JP2016154593A - 水解性シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性バインダーを原料シートの内部に浸透させることで、十分な強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる水解性シートの製造方法を提供する。【解決手段】複数の原紙(連続乾燥原紙1A,1A)がプライ加工されてなる水解性シートの製造方法であって、水溶性バインダーを含んでいない複数の原紙をプライ加工するプライ加工工程と、プライ加工されたシート(プライ連続シート1B)に対してバインダー溶液を付与する溶液付与工程と、バインダー溶液を付与されたシート(連続シート1C)を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程で乾燥させたシート(連続水解性シート1D)を所定幅にスリットし巻き取る巻取り工程と、を含み、溶液付与工程は、プライ加工されたシート(プライ連続シート1B)の両方の外面に対応して設けられたスプレーノズル3,3からバインダー溶液を対応する外面に噴射する。【選択図】図1

Description

本発明は、トイレクリーナー等の予め洗浄剤が含浸されたウェットシートの基材紙となる水解性シートの製造方法に関する。
従来、トイレの清掃には、繰り返し使用される織布製の雑巾等が使われてきたが、これに替わって、近年、紙製の使い捨てのウェットシートが使用されるようになってきている。そして、この種のウェットシートは、洗浄剤が含浸された状態で提供され、また使用後にトイレに流して処理可能とされるものが好まれる。
かかるウェットシートにおいては、拭取り作業時の洗浄剤が含浸された湿潤状態において破れない紙力と、トイレ等に流した際に配管等に詰まらない程度の水解性を確保することが求められるところであるが、これらを効果的に達成する一つの技術として、その基材紙としてカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記述する)を含む水溶性バインダー等を添加した水解性シートを用いることが知られている。
そして、この水溶性バインダーの添加方法としては、抄紙工程の例えば第1ドライパートと第2ドライパートとの間において、一流体方式のスプレーノズルからバインダー溶液を原料シートの表面(片面)に対して噴霧する方法や、オフラインにおいて、水溶性バインダーを含んでいない乾燥した1枚のシートの表面(片面)に対してバインダー溶液を一流体方式のスプレーノズルから噴霧する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4301996号
上記特許文献1に記載の方法では、一流体方式のノズルを用いてバインダー溶液を噴霧しているため、原料シートにバインダー溶液を含浸させやすいが、原料シートの表面全体に均一にバインダー溶液を吹き付けることが困難であるという問題がある。また、上記特許文献1には、抄紙工程やオフラインで1枚のシートの片面に二流体方式のノズルでバインダー溶液を塗布する場合、一流体方式のノズルで塗布する場合より、液体を細かな粒子に分散させて噴射できる点で優れているが、水溶性バインダーが表面に局在し、紙の厚み方向まで浸透しにくいため、バインダー含有紙や最終的に得られる水解紙に十分な強度が得られない虞があることが開示されている。
また、上記特許文献1に記載の方法のように、抄紙工程又はオフラインにおいて、1プライのシートの片面にバインダー溶液を噴霧し乾燥することにより得られた水解紙を、必要に応じてオフラインでプライ加工し、そのプライ原紙をワイプ等の加工機で加工することが最もシンプルな工程であり、一般化していた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、水溶性バインダーを原料シートの内部に浸透させ、十分な強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる水解性シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の原紙がプライ加工されてなる水解性シートの製造方法であって、
水溶性バインダーを含んでいない複数の原紙をプライ加工するプライ加工工程と、
プライ加工されたシートに対してバインダー溶液を付与する溶液付与工程と、
前記バインダー溶液を付与されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥させた前記シートを所定幅にスリットし巻き取る巻取り工程と、
を含み、
前記溶液付与工程は、プライ加工されたシートの両方の外面(シートをプライ加工した時に、シート同士が対向しない面)に対応して設けられたスプレーノズルから前記バインダー溶液を対応する外面に噴射することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
複数の原紙がプライ加工されてなる水解性シートの製造方法であって、
水溶性バインダーを含んでいない複数の原紙のうち、前記水解性シートの表面及び裏面となる原紙のそれぞれの面に対してバインダー溶液を付与する溶液付与工程と、
前記複数の原紙をプライ加工するプライ加工工程と、
プライ加工されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥させた前記シートを所定幅にスリットし巻き取る巻取り工程と、
を含み、
前記溶液付与工程は、前記水解性シートの表面及び裏面となる原紙のそれぞれの面に対応して設けられたスプレーノズルから前記バインダー溶液を対応する原紙に噴射することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または2に記載の水解性シートの製造方法であって、
前記溶液付与工程に用いるスプレーノズルは、二流体方式のノズルであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の水解性シートの製造方法であって、
前記スプレーノズルによる前記バインダー溶液の噴射圧が1.5MPa以上であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1または2に記載の水解性シートの製造方法であって、
前記溶液付与工程に用いるスプレーノズルは、一流体方式のノズルであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の水解性シートの製造方法であって、
前記スプレーノズルによる前記バインダー溶液の噴射圧が1.5MPa以下であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
請求項4または6に記載の水解性シートの製造方法であって、
前記スプレーノズルにより噴射されるバインダー溶液の粘度が400〜1200MPa.sであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7の何れか一項に記載の水解性シートの製造方法であって、
水溶性バインダーを含んでいない原紙のそれぞれの目付が15〜75gsmであり、
プライ加工された水溶性バインダーを含むシートの目付けが30〜150gsmであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、プライ加工工程でプライ加工されたシートの両方の外面に対応して設けられたスプレーノズルからバインダー溶液を対応する外面に噴射するので、他の方法に比べ、バインダー溶液を斑無く各外面に均一に及びシート内部まで好適に浸透させることができる。
従って、ワイプに加工して拭いても各外面の表面が破れにくい十分な表面強度を持ち、また、適度な引張り強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、水溶性バインダーを含んでいない複数の原紙のうち、水解性シートの表面及び裏面となる原紙のそれぞれの面に対してバインダー溶液を付与するので、他の方法に比べ、バインダー溶液を各外面に均一に及びシート内部まで好適に浸透させることができる。
従って、ワイプに加工して拭いても各外面の表面が破れにくい十分な表面強度を持ち、また、適度な引張り強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、溶液付与工程に用いるスプレーノズルを二流体方式のものとすることにより、シートの各外面に斑なく均一にバインダー溶液を吹き付けることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、バインダー溶液を一定圧力以上で塗布することにより、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、溶液付与工程に用いるスプレーノズルを一流体方式のものとすることにより、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、バインダー溶液を一定圧力以下で塗布することにより、シートの各外面に斑なく均一にバインダー溶液を吹き付けることができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項4または6に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、好適な粘度のバインダー溶液を噴射するので、バインダー溶液をシートの各外面に斑なく均一にシート内部まで好適に浸透させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、水溶性バインダーを含んでいない原紙のそれぞれの目付けが15〜75gsm程度の場合、プライ加工された状態では30〜150gsmであり、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボス・薬液含浸など加工適正が良く、加工条件を調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得られることができる。
本実施形態に係る水解性シートの製造設備の模式図である。 本発明の変形例における水解性シートの製造設備の模式図である。
以下、本発明に係る水解性シートの製造方法の実施形態を、図1に示す水解性シートの製造設備の模式図を参照しながら詳述する。
本発明のCMCを含む水溶性バインダーが添加された水解性シートの製造方法では、抄造された原紙を巻取った2本の原反ロール1,1からそれぞれ繰り出される連続乾燥原紙1A,1Aをプライ加工しプライ連続シート1Bとするプライ加工工程と、プライ連続シート1Bに対してバインダー溶液を付与し連続シート1Cとする溶液付与工程と、連続シート1Cを乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた連続水解性シート1Dをスリットし巻取る巻き取り工程とを有する。
〔連続乾燥原紙〕
連続乾燥原紙1Aは、例えば、既知のパルプ繊維等を主原料とする抄紙原料を抄造してなる薄葉紙、クレープ紙が好適に用いられる。連続乾燥原紙1Aの抄造工程は本発明では限定されるものではない。既知の抄造設備、抄造方法により製造できる。好適には、湿紙の搬送にフェルトを用い、一つのヤンキードライヤーを有する設備である。
なお、連続乾燥原紙1Aの原料は特に限定されないが、既知のバージンパルプ、古紙パルプなどを利用できる。少なくともパルプを含むものであるのが望ましい。これにより、CMCの定着、洗浄剤とCMCとの作用が効果的に発揮されることとなる。原料となるパルプは、特にLBKPとNBKPを適宜の割合で配合したものが適する。なお、連続乾燥原紙1Aとしては、パルプ繊維以外の繊維として、レーヨン繊維や合成繊維などが含有されていてもよい。
連続乾燥原紙1Aの物性としては、好適には、目付けが15〜75gsm程度である。また、プライ加工された水溶性バインダーを含むシート(連続水解性シート1D)の目付けは、30〜150gsm程度である。なお、目付けは、JIS P 8124に基づくものである。
連続乾燥原紙1Aは、プライ加工・バインダー溶液付与・乾燥・スリット・巻き取り工程を経て、プライ加工された水解紙となり、別のワイプ等加工工程でエンボス・裁断・折り・薬液含浸等の工程を経て、トイレ・掃除用・からだ拭きなどの水に溶けるワイプ等に加工される。これらの工程で、必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸等が付与されるが、連続乾燥原紙1Aの目付けが15〜75gsmであれば、プライ加工された状態では30〜150gsmであり、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボス・薬液含浸など加工適正が良く、また、調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得られることができる。
〔プライ加工工程〕
次いで、本発明にかかるプライ加工工程について説明する。本発明のプライ加工工程では、図1に示すように、原反ロール1から連続的に繰り出される各連続乾燥原紙1A,1Aを、その連続方向に沿ってプライ加工しプライ連続シート1Bとする重ね合わせ部2に供給される。重ね合わせ部2は、一対のロールで構成され、各連続原紙1A,1Aをプライ加工し、プライ加工されたプライ連続シート1Bを形成する。なお、連続乾燥原紙1A,1A同士を重ね合わせる際に、連続乾燥原紙1A,1A同士がずれにくくなるように、ピンエンボス(コンタクトエンボス)で軽く留めておいてもよい。
〔バインダー溶液〕
次いで、本発明が対象とするバインダー溶液について説明する。本発明にかかるバインダー溶液は、カルボキシルメチルセルロース(CMC)を含むものである。この本発明にかかるバインダー溶液中におけるカルボキシルメチルセルロースの濃度としては、1〜30重量%、好ましくは、2.0〜15重量%とする。
他方、CMCについては、そのエーテル化度が0.6〜2.0、特に0.9〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.5であるのが望ましい。水解性と湿潤紙力の発現が極めて良好となる。
また、CMCは、水膨潤性のものを用いることができる。これは、洗浄剤中の特定金属イオンの架橋により、未膨潤化のままシートを構成する繊維をつなぎとめる機能を発揮し、清掃・清拭作業に耐えうる拭き取りシートとしての強度を発現することができる。
バインダー溶液中のカルボキシルメチルセルロース以外の成分としては、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等のバインダー成分が挙げられる。
水解性が良好となる点や架橋反応により湿潤強度を発現しうる点からカルボキシル基を有する水溶性バインダーを用いることが好ましい。
カルボキシル基を有する水溶性バインダーは、水中で容易にカルボキシラートを生成するアニオン性の水溶性バインダーである。その例としては多糖誘導体、合成高分子、天然物が挙げられる。多糖誘導体としてはカルボキシメチルセルロースの塩、カルボキシエチルセルロース又はその塩、カルボキシメチル化デンブン又はその塩などが挙げられ、特にカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好ましい。
合成高分子としては、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらと共重合可能な単量体としては、これら不飽和カルボン酸のエステル、酢酸ビニル、エチレン、アクリルアミド、ビニルエーテルなどが挙げられる。特に好ましい合成高分子は、不飽和カルボン酸としてアクリル酸やメタクリル酸を用いたものであり、具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸メタクリル酸共重合体の塩、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルとの共重合体の塩が挙げられる。天然物としては、アルギン酸ナトリウム、ザンサンガム、ジェランガム、タラガントガム、ペクチンなどが挙げられる。
〔溶液付与工程〕
次いで、本発明にかかる溶液付与工程ついて説明する。本発明の溶液付与工程では、図1に示すように、プライ連続シート1Bの両方の外面(連続乾燥原紙1A,1Aをプライ加工した時に連続乾燥原紙1A,1A同士が対向しない面)に二流体方式または一流体方式のノズルの各スプレーノズル3,3により上述のバインダー溶液を噴霧する。
プライ加工工程においてプライ加工された直後のプライ連続シート1Bは、連続乾燥原紙1A,1Aが単に重なっているに過ぎないため、溶液付与工程においてプライ連続シート1Bの両面から、バインダー溶液をスプレーノズル3,3で塗布すると、連続乾燥原紙1A,1Aが離れた状態でバインダー溶液を付与する場合(図2(a)参照)と実質的に同様であり、バインダー溶液が厚さ方向に浸透し、搬送中にシート同士が密着し、スリット・巻取り工程で圧着する中で、さらに浸透するのである。
二流体方式のスプレーノズルは、2系統に分けられた圧縮空気と液体を混合し、噴射させる方式のスプレーノズルであり、圧縮した液体を単独で噴射させる一流体方式のスプレーノズルに比べて、液体をきめ細かく均一に噴霧することができる。
本実施形態で二流体方式のスプレーノズルを使用する場合、プライ加工されたプライ連続シート1Bの各々の外面に高い圧力(噴射圧1.5MPa以上)でバインダー溶液(粘度400〜1200MPa.s)を塗布するので、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させやすい。
一方、本実施形態で一流体方式のスプレーノズルを使用する場合、プライ加工されたプライ連続シート1Bの各々の外面に噴射圧1.5MPa以下でバインダー溶液(粘度400〜1200MPa.s)を塗布することで、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させやすく、シート表面にバインダー溶液を均一に塗布させやすくしている。
〔乾燥工程〕
次いで、本発明にかかる乾燥工程について説明する。本発明にかかる乾燥工程では、図1に示すように、乾燥設備4において、上述の連続シート1Cのバインダー溶液中の不溶な液分を蒸発させて、有効成分、特にCMCを繊維に対して定着させる。乾燥設備4としては、連続シート1Cに対して熱風を吹き付けて乾燥させるフード付きドライヤー設備が利用できる。乾燥工程を通過する連続シート1Cは、搬送中にシート同士が密着し、対向するシート面に浸透した水溶性バインダーにより、対向面同士が接着されていく。なお、シート同士をより密着させるために、プレスロールやターンロールを設置し、乾燥工程前に当該プレスロールや当該ターンロールに連続シート1Cを通しても良い。
なお、上記乾燥設備として赤外線照射による設備を用いても良い。この場合、上記連続シート1Cの搬送方向に複数の赤外線照射部を並列し、搬送される当該連続シート1Cに対して赤外線を照射して乾燥を行なう。赤外線により水分が発熱し乾燥されるものであるため、熱風によるドライヤーと比較して、均一な乾燥が可能であり、後段のスリット・巻き取り工程においての皺の発生が防止できる。
〔スリット・巻き取り工程〕
次いで、本発明にかかるスリット・巻き取り工程について説明する。本発明にかかるスリット・巻取り工程では、プライ加工された連続水解性シート1Dをオフラインの加工機で加工する際の原反とするために、上述の乾燥工程で乾燥されCMCの定着が図られた連続水解性シート1Dをテンションを調整しながら、スリッター5で所定の幅にスリットし、ワインダー設備6において、巻き取ることとなる。巻き取り速度は、プライ加工工程、溶液付与工程、乾燥工程を考慮して適宜定める。過度に早いとシートの破断が生じ、過度に遅いと皺が発生するのでこれに留意する。
スリット・巻き取り工程で、プライ加工された連続水解性シート1Dが圧着されることにより、連続水解性シート1Dがより一体化され、1枚相当のシートとなる。
以上の各工程を経ることにより、本発明の水解性シートが製造される。
次に、本実施形態の水解性シートの製造方法により製造された上述の連続水解性シートを用いて、バインダー溶液の塗布面の均一性、浸透性、及びバインダー溶液塗布後のシートの水解性について評価した結果を表2及び表3を用いて説明する。表2は、連続水解性シートを製造する際に、二流体方式のスプレーノズルを使用してバインダー溶液を付与したときの評価結果を示す表である。表3は、一流体方式のスプレーノズルを使用してバインダー溶液を付与したときの評価結果を示す表である。
<実施条件>
水溶性バインダーを含んでいない水解紙(連続乾燥原紙1A,1A)を上述のプライ加工工程にて2プライ加工し、次いで、上述の溶液付与工程にて、2プライ加工された連続シート1Bの両方の外面に二流体方式または一流体方式のノズルの各スプレーノズル3,3によりバインダー溶液を噴霧し、次いで、上述の乾燥工程にて、バインダー溶液が噴霧された連続シート1Cを乾燥させ、次いで、スリット・巻き取り工程にて、所定の幅にスリットし、巻き取った後の連続水解性シート1Dにて、バインダー溶液の塗布面の均一性、浸透性、及びバインダー塗布後のシートの水解性について評価を行った。
水溶性バインダーを含んでいない水解紙の各条件は下記表1に示す通りである。
なお、各条件の値は、JISに基づく試験方法で測定されたものである。
その他条件
バインダー噴霧量:含有されるCMC噴霧量がドライの原紙重量に対し、1.0%相当
バインダー溶液中のCMC(エーテル化度1.0)の濃度:3.25重量%
バインダー溶液の成分:CMC、水
バインダー溶液の粘度:520 MPa・s
Figure 2016154593
実施例1−1、実施例1−2、及び実施例1−3は、本実施形態に対応しており、二流体方式のスプレーノズルによりバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。具体的には、実施例1−1は、スプレー圧2.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例1−2は、スプレー圧1.5MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例1−3は、スプレー圧1.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。なお、実施例1−1、実施例1−2、及び実施例1−3のシートは、表1に示すシートIを2プライ加工したものである。
また、実施例2−1、実施例2−2、及び実施例2−3は、本実施形態に対応しており、一流体方式のスプレーノズルによりバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。具体的には、実施例2−1は、スプレー圧2.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例2−2は、スプレー圧1.5MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例2−3は、スプレー圧1.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。なお、実施例2−1、実施例2−2、及び実施例2−3のシートは、表1に示すシートIを2プライ加工したものである。
また、上記のようにスプレー圧を異ならせた各実施例に対し、スプレー圧については各実施例の条件と合わせる一方、目付け、プライ数、及び塗布面の各条件を変更してサンプルを試作し、これらのサンプルを比較例に用いて比較評価を行った。
比較例1−1−1から1−1−3は、上記実施例1−1に対するものである。具体的には、比較例1−1−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例1−1−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例1−1−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例1−2−1から1−2−3は、上記実施例1−2に対するものである。具体的には、比較例1−2−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例1−2−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例1−2−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例1−3−1から1−3−3は、上記実施例1−3に対するものである。具体的には、比較例1−3−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例1−3−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例1−3−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例2−1−1から2−1−3は、上記実施例2−1に対するものである。具体的には、比較例2−1−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例2−1−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例2−1−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例2−2−1から2−2−3は、上記実施例2−2に対するものである。具体的には、比較例2−2−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例2−2−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例2−2−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例2−3−1から2−3−3は、上記実施例2−3に対するものである。具体的には、比較例2−3−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例2−3−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例2−3−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
バインダー溶液塗布面の均一性の評価方法としては、色つきの台紙にバインダー溶液を噴霧した際に、目視により噴霧性状・塗布状態を確認し、全くムラ・濃淡のない状態を「◎」、殆どムラ・濃淡のない状態を「○」、ややムラ・濃淡が見られる状態を「△」、ムラ・濃淡が見られる状態を「×」として評価した。
バインダー溶液の浸透性の評価方法としては、バインダー溶液を塗布した水解紙を後加工としてエンボス加工を施し、エンボスロールの山と山との間に紙粉がたまるか否かを観察した。紙粉がほとんど溜まらない場合を「◎」、ややたまる場合を「○」、たまる場合を「△」、紙粉が大量にたまる場合を「×」、として評価した。
また、バインダー溶液を塗布した水解紙の水解性を以下の通り試験し評価した。
1.スターラー、回転子、ビーカー、水(20℃±5)、ストップウォッチを用意する。
2.スターラーの上に水の入ったビーカーを設置し、回転数を600に設定する。
3.原紙(バインダー溶液塗布後のシート)をダンベルカッターで114mm角 にカットする。
4.2プライのシートは、1枚ずつ剥がし、丸めて水に投入する。一方、1プライのシ ートは、そのまま丸めて水に投入する。
5.回転数が600から490〜590の間に落ちたタイミングで、ストップウォッチ での計測をスタートする。
6.回転数が540以上に復帰した時点で時間の計測を終了し、計測時間(秒)を記録 する。
7.計測時間(秒)が70秒以下であれば、「○」として評価した。
なお、比較例1−1−1、1−2−1、1−3−1、2−1−1、2−2−1、2−3−1は、バインダー溶液を片面塗布した目付け45gsmのシートの当該バインダー溶液を塗布していない面同士でプライし合計90gsmとして、エンボス加工して、浸透性の評価を実施した。それ以外の実施例、及び比較例は、いずれも合計目付けが90gsmとなっているため、所定条件でバインダーを塗布した後に、エンボス加工して、浸透性の評価を実施した。
Figure 2016154593
Figure 2016154593
表2に示す結果の通り、実施例1−1と、この実施例1−1に対する比較例1−1−1から1−1−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「◎」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−1だけが「○」であり、比較例1−1−1から1−1−3はいずれも「△」であった。
つまり、スプレー圧の条件が2.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−1が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例1−1、比較例1−1−1、比較例1−1−2、比較例1−1−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例1−2と、この実施例1−2に対する比較例1−2−1から1−2−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「◎」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−2だけが「○」であり、比較例1−2−1及び比較例1−2−2は「△」、比較例1−2−3は「×」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.5MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−2が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例1−2、比較例1−2−1、比較例1−2−2、比較例1−2−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例1−3と、この実施例1−3に対する比較例1−3−1から1−3−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「○」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−3だけが「△」であり、比較例1−3−1から1−3−3はいずれも「×」であった。つまり、スプレー圧の条件が1.0MPaである場合、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−3の評価結果自体は「△」と低いが、上記のように比較例1−3−1から1−3−3はいずれも「×」であり、実施例1−3では、比較例1−3−1から1−3−3に比べてバインダー溶液の浸透性を向上させることができた。すなわち、スプレー圧の条件が1.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−3が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例1−3、比較例1−3−1、比較例1−3−2、比較例1−3−3とも評価結果が「○」であった。
上記のように表2に示す結果から、スプレー圧の条件が2.0、1.5、1.0MPaのいずれの場合であっても、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、実施例も、その実施例に対する比較例も相対的にみて同等の評価結果であることが分かった。一方、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3の各実施例のように、目付けが45gsmの水解紙を2プライ加工し、バインダー溶液を両面に塗布する製造方法を採用することによって、各実施例では、当該各実施例に対応する比較例に比べてバインダー溶液の浸透性が向上することが分かった。更に、各実施例を比べると、スプレー圧の条件を1.5MPa以上とすることにより、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しても、バインダー溶液の浸透性に関しても、「○」以上の評価結果となることが分かった。
表3に示す結果の通り、実施例2−1と、この実施例2−1に対する比較例2−1−1から2−1−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「△」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−1だけが「◎」であり、比較例2−1−1から2−1−3はいずれも「○」であった。
つまり、スプレー圧の条件が2.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−1が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例2−1、比較例2−1−1、比較例2−1−2、比較例2−1−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例2−2と、この実施例2−2に対する比較例2−2−1から2−2−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「○」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−2だけが「○」であり、比較例2−2−1から2−2−3はいずれも「△」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.5MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−2が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例2−2、比較例2−2−1、比較例2−2−2、比較例2−2−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例2−3と、この実施例2−3に対する比較例2−3−1から2−3−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「○」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−3だけが「○」であり、比較例2−3−1から2−3−3はいずれも「△」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−3が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例2−3、比較例2−3−1、比較例2−3−2、比較例2−3−3とも評価結果が「○」であった。
上記のように表3に示す結果から、スプレー圧の条件が2.0、1.5、1.0MPaのいずれの場合であっても、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、実施例も、その実施例に対する比較例も相対的にみて同等の評価結果であることが分かった。一方、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3の各実施例のように、目付けが45gsmの水解紙を2プライ加工し、バインダー溶液を両面に塗布する製造方法を採用することによって、各実施例では、当該各実施例に対応する比較例に比べてバインダー溶液の浸透性が向上することが分かった。更に、各実施例を比べると、スプレー圧の条件を1.5MPa以下とすることにより、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しても、バインダー溶液の浸透性に関しても、「○」の評価結果となることが分かった。
以上のように、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、プライ加工工程でプライ加工されたシートの両方の外面に対応して設けられたスプレーノズルからバインダー溶液を対応する外面に噴射するので、他の方法に比べ、バインダー溶液を斑無く各外面に均一に及びシート内部まで好適に浸透させることができる。
従って、ワイプに加工して拭いても各外面の表面が破れにくい十分な表面強度を持ち、また、適度な引張り強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、プライ加工工程でプライ加工されたシートを、その後の工程へテンションをかけて搬送するので、シート同士を密着させることができ、さらに巻き取り工程でシートが巻き取られる際にシートが圧縮されることにより当該シートに水溶性バインダーがより浸透するので、十分な強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、溶液付与工程で用いるスプレーノズルを二流体方式のものにした場合、バインダー溶液を一定圧力(噴射圧1.5MPa)以上且つ好適な粘度で塗布することにより、シートの各外面に斑なく均一にバインダー溶液を吹き付けることができるとともに、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させることができる。また、巻き取り工程で巻き取られることにより一体化されたシートの表裏面は、溶液付与工程で微粒子状のきめ細かいバインダー溶液が噴霧されているので、より均一に水溶性バインダーで覆われるようにすることができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、溶液付与工程で用いるスプレーノズルを一流体方式のものにした場合、バインダー溶液を一定圧力(噴射圧1.5MPa)以下且つ好適な粘度で塗布することにより、シートの各外面に斑なく均一にバインダー溶液を吹き付けることができるとともに、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させることができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、水溶性バインダーを含んでいない原紙(連続乾燥原紙1A,1A)のそれぞれの目付けが15〜75gsm程度の場合プライ加工された状態では30〜150gsmであり、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボス・薬液含浸など加工適正が良く、加工条件を調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得られることができる。
<変形例1>
本実施形態において、図2(a) に示すように、抄造された原紙を巻取った複数(例えば、2本)の原反ロール1,1からそれぞれ繰り出される連続乾燥原紙1A,1Aの各シートの外面(各シートが対向しない面)に、ニ流体方式または一流体方式のスプレーノズル3,3でバインダー溶液を付与し、直後にバインダー溶液が付与された各連続原紙1A´,1A´をプライ加工し、連続シート1Cを乾燥させ、スリットし巻き取る工程としても良い。
次に、変形例1の水解性シートの製造方法により製造された上述の連続水解性シートを用いて、バインダー溶液の塗布面の均一性、浸透性、及びバインダー塗布後のシートの水解性について評価した結果を表4及び表5を用いて説明する。表4は、連続水解性シートを製造する際に、二流体方式のスプレーノズルを使用してバインダー溶液を付与したときの評価結果を示す表である。表5は、一流体方式のスプレーノズルを使用してバインダー溶液を付与したときの評価結果を示す表である。
<実施条件>
水解性シートの表面及び裏面となる水溶性バインダーを含んでいない2枚の水解紙(連続乾燥原紙1A,1A:上記実施形態の実施例と同一)のそれぞれの面に対応して設けられた各スプレーノズル3,3からバインダー溶液を対応する水解紙に噴霧し、次いで、2枚の水解紙をプライ加工し、次いで、連続シート1Cを乾燥させ、次いで、所定の幅にスリットし、巻き取った後の連続水解性シート1Dにて、バインダー溶液の塗布面の均一性、浸透性、及びバインダー塗布後のシートの水解性について評価を行った。なお、その他の条件は、上記実施形態の実施例と同一であるため、その説明は省略する。
実施例3−1、実施例3−2、及び実施例3−3は、上記変形例1に対応しており、二流体方式のスプレーノズルによりバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。具体的には、実施例3−1は、スプレー圧2.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例3−2は、スプレー圧1.5MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例3−3は、スプレー圧1.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。なお、実施例3−1、実施例3−2、及び実施例3−3のシートは、表1に示すシートIを2プライ加工したものである。
また、実施例4−1、実施例4−2、及び実施例4−3は、上記変形例1に対応しており、一流体方式のスプレーノズルによりバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。具体的には、実施例4−1は、スプレー圧2.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例4−2は、スプレー圧1.5MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。実施例4−3は、スプレー圧1.0MPaでバインダー溶液が噴霧されたシートを使用した。なお、実施例4−1、実施例4−2、及び実施例4−3のシートは、表1に示すシートIを2プライ加工したものである。
また、上記のようにスプレー圧を異ならせた各実施例に対し、スプレー圧については各実施例の条件と合わせる一方、目付け、プライ数、及び塗布面の各条件を変更してサンプルを試作し、これらのサンプルを比較例に用いて比較評価を行った。
比較例3−1−1から3−1−3は、上記実施例3−1に対するものである。具体的には、比較例3−1−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例3−1−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例3−1−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例3−2−1から3−2−3は、上記実施例3−2に対するものである。具体的には、比較例3−2−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例3−2−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例3−2−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例3−3−1から3−3−3は、上記実施例3−3に対するものである。具体的には、比較例3−3−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例3−3−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例3−3−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例4−1−1から4−1−3は、上記実施例4−1に対するものである。具体的には、比較例4−1−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例4−1−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例4−1−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例4−2−1から4−2−3は、上記実施例4−2に対するものである。具体的には、比較例4−2−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例4−2−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例4−2−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
比較例4−3−1から4−3−3は、上記実施例4−3に対するものである。具体的には、比較例4−3−1は、目付けが45gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。比較例4−3−2は、目付けが90gsmであり、プライ数が1のシート(表1のシートII)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を両面とした。比較例4−3−3は、目付けが45gsmであり、プライ数が2のシート(表1のシートI)を使用した。また、バインダー溶液の塗布面を片面とした。
バインダー溶液の塗布面の均一性、バインダー溶液の浸透性、及びバインダー塗布後のシートの水解性の評価方法は、上記実施形態の実施例での評価方法と同一であるため、その説明は省略する。
Figure 2016154593
Figure 2016154593
表4に示す結果の通り、実施例3−1と、この実施例3−1に対する比較例3−1−1から3−1−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「◎」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−1だけが「○」であり、比較例3−1−1から3−1−3はいずれも「△」であった。
つまり、スプレー圧の条件が2.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−1が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例3−1、比較例3−1−1、比較例3−1−2、比較例3−1−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例3−2と、この実施例3−2に対する比較例3−2−1から3−2−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「◎」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−2だけが「○」であり、比較例3−2−1及び比較例3−2−2は「△」、比較例3−2−3は「×」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.5MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−2が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例3−2、比較例3−2−1、比較例3−2−2、比較例3−2−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例3−3と、この実施例3−3に対する比較例3−3−1から3−3−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「○」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−3だけが「△」であり、比較例3−3−1から3−3−3はいずれも「×」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.0MPaである場合、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−3の評価結果自体は「△」と低いが、上記のように比較例3−3−1から3−3−3はいずれも「×」であり、実施例3−3では、比較例3−3−1から3−3−3に比べてバインダー溶液の浸透性を向上させることができた。すなわち、スプレー圧の条件が1.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及びバインダー 溶液の浸透性に関しては、実施例3−3が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例3−3、比較例3−3−1、比較例3−3−2、比較例3−3−3とも評価結果が「○」であった。
上記のように表4に示す結果から、スプレー圧の条件が2.0、1.5、1.0MPaのいずれの場合であっても、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、実施例も、その実施例に対する比較例も相対的にみて同等の評価結果であることが分かった。一方、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例3−1、実施例3−2、実施例3−3の各実施例のように、水解性シートの表面及び裏面となる目付けが45gsmの水解紙のそれぞれの面にバインダー溶液を塗布し、2プライ加工する製造方法を採用することによって、各実施例では、当該各実施例に対応する比較例に比べてバインダー溶液の浸透性が向上することが分かった。更に、各実施例を比べると、スプレー圧の条件を1.5MPa以上とすることにより、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しても、バインダー溶液の浸透性に関しても、「○」以上の評価結果となることが分かった。
表5に示す結果の通り、実施例4−1と、この実施例4−1に対する比較例4−1−1から4−1−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「△」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−1だけが「◎」であり、比較例4−1−1から4−1−3はいずれも「○」であった。
つまり、スプレー圧の条件が2.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−1が最も高い評価結果を得る ことができた。
なお、水解性に関しては、実施例4−1、比較例4−1−1、比較例4−1−2、比較例4−1−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例4−2と、この実施例4−2に対する比較例4−2−1から4−2−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「○」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−2だけが「○」であり、比較例4−2−1から4−2−3はいずれも「△」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.5MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−2が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例4−2、比較例4−2−1、比較例4−2−2、比較例4−2−3とも評価結果が「○」であった。
また、実施例4−3と、この実施例4−3に対する比較例4−3−1から4−3−3を比較すると、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、いずれも評価結果が「○」であったが、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−3だけが「○」であり、比較例4−3−1から4−3−3はいずれも「△」であった。
つまり、スプレー圧の条件が1.0MPaである場合、バインダー溶液の塗布面の均一性、及び、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−3が最も高い評価結果を得ることができた。
なお、水解性に関しては、実施例4−3、比較例4−3−1、比較例4−3−2、比較例4−3−3とも評価結果が「○」であった。
上記のように表5に示す結果から、スプレー圧の条件が2.0、1.5、1.0MPaのいずれの場合であっても、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しては、実施例も、その実施例に対する比較例も相対的にみて同等の評価結果であることが分かった。一方、バインダー溶液の浸透性に関しては、実施例4−1、実施例4−2、実施例4−3の各実施例のように、水解性シートの表面及び裏面となる目付けが45gsmの水解紙のそれぞれの面にバインダー溶液を塗布し、2プライ加工する製造方法を採用することによって、各実施例では、当該各実施例に対応する比較例に比べてバインダー溶液の浸透性が向上する ことが分かった。更に、各実施例を比べると、スプレー圧の条件を1.5MPa以下とすることにより、バインダー溶液の塗布面の均一性に関しても、バインダー溶液の浸透性に関しても、「○」の評価結果となることが分かった。
以上のように、変形例1の水解性シートの製造方法によれば、水溶性バインダーを含んでいない複数(2枚)の原紙(連続乾燥原紙1A,1A)のうち、水解性シートの表面及び裏面となる原紙のそれぞれの面に対してバインダー溶液を付与し、すぐにプライするので、他の方法よりバインダー溶液をシート内部まで好適に浸透させることができる。
従って、各外面の表面強度が強く、ワイプに加工して拭いても表面が破れにくい十分な強さを持ち、適度な引張り強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる。
また、変形例1の水解性シートの製造方法によれば、プライ加工工程でプライ加工されたシートを、その後の工程へテンションをかけて搬送するので、シート同士を密着させることができ、さらに巻き取り工程でシートが巻き取られる際にシートが圧縮されることにより当該シートに水溶性バインダーがより浸透するので、十分な強度を有する一体化した水解性シートを得ることができる。
また、変形例1の水解性シートの製造方法によれば、溶液付与工程で用いるスプレーノズルを二流体方式のものにした場合、バインダー溶液を一定圧力(噴射圧1.5MPa)以上且つ好適な粘度で塗布することにより、シートの各外面に斑なく均一にバインダー溶液を吹き付けることができるとともに、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させることができる。また、巻き取り工程で巻き取られることにより一体化されたシートの表裏面は、溶液付与工程で微粒子状のきめ細かいバインダー溶液が噴霧されているので、より均一に水溶性バインダーで覆われるようにすることができる。
また、変形例1の水解性シートの製造方法によれば、溶液付与工程で用いるスプレーノズルを一流体方式のものにした場合、バインダー溶液を一定圧力(噴射圧1.5MPa)以下且つ好適な粘度で塗布することにより、シートの各外面に斑なく均一にバインダー溶液を吹き付けることができるとともに、シートの厚さ方向にバインダー溶液を含浸させることができる。
また、変形例1の水解性シートの製造方法によれば、水溶性バインダーを含んでいない原紙(連続乾燥原紙1A,1A)のそれぞれの目付けが15〜75gsm程度の場合、プライ加工された状態では30〜150gsmであり、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボス・薬液含浸など加工適正が良く、加工条件を調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得られることができる。
<変形例2>
本実施形態において、図2(b)に示すように、各原反ロール1,1から連続的に繰り出される各連続乾燥原紙1A,1Aの対向面に対しても、二流体方式または一流体方式のスプレーノズル3,3から上述のバインダー溶液を噴霧するようにしても良い。これにより、搬送中にシート同士が密着し、巻取り工程で圧着する中でさらに浸透するのである。
<変形例3>
本実施形態において、図2(c)に示すように、プライ加工工程において、バインダー溶液が付与された各連続原紙1A´,1A´の間に当該バインダー溶液を付与しない連続乾燥原紙1Aを挟み込み3プライ加工するようにしても良い。なお、各連続原紙1A´,1A´の間に挟み込む連続乾燥原紙1Aに対してもバインダー溶液を付与するようにしても良い。
なお、上記実施形態、各変形例のいずれの場合でも、目的に応じて、バインダー溶液の塗布する量や塗布する成分・処方を変えることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
1 原反ロール
1A 連続乾燥原紙
1A´ 連続原紙
1B プライ連続シート
1C 連続シート
1D 連続水解性シート
2 重ね合わせ部
3 スプレーノズル
4 乾燥設備
5 スリッター
6 ワインダー設備

Claims (8)

  1. 複数の原紙がプライ加工されてなる水解性シートの製造方法であって、
    水溶性バインダーを含んでいない複数の原紙をプライ加工するプライ加工工程と、
    プライ加工されたシートに対してバインダー溶液を付与する溶液付与工程と、
    前記バインダー溶液を付与されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥させた前記シートを所定幅にスリットし巻き取る巻取り工程と、
    を含み、
    前記溶液付与工程は、プライ加工されたシートの両方の外面に対応して設けられたスプレーノズルから前記バインダー溶液を対応する外面に噴射することを特徴とする水解性シートの製造方法。
  2. 複数の原紙がプライ加工されてなる水解性シートの製造方法であって、
    水溶性バインダーを含んでいない複数の原紙のうち、前記水解性シートの表面及び裏面となる原紙のそれぞれの面に対してバインダー溶液を付与する溶液付与工程と、
    前記複数の原紙をプライ加工するプライ加工工程と、
    プライ加工されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥させた前記シートを所定幅にスリットし巻き取る巻取り工程と、
    を含み、
    前記溶液付与工程は、前記水解性シートの表面及び裏面となる原紙のそれぞれの面に対応して設けられたスプレーノズルから前記バインダー溶液を対応する原紙に噴射することを特徴とする水解性シートの製造方法。
  3. 前記溶液付与工程に用いるスプレーノズルは、二流体方式のノズルであることを特徴とする請求項1または2に記載の水解性シートの製造方法。
  4. 前記スプレーノズルによる前記バインダー溶液の噴射圧が1.5MPa以上であることを特徴とする請求項3に記載の水解性シートの製造方法。
  5. 前記溶液付与工程に用いるスプレーノズルは、一流体方式のノズルであることを特徴と する請求項1または2に記載の水解性シートの製造方法。
  6. 前記スプレーノズルによる前記バインダー溶液の噴射圧が1.5MPa以下であることを特徴とする請求項5に記載の水解性シートの製造方法。
  7. 前記スプレーノズルにより噴射されるバインダー溶液の粘度が400〜1200MPa.sであることを特徴とする請求項4または6に記載の水解性シートの製造方法。
  8. 水溶性バインダーを含んでいない原紙のそれぞれの目付が15〜75gsmであり、
    プライ加工された水溶性バインダーを含むシートの目付けが30〜150gsmであることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の水解性シートの製造方法。
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