表1に示す量の塩基性化合物(E)を加えてカルボキシル基の中和を行い、アクリル重合体(X2−1)〜(X2−8)を得た。
表1の組成で合成例1と同様の合成方法にてアクリル重合体(Y−1)〜(Y−5)を
合成した。
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、空気導入管を備えた重合反応装置の反応槽に、下記、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタクリレートモノマー(B)、アルコール溶剤(C)及び重合開始剤をそれぞれ下記の比率で仕込み、反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら空気雰囲気下中、80℃まで昇温し7時間反応させた後、室温まで冷却しアクリル重合体(Y−6)を得た。得られたアクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は190,000、ガラス転移温度は−45℃、不揮発分は60%であった。
アクリル酸−ブチル 93.9部
アクリル酸 5.0部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.5部
PEGDA9 0.6部
エタノール 100.0部
カヤエステルO 0.07部
<モノマー(A)>
((D)と反応し得る官能基を有さないモノマー)
2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
BA:アクリル酸ブチル
MA:アクリル酸メチル
M90G:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業(株)製)
V#190:エトキシジエチレングリコールモノアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
VAc:酢酸ビニル
((D)と反応し得る官能基を有するモノマー)
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
2−HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
KBM−5103:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製)
<モノマー(B)>
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
DEDMA:ジエチレングリコールジメタクリレート
PEGDMA4:ポリエチレングリコールジメタクリレート(オキシエチレン=4程度)
PEGDA4:ポリエチレングリコールジアクリレート(オキシエチレン=4程度)
PEGDA9:ポリエチレングリコールジアクリレート(オキシエチレン=9程度)
<アルコール溶剤(C)>
EtOH:エタノール
IPA:イソプロパノール
<重合開始剤>
VA−061:2,2‘−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン] (和光純薬工業(株)製)
パーロイルL:過酸化ジラウロイル(日本油脂(株)製)
カヤエステルO:tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(化薬アクゾ(株)製)
<塩基性化合物(E)>
アンモニア:25%アンモニア水溶液
DMAE:ジメチルアミノエタノール
(実施例1〜37)
アクリル重合体(X−1)〜(X−10)、(X2−1)〜(X2−4)を固形分換算にて表2に従い混合し、それらの固形分の合計100重量部に対し、架橋剤を固形分換算にて表2に従って配合して感圧式接着剤組成物を得た。
アクリル重合体(X−1)、(Y−1)、(Y−6)を固形分換算にて表2に従い混合し、それらの固形分の合計100重量部に対し、架橋剤を固形分換算にて表2に従って配合して感圧式接着剤組成物を得た。
アクリル重合体(X−11)〜(X−17)、(X2−5)〜(X2−8)を固形分換算にて表3に従い混合し、それらの固形分の合計100重量部に対し、架橋剤を固形分換算にて表3に従って配合して感圧式接着剤組成物を得た。
アクリル重合体(Y−4)、(Y−5)を固形分換算にて表3に従い混合し、それらの固形分の合計100重量部に対し、架橋剤を固形分換算にて表3に従って配合して感圧式接着剤組成物を得た。
<架橋剤(D1)>
TGMXDA:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン
<架橋剤(D2)>
WS−500:エポクロスWS−500(オキサゾリン基含有共重合体、(株)日本触媒製)
<架橋剤(D3)>
TA:チタン−テトラアセチルアセトネート
Al−TR:アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート、川研ファインケミカル(株)製)
<架橋剤(D4)>
KBE−04:テトラエトキシシラン
<架橋剤(D5)>
PZ−33:ケミタイトPZ−33(2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、(株)日本触媒製)
<架橋剤(D6)>
V−04:カルボジライトV−04(水溶性高分子量ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル(株)製)
V−05:カルボジライトV−05(油溶性高分子量ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル(株)製)
<その他の架橋剤>
TDI/TMP:トリレンジイソシアネートトリメトロールプロパンアダクト体
HDI/TMP:ヘキサメジレンジイソシネートトリメトロールプロパンアダクト体
IPDI/TMP:イソホロンジイソシアネートトリメトロールプロパンアダクト体
TDI/ヌレート:トリレンジイソシアネートヌレート体
IPDI/ヌレートイソホロンジイソシアネートヌレート体
<添加剤>
AcAc:アセチルアセトン
Sn:ジブチル錫ジラウレート
Mim:1−メチルイミダゾール
(実施例1)
得られた感圧式接着剤組成物(D−1)を、温度25℃で1時間放置した後、ポリエステル製の剥離性フィルム(以下、「剥離性フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、この感圧式接着層面とポリエステルフィルムを張り合わせて、感圧式接着シートを形成した。得られた感圧式接着シートを、温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、感圧式接着剤層の反応を進行させ、感圧式接着シート(SA−1)を得た。
また、感圧式接着剤組成物(D−1)を、温度25℃で8時間放置した後、同様にして、感圧式接着シート(SB−1)を得た。
表2、および表3に示す感圧式接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着シート(SA−2〜87)および(SB−2〜87)を得た。
実施例および比較例で得られた、感圧式接着剤組成物および感圧式接着シートについて、下記の方法で評価を行った。結果を表4および表5示す。
(塗液保存安定性の測定)
得られた感圧式接着剤組成物について、架橋剤(D)添加後、25℃における粘度を1時間おきに24時間後まで、B型粘度計(東京計器社製)を用い、12rpm、1分間回転の条件で測定し、保存安定性を4段階で評価した。
◎:24時間までの粘度上昇率が1.5倍未満。非常に良好。問題なし。
○:8時間までの粘度上昇率が1.5倍未満。問題なし。
△:5時間までの粘度上昇率が1.5倍未満。実用上使用可。
×:5時間未満でゲル化。実用上問題あり。
得られた感圧式接着剤を、剥離性フィルムにコンマコーターにて速度2m/minで塗工し、100℃オーブンにて乾燥し、厚みが25μmの感圧式接着層を形成し、接着層の表面に厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせ、感圧式接着フィルムを作製した。そして剥離フィルムを剥がした後の接着層表面(塗工面)の状態について目視にて観察し、3段階で評価した。
○:平滑な塗工面で、全く問題なし。
△:塗工面の端部に若干のハジキや発泡が認められるが、実用上問題無し。
×:塗工面にハジキ、発泡やスジ引きが認められ、実用上問題あり。
(シート外観の測定)
感圧式接着剤シート(SA−1〜87)について、その外観を目視にて観察し、3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
○:無色透明なもの。実用上全く問題無し。
△:着色、凝集物が数点見られるもの。実用上問題無し。
×:白濁のもの、凝集物が多数見られるもの。実用上問題あり。
感圧式接着シート(SA−1〜87)を厚さ25μm、30mm×80mmのサイズに裁断し、金属製メッシュに包み粘着剤層のみの重さを精密天秤にて秤量した。このときの重さをM1とする。ソックスレー(抽出器)を用いて酢酸エチル溶剤に粘着剤層を浸漬させ、還流を行い16時間処理した。その後粘着剤層をとり出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下、24時間で風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後の粘着剤層のみの重さを精密天秤にて秤量した。このときの重さをM2とし、
(M2/M1)×100(%)・・・(P)
により、初期の硬化性を算出し、3段階で評価した。
○:硬化性が40%以上
△:硬化性が20%以上40%未満
×:硬化性が20%未満
感圧式接着シート(SB−1〜87)を厚さ25μm、30mm×80mmのサイズに裁断し、金属製メッシュに包み粘着剤層のみの重さを精密天秤にて秤量した。このときの重さをM3とする。ソックスレー(抽出器)を用いて酢酸エチル溶剤に粘着剤層を浸漬させ、還流を行い16時間処理した。その後粘着剤層をとり出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下、24時間で風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後の粘着剤層のみの重さを精密天秤にて秤量した。このときの重さをM4とし、
(M4/M3)×100(%)・・・(Q)
により経時の硬化性を算出した。初期の硬化性からの変化率を、
(1−(Q)/(P))×100(%)
の式(値は絶対値)より算出し、3段階で評価した。
○:変化率が15%未満
△:変化率が15%以上30%未満
×:変化率が30%以上
温度23℃相対湿度50%の条件で感圧式接着シート(SA−1〜87)を熟成する際、熟成日数毎で上記(初期の硬化性)評価と同様の方法にて(P)を算出し、前日との(P)の変化率が3%未満であった場合に硬化完了とみなし、硬化完了までにかかった熟成日数を3段階で評価した。
○:熟成日数が3日未満。実用上問題無し
△:熟成日数が3日以上8日未満。実用上問題無し
×:熟成日数が8日以上。実用上問題あり
JIS Z 0237に準じて、得られた感圧式接着シート(SA−1〜87)を25mm幅にカットし、剥離フィルムを剥がして露出した感圧式接着剤層の面を各被着体に貼着し、これを180度方向に引き剥がす時の抵抗力を測定した。測定は温度25℃、相対湿度50%の室内で行い、引っ張り速度300mm/minで測定した。接着力の測定は、各被着体(ステンレス(SUS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE))に貼着後、温度25℃、相対湿度50%の室内に24時間放置した後に測定を行う永久接着力で測定した。
JIS Z 0237に準じて、得られた感圧式接着シート(SA−1〜87)を25mm幅にカットし、剥離フィルムを剥がして露出した感圧式接着剤層の面を被着体(ステンレス(SUS))に貼着し、これを180度方向に引き剥がした時の剥離状態を目視にて観察し、2段階で評価した。測定は温度25℃、相対湿度50%の室内で行い、引っ張り速度300mm/minで測定した。永久接着力で測定した。
○:剥離状態が界面より剥離し、被着体への糊残りがない。実用上問題なし。
×:剥離状態が凝集破壊により剥離している、又は界面より剥離しているが、被着体が曇る等の汚染が見られる。実用上問題あり。
JIS Z 0237に準じて、得られた感圧式接着シート(SB−1〜87)を25mm幅にカットし、剥離フィルムを剥がして露出した感圧式接着剤層の面を各被着体に貼着し、これを180度方向に引き剥がす時の抵抗力を測定した。測定は温度25℃、相対湿度50%の室内で行い、引っ張り速度300mm/minで測定した。接着力の測定は、被着体ステンレス(SUS)に貼着後、温度25℃、相対湿度50%の室内に24時間放置した後に測定を行う永久接着力(T)で測定した。初期の接着力(S)からの変化率を、
(1−(T)/(S))×100(%)
の式(値は絶対値)より算出し、3段階で評価した。
○:変化率が25%未満
△:変化率が25%以上50%未満
×:変化率が50%以上
JIS Z 0237に準じて、保持力の測定を行った。得られた感圧式接着シート(SA−1〜87)を幅25mm、長さ150mmカットし、そのシートの片端をSUS板の片端に、貼着面積25mm×25mmで貼着して、試験片を作成した。この試験片のステンレス板を、40℃の恒温槽内に鉛直に吊り下げて、シート片のもう一方の端部に1kgの錘を吊り下げて72000秒間放置した。72000秒以内にシート片が脱落したものは、その脱落するまでの時間を測定し、脱落していないものは、初期の貼着部分からのズレの長さを測定した。
保持していたもので、ズレの長さ0.5mm以内:実用上問題なし。
保持していたもので、ズレの長さ0.5mmを超えるもの:実用上問題あり。
落下したもの:実用上問題あり
一方、合成例27、28のアクリル重合体では重合の際にゲル化が生じ、感圧式接着シートを製造するまで至らなかった。また、比較例1〜39の感圧式接着剤組成物及び感圧式接着シートでは架橋剤配合直後のゲル化の発生やシート外観の不良が見られたり、硬化性の経時での変化が見られるなど、満足する物性は得られなかった。
Claims (8)
- 1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー(A)を98.0〜99.9重量%、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するメタクリレートモノマー(B)を0.1〜2.0重量%の割合で含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーをアルコール溶剤(C)中でラジカル重合し得られ、ガラス転移温度が−60〜10℃のアクリル重合体(X)と、
架橋剤(D)と、を含有する感圧式接着剤組成物の製造方法であって、
モノマー(A)および/またはモノマー(B)が、カルボキシル基、水酸基、およびアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、
重合時のアルコール溶剤(C)の使用量が、エチレン性不飽和結合を有するモノマー100重量%に対し20〜50重量%であり、
架橋剤(D)が、エポキシ化合物(D1)、オキサゾリン化合物(D2)、金属キレート化合物(D3)、アルコキシシリル化合物(D4)、アジリジン化合物(D5)、およびカルボジイミド化合物(D6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、
アクリル重合体(X)が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーをエタノール中でラジカル重合することを特徴とする感圧式接着剤組成物の製造方法。 - モノマー(A)および/またはモノマー(B)が、カルボキシル基および/またはアルコキシシリル基を有することを特徴とする請求項1記載の感圧式接着剤組成物の製造方法。
- 架橋剤(D)が、エポキシ化合物(D1)、アジリジン化合物(D5)、およびカルボジイミド化合物(D6)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項1または2記載の感圧式接着剤組成物の製造方法。
- モノマー(A)および/またはモノマー(B)が、カルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感圧式接着剤組成物の製造方法。
- カルボキシル基が、塩基性化合物(E)により中和されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の感圧式接着剤組成物の製造方法。
- アクリル重合体(X)の重量平均分子量(Mw)が200,000〜600,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、3.0〜8.0であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の感圧式接着剤組成物の製造方法。
- アクリル重合体(X)が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを滴下方式でラジカル重合することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の感圧式接着剤組成物の製造方法。
- 請求項1〜7いずれか記載の感圧式接着剤組成物の製造方法から得られる感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着層がシート状基材の片面もしくは両面に積層された感圧式接着シート。
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