JP2016155294A - 印刷装置 - Google Patents

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秀一朗 中野
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Abstract

【課題】媒体の加熱効率を高めることができる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置は、媒体にインクを付着させることで印刷を行う印刷部と、媒体を搬送する搬送部と、印刷済みの媒体に一面側から接触することで当該媒体を支持する第3の支持部材70と、第3の支持部材70に支持された媒体を一面側とは反対側となる他面側から加熱する加熱装置100と、を備え、第3の支持部材70には、一面側から媒体に接触不能な退避部77が、間隔Dを空けて複数形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式プリンターなどの印刷装置に関する。
従来から、印刷装置の一例として、用紙等の媒体に液体の一例としてのインクを噴射することで、文字や画像を形成するインクジェット式プリンターが知られている。こうしたプリンターの中には、媒体を支持する支持部材と、支持部材に支持された媒体に向かって気体を送風するファンと、ファンが送風する気体を昇温するとともにインクが噴射された媒体に赤外線を放射するヒーターと、を有する加熱装置を備えるものがある(例えば、特許文献1)。
そして、上記のようなプリンターでは、昇温された気体(熱風)による熱伝達とヒーターによる熱放射とによって媒体を加熱することで、媒体に噴射されたインク中の溶媒成分(例えば水)を蒸発させている。
特開2013−28095号公報
ところが、上記のような加熱装置を備えるプリンターでは、媒体に付与される熱が当該媒体を支持する支持部材に伝わりやすく媒体の温度が低下しやすい。このため、上記のようなプリンターでは、インクが噴射された媒体を乾燥させる際の加熱装置の加熱効率を高める点について、なお改善の余地が残されていた。
また、上記実情は、インクジェット式プリンターに限らず、インクが付着した媒体を加熱することで、当該媒体に対するインクの定着性を高める印刷装置においては、概ね共通するものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。その目的は、媒体の加熱効率を高めることができる印刷装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する印刷装置は、媒体にインクを付着させることで印刷を行う印刷部と、前記媒体を当該媒体の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路の少なくとも一部を構成し、印刷済みの前記媒体に一面側から接触することで当該媒体を支持する支持部材と、前記支持部材に支持された前記媒体を前記一面側とは反対側となる他面側から加熱する加熱装置と、を備え、前記支持部材には、前記一面側から前記媒体に接触不能な退避部が、間隔を空けて複数形成されている。
上記構成によれば、支持部材に支持された媒体は、支持部材に支持される一面側とは反対側となる他面側から加熱装置によって加熱される。ここで、媒体を支持する支持部材には、媒体と接触不能な退避部が間隔を空けて複数形成されている。このため、退避部が形成されている分、支持部材と媒体との接触面積が小さくなり、加熱される媒体から当該媒体を支持する支持部材に熱が伝わりにくくなる。こうして、この構成によれば、媒体の加熱効率を高めることができる。
上記印刷装置において、前記加熱装置は、前記支持部材に支持された前記媒体に赤外線を放射することで、当該媒体を加熱し、前記支持部材は、前記加熱装置に面する赤外線反射面を有することが望ましい。
上記構成によれば、加熱装置が支持部材に支持された媒体に向かって放射する赤外線のうち、媒体を透過する赤外線は支持部材の赤外線反射面によって反射される。このため、反射された赤外線の少なくとも一部は、支持部材に支持された媒体に吸収される。したがって、支持部材が赤外線反射面を有しない場合に比較して、媒体を効率良く加熱することができる。
上記印刷装置において、前記加熱装置は、前記支持部材に支持された前記媒体に加熱された気体を送風することで、当該媒体を加熱し、前記支持部材が前記媒体を支持する領域のうち、前記加熱装置から気体が送風される領域を被送風領域としたとき、前記支持部材において、前記被送風領域からの距離が遠いほど前記間隔が広いことが望ましい。
支持部材に支持された媒体に気体を送風することで、当該媒体を加熱する場合には、気体が媒体に強く送風されるほど、媒体が支持部に強く押し付けられることで、媒体の搬送負荷が増大しやすい。上記構成によれば、被送風領域においては、退避部が形成される間隔が狭く、単位面積当たりの媒体に対する接触面積が小さくなるため、媒体の搬送負荷の増大を抑制することができる。一方、被送風領域から離れた領域においては、退避部が形成される間隔が広く、単位面積当たりの媒体に対する接触面積が大きくなるため、媒体を好適に支持することができる。
印刷装置の概略構成を示す側面図。 加熱装置と第3の支持部材との概略構成を示す斜視図。 一部構成を破断した加熱装置と第3の支持部材との概略構成を示す斜視図。 (a)は加熱装置と第3の支持部材との幅方向における断面図、(b)は第1の隔壁の拡大断面図、(c)は第3の隔壁の拡大断面図。 印刷装置の作用を説明する図であって、加熱装置と第3の支持部材との幅方向における断面図。
以下、印刷装置の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の印刷装置は、長尺の用紙などの媒体に液体の一例としてのインクを噴射することで、文字や画像を形成するインクジェット式のラージフォーマットプリンターである。
図1に示すように、印刷装置10は、媒体Mの移動方向に沿って、ロール状に巻回された媒体Mを繰り出す繰出部20と、媒体Mを支持する支持部30と、媒体Mを搬送する搬送部40と、媒体Mに印刷を行う印刷部50と、媒体Mを加熱する加熱装置100と、媒体Mを巻き取る巻取部60とを備えている。
なお、以降の説明では、図1において紙面と直交する方向を幅方向X(図2参照)とし、図1における左右方向を前後方向Yとし、図1における上下方向を鉛直方向Zとする。なお、幅方向X、前後方向Y及び鉛直方向Zは、互いに交差(直交)する方向である。
また、印刷装置10において、繰出部20から巻取部60までの媒体Mの移動方向を搬送方向Fとする。このため、例えば、繰出部20は搬送方向Fにおいて最上流側に設けられていると言えるし、巻取部60は搬送方向Fにおいて最下流側に設けられていると言える。また、以降の説明では、搬送方向Fにおいて下流に向かう方向を単に搬送方向Fということもある。
繰出部20は、媒体Mをロール状に巻回したロール体21を保持する保持部22を有している。そして、繰出部20は、ロール体21を一方向(図1では反時計方向)に回転させることで、ロール体21から巻き解いた媒体Mの繰り出しを行う。
支持部30は、搬送方向Fに沿って、第1の支持部材31と、第2の支持部材32と、第3の支持部材70と、を備えている。第1の支持部材31、第2の支持部材32及び第3の支持部材70は、幅方向Xを長手方向とする板状をなし、幅方向Xに亘って媒体Mに接触することで当該媒体Mを支持する。
詳しくは、第1の支持部材31は、繰出部20から第2の支持部材32に搬送される印刷前の媒体Mを支持する。第2の支持部材32は、印刷部50と面した領域に設けられ、印刷が行われる媒体Mを支持する。第3の支持部材70は、加熱装置100に面した領域に設けられ、第2の支持部材32から巻取部60に向かって搬送される印刷済みの媒体Mを支持する。
また、本実施形態では、図1に示すように、第1の支持部材31、第2の支持部材32及び第3の支持部材70が、媒体Mの「搬送経路」の一部を構成している。また、繰出部20から繰り出された媒体Mが第1の支持部材31に支持されるまでに移動する経路及び第3の支持部材70に支持された媒体が巻取部60に巻き取られるまでに移動する経路も、媒体Mの搬送経路の一部に相当する。
搬送部40は、搬送方向Fにおいて第1の支持部材31及び第2の支持部材32の間に配置される第1の搬送ローラー41と、搬送方向Fにおいて第2の支持部材32及び第3の支持部材70の間に配置される第2の搬送ローラー42とを備えている。
第1の搬送ローラー41及び第2の搬送ローラー42は、媒体Mに接触した状態で回転することで媒体Mに搬送力を付与する駆動ローラー43と、搬送される媒体Mに接触することで従動回転する従動ローラー44とを有している。そして、搬送部40は、第1の搬送ローラー41及び第2の搬送ローラー42に媒体Mを挟持させた状態で、駆動ローラー43を駆動させることで、媒体Mを搬送方向下流側に向かって搬送する。
印刷部50は、搬送方向Fと交差する幅方向Xを長手方向とするガイド軸51と、ガイド軸51に支持されるキャリッジ52と、媒体Mに対して不図示のノズルからインクを噴射する印刷ヘッド53とを備えている。キャリッジ52は、不図示のキャリッジモーターの駆動により、ガイド軸51の長手方向である幅方向Xに往復移動する。印刷ヘッド53は、キャリッジ52の鉛直下方に支持されている。
そして、印刷部50は、キャリッジ52の幅方向Xへの移動時に、印刷ヘッド53に適切なタイミングでインクを噴射させることで、媒体Mに文字や画像を形成する印刷動作を行う。なお、本実施形態において、印刷ヘッド53から噴射されるインクは、染料又は顔料からなる色材を溶質として含むとともに、主溶媒が水である水系のインクである。
また、以降の説明では、印刷部50に印刷される媒体Mの被印刷面を「媒体Mの表面」ともいい、支持部30に支持される媒体Mの被支持面を「媒体Mの裏面」ともいう。なお、本実施形態では、媒体Mの表面は「媒体Mの他面」に相当し、媒体Mの裏面は「媒体Mの一面」に相当する。
巻取部60は、媒体Mをロール状に巻回するロール体61を保持する保持部62を有している。そして、巻取部60は、ロール体61を一方向(図1では反時計方向)に回転させることで、印刷済みの媒体Mの巻き取りを行う。
次に、図2〜図4を参照して、加熱装置100について詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、加熱装置100は、当該加熱装置100の外装となるケース110と、閉空間を形成する加熱室200と、加熱室200の内部に気体(例えば空気)を送風する第1のファン120と、第1のファン120が送風する気体を加熱部130と、第1のファン120が送風する気体を除湿する吸湿部140と、を備えている。また、加熱装置100は、第1のファン120を支持する支持板150と、ケース110の内部に気体を送風する第2のファン160と、を備えている。
なお、加熱装置100は、第3の支持部材70に支持された媒体Mを加熱するものであるため、加熱装置100の幅方向Xにおける長さは、印刷装置10が印刷対象とする媒体Mの幅方向Xにおける長さ以上であることが望ましい。また、以降の説明では、加熱装置100及び第3の支持部材70の間の領域であって、媒体Mを加熱するための領域を「加熱領域HA」ともいう。
図2及び図4(a)に示すように、ケース110の第3の支持部材70側とは反対側には、幅方向Xに間隔を空けて複数(2つ)の取付口111が開口している。また、図4(a)に示すように、ケース110の第3の支持部材70側には、第3の支持部材70に面するように、収容口112及び送気口113が搬送方向Fに並ぶように開口している。
図2に示すように、加熱室200は、幅方向Xにおいて、ケース110の側壁114によって区画されている。また、図3及び図4(a)に示すように、加熱室200は、幅方向Xと交差する方向において、第1の隔壁210、第2の隔壁220、第3の隔壁230及び第4の隔壁240によって区画されている。
図3及び図4(a),(b),(c)に示すように、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、第3の支持部材70に面するように設けられている。ここで、第1の隔壁210は、第3の隔壁230よりも搬送方向Fにおける下流側に位置するように、当該第3の隔壁230と一体に連結されている。また、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、第3の支持部材70に支持される媒体M(搬送経路)と交差する方向に延びる第1の交差壁251及び第2の交差壁252を有している。
図4(b),(c)に示す断面視において、第1の交差壁251は、搬送方向Fに向かうに連れて加熱室200の内部に向かうように設けられ、第2の交差壁252は、搬送方向Fに向かうに連れて加熱室200の外部に向かうように設けられている。こうして、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、第1の交差壁251及び第2の交差壁252を搬送方向Fに交互に配置することで構成されることで、当該搬送方向Fにおいて加熱室200の内側及び外側に交互に屈曲している。
したがって、第3の支持部材70に面する第1の隔壁210の表面積は、第1の隔壁210を第3の支持部材70に向かって投影したときの投影面積よりも大きく、第3の支持部材70に面する第3の隔壁230の表面積は、第3の隔壁230を第3の支持部材70に向かって投影したときの投影面積よりも大きくなっている。なお、ここでいう第1の隔壁210及び第3の隔壁230を投影する方向とは、例えば、第3の支持部材70(搬送経路)と直交する方向である。
また、図3及び図4(b)に示すように、第1の隔壁210の第1の交差壁251及び第2の交差壁252には、それらの厚さ方向に流出口253が貫通形成されている。図3に示すように、流出口253は、第1の交差壁251及び第2の交差壁252の長手方向(幅方向X)に間隔を空けて複数形成されている。こうして、第1の隔壁210には、搬送方向F及び幅方向Xに間隔をおいて複数の流出口253が貫通形成されている。なお、図4(a),(b)に示すように、流出口253は、一方が加熱室200に開口し、他方が加熱領域HAに開口している。
また、図4(b)に示すように、幅方向Xにおける断面視において、第1の隔壁210の第1の交差壁251及び第2の交差壁252は互いに交差するように設けられている。このため、第1の交差壁251における流出口253の貫通方向と、第2の交差壁252における流出口253の貫通方向とは、異なる方向となっている。
その一方で、図4(c)に示すように、第3の隔壁230の第1の交差壁251及び第2の交差壁252には、第1の隔壁210の第1の交差壁251及び第2の交差壁252と異なり、流出口253が貫通形成されていない。
また、本実施形態において、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、第3の支持部材70に支持された媒体Mに赤外線を放射することで当該媒体Mを熱放射によって加熱する「赤外線放射部」に相当し、第1の隔壁210及び第3の隔壁230のうち、第3の支持部材70側の面は赤外線を放射する赤外線放射面211,231に相当する。このため、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、媒体Mを熱放射により効率良く加熱することができる材質で形成されていることが望ましい。
ここで、第1の隔壁210及び第3の隔壁230からの赤外線放射量(放射エネルギー)は、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231の温度の4乗に比例する。したがって、第1の隔壁210及び第3の隔壁230からの赤外線放射量を大きくするには、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231の温度を早期に高くすべく、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の熱伝導率が高いことが望ましい。
また、第1の隔壁210及び第3の隔壁230からの赤外線放射量を大きくするには、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231の放射率が高いことが望ましい。詳しくは、インクの赤外線の吸収波長域である中赤外線領域及び遠赤外線領域における放射率が高いこと(0.8以上であること)が望ましい。なお、本明細書中では、波長が約0.7μm〜約2.5μmの電磁波を近赤外線とし、波長が約2.5μm〜約4μmの電磁波を中赤外線とし、波長が約4μm〜約1000μmの電磁波を遠赤外線とする。
したがって、第1の隔壁210及び第3の隔壁230を、金属材料の中でも熱伝導率が比較的高いアルミニウム又はアルミニウム合金で構成し、その赤外線放射面211,231には放射率を高めるためにアルマイト処理を施すことが望ましい。さらには、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、遠赤外線高放射アルミニウム機能材であるスーパーレイ(登録商標)で構成することがより望ましい。
具体的には、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、Mn(マンガン)を0.3〜4.3重量%含有し、残部がAl(アルミニウム)及び不可避不純物とからなる組成を有し、かつ、MnとAlの金属間化合物が分散析出しているアルミニウム合金とその表面に形成されているアルマイト層とから構成することが望ましい。また、こうした材料に、Mg(マグネシウム)を0.05〜6重量%含有させてもよい。なお、こうした材料については、例えば、特開平4−110493号公報に記載されている。
因みに、こうした材料によって、放射率が向上するのは、アルマイト処理されたアルミニウム合金表面の反射率が低下するとともに、当該表面が多孔質構造となることで微細な凹凸が形成され、その表面積が大きくなるためである。
図3及び図4(a)に示すように、第2の隔壁220は、第3の隔壁230と交差するように搬送方向Fと交差(直交)する方向に延設されている。図4(a)に示すように、第2の隔壁220には、その幅方向Xにおける略中央に流入口221が貫通形成されている。また、図3及び図4(a)に示すように、第4の隔壁240は、第1の隔壁210及び第2の隔壁220を連結している。
なお、本実施形態において、第1の隔壁210、第2の隔壁220、第3の隔壁230及び第4の隔壁240は、幅方向Xに向かって押出成形することで一体に形成してもよいし、それぞれの隔壁を別体に成形した後に溶接したり締結部材で締結したりすることで一体としてもよい。
図4(a)に示すように、第1のファン120は、ケース110の内側であって加熱室200の外側に、第2の隔壁220の流入口221を塞ぐように設けられている。そして、第1のファン120は、流入口221を介して、加熱室200の外部から加熱室200の内部に気体を送風する。この点で、本実施形態では、第1のファン120が、流入口221を介して加熱室200に気体を流入させる「気体流入部」の一例に相当する。なお、第1のファン120は、例えば、軸流ファンであってもよいし、遠心ファンであってもよい。
図4(a)に示すように、加熱部130は、円筒状をなす円筒部131と、電流が流れることで発熱する発熱体132と、を有している。円筒部131は、その基端側が第2の隔壁220の流入口221に連通する一方、その先端側が加熱室200の内部に開口している。また、発熱体132は、円筒部131の内側に収容されている。
こうして、加熱部130は、流入口221から流入する気体を、発熱体132を収容する円筒部131の内側を流通させることで加熱する。また、加熱室200に流入する気体が加熱されることで、加熱室200及び当該加熱室200を区画する第1の隔壁210、第2の隔壁220、第3の隔壁230及び第4の隔壁240が加熱される。
なお、第1のファン120及び加熱部130の駆動は、例えば、次のように制御することが望ましい。すなわち、加熱領域HAに当該加熱領域HAの温度を測定する温度センサーを設け、加熱領域HAにおける実際の温度と目標温度との差分に応じて、第1のファン120及び加熱部130の駆動を制御すればよい。なお、ここでいう目標温度は、加熱領域HAの温度を何度としたいかの目標となる温度であり、媒体Mの種類及びインクの種類に応じて適宜に決定されることが望ましい。
図4(a)に示すように、吸湿部140は、第1のファン120に取り付けられ、第1のファン120が取り込んだ気体に含まれる湿気を取り除く。なお、吸湿部140の吸湿方式は、例えば、第1のファン120が取り込む気体を、インクの溶媒成分(例えば水)を吸着しやすい固体に通過させることで除湿を行う吸着方式であればよい。また、第1のファン120が取り込む気体を、インクの溶媒成分を吸収しやすい液体に接触させることで除湿を行う吸収方式であってもよい。こうした点で、本実施形態では、吸湿部140が、第1のファン120が取り込んだ気体に含まれるインクの溶媒蒸気(例えば水蒸気)を捕捉する「捕捉部」の一例に相当する。
図3に示すように、支持板150は、幅方向Xを長手方向とするとともに、幅方向Xと交差する断面形状が略C字状をなしている。支持板150には、気体が通過する複数(本実施形態では3つ)の取込口151が貫通形成されている。また、取込口151は、加熱領域HAを介して第3の支持部材70に向かって開口している。
また、支持板150は、第1の隔壁210よりも搬送方向上流側に設けられる第3の隔壁230よりも、さらに搬送方向上流側に設けられている。このため、加熱領域HAにおいて、第3の隔壁230及び第3の支持部材70の間の領域は、第1の隔壁210及び第3の支持部材70の間の領域と、支持板150及び第3の支持部材70の間の領域との間に位置している。
また、図4(a)に示すように、加熱室200及び支持板150は、ケース110の内部を、搬送方向上流側の第1の空間115と、搬送方向下流側の第2の空間116とに区画している。すなわち、本実施形態では、ケース110の内部に、加熱室200を含め3つの閉空間が形成されている。
ここで、第1の空間115は、第1のファン120及び吸湿部140が収容される空間であって、支持板150の取込口151を介して加熱領域HAに連通する空間である。したがって、第1のファン120が加熱室200に気体を送風する場合には、当該気体を第1の空間115を介して加熱領域HAから取り込むことが可能となる。一方、第2の空間116は、第2のファン160が収容される空間であって、送気口113を介して加熱領域HAに連通する空間である。
図4(a)に示すように、第2のファン160は、取付口111に取り付けられている。第2のファン160は、加熱装置100の外気を第2の空間116に送風することで、当該第2の空間116から送気口113を介して、加熱領域HAの搬送方向下流側に気体を送風する。こうして、第2のファン160は、加熱装置100によって加熱された媒体Mに、送気口113を介して外気を吹き付けることで、当該媒体Mを冷却する。なお、第2のファン160は、第1のファン120と同様に、軸流ファンであってもよいし、遠心ファンであってもよい。
図1に示すように、第3の支持部材70は、搬送方向Fに向かうに連れて、鉛直下方に向かうように形成されている。また、第3の支持部材70は、加熱装置100に面するように設けられている。そして、第3の支持部材70は、印刷済みの媒体Mに裏面側から接触することで、当該媒体Mを支持する。
また、図3及び図4(a)に示すように、第3の支持部材70は、搬送方向Fにおいて平板状をなす平面部71と、搬送方向Fにおいて屈曲板状をなす屈曲部72と、搬送方向Fにおいて湾曲板状をなす湾曲部73と、を有している。平面部71、屈曲部72及び湾曲部73は、搬送方向下流側に向かって並ぶように設けられている。すなわち、図4(a)に示すように、平面部71は加熱装置100の第3の隔壁230及び支持板150に面し、屈曲部72は加熱装置100の第1の隔壁210に面し、屈曲部72は加熱装置100のケース110の送気口113の形成部位に面している。
また、第3の支持部材70を構成する材料は、熱伝導率が低い材料であることが望ましい。これは、第3の支持部材70が媒体Mを支持した状態で当該媒体Mが加熱される際に、第3の支持部材70が媒体Mから熱を奪うことを抑制するためである。また、第3の支持部材70は、加熱領域HAを介して、加熱装置100に面する赤外線反射面80を有している。ここで、赤外線反射面80の反射率は、高いこと(0.8以上であること)が望ましく、例えば、鏡面であることが望ましい。
図4(a)に示すように、屈曲部72は、搬送方向Fに向かうに連れて加熱装置100に近付く第1の交差板74と、搬送方向Fに向かうに連れて加熱装置100から遠ざかる第2の交差板75と、を搬送方向Fに交互に配置することで構成されている。このため、本実施形態においては、屈曲部72の第1の交差板74は、第1の隔壁210の第1の交差壁251に対向し、屈曲部72の第2の交差板75は、第1の隔壁210の第2の交差壁252に対向している。
また、本実施形態では、図4(a)に示すように、第1の交差板74及び第2の交差板75によって、加熱装置100に近付くように山を形成する部位が裏面側から媒体Mに接触可能な接触部76となる。他方、第1の交差板74及び第2の交差板75によって、加熱装置100から遠ざかるように谷を形成する部位が裏面側から媒体Mに接触不能な退避部77となる。
こうして、屈曲部72は、搬送方向Fにおいて、接触部76及び退避部77が交互に繰り返されるように形成されている。言い換えれば、屈曲部72においては、搬送方向Fにおいて、接触部76が間隔を空けて複数形成され、退避部77が間隔Dを空けて複数形成されている。
ここで、接触部76は、搬送方向Fにおいて媒体Mに接触可能な長さが非常に短く、1つの接触部76が搬送方向Fにおいて媒体Mと接触できる面積が非常に小さくなっている。なお、本実施形態では、複数の接触部76は、搬送方向Fに間隔を空けて裏面側から媒体Mに接触するものとなるが、幅方向Xに間隔を空けて裏面側から媒体Mに接触するものであってもよいし、その他の方向に間隔を空けて裏面側から媒体Mに接触するものであってもよい。
また、接触部76は、裏面側から媒体Mに接触することで当該媒体Mを支持することが可能ならば、他の形状であってもよい。同様に、退避部77は、裏面側から媒体Mに接触不能であれば、他の形状であってもよい。また、本実施形態では、屈曲部72において、搬送方向Fに隣り合う退避部77同士の間隔D(=接触部76同士の間隔)が、一定となっているが、当該間隔Dは適宜に変更してもよい。
次に、図5を参照して、印刷装置10の作用について説明する。なお、図5における太線矢印は印刷装置10における気体の流れを示している。
印刷装置10において、媒体Mに印刷を行う場合には、繰出部20から繰り出された媒体Mを搬送部40が第2の支持部材32まで搬送する。そして、印刷部50が、第2の支持部材32に支持された媒体Mに向かってインクを噴射することで、当該媒体Mに文字や画像を形成する。
続いて、印刷済みの媒体Mは搬送部40によって第3の支持部材70に搬送され、加熱装置100によって加熱される。なお、本実施形態の印刷装置10は、長尺の媒体Mに印刷を行うものであるため、搬送方向上流側において印刷部50に面する媒体Mにインクが噴射される一方、搬送方向下流側において印刷部50に面する媒体Mが加熱(乾燥)される。
まず、加熱装置100が、熱伝達によって媒体Mを加熱する際の作用について説明する。
さて、加熱装置100が第3の支持部材70に支持された媒体Mを加熱する場合には、第1のファン120、第2のファン160及び加熱部130が駆動される。すなわち、第1のファン120が、第2の隔壁220に貫通形成された流入口221を介して、加熱室200内に気体を送風する。また、加熱部130が、加熱室200内に送風される気体を加熱する。
すると、加熱室200内に加熱された気体が流入することで、加熱室200内の圧力が加熱室200外の圧力よりも高くなるとともに、加熱室200内の温度が高くなる。その結果、第1の隔壁210に貫通形成された流出口253を介して、加熱室200から加熱領域HAに加熱された気体(以下、「熱気」ともいう。)が流出する。
すなわち、第1の隔壁210に形成された流出口253を介して、加熱室200から第3の支持部材70に支持された媒体Mに向かって、熱気が吹き付けられる。こうして、第3の支持部材70に支持された媒体Mは、熱伝達によって加熱され、媒体Mに噴射されたインクの溶媒成分が蒸発する。
そして、媒体Mに吹き付けられた熱気は、外気よりも温度が高く外気よりも密度が低いため、鉛直上方に上昇しようとする。ここで、第3の支持部材70(加熱領域HA)は、搬送方向Fに向かうに連れて鉛直下方に向かうように設けられているため、媒体Mに吹き付けられた熱気は、加熱領域HAを搬送方向上流側に向かって上昇する。
一方、加熱装置100において、流出口253が貫通形成された第1の隔壁210の搬送方向上流側には、第1の空間115に連通する取込口151が貫通形成された支持板150が設けられている。また、支持板150を介して加熱領域HAに連通する第1の空間115の内部では、当該第1の空間115の気体を加熱室200に送風する第1のファン120が設けられている。このため、加熱領域HAを搬送方向上流側に向かって上昇する熱気は、取込口151を介して第1の空間115に取り込まれ、第1のファン120によって、再び加熱室200に流入される。
こうして、第3の隔壁230及び第3の支持部材70の間に熱気が通過しやすくなる。なお、加熱領域HAにおいては、第1の隔壁210に面する領域に熱気が流出する一方で、支持板150に面する領域から第1の空間115に熱気が取り込まれることとなる。すなわち、第1の隔壁210の流出口253から流出する熱気の温度に関わらず、加熱領域HAの搬送方向下流側に気体が流入する一方で搬送方向上流側から気体が流出する点でも、加熱領域HAを搬送方向上流側に向かう気流が発生しやすくなる。
また、第1のファン120は、吸湿部140を通過した気体を加熱室200に流入させる。したがって、取込口151を介して加熱領域HAから取り込んだ気体に、インクの溶媒蒸気が含まれている場合には、当該気体から蒸気が除去される。このため、印刷装置10が継続して印刷を行う場合であっても、加熱室200から加熱領域HAに流出する気体に含まれる溶媒蒸気量が次第に増大することが抑制される。
また、第3の支持部材70のうち、流出口253が貫通形成される第1の隔壁210に面する部位は、接触部76及び退避部77が搬送方向Fに並ぶ屈曲部72となる。ここで、屈曲部72においては、平面部71及び湾曲部73に比較して、媒体M及び第3の支持部材70の接触面積が非常に小さい。したがって、加熱室200から流出した熱気によって、媒体Mが第3の支持部材70に押し付けられた状態で当該媒体Mを搬送しても、媒体Mの搬送に伴って生じる摩擦力(静止摩擦力及び動摩擦力)が小さくなる。すなわち、媒体Mの搬送に伴う搬送抵抗の増大が抑制される。
なお、こうした点で、本実施形態では、第3の支持部材70において屈曲部72が設けられる領域が、当該第3の支持部材70が媒体Mを支持する領域のうち、熱気が吹き付けられる媒体Mを支持する被送風領域BAに相当する。言い換えれば、被送風領域BAは、第3の支持部材70のうち、流出口253が貫通形成された第1の隔壁210に面する領域である。
また、第1の隔壁210において、流出口253は、互いに交差するように設けられた第1の交差壁251および第2の交差壁252に形成されている。このため、第1の交差壁251及び第2の交差壁252の流出口253から流出する熱気は、加熱領域HAにおいて、加熱室200から流出した直後に混合される。
このため、第1の隔壁210において、隣り合う第1の交差壁251と第2の交差壁252との温度が異なることで、第1の交差壁251及び第2の交差壁252で流出口253から流出する熱気の温度が異なる場合であっても、それぞれの流出口253から流出した熱気は混合されて、加熱領域HAにおける温度分布のばらつきが解消される。
続いて、加熱装置100が、熱放射によって媒体Mを加熱する際の作用について説明する。
第1のファン120及び加熱部130の駆動により、加熱室200に加熱された気体が流入することで、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の温度が上昇する。このため、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231からは、第3の支持部材70(平面部71及び屈曲部72)に支持された媒体Mに向かって赤外線が放射される。その結果、熱放射により第3の支持部材70に支持された媒体Mが加熱される。
ここで、本実施形態では、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、異なる方向に延設された第1の交差壁251及び第2の交差壁252を搬送方向Fに交互に配置することで構成されている。このため、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231の表面積が、第1の隔壁210及び第3の隔壁230を第3の支持部材70に向かって投影したときの投影面積よりも大きく、媒体Mに対する赤外線放射量が大きくなる。
また、第1の隔壁210及び第3の隔壁230が金属材料の中でも熱伝導率が高いアルミニウム(アルミニウム合金)によって構成されている。したがって、加熱装置100が加熱を開始した当初から第1の隔壁210及び第3の隔壁230の温度が早期に上昇し、媒体Mに対する赤外線放射量が早期から大きくなる。また、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231は、アルマイト処理され、中赤外線領域及び遠赤外線領域における放射率が0.8以上とされていることから、赤外線放射量がより大きくなる。
さらに、第3の隔壁230及び第3の支持部材70(平面部71)の間の領域は、上述したように、第1の隔壁210の流出口253から流出された熱気が通過する。このため、第3の隔壁230の温度が低下しにくく、第3の隔壁230の温度が低下することによって、赤外線放射面231からの赤外線放射量が小さくなることが抑制される。
また、媒体Mを支持する第3の支持部材70は、加熱装置100に面する赤外線反射面80を有している。このため、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231から第3の支持部材70に支持された媒体Mに向かって放射される赤外線のうち、媒体Mを透過する赤外線は、赤外線反射面80によって反射される。このため、反射された赤外線の少なくとも一部は、第3の支持部材70に支持された媒体Mの加熱に寄与する。
こうして、本実施形態によれば、熱伝達及び熱放射によって媒体Mを効率良く加熱し、媒体Mに付着したインクの溶媒成分を蒸発される。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1の隔壁210に開口する流出口253を介して加熱室200から熱気を流出させることで、加熱領域HAに位置する媒体Mを熱伝達により加熱することができる。また、第1の隔壁210の赤外線放射面211から、加熱領域HAに位置する媒体Mに向かって赤外線を放射させることで、媒体Mを熱放射により加熱することができる。
ここで、第1の隔壁210の赤外線放射面211は、中赤外線領域及び遠赤外線領域の放射率が0.8以上と高く、熱放射によって、インクが付着した媒体Mを効率良く加熱することができる。こうして、この構成によれば、媒体Mの加熱効率を高めることができる。
(2)中赤外線領域及び遠赤外線領域における放射率に優れる材料によって、第1の隔壁210及び第3の隔壁230を構成することで、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231から媒体Mに対する赤外線放射量を大きくすることができる。
(3)本実施形態によれば、印刷済みの媒体Mを効率良く加熱することができるため、印刷に用いるインクが水系のインクである場合であっても、同媒体Mを乾燥しやすくすることができる。
(4)第1のファン120は、加熱領域HAから取り込んだ気体を加熱室200に流入させるため、加熱領域HAでない領域から気体(例えば外気)を加熱室200に流入させる場合に比較して、加熱室200及び加熱領域HAの温度が低下しにくくなる。こうして、媒体Mの加熱効率の低下を抑制することができる。
(5)加熱領域HAには、インクが噴射された媒体Mが加熱されることで、当該インクの溶媒蒸気が発生する。このため、加熱領域HAに流出した気体を加熱室200に再び流入させる場合には、当該気体に含まれる溶媒蒸気量が次第に多くなりやすい。
この点、本実施形態によれば、吸湿部140によって、加熱領域HAから取り込んだ気体に含まれるインクの溶媒蒸気が除去(捕捉)される。したがって、印刷装置10において印刷を継続する場合であっても、加熱室200から加熱領域HAに向かって流出される気体に含まれる溶媒蒸気量が次第に増加することが抑制され、媒体Mの乾燥効率の低下を抑制することができる。
(6)第3の隔壁230の赤外線放射面231は、第1の隔壁210の流出口253から熱気が流出される加熱領域HAに面している。このため、第3の隔壁230の温度が低下しにくく、第3の隔壁230の赤外線放射面231から媒体Mに対する赤外線放射量が小さくなることを抑制することができる。
(7)搬送方向Fにおいて、取込口151が形成された支持板150、赤外線放射面231を有する第3の隔壁230及び流出口253が形成された第1の隔壁210が並ぶように配置した。このため、加熱領域HAにおいて、第3の隔壁230及び第3の支持部材70の間の領域には、第1の隔壁210の流出口253から流出する熱気が通過しやすくなる。したがって、第3の隔壁230の温度が低下しにくく、赤外線放射面231から媒体Mに対する赤外線放射量が小さくなることを抑制することができる。
(8)第1の隔壁210の流出口253を介して加熱領域HAに流出される気体は、加熱部130によって加熱されている分、加熱領域HAにおいて鉛直上方(搬送方向上流側)に向かって上昇しやすくなる。一方、本実施形態の加熱装置100は、搬送方向上流側から下流側に向かって、支持板150、第3の隔壁230及び第1の隔壁210の順に設けられている。このため、第1のファン120は、第1の隔壁210から流出口253を介して加熱領域HAに流出する加熱された気体をより多く取り込むとともに、当該気体を加熱室200に流入させることができる。したがって、この構成によれば、媒体Mの加熱効率をさらに高めることができる。
(9)第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231の面積は、当該赤外線放射面を第3の支持部材70(搬送経路)に向かって投影したときの投影面積よりも大きくなっている。このため、媒体Mに対して赤外線を放射可能な面積が大きくなる分、媒体Mに対する赤外線放射量を大きくすることができる。こうして、赤外線放射面211,231を平面とする場合に比較して、媒体Mの加熱効率を高めることができる。
(10)第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、加熱室200を区画するとともに、第3の支持部材70に支持された媒体Mに向かって赤外線を放射する赤外線放射部材に相当する。このため、加熱室200を区画する隔壁と、赤外線放射部材とを別個に設けた場合と比較して、加熱装置100の構成を簡素にすることができる。
(11)第1の交差壁251と第2の交差壁252とで、流出口253の貫通形成方向を異なる方向としたことで、加熱領域HAにおいて、流出口253から流出した熱気同士を混合させて、加熱領域HAにおける温度分布のばらつきを抑制することができる。
(12)第1の隔壁210に対する流出口253の貫通形成方向と第3の支持部材70に支持された媒体Mとが非直行となるようにしたことで、第1の隔壁210の流出口253から流出した熱気によって、媒体Mが第3の支持部材70に押し付けられる力が低減される。このため、媒体Mを搬送する際の搬送負荷を低減することができる。
(13)媒体Mを支持する第3の支持部材70(屈曲部72)に、媒体Mと接触不能な退避部77を搬送方向Fに間隔を空けて形成したことで、第3の支持部材70及び媒体Mの接触面積が小さくなり、加熱される媒体Mから第3の支持部材70に向かって熱が伝わりにくくなる。したがって、この構成によれば、媒体の加熱効率を高めることができる。
(14)第3の支持部材70が赤外線反射面80を有するため、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231から第3の支持部材70に支持された媒体Mに向かって放射される赤外線のうち、媒体Mを透過する赤外線を赤外線反射面80で反射する。このため、赤外線反射面80が反射した赤外線の少なくとも一部を媒体Mに吸収させて、媒体Mの加熱に寄与させることができる。
(15)媒体Mを加熱するために当該媒体Mに付与される熱量は、熱放射によって媒体Mに付与される熱量と、熱伝達によって媒体Mに付与される熱量との和である。このため、本実施形態によれば、熱放射による媒体Mの加熱効率の向上により、熱伝達によって媒体Mに付与する熱量を低減することができるため、媒体Mに吹き付ける熱気の温度を低くすることができる。これにより、融点の低い樹脂フィルムなど、耐熱性の低い媒体Mを乾燥させる際に、媒体Mを熱変形させにくくすることができる。
(16)媒体Mに吹き付けられた熱気は、少なくとも第3の隔壁230と第3の支持部材70に支持された媒体Mとの間の加熱領域HAを通過した後に、支持板150の取込口151から第1の空間115に取り込まれる。このため、媒体Mに吹き付けられた熱気が、当該媒体Mに吹き付けられた直後に第1の空間115に取り込まれる場合に比較して、熱伝達による媒体Mの加熱効率を高めることができる。
(17)第3の支持部材70に支持された媒体Mに熱気を吹き付けることで当該媒体Mを加熱する印刷装置10において、媒体Mに吹き付けられる気体の風量が多い場合には、媒体Mが第3の支持部材70に押し付けられることで、媒体Mの搬送抵抗が増大することとなる。この点、本実施形態によれば、第3の支持部材70に、媒体Mと接触不能な退避部77が形成されている。したがって、第3の支持部材70に支持される媒体Mに向かって熱気が強く吹き付けられる場合であっても、媒体Mが第3の支持部材70に押し付けられない部分が生じるため、媒体Mの搬送抵抗の増大を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・加熱装置100は、第3の支持部材70のうち屈曲部72に支持された媒体Mに熱気が吹き付けることで当該媒体Mを加熱する。このため、第3の支持部材70に支持された媒体Mが受ける風圧は、屈曲部72に支持される部分で最も大きくなり、屈曲部72から離れた領域(平面部71及び湾曲部73)で支持される部分ほど小さくなる。言い換えれば、媒体Mが受ける風圧は、被送風領域BAにおいて最も大きくなり、被送風領域BAから搬送方向Fに離れるほど小さくなる。
したがって、平面部71及び湾曲部73にも、退避部77及び接触部76を設ける場合には、屈曲部72(被送風領域BA)からの距離が遠いほど、搬送方向Fにおける退避部77同士の間隔Dを広くしてもよい。言い換えれば、屈曲部72からの距離が遠いほど、搬送方向Fにおける接触部76同士の間隔を狭くしてもよい。
この構成によれば、被送風領域BAにおいては、単位面積当たりの媒体Mに対する接触面積が小さくなるため、媒体Mの支持部30に対する押付力が低減され、搬送負荷の増大を抑制することができる。一方、被送風領域BAから離れた領域においては、単位面積当たりの媒体Mに対する接触面積が大きくなるため、媒体Mを好適に支持することができる。
・本実施形態では、加熱室200の外部に設けた第1のファン120が加熱室200に流入させた気体を加熱室200の内部に設けた加熱部130が加熱する構成としたが、他の構成を採用してもよい。例えば、第1のファン120及び加熱部130を加熱室200の外部に設け、予め加熱した気体を加熱室200に流入させてもよい。また、加熱部130は、加熱室200(例えば、第1の隔壁210及び第3の隔壁230など)を直接加熱する構成であってもよい。
・第1のファン120は、加熱室200の内部に加熱室200の外部から気体を流入させることができるのであれば、送風ファンでなくてもよい。例えば、ポンプなどの吸引機構であってもよい。
・加熱装置100において、熱気の送風に係る構成を備えなくてもよい。この場合、印刷済みの媒体Mは、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231からの熱放射によって加熱されることとなる。
・第3の支持部材70は、搬送方向Fに向かうに連れて鉛直下方に向かうように形成しなくてもよい。例えば、水平に設けても良いし、搬送方向Fに向かうに連れて鉛直上方に向かうように設けてもよい。
・第3の支持部材70の赤外線反射面80は、赤外線放射面であってもよい。この場合、第3の支持部材70が早期に昇温しやすいように、当該第3の支持部材70の熱伝導率は高いことが望ましい。
・加熱装置100は、印刷部50よりも搬送方向下流側に設けるのであれば、印刷装置10において印刷部50が収容される筐体の内部に設けてもよい。
・加熱装置100において、熱伝達によって媒体Mに付与される熱量と、熱放射によって媒体Mに付与される熱量との割合は、インクの種類や媒体Mの種類に応じて適宜に変更すればよい。
・インクの色材として顔料を用いる場合などインクに樹脂を含む場合には、加熱装置100は、加熱領域HAの温度を当該樹脂が溶融する温度とすることが望ましい。
・流出口253は、その開口の形状が円形でなくてもよい。例えば、楕円形状であってもよいし、スリット形状であってもよい。
・第3の支持部材70を設けなくてもよい。この場合、印刷済みの媒体Mに撓みが生じないように搬送方向Fに張力を作用させた状態で、当該張力が作用する媒体Mを加熱することが望ましい。
・第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、屈曲していなくてもよい。すなわち、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、平板状をなしていてもよい。また、第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、加熱室200の内部及び外部に向かって複数の凹凸を有していてもよい。第3の支持部材70の屈曲部72についても同様である。
・第1の隔壁210及び第3の隔壁230の形状は適宜に変更してもよい。例えば、加熱室200の容積を減少させる方向に湾曲した湾曲板状であってもよいし、加熱室200の容積を増大させる方向に湾曲した湾曲板状であってもよい。
・第1の隔壁210は、第3の隔壁230よりも搬送方向上流側に配置してもよい。また、第1の隔壁210の搬送方向上流側に第3の隔壁230を設けるとともに、第1の隔壁210の搬送方向下流側に赤外線放射面を有する他の隔壁を設けてもよい。
・加熱装置100の第1の隔壁210及び第3の隔壁230の屈曲態様と、第3の支持部材70の屈曲部72の屈曲態様とは、異なっていてもよい。
・第3の隔壁230を設けずに、第1の隔壁210を第2の隔壁220と交差するように当該第1の隔壁210を搬送方向上流側に延設してもよい。
・第1の隔壁210及び第3の隔壁230は、アルミニウム又はアルミニウム合金以外の金属材料で形成してもよいし、耐熱性を有する樹脂材料で形成してもよい。この場合、第1の隔壁210及び第3の隔壁230の赤外線放射面211,231は、放射率を高めるために黒色とされることが望ましい。
・吸湿部140を設けなくてもよい。この場合、第1のファン120は、外気を加熱室200の内部に流入させることが望ましい。
・印刷装置10は、媒体Mにインクを付着させた後に、当該インクを媒体Mに定着させるために媒体Mを加熱するものであれば、インクジェットプリンターでなくてもよい。例えば、昇華転写プリンターであってもよい。
・印刷装置10は、シリアルプリンターであってもよいし、ラインプリンターであってもよいし、ページプリンターであってもよい。
・媒体Mの材質は、樹脂であってもよいし、金属であってもよいし、布帛であってもよいし、紙であってもよい。
・以下、インクの変形例について詳述する。
印刷装置10に使用されるインクは、組成上、樹脂を含有し、1気圧下での沸点が290℃のグリセリンを実質的に含有しない。インクがグリセリンを実質的に含むと、インクの乾燥性が大幅に低下してしまう。その結果、種々の媒体、特にインク非吸収性又は低吸収性の媒体において、画像の濃淡ムラが目立つだけではなく、インクの定着性も得られない。さらに、インクは、1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類(上記グリセリンを除く)を実質的に含まないことが好ましい。
ここで、本明細書における「実質的に含まない」とは、添加する意義を十分に発揮する量以上含有させないことを意味する。これを定量的に言えば、グリセリンを、インクの総質量(100質量%)に対して、1.0質量%以上含まないことが好ましく、0.5質量%以上含まないことがより好ましく、0.1質量%以上含まないことがさらに好ましく、0.05質量%以上含まないことがさらにより好ましく、0.01質量%以上含まないことが特に好ましい。そして、グリセリンを0.001質量%以上含まないことが最も好ましい。
次に、上記インクに含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)について説明する。
[1.色材]
インクは、色材を含んでもよい。上記色材は、顔料及び染料から選択される。
[1−1.顔料]
色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、及び酸化シリカが挙げられる。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
顔料の平均粒子径は、ノズルにおける目詰まりを抑制することができ、かつ、吐出安定性(噴射安定性)が一層良好となるため、250nm以下であることが好ましい。なお、本明細書における平均粒子径は、体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
[1−2.染料]
色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。色材の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.4〜12質量%であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
[2.樹脂]
インクは、樹脂を含有する。インクが樹脂を含有することにより、媒体上に樹脂被膜が形成され、結果としてインクを媒体上に十分定着させて、主に画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。このため、樹脂エマルジョンは熱可塑性樹脂であることが好ましい。樹脂の熱変形温度は、ノズルの目詰まりを起こし難く、媒体の耐擦性を持たせられるという有利な効果が得られるため、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
ここで、本明細書における「熱変形温度」は、ガラス転移温度(Tg)又は最低造膜温度(Minimum Film film forming Temperature; MFT)で表された温度値とする。つまり、「熱変形温度が40℃以上」とは、Tg又はMFTのいずれかが40℃以上であればよいことを意味する。なお、MFTの方がTgよりも樹脂の再分散性の優劣を把握しやすいため、当該熱変形温度はMFTで表された温度値であることが好ましい。樹脂の再分散性に優れたインクであると、インクが固着しないためノズルが目詰まりし難くなる。
上記熱可塑性樹脂の具体例として、特に限定されないが、ポリ(メタ)アクリル酸エステル又はその共重合体、ポリアクリロニトリル又はその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、及びポリ(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル系重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、及びポリスチレン、並びにそれらの共重合体、並びに石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びテルペン樹脂などのポリオレフィン系重合体、ポリ酢酸ビニル又はその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、及びポリビニルエーテルなどの酢酸ビニル系又はビニルアルコール系重合体、ポリ塩化ビニル又はその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、及びフッ素ゴムなどの含ハロゲン系重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン又はその共重合体、ポリビニルピリジン、及びポリビニルイミダゾールなどの含窒素ビニル系重合体、ポリブタジエン又はその共重合体、ポリクロロプレン、及びポリイソプレン(ブチルゴム)などのジエン系重合体、並びにその他の開環重合型樹脂、縮合重合型樹脂、及び天然高分子樹脂が挙げられる。
樹脂の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。含有量が上記範囲内である場合、形成される上塗り画像の光沢性及び耐擦性を一層優れたものとすることができる。また、上記インクに含有させてもよい樹脂としては、例えば、樹脂分散剤、樹脂エマルジョン、及びワックス等が挙げられる。
[2−1.樹脂エマルジョン]
インクは、樹脂エマルジョンを含んでもよい。樹脂エマルジョンは、媒体が加熱される際、好ましくはワックス(エマルジョン)と共に樹脂被膜を形成することで、インクを媒体上に十分定着させて画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。上記の効果により樹脂エマルジョンを含有するインクで媒体を印刷した場合、インクは特にインク非吸収性又は低吸収性の媒体上で耐擦性に優れたものとなる。
また、バインダーとして機能する樹脂エマルジョンは、インク中にエマルジョン状態で含有される。バインダーとして機能する樹脂をエマルジョン状態でインク中に含有させることにより、インクの粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性を高めることができる。
樹脂エマルジョンとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、メタアクリル系樹脂及びスチレン−メタアクリル酸共重合体系樹脂のいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がより一層好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂エマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、5nm〜400nmの範囲であることが好ましく、20nm〜300nmの範囲であることがより好ましい。樹脂の中でも樹脂エマルジョンの含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.5〜7質量%の範囲であることが好ましい。含有量が上記範囲内であると、固形分濃度を低くすることができるため、吐出安定性を一層良好にすることができる。
[2−2.ワックス]
インクは、ワックスを含んでもよい。インクがワックスを含むことにより、インク非吸収性及び低吸収性の媒体上でのインクの定着性がより優れたものとなる。ワックスは、中でもエマルジョンタイプのものがより好ましい。上記ワックスとしては、以下に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、及びポリオレフィンワックスが挙げられ、中でも後述するポリエチレンワックスが好ましい。なお、本明細書において、「ワックス」とは、主に、後述する界面活性剤を使用して、固体ワックス粒子を水中に分散させたものを意味する。
上記インクがポリエチレンワックスを含むことにより、インクの耐擦性を優れたものとすることができる。ポリエチレンワックスの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、5nm〜400nmの範囲であることが好ましく、50nm〜200nmの範囲であることがよき好ましい。
ポリエチレンワックスの含有量(固形分換算)は、互いに独立して、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1〜3質量%の範囲であることが好ましく、0.3〜3質量%の範囲であることがより好ましく、0.3〜1.5質量%の範囲であることがさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク非吸収性又は低吸収性の媒体上においてもインクを良好に固化・定着させることができ、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層優れたものとすることができる。
[3.界面活性剤]
インクは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤として、以下に限定されないが、例えばノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、媒体上でインクを均一に拡げる作用がある。このため、ノニオン系界面活性剤を含むインクを用いて印刷を行った場合、滲みの殆ど無い高精細な画像が得られる。このようなノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、シリコン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、及びフッ素系の界面活性剤が挙げられ、中でもシリコン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の含有量は、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層良好なものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましい。
[4.有機溶剤]
インクは、公知の揮発性の水溶性有機溶剤を含んでもよい。ただし、上述のとおり、インクは、有機溶剤の一種であるグリセリン(1気圧下での沸点が290℃)を実質的に含まず、また1気圧下相当での沸点が280℃以上のアルキルポリオール類(上記グリセリンを除く)を実質的に含まないことが好ましい。
[5.非プロトン性極性溶媒]
インクは、非プロトン性極性溶媒を含んでもよい。インクに非プロトン性極性溶媒を含有することにより、インクに含まれる上述の樹脂粒子が溶解するため、印刷の際にノズルの目詰まりを効果的に抑制することができる。また、塩化ビニル等の媒体を溶解させる性質があるので、画像の密着性が向上する。
非プロトン性極性溶媒については、特に限定されないが、ピロリドン類、ラクトン類、スルホキシド類、イミダゾリジノン類、スルホラン類、尿素誘導体、ジアルキルアミド類、環状エーテル類、アミドエーテル類から選択される一種以上を含むことが好ましい。ピロリドン類の代表例としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンがあり、ラクトン類の代表例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンがあり、スルホキシド類の代表例としてはジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシドがある。
イミダゾリジノン類の代表例としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンがあり、スルホラン類の代表例としては、スルホラン、ジメチルスルホランがあり、尿素誘導体の代表例としては、ジメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素がある。ジアルキルアミド類の代表例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドがあり、環状エーテル類の代表例としては1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランがある。
中でも、上述した効果の観点からピロリドン類、ラクトン類、スルホキシド類、アミドエーテル類が特に好ましく、2−ピロリドンが最も好ましい。上記の非プロトン性極性溶媒の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、3〜30質量%の範囲であることが好ましく、8〜20質量%の範囲であることがより好ましい。
[6.その他の成分]
インクは、上記の成分に加えて、防かび剤、防錆剤、及びキレート化剤などをさらに含んでもよい。
・第2液は、上述したインクに含まれる熱可塑性樹脂の硬化を促進する物質であることが望ましい。一例として、インクに含まれる樹脂としてアクリル系重合体やポリスチレンを用いる場合には、第2液としてエピクロロヒドリンを用いることが望ましい。
10…印刷装置、30…支持部、40…搬送部、50…印刷部、70…第3の支持部材(支持部材の一例)、71…平面部、72…屈曲部、73…湾曲部、74…第1の交差板、75…第2の交差板、76…接触部、77…退避部、80…第3の支持部材の赤外線放射面、100…加熱装置、110…ケース、120…第1のファン(気体流入部の一例)、130…加熱部、140…吸湿部(捕捉部の一例)、150…支持板、200…加熱室、210…第1の隔壁(赤外線放射部の一例)、211…第1の隔壁の赤外線放射面、220…第2の隔壁、221…流入口、230…第3の隔壁(赤外線放射部の一例)、231…第3の隔壁の赤外線放射面、251…第1の交差壁(交差壁の一例)、252…第2の交差壁(交差壁の一例)、253…流出口、D…間隔、BA…被送風領域、HA…加熱領域、M…媒体。

Claims (3)

  1. 媒体にインクを付着させることで印刷を行う印刷部と、
    前記媒体を当該媒体の搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
    前記搬送経路の少なくとも一部を構成し、印刷済みの前記媒体に一面側から接触することで当該媒体を支持する支持部材と、
    前記支持部材に支持された前記媒体を前記一面側とは反対側となる他面側から加熱する加熱装置と、を備え、
    前記支持部材には、前記一面側から前記媒体に接触不能な退避部が、間隔を空けて複数形成されている
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記加熱装置は、前記支持部材に支持された前記媒体に赤外線を放射することで、当該媒体を加熱し、
    前記支持部材は、前記加熱装置に面する赤外線反射面を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記加熱装置は、前記支持部材に支持された前記媒体に加熱された気体を送風することで、当該媒体を加熱し、
    前記支持部材が前記媒体を支持する領域のうち、前記加熱装置から気体が送風される領域を被送風領域としたとき、
    前記支持部材において、前記被送風領域からの距離が遠いほど前記間隔が広い
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
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