JP2016154164A - フォトニック結晶共振器およびその設計方法 - Google Patents

フォトニック結晶共振器およびその設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が得られるようにする。
【解決手段】第1格子要素対(格子要素131a,格子要素131b),第2格子要素対(格子要素132a,格子要素132b),第3格子要素対(格子要素133a,格子要素133b),第4格子要素対(格子要素134a,格子要素134b),第5格子要素対(格子要素135a,格子要素135b)は、Γ−K結晶方位方向の直線上で、光閉じ込め部の中心(共振器中心)から対称となる外側へのシフト量が、同一の一次結合関係により共振器Q値が最大となる状態に最適化されている。共振器中心は、点欠陥104の中心となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型のフォトニック結晶共振器およびその設計方法に関する。
近年、通信およびインターネットの大容量化に対応するため、光通信技術は欠くことのできないものとなっている。増大する通信容量に対応するために、単一チャンネルにおける通信速度の向上に加え、波長・偏波などの多重化による並列通信処理の拡大が進められている。通信にかかるエネルギーコストの低減、通信装置のフットプリントの縮小およびコストダウンのため、ルータなどの個別部品・装置のオンボード化、オンチップ化が進められている。
現行技術では、光信号を電気信号に変換した上で電子回路により信号処理を行い、再度光信号に変換して送出を行っている。しかしながら、これ以上の電子回路の集積度の拡大、微細化、および消費電力の削減には限界が指摘されている。次世代の更に高性能化と集積化・消費エネルギーの低減を進めるためには、従来技術の延長ではなく、根本からのブレークスルーが必要という考え方が広がりつつある。光を光信号のまま処理する全光処理、またチップ内・チップ間・ボード間の大容量信号伝送を電気から光に置き換える光インタコネクト技術は、ブレークスルーのための有力候補として注目され、要素技術の開発も進められている。
全光処理および光インタコネクトの基盤技術として近年、シリコンフォトニクスおよびInPによる光(電子)集積回路の開発および市場導入が進められている。数μm程度の断面幅をもつ光配線や、この光配線をベースとした光素子を集積した光集積回路、ないし光電融合集積回路が現行の商品に採用されている。
更に微細化および低消費電力化を実現する手法として、サブμmの断面サイズを有するSi細線光導波路と共に注目されているのが、フォトニック結晶(Photonic Crystal:PC)である。PCは、高屈折率の媒体中に低屈折率の円柱などの格子要素を周期的に配置することで光のバンド構造を生成し、光の伝搬の制御を実現する人工物質である。特に光の絶縁体となるフォトニックバンドギャップ(Photonic Bandgap:PBG)を利用すれば、光を波長スケールの微小体積に閉じ込めるナノ共振器や結晶穴1個分の幅に閉じ込めるナノ導波路を実現できる。
フォトニック結晶周期は、真空中の光波長の1/n(n:媒質の屈折率)程度なので、PCにおいては現行の光集積回路より1桁程度のサイズ縮小および1桁以上の消費電力低減が期待される。最近、PCレーザの電流注入室温CW発振が実現され、また100ビットのオンチップ集積光メモリが実現されるなど、PC光部品の実用化は現実に近づきつつある。
PCによるナノ共振器は、結晶穴数個を取り除いて形成する欠陥部分に周囲のPCが有するPBGにより光閉じ込めモードを形成したもので、モード体積Vは概ね1(λc/n)3以下になるものを指す(λc:共振モード波長)。最近の共振器設計の進歩により、閉じ込めモードのQ値を1万以上にすることが可能になり、フォトニック結晶以外では達成困難な極めて大きなQ/Vを達成できるのが特長である。
特に、共振器電磁力学(cavity−QED)においてパーセル効果などの大きな増強が得られることが学術的に大きな注目を集めてきた。また、ナノ共振器を用いると実用的にもレーザや光メモリ・光スイッチなどの消費パワーの大幅な低減が図れるため、光素子単体のみならず光集積回路および光電融合集積回路全体として極めて低パワーでの動作が可能になることが期待される。
なお、光回路の素子としての光共振器の性能を向上させることは、Q値をより高く、モード体積Vをより小さくすることと同義である。Q値が高ければ高いほど光を長時間、かつ低損失に閉じ込めることができ、モード体積Vが小さければ小さいほど光の単位体積当たりのエネルギーを大きくでき、また共振器自体も小さくすることができる。ただし、モード体積Vが小さい共振器は、多くの場合光の外部への放射ロスが大きくなりQ値が小さくなる。このように、Q値とモード体積Vはトレードオフの関係となっている。このため、光共振器の性能をQ値やモード体積Vを単体で評価するのではなく、Q/Vで評価することが多い。
上述したPCによる共振器として、L型共振器がある。L型共振器は、2次元スラブ型のフォトニック結晶の格子要素を取り除いた点欠陥を直線状に配列した光閉じ込め部を備える。例えば、L1共振器は、図8に示すように、フォトニック結晶401の格子要素402による格子の中で、格子要素を取り除いた1つの点欠陥403により構成されている。また、L2共振器は、図9に示すように、フォトニック結晶401の格子要素402による格子の中で、格子要素を取り除いた2つの点欠陥403a,403bにより構成されている。また、L3共振器は、図10に示すように、フォトニック結晶401の格子要素402による格子の中で、格子要素を取り除いた3つの点欠陥403a,403b,403cにより構成されている。
このようなL型共振器において、複数の点欠陥は、Γ−K結晶方位に沿って直線状に配列させる。なお、図8,9,10では、紙面左右方向をΓ−K結晶方位としているが、この方向に対して±60°の方向も、Γ−K結晶方位である。
また、L型共振器において、点欠陥を配列した主軸上(主軸の延長線上)の格子要素を、点欠陥を配置している共振器中心から離れる方向(外側)にシフトさせることで、共振器のQ値を高めることについて報告され、特にL3共振器で広く採用されている(非特許文献1,非特許文献2参照)。例えば、L1共振器では、図8に示すように、点欠陥403の左側の格子要素421a,422a,423aは、左側にシフトさせ、点欠陥403の右側の格子要素421b,422b,423bは、右側にシフトさせる。
また、L2共振器では、図9に示すように、点欠陥403aの左側の格子要素421a,422a,423aは、左側にシフトさせ、点欠陥403bの右側の格子要素421b,422b,423bは、右側にシフトさせる。また、L3共振器では、図10に示すように、点欠陥403aの左側の格子要素421a,422a,423aは、左側にシフトさせ、点欠陥403cの右側の格子要素421b,422b,423bは、右側にシフトさせる。
非特許文献1,2などで知られた設計では、L3共振器のQ値が理論上40万以下、また実験では10万以下であった。最近、非特許文献3により、シフトの量をより大きくすることにより、理論Q値が160万まで拡大されることが報告された。L1、L2共振器に関しては、非特許文献2が報告する10万以下のQ値しか最近まで報告例が無かった。
また最近、非特許文献4により、L型共振器に共通的に適用できる規則的な穴シフトが報告され、従来よりほぼ1桁のQ値増大が得られている。この技術では、図11に示すように、L3共振器において、点欠陥403aの左側の格子要素421a,422aは、左側にシフトさせ、点欠陥403cの右側の格子要素421b,422bは、右側にシフトさせる。加えて、点欠陥による主軸に平行な主軸を挟んで隣の2つの格子列の中で、格子要素441a、441b,441c,441dを、格子列上で共振器中心方向にシフトさせる。また、点欠陥による主軸に平行な主軸を挟んで3列隣の2つの格子列の中で、格子要素442a、442b,442c,442dを、格子列上で共振器中心方向にシフトさせる。
また、ごく最近、非特許文献3により、図12に示すように、主軸上の5対の格子要素421a,422a,423a,424a,425a,および421b,422b,423b,424b,425bを、共振器中心より外側にシフトさせることで、非特許文献4の約300万より更に高い約420万の理論Q値が報告された。理論Q値は、電磁界解析において標準的な手法の1つであるFDTD(Finite-difference time-domain method)により求めた値である。
PCが、シリコンからなる基部と空気穴からなる格子要素により構成される場合、結晶周期aが400nm、基部の厚さdが220nm、穴半径rがa/4の場合において、まず、図10を用いて説明したL3共振器のモード体積Vは、共振器波長λと共振器中心の屈折率nにより規格化した場合、0.78[(λ/n)3]となる。また、図11を用いて説明したL3共振器のモード体積Vは、共振器波長λと共振器中心の屈折率nにより規格化した場合、0.87[(λ/n)3]となる。また、図12を用いて説明したL3共振器のモード体積Vは、共振器波長λと共振器中心の屈折率nにより規格化した場合、0.95[(λ/n)3]となる。格子要素421a,421bの外側へのシフト量が非特許文献1,4,3の順に大きくなり、主軸方向への共振モードの広がりが、上記シフト量に応じて順に大きくなることを反映していると考えられる。
Y. Akahane et al., "Fine-tuned high-Q photonic-crystal nanocavity", OPTICS EXPRESS, Vol.13, no.4, pp.1202-1214, 2004. M. Notomi et al., "Waveguides, Resonators, and Their Coupled Elements in Photonic Crystal Slabs", Opt. Express, vol.12, no.8, pp.1551-1561, 2004. M. Minkov and V. Savona, "Automated optimization of photonic crystal slab cavities", Sci. Rep., vol.4, 5124, 2014. E. Kuramochi et al., "Systematic hole-shifting of L-type nanocavity with an ultrahigh Q factor", Opt. Lett., vol.39, no. 19, pp.5780-5783, 2014.
上述したように、非特許文献3の報告する1つのL3共振器の設計例は、L3共振器として最高のQ値約420万を報告するものとして高く注目される。しかし、非特許文献3に開示されている設計は、上述した結晶周期a、厚さd、穴半径rにおいて、まず、「格子要素421aおよび421bのシフト量が0.337a」、「格子要素422aおよび422bのシフト量が、0.270a」、「格子要素423aおよび423bのシフト量が、0.088a」、「格子要素424aおよび424bのシフト量が、0.323a」、「格子要素425aおよび425bのシフト量が、0.173a」の1例のみであった。
また同じシフト量において、厚さd、穴半径r共に±0.05aの範囲で、Q値が420万の9割以上になることが報告されている。上記以外の結晶周期a、厚さd、穴半径rにおけるシフト量に関しては、同文献が報告する遺伝的アルゴリズムを用いた機械的最適化により定められるとしか記述されていなかった。非特許文献3は、GME(guided-mode expansion)法という電磁界解析手法により理論Q値を計算している。しかし、GME法のプログラムは、市販やフリーソフトとして入手することができないため、同法による機械的最適化を実行するためにはプログラムを自作した上で精度の検証を行う必要がある。このため現時点では産業界における利用に適しているとは言えない。
更に非特許文献3においても、GME法により求めたQ値を、FDTD法により求めたQ値と併記しているなど、GME法の計算精度は、現時点ではまた確立されているとは言えない。
FDTD法は、既に産業界および教育界で広く活用され精度も保証され、加えて単にQ値を求める以外に電磁界モード分布の計算やデバイス動作も含む動的応答のシミュレーションも可能で大変有用である。信頼性が確証されているプログラムの入手も容易である。一方で、FDTD法は計算負荷が高く、非特許文献3が述べているように5組以上の穴のシフト量を非特許文献3と同様にしてFDTD法により機械的最適化することは困難である。
例えば、Q値を最高化する場合において、多数の穴のシフト量の間に規則性・相関性があり、少数のパラメータの調整により最適化が可能であれば、FDTD法によっても現実的な計算量でシフト量の最適化が可能になり、加えて実験においてシフト量を試行錯誤的に振ることで計算に頼らず最適化を進めることも可能になる。更に、最適なシフト量が経験的にほぼ特定の値になることが分かっている場合、試行錯誤の範囲を限定できるため、更に計算量あるいは実験サンプル数を節約することが可能になる。
非特許文献4の手法においては、上述したことが可能であった。しかし、非特許文献3は、上述した穴シフトの規則性・経験性を明らかにしていない。加えて、非特許文献3の手法を忠実に実行した場合、計算により求められたシフト量を各穴に設定することは可能であっても、実験と理論の間に誤差があった場合、シフト量を実験において調整することは困難であった。
また、L1共振器およびL2共振器については、非特許文献4が報告するQ値約10万および170万より高い共振器Q値を実現する設計は報告されていなかった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が得られるようにすることを目的とする。
本発明に係るフォトニック結晶共振器は、基部および基部に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、フォトニック結晶本体に設けられて、フォトニック結晶の格子要素がない部分から構成された点欠陥による光閉じ込め部とを備え、光閉じ込め部を中心としてこの両側において、フォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対の、直線上で中心から対称となる外側へのシフト量が、同一の一次結合関係により共振器Q値が最大となる状態に最適化されている。
上記フォトニック結晶共振器において、基部は、シリコンから構成され、光閉じ込め部は、1つの点欠陥から構成され、中心から2組目の第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、中心から3組目の第3格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、第1係数は、概ね0.85程度の数(0.8〜0.9)であり、第2係数は、概ね0.55程度の数(0.5〜0.6)であればよい。
上記フォトニック結晶共振器において、基部は、シリコンから構成され、光閉じ込め部は、2つの点欠陥から構成され、中心から2組目の第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、中心から3組目の第3格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量は0とされ、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、第2係数は、四捨五入すると0.5になる数であり、第3係数は、四捨五入すると0.3になる数であればよい。
上記フォトニック結晶共振器において、基部は、シリコンから構成され、光閉じ込め部は、2つの点欠陥から構成され、中心から2組目の第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、中心から3組目の第3格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第4係数を乗じた量とされ、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、第2係数は、四捨五入すると0.4になる数であり、第3係数は、四捨五入すると0.9になる数であり、第4係数は、四捨五入すると0.5になる数であればよい。
上記フォトニック結晶共振器において、基部は、シリコンから構成され、光閉じ込め部は、3つの点欠陥から構成され、中心から2組目の第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、中心から3組目の第3格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量は0とされ、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、第2係数は、四捨五入すると0.4になる数であり、第3係数は、四捨五入すると0.3になる数であればよい。
上記フォトニック結晶共振器において、基部は、シリコンから構成され、光閉じ込め部は、3つの点欠陥から構成され、中心から2組目の第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、中心から3組目の第3格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量は、第1格子要素対のシフト量に第4係数を乗じた量とされ、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、第2係数は、概ね0.25程度の数(0.2〜0.29)であり、第3係数は、四捨五入すると0.9になる数であり、第4係数は、四捨五入すると0.5になる数であればよい。
また、本発明に係るフォトニック結晶共振器は、基部および基部に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、フォトニック結晶本体に設けられて、フォトニック結晶の格子要素がない部分から構成された点欠陥による光閉じ込め部とを備え、光閉じ込め部は2つの点欠陥から構成され、光閉じ込め部を中心としてこの両側においてフォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する、6個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対は、直線上で中心から対称となる外側へのシフトし、直線に平行な直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、光閉じ込め部の中心より2番目の位置に各々配置される4つの他列格子要素は、直線に垂直な線上で、光閉じ込め部に近づく方向にシフトし、他列格子要素のシフト量は、フォトニック結晶の格子定数の0.001〜0.03倍とされている。
また、本発明に係るフォトニック結晶共振器の設計方法は、基部および基部に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、フォトニック結晶本体に設けられて、フォトニック結晶の格子要素がない部分から構成された点欠陥による光閉じ込め部とを備え、光閉じ込め部は2つの点欠陥から構成され、光閉じ込め部を中心としてこの両側においてフォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する、10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対は、直線上で中心から対称となる外側へのシフトし、直線に平行な直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、光閉じ込め部の中心より1番目の位置に各々配置される第1他列格子要素は、直線に垂直な線上で、光閉じ込め部より離れる方向にシフトし、直線に平行な直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、光閉じ込め部の中心より2番目の位置に各々配置される4つの第2他列格子要素は、直線に垂直な線上で、光閉じ込め部に近づく方向にシフトしているフォトニック結晶共振器の設計方法であって、Q値が最大になる第1格子要素対のシフト量を決定する第1ステップと、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量を、第1格子要素対のシフト量に四捨五入すると0.9となる数を乗じた量とし、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量を、第1格子要素対のシフト量に四捨五入すると0.5となる数を乗じた量とする第2ステップと、第1格子要素対、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第2格子要素のシフト量を決定する第3ステップと、第1格子要素対、第2格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第3格子要素のシフト量を、第2格子要素のシフト量以下の範囲で決定する第4ステップと、第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第2他列格子要素のシフト量を、格子定数の0.001〜0.03倍の範囲で決定する第5ステップと、第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対,第2他列格子要素を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第1他列格子要素のシフト量を、格子定数の0〜0.01倍の範囲で決定する第6ステップとを備える。
以上説明したことにより、本発明によれば、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が形成できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図である。 図2は、実施の形態1における第3事例においてFDTD計算により得られた結晶(zx面)に対し、この垂直方向の磁界Hyの分布を示す分布図である。 図3は、本発明の実施の形態2におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図である。 図4は、実施の形態3における第1事例においてFDTD計算により得られた結晶(zx面)に対し、この垂直方向の磁界Hyの分布を示す分布図である。 図5Aは、実施の形態3における第2事例において第1他列格子要素236a,236bのシフト量s6、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dのシフト量s7を変化させた場合においてFDTD計算により得られたQ値の変化を示す特性図である。 図5Bは、実施の形態2,3において、格子定数aを370nmとし、格子要素の穴半径rを0.25aに固定し、さまざまな基部202の厚さdに対するFDTD計算を実施することで得られた結果を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図である。 図7は、実施の形態3における第2事例においてFDTD計算により得られた結晶(zx面)に対し、この垂直(放線)方向の磁界Hyの分布を示す分布図である。 図8は、L1共振器の構成例を示す平面図である。 図9は、L2共振器の構成例を示す平面図である。 図10は、L3共振器の構成例を示す平面図である。 図11は、L3共振器の構成例を示す平面図である。 図12は、L3共振器の構成例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図である。このフォトニック結晶共振器は、基部102および基部102に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて基部102とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素103を備えるフォトニック結晶本体101から構成されている。フォトニック結晶本体101は、いわゆる2次元スラブ型のフォトニック結晶である。格子要素103は、例えば円柱状の中空構造である。
また、このフォトニック結晶共振器は、フォトニック結晶本体101に設けられて、フォトニック結晶の格子要素103がない部分から構成された点欠陥104による光閉じ込め部を備える。
また、上述した光閉じ込め部を中心としてこの両側において、フォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対を備える。第1格子要素対は、格子要素131aおよび格子要素131bから構成されている。第2格子要素対は、格子要素132aおよび格子要素132bから構成されている。第3格子要素対は、格子要素133aおよび格子要素133bから構成されている。第4格子要素対は、格子要素134aおよび格子要素134bから構成されている。第5格子要素対は、格子要素135aおよび格子要素135bから構成されている。
また、第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対は、Γ−K結晶方位方向の直線上で、光閉じ込め部の中心(共振器中心)から対称となる外側へのシフト量が、同一の一次結合関係により共振器Q値が最大となる状態に最適化されている。ここで、実施の形態1では、共振器中心は、点欠陥104の中心となる。
なお、格子要素131aと格子要素131bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素132aと格子要素132bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素133aと格子要素133bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素134aと格子要素134bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素135aと格子要素135bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。
また、上述した「外側へのシフト量」は、格子要素131a,132a,133a,134a,135aは、点欠陥104より図1の紙面の左方向にシフトする量であり、格子要素131b,132b,133b,134b,135bは、点欠陥104より図1の紙面の右側方向にシフトする量である。シフト方向は、図1の中で、矢印により示している。
また、実施の形態1では、基部102は、シリコンから構成されている。また、中心から2組目の第2格子要素対(格子要素132a,格子要素132b)のシフト量s2は、中心から1組目の第1格子要素対(格子要素131a,格子要素131b)のシフト量s1に第1係数を乗じた量とされている。なお、第1係数は、概ね0.85程度の数であり0.8〜0.9の範囲の数である。
また、中心から3組目の第3格子要素対(格子要素133a,格子要素133b)のシフト量s3は、第1格子要素対(格子要素131a,格子要素131b)のシフト量s1に第2係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、概ね0.55程度の数(0.5〜0.6)である。
実施の形態1の第1事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部102の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。第1格子要素対のシフト量s1=0.39a、第2格子要素対のシフト量s2=0.85×s1、第3格子要素対のシフト量s3=0.55×s1、第4格子要素対のシフト量s4および第5格子要素対のシフト量s5は、いずれも0とすると、共振器波長λ=1540nmにおいてQ値として180万が得られた。
実施の形態1の第2事例として、s1,s2,s3は、上述した値とし、s4=0.051×s1,s5=0にした場合、共振器波長λ=1540nmにおいてQ値として200万が得られた。また、第3事例として、s1,s2,s3は、上述した値とし、s4=0.051×sz,s5=0にした場合、共振器波長λ=1540nmにおいてQ値として280万が得られた。これらのQ値は、非特許文献4の手法により得られるQ値より1桁程度高い。
また、第1事例、第2事例、第3事例のいずれにおいても、モード体積Vは0.86[(λ/n)3]となった。ところで、L1共振器である実施の形態1の場合、共振器中心にΓ−K結晶方位方向の直線に平行な方向に隣接する列の格子要素136は、シフトしてもQ値の増大は得られないことが確認された。
次に、実施の形態1における第3事例においてFDTD計算により得られた結晶(zx面)に対し、この垂直(放線)方向の磁界Hyの分布を図2に示す。なお、z方向が、Γ−K結晶方位方向である。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が得られるようになる。なお、実施の形態1では、シフト量s1が格子定数の0.34倍〜0.425倍であり、シフト量s2がシフト量s1の0.85倍〜0.9倍となっている。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態2におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図である。このフォトニック結晶共振器は、基部202および基部202に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて基部202とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素203を備えるフォトニック結晶本体201から構成されている。フォトニック結晶本体201は、いわゆる2次元スラブ型のフォトニック結晶である。格子要素203は、例えば円柱状の中空構造である。
また、このフォトニック結晶共振器は、フォトニック結晶本体201に設けられて、フォトニック結晶の格子要素203がない部分から構成された2つの点欠陥204a,点欠陥204bによる光閉じ込め部を備える。
また、上述した光閉じ込め部を中心としてこの両側において、フォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対を備える。第1格子要素対は、格子要素231aおよび格子要素231bから構成されている。第2格子要素対は、格子要素232aおよび格子要素232bから構成されている。第3格子要素対は、格子要素233aおよび格子要素233bから構成されている。第4格子要素対は、格子要素234aおよび格子要素234bから構成されている。第5格子要素対は、格子要素235aおよび格子要素235bから構成されている。
また、第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対は、Γ−K結晶方位方向の直線上で、光閉じ込め部の中心(共振器中心)から対称となる外側へのシフト量が、同一の一次結合関係により共振器Q値が最大となる状態に最適化されている。ここで、実施の形態2では、共振器中心は、点欠陥204aと点欠陥204bとの間となる。
なお、格子要素231aと格子要素231bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素232aと格子要素232bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素233aと格子要素233bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素234aと格子要素234bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素235aと格子要素235bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。
また、上述した「外側へのシフト量」は、格子要素231a,232a,233a,234a,235aは、点欠陥204aより図3の紙面の左方向にシフトする量であり、格子要素231b,232b,233b,234b,235bは、点欠陥204bより図3の紙面の右側方向にシフトする量である。シフト方向は、図3の中で、矢印により示している。
また、実施の形態2では、基部202は、シリコンから構成されている。加えて、実施の形態2では、光閉じ込め部(共振器中心)を中心としてこの両側においてフォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線に平行な直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、光閉じ込め部の中心より1番目の位置に各々配置される2つの第1他列格子要素236a,236bを備える。また、Γ−K結晶方位方向の直線に平行な直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、光閉じ込め部の中心より2番目の位置に各々配置される4つの第2他列格子要素237a,237b,237c,238dを備える。
上述した実施の形態2において、まず、中心から2組目の第2格子要素対(格子要素232a,格子要素232b)のシフト量は、中心から1組目の第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量に第1係数を乗じた量とされている。なお、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数である。これは、0.75〜0.84の範囲の数である。
また、中心から3組目の第3格子要素対(格子要素233a,格子要素233b)のシフト量は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量に第2係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、四捨五入すると0.5になる数である。これは、0.45〜0.54の範囲の数である。
また、中心から4組目の第4格子要素対(格子要素234a,格子要素234b)のシフト量は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量に第3係数を乗じた量とされている。なお、第3係数は、四捨五入すると0.3になる数である。これは、0.25〜0.34の範囲の数である。なお、中心から5組目の第5格子要素対(格子要素251a,格子要素251b)のシフト量は0とされている。また、第1他列格子要素236a,236b、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dも、シフト量は0とされている。
実施の形態2の第1事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部202の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。第1格子要素対のシフト量s1=0.35a、第2格子要素対のシフト量s2=0.805×s1、第3格子要素対のシフト量s3=0.5×s1、第4格子要素対のシフト量s4=0.333×s1、第5格子要素対のシフト量s5は、0とすると、共振器波長λ=1540nmにおいてQ値として330万が得られた。
実施の形態2の第2事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部202の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。第2事例では、s1=0.35a,s5=0.5×s1,s4=s1×0.333とし、更にs2=(0.78±0.02)×sz、s3=(0.38±0.02)×szの範囲で、s2とs3をQ値が最高になるように最適化を行った。この結果、λ=1563nmにおいてQ値410万が得られた。モード体積Vはいずれも0.91[(λ/n)3]となった。
上述した実施の形態2によれば、第1他列格子要素236a,236b、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dをシフトしなくても、非特許文献3で報告されているL3共振器(図12参照)と同等か上回るQ値がL2共振器で得られた。これらのQ値は非特許文献4の手法により得られるL2共振器のQ値より2倍程度高い。
以上に説明したように、実施の形態2によれば、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が得られるようになる。なお、実施の形態2では、シフト量s1が格子定数の0.32倍〜0.4倍であり、シフト量s2がシフト量s1の0.775倍〜0.85倍となっている。また、シフト量s3がシフト量s1の0.45倍〜0.55倍、シフト量s4がシフト量s1の0.30倍〜0.35倍となっている。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について、図3を用いて説明する。実施の形態3は、前述した実施の形態2と同様の構成である。実施の形態3では、第1他列格子要素236a,236bは、直線に垂直な線上で、光閉じ込め部(点欠陥204a,204b)より離れる方向にシフトし、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dは、直線に垂直な線上で、光閉じ込め部に近づく方向にシフトする。第1他列格子要素236a,236bのシフト量s6は、格子定数の0〜0.01倍とし、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dのシフト量s7は、格子定数の0.001〜0.03倍とする。
実施の形態3の第1事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部202の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。第1格子要素対のシフト量s1=0.35a、第2格子要素対のシフト量s2=0.805×s1、第3格子要素対のシフト量s3=0.5×s1、第4格子要素対のシフト量s4=0.333×s1、第5格子要素対のシフト量s5は、0とする。また、第1他列格子要素236a,236bのシフト量s6、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dのシフト量s7は、0.005a(2.04nm)とすると、共振器波長λ=1540nmにおいてQ値として620万が得られた。
上述した第1事例は、前述した実施の形態2と同様であり、まず、中心から2組目の第2格子要素対(格子要素232a,格子要素232b)のシフト量s2は、中心から1組目の第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第1係数を乗じた量とされている。なお、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数である。これは、0.75〜0.84の範囲の数である。
また、中心から3組目の第3格子要素対(格子要素233a,格子要素233b)のシフト量s3は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第2係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、四捨五入すると0.5になる数である。これは、0.45〜0.54の範囲の数である。
また、中心から4組目の第4格子要素対(格子要素234a,格子要素234b)のシフト量s4は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第3係数を乗じた量とされている。なお、第3係数は、四捨五入すると0.3になる数である。これは、0.25〜0.34の範囲の数である。
なお、設計方法についてまとめると、第1ステップで、Q値が最大になる第1格子要素対のシフト量s1を決定する。次に、第2ステップで、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量s4を、第1格子要素対のシフト量s1に0.333を乗じた量とし、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量s5を0とする。
次に、第3ステップ、第1格子要素対、第4格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第2格子要素のシフト量s2を決定する。次に、第4ステップで、第1格子要素対、第2格子要素、第4格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第3格子要素のシフト量s3を、第2格子要素のシフト量s2以下の範囲で決定する。
次に、第5ステップで、第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第2他列格子要素のシフト量s7を、格子定数の0.001〜0.03倍の範囲で決定する。また、第6ステップで、第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対,第2他列格子要素を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第1他列格子要素のシフト量s6を、格子定数の0〜0.01倍の範囲で決定する。
図4に、実施の形態3における第1事例においてFDTD計算により得られた結晶(zx面)に対し、この垂直(放線)方向の磁界Hyの分布を示す。なお、z方向が、Γ−K結晶方位方向である。
次に、実施の形態3の第2事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部202の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。第1格子要素対のシフト量s1=0.34a、第2格子要素対のシフト量s2=(0.78±0.02)×s1、第3格子要素対のシフト量s3=(0.38±0.02)×s1、第4格子要素対のシフト量s4=0.93×s1、第5格子要素対のシフト量s5=0.5×s1とする。
ここで第1他列格子要素236a,236bのシフト量s6、第2他列格子要素237a,237b,237c,238dのシフト量s7を共に0とすると、共振器波長λ=1563nmにおいてQ値410万が得られた。次に第1他列格子要素のシフト量s6を0としたままで第2他列格子要素に内側へのシフトs7=sxを与えた場合のQ値を図5Aに示す。sxの増加と共にQ値は一旦増加し、sx=0.006aにて最高値630万に達した。s7に加え、更に第1他列格子要素に外側へのシフトs6=s7を与えた場合、Q値はさらに増加し、sx=0.005aにて最高のQ値として800万が得られ、s6及びs7のシフトが0の場合に比べ増倍度2倍が得られた。いずれの場合もsxを更に増加させるとQ値は減少に転じ、sxが0.01aを超えるとQ値はシフトが0の場合よりも低くなった。s7を0としs6のみを変化させた場合にはQ値増倍が得られなかった。
上述した第2事例は、前述した実施の形態2とは異なり、まず、中心から2組目の第2格子要素対(格子要素232a,格子要素232b)のシフト量s2は、中心から1組目の第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第1係数を乗じた量とされている。なお、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数である。これは、0.75〜0.84の範囲の数である。
また、中心から3組目の第3格子要素対(格子要素233a,格子要素233b)のシフト量s3は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第2係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、四捨五入すると0.4になる数である。これは、0.35〜0.44の範囲の数である。
また、中心から4組目の第4格子要素対(格子要素234a,格子要素234b)のシフト量s4は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第3係数を乗じた量とされている。なお、第3係数は、四捨五入すると0.9になる数である。これは、0.85〜0.94の範囲の数である。
また、中心から5組目の第5格子要素対(格子要素235a,格子要素235b)のシフト量s5は、第1格子要素対(格子要素231a,格子要素231b)のシフト量s1に第4係数を乗じた量とされている。なお、第4係数は、四捨五入すると0.5になる数である。これは、0.45〜0.54の範囲の数である。
なお、シフト量s6,s7を上述した値より更に増やすと、Q値は急減に減少を示した。また、シフト量s6,s7を0から0.005aに変えることによるモード体積Vおよび共振器波長λの変化は無視できる程度であった。
次に、実施の形態2,3において、格子定数aを370nmとし、格子要素の穴半径rを0.25aに固定し、さまざまな基部202の厚さdに対するFDTD計算を実施することで得られた結果を図5Bに示す。実施の形態2においては、厚さdが250nmから400nmに増加するのに伴いQ値は450万から660万に増加した。また、実施の形態3においては、シフト量s6,s7を0.006a(2.25nm)にした場合について示している。ほとんどの厚さdにおいて、シフト量s6,s7=0の場合に比べQ値はほぼ2倍に増大し、1000万を上回り、最高で1500万程度に達した。熱さdが400nm以上で増倍度が小さくなるが、これは共振器波長がフォトニックバンドギャプ端に近くなる影響を受けたことによると考えられる。モード体積Vおよび共振器波長λは、シフト量s6,s7=0の場合と変わらない。
なお、設計方法についてまとめると、第1ステップで、Q値が最大になる第1格子要素対のシフト量s1を決定する。次に、第2ステップで、中心から4組目の第4格子要素対のシフト量s4を、第1格子要素対のシフト量s1に0.93を乗じた量とし、中心から5組目の第5格子要素対のシフト量sを、第1格子要素対のシフト量s1に0.5を乗じた量とする。
次に、第3ステップ、第1格子要素対、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第2格子要素のシフト量s2を決定す。次に、第4ステップで、第1格子要素対、第2格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第3格子要素のシフト量s3を、第2格子要素のシフト量s2以下の範囲で決定する。
次に、第5ステップで、第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第2他列格子要素のシフト量s7を、格子定数の0.001〜0.03倍の範囲で決定する。また、第6ステップで、第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対,第2他列格子要素を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる第1他列格子要素のシフト量s6を、格子定数の0〜0.01倍の範囲で決定する。
以上に説明したように、実施の形態3によれば、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が得られるようになる。なお、実施の形態3では、シフト量s1が格子定数の0.32倍〜0.4倍であり、シフト量s2がシフト量s1の0.775倍〜0.85倍、シフト量s3がシフト量s1の0.35倍〜0.45倍、シフト量s4がシフト量s1の0.88倍〜0.95倍、シフト量s5がシフト量s1の0.48〜0.52倍となっている。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図である。このフォトニック結晶共振器は、基部302および基部302に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて基部302とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素303を備えるフォトニック結晶本体301から構成されている。フォトニック結晶本体301は、いわゆる2次元スラブ型のフォトニック結晶である。格子要素303は、例えば円柱状の中空構造である。
また、このフォトニック結晶共振器は、フォトニック結晶本体301に設けられて、フォトニック結晶の格子要素303がない部分から構成された3つの点欠陥304a,点欠陥304b,点欠陥304cによる光閉じ込め部を備える。
また、上述した光閉じ込め部を中心としてこの両側において、フォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対を備える。第1格子要素対は、格子要素331aおよび格子要素331bから構成されている。第2格子要素対は、格子要素332aおよび格子要素332bから構成されている。第3格子要素対は、格子要素333aおよび格子要素333bから構成されている。第4格子要素対は、格子要素334aおよび格子要素334bから構成されている。第5格子要素対は、格子要素335aおよび格子要素335bから構成されている。
また、第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対は、Γ−K結晶方位方向の直線上で、光閉じ込め部の中心(共振器中心)から対称となる外側へのシフト量が、同一の一次結合関係により共振器Q値が最大となる状態に最適化されている。ここで、実施の形態4では、共振器中心は、点欠陥304cの中心となる。
なお、格子要素331aと格子要素331bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素332aと格子要素332bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素333aと格子要素333bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素334aと格子要素334bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。また、格子要素335aと格子要素335bとは、Γ−K結晶方位方向の直線上で、共振器中心を中心として対称に配置されている。
また、上述した「外側へのシフト量」は、格子要素331a,332a,333a,334a,335aは、点欠陥304aより図6の紙面の左方向にシフトする量であり、格子要素331b,332b,333b,334b,335bは、点欠陥304bより図6の紙面の右側方向にシフトする量である。シフト方向は、図6の中で、矢印により示している。
実施の形態4の第1事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部302の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。
実施の形態4の第1事例では、実施の形態1の第2事例および実施の形態2の第1事例と同様に、s1,s2,s3,s4の順にシフト量が減少するように、かつs5が0となるように最適化を行った。この結果、第1格子要素対のシフト量s1=0.332a、第2格子要素対のシフト量s2=0.80×s1、第3格子要素対のシフト量s3=0.44×s1、第4格子要素対のシフト量s4=0.31×s1、s5=0とすると、共振器波長λ=1568nmにおいてQ値260万が得られた。なお、モード体積Vは、0.94[(λ/n)3]となった。
上述した実施の形態4の第1事例では、中心から2組目の第2格子要素対(格子要素332a,格子要素332b)のシフト量s2は、中心から1組目の第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第1係数を乗じた量とされている。なお、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数である。これは、0.75〜0.84の範囲の数である。
また、中心から3組目の第3格子要素対(格子要素333a,格子要素333b)のシフト量s3は、第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第2係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、四捨五入すると0.4になる数である。これは、0.35〜0.44の範囲の数である。
また、中心から4組目の第4格子要素対(格子要素334a,格子要素334b)のシフト量s4は、第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第3係数を乗じた量とされている。なお、第3係数は、四捨五入すると0.3になる数である。これは、0.25〜0.34の範囲の数である。
次に、実施の形態4の第2事例として、屈折率が3.46のシリコンから構成された基部302の厚さdを215nmとし、格子定数aが408nm、各格子要素の穴半径rが100nmであるとする。このフォトニック結晶共振器において、3次元FDTD法により共振器基底モードの電磁界シミュレーションを実施した。
実施の形態4の第2事例では、s5をs1の0.5倍、s4をs1の0.93倍に固定し、s1=s1とs4、s5の最適化を行った。この結果、第1格子要素対のシフト量s1=0.34a、第2格子要素対のシフト量s2=0.78×s1、第3格子要素対のシフト量s3=0.44×s1、第4格子要素対のシフト量s4=0.25×s1とすると、共振器波長λ=1568nmにおいてQ値500万が得られた。なお、モード体積Vは、0.94[(λ/n)3]となった。
上述した実施の形態4の第2事例では、中心から2組目の第2格子要素対(格子要素332a,格子要素332b)のシフト量s2は、中心から1組目の第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第1係数を乗じた量とされている。なお、第1係数は、四捨五入すると0.8になる数である。これは、0.75〜0.84の範囲の数である。
また、中心から3組目の第3格子要素対(格子要素333a,格子要素333b)のシフト量s3は、第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第2係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、概ね0.25程度になる数であり、0.2〜0.29の範囲の数である。
また、中心から4組目の第4格子要素対(格子要素334a,格子要素334b)のシフト量s4は、第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第3係数を乗じた量とされている。なお、第2係数は、四捨五入すると0.9になる数である。これは、0.85〜0.94の範囲の数である。
また、中心から5組目の第5格子要素対(格子要素334a,格子要素334b)のシフト量s5は、第1格子要素対(格子要素331a,格子要素331b)のシフト量s1に第4係数を乗じた量とされている。なお、第4係数は、四捨五入すると0.5になる数である。これは、0.45〜0.54の範囲の数である。
図7に、実施の形態4における第2事例においてFDTD計算により得られた結晶(zx面)に対し、この垂直(放線)方向の磁界Hyの分布を示す。なお、z方向が、Γ−K結晶方位方向である。
実施の形態4における第2事例は、非特許文献3に記載された報告例(図12参照)とほぼ一致するが、本発明ではr/a=0.245においてFDTD法により最適化を行い、r/a=0.25にて最適化を行った非特許文献3と同等のQ値500万を得たことと、およびr/aを0.25から更に大きくずらしてもs1〜s5をわずかに変えるだけで同等のQ値が得られることを明らかにした点がポイントである。
前述したように、実施の形態4における第2事例のs1からs5の最適値が、r/aを変えても大きく変わらないので、s1からs5の範囲を経験的に絞り込んだ上で最適化を行えることが明らかになった。従って、計算負荷の高いFDTD法、あるいは試行錯誤のコストが高い実験において試行錯誤的にs1からs5を最適化することも本発明の手順に従えば現実的となる。
また、本発明が明らかにしたもう1つのポイントは、実施の形態2におけるL2共振器の第2事例と、実施の形態4におけるL3共振器の第2事例との類似性である。L2共振器およびL3共振器において、Q値をs1〜s5を変数とする関数として考えた場合、s5をs1の0.5倍かつs4をs1の0.9倍以上の条件を満たすQ値の極大値は、s4=s5=0を含む区間のQ値の極大値とは異なることを明らかにした。
従って、s4=s5=0を初期値としてQ値が高くなるようにs1〜s5を最適化する手法では、L2共振器およびL3共振器の第1事例に至ることはあっても、同じく第2事例の状態を得ることはできない。第2事例においては、例えばs4=0.93×s1、s5=0.5×s1を初期値として最適化を開始することがポイントである。最後に、L3共振器に関しては、共振器中心にΓ−K結晶方位方向の直線に平行な方向に隣接する列の格子要素336は、シフトしてもQ値の増大は得られないことが確認された。
以上に説明したように、本発明によれば、2次元スラブ型のフォトニック結晶より構成されたL型の共振器におけるより最適な共振構造が得られるようになる。
本発明では、実施の形態1,実施の形態2,実施の形態4に示したL1共振器,L2共振器,L3共振器において、光閉じ込め部(共振器中心)を中心としてこの両側において、フォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線(主軸)上に連続する5組10個の格子要素を、外側にシフトし、特に最も内側の格子要素のシフト量s1を格子定数aの0.3倍以上に設定する場合において、Q値を最高化する5つの格子要素のシフト量の間に相関関係があり、シリコンなどの材料(屈折率)に依存し経験的に特定の値に定められることを明らかにした。
シリコンの場合、L1共振器、L2共振器,L3共振器でそれぞれ最大300万、660万、500万の理論Q値が得られることを明らかにした。更に、本発明の実施の形態3によれば、L2共振器中心の点欠陥を、主軸に平行な異なる列にある格子要素(他列格子要素)をわずかにシフト(シフト量s6,s7)することで、1000万〜1500万の理論Q値を実現できることを示した。
本発明を利用することで、経験的に最適なシフト量s1〜s7を予め絞り込む(決定する)ことが可能であるため、広く利用されているが計算負荷が高いFDTD法、あるいは試行錯誤コストの高い実験においても現実的・経済的な試行錯誤量でQ値を最高化するように各シフト量の最適化を進めることが可能になる。更にシフト量s1〜s5、またs6とs7における相関関係により、大雑把には、実施の形態1,2,4においては、シフト量s1、実施の形態3においては、シフト量s1に加えてシフト量s6の2変数で概ね最適化できる。計算と実験の誤差などに対応するため各格子要素のシフト量を個別に微調整することが、実験Q値を最高化する場合に必要になる場合があるが、シフト量は既に大まかに最適化されているのでそのコストは小さい。
学術的には本発明により、L1〜L3共振器における高Q値化設計における共通性および規則性が明らかになった点、またL2共振器において格子要素6および7のわずかな調整により倍程度の大きなQ値増大が得られることを明らかにした点が重要である。学術および産業応用の点からは、L1共振器が高Q値共振器として利用可能となったことと、L2共振器が広範に利用されているL3共振器よりQ値およびQ/V比の両面でより優れていることを発見した点が重要である。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、シリコンを用い、また、格子要素を空気穴とし、が、上下空気層クラッドからなるフォトニック結晶共振器を紹介したが、これに限るものではない。基部については、シリコンに限らず共振器波長における屈折率が2より高ければどのような材料でも良い。また、格子要素を充填する材料および上下クラッドの材料は、共振器波長において2より屈折率が小さい材料であればどのような材料でも、本発明の適用対象となる。
101…フォトニック結晶本体、102…基部、103…格子要素、104…点欠陥、131a,131b,132a,132b,133a,133b,134a,134b,135a,135b…格子要素、136…格子要素。

Claims (8)

  1. 基部および前記基部に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて前記基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、
    前記フォトニック結晶本体に設けられて、フォトニック結晶の前記格子要素がない部分から構成された点欠陥による光閉じ込め部と
    を備え、
    前記光閉じ込め部を中心としてこの両側において、フォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対の、前記直線上で中心から対称となる外側へのシフト量が、
    同一の一次結合関係により共振器Q値が最大となる状態に最適化されている
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  2. 請求項1記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記基部は、シリコンから構成され、
    前記光閉じ込め部は、1つの前記点欠陥から構成され、
    中心から2組目の前記第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の前記第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、
    中心から3組目の前記第3格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、
    前記第1係数は、概ね0.85程度の数であり、
    前記第2係数は、概ね0.55程度の数である
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  3. 請求項1記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記基部は、シリコンから構成され、
    前記光閉じ込め部は、2つの前記点欠陥から構成され、
    中心から2組目の前記第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の前記第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、
    中心から3組目の前記第3格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、
    中心から4組目の前記第4格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、
    中心から5組目の前記第5格子要素対のシフト量は0とされ、
    前記第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、
    前記第2係数は、四捨五入すると0.5になる数であり、
    前記第3係数は、四捨五入すると0.3になる数である
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  4. 請求項1記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記基部は、シリコンから構成され、
    前記光閉じ込め部は、2つの前記点欠陥から構成され、
    中心から2組目の前記第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の前記第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、
    中心から3組目の前記第3格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、
    中心から4組目の前記第4格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、
    中心から5組目の前記第5格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第4係数を乗じた量とされ、
    前記第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、
    前記第2係数は、四捨五入すると0.4になる数であり、
    前記第3係数は、四捨五入すると0.9になる数であり、
    前記第4係数は、四捨五入すると0.5になる数である
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  5. 請求項1記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記基部は、シリコンから構成され、
    前記光閉じ込め部は、3つの前記点欠陥から構成され、
    中心から2組目の前記第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の前記第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、
    中心から3組目の前記第3格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、
    中心から4組目の前記第4格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、
    中心から5組目の前記第5格子要素対のシフト量は0とされ、
    前記第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、
    前記第2係数は、四捨五入すると0.4になる数であり、
    前記第3係数は、四捨五入すると0.3になる数である
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  6. 請求項1記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記基部は、シリコンから構成され、
    前記光閉じ込め部は、3つの前記点欠陥から構成され、
    中心から2組目の前記第2格子要素対のシフト量は、中心から1組目の前記第1格子要素対のシフト量に第1係数を乗じた量とされ、
    中心から3組目の前記第3格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第2係数を乗じた量とされ、
    中心から4組目の前記第4格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第3係数を乗じた量とされ、
    中心から5組目の前記第5格子要素対のシフト量は、前記第1格子要素対のシフト量に第4係数を乗じた量とされ、
    前記第1係数は、四捨五入すると0.8になる数であり、
    前記第2係数は、概ね0.25程度の数であり、
    前記第3係数は、四捨五入すると0.9になる数であり、
    前記第4係数は、四捨五入すると0.5になる数である
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  7. 基部および前記基部に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて前記基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、
    前記フォトニック結晶本体に設けられて、フォトニック結晶の前記格子要素がない部分から構成された点欠陥による光閉じ込め部と
    を備え、
    前記光閉じ込め部は2つの前記点欠陥から構成され、
    前記光閉じ込め部を中心としてこの両側においてフォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する、6個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対は、前記直線上で中心から対称となる外側へのシフトし、
    前記直線に平行な前記直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、前記光閉じ込め部の中心より2番目の位置に各々配置される4つの他列格子要素は、前記直線に垂直な線上で、前記光閉じ込め部に近づく方向にシフトし、
    前記他列格子要素のシフト量は、前記フォトニック結晶の格子定数の0.001〜0.03倍とされている
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  8. 基部および前記基部に対象とする光の波長以下の間隔で三角格子状に周期的に設けられて前記基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、
    前記フォトニック結晶本体に設けられて、フォトニック結晶の前記格子要素がない部分から構成された点欠陥による光閉じ込め部と
    を備え、
    前記光閉じ込め部は2つの前記点欠陥から構成され、
    前記光閉じ込め部を中心としてこの両側においてフォトニック結晶のΓ−K結晶方位方向の直線上に連続する、10個の格子要素からなる第1格子要素対,第2格子要素対,第3格子要素対,第4格子要素対,第5格子要素対は、前記直線上で中心から対称となる外側へのシフトし、
    前記直線に平行な前記直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、前記光閉じ込め部の中心より1番目の位置に各々配置される第1他列格子要素は、前記直線に垂直な線上で、前記光閉じ込め部より離れる方向にシフトし、
    前記直線に平行な前記直線を挟んで隣の格子列に各々配置され、前記光閉じ込め部の中心より2番目の位置に各々配置される4つの第2他列格子要素は、前記直線に垂直な線上で、前記光閉じ込め部に近づく方向にシフトし
    ているフォトニック結晶共振器の設計方法であって、
    Q値が最大になる前記第1格子要素対のシフト量を決定する第1ステップと、
    中心から4組目の前記第4格子要素対のシフト量を、前記第1格子要素対のシフト量に四捨五入すると0.9となる数を乗じた量とし、中心から5組目の前記第5格子要素対のシフト量を、前記第1格子要素対のシフト量に四捨五入すると0.5となる数を乗じた量とする第2ステップと、
    第1格子要素対、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる前記第2格子要素のシフト量を決定する第3ステップと、
    第1格子要素対、第2格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる前記第3格子要素のシフト量を、前記第2格子要素のシフト量以下の範囲で決定する第4ステップと、
    第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる前記第2他列格子要素のシフト量を、格子定数の0.001〜0.03倍の範囲で決定する第5ステップと、
    第1格子要素対、第2格子要素、第3格子要素、第4格子要素対、第5格子要素対,前記第2他列格子要素を決定された各シフト量でシフトした状態で、Q値が最大になる前記第1他列格子要素のシフト量を、格子定数の0〜0.01倍の範囲で決定する第6ステップと
    を備えることを特徴とするフォトニック結晶共振器の設計方法。
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