JP2016155925A - 繊維コード被覆用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性に優れ、かつ、加硫後に適度な硬度と優れた引張特性および接着性を示す、繊維コード被覆用ゴム組成物、および、これを用いて製造した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムと、カーボンブラックと、酸変性ポリオレフィンとを含有し、上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量が50質量%以上であり、上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が20〜90m2/gであり、上記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートが100g/10min以上であり、上記カーボンブラックの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して30〜70質量部であり、上記酸変性ポリオレフィンの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部である、繊維コード被覆用ゴム組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、繊維コード被覆用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
タイヤに使用される繊維コード(特にタイヤの骨格を形成するカーカス)を被覆するゴム組成物(繊維コード被覆用ゴム組成物)は、カーカスを補強する観点から、加硫後に高い硬度を有することが求められる。一方で、硬すぎると変形に追従できずセパレーション等の不具合が生じる虞があるため、適度な硬さを有することが求められる。
また、変形時に切断し難いこと(引張特性に優れること)、繊維コードに対する接着性に優れることも求められる。
さらに、生産性の観点から、粘度が低いこと(加工性に優れること)も求められる。
また、変形時に切断し難いこと(引張特性に優れること)、繊維コードに対する接着性に優れることも求められる。
さらに、生産性の観点から、粘度が低いこと(加工性に優れること)も求められる。
カーカスを被覆するゴム組成物としては、例えば、特許文献1に、「(a)天然ゴム50質量部以上、(b)スチレン−ブタジエン共重合体ゴム20〜50質量部、(c)ブタジエンゴム0〜20質量部(ただし、前記(a)成分、(b)成分および(c)成分の合計は100質量部である)、(d)窒素吸着比表面積が20〜100m2/gのカーボンブラックを30〜70質量部、(e)硫黄を下記規定量および(f)ジチオジカプロラクタムを0.5〜4.0質量部含有し、前記(e)成分および(f)成分の質量比が、(e)/(f)として0.2〜0.8であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。」が開示されている(請求項1〜3)。
このようななか、本発明者らが、特許文献1に記載のゴム組成物について検討したところ、上述した繊維コード被覆用ゴム組成物に求められる特性を必ずしも満たすものではなく、さらなる改良が必要であることが分かった。
そこで、上記実情を鑑みて、本発明は、加工性に優れ、かつ、加硫後に適度な硬度と優れた引張特性および接着性を示す、繊維コード被覆用ゴム組成物、および、これを用いて製造した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定の酸変性ポリオレフィンを配合し、かつ、各成分の含有量を特定の範囲にすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムと、カーボンブラックと、酸変性ポリオレフィンとを含有し、
上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量が、50質量%以上であり、
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、20〜90m2/gであり、
上記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートが、100g/10min以上であり、
上記カーボンブラックの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜70質量部であり、
上記酸変性ポリオレフィンの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部である、繊維コード被覆用ゴム組成物。
(2) 上記ジエン系ゴムが、さらに、スチレンブタジエンゴムを含み、
上記ジエン系ゴム中の上記スチレンブタジエンゴムの含有量が、10質量%以上である、上記(1)に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
(3) 上記酸変性ポリオレフィンが、エチレンおよびプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する、上記(1)または(2)に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
(4) 上記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維コード被覆用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量が、50質量%以上であり、
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、20〜90m2/gであり、
上記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートが、100g/10min以上であり、
上記カーボンブラックの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜70質量部であり、
上記酸変性ポリオレフィンの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部である、繊維コード被覆用ゴム組成物。
(2) 上記ジエン系ゴムが、さらに、スチレンブタジエンゴムを含み、
上記ジエン系ゴム中の上記スチレンブタジエンゴムの含有量が、10質量%以上である、上記(1)に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
(3) 上記酸変性ポリオレフィンが、エチレンおよびプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する、上記(1)または(2)に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
(4) 上記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維コード被覆用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、加工性に優れ、かつ、加硫後に適度な硬度と優れた引張特性および接着性を示す、繊維コード被覆用ゴム組成物、および、これを用いて製造した空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の繊維コード被覆用ゴム組成物、および、本発明の空気入りタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[繊維コード被覆用ゴム組成物]
本発明の繊維コード被覆用ゴム組成物(以下、本発明の組成物ともいう)は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムと、カーボンブラックと、酸変性ポリオレフィンとを含有する。
ここで、上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は50質量%以上であり、上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積は20〜90m2/gであり、上記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートは100g/10min以上である。
また、上記カーボンブラックの含有量は上記ジエン系ゴム100質量部に対して30〜70質量部であり、上記酸変性ポリオレフィンの含有量は上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。
本発明の繊維コード被覆用ゴム組成物(以下、本発明の組成物ともいう)は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムと、カーボンブラックと、酸変性ポリオレフィンとを含有する。
ここで、上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は50質量%以上であり、上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積は20〜90m2/gであり、上記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートは100g/10min以上である。
また、上記カーボンブラックの含有量は上記ジエン系ゴム100質量部に対して30〜70質量部であり、上記酸変性ポリオレフィンの含有量は上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明の組成物において、酸変性ポリオレフィンはジエン系ゴムとカーボンブラックの双方と相互作用する。具体的には、酸変性ポリオレフィンのポリオレフィン部分はジエン系ゴムと相互作用し、酸変性ポリオレフィンの酸変性部分はカーボンブラックと相互作用する。そのため、本発明の組成物やその加硫体において、ジエン系ゴムとカーボンブラックは酸変性ポリオレフィンが介在した強固な三次元構造を形成しているものと考えられる。結果として、本発明の組成物は加硫後に高い硬度を示すものと考えらえる。なお、酸変性ポリオレフィンの含有量が多すぎると酸変性ポリオレフィン同士のネットワークの割合が増加し、加硫後に硬くなり過ぎてしまう虞があるところ、本発明では酸変性ポリオレフィンの含有量を特定の値以下に限定しているため、上述したような酸変性ポリオレフィン同士のネットワークの形成が抑制され、適度な硬さが実現されるものと考えらえる。このことは、後述する比較例が示すように、酸変性ポリオレフィンの含有量が特定の値を超えると(比較例6)、加硫後の硬度が高くなり過ぎてしまうことからも推測される。
また、上述のとおり、酸変性ポリオレフィンがジエン系ゴムとカーボンブラックの双方と相互作用するため、本発明の組成物やその加硫体において、カーボンブラックの分散性は極めて高い。結果として、応力バランスに優れるため、変形時に切断し難い(引張特性に優れる)ものと考えられる。
さらに、酸変性ポリオレフィンはメルトマスフローレートが特定の範囲にあるため、加硫前には可塑剤としても機能する。結果として、本発明の組成物は粘度が低く、加工性に優れるものと考えられる。
本発明の組成物において、酸変性ポリオレフィンはジエン系ゴムとカーボンブラックの双方と相互作用する。具体的には、酸変性ポリオレフィンのポリオレフィン部分はジエン系ゴムと相互作用し、酸変性ポリオレフィンの酸変性部分はカーボンブラックと相互作用する。そのため、本発明の組成物やその加硫体において、ジエン系ゴムとカーボンブラックは酸変性ポリオレフィンが介在した強固な三次元構造を形成しているものと考えられる。結果として、本発明の組成物は加硫後に高い硬度を示すものと考えらえる。なお、酸変性ポリオレフィンの含有量が多すぎると酸変性ポリオレフィン同士のネットワークの割合が増加し、加硫後に硬くなり過ぎてしまう虞があるところ、本発明では酸変性ポリオレフィンの含有量を特定の値以下に限定しているため、上述したような酸変性ポリオレフィン同士のネットワークの形成が抑制され、適度な硬さが実現されるものと考えらえる。このことは、後述する比較例が示すように、酸変性ポリオレフィンの含有量が特定の値を超えると(比較例6)、加硫後の硬度が高くなり過ぎてしまうことからも推測される。
また、上述のとおり、酸変性ポリオレフィンがジエン系ゴムとカーボンブラックの双方と相互作用するため、本発明の組成物やその加硫体において、カーボンブラックの分散性は極めて高い。結果として、応力バランスに優れるため、変形時に切断し難い(引張特性に優れる)ものと考えられる。
さらに、酸変性ポリオレフィンはメルトマスフローレートが特定の範囲にあるため、加硫前には可塑剤としても機能する。結果として、本発明の組成物は粘度が低く、加工性に優れるものと考えられる。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について説明する。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含む。ここで、上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は50質量%以上である。上限は特に制限されず100質量%である。なお、ジエン系ゴムが天然ゴムおよびイソプレンゴムを含む場合、合計の含有量が50質量%以上であればよい。
上記ジエン系ゴムは、天然ゴムを含むのが好ましい。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含む。ここで、上記ジエン系ゴム中の上記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は50質量%以上である。上限は特に制限されず100質量%である。なお、ジエン系ゴムが天然ゴムおよびイソプレンゴムを含む場合、合計の含有量が50質量%以上であればよい。
上記ジエン系ゴムは、天然ゴムを含むのが好ましい。
上記ジエン系ゴムは、天然ゴムやイソプレンゴム以外のゴム成分を含んでいてもよい。そのようなゴム成分としては特に制限されないが、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
上記ジエン系ゴムはスチレンブタジエンゴムを含有するのが好ましい。
上記ジエン系ゴムはスチレンブタジエンゴムを含有する場合、ジエン系ゴム中のスチレンブタジエンゴムの含有量は、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
上記ジエン系ゴムはスチレンブタジエンゴムを含有する場合、ジエン系ゴム中のスチレンブタジエンゴムの含有量は、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
<カーボンブラック>
本発明の組成物に含有されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜90m2/gのカーボンブラックであれば特に制限されない。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、30〜90m2/gであることが好ましい。
本発明の組成物に含有されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が20〜90m2/gのカーボンブラックであれば特に制限されない。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、30〜90m2/gであることが好ましい。
本発明の組成物において、上記カーボンブラックの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜70質量部である。なかでも、40〜60質量部であるのが好ましい。
<酸変性ポリオレフィン>
本発明の組成物に含有される酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸で変性した変性重合体のうち、メルトマスフローレート(MFR)が100g/10min以上の変性重合体である。
ここで、本発明においては、メルトマスフローレート(MFR)は、JISK 7210:1999に規定する「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)の試験方法」に従い、温度230℃および荷重21.2Nの条件で測定した値である。
本発明の組成物に含有される酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸で変性した変性重合体のうち、メルトマスフローレート(MFR)が100g/10min以上の変性重合体である。
ここで、本発明においては、メルトマスフローレート(MFR)は、JISK 7210:1999に規定する「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)の試験方法」に従い、温度230℃および荷重21.2Nの条件で測定した値である。
上記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレート(MFR)は、150〜2000g/10minであるのが好ましく、200〜500g/10minであるのがより好ましい。
上記酸変性ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および、1−オクテンからなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するのが好ましく、エチレンおよびプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するのがより好ましい。
(ポリオレフィン)
上記酸変性ポリオレフィンの骨格を構成するポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリオクテンなどの単独重合体(ホモポリマー);
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、1−ブテン・1−ヘキセン共重合体、1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、1−ブテン・1−オクテン共重合体、1−ブテン・1−デセン共重合体、1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などの2成分系の共重合体;
エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、エチレン・プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・エチレン・プロピレン共重合体、1−ブテン・エチレン・1−ヘキセン共重合体、1−ブテン・エチレン・1−オクテン共重合体、1−ブテン・プロピレン・1−オクテン共重合体、1−ブテン・エチレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、1−ブテン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、1−ブテン・エチレン・ジシクロペンタジエン共重合体、1−ブテン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、1−ブテン・エチレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・エチレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、1−ブテン・プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、1−ブテン・エチレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体のような多成分系の共重合体;などが挙げられる。
上記酸変性ポリオレフィンの骨格を構成するポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリオクテンなどの単独重合体(ホモポリマー);
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、1−ブテン・1−ヘキセン共重合体、1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、1−ブテン・1−オクテン共重合体、1−ブテン・1−デセン共重合体、1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などの2成分系の共重合体;
エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、エチレン・プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・エチレン・プロピレン共重合体、1−ブテン・エチレン・1−ヘキセン共重合体、1−ブテン・エチレン・1−オクテン共重合体、1−ブテン・プロピレン・1−オクテン共重合体、1−ブテン・エチレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、1−ブテン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、1−ブテン・エチレン・ジシクロペンタジエン共重合体、1−ブテン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、1−ブテン・エチレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・エチレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、1−ブテン・プロピレン・2、5−ノルボルナジエン共重合体、1−ブテン・エチレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、1−ブテン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体のような多成分系の共重合体;などが挙げられる。
これらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリオクテンなどの単独重合体(ホモポリマー)であるのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンであるのがより好ましい。
(不飽和カルボン酸)
一方、上述したポリオレフィンを変性する不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、クロトン酸、メタアクリル酸、イタコン酸、または、これらの各酸の酸無水物などが挙げられる。
これらのうち、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。すなわち、上記酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンであるのが好ましい。
一方、上述したポリオレフィンを変性する不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、クロトン酸、メタアクリル酸、イタコン酸、または、これらの各酸の酸無水物などが挙げられる。
これらのうち、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。すなわち、上記酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンであるのが好ましい。
上記酸変性ポリオレフィンを製造する方法は特に制限されず、従来公知の方法を利用することができる。例えば、上記ポリオレフィンと上記不飽和カルボン酸とを加熱下で撹拌することにより、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸を反応させる方法などが挙げられる。なお、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、ユーメックス1001(MFR:230g/10min、三洋化成工業社製)、ユーメックス1010(MFR:280g/10min、三洋化成工業社製)、ユーメックス110TS(MFR:1000g/10min以上、三洋化成工業社製)などの無水マレイン酸変性ポリプロピレン;ユーメックス2000(MFR:1000g/10min以上、三洋化成工業社製)などの無水マレイン酸変性ポリエチレン;等が挙げられる。
市販品としては、例えば、ユーメックス1001(MFR:230g/10min、三洋化成工業社製)、ユーメックス1010(MFR:280g/10min、三洋化成工業社製)、ユーメックス110TS(MFR:1000g/10min以上、三洋化成工業社製)などの無水マレイン酸変性ポリプロピレン;ユーメックス2000(MFR:1000g/10min以上、三洋化成工業社製)などの無水マレイン酸変性ポリエチレン;等が挙げられる。
本発明の組成物において、上記酸変性ポリオレフィンの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部である。なかでも、1〜8質量部であるのが好ましく、3〜5質量部であるのがより好ましい。
<任意成分>
本発明の組成物には、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
本発明の組成物には、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<繊維コード被覆用ゴム組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは130〜190℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは130〜190℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
<用途>
本発明の組成物はタイヤの繊維コード(特にカーカス)を被覆するゴム組成物として好適に使用される。
本発明の組成物はタイヤの繊維コード(特にカーカス)を被覆するゴム組成物として好適に使用される。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物を繊維コード(特にカーカス)の被覆に用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物を繊維コード(特にカーカス)の被覆に用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ここで、カーカス層4は本発明の組成物で被覆されたカーカスからなる層である。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ここで、カーカス層4は本発明の組成物で被覆されたカーカスからなる層である。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<繊維コード被覆用ゴム組成物の調製>
下記第1表に示す成分を、同表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、160±30℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し(170℃×10分)、繊維コード被覆用ゴム組成物を得た。
下記第1表に示す成分を、同表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、160±30℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し(170℃×10分)、繊維コード被覆用ゴム組成物を得た。
<ムーニー粘度>
調製した繊維コード被覆用ゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じ、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度を測定した。
結果を第1表に示す。なお、単位は、ムーニー単位である。値が小さいほど粘度が小さく、加工性に優れる。
調製した繊維コード被覆用ゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じ、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度を測定した。
結果を第1表に示す。なお、単位は、ムーニー単位である。値が小さいほど粘度が小さく、加工性に優れる。
<硬度>
調製した繊維コード被覆用ゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴム試験片を作製した。得られた加硫ゴム試験片について、JIS K6253−3に従って、20℃で硬度(タイプAデュロメータ硬さ)を測定した。
結果を第1表に示す。実用上、硬度は60〜70の範囲であるのが好ましい。
調製した繊維コード被覆用ゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴム試験片を作製した。得られた加硫ゴム試験片について、JIS K6253−3に従って、20℃で硬度(タイプAデュロメータ硬さ)を測定した。
結果を第1表に示す。実用上、硬度は60〜70の範囲であるのが好ましい。
<切断時伸び>
上述した硬度の評価と同様の手順に従って、加硫ゴム試験片を作製した。
作製した加硫ゴム試験片について、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で破断伸び(=破断時の伸び率)を測定した。結果を第1表に示す。結果は、比較例1を100とする指数で表した。指数が大きいほど切断時伸びが大きく、引張特性に優れる。
上述した硬度の評価と同様の手順に従って、加硫ゴム試験片を作製した。
作製した加硫ゴム試験片について、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で破断伸び(=破断時の伸び率)を測定した。結果を第1表に示す。結果は、比較例1を100とする指数で表した。指数が大きいほど切断時伸びが大きく、引張特性に優れる。
<接着性>
調製した繊維コード被覆用ゴム組成物について、JIS L1017:2002に準拠して接着力を測定した。具体的には、繊維コード被覆用ゴム組成物に処理コードを埋設し、170℃×10分加硫した後、処理コードを引き抜いて接着力を測定した。結果を第1表に示す。結果は比較例1の接着力を100とする指数で表した。指数が大きいほど接着力が大きく、接着性に優れる。
調製した繊維コード被覆用ゴム組成物について、JIS L1017:2002に準拠して接着力を測定した。具体的には、繊維コード被覆用ゴム組成物に処理コードを埋設し、170℃×10分加硫した後、処理コードを引き抜いて接着力を測定した。結果を第1表に示す。結果は比較例1の接着力を100とする指数で表した。指数が大きいほど接着力が大きく、接着性に優れる。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:天然ゴム TSR20
・SBR:NIPOL 1502(スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・BR:NIPOL BR 1220(ブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・CB:THAIBLACK N550(カーボンブラック、N2SA:40m2/g、Thai Carbonblack社製)
・比較CB:THAIBLACK N234(カーボンブラック、N2SA:110m2/g、Thai Carbonblack社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸YR(NOFコーポレーション社製)
・老化防止剤:サントフレックス6PPD(フレキシス社製)
・酸変性ポリオレフィン1:ユーメックス1001(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、MFR:230g/10min、三洋化成工業社製)
・酸変性ポリオレフィン2:ユーメックス1010(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、MFR:280g/10min、三洋化成工業社製)
・比較酸変性ポリオレフィン:モディックL502(無水マレイン酸変性ポリエチレン、MFR:1.8g/10min以上、三菱化学社製)
・ポリプロピレン:ウィンテックWFX6(ポリプロピレン、日本ポリプロピレン社製)
・硫黄:ミュークロンOT−20(四国化成工業社製)
・加硫促進剤:ノクセラーDZ(大内新興化学工業社製)
・NR:天然ゴム TSR20
・SBR:NIPOL 1502(スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・BR:NIPOL BR 1220(ブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・CB:THAIBLACK N550(カーボンブラック、N2SA:40m2/g、Thai Carbonblack社製)
・比較CB:THAIBLACK N234(カーボンブラック、N2SA:110m2/g、Thai Carbonblack社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸YR(NOFコーポレーション社製)
・老化防止剤:サントフレックス6PPD(フレキシス社製)
・酸変性ポリオレフィン1:ユーメックス1001(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、MFR:230g/10min、三洋化成工業社製)
・酸変性ポリオレフィン2:ユーメックス1010(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、MFR:280g/10min、三洋化成工業社製)
・比較酸変性ポリオレフィン:モディックL502(無水マレイン酸変性ポリエチレン、MFR:1.8g/10min以上、三菱化学社製)
・ポリプロピレン:ウィンテックWFX6(ポリプロピレン、日本ポリプロピレン社製)
・硫黄:ミュークロンOT−20(四国化成工業社製)
・加硫促進剤:ノクセラーDZ(大内新興化学工業社製)
第1表から分かるように、本実施例はいずれも、加工性に優れ、かつ、加硫後に、適度な硬度と優れた引張特性および接着性を示した。
実施例2と4との対比から、酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートが250g/10min以上である実施例4は、より高い硬度、ならびに、より優れた引張特性および接着性を示した。
実施例1〜3の対比から、酸変性ポリオレフィンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して1.0質量部以上である実施例2〜3は、より高い硬度、および、より優れた接着性を示した。なかでも、酸変性ポリオレフィンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して4質量部以上である実施例3は、さらに高い硬度、および、さらに優れた引張特性および接着性を示した。
実施例2と4との対比から、酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートが250g/10min以上である実施例4は、より高い硬度、ならびに、より優れた引張特性および接着性を示した。
実施例1〜3の対比から、酸変性ポリオレフィンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して1.0質量部以上である実施例2〜3は、より高い硬度、および、より優れた接着性を示した。なかでも、酸変性ポリオレフィンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して4質量部以上である実施例3は、さらに高い硬度、および、さらに優れた引張特性および接着性を示した。
一方、酸変性ポリオレフィンを含有しない比較例1は、加硫後の引張特性および接着性が不十分であった。
また、酸変性ポリオレフィンの代わりに酸変性無しのポリオレフィンを含有する比較例5は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。
また、カーボンブラックの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して30質量部に満たない比較例2は、加硫後の硬度が低く、また、接着性が不十分であった。
また、カーボンブラックの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して70質量部を超える比較例3は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。また、加硫後の硬度が高かった。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が90m2/gを超える比較例4は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。
また、酸変性ポリオレフィンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して10質量部を超える比較例6は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。また、加硫後の硬度が高かった。
また、酸変性ポリオレフィンを含有するが、そのメルトマスフローレートが所定の範囲から外れる比較例7は、加工性、および、加硫後の引張特性および接着性が不十分であった。
また、酸変性ポリオレフィンの代わりに酸変性無しのポリオレフィンを含有する比較例5は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。
また、カーボンブラックの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して30質量部に満たない比較例2は、加硫後の硬度が低く、また、接着性が不十分であった。
また、カーボンブラックの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して70質量部を超える比較例3は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。また、加硫後の硬度が高かった。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が90m2/gを超える比較例4は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。
また、酸変性ポリオレフィンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して10質量部を超える比較例6は、加工性、および、加硫後の引張特性が不十分であった。また、加硫後の硬度が高かった。
また、酸変性ポリオレフィンを含有するが、そのメルトマスフローレートが所定の範囲から外れる比較例7は、加工性、および、加硫後の引張特性および接着性が不十分であった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (5)
- 天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムと、カーボンブラックと、酸変性ポリオレフィンとを含有し、
前記ジエン系ゴム中の前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量が、50質量%以上であり、
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、20〜90m2/gであり、
前記酸変性ポリオレフィンのメルトマスフローレートが、100g/10min以上であり、
前記カーボンブラックの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜70質量部であり、
前記酸変性ポリオレフィンの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部である、繊維コード被覆用ゴム組成物。 - 前記ジエン系ゴムが、さらに、スチレンブタジエンゴムを含み、
前記ジエン系ゴム中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が、10質量%以上である、請求項1に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。 - 前記酸変性ポリオレフィンが、エチレンおよびプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する、請求項1または2に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
- 前記酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維コード被覆用ゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|
JP2015034067A JP2016155925A (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | 繊維コード被覆用ゴム組成物および空気入りタイヤ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020117579A (ja) * | 2019-01-21 | 2020-08-06 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
JPWO2020241695A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 |
-
2015
- 2015-02-24 JP JP2015034067A patent/JP2016155925A/ja active Pending
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JP7188117B2 (ja) | 2019-01-21 | 2022-12-13 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
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WO2020241695A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP7160195B2 (ja) | 2019-05-31 | 2022-10-25 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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