JP6540049B2 - 樹脂組成物およびその製造方法、粘着剤、粘着シート - Google Patents
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Description
また、本発明は、ラジカル重合開始剤が、有機過酸化物またはアゾ系化合物である上記樹脂組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、樹脂組成物が粘着剤用である上記樹脂組成物の製造方法に関する。
第1工程は二重結合を有するモノマー(A)を重合反応させてポリマー(B)を得る工程であり、特に制限はなく、公知のラジカル重合反応によってポリマー(B)を得ることができる。反応は無溶剤でも構わないが、粘着剤に用いる場合はハンドリングの観点から後述する溶剤を使用することが好ましい。反応は、熱重合のようにラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」と略記することがある)を用いなくても構わないが、分子量制御の観点から後述するラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。その他、連鎖移動剤等の公知の添加剤を用いてもよい。
二重結合を有するモノマー(A)(以下、「モノマー(A)」と略記することがある)は、少なくとも(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル(A1)を含むが、ラジカル重合反応できるものであれば特に制限はなく、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル(A1)以外のモノマーを含んでもよい。モノマー(A)の代表的なものとしては、アクリロイル基、メタアクリロイル基、ビニルエーテル基、ビニル基等のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも一つ有するモノマーが挙げられる。モノマー(A)は、同一分子内にエチレン性不飽和二重結合を複数有していても良い。また、後述する架橋剤を用いて粘着剤の形態で使用する場合には、架橋剤と反応し得る水酸基やカルボキシル基等の反応性官能基を有するモノマーを一部使用することが好ましい。
本発明では、モノマー(A)として(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル(A1)が含まれる。尚、本明細書中では、アクリル酸とメタクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸、アクリレートとメタクリレートを総称して(メタ)アクリレート、アクリロイルとメタアクリロイルを総称して(メタ)アクリロイルと、それぞれ略記することがある。また、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル(A1)を「モノマー(A1)」と略記することがある。
モノマー(A1)以外の分子内に二重結合を一つ有するモノマー(A)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アミド、カルボン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル等が挙げられる。
ポリマー(B)は、モノマー(A)を重合反応させて得られる。後述する架橋剤を用いて粘着剤の形態で使用する場合には、架橋剤と反応し得る水酸基やカルボキシル基等の反応性官能基を有するモノマーを一部使用して得られるポリマー、すなわち水酸基やカルボキシル基等の反応性官能基を有するポリマー(B)であることが好ましい。
重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイルやt−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエートやt−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物が挙げられる。
溶剤は、ポリマー(B)を溶解しハンドリング性に優れる液体状態で扱う目的で用いる。溶剤は、後述するアルコール(C)を含んでもよく、ポリマー(B)を溶解できる溶剤であり、ラジカル重合反応を著しく阻害するものでなければ特に制限はない。アルコール(C)以外の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベントナフサ、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオクタン、ノルマルデカン等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル系溶剤、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、ブチルカルビトール等のエーテル系溶剤や、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、高分子量のポリマー(B)に対する溶解性が良く、低粘度で沸点が低いと、粘着シート製造時の乾燥が容易になるため好ましい。そのような溶剤としては、分子量200以下、かつ沸点150℃以下であるものが好ましい態様として挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸エチルが好ましい。
第2工程は、第1工程に次いで、アルコール(C)を含有する溶剤中で、多官能ビニルエーテル(D)を混合し、ラジカル重合反応によって未反応のモノマー(A)量を低減する工程である。多官能ビニルエーテル(D)は、ラジカル重合開始剤から生成したラジカルを起点に樹脂組成物中に残存した未反応のモノマー(A)と共に重合反応に供される。
したものが挙げられる。第1工程と第2工程で使用される重合開始剤はそれぞれが同じであっても良いし、異なっていてもよい。また重合開始剤は、第1工程で消費されなかった未開裂の重合開始剤を用いても良いし、第2工程で添加しても良い。
アルコール(C)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の脂肪族アルコールの他、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル等のグリコールモノエーテル等が挙げられる。
なかでも、分子量200以下、かつ沸点150℃以下であるものが好ましい態様として挙げられ、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールが、第二工程で分子量増大することなく未反応モノマー量を低減できるため好ましい。
多官能ビニルエーテル(D)としては、分子内に二つ以上のビニルエーテル基を有する化合物であれば特に制限なく、(メタ)アクリロイル基等のその他の二重結合性官能基や、水酸基またはカルボキシル基等の反応性官能基等を有してもよい。なお、本明細書中では「CH2=CH−O−」で表される基を「ビニルエーテル基」と記載する。
次に、本発明の粘着剤について説明する。本発明の粘着剤とは、本発明の樹脂組成物と下記で説明する架橋剤とを含有するものを意味する。
本発明の粘着剤で使用される架橋剤について説明する。架橋剤は、ポリマー(B)中の水酸基やカルボキシル基等の反応性官能基と架橋反応し、高弾性、かつ高い密着性を示す粘着剤を得る目的で用いられる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属に2,4−ペンタンジオンやアセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が配位した化合物が挙げられる。これら金属キレート化合物は、アルコールと容易に反応するが、交換反応であるため架橋形成への影響は小さい。また、金属キレート化合物を架橋剤として使用する場合、ポリマー(B)中の反応性官能基との反応性をより遅延し、塗液中での保存安定性を向上するため、配位性化合物を併用してもよい。上記配位性化合物としては、アセチルアセトン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、エチレンジアミン四酢酸(別名:EDTA)のようなポリアミノオキシ酸、クエン酸のようなオキシカルボン酸、縮合リン酸等が挙げられる。その中でも、アセチルアセトンはアルコールに可溶であり、揮発性を有し除去することが容易であるため、好ましい。
オキサゾリン化合物としては、分子内にオキサゾリン基を二つ以上有する化合物が好適に用いられ、例えば、2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エテンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エテンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロペンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。または、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンなどのビニル系モノマーと、これらのビニル系モノマーと共重合し得る他のモノマーとの共重合体でもよい。これらオキサゾリン基含有共重合体としては、例えば、(株)日本触媒のエポクロスシリーズ等が挙げられる。その中でも、WS−500,700はアルコール溶剤との相溶性に優れており好ましい。
本発明の粘着剤には、架橋剤の他に、一般的に粘着剤に使用される粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤、レベリング剤、各種薬剤、充填剤、顔料、染料等の各種添加剤を必要に応じて加えてもよい。これら添加剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよく、添加剤の使用量は、特に限定されるものではない。
本発明の粘着剤を使用して、基材上に粘着剤を含んでなる層を具備してなる粘着シートを得ることができる。ここで、粘着剤および粘着シートについて一般的な説明をする。粘着シートの基本的積層構成は、フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルムのような片面粘着シート、あるいは剥離性フィルム/粘着剤層/フィルム状基材/粘着剤層/剥離性フィルムのような両面粘着シートである。使用時に、剥離性フィルムが剥がされ、粘着剤層が被着体に貼付される。粘着剤は、貼着の際被着体に粘着剤層が触れるその瞬間に粘着剤層がタックを有すのみならず、粘着剤以外の接着剤とは異なり、貼着中も完全に固化することなく、タックと適度な固さを有しつつ、貼着状態を維持するための凝集力を有することが必要である。また、凝集力はポリマー(B)の分子量に大きく依存する。
に限定されない。また、下記実施例および比較例中、特に断りのない限り、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定機器として、東ソー社製GPC(HPC−8020)を用いた。カラムは、東ソー社製Super HM−MおよびSuper HM−Lを直列に2本連結したものを用いた。カラムの保護のため、試料溶液の前処理としてDISMIC13HP045AN(アドバンテック東洋社製、親水性PTFE製メンブレンフィルター、孔径0.45マイクロメートル)を用いて不溶物の除去を行った。溶媒(溶離液)としてテトラヒドロフラン(THF)を使用して、40℃にて測定した。なお、重量平均分子量(Mw)は、いずれもポリスチレンを標準とした換算値とした。
ポリマー(B)を含む溶液1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥させた後に残分を秤量した。不揮発分は、乾燥前のポリマー(B)を含む溶液に対する乾燥後のポリマー(B)の割合として算出した。
樹脂組成物中の未反応のモノマー量は、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製GC17A)により、日本工業規格(JIS)K0114:2012の絶対検量線法に準拠して定量した。標準試料として、濃度既知の各モノマーのアセトン溶液を調製し、ガスクロマトグラフィーにより検量線を作製した。別途、合成した樹脂組成物をアセトンで希釈し、その希釈溶液をガスクロマトグラフィー測定し、未反応のモノマー量を定量した。
重合体(B)製造時におけるモノマー(A)の転化率は、重合反応前のモノマー(A)量に対する、第1工程時に重合のために消費されたモノマー(A)量として定めた。転化率は、全モノマー(A)量(W2)(部)と未反応のモノマー量(W1)(部)の差を全モノマー(A)量(W2)(部)で除した割合、すなわち次式(1)
[(W2)−(W1)]/(W2)×100(%) ・・・式(1)
により算出した。
<第1工程>
(合成例1)
反応槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽、空気導入管を備えた重合反応装置を準備した。反応槽および滴下槽に、下記に示すモノマー(A)、溶剤、および重合開始剤からなる混合物をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。反応槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、80℃まで昇温して重合反応を開始した。次に滴下槽内の混合物を1時間かけて反応槽へ滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間反応させた。反応終了後、25℃まで冷却し、ポリマー(B)を含む溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は330,000であった。ポリマー(B)を含む溶液中の不揮発分は50%であった。未反応のモノマー(A)の量は、ポリマー(B)を含む溶液100部に対し、0.40部であり、モノマー(A)の転化率は99.2%であった。
<モノマー(A)>
アクリル酸2−エチルヘキシル 20部
アクリル酸−ブチル 11部
アクリル酸 0.8部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.1部
<溶剤>
エタノール 50部
<ラジカル重合開始剤>
パーロイルL(日油社製) 0.02部
[滴下槽]
<モノマー(A)>
アクリル酸2−エチルヘキシル 74.0部
アクリル酸−ブチル 40.0部
アクリル酸 2.7部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.1部
エチレングリコールジメタクリレート 0.5部
<溶剤>
エタノール 100部
<ラジカル重合開始剤>
パーロイルL(日油社製) 0.05部
表1の組成および反応時間にそれぞれ変更した以外は、合成例1と同様にポリマーを合成した。
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
BA:アクリル酸ブチル
AA:アクリル酸
2HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
EtOH:エタノール
EAc:酢酸エチル
パーロイルL:過酸化ジラウロイル(日油社製)
TMPEOTVE−30:トリメチロールプロパンエトキシレート(エチレンオキシド付加モル数1)トリビニルエーテル(日本カーバイド社製)
(実施例1)
合成例1で得られた未反応のモノマー(A)とポリマー(B)を含む溶液に、下記に示す多官能ビニルエーテル(D)とラジカル重合開始剤を、それぞれ下記の配合量で混合し、80℃にて3時間反応させて樹脂組成物を得た。第2工程後の樹脂組成物(不揮発分50%)中の未反応の多官能ビニルエーテル(D)量は0.00部、未反応のモノマー(A1)量は0.02部、これらの合計である未反応のモノマー(A)量は0.02部であった。
合成例1 99.3部
<多官能ビニルエーテル(D)>
トリメチロールプロパンエトキシレート(エチレンオキシド付加モル数1)トリビニルエーテル(日本カーバイド社製) 0.5部
<重合開始剤>
パーロイルL(日油社製) 0.2部
表2の材料・組成(配合量)に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ樹脂組成物を得た。
TMPEOTVE−30:トリメチロールプロパンエトキシレート(エチレンオキシド付加モル数1)トリビニルエーテル(日本カーバイド社製)
TMPEOTVE−60:トリメチロールプロパンエトキシレート(エチレンオキシド付加モル数2)トリビニルエーテル(日本カーバイド社製)
DEGDVE:ジエチレングリコールジビニルエーテル
IPVE:イソプロピルビニルエーテル
ナイパーBW:ベンゾイルパーオキシド(日油社製)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
WS−500:エポクロスWS−500(日本触媒社製オキサゾリン基含有共重合体、オキサゾリン化合物、不揮発分39%)
(実施例1〜10、比較例1〜5)
第2工程で得られた樹脂組成物100部に対し、架橋剤としてオキサゾリン化合物であるエポクロスWS−500(オキサゾリン基含有共重合体、日本触媒社製、不揮発分39%)2.05部をそれぞれ配合し、粘着剤の不揮発分が30質量%になるように酢酸エチルで希釈し、粘着剤を得た。
得られた粘着剤を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム[リンテック社製「SP−PET382050」、以下「剥離フィルム」という]の剥離層上に、コンマコーターにて乾燥後の厚みが25μmになるように速度2m/minで塗工した後、100℃で2分間乾燥させ、この粘着剤層の塗工面に厚さ50μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製「E5100」)を張り合わせて、粘着シートを作成した。得られた粘着シートを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、1週間エージングさせ、評価用として使用した。
実施例および比較例で得られた、樹脂組成物、粘着剤、および粘着シートについて、下記の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
第2工程後に測定した、樹脂組成物全体を100部とした際に含まれる未反応のモノマー(A)量を、下記◎、○、△、×の4段階で評価した。
◎:モノマー(A)量が0.05質量部以下。極めて良好。
○:モノマー(A)量が0.05質量部を超え、0.10質量部以下。良好。
△:モノマー(A)量が0.10質量部を超え、0.20質量部以下。使用可。
×:モノマー(A)量が0.20質量部を超える。不良。
第2工程の反応前後でのポリマー(B)の分子量変化を、第2工程前の重量平均分子量(Mw1)に対する、第2工程後の重量平均分子量(Mw2)の割合(%)により評価した。すなわち、次式(2)
Mw2/Mw1×100(%) ・・・式(2)
により算出し、分子量変化を下記3段階により評価した。
○:95%以上、110%未満。良好。
△:110%以上、140%未満。使用可。
×:95%未満、または140%以上、あるいは前処理時のフィルター詰まり。不良。
なお、重量平均分子量は前述のGPCを用いた測定法により求めた。
JISZ0237:2009に準じて、得られた粘着シートを25mm幅にカットし、剥離フィルムを剥がして露出した粘着剤層の面をステンレス(SUS)基材に貼着し、これを180度方向に引き剥がす時の抵抗力を測定した。測定は温度25℃、相対湿度50%の室内で行い、引っ張り速度300mm/minで測定した。粘着力の測定は、基材に貼着後、温度25℃、相対湿度50%の室内に24時間放置した後に測定を行った。粘着力は下記3段階により評価した。
○:12N/25mm以上。良好。
△:10N/25mm以上、12N/25mm未満。使用可。
×:10N/25mm未満、または粘着剤層の凝集破壊。不良。
Claims (7)
- 少なくとも(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル(A1)を含む二重結合を有するモノマー(A)を重合反応させてポリマー(B)を得る第1工程、次いで、アルコール(C)を含有する溶剤中で、二つ以上のビニルエーテル基を有する多官能ビニルエーテル(D)およびラジカル重合開始剤を混合し、ラジカル重合反応により多官能ビニルエーテル(D)と未反応のモノマー(A)を反応させる第2工程を順次行う樹脂組成物の製造方法。
- ラジカル重合開始剤が、有機過酸化物またはアゾ系化合物である請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂組成物が粘着剤用である請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 第1工程においてモノマー(A)の転化率が90%以上となった後に第2工程を行う請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物の製造方法。
- 第2工程後、樹脂組成物100質量部中の未反応のモノマー(A)の量が、0.1質量部以下である請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5いずれか記載の方法で得られてなる樹脂組成物と架橋剤とを含んでなる粘着剤。
- 基材上に請求項6記載の粘着剤を含んでなる層を具備してなる粘着シート。
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