JP2016155700A - ナノ複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列することで、誘電特性及び圧電特性を更に向上できるナノ複合酸化物及びそれを誘電体として含むコンデンサー、並びにナノ複合酸化物の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のナノ複合酸化物は、2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物であって、前記2種以上の誘電体は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、及びチタン酸鉛からなる群から選ばれる2種以上のチタン酸化合物を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物及びそれを誘電体として含むコンデンサー、並びにナノ複合酸化物の製造方法に関し、特に誘電特性、圧電特性等を向上する技術として有用である。
近年、携帯電話やパソコン等における電子機器の小型化、高集積化に伴い、構成部品であるセラミックコンデンサー、圧電素子等に用いる誘電材料の誘電特性及び圧電特性の向上が要求されている。誘電特性は結晶軸の方向による異方性によって強く影響されるため、誘電特性の向上には結晶軸の向きを同一方向に揃える必要がある。また、コンデンサー等の容量を高めるためには、誘電材料を薄層にする必要がある。このような誘電材料としては、多結晶体であるチタン酸金属化合物が用いられており、一般的にはチタン酸バリウムが知られている。
例えば、特許文献1には、平均粒子径が小さくかつ配向度が高い(結晶軸の向きが揃っている)板状のチタン酸バリウムが開示されている。これにより、良く配向した状態で薄層とすることができるため、コンデンサーの容量を増加できると開示されている。しかし、特許文献1に記載のチタン酸金属化合物は、例えばチタン酸バリウムのように1種類のみの誘電体からなる誘電材料であり、格子歪みが少ないため誘電特性の向上には限界がある。
チタン酸バリウム結晶膜とチタン酸ストロンチウム結晶膜とを二次元に積層した人工超格子を利用する場合(非特許文献1)、各結晶膜のヘテロエピタキシャル界面が2次元であり、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物と比べ、ヘテロエピタキシャル界面が1/3であり、ヘテロエピタキシャル界面密度を更に改善する余地がある。
一方、特許文献2には、2種類の誘電体(例えば、チタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウム)からなる球状の人工超格子粒子が開示されている。この文献には、チタン酸バリウム粒子を核粒子として、核粒子の表面にチタン酸ストロンチウムをヘテロエピタキシャル成長により積層して人工超格子粒子を製造することが記載されている。従って、この人工超格子粒子は球状粒子であり、球状の人工超格子粒子から誘電体を作製する場合、球状粒子間の隙間が多いため、高い密度の誘電体ができにくい欠点があり、誘電特性を更に改善する余地がある。
特開2007−022857号公報 特開2014−005200号公報
溶接学会論文集 第24 巻 第3号 p. 259−264(2006)
そこで、本発明の目的は、2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列することで、誘電特性及び圧電特性を更に向上できるナノ複合酸化物及びそれを誘電体として含むコンデンサー、並びにナノ複合酸化物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、下記構成を採用することにより、前記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のナノ複合酸化物は、2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物であって、前記2種以上の誘電体は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、及びチタン酸鉛からなる群から選ばれる2種以上のチタン酸化合物を含むことを特徴とする。本発明における各種の物性値は、実施例等において採用する方法により測定される値である。
本発明では、前述のように2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物とすることによって、比誘電率を増加させ、誘電特性及び圧電特性を更に向上できる。誘電特性及び圧電特性の向上のメカニズムは定かではないものの下記の通りと考えられる。ナノ複合酸化物に2種以上の誘電体を導入することによって、各結晶子のエピタキシャル界面では、各結晶子のミスマッチングにより格子歪みが生じ、自発分極が不安定となり、外部電界や応力をかけると、容易に反転し、大きな誘電効果と圧電効果を生じると考えられる。すなわち、強誘電体側の誘電体の結晶界面に格子歪みを導入することにより、強誘電体の自発分極の反転を容易にすれば、巨大誘電効果及び圧電効果を実現できると考えられる。このためには、各結晶子の接合界面を最大限増加させ利用する必要がある。従って、本発明のように2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を作れば、接合界面が2次元での接合界面の3倍となり、誘電特性や圧電特性も少なくとも3倍は向上するのではないかと本発明者は推測した。
本発明における誘電体は、それぞれチタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムであることが好ましい。チタン酸バリウムは強誘電体であり、チタン酸ストロンチウムは常誘電体であり、各結晶子のエピタキシャル界面で生じる格子歪みを最適化することができるとともに、チタン酸バリウムの自発分極の反転を最適化できるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物における全体の組成式は、ATiO(ここで、A及びBは、互いに異なってBa,Sr,Ca,及びPbからなる群から選ばれ、0<x<1、0<y<1、x+y≒1)であることが好ましい。これにより、A:B:Tiの組成比を最適化できるとともに、エピタキシャル界面での格子歪みを最適化することができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物における各々の前記結晶子の結晶方位は、前記ナノ複合酸化物の内部で少なくとも一方向に揃っていることが好ましい。これにより、エピタキシャル界面ができやすくなり、格子歪みを最適化することができるため、比誘電率を最大化することができ、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のコンデンサーは、前記ナノ複合酸化物を誘電体として含むことが好ましい。これにより、誘電特性及び圧電特性をより向上できるため、コンデンサーの大容量化、小型化が可能となる。
本発明のナノ複合酸化物の製造方法において、層状構造のチタン酸水和物にバリウム化合物を反応させてチタン酸水和物結晶子内部にチタン酸バリウムナノ結晶子が複数配列した複合体を形成する第1の工程と、前記第1の工程で残存するチタン酸水和物にストロンチウム化合物、カルシウム化合物又は鉛化合物を反応させる第2の工程とを含むことを特徴とする。このように2段階の構造変換反応工程を経ることで、前述のような3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を形成できる。まず第1の工程を経ることで、層状構造のチタン酸水和物の層間に挿入されたBa2+がチタン酸水和物の一部分と反応し、チタン酸水和物結晶子の内部で結晶方位のそろったチタン酸バリウムナノ結晶子をトポタクチック反応により形成することができる。次に、第2の工程を経ることにより、残存する層状構造のチタン酸水和物をSr2+、Ca2+又はPb2+と選択的に反応することができ、チタン酸ストロンチウムナノ粒子、チタン酸カルシウムナノ粒子又はチタン酸鉛粒子が、チタン酸バリウムナノ結晶子の表面でエピタキシャルに成長し、2種の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を形成することができる。これにより、接合界面が2次元での接合界面の3倍となるため、比誘電率を増加させ、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物の製造方法において、前記第1の工程において、Ti元素1molに対して、Ba元素を0.05mol以上の割合で添加して反応させて、前記第2の工程において、Ti元素1molに対して、Sr元素を0.05mol以上の割合、Ca元素を0.05mol以上の割合、又はPb元素を0.05mol以上の割合で添加して反応させることが好ましい。これにより、層状構造中に最適なモル比でエピタキシャル成長させることができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物の製造方法において、前記バリウム化合物とは、水酸化バリウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、硫酸バリウム、及び酢酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上のバリウム化合物であり、前記ストロンチウム化合物とは、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、及び酢酸ストロンチウムからなる群から選ばれる1種以上のストロンチウム化合物であり、前記カルシウム化合物とは、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び酢酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上のカルシウム化合物であり、前記鉛化合物とは、水酸化鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化鉛、硝酸鉛、硫酸鉛、及び酢酸鉛からなる群から選ばれる1種以上の鉛化合物であることが好ましい。これにより、溶解度をコントロールすることにより各ナノ粒子のエピタキシャル成長を制御することができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物の製造方法において、前記第1の工程において、反応時に使用する溶媒は、水又は水とアルコールとの混合液であり、前記第2の工程において、反応時に使用する溶媒は、水とアルコールとの混合液であることが好ましい。各工程において、最適な溶媒を選択することにより、溶解度をコントロールすることができ各ナノ粒子のエピタキシャル成長を制御することができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。また、第2の工程では、比較的緩やかな条件で反応を行う必要があるため、溶媒は水とアルコールとの混合液であることが好ましい。激しい反応条件では、チタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウムの固溶体が生成してしまう。
本発明のナノ複合酸化物の製造方法において、前記第1の工程において、100℃〜370℃の温度、0.1時間〜1000時間で水熱条件下で反応させて、前記第2の工程において、100℃〜370℃の温度、0.1時間〜1000時間で水熱条件下で反応させることが好ましい。これにより、フラックス法と比べフラックスによる汚染がなく高温で反応させる必要もないため、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができる。
本発明の一実施形態に係るチタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物の3次元構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るチタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物の生成モデルを示す模式図である。 本発明の実施例1の第1の工程後に形成したチタン酸バリウム結晶のTEM像及びSAEDパターンを示す写真である。 本発明の実施例1及び2のチタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物のTEM像及びSAEDパターンを示す写真である。 比較例1及び2のチタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウム/固溶体のTEM像及びSAEDパターンを示す写真である。 実施例1及び比較例1に係るナノ複合酸化物及び固溶体の比誘電率の測定結果を示す図である。
本発明のナノ複合酸化物の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。上下等の位置関係を示す用語は、単に説明を容易にするために用いられており、本発明の構成を限定する意図は一切ない。
<3次元構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るチタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物の3次元構造を示す模式図である。本発明のナノ複合酸化物は図1に示す通り、例えばチタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムのような2種の誘電体の結晶子が3次元的に配列していることが特徴である。その際、各々の結晶子は、規則的に配列していてもよく、ランダムに配列していても良い。なお、2種以上の誘電体の結晶子を3次元的に複数ずつ配列することも可能である。3次元構造にすることによる誘電特性及び圧電特性の向上は、前述の通りではあるが、ナノ複合酸化物に2種の誘電体であるチタン酸バリウム(強誘電体)とチタン酸ストロンチウム(常誘電体)とを導入することによって、各結晶子のエピタキシャル界面では、各結晶子のミスマッチングにより格子歪みが生じている。従って、チタン酸バリウムの自発分極が不安定となり、外部電界や応力をかけると、容易に反転し、大きな誘電効果と圧電効果を生じさせることができると考えられる。
図2は、本発明の一実施形態に係るチタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物の生成モデルを示す模式図である。本発明のナノ複合酸化物の製造方法は図2に示す通り、例えば、第1の工程では、層状構造のチタン酸水和物に水酸化バリウムを反応させて、チタン酸水和物層間に挿入されたBa2+がチタン酸水和物の一部分と反応し、チタン酸水和物結晶子の内部で結晶方位のそろったチタン酸バリウムナノ結晶子を、チタン酸水和物結晶子内部でトポタクチック反応により形成することができる。次に、例えば、第2の工程では、前記第1の工程で残存するチタン酸水和物に水酸化ストロンチウムを水とエタノールとの混合溶媒中で反応させることで、残存するチタン酸水和物をSr2+と選択的に反応することができ、チタン酸バリウムナノ結晶子表面にチタン酸ストロンチウムナノ粒子がエピタキシャルに成長し、2種の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を形成することができる。この際、水酸化ストロンチウムの代わりに、例えば水酸化カルシウムのようなカルシウム化合物、又は水酸化鉛のような鉛化合物と反応させることも可能である。このように2段階の構造変換反応工程を経ることで、前述のような3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を形成することが可能となる。
<ナノ複合酸化物>
本発明において、前記2種以上の誘電体は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、及びチタン酸鉛からなる群から選ばれる2種以上のチタン酸化合物を含むことができる。誘電体としては、任意の成分として、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、チタン酸ビスマスからなる群より選ばれるチタン酸化合物を採用することもできる。2種の誘電体を用いる場合は、誘電特性及び圧電特性を向上させる観点からは、それぞれチタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムであることが好ましい。これにより、各結晶子のエピタキシャル界面で生じる格子歪みを最適化することができるとともに、チタン酸バリウムの自発分極の反転を最適化できるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物における全体の組成式は、ATiOであることが好ましい。A及びBは、互いに異なってBa,Sr,Ca,及びPbからなる群から選ばれる元素であるが、誘電特性及び圧電特性を向上させる観点から、一方はBa,他方はSr,Ca,又はPbから選ばれることが好ましい。また、xは0<x<1が好ましく、0.1<x<0.9がより好ましく、0.2<x<0.8が更に好ましく、0.4<x<0.6が特に好ましい。yは0<y<1が好ましく、0.1<y<0.9がより好ましく、0.2<y<0.8が更に好ましく、0.4<y<0.6が特に好ましい。また、x+yは、0<x+y<2が好ましく、0.8<x+y<1.2がより好ましく、0.9<x+y<1.1が更に好ましく、x+y≒1が特に好ましい。これにより、A:B:Tiの組成比を最適化できるとともに、エピタキシャル界面での格子歪みを最適化することができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物における各々の前記結晶子の結晶方位は、前記ナノ複合酸化物の内部で少なくとも一方向に揃っていることが好ましく、3方向で一致することがより好ましい。一方向に揃っているとは、結晶子同士が少なくとも1つの結晶方向で一致していることをいう。これにより、エピタキシャル界面を形成することができるため、比誘電率を最大化することができ、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明のナノ複合酸化物は焼成することで、残存する有機溶媒や水を脱離させ結晶性を高めることができるため、比誘電率を大幅に高めることができる。焼成温度としては、400℃〜1500℃が好ましく、600℃〜1300℃がより好ましく、800℃〜1100℃が更に好ましい。この範囲内であると、各誘電体の固溶体が形成せず、ナノ複合酸化物の3次元構造を保持できるため好ましい。焼成時間としては、0.1時間〜24時間が好ましく、1時間〜12時間がより好ましく、2時間〜6時間が更に好ましい。この範囲内であると、各誘電体の固溶体が形成せず、結晶性を高めることができるため好ましい。
各々の結晶子の大きさは、10nm〜500nmであることが好ましく、50〜100nmであることがより好ましい。これにより、3次元構造の接合界面を最大限に活用できるため、誘電特性及び圧電特性を向上できる。
本発明のナノ複合酸化物の平均粒径は、特に制限されないものの、0.01〜100μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると薄膜化できるため、コンデンサー等に用いた場合に小型化、大容量化が可能となる。
<第1の工程>
層状構造を有するチタン酸水和物の組成は、例えば一般式H4x/3Ti2−x/3・nHO(ここでxは0<x<1.0の正の数であり、nは正の数である)で表すことができる。
層状構造を有するチタン酸水和物は、径方向の平均粒子径が0.5〜100μm、幅方向の平均粒子径が0.1〜100μm、厚み方向の平均粒子径が0.01〜1μmであるものが好ましい。
層状構造を有するチタン酸水和物は、例えば、一般式AxMy□zTi(2−(x/4+ky/4+z))4で表される層状チタン酸塩(ここで、AはNa,K,Rb,Csからなる群の少なくとも一員の元素で、MはLi, Mg,Co,Ni,Zn,Mn(III),Fe(III)からなる群の少なくとも一員の元素であり、kはM元素の価数を表し、□はTiの欠陥部位を示す。xは0<x<1.0の正の数で、yは正の数で、zは0または正の数であり、0<y+z<1.0 かつx>yである)を、硝酸、塩酸等の酸と反応させて得ることができる。例えば、特開2007−022857号公報等に記載の方法により製造できるが、その他の公知の方法で製造することが可能である。
本発明における第1の工程において、層間に存在するHを置換するためのイオン源としては、Ba2+,Sr2+,Ca2+等のアルカリ土類金属のイオンやPb2+イオンをあげることができる。最初にBa源を導入してBaTiOを形成すると、BaTiOはチタン酸水和物に比べて安定で、生成したBaTiOとK,Na等の他のイオンが接触しても、Ba2+イオンが他のイオンで置き換えられにくいため、Ba源を最初に導入することが好ましい。
Ba源として使用できるバリウム化合物としては、特に制限されないものの、水酸化バリウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、硫酸バリウム、及び酢酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上のバリウム化合物が好ましく、一般的な原料であり入手しやすさの観点からは、水酸化バリウムがより好ましい。任意の成分としてその他の有機酸バリウムを採用することもできる。これにより、溶解度をコントロールすることにより各ナノ粒子のトポタクチック生成を制御することができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
前記バリウム化合物は、Ti元素1molに対して、好ましくはBa元素を0.05mol以上、より好ましくは0.05〜1.0mol、更に好ましくは0.1〜0.9mol、特に好ましくは0.2〜0.8molの割合で添加することができる。これにより、層状構造中に最適なモル比で最適なモル比でトポタクチック生成させることができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明における第1の工程において、反応時に使用する溶媒は、溶解度をコントロールしてトポタクチック生成させる観点から、親水性溶媒であることが好ましい。親水性溶媒としては、親水性を有するものであれば特に制限されず、例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール、グリセリン、アセトン、アミン類等の水と自由に混和する溶媒をいい、例えば水とアルコールとの混合液のように、これらの親水性溶媒を2種以上含有する混合液であっても良い。なお、本発明の効果を損なわない程度に不純物が含まれていても良い。溶解度をコントロールしてトポタクチック生成させる観点から、水、又は水とアルコールとの混合液が好ましく、水、又は水とエタノールとの混合液がより好ましい。
溶媒として、水とアルコールとの混合液を用いる場合、水とアルコールとの体積比は、溶解度をコントロールする観点から、100:0〜0:100が好ましく、95:5〜5:95がより好ましく、90:10〜10:90が更に好ましい。溶解度をコントロールすることができ各ナノ粒子のトポタクチック生成を制御することができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明における第1の工程では、水熱条件下で反応させてチタン酸バリウム結晶を形成させることが好ましく、各層間に2次元的に複数配列したチタン酸バリウム結晶を得ることができる(ソルボサーマル法)。水熱処理温度としては、100℃〜370℃が好ましく、120℃〜300℃がより好ましく、150℃〜250℃が更に好ましい。水熱処理時間としては、0.1時間〜1000時間が好ましく、0.5時間〜100時間がより好ましく、1時間〜48時間が更に好ましい。これにより、フラックス法と比べフラックスによる汚染がなく高温で反応させる必要もないため、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができる。
<第2の工程>
本発明における第2の工程において、残存するチタン酸水和物と反応させるためのイオン源としては、Ba2+,Sr2+,Ca2+等のアルカリ土類金属イオンやPb2+イオンをあげることができる。第1の工程においてBa源を導入してBaTiOを形成している場合、Ba2+イオンを他のイオンで置き換えられないようにするため、Ba2+よりも溶解度の低い二価のイオン源が好ましく、例えば、Sr、Ca又はPb源がより好ましい。
Sr源として使用できるストロンチウム化合物としては、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、及び酢酸ストロンチウムからなる群から選ばれる1種以上のストロンチウム化合物が好ましく、一般的な原料であり入手しやすさの観点から、水酸化ストロンチウムがより好ましい。任意の成分としてその他の有機酸ストロンチウムを採用することもできる。Ca源として使用できるカルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び酢酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上のカルシウム化合物が好ましく、一般的な原料であり入手しやすさの観点から、水酸化カルシウムがより好ましい。任意の成分としてその他の有機酸カルシウムを採用することもできる。Pb源として使用できる鉛化合物としては、水酸化鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化鉛、硝酸鉛、硫酸鉛、及び酢酸鉛からなる群から選ばれる1種以上の鉛化合物が好ましく、一般的な原料であり入手しやすさの観点から、水酸化鉛がより好ましい。任意の成分としてその他の有機酸鉛を採用することもできる。これにより、溶解度をコントロールすることにより各ナノ粒子のエピタキシャル成長を制御することができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
前記第2の工程において、Ti元素1molに対して、好ましくはSr元素を0.05mol以上、より好ましくは0.05〜2.0mol、更に好ましくは0.1〜1.8mol、特に好ましくは0.2〜1.6molの割合で添加することができる。また、Ti元素1molに対して、好ましくはCa元素を0.05mol以上、より好ましくは0.05〜2.0mol、更に好ましくは0.1〜1.8mol、特に好ましくは0.2〜1.6molの割合で添加することができる。また、Ti元素1molに対して、好ましくはPb元素を0.05mol以上、より好ましくは0.05〜2.0mol、更に好ましくは0.1〜1.8mol、特に好ましくは0.2〜1.6molの割合で添加することができる。これにより、層状構造中に最適なモル比で最適なモル比でエピタキシャル成長させることができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
前記第2の工程において、反応時に使用する溶媒は、溶解度をコントロールしてエピタキシャル成長させる観点から、親水性溶媒であることが好ましい。親水性溶媒としては、前記第1の工程で記載のものを用いることができ、水とアルコールとの混合液が好ましく、水とエタノールとの混合液がより好ましい。この工程は、比較的緩やかな条件で反応を行う必要があるため、溶媒は水とアルコールとの混合液であることが好ましい。激しい反応条件では、チタン酸バリウム−チタン酸ストロンチウムの固溶体が生成してしまう。
溶媒として、水とアルコールとの混合液を用いる場合、水とアルコールとの体積比は、溶解度をコントロールする観点から、90:10〜0:100が好ましく、70:30〜10:90がより好ましく、50:50〜30:70が更に好ましい。溶解度をコントロールすることができ各ナノ粒子のエピタキシャル成長を制御することができ、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成させることができるため、誘電特性及び圧電特性をより向上できる。
本発明における第2の工程は、水熱条件下で反応させることが好ましく、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成できる(ソルボサーマル法)。水熱処理温度としては、100℃〜370℃が好ましく、120℃〜300℃がより好ましく、150℃〜250℃が更に好ましい。水熱処理時間としては、0.1時間〜1000時間が好ましく、0.5時間〜100時間がより好ましく、1時間〜48時間が更に好ましい。このような水熱条件下であると、3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物を効率よく形成できる。
<コンデンサー>
コンデンサーは前記ナノ複合酸化物を誘電体として含むことが好ましい。このようなコンデンサーは、前記ナノ複合酸化物を配合した後、公知の形成方法により得ることができる。このようなコンデンサーは成形性や作業性に優れるとともに、誘電特性及び圧電特性が高いため、大容量化、小型化が可能となる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
(1)透過型電子顕微鏡
透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社、JEM−3010)(以下、TEM)を用いて加速電圧300kV、電流50μAでマイクログリッド上に載せた粉体サンプルを測定して、TEM像と制限視野電子回折(以下、SAED)パターンを得た。
(2)比誘電率の測定
実施例及び比較例で得られた生成物1gにエタノールを50μL滴下したものを、単軸プレス機(理研精機株式会社、S1−255)にて200〜400kg/cmの荷重を約3分かけることにより、直径約15mm×厚さ約1mmの円錐状のペレットとした。得られたペレットを900℃で3時間の熱処理を行った。熱処理後のペレットの両端面に銀ペースト(昭栄化学工業株式会社、H−5698)を2μm厚さにスクリーン印刷で塗布し、700℃で1時間乾燥させ、試験体とした。
前記のようにして作製した試験体を、LCRメータ(Agilent E4980a)を用いて、印加電圧を1V、周波数1〜2000kHzにて測定した。周波数1kHzでの比誘電率を表1に示す。また、周波数を横軸にしたグラフを図6に示す。
(3)原子吸光分析
原子吸光分析装置(株式会社島津製作所、AA6200)を用いて測定した。
(4)X線回折測定(XRD)
X線回折装置(株式会社リガク、RINT−2500)CuのKアルファ線、40kV、50mA)を用いて、走査間隔は0.03°、走査速度は5.0°/minで3〜60°の範囲で測定した。
[実施例1]
(層状構造のチタン酸水和物の調製)
容量30mLの密閉容器内に、原子比でTi:K:Li=5:4:1となるように、酸化チタン3.5g(和光純薬株式会社)、水酸化カリウム2.0g(和光純薬株式会社)、水酸化リチウム1水和物0.37g(和光純薬株式会社)、水16mLを加えて、17rpmで撹拌しながら密閉状態で250℃、20時間加熱保持して、水熱条件下で反応させた。この時の昇温速度は300℃/時間であった。その後、容器内が室温になるまで放冷し、反応物を取り出して、吸引ろ過して、60℃で6時間乾燥した。得られた粒子は、K0.80Li0.27<0.01Ti1.73の層状粒子であった。なお、Tiの欠陥部位を示す□は一般に0.01未満の小さな正数である。層状粒子の組成は、原子吸光分析で求め、チタン酸カリウムリチウムであることはX線回折測定(XRD)で確認した。層状粒子9gを1MのHNO水溶液1000mL(層状粒子1モル当たりHNO 20モル)と室温で24時間、300rpmで撹拌しながら反応させて、層状構造のH1.07Ti1.73・xHO(以下、HTO)を得た。
(チタン酸バリウム−HTOナノ複合酸化物の調製)(以下、第1の工程)
容量50mLの密閉容器内に、原子比でBa:Ti=0.5:1.0となるように、HTO 0.10g及び水酸化バリウム8水和物0.18g(和光純薬株式会社)を、水とエタノール(和光純薬株式会社)との混合溶媒30mL(水:エタノールの体積比=5mL:25mL)に加えて、オートクレーブ装置に入れて、17rpmで撹拌しながら密閉状態で200℃、12時間加熱保持して、水熱条件下で反応させた。この時の昇温速度は300℃/時間であった。その後、容器内が室温になるまで放冷し、反応物を取り出して、0.1M酢酸溶液で洗浄した後蒸留水で洗浄し、吸引ろ過後、室温で乾燥した。このようにして、チタン酸バリウム−HTOナノ複合酸化物(以下、BaTiO/HTO)を得た。そのTEM像とSAEDパターンを図3に示す。得られたBaTiO/HTOのTEM像から、層状のHTO中に2次元的に複数配列したBaTiOナノ粒子を確認した。TEM像中の点線円で示したSAED部分から、HTOのパターンとBaTiOのパターンとが共存しており、HTOの(200)面とBaTiOの(002)面の回析スポット等がほぼ一致していることから、エピタキシャル効果によりチタン酸バリウムの結晶子が生成していることが分かる。
(チタン酸バリウム-チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物の調製)(以下、第2の工程)
容量50mLの密閉容器内に、原子比でSr:Ti=1.0:1.0となるように、BaTiO/HTO0.10g及び水酸化ストロンチウム8水和物0.17g(和光純薬株式会社)を、水とエタノール(和光純薬株式会社)との混合溶媒30mL(水:エタノールの体積比=10mL:20mL)に加えて、オートクレーブ装置に入れて、17rpmで撹拌しながら密閉状態で200℃、12時間加熱保持して、水熱条件下で反応させた。この時の昇温速度は300℃/時間であった。その後、容器内が室温になるまで放冷し、反応物を取り出して、0.1M酢酸溶液で洗浄した後蒸留水で洗浄して、吸引ろ過後、室温で乾燥した。このようにして、チタン酸バリウム-チタン酸ストロンチウム/ナノ複合酸化物(以下、BaTiO/SrTiO)を得た。そのTEM像とSAEDパターンを図4に示す。得られたBaTiO/SrTiOのTEM像及びSAEDパターンから、両者の(002)面の回折スポット等がほぼ一致していることから、両者の結晶子の結晶方位が同一方向に揃っていることが分かる。また、両者の(002)面等の回折スポットが若干ずれていることから、両者の格子サイズが若干相違していることがわかる。
[実施例2]
実施例1において、各条件を表1のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でBaTiO/SrTiOを作製した。そのTEM像とSAEDパターンを図4に示す。得られたBaTiO/SrTiOのTEM像及びSAEDパターンから、実施例1と同様に結晶方位が揃っていることを確認した。また、両者の(002)面等の回折スポットが若干ずれていることから、両者の格子サイズが若干相違していることがわかる。
[実施例3〜7]
実施例1において、各条件を表1のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でBaTiO/SrTiOを作製した。得られたBaTiO/SrTiOのTEM像及びSAEDパターンから、実施例1と同様に結晶方位が揃っていることを確認した。
[比較例1〜2]
実施例1において、各条件を表1のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で(Ba,Sr)TiO固溶体を得た。そのTEM像とSAEDパターンを図5に示す。得られた(Ba,Sr)TiO固溶体のTEM像及びSAEDパターンから、固溶体の回折スポットだけが確認できた。
[比較例3〜4]
実施例1において、各条件を表1のように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で生成物を得た。
Figure 2016155700
実施例1〜7においては、3次元的にBaTiO/SrTiOが複数ずつ配列したナノ複合酸化物であり、非常に高い比誘電率を有しており、誘電特性が向上できた。一方、比較例1〜2のように、(Ba,Sr)TiO固溶体であった場合、誘電特性は向上できなかった。また、比較例3〜4のように、単体からなる固溶体の場合も、誘電特性は向上できなかった。
また、図6に示すように、実施例1のナノ複合酸化物は、比較例1に比べて幅広い周波数帯域でより高い比誘電率を示した。

Claims (10)

  1. 2種以上の誘電体の結晶子が3次元的に複数ずつ配列したナノ複合酸化物であって、前記2種以上の誘電体は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、及びチタン酸鉛からなる群から選ばれる2種以上のチタン酸化合物を含むナノ複合酸化物。
  2. 前記誘電体は、それぞれチタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムである請求項1に記載のナノ複合酸化物。
  3. 全体の組成式は、ATiO(ここで、A及びBは、互いに異なってBa,Sr,Ca、及びPbからなる群から選ばれ、0<x<1、0<y<1、x+y≒1)である請求項1又は2に記載のナノ複合酸化物。
  4. 前記ナノ複合酸化物における各々の前記結晶子の結晶方位は、前記ナノ複合酸化物の内部で少なくとも一方向に揃っている請求項1〜3いずれか1項に記載のナノ複合酸化物。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のナノ複合酸化物を誘電体として含む、コンデンサー。
  6. 層状構造のチタン酸水和物にバリウム化合物を反応させてチタン酸水和物結晶子内部にチタン酸バリウムナノ結晶子が複数配列した複合体を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程で残存するチタン酸水和物にストロンチウム化合物、カルシウム化合物又は鉛化合物を反応させる第2の工程と、
    を含むナノ複合酸化物の製造方法。
  7. 前記第1の工程において、Ti元素1molに対して、Ba元素を0.05mol以上の割合で添加して反応させて、
    前記第2の工程において、Ti元素1molに対して、Sr元素を0.05mol以上の割合、Ca元素を0.05mol以上の割合、又はPb元素を0.05mol以上の割合で添加して反応させる請求項6に記載のナノ複合酸化物の製造方法。
  8. 前記バリウム化合物とは、水酸化バリウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、硫酸バリウム、及び酢酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上のバリウム化合物であり、
    前記ストロンチウム化合物とは、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、及び酢酸ストロンチウムからなる群から選ばれる1種以上のストロンチウム化合物であり、
    前記カルシウム化合物とは、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び酢酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上のカルシウム化合物であり、
    前記鉛化合物とは、水酸化鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化鉛、硝酸鉛、硫酸鉛、及び酢酸鉛からなる群から選ばれる1種以上の鉛化合物である請求項6又は7に記載のナノ複合酸化物の製造方法。
  9. 前記第1の工程において、反応時に使用する溶媒は、水又は水とアルコールとの混合液であり、
    前記第2の工程において、反応時に使用する溶媒は、水とアルコールとの混合液である請求項6〜8いずれか1項に記載のナノ複合酸化物の製造方法。
  10. 前記第1の工程において、100℃〜370℃の温度、0.1時間〜1000時間で水熱条件下で反応させて、
    前記第2の工程において、100℃〜370℃の温度、0.1時間〜1000時間で水熱条件下で反応させる請求項6〜9いずれか1項に記載のナノ複合酸化物の製造方法。
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