JP2012014081A - ホーリーファイバ - Google Patents

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幸寛 土田
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Abstract

【課題】逆分散特性を有しながら伝送損失および接続損失が低い特性を有するホーリーファイバを提供すること。
【解決手段】中実構造を有するコア部と、前記コア部の外周に位置し、該コア部の周囲に層状に形成された空孔を有するクラッド部と、を備え、波長1550nmにおける波長分散が−17〜−0.2ps/nm/kmであり、波長1550nmにおける分散スロープが0ps/nm/kmより小さく、かつシングルモード動作する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホーリーファイバに関するものである。
ホーリーファイバ(Holey Fiber:HF)、あるいはフォトニッククリスタルファイバは、クラッドに空孔を規則的に配列することにより、クラッドの平均屈折率を下げ、全反射の原理を用いて、光の伝送を実現する新しいタイプの光ファイバである。ホーリーファイバは、光ファイバの屈折率制御に空孔を用いることにより、従来の光ファイバでは実現不可能なEndlessly Single Mode(ESM)特性や、きわめて短波長側にシフトした零分散波長等の特異な特性を実現可能である。なお、ESMとは、カットオフ波長が存在しないことを意味し、広帯域にわたって高伝送速度の光伝送を可能にする特性である(非特許文献1参照)。
一方、陸上長距離伝送や海底伝送のための光伝送路へのホーリーファイバの応用を考えた場合、高速伝送を行うためには分散補償技術が必要である。従来、ホーリーファイバを用いた分散補償光ファイバが提案されている。たとえば、特許文献1、2には、波長1500nm付近において波長分散が負であり、かつ波長分散の傾きすなわち分散スロープが負であるという逆分散特性を有するホーリーファイバや、波長分散が負であり、かつ分散スロープがほぼゼロである分散フラット型のホーリーファイバが開示されている。
特開2003−255152号公報 特開2006−53331号公報
K. Saitoh, Y. Tsuchida, M. Koshiba, and N.A. Mortensen, "Endlessly single-mode holey fiber: the influence of core design," Optics Express, vol. 13, pp. 10833-10839 (2005).
ここで、特許文献1、2に記載のホーリーファイバは、波長分散特性を制御するために、コア部にも空孔を配置した構造を有している。しかしながら、コア部は、光の大部分が伝送する領域である。したがって、特許文献1、2に記載のホーリーファイバは、コア部の空孔内表面での光散乱等によって伝送損失が大幅に劣化する可能性が高いとともに、光のフィールド分布の形状も理想的な等方的形状から崩れるため、他の光ファイバとの接続損失も大きくなるおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、逆分散特性を有しながら伝送損失および接続損失が低いホーリーファイバを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るホーリーファイバは、中実構造を有するコア部と、前記コア部の外周に位置し、該コア部の周囲に層状に形成された空孔を有するクラッド部と、を備え、波長1550nmにおける波長分散が−17〜−0.2ps/nm/kmであり、波長1550nmにおける分散スロープが0ps/nm/kmより小さく、かつシングルモード動作することを特徴とする。
また、本発明に係るホーリーファイバは、上記の発明において、前記クラッド部は、前記空孔が三角格子を形成するように配置され、前記コア部に隣接した領域に位置する内層部と、該内層部の外周領域に位置する外層部とを有する空孔の層構造を有し、前記内層部における該空孔の孔径をd[μm]、前記外層部における該空孔の孔径をd[μm]、該三角格子の格子定数をΛ[μm]とすると、d/dが0.77〜1.27であり、d/Λが0.22〜0.36であり、Λが2.2〜2.6μmであることを特徴とする。
また、本発明に係るホーリーファイバは、上記の発明において、波長1550nmにおける実効コア断面積が22μm以上であることを特徴とする。
前記内層部は、前記空孔の層の前記コア部側から1層目、2層目、または3層目までの層からなることを特徴とする。
本発明に係るホーリーファイバは、逆分散特性を有しながら伝送損失および接続損失が低いという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係るHFの模式的な断面図である。 図2は、実施の形態2に係るHFの模式的な断面図である。 図3は、実施の形態3に係るHFの模式的な断面図である。 図4は、タイプHF0のHFについて、d/Λを変化させた場合の、格子定数Λと波長分散との関係を示す図である。 図5は、タイプHF0のHFについて、d/Λを変化させた場合の、格子定数Λと分散スロープとの関係を示す図である。 図6は、タイプHF1のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと波長分散との関係を示す図である。 図7は、タイプHF2のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと波長分散との関係を示す図である。 図8は、タイプHF3のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと波長分散との関係を示す図である。 図9は、タイプHF1のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと分散スロープとの関係を示す図である。 図10は、タイプHF2のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと分散スロープとの関係を示す図である。 図11は、タイプHF3のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと分散スロープとの関係を示す図である。 図12は、HFのタイプおよび設計パラメータと、波長1550nmにおける各光学特性との関係を示す図である。 図13は、計算例13のHFの波長分散特性を示す図である。 図14は、計算例13のHFの分散スロープ特性を示す図である。 図15は、計算例13のHFにおける光のフィールド分布を示す図である。 図16は、実施の形態1に係るHFを用いた光伝送路を示す模式図である。 図17は、図16に示す光伝送路の波長分散特性を示す模式図である。
以下に、図面を参照して本発明に係るホーリーファイバの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下ではホーリーファイバを適宜HFと記載する。また、本明細書において特に定義しない用語については、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1における定義、測定方法に従うものとする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るHFの模式的な断面図である。図1に示すように、このHF10は、中心に位置するコア部11と、コア部11の外周に位置するクラッド部12とを備える。なお、コア部11とクラッド部12とは、いずれも屈折率調整用のドーパントが添加されていない純シリカガラスからなる。
コア部11は、内部に空孔が形成されていない中実構造を有する。クラッド部12は、コア部11の周囲に形成された空孔13a、13bを有する。この空孔13a、13bは、三角格子Lを形成するように配置されており、コア部11を中心とする正六角形の各頂点および各辺上に配置した空孔13aまたは空孔13bを1層として層状に形成されている。
また、クラッド部12は、コア部11に隣接した領域に位置し、空孔13aが属する内層部14と、内層部14の外周領域に位置し、空孔13bが属する外層部15とからなる空孔の層構造を有している。このHF10では、内層部14は3層構造であり、外層部15は2層構造である。
また、空孔13a、13bが形成する三角格子Lの格子定数、すなわち空孔13a、13bの中心間距離はいずれもΛである。また、空孔13aの孔径はいずれもdであり、空孔13bの孔径はいずれもdである。
このHF10は、Λが2.2μm、d/dが1.16、d/Λが0.28、d/Λが0.24に設定されている。その結果、このHF10は、波長1550nmにおいて、波長分散が−11.1ps/nm/kmであり、分散スロープが−0.024ps/nm/kmであるという逆分散特性を有している。特に、このHF10は、コア部11の内部に空孔が形成されていない中実構造であるため、逆分散特性を有しながら、伝送損失および接続損失が低いHFとなる。また、このHF10は、d/Λおよびd/Λが0.43以下であるため、非特許文献1に記載されるようにESM特性を有しており、たとえば波長1550nmにおいてシングルモード動作するHFとなる。
また、このHF10は、波長1550nmにおける実効コア断面積が22μm以上の30μmであり、非線形光学現象の発生を抑制するという点で実用上十分大きい実効コア断面積を有するものである。さらに、このHF10は、空孔13a、13bがコア部11を中心として6回対称性を有するように配置しているため、理論的にコア部11を伝送する光の2つの偏波状態が縮退している。その結果、このHF10は、たとえば特許文献1に開示されるような対称性が低い形状のコア部を有するHFと比較して、光学特性の偏波依存性が殆ど無いものとなる。
以上説明したように、本実施の形態1に係るHF10は、逆分散特性を有しながら、伝送損失および接続損失が低く、実用上十分大きい実効コア断面積を有し、光学特性の偏波依存性が殆ど無いものとなる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係るHFの模式的な断面図である。図2に示すように、このHF20は、中心に位置するコア部21と、コア部21の外周に位置するクラッド部22とを備える。コア部21とクラッド部22とは、いずれも屈折率調整用のドーパントが添加されていない純シリカガラスからなる。
コア部21は中実構造を有する。クラッド部22は、コア部21の周囲に形成された空孔23a、23bを有する。この空孔23a、23bは、三角格子Lを形成するように配置されており、かつコア部21を中心として層状に形成されている。
また、クラッド部22は、コア部21に隣接した領域に位置し、空孔23aが属する内層部24と、内層部24の外周領域に位置し、空孔23bが属する外層部25とからなる空孔の層構造を有している。このHF20では、内層部24は2層構造であり、外層部25は3層構造である。
また、空孔23a、23bが形成する三角格子Lの格子定数はいずれもΛである。また、空孔23aの孔径はいずれもdであり、空孔23bの孔径はいずれもdである。
このHF20は、コア部21が中実構造であり、Λが2.2μm、d/dが1.07、d/Λが0.28、d/Λが0.26に設定されている。その結果、このHF20は、波長1550nmにおいて、波長分散が−14.5ps/nm/kmであり、分散スロープが−0.024ps/nm/kmであるという逆分散特性を有しながら、伝送損失および接続損失が低く、ESM特性を有するためたとえば波長1550nmにおいてシングルモード動作するものとなる。
また、このHF20は、波長1550nmにおける実効コア断面積が31μmであり、実用上十分大きい実効コア断面積を有するものである。さらに、このHF20は、空孔23a、23bがコア部21を中心として6回対称性を有するように配置しているため、光学特性の偏波依存性が殆ど無いものとなる。
以上説明したように、本実施の形態2に係るHF20は、逆分散特性を有しつつ、伝送損失および接続損失が低く、実用上十分大きい実効コア断面積を有し、光学特性の偏波依存性が殆ど無いものとなる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係るHFの模式的な断面図である。図3に示すように、このHF30は、中心に位置するコア部31と、コア部31の外周に位置するクラッド部32とを備える。コア部31とクラッド部32とは、いずれも屈折率調整用のドーパントが添加されていない純シリカガラスからなる。
コア部31は中実構造を有する。クラッド部32は、コア部31の周囲に形成された空孔33a、33bを有する。この空孔33a、33bは、三角格子Lを形成するように配置されており、かつコア部31を中心として層状に形成されている。
また、クラッド部32は、コア部31に隣接した領域に位置し、空孔33aが属する内層部34と、内層部34の外周領域に位置し、空孔33bが属する外層部35とからなる空孔の層構造を有している。このHF30では、内層部34は1層構造であり、外層部35は4層構造である。
また、空孔33a、33bが形成する三角格子Lの格子定数はいずれもΛである。また、空孔33aの孔径はいずれもdであり、空孔23bの孔径はいずれもdである。
このHF30は、コア部31が中実構造であり、Λが2.2μm、d/dが1.07、d/Λが0.28、d/Λが0.26に設定されている。その結果、このHF30は、波長1550nmにおいて、波長分散が−16.3ps/nm/kmであり、分散スロープが−0.002ps/nm/kmであるという逆分散特性を有しながら、伝送損失および接続損失が低く、ESM特性を有するためたとえば波長1550nmにおいてシングルモード動作するものとなる。
また、このHF30は、波長1550nmにおける実効コア断面積が38μmであり、実用上十分大きい実効コア断面積を有するものである。さらに、このHF30は、空孔33a、33bがコア部31を中心として6回対称性を有するように配置しているため、光学特性の偏波依存性が殆ど無いものとなる。
以上説明したように、本実施の形態3に係るHF30は、逆分散特性を有しながら、伝送損失および接続損失が低く、実用上十分大きい実効コア断面積を有し、光学特性の偏波依存性が殆ど無いものとなる。
なお、上記実施の形態1〜3に係るHF10〜30は、公知のスタックアンドドロー法を用いて製造できる。このスタックアンドドロー法とは、コア部を形成するための中実のガラスロッドの周囲に、空孔を形成するための中空のガラスキャピラリを配置し、これらを束にしてガラス管に挿入して母材とし、この母材を線引きするというものである。上記実施の形態1〜3に係るHF10〜30は、内層部と外層部とで空孔の孔径は異なるが、格子定数Λはすべて同一である。したがって、格子定数Λに相当する外径を有するが内径が異なるガラスキャピラリを用いて、内層部および外層部の空孔を形成することができる。すなわち、外径がすべて等しいガラスキャピラリを用いることができる。したがって、たとえば格子定数Λが互いに異なる空孔が混合して存在するようなHFの場合には、製造時に外径が互いに異なるガラスキャピラリを使用しなければならないのと比較すると、ガラスキャピラリを所望の位置に配置することが容易であるため、空孔の配置位置の精度をより高くすることができる。
また、上記実施の形態1〜3に係るHF10〜30は、いずれも空孔の孔径が内層部と外層部とで異なる、すなわちd≠dであるが、d=dとしてもよい。たとえば、本実施の形態1に係るHF10と同様の構造のHFにおいて、d/Λおよびd/Λを0.28に設定し、d/dが1.00になるように設定した場合は、波長1550nmにおいて、波長分散が−6.3ps/nm/kmであり、分散スロープが−0.023ps/nm/kmであるという逆分散特性を有し、伝送損失および接続損失が低く、シングルモード動作し、25μmという実用上十分大きい実効コア断面積を有し、かつ光学特性の偏波依存性が殆ど無いHFとなる。
さらに、本発明に係るHFは、上記実施の形態に限らず、d/dを0.77〜1.27とし、d/Λを0.22〜0.36とし、Λを2.2〜2.6μmとすることによって、波長1550nmにおいて、波長分散が−17〜−0.2ps/nm/kmかつ分散スロープが0ps/nm/kmより小さい逆分散特性を有するHFを実現できる。
以下、シミュレーションを用いた計算結果により、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、シミュレーションには有限要素法を用いており、HFの構成材料である純シリカガラスの材料分散を考慮に入れて計算を行っている。
はじめに、図1に示すHF10と同様の構造を有するが、全ての空孔の孔径が等しい、すなわちd=d=dであるHFについての計算結果を説明する。以下、この構造のHFを適宜タイプHF0のHFと呼ぶこととする。
図4は、タイプHF0のHFについて、d/Λを変化させた場合の、格子定数Λと波長分散との関係を示す図である。また、図5は、タイプHF0のHFについて、d/Λを変化させた場合の、格子定数Λと分散スロープとの関係を示す図である。図4に示すように、d/ΛまたはΛを小さくすることによって、波長分散を負の値にすることができる。また、図5に示すように、分散スロープについては、Λを小さくし、d/Λを適切に設定することによって、分散スロープを負の値にすることができる。
なお、図4に示すように、大きな実効コア断面積を実現するために、Λを大きくしていくと、シリカガラスの材料分散の影響が大きくなるために波長分散が正の値に近づく。すなわち、実効コア断面積の拡大と逆分散特性の実現との間にはトレードオフの関係がある。
つぎに、図1〜図3に示すHF10〜30の構造のHFについての計算結果を説明する。以下、HF10、HF20、HF30の構造のHFをそれぞれタイプHF1、HF2、HF3のHFと呼ぶこととする。なお、これらのタイプのHFは、d=d、すなわちd/d=1.00であり実質的にタイプHF0である場合も含むものとする。ただし、HF1〜HF3のHFにおいて、d≠dとすることによって、逆分散特性を実現できるΛ、d/Λ、d/Λの組み合わせの範囲が広がるため、実効コア断面積の拡大と逆分散特性の実現との間のトレードオフの関係が緩和される。
はじめに、タイプHF1のHFの波長分散の計算結果を説明する。図6は、タイプHF1のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと波長分散との関係を示す図である。なお、d/Λは0.28に固定し、格子定数Λは2.2μmまたは2.4μmとしている。図6に示すように、Λが2.2μmの場合に、d/Λが0.24〜0.36の範囲で負の波長分散となる。
つぎに、タイプHF2のHFの波長分散の計算結果を説明する。図7は、タイプHF2のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと波長分散との関係を示す図である。なお、d/Λは0.28に固定し、格子定数Λは2.2μm、2.4μm、または2.6μmとしている。図7に示すように、Λが2.2μm、2.4μm、2.6μmのいずれの場合にも、d/Λを0.22〜0.30の範囲から適宜選択すれば負の波長分散となる。
つぎに、タイプHF3のHFの波長分散の計算結果を説明する。図8は、タイプHF3のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと波長分散との関係を示す図である。なお、d/Λは0.28に固定し、格子定数Λは2.2μmまたは2.4μmとしている。図8に示すように、Λが2.2μm、2.4μmのいずれの場合にも、d/Λを0.24〜0.28の範囲から適宜選択すれば負の波長分散となる。
図6〜図8からわかるように、タイプHF1のように内層部の層数が多いと負の波長分散が得られるd/Λの範囲が広くなる傾向にあり、タイプHF3のように内層部の層数が少ないと負の波長分散が得られるΛの範囲が広くなる傾向にある。
つぎに、タイプHF1のHFの分散スロープの計算結果を説明する。図9は、タイプHF1のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと分散スロープとの関係を示す図である。なお、d/Λは0.28に固定し、格子定数Λは2.2μmまたは2.4μmとしている。図9に示すように、Λが2.2μm、2.4μmのいずれの場合にも、d/Λが0.24〜0.36の範囲で負の分散スロープとなる。
つぎに、タイプHF2のHFの分散スロープの計算結果を説明する。図10は、タイプHF2のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと分散スロープとの関係を示す図である。なお、d/Λは0.28に固定し、格子定数Λは2.2μm、2.4μm、または2.6μmとしている。図10に示すように、Λが2.2μm、2.4μm、2.6μmのいずれの場合にも、d/Λを0.22〜0.34の範囲から適宜選択すれば負の分散スロープとなる。
つぎに、タイプHF3のHFの分散スロープの計算結果を説明する。図11は、タイプHF3のHFについて、格子定数Λを変化させた場合の、d/Λと分散スロープとの関係を示す図である。なお、d/Λは0.28に固定し、格子定数Λは2.2μmまたは2.4μmとしている。図11に示すように、Λが2.2μm、2.4μmのいずれの場合にも、d/Λを0.26〜0.30の範囲から適宜選択すれば負の分散スロープとなる。
図9〜図11からわかるように、タイプHF1のように内層部の層数が多いと負の分散スロープが得られるd/Λの範囲が広くなる傾向にあり、タイプHF3のように内層部の層数が少ないと負の分散スロープが得られるΛの範囲が広くなる傾向にある。
つぎに、図12は、HFのタイプおよび設計パラメータと、波長1550nmにおける各光学特性との関係を示す図である。なお、図12において、「Aeff」は実効コア断面積を示している。図12の計算例1〜16に示すように、d/dを0.77〜1.27とし、d/Λを0.22〜0.36とし、Λを2.2〜2.6μmとすることによって、波長1550nmにおいて、波長分散が−17〜−0.2ps/nm/kmかつ分散スロープが0ps/nm/kmより小さい逆分散特性と、22μmの実用上十分大きい実効コア断面積とを実現できる。一方、図12の計算比較例17〜24は、波長分散または分散スロープが正値であり、逆分散特性を満たさないものである。
つぎに、図12において、波長1550nmにおける実効コア断面積が比較的大きい計算例13のHFについて、その光学特性をさらに具体的に説明する。図13は、計算例13のHFの波長分散特性を示す図である。また、図14は、計算例13のHFの分散スロープ特性を示す図である。図13、14に示すように、計算例13のHFは、波長1.53〜1.565μmのCバンドの波長帯域にわたり、逆分散特性を有するものである。
また、波長分散を分散スロープで除算した値であるDPS(Dispersion Per Slope)については、計算例13のHFのDPSは波長1550nmで390nm程度であり、波長分散および分散スロープが正値である正分散を有する光ファイバに対して分散補償光ファイバとして使用した場合に、高い分散補償率を有することが期待される。
また、図15は、計算例13のHFにおける光のフィールド分布を示す図である。図15は、計算例13のHFにおいて、光のフィールドがコア部に集中していることを示している。なお、計算例13のHFは、波長1550nmにおける実効コア断面積が45μmと実用上十分に大きいため、長距離光伝送路として使用する分散補償光ファイバとしても好適である。
つぎに、本発明の実施の形態1に係るHFを分散補償光ファイバとして用いた光伝送路について説明する。図16は、実施の形態1に係るHFを用いた光伝送路を示す模式図である。図16に示すように、この光伝送路100は、正分散光ファイバ40と、実施の形態1に係るHF10とが、接続点Cにおいて順次接続して構成されており、複数の光増幅器50の間を接続するものである。
正分散光ファイバ40は、波長分散および分散スロープが正値である光ファイバであり、たとえばHFや、空孔構造を有さない光ファイバである。光増幅器50は、たとえばEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)やラマン増幅器などの光ファイバ増幅器であり、光伝送路100の伝送損失を補償する機能を有する。
図17は、図16に示す光伝送路の波長分散特性を示す模式図である。図17において、線L1は正分散光ファイバ40の波長分散特性を示す。線L2はHF10の波長分散特性を示す。線L3は光伝送路100全体の平均の波長分散特性を示す。図18に示すように、HF10は逆分散特性を有するため、正分散光ファイバ40において累積する波長分散を広い波長範囲にわたって補償する分散補償光ファイバとして機能する。その結果、光伝走路100は、広い波長範囲にわたって波長分散が小さくなるように分散マネジメントされたものとなる。したがって、光伝走路100の累積波長分散による信号光の劣化が抑制されるため、光伝走路100は長距離伝送に適した伝送路となる。
なお、上記実施の形態では、HFの空孔の層数は5層であるが、空孔の層数は特にこれに限定はされない。たとえば、HFにおいては、空孔の層数を増加させると光の閉じ込め損失を低減することができることが公知であるので、所望の閉じ込め損失を実現するために、全体の空孔の層数を6層以上にしてもよい。
10、20、30 HF
11、21、31 コア部
12、22、32 クラッド部
13a、23a、33a、13b、23b、33b 空孔
14、24、34 内層部
15、25、35 外層部
40 正分散光ファイバ
50 光増幅器
100 光伝走路
C 接続点
L 三角格子
L1〜L3 線

Claims (4)

  1. 中実構造を有するコア部と、
    前記コア部の外周に位置し、該コア部の周囲に層状に形成された空孔を有するクラッド部と、
    を備え、波長1550nmにおける波長分散が−17〜−0.2ps/nm/kmであり、波長1550nmにおける分散スロープが0ps/nm/kmより小さく、かつシングルモード動作することを特徴とするホーリーファイバ。
  2. 前記クラッド部は、前記空孔が三角格子を形成するように配置され、前記コア部に隣接した領域に位置する内層部と、該内層部の外周領域に位置する外層部とを有する空孔の層構造を有し、前記内層部における該空孔の孔径をd[μm]、前記外層部における該空孔の孔径をd[μm]、該三角格子の格子定数をΛ[μm]とすると、d/dが0.77〜1.27であり、d/Λが0.22〜0.36であり、Λが2.2〜2.6μmであることを特徴とする請求項1に記載のホーリーファイバ。
  3. 波長1550nmにおける実効コア断面積が22μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のホーリーファイバ。
  4. 前記内層部は、前記コア部側から1層目、2層目、または3層目までの空孔の層からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のホーリーファイバ。
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