JP2016153826A - 鍵ユニットの位置決め構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】鍵ユニットの共通化により部品点数を削減すると共に、鍵ユニットの位置決め精度を高めて鍵盤の外観を向上させる鍵ユニットの位置決め構造を提供する。【解決手段】複数の鍵ユニットUTの各々は、共通する位置決め部として、左右方向において異なる位置に設けられた複数のピン25を有する。ベース部30は、鍵ユニットUTを配設するための配設領域を左右方向に複数有する。各配設領域には、1つの横位置決め穴31と2つの横逃げ穴32が上下方向の穴として形成されている。配設領域RA、RB、RCで、左右方向における横位置決め穴31の位置が異なっている。横位置決め穴31は、ピン25に対して嵌合的な断面円形の穴であり、横逃げ穴32は、ピン25が遊嵌される程度の大きさを有する横長の穴である。1つのピン25と横位置決め穴31とが係合することで、左右方向における鍵ユニットUTの位置が規制される。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の鍵ユニットを楽器本体に配設する鍵ユニットの位置決め構造に関する。
従来、安価な鍵盤楽器において広く見られるように、複数の鍵を例えば、1オクターブ分でユニット化した鍵ユニットを、楽器のベース部等に配設する鍵ユニットの位置決め構造が知られている。この種の構造を採用した鍵盤楽器として、下記特許文献1の鍵盤装置が知られている。この装置では、鍵ユニットの組み付け手法として、各鍵ユニットの左右方向の端部に、隣接する鍵ユニットと連結するための連結部を設け、複数の鍵ユニットを左右方向に複数連結していくことが示されている。
しかし、鍵ユニット自体や連結部には製造等による寸法誤差が存在する。従って、上記の構造では、多数の鍵ユニットを連結していくと、各々の誤差が累積され、鍵盤の全幅としての誤差が大きくなる。すると、一部の鍵ユニットにおいては、押鍵検知のためのスイッチと鍵との位置ずれが大きくなることがある。また、ケースと鍵盤との隙間が大きくなることもある。しかも、組み立ての順序が定まっているため、組み立て工程の自由度もない。
一方、鍵ユニットの各々をベース部に対して個々に位置決めするために、鍵ユニットの決まった位置に位置決め部を設ける構造も知られている。この構造では、ベース部に対する1つ1つの鍵ユニットの位置決めは比較的正確に行える。
しかしながら、隣接する鍵ユニットの位置決め部同士の間隔には、1つの鍵ユニットの幅の分の寸法誤差が生じ得る。そのため、隣接する鍵ユニット間の隙間が、鍵ユニットの幅の誤差に依存し、隙間の大きさが場所によってばらつくおそれがある。隙間がばらつくと外観が低下する。また、特に鍵盤の中央付近で大きな隙間が生じると目立ちやすい。また、鍵盤の左右の端部においても、ケースとの間の隙間が大きいと、それが目立ちやすい。従って、鍵盤の外観を向上させる観点で改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、鍵ユニットの共通化により部品点数を削減すると共に、鍵ユニットの位置決め精度を高めて鍵盤の外観を向上させることができる鍵ユニットの位置決め構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵ユニットの位置決め構造は、共通する位置決め部を有する複数の鍵ユニットを、ベース部に対して鍵の並び方向である左右方向に位置決めして配設する鍵ユニットの位置決め構造であって、前記複数の鍵ユニット(UT)の各々は、前記位置決め部として、左右方向において異なる位置に設けられた複数の係合部(25、26、27)を有し、前記ベース部(30)は、前記鍵ユニットを配設するための配設領域(R)を左右方向に複数有し、前記ベース部の前記配設領域の各々の、前記鍵ユニットの前記複数の係合部のうち1つの係合部に対応する部分には、当該1つの係合部と係合して左右方向における当該鍵ユニットの位置を規制する位置決め対応部(31、33、34)が設けられると共に、前記1つの係合部(25x)以外の他の係合部に対応する部分は、左右方向において前記他の係合部に係合しないように構成され、少なくとも2つの配設領域同士の間で、左右方向における配設領域内の前記位置決め対応部の位置が異なっていることを特徴とする。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、鍵ユニットの共通化により部品点数を削減すると共に、鍵ユニットの位置決め精度を高めて鍵盤の外観を向上させることができる。
請求項2によれば、中央に配設される鍵ユニットを鍵盤の中央に正確に位置させることができる。請求項3によれば、中央付近に配設される2つの鍵ユニットを鍵盤の中央付近に位置させることができる。請求項4によれば、中央付近に配設される2つの鍵ユニット間の隙間の精度を高めることができる。請求項5によれば、鍵盤の左右の端位置と楽器本体との隙間の精度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の一実施の形態に係る鍵ユニットの位置決め構造が適用される鍵盤楽器の平面図である。この鍵盤楽器10は、楽器本体11の左側板12Lと右側板12Rとの間に複数(例えば3)オクターブ分の鍵盤KBを有する。以降、鍵盤KBの鍵の並び方向を左右方向と称する。
図1(b)、(c)は、鍵ユニットの位置決め構造の要部を示す平面図、側面図である。楽器本体11にはベース部30が固定される。ベース部30は、筐体(ケース)やフレームの一部、または基板であり、略水平な上面を有する。ベース部30の上面に、複数の鍵ユニットUT(UTA、UTB、UTC)が左右方向に実装される。ベース部30には、押鍵検知のためのスイッチを各鍵に対応して配設してもよい。
図1(d)、(e)は、1つの鍵ユニットUTの平面図、奏者側から見た正面図である。図1(f)は、ベース部30の平面図である。複数の鍵ユニットUTの構成は共通である。図1(d)、(e)に示すように、各々の鍵ユニットUTは、1オクターブ分の鍵域の白鍵23Wと黒鍵23Bとを含んで一体に構成される。白鍵23Wの鍵本体は、ヒンジ22Wで共通基端部21に接続され、黒鍵23Bの鍵本体は、ヒンジ22Bで共通基端部21に接続される。ヒンジ22W、22Bは上下方向に薄く、各鍵本体がヒンジ22W、22Bで上下方向に揺動自在とされる一方、左右方向への各鍵本体の変位はほぼ規制される。従って、鍵の前部の左右方向の変位を規制する鍵ガイドを有しない構成となっている。
この例では、7個の白鍵23Wが一体となった白鍵ユニットと5個の黒鍵23Bが一体となった黒鍵ユニットとをそれぞれの基端部同士で重ね合わせて共通基端部21とされ、その結果、1オクターブ分の鍵域のユニットとなっている。なお、鍵ユニットUTは、一体化されていればよく、鍵ユニットUTを構成する部品構成や要素の数は問わない。例えば、白鍵ユニットを、白鍵23Wが3つのユニットと4つのユニットとの2つに分割して構成し、両ユニットの基端部同士を重ね合わせてもよい。
共通基端部21からは、左右方向の鍵ユニットUTの位置を規制するための位置決め部として、左右方向において異なる位置に複数のピン25(係合部)が下方に向かって突設されている。図1の例では、ピン25は、鍵ユニットUTの幅の中心位置と、左右の端部付近とに、全部で3個設けられる。各々の鍵ユニットUTにおける、ピン25が設けられる位置や数についても共通である。ピン25は、例えば、円柱型である。
図1(f)に示すように、ベース部30は、鍵ユニットUTが配設される配設領域R(RA、RB、RC)を鍵ユニットUTの数の分だけ有する。この例では、鍵盤KBが3オクターブであるとしたので、配設領域Rも3つとする。
各配設領域Rには、1つの横位置決め穴31と2つの横逃げ穴32が、上下方向に貫通する穴として形成されている。左右方向の真ん中の配設領域RBにおいては、配設領域RBの幅の中心位置に横位置決め穴31が形成され、左右の端部付近に横逃げ穴32が形成される。すなわち、各配設領域Rにおいて、横逃げ穴32、横位置決め穴31は、鍵ユニットUTのピン25の位置に対応する部分に形成されている。ただし、配設領域R内における横逃げ穴32と横位置決め穴31との相対的位置関係が、配設領域Rによって異なっている。配設領域R同士の視覚上の仕切は必要でないが、横逃げ穴32及び横位置決め穴31の配置で区別される。横逃げ穴32、横位置決め穴31の配置以外の構成は各配設領域R間で共通である。
具体的には、左側の配設領域RAにおいては、配設領域RAの左端部付近と左右方向中央位置とに横逃げ穴32が形成され、右端部付近に横位置決め穴31が形成される。右側の配設領域RCにおいては、配設領域RCの右端部付近側と左右方向中央位置とに横逃げ穴32が形成され、左端部付近に横位置決め穴31が形成される。このように、各配設領域R内の左右方向における横位置決め穴31の位置が異なっている。
ここで、横位置決め穴31は、ピン25に対して嵌合的な、水平断面円形の穴である。一方、横逃げ穴32は、ピン25が遊嵌される程度の大きさを有する横長の穴であり、前後方向においてはピン25と同じかまたはピン25の直径よりも大きい。従って、ピン25と横位置決め穴31とが係合することで、左右方向における鍵ユニットUTの位置が規制されると共に、前後方向においても鍵ユニットUTの位置が規制される。横位置決め穴31が、「位置決め対応部」として機能する。一方、横位置決め穴31と係合しない他の2つのピン25については、横逃げ穴32に挿入・遊嵌されるが、少なくとも左右方向においてはピン25と横逃げ穴32とは接触しない。よって、左右方向における鍵ユニットUTの位置決めの基準は、位置決め穴31の配置に依存する。
ところで、鍵ユニットUTの位置決め後において、共通基端部21は、ベース部30に対して押しつける機構等によって固定される。なお、鍵ユニットUTの前後方向の位置決め機構を別途有していてもよい。
中央の配設領域RBに配設される鍵ユニットUTBは、中央の横位置決め穴31で位置決めされるため、この鍵ユニットUTBの左右端部の最大の位置ずれ量は、鍵ユニットUTBの幅の半分の寸法誤差の分だけで済む。従って、鍵ユニットUTBを、鍵盤KBの全幅の左右方向中央に正確に配設することができる。
左側の配設領域RAに配設される鍵ユニットUTAは、右側の横位置決め穴31で位置決めされるため、この鍵ユニットUTAの右端部の最大の位置ずれ量は、右側のピン25から鍵ユニットUTAの右端部までの短い距離に生じる寸法誤差の分だけで済む。従って、鍵ユニットUTAと鍵ユニットUTBとの間の隙間の精度を高くすることができる。右側の配設領域RCに配設される鍵ユニットUTCは、左側の横位置決め穴31で位置決めされるため、この鍵ユニットUTCの左端部の最大の位置ずれ量は、左側のピン25から鍵ユニットUTCの左端部までの短い距離に生じる寸法誤差の分だけで済む。従って、鍵ユニットUTCと鍵ユニットUTBとの間の隙間の精度を高くすることができる。
鍵盤KBの中央の領域は目立ちやすいため、鍵ユニットUTBを中央配置することと、それに隣接する鍵ユニットUTA、UTCとの隙間を適切な量にし、鍵盤楽器間のバラツキを小さくすることは、良好な外観を保つ上で重要である。上記のように、横位置決め穴31を配設領域RBでは中央に、配設領域RAでは右側に、配設領域RCでは左側に配置したことで、外観を向上させている。また、鍵ユニットUTの構成は共通であるので、部品点数が削減される。
図1の例では鍵ユニットUTが3つであったが、鍵ユニットUTが奇数配設される鍵盤楽器10においては、左右方向中央の配設領域Rにおける中央に横位置決め穴31を設けることで、中央に配設される鍵ユニットUTを鍵盤KBの中央に正確に位置させることができる。また、中央の配設領域Rに隣接する配設領域Rにおいては、中央の配設領域Rの側に極力に近い位置に横位置決め穴31を設けることで、中央に配設される鍵ユニットUTとそれに隣接する鍵ユニットUTとの隙間の精度を高めることができる。
本実施の形態によれば、鍵ユニットの共通化により部品点数を削減すると共に、鍵ユニットの位置決め精度を高めて鍵盤の外観を向上させることができる。
また、鍵ユニットUTを位置決めする横位置決め穴31とピン25xとの組は、配設領域Rごと、すなわちオクターブごとに独立しているので、各々のオクターブにおける横位置決め穴31の形成位置によってオクターブ間の隙間を任意に調整することができる。
なお、外観上、一部の領域、例えば最も重要な領域においてのみ本発明を適用してもよい。すなわち、少なくとも2つの配設領域R同士の間で、配設領域R内の左右方向における位置決め対応部(横位置決め穴31)の位置が異なるようにしてもよい。しかも位置決め対応部とならない部分には、横逃げ穴32を設けたが、少なくとも左右方向においてピン25と係合しない形状とすればよく、後にも述べるように、干渉を避けた形状の穴や凹部や溝等であってもよい。
図2、図3で、配設領域Rの数(鍵ユニットUTの数)、各配設領域R内における横逃げ穴32と横位置決め穴31との相対的位置関係を異ならせた各種の変形例を示す。
図2(a)〜(e)は、変形例の鍵ユニットUTの平面図である。なお、図2において、ピン25は上方からは見えないが、説明の便宜上、実線(白丸)や黒丸で示してある。ピン25のうち、黒丸で示したものが横位置決め穴31と係合するピン25であり、これを特に「ピン25x」と記す。配設領域Rの図示は省略するが、配設領域Rにおいて、ピン25xに対応する部分に横位置決め穴31が形成され、ピン25xではないピン25に対応する部分に横逃げ穴32が形成される。
まず、図2(a)では、鍵ユニットUTが偶数の例を示す。この例では、鍵盤KBの中央Cを挟んで2つの鍵ユニットUT1、UT2が配設される。横位置決め穴31は最も中央C寄りの位置に設けられる。すなわち、中央Cの左側の配設領域Rでは、横位置決め穴31は最も右側の位置に設けられ、中央Cの右側の配設領域Rでは、横位置決め穴31は最も左側の位置に設けられる。これにより、中央Cを挟む2つの鍵ユニットUT1、UT2間の互いに隣り合う端部同士の位置が正確となり、両者の隙間の楽器間のバラツキが小さくなる。この例は、鍵盤KBの中央Cの見栄えを重視した位置決め構造である。
図2(b)では、鍵ユニットUTの数を問わず、左右の両端に配置される鍵ユニットUTの位置決めに着目する。左端に配置される鍵ユニットUT3に対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は最も左側の位置に設けられ、右端に配置される鍵ユニットUT4に対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は最も右側の位置に設けられる。これにより、鍵ユニットUT3の左端と鍵ユニットUT4の右端の位置が正確となり、鍵ユニットUT3の左端と左側板12Lとの隙間、鍵ユニットUT4の右端と右側板12Rとの隙間の楽器間のバラツキがそれぞれ小さくなる。この例は、鍵盤KBの左右端部の見栄えを重視した位置決め構造である。
図2(c)では、鍵ユニットUTの数は4以上の偶数とする。この例では、鍵盤KBの中央Cを挟んで2つの鍵ユニットUT6、UT7が配設される。鍵ユニットUT6、UT7に対応する配設領域Rのそれぞれでは、横位置決め穴31は真ん中に設けられる。これにより、中央付近に配設される2つの鍵ユニットUT6、UT7を鍵盤KBの中央付近に位置させることができる。また、鍵ユニットUT6の左側に隣接する鍵ユニットUT5に対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は最も右側の位置に設けられる。これにより、鍵ユニットUT5の右端と鍵ユニットUT6の左端の位置が正確となり、両者間の隙間の楽器間のバラツキが小さくなる。また、鍵ユニットUT7の右側に隣接する鍵ユニットUT8に対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は最も左側の位置に設けられる。これにより、鍵ユニットUT7の右端と鍵ユニットUT8の左端の位置が正確となり、両者間の隙間の楽器間のバラツキが小さくなる。この例は、全体のバランスをとりつつ、鍵盤KBの中央に比較的近い範囲の見栄えを重視した位置決め構造である。
なお、図2(c)の例で、鍵盤KBの中央Cの見栄えを特に重視したい場合は、鍵ユニットUT6、UT7に対応する配設領域Rにおいても、横位置決め穴31を中央C寄りの位置に設けてもよい。
横逃げ穴32の数は、1つ以上であればよく、3以上であってもよい。図2(d)、(e)では、横位置決め穴31が1つで、横逃げ穴32が3つ以上である例を示す。
図2(d)では、鍵ユニットUTの数は4以上の偶数とする。この例では、鍵盤KBの中央Cを挟んで2つの鍵ユニットUT10、UT11に対応する配設領域Rのそれぞれでは、4箇所(横位置決め穴31が1つと横逃げ穴32が3つ)のうち、横位置決め穴31は最も中央C寄りの位置に設けられる。これにより、中央Cを挟む2つの鍵ユニットUT10、UT11間の互いに隣り合う端部同士の位置が正確となる。また、鍵ユニットUT10の左側に隣接する鍵ユニットUT9に対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は、4箇所のうち中央C寄り(最も右側)から2番目の位置に設けられる。鍵ユニットUT11の右側に隣接する鍵ユニットUT12に対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は、4箇所のうち中央C寄り(最も左側)から2番目の位置に設けられる。
なお、図2(d)の例で、鍵ユニットUTの数が6である場合を考えた場合は、次のようにすればよい。鍵ユニットUT9の左側に隣接する鍵ユニットUTに対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は、4箇所のうち右から3番目の位置に設けられる。鍵ユニットUT12の右側に隣接する鍵ユニットUTに対応する配設領域Rでは、横位置決め穴31は、4箇所のうち左から3番目の位置に設けられる。
このように、中央Cから遠い配設領域Rほど、横位置決め穴31の位置として中央Cから遠い位置を採用することで、鍵盤KBの中央の見栄えを重視しつつも、鍵盤KBの全体のバランスをとりつつ各鍵ユニットUTの位置精度を高めることができる。
一方、図2(d)の例で、鍵盤KBの中央に近い範囲の見栄えを重視したい場合は、鍵ユニットUT9、UT12に対応する配設領域Rにおいても、横位置決め穴31を中央C寄りの位置に設けてもよい。
図2(e)の例では、鍵ユニットUTの数は5以上の奇数とする。この例では、中央Cに重なる鍵ユニットUT15に対応する、真ん中の配設領域Rでは、横位置決め穴31は真ん中に設けられる。鍵ユニットUT15以外の鍵ユニットUT13、UT14、UT16、UT17に対応する配設領域Rのそれぞれでは、5箇所(横位置決め穴31が1つと横逃げ穴32が4つ)のうち、横位置決め穴31は最も中央C寄りの位置に設けられる。これにより、鍵盤KBの中央の見栄えを重視しつつも、全体のバランスをとりつつ、鍵盤KBの中央に比較的近い範囲の見栄えを向上させることができる。
このように、図2(c)、(d)、(e)の例では、中央Cを挟む2つの配設領域Rや、中央Cに重なる配設領域Rでは、鍵盤KBの中央Cまたはその付近を比較的重視した位置決め構造をとっている。それと共に、これら以外の(中央付近にない)配設領域Rでは、横位置決め穴31は、配設領域Rの幅方向における中央よりも、中央C寄りの位置に設けられる。これにより、隙間のバラツキが生じるとしてもそれは鍵盤KBの端部に近いほど大きくなるものであり、中央付近ではバラツキを小さくできる。従って、鍵盤KBの中央の見栄えを重視しつつも、各鍵ユニットUTの位置精度を高めることができる。
なお、図2(d)の例でも、鍵盤KBの全体のバランスを重視する場合は、中央Cから遠い配設領域Rほど、横位置決め穴31の位置として中央Cから遠い位置を採用してもよい。
図3(a)〜(d)のいずれか構成を、図1、図2(a)〜(e)のいずれかの構成と組み合わせてもよい。図3(a)は、変形例のベース部30の平面図である。図1、図2では、横位置決め穴31は水平断面円形であったが、図3(a)の例では、前後方向に長い長穴とする。横位置決め穴31の左右方向の幅はピン25の直径に対して嵌合的なサイズである。一方、横逃げ穴32については、横長であるが、前後方向の幅はピン25の直径に対して嵌合的なサイズである。従って、ピン25xと横位置決め穴31とが係合することで、左右方向における鍵ユニットUTの位置が規制される。また、ピン25と横逃げ穴32とが係合することで、前後方向における鍵ユニットUTの位置が規制される。このように、左右方向の位置決め機能と前後方向の位置決め機能とを、横位置決め穴31と横逃げ穴32とで分担する構成となっている。
図3(b)は、変形例の鍵ユニットUTの共通基端部21とベース部30との組み付け部分の要部を示す側面図である。図1、図2の例では、ピン25を共通基端部21に設け、横位置決め穴31及び横逃げ穴32をベース部30に設けたが、図3(b)の例では、凹凸関係を逆にする。共通基端部21には、同じ形状の穴26を複数(例えば、3つ)、左右方向の異なる位置に設ける。一方、穴26に対して嵌合的な形状のピン33を1つだけベース部30の配設領域Rに設ける。穴26が、各鍵ユニットUTに共通する位置決め部(複数の係合部)に相当し、ピン33が位置決め対応部に相当する。ピン33と、ピン33に係合する1つの穴26とによって、左右方向及び前後方向における鍵ユニットUTの位置が規制される。配設領域Rによって、ピン33を設ける位置が異なっている。
図3(c)、(d)は、変形例のベース部30における配設領域Rの平面図、正面図である。各鍵ユニットUTに共通する位置決め部(複数の係合部)とベース部30の配設領域Rに設けられる位置決め対応部の形状は、これまで例示したものに限定されない。例えば、図1、図2の例に対比して説明すると、図3(c)、(d)に示すように、共通基端部21に、ピン25に代えてリブ27を形成してもよい。その場合は、配設領域Rには、横位置決め穴31及び横逃げ穴32にそれぞれ代えて、溝部34、35を形成する。溝部34は溝部35よりも左右方向の幅が狭く、リブ27に対して嵌合的である。リブ27は溝部35に対して遊嵌される。図3(c)、(d)の例では、真ん中のリブ27xと溝部34との係合により、左右方向における鍵ユニットUTの位置が規制される。
なお、上記実施の形態及び各変形例において、ピン25(係合部)及びそれに対応する横位置決め穴31(位置決め対応部)は、奇数であったとしても、必ずしも鍵ユニットUTや配設領域Rの左右方向の中央に位置するものがなくてもよい。その場合に、鍵ユニットUTをなるべく中心基準で位置決めしたいときは、最も中央に近い係合部を実際に係合する係合部(ピン25x等)として用いるように、位置決め対応部を設ければよい。また、配設領域Rごとの位置決め対応部の位置の決め方は、これまで説明したのは例示であり、どこの箇所の精度を重視するのかによって、自由に選定すればよい。
また、係合部と位置決め対応部とは係合により左右方向における鍵ユニットUTの位置を規制できる関係にあればよく、形状や数は限定されない。
なお、鍵ユニットUTはユニット化されたものであればよく、白鍵23Wと黒鍵23Bの双方を有することは必須でない、例えば、白鍵23Wのみのユニットの組み付けに関して本発明を適用してもよい。また、鍵ユニットUTの鍵域は1オクターブ分でなくてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態や変形例の一部を適宜組み合わせてもよい。
UT 鍵ユニット、 R 配設領域、 25 ピン(係合部、位置決め部)、 26 穴(係合部)、 27 リブ(係合部)、 30 ベース部、 31 横位置決め穴(位置決め対応部)、 32 横逃げ穴、 33 ピン(位置決め対応部)、 34 溝部(位置決め対応部)
Claims (5)
- 共通する位置決め部を有する複数の鍵ユニットを、ベース部に対して鍵の並び方向である左右方向に位置決めして配設する鍵ユニットの位置決め構造であって、
前記複数の鍵ユニットの各々は、前記位置決め部として、左右方向において異なる位置に設けられた複数の係合部を有し、
前記ベース部は、前記鍵ユニットを配設するための配設領域を左右方向に複数有し、
前記ベース部の前記配設領域の各々の、前記鍵ユニットの前記複数の係合部のうち1つの係合部に対応する部分には、当該1つの係合部と係合して左右方向における当該鍵ユニットの位置を規制する位置決め対応部が設けられると共に、前記1つの係合部以外の他の係合部に対応する部分は、左右方向において前記他の係合部に係合しないように構成され、
少なくとも2つの配設領域同士の間で、左右方向における配設領域内の前記位置決め対応部の位置が異なっていることを特徴とする鍵ユニットの位置決め構造。 - 前記ベース部は奇数の配設領域を有し、左右方向における中央の配設領域には、前記複数の係合部のうち前記鍵ユニットにおける最も中央に近い係合部に対応する部分に前記位置決め対応部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鍵ユニットの位置決め構造。
- 前記ベース部は偶数の配設領域を有し、左右方向における中央で隣接する2つの配設領域のそれぞれには、前記複数の係合部のうち前記鍵ユニットにおける最も中央に近い係合部に対応する部分に前記位置決め対応部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鍵ユニットの位置決め構造。
- 前記ベース部は偶数の配設領域を有し、左右方向における中央で隣接する2つの配設領域のうち左側の配設領域には、前記複数の係合部のうち前記鍵ユニットにおける最も右側の係合部に対応する部分に前記位置決め対応部が設けられると共に、前記2つの配設領域のうち右側の配設領域には、前記複数の係合部のうち前記鍵ユニットにおける最も左側の係合部に対応する部分に前記位置決め対応部が設けられることを特徴とする請求項1記載の鍵ユニットの位置決め構造。
- 前記複数の配設領域のうち最も左側の配設領域には、前記複数の係合部のうち前記鍵ユニットにおける最も左側の係合部に対応する部分に前記位置決め対応部が設けられると共に、前記複数の配設領域のうち最も右側の配設領域には、前記複数の係合部のうち前記鍵ユニットにおける最も右側の係合部に対応する部分に前記位置決め対応部が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍵ユニットの位置決め構造。
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