JP2015124249A - ゴム組成物およびこれを用いる空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】速い加硫速度と高い破断伸びとを両立させることができ、耐熱老化性に優れる、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物及びこれを用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤの提供。【解決手段】天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、特定の式で示される、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物並びにこれを用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤ。【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物およびこれを用いる空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおけるビード部(ビードコア)は、ビードワイヤ及びインシュレーションゴムで構成される。ビード部はビードカバーゴムでカバーされていてもよい。インシュレーションゴムは、大きくヤング率が異なるビードワイヤを束ね一体化するために使用される。
インシュレーションゴムは、上記の目的で使用されることから高硬度であることが必要である。また、束ねられたビードワイヤが加硫時にばらけないように、ゴム組成物の加硫速度が速いほうが有利である。しかし、加硫速度を速くすると破断伸び(切断時伸び、Eb)は低下する傾向にある。破断伸びの低下は大変形時のビードコアセパレーションの原因となる。また、このようなゴムとしての要求特性からフィラーを多量に配合する場合、未加硫ゴムの粘度が高くなって押出ができなくなるとなる問題点がある。
一方、ジエン系ゴムの架橋は一般的に硫黄等に由来するスルフィド結合やパーオキサイド架橋によって形成される。また、ジエン系ゴムの他飽和ゴムにも適用できるパーオキサイド架橋の際には、例えばトリアリルイソシアヌレートのような架橋助剤が使用される(例えば特許文献1)。
インシュレーションゴムは、上記の目的で使用されることから高硬度であることが必要である。また、束ねられたビードワイヤが加硫時にばらけないように、ゴム組成物の加硫速度が速いほうが有利である。しかし、加硫速度を速くすると破断伸び(切断時伸び、Eb)は低下する傾向にある。破断伸びの低下は大変形時のビードコアセパレーションの原因となる。また、このようなゴムとしての要求特性からフィラーを多量に配合する場合、未加硫ゴムの粘度が高くなって押出ができなくなるとなる問題点がある。
一方、ジエン系ゴムの架橋は一般的に硫黄等に由来するスルフィド結合やパーオキサイド架橋によって形成される。また、ジエン系ゴムの他飽和ゴムにも適用できるパーオキサイド架橋の際には、例えばトリアリルイソシアヌレートのような架橋助剤が使用される(例えば特許文献1)。
しかし、本願発明者は、インシュレーションゴムとして従来のゴム組成物を使用する場合、加硫速度が遅いこと及び耐熱老化前後の破断伸びの保持率(以下、「耐熱老化性」という。)が低いことを明らかとした。
また、ゴム組成物にイソシアヌル酸誘導体等を単に使用しても、速い加硫速度と高い破断伸びとを両立できない場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、速い加硫速度と高い破断伸びを両立させ、耐熱老化性に優れるゴム組成物及びこれを用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤの提供を目的とする。
また、ゴム組成物にイソシアヌル酸誘導体等を単に使用しても、速い加硫速度と高い破断伸びとを両立できない場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、速い加硫速度と高い破断伸びを両立させ、耐熱老化性に優れるゴム組成物及びこれを用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤの提供を目的とする。
本願発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、特定の構造を有する、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部であるゴム組成物が、速い加硫速度と高い破断伸びを両立させ、耐熱老化性に優れる、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物となることを見出した。本発明を完成させた。
すなわち、本願発明者らは以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
1. 天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、
前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、
前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物。
[式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に−CaH2aOC(=O)CbH2bSHであり、a、bはそれぞれ独立に1以上の整数であり、R1、R2、R3は同一であっても異なってもよい。]
[式(2)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に−OC(=O)CnH2nSHであり、R7は−OC(=O)CnH2nSH、アルキル基又は水素原子であり、nはそれぞれ独立に2以上の整数であり、−OC(=O)CnH2nSHは同一であっても異なってもよい。]
2. 前記イソシアヌル酸誘導体又は前記カルボン酸誘導体の分子量が1,000以下である、上記1に記載のゴム組成物。
3. 前記式(2)中、nが2である、上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 上記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤ。
1. 天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、
前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、
前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物。
2. 前記イソシアヌル酸誘導体又は前記カルボン酸誘導体の分子量が1,000以下である、上記1に記載のゴム組成物。
3. 前記式(2)中、nが2である、上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 上記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤ。
本発明によれば、速い加硫速度と高い破断伸びを両立させ、耐熱老化性に優れるゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明のゴム組成物及び本発明のゴム組成物を用いた空気入りタイヤについて説明する。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、
天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、上記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は上記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、
前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、
前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物である。
本発明のゴム組成物は、
天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、上記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は上記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、
前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、
前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物である。
本発明のゴム組成物は、このような構成をとるため、速い加硫速度と高い破断伸びを両立させることができ、耐熱老化性に優れる。また、本発明のゴム組成物は、加硫速度を大幅に速くし、かつ、高い破断伸び、高いゴム硬度を維持でき、加工性(未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制できる。)に優れ、これらのバランスに優れる。
これらの特性に優れる理由は明らかではないが、およそ以下のとおり推測される。
すなわち、特定構造を有するイソシアヌル酸誘導体および/またはカルボン酸誘導体は、例えば加硫時において、ジエン系ゴムが有する不飽和結合(例えば、共役ジエン単量体に由来する、ビニレン基、ビニル基等)と相互作用又は反応することによって、網目鎖の架橋点をモノスルフィド結合で形成すると考えられる。本発明のゴム組成物が更に硫黄を含有する場合、モノスルフィド結合の他、ジスルフィド結合、トリスルフィド結合以上の結合(これを便宜上ポリスルフィド結合という。ジスルフィド結合を除く。)も形成されるが、この場合は、硫黄だけを使用した場合よりも、ポリスルフィド結合の割合は減少し、ジスルフィド結合、モノスルフィド結合の割合が増えると考えられる。
上記相互作用又は反応は、その相互作用性、反応性が高いため、加硫速度が速くなると考えられる。
また、イソシアヌル酸誘導体および/またはカルボン酸誘導体による架橋は、硫黄加硫による架橋点(スルフィド結合)とは異なり、3次元的な網目構造であるのでゴムの架橋密度を高く、架橋点間の距離が長いため柔軟性を付与することができると考えられる。
また、特定構造を有するイソシアヌル酸誘導体および/またはカルボン酸誘導体は、加硫前においては可塑剤として機能できると考えられる。
このような構造や機能が、破断伸び、ゴム硬度、加工性、耐熱老化性等に寄与すると考えられる。
これらの特性に優れる理由は明らかではないが、およそ以下のとおり推測される。
すなわち、特定構造を有するイソシアヌル酸誘導体および/またはカルボン酸誘導体は、例えば加硫時において、ジエン系ゴムが有する不飽和結合(例えば、共役ジエン単量体に由来する、ビニレン基、ビニル基等)と相互作用又は反応することによって、網目鎖の架橋点をモノスルフィド結合で形成すると考えられる。本発明のゴム組成物が更に硫黄を含有する場合、モノスルフィド結合の他、ジスルフィド結合、トリスルフィド結合以上の結合(これを便宜上ポリスルフィド結合という。ジスルフィド結合を除く。)も形成されるが、この場合は、硫黄だけを使用した場合よりも、ポリスルフィド結合の割合は減少し、ジスルフィド結合、モノスルフィド結合の割合が増えると考えられる。
上記相互作用又は反応は、その相互作用性、反応性が高いため、加硫速度が速くなると考えられる。
また、イソシアヌル酸誘導体および/またはカルボン酸誘導体による架橋は、硫黄加硫による架橋点(スルフィド結合)とは異なり、3次元的な網目構造であるのでゴムの架橋密度を高く、架橋点間の距離が長いため柔軟性を付与することができると考えられる。
また、特定構造を有するイソシアヌル酸誘導体および/またはカルボン酸誘導体は、加硫前においては可塑剤として機能できると考えられる。
このような構造や機能が、破断伸び、ゴム硬度、加工性、耐熱老化性等に寄与すると考えられる。
ジエン系ゴムについて以下に説明する。本発明のゴム組成物に含まれるジエン系ゴムは、天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有し、前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10である以外特に制限されない。
ジエン系ゴムに含有される天然ゴムは特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。天然ゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、ジエン系ゴムに含有されるスチレン−ブタジエンゴム(SBR)は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。SBRを構成するブタジエンのSBR中の量、SBRの重量平均分子量は特に制限されない。従来公知の範囲とすることができる。スチレン含有量は、破断特性に優れるという観点から、SBRの20〜35質量%であるのが好ましい。スチレン−ブタジエンゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとの質量比(天然ゴム:SBR)は、50〜90:50〜10である。天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとの質量比は、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、65〜85:35〜15であるのが好ましく、70〜80:30〜20であるのがより好ましい。
本発明において、ジエン系ゴムは、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムを含有することができる。このようなジエン系ゴムとしては、例えば、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
ジエン系ゴムの製造は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
ジエン系ゴムの製造は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
イソシアヌル酸誘導体及びカルボン酸誘導体について以下に説明する。
本発明において、イソシアヌル酸誘導体及びカルボン酸誘導体は、ジエン系ゴムの架橋剤及び/若しくは連鎖移動剤、可塑剤として機能することができる。
本発明において、イソシアヌル酸誘導体及びカルボン酸誘導体は、ジエン系ゴムの架橋剤及び/若しくは連鎖移動剤、可塑剤として機能することができる。
本発明において使用できるイソシアヌル酸誘導体は下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体である。
[式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に−CaH2aOC(=O)CbH2bSHであり、a、bはそれぞれ独立に1以上の整数であり、R1、R2、R3は同一であっても異なってもよい。]
−CaH2aOC(=O)CbH2bSH中の「OC(=O)」はエステル結合を意味する。
aは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、1以上の整数であるのが好ましく、1〜18の整数であるのがより好ましく、2が更に好ましい。
bは、aと同様の理由から、1以上の整数であるのが好ましく、1〜12の整数であるのがより好ましく、2が更に好ましい。
−CaH2aOC(=O)CbH2bSHは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、−C2H4OC(=O)C2H4SH(a=b=2)が好ましい。
−CaH2aOC(=O)CbH2bSH中の「OC(=O)」はエステル結合を意味する。
aは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、1以上の整数であるのが好ましく、1〜18の整数であるのがより好ましく、2が更に好ましい。
bは、aと同様の理由から、1以上の整数であるのが好ましく、1〜12の整数であるのがより好ましく、2が更に好ましい。
−CaH2aOC(=O)CbH2bSHは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、−C2H4OC(=O)C2H4SH(a=b=2)が好ましい。
本発明のゴム組成物に使用されるカルボン酸誘導体は、下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体である。
[式(2)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に−OC(=O)CnH2nSHであり、nはそれぞれ独立に2以上の整数であり、R7は−OC(=O)CnH2nSH、アルキル基又は水素原子であり、−OC(=O)CnH2nSHは同一であっても異なってもよい。]
−OC(=O)CnH2nSH中の「OC(=O)」はエステル結合を意味する。
nは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、2以上の整数であるのが好ましく、2〜18の整数であるのがより好ましく、2であるのが更に好ましい。
アルキル基は特に制限されない。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基が挙げられる。
−OC(=O)CnH2nSHは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、−OC(=O)C2H4SH(n=2)が好ましい。
R7は、−OC(=O)C2H4SH(n=2)、メチル基が好ましい。
−OC(=O)CnH2nSH中の「OC(=O)」はエステル結合を意味する。
nは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、2以上の整数であるのが好ましく、2〜18の整数であるのがより好ましく、2であるのが更に好ましい。
アルキル基は特に制限されない。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基が挙げられる。
−OC(=O)CnH2nSHは、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、−OC(=O)C2H4SH(n=2)が好ましい。
R7は、−OC(=O)C2H4SH(n=2)、メチル基が好ましい。
イソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体の分子量は、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、1,000以下であるのが好ましく、150〜1,000であるのがより好ましい。
本発明において、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の量(両者併用の場合はこれらの合計量。以下同様。)は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜3.5質量部である。イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、1.0〜3.0質量部であるのが好ましく、1.0〜2.0質量部であるのがより好ましい。上記のイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の量は本発明において更に硫黄を含有する場合のイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の量とすることができる。
本発明において、一般的にジエン系ゴムに使用される硫黄の少なくとも一部をイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体に代えることができる。この場合、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れる。
本発明において、ゴム組成物が更に硫黄を含む場合、硫黄は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。硫黄の量は、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、3.5〜15質量部であるのがより好ましい。
本発明において、硫黄とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを併用する場合、その質量比[硫黄/(イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体)]は、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、0.1〜100であるのが好ましく、0.1〜80であるのがより好ましい。
カーボンブラックについて以下に説明をする。本発明のゴム組成物に含まれるカーボンブラックは特に制限されない。タイヤ工業において一般的に用いられるものが挙げられる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、破断伸びにより優れ、硬度が高いという観点から、10〜60m2/gであることが好ましく、25〜40m2/gであることがより好ましい。本発明におけるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる値である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、破断伸びにより優れ、硬度が高いという観点から、10〜60m2/gであることが好ましく、25〜40m2/gであることがより好ましい。本発明におけるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる値である。
カーボンブラックとしては、例えば、SRF、GPF、FEFが挙げられる。
カーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
カーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、カーボンブラックの量は、ジエン系ゴム100質量部に対して80質量部以上である。カーボンブラックの量は、破断伸びにより優れ、ゴム硬度が高くなるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、80〜140質量部であるのが好ましく、90〜120質量部であるのがより好ましい。120質量部を超える場合には加工性の悪化が懸念される場合がある。
白色充填剤について以下に説明する。本発明のゴム組成物に含まれる白色充填剤はタイヤ工業において一般的に用いられるものであれば特に制限されない。例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウムが挙げられる。白色充填剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、ゴム硬度が高くなるという観点から、炭酸カルシウム、クレーが好ましい。
炭酸カルシウムは特に制限されない。例えば、極微細炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムが挙げられる。
炭酸カルシウムは、例えば、脂肪酸エステルによって表面処理がされていてもよい。
炭酸カルシウムは特に制限されない。例えば、極微細炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムが挙げられる。
炭酸カルシウムは、例えば、脂肪酸エステルによって表面処理がされていてもよい。
本発明において、白色充填剤の量は、ジエン系ゴム100質量部に対して20質量部以上である。白色充填剤の量は、ゴム硬度が高くなるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜70質量部であるのが好ましく、20〜60質量部であるのがより好ましい。60質量部を超える場合加工性の悪化が懸念される場合がある。
本発明において、カーボンブラックと白色充填剤との合計量はジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である。当該合計量は、耐熱老化性により優れ、加硫速度がより速くかつ高い破断伸びを維持し、高いゴム硬度を維持し、未加硫ゴムの粘度上昇の抑制でき、これらのバランスに優れるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、110〜170質量部であるのが好ましく、120〜160質量部であるのがより好ましい。
〔任意成分〕
本発明のゴム組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル(例えば、アロマオイル、プロセスオイル)、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫促進剤、式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体以外の架橋剤(例えば過酸化物)、シランカップリング剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。添加剤の量は、ゴム組成物の用途等に応じて、その効果や目的を損なわない範囲で、例えば、従来公知と同様の量とすることができる。
本発明のゴム組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル(例えば、アロマオイル、プロセスオイル)、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫促進剤、式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体以外の架橋剤(例えば過酸化物)、シランカップリング剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。添加剤の量は、ゴム組成物の用途等に応じて、その効果や目的を損なわない範囲で、例えば、従来公知と同様の量とすることができる。
〔ゴム組成物の製造方法〕
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。具体的には例えば、まず、硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを除く成分を混合してマスターバッチを製造し、得られたマスターバッチに硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを混合し、ゴム組成物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明において、ジエン系ゴムが有する不飽和結合と、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体が有する3個以上のメルカプト基との相互作用及び/又は反応によって、網目鎖の架橋が形成される。このような架橋構造は耐老化特性等に有利な働きをすると考えられる。当該網目構造の架橋は、硫黄加硫と同時にゴムに形成させることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。具体的には例えば、まず、硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを除く成分を混合してマスターバッチを製造し、得られたマスターバッチに硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを混合し、ゴム組成物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明において、ジエン系ゴムが有する不飽和結合と、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体が有する3個以上のメルカプト基との相互作用及び/又は反応によって、網目鎖の架橋が形成される。このような架橋構造は耐老化特性等に有利な働きをすると考えられる。当該網目構造の架橋は、硫黄加硫と同時にゴムに形成させることができる。
本発明のゴム組成物の用途はタイヤ(例えば空気入りタイヤ)のビードインシュレーション用のゴム組成物である。本発明のゴム組成物を用いてビードコアのビードインシュレーションを形成することができる。このほか例えば、防振ゴム、免震ゴム用のゴム組成物;パッキン等の自動車用部品用のゴム組成物などが挙げられる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤのビードインシュレーションの形成に使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明は添付の図面に限定されない。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤのビードインシュレーションの形成に使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明は添付の図面に限定されない。
図1において、空気入りタイヤは左右一対のビード部1およびサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3からなり、ビード部1、1間にスチールコードが埋設されたカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。トレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ベルト層7の両端部には、ベルトクッション8が配置されている。空気入りタイヤの内面には、タイヤ内部に充填された空気がタイヤ外部に漏れるのを防止するために、インナーライナー9が設けられ、インナーライナー9を接着するためのタイゴム10が、カーカス層4とインナーライナー9との間に積層されている。なお図1に示す空気入りタイヤは重荷重車輌用タイヤである。
図2は、ビードコア5の一例の拡大断面図である。
ビードコア5はビードワイヤWと該ビードワイヤWを被覆するインシュレーションゴムGとから構成されている。このビードコア5は複数本のビードワイヤWを連続的に巻回して成形されたものである。また、ビードコア5の周囲をビードカバーゴムCが被覆している。
ビードワイヤは特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
ビードコア5はビードワイヤWと該ビードワイヤWを被覆するインシュレーションゴムGとから構成されている。このビードコア5は複数本のビードワイヤWを連続的に巻回して成形されたものである。また、ビードコア5の周囲をビードカバーゴムCが被覆している。
ビードワイヤは特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本発明の空気入りタイヤは、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは例えば、一般車輌用タイヤ、重荷重車輌用タイヤ(例えば、バス、トラック)として使用することができる。
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明する。なお本発明はこれらに限定されない。
<ゴム組成物の製造>
下記表1に示す成分を、下記表1に示す割合(単位:質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記表1に示す成分のうち硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを混合し、ゴム組成物を製造した。
下記表1に示す成分を、下記表1に示す割合(単位:質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記表1に示す成分のうち硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを混合し、ゴム組成物を製造した。
<加硫ゴムシートの製造>
上記のとおり製造したゴム組成物を縦15cm×横15cm×厚さ0.2cmの金型中で148℃で45分間プレス加硫して加硫ゴムシートを製造した。
上記のとおり製造したゴム組成物を縦15cm×横15cm×厚さ0.2cmの金型中で148℃で45分間プレス加硫して加硫ゴムシートを製造した。
<評価>
上記のとおりにして製造された、加硫ゴムシート又はゴム組成物を用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。表1において耐熱老化性以外の評価結果を比較例1の結果を100とする指数で表示する。
・硬度(JIS硬度A):JIS K 6253に準拠して20℃の条件下で測定した。指数が大きいほど硬度が高く、良好である。
・破断伸び(初期伸び):JIS K 6251に基づき、3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、破断伸びを測定した。指数が大きいほど強度が強く、良好である。
・未加硫ゴムの粘度(ムーニー粘度):JIS K 6300に基づき100℃にてムーニー粘度を測定した。指数が小さい程粘度が低いことを示す。
・加硫速度(T30):JIS K 6300に基づき160℃にて30%加硫度に達する時間を測定した。指数が小さいほうがT30に達する時間が短くインシュレーション用のゴム組成物として良好である。
・耐熱老化性:上記のとおり製造したゴム組成物を160℃で60分間、加圧加硫した厚さ2mmのシートをJIS K6251に準拠して、このシートからダンベル状3号形試験片を打ち抜き、さらに80℃、168時間の条件で空気加熱老化処理を行い、該処理前後における破断伸び(Eb)を測定し、得られた値を下記式に当てはめて破断伸びの保持率(%)を求め、当該保持率によって耐熱老化性を評価した。保持率が高いほど耐熱老化性に優れる。
保持率(%)=[(処理後の破断伸び)/(処理前の破断伸び)]×100
上記のとおりにして製造された、加硫ゴムシート又はゴム組成物を用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。表1において耐熱老化性以外の評価結果を比較例1の結果を100とする指数で表示する。
・硬度(JIS硬度A):JIS K 6253に準拠して20℃の条件下で測定した。指数が大きいほど硬度が高く、良好である。
・破断伸び(初期伸び):JIS K 6251に基づき、3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、破断伸びを測定した。指数が大きいほど強度が強く、良好である。
・未加硫ゴムの粘度(ムーニー粘度):JIS K 6300に基づき100℃にてムーニー粘度を測定した。指数が小さい程粘度が低いことを示す。
・加硫速度(T30):JIS K 6300に基づき160℃にて30%加硫度に達する時間を測定した。指数が小さいほうがT30に達する時間が短くインシュレーション用のゴム組成物として良好である。
・耐熱老化性:上記のとおり製造したゴム組成物を160℃で60分間、加圧加硫した厚さ2mmのシートをJIS K6251に準拠して、このシートからダンベル状3号形試験片を打ち抜き、さらに80℃、168時間の条件で空気加熱老化処理を行い、該処理前後における破断伸び(Eb)を測定し、得られた値を下記式に当てはめて破断伸びの保持率(%)を求め、当該保持率によって耐熱老化性を評価した。保持率が高いほど耐熱老化性に優れる。
保持率(%)=[(処理後の破断伸び)/(処理前の破断伸び)]×100
上記表1に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:天然ゴム、RSS#1
・SBR:Nipol 1502、日本ゼオン社製
・カーボンブラック:カーボンブラック、グレードGPF、東海カーボン社製、商品名シーストV、窒素吸着比表面積35m3/g
・白色充填剤:炭酸カルシウム、商品名M−300、丸尾カルシウム社製
・アロマオイル:商品名エクストラクト4号S、昭和シェル石油社製
・亜鉛華:正同化学工業社製、「酸化亜鉛3種」
・ステアリン酸:NOFコーポレーション社製、「ステアリン酸YR」
・硫黄:軽井沢精錬所製、「油処理イオウ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業製、「ノクセラー DZ−G」
・NR:天然ゴム、RSS#1
・SBR:Nipol 1502、日本ゼオン社製
・カーボンブラック:カーボンブラック、グレードGPF、東海カーボン社製、商品名シーストV、窒素吸着比表面積35m3/g
・白色充填剤:炭酸カルシウム、商品名M−300、丸尾カルシウム社製
・アロマオイル:商品名エクストラクト4号S、昭和シェル石油社製
・亜鉛華:正同化学工業社製、「酸化亜鉛3種」
・ステアリン酸:NOFコーポレーション社製、「ステアリン酸YR」
・硫黄:軽井沢精錬所製、「油処理イオウ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業製、「ノクセラー DZ−G」
・カルボン酸誘導体1(TMMP):下記式(2a)で表されるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、SC有機化学社製TMMP(SH=3)、MW398.50
・イソシアヌル酸誘導体1(TEMPIC):下記式(1a)で表されるトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、SC有機化学社製TEMPIC(SH=3)、MW525.62
表1において、比較例1は硫黄を含むので、ゴムの架橋はポリスルフィド結合を含むスルフィド結合によるものである。
表1に示す結果から明らかなように、カーボンブラックの量が80質量部より少ない比較例2、3は、耐熱老化性が低く、比較例1より硬度が低かった。特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず、白色充填剤の量が10質量部より少ない比較例4は、比較例1より耐熱老化性、硬度が低かった。特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず加硫促進剤の量を増やした比較例5は、加硫速度が速くなるものの破断伸びが低く、耐熱老化性が低く、未加硫ゴムの粘度が上昇した。イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の量が3.5質量部を超える比較例6は加硫速度が速いことと高い破断伸びを両立させることができなかった。カーボンブラックと白色充填剤との合計量がジエン系ゴム100質量部に対して180質量部を超える比較例7は、加硫速度が速いことと高い破断伸びを両立させることができず、耐熱老化性が低く、未加硫ゴムの粘度が上昇した。
これに対して、実施例1〜2は、速い加硫速度と高い破断伸びとを両立させることができ、耐熱老化性に優れる。また、実施例1〜2は、加硫速度を大幅に速くし、かつ、高い破断伸び、ゴム硬度を維持でき、加工性に優れ(未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制する。)、これらのバランスに優れる。
表1に示す結果から明らかなように、カーボンブラックの量が80質量部より少ない比較例2、3は、耐熱老化性が低く、比較例1より硬度が低かった。特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず、白色充填剤の量が10質量部より少ない比較例4は、比較例1より耐熱老化性、硬度が低かった。特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず加硫促進剤の量を増やした比較例5は、加硫速度が速くなるものの破断伸びが低く、耐熱老化性が低く、未加硫ゴムの粘度が上昇した。イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の量が3.5質量部を超える比較例6は加硫速度が速いことと高い破断伸びを両立させることができなかった。カーボンブラックと白色充填剤との合計量がジエン系ゴム100質量部に対して180質量部を超える比較例7は、加硫速度が速いことと高い破断伸びを両立させることができず、耐熱老化性が低く、未加硫ゴムの粘度が上昇した。
これに対して、実施例1〜2は、速い加硫速度と高い破断伸びとを両立させることができ、耐熱老化性に優れる。また、実施例1〜2は、加硫速度を大幅に速くし、かつ、高い破断伸び、ゴム硬度を維持でき、加工性に優れ(未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制する。)、これらのバランスに優れる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトクッション
9 インナーライナー
10 タイゴム
G インシュレーションゴム
W ビードワイヤ
C ビードカバーゴム
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトクッション
9 インナーライナー
10 タイゴム
G インシュレーションゴム
W ビードワイヤ
C ビードカバーゴム
Claims (4)
- 天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含有するジエン系ゴム100質量部と、下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.1〜3.5質量部と、カーボンブラック80質量部以上と、白色充填剤20質量部以上とを含み、
前記天然ゴムと前記スチレン−ブタジエンゴムとの質量比が50〜90:50〜10であり、
前記カーボンブラックと前記白色充填剤との合計量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して100〜180質量部である、タイヤのビードインシュレーション用のゴム組成物。
- 前記イソシアヌル酸誘導体又は前記カルボン酸誘導体の分子量が1,000以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記式(2)中、nが2である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて形成したビードインシュレーションを有する空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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JP2013267888A JP2015124249A (ja) | 2013-12-25 | 2013-12-25 | ゴム組成物およびこれを用いる空気入りタイヤ |
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---|---|---|---|---|
JP2019188985A (ja) * | 2018-04-24 | 2019-10-31 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
WO2021251166A1 (ja) * | 2020-06-08 | 2021-12-16 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
CN116082719A (zh) * | 2023-03-06 | 2023-05-09 | 山东昊华轮胎有限公司 | 一种客车轮胎子口用复合耐磨胶及其制备方法和应用 |
-
2013
- 2013-12-25 JP JP2013267888A patent/JP2015124249A/ja active Pending
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WO2021251166A1 (ja) * | 2020-06-08 | 2021-12-16 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP2021193008A (ja) * | 2020-06-08 | 2021-12-23 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
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