JP5910082B2 - 多方向スイッチおよび操作入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操作力に応じて二次元的に移動するスライダを備えた多方向スイッチ、およびこれを備える操作入力装置に関する。
この種のスイッチとして、操作力が解除されたときにスライダを初期位置に復帰させるための手段として環状の弾性部材を用いたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−84916号公報 特許第3814279号公報
特許文献1に記載の構成においては、スライダが二次元的な摺動を可能とされている摺動空間の内周壁に沿って、環状弾性部材としてのOリングが配置されている。操作力の向きに摺動されたスライダが進行方向の先にあるOリングを押し潰し、操作力の解除とともにOリングの弾性復元力によってスライダが初期位置に押し戻される構成とされている。スライダの外周部は常時Oリングと接している必要があるため、スライダの可動距離すなわちユーザに許容される操作量(ストローク)は、Oリングの押潰し可能量のみとなる。操作量を大きくするためにOリングの厚みを増すと、弾性変形に大きな力を要することとなり、操作性が悪くなってしまう。
特許文献2に記載の構成においては、スライダの外周面に沿って環状弾性部材としての環状コイルばねが配置されている。操作力の向きに摺動されたスライダが環状コイルばねを進行方向に伸長し、操作力の解除とともに環状コイルばねの弾性復元力によってスライダが初期位置に押し戻される構成とされている。進行方向に伸長された環状コイルばねが摺動空間の内周壁に当接するまでスライダを摺動させることが可能であるが、環状コイルばねの厚み分だけストロークが制限されることになる。
また特許文献2に記載の構成においては、上側筐体と下側筐体により区画形成される摺動空間内にスライダを配置する際に、上側筐体に設けた孔から挿入した治具に環状コイルばねを仮保持させておく必要があり、組立て作業性の向上を妨げている。
よって本発明は、多方向スイッチの操作量(ストローク)すなわちスライダの可動距離を極力大きくすることができるとともに、操作性および組立作業性の向上が可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、多方向スイッチであって、
第1の筐体と、
前記第1の筐体との間に摺動空間を区画形成する第2の筐体と、
少なくとも一部が前記摺動空間内に配置され、操作力に応じて前記摺動空間内を二次元的に摺動可能とされたスライダと、
円形状の外縁部を有する弾性部材とを備え、
前記第1の筐体と前記スライダは、これらの間に点対称形状の収容空間を区画形成しており、
前記弾性部材は前記収容空間内に配置されており、
前記スライダに操作力が加えられない状態において、前記弾性部材の前記外縁部は前記収容空間の内周面に当接し、
前記スライダが前記摺動空間内を摺動することにより、前記収容空間の内周面の一部により前記弾性部材が圧縮される。
このような構成によれば、摺動可能領域に操作量を抑制するものがないため、摺動可能領域の大きさを最大限操作量として活用することができる。すなわち多方向スイッチのストロークを大きくすることができる。一方、操作量を大きくする代わりにスライダの幅寸法を大きくとることが可能となるため、操作時におけるスライダのガタつきを低減することができ、操作性の向上に寄与する。
前記弾性部材の例としては、環状のコイルばねが挙げられる。この場合、圧縮に伴い発生する応力を環状コイルばね全体に分散させることができる。よって最大応力値が低くなり、疲労破壊しにくい構造とすることができる。さらに弾性部材として使用可能な変形量を大きくとることができるため、操作量の延長にも寄与する。
前記環状コイルばねの前記収容空間内に配置されていない状態での中心径が、前記スライダの摺動方向における前記収容空間の幅寸法よりも小さい構成の場合、第1の筐体とスライダによって挟まれる環状コイルばねを、容易に収容空間内に滑り込ませることができる。第1の筐体上に載置した弾性部材にスライダを押し付ける作業のみで環状コイルばねの収容空間への配置が完了するため、作業性を大幅に向上させることができる。この作用は、環状の弾性部材であれば同様にして得られる。
前記弾性部材は、前記収容空間内に配置されていない状態で第1の幅寸法を有し、前記収容空間は、前記スライダの摺動方向について前記第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法を有し、前記収容空間は、前記第1の筐体に形成された第1の凹部と前記スライダに形成された第2の凹部により区画形成され、前記第1の凹部と前記第2の凹部の開口縁を形成する角部はそれぞれ直角である構成としてもよい。
この場合、収容空間に収納されることにより圧縮される弾性部材が、スライダの摺動時において各凹部の開口縁を乗り越えて外に出てしまうことを防止し、スライダに対して安定した弾性復元力を付与することができる。
前記スライダの位置に応じた信号を出力する信号出力部を備えることにより、上記の多方向スイッチを操作入力装置として機能させることができる。
上記の課題を解決するための本発明の第2の態様は、多方向スイッチであって、
点対称形状の開口を有する筐体と、
少なくとも一部が前記筐体内に配置され、操作力に応じて二次元的に摺動可能とされた第1のスライダと、
前記筐体外に配置され、前記第1のスライダとともに前記開口を含む前記筐体の一部を挟持する第2のスライダと、
円形状の外縁部を有する弾性部材とを備え、
前記第1のスライダと前記第2のスライダは、これらの間に点対称形状の収容空間を区画形成しており、
前記弾性部材は前記収容空間内に配置されており、
前記第1のスライダに操作力が加えられない状態において、前記弾性部材の前記外縁部は前記収容空間の内周面および前記開口の内周縁に当接し、
前記第1のスライダが摺動することにより、前記収容空間の内周面の一部および前記開口の内周縁により前記弾性部材が圧縮される。
このような構成によれば、摺動可能領域に操作量を抑制するものがないため、摺動可能領域の大きさを最大限操作量として活用することができる。すなわち多方向スイッチのストロークを大きくすることができる。一方、操作量を大きくする代わりに第1のスライダの幅寸法を大きくとることが可能となるため、操作時における第1のスライダのガタつきを低減することができ、操作性の向上に寄与する。
前記弾性部材の例としては、環状のコイルばねが挙げられる。この場合、圧縮に伴い発生する応力を環状コイルばね全体に分散させることができる。よって最大応力値が低くなり、疲労破壊しにくい構造とすることができる。さらに弾性部材として使用可能な変形量を大きくとることができるため、操作量の延長にも寄与する。
前記環状コイルばねの前記収容空間内に配置されていない状態での中心径が、前記第1のスライダの摺動方向における前記収容空間の幅寸法よりも小さい構成の場合、筐体と第2のスライダによって挟まれる環状コイルばねを容易に収容空間内に滑り込ませることができる。筐体の開口上に載置した環状コイルばねに第2のスライダを押し付ける作業のみで弾性部材の収容空間への配置が完了するため、作業性を大幅に向上させることができる。この作用は、環状の弾性部材であれば同様にして得られる。
前記弾性部材は、前記収容空間内に配置されていない状態で第1の幅寸法を有し、前記収容空間は、前記第1のスライダの摺動方向について前記第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法を有し、前記収容空間は、前記第1のスライダに形成された第1の凹部と前記第2のスライダに形成された第2の凹部により区画形成され、前記第2の凹部の開口縁と前記筐体の開口の縁を形成する角部はそれぞれ直角である構成としてもよい。
この場合、収容空間に収納されることにより圧縮される弾性部材が、第1のスライダの摺動時において各凹部の開口縁を乗り越えて外に出てしまうことを防止し、第1のスライダに対して安定した弾性復元力を付与することができる。
少なくとも前記第1のスライダに操作力が加えられていない状態において、前記筐体の前記開口は前記第2のスライダにより覆われている構成の場合、埃等が開口から内部に進入することを極力防止することができる。
前記第1のスライダの位置に応じた信号を出力する信号出力部を備えることにより、上記の多方向スイッチを操作入力装置として機能させることができる。
本発明によれば、多方向スイッチのストロークを最大限大きくすることができるとともに、操作性および組立作業性の向上が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る多方向スイッチの外観を示す斜視図である。 図1の多方向スイッチの内部構成を示す分解斜視図である。 図1の多方向スイッチにおける環状コイルばねの装着の仕方を説明する縦断面図である。 図1の線IV−IVに沿う縦断面図であり、多方向スイッチの動作を説明するものである。 図1の多方向スイッチの操作性を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る多方向スイッチの外観を示す斜視図である。 図6の多方向スイッチの内部構成を示す分解斜視図である。 図6の多方向スイッチにおける環状コイルばねの装着の仕方を説明する縦断面図である。 図6の線IX−IXに沿う縦断面図であり、多方向スイッチの動作を説明するものである。 図6の多方向スイッチの操作性を説明するための図である。
添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。また以降の説明における「上下」「左右」「前後」に係る表現は、図面を参照する説明において便宜上用いるに過ぎず、製品の使用時における方向を限定する意図ではない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る多方向スイッチ11の外観を示す斜視図である。多方向スイッチ11は、上ケース12と、中ケース13と、下ケース14とが積層されて直方体形状の本体を形成している。
上ケース12の上面12aには円形の開口12bが形成されており、当該開口12bより操作部15が上方に延在している。操作部15は、ユーザによる操作力が直接的あるいは間接的に入力される部分である。
上ケース12の左側面12cには矩形の開口12dが形成されており、当該開口12dよりコネクタ部16が側方に延在している。コネクタ部16には、図示しない外部接続用の端子が設けられている。
次に、図2から図4を参照して多方向スイッチ11の内部構成について説明する。図2に示すように、多方向スイッチ11は、環状コイルばね17、スライダ18、回路基板20、第1スライド端子21、第2スライド端子22、および保持部材23をさらに備えている。
図2および図3の(a)に示すように、下ケース14の上面14aには平面視円形かつ有底の凹部14bが形成されている。
環状コイルばね17は、圧縮コイルばねの両端を連結することにより環状の外観を呈し、円形状の外縁部を有するように形成されている。
スライダ18は、円板状の本体18aを有する。本体18aの上面18bから上述の操作部15が延在している。すなわち操作部15はスライダ18の一部を構成している。上面18bの外周部は上方に突出して上周壁18cを形成している。本体18aの下面18dの外周部は下方に突出して下周壁18eを形成している。下周壁18eにより下面18dの側には平面視円形かつ有底の凹部18fが区画形成されている。
図3の(b)に示すように、本発明の第1の筐体としての下ケース14の上面14a上にスライダ18が載置されることにより、凹部14bおよび凹部18fによって、下ケース14とスライダ18の間に収容空間30が区画形成される。本発明の弾性部材としての環状コイルばね17は、この収容空間30内に配置される。
なお図3の(a)に示すように、環状コイルばね17は、収容空間30に配置されていない状態において外径D1を有している。一方、図3の(b)に示すように、収容空間30は、環状コイルばね17の外径D1よりも小さな外径D2を有している。外径D2は、平面視円形の収容空間30における直径を意味する。換言すると、後述するスライダ18の摺動方向における収容空間30の幅寸法を意味する。
また環状コイルばね17は、収容空間30に配置されていない状態において中心径D3を有している。中心径D3は、環状コイルばね17の中心を通り、ばねが環状に旋回している部分の旋回中心同士を結ぶ線分の長さを意味する。
また本発明の第1の凹部としての凹部14bの開口縁を形成する角部14cは直角とされている。さらに本発明の第2の凹部としての凹部18fの開口縁を形成する角部18gも直角とされている。
環状コイルばね17を収容空間30内に配置するには、まず図3の(a)に示すように、環状コイルばね17を凹部14b上に載置する。この状態の環状コイルばね17の外径D1は、収容空間30の外径D2すなわち凹部14bの外径よりも大きいため、環状コイルばね17は凹部14bの角部14cを覆うように配置される。
次いで環状コイルばね17を上方からスライダ18で押さえつける。この状態の環状コイルばね17の外径D1は、収容空間30の外径D2すなわち凹部18fの外径よりも大きいため、凹部18fの角部18gが環状コイルばね17の上部に当接する。
スライダ18が押し下げられることにより、環状コイルばね17は凹部18fの角部18gおよび凹部14bの角部14cに挟まれつつ内方に圧縮され、凹部14bと凹部18fにより区画形成される収容空間30内に配置される。
環状コイルばね17の中心径D3は、収容空間30の外径D2よりも小さいため、角部14cと角部18cによって挟まれる環状コイルばね17を容易に収容空間30内に滑り込ませることができる。下ケース14の上面14a上に載置した環状コイルばね17にスライダ18を押し付ける作業のみで環状コイルばね17の収容空間30への配置が完了するため、作業性を大幅に向上させることができる。
図2に示すように、中ケース13の上面13aには平面視円形の開口13bが形成されている。図4の(a)に示すように、中ケース13の下端面13cが下ケース14の上面14a上に配置されることによって、本発明の第2の筐体としての中ケース13は、下ケース14との間に摺動空間35を区画形成する。
スライダ18は操作部15の一部を除いて摺動空間35内に配置され、操作部15に加えられる操作力に応じて摺動空間35内を二次元的に摺動可能とされている。操作部15の一部は開口13bを通じて中ケース13の外側に突出する。
図2に示すように、回路基板20には挿通孔20aが形成されている。回路基板20の一部はコネクタ部16とされており、回路基板20の上面20aには、コネクタ部16に設けられた外部接続端子と電気的に接続される回路が実装されている。図4の(a)に示すように、回路基板20は中ケース13の上面13a上に配置される。操作部15の一部は挿通孔20aを通じて回路基板20の上方に突出する。
図2および図4の(a)に示すように、第1スライド端子21は、回路基板20の上方において多方向スイッチ11の左右方向X1に延在するように配置される長尺状の部材である。第1スライド端子21には、その長手方向に延在する挿通溝21aが形成されている。また第1スライド端子21の長手方向における一端部の下面には導電性の接触子21bが設けられている。
図2に示すように、第2スライド端子22は、第1スライド端子21の上方において多方向スイッチ11の前後方向X2に延在するように配置される長尺状の部材である。第2スライド端子22には、その長手方向に延在する挿通溝22aが形成されている。また第2スライド端子22の長手方向における一端部の下面には導電性の接触子22bが設けられている。
保持部材23は、第2スライド端子22の上方において多方向スイッチ11の左右方向X1に延在するように配置される長尺状の部材である。固定部材23には、その長手方向に延在する挿通溝23aが形成されている。保持部材23が上ケース12内に収容された状態(図1参照)において、挿通溝23aの内縁は操作部15の上端に形成された平坦部15aに対向するように配置され、操作部15の軸周りに生ずる動きを規制する。
図4の(a)に示す多方向スイッチ11の組立て状態において、第1スライド端子21は、多方向スイッチ11の前後方向X2に移動可能となるように上ケース12内に支持される。また第2スライド端子22は、多方向スイッチ11の左右方向X1に移動可能となるように上ケース12内に支持される。操作部15は第1スライド端子21の挿通溝21a、第2スライド端子22の挿通溝22a、および保持部材23の挿通溝23aを通じて上方に延在し、上ケース12の開口12bから上方に突出する。
操作部材15が多方向スイッチ11の前後方向X2に操作されることにより、操作部材15は第1スライド端子21に形成された挿通溝21aの内縁に当接し、第1スライド端子21を多方向スイッチ11の前後方向X2に移動させる。第1スライド端子21の接触子21bは、回路基板20の上面20bに形成された図示しない導電パターン上を摺動し、その位置に応じた信号がコネクタ部16から出力される。
操作部材15が多方向スイッチ11の左右方向X1に操作されることにより、操作部材15は第2スライド端子22に形成された挿通溝22aの内縁に当接し、第2スライド端子22を多方向スイッチ11の左右方向X1に移動させる。第2スライド端子22の接触子22bは、回路基板20の上面20bに形成された図示しない導電パターン上を摺動し、その位置に応じた信号がコネクタ部16から出力される。
すなわち回路基板20、第1スライド端子21、および第2スライド端子22は、操作部15に加えられた操作力により摺動空間35内を二次元的に摺動するスライダ18の位置に応じた信号を出力する信号出力部40として機能する。このとき本実施形態に係る多方向スイッチ11は、操作部15に入力された操作に応じた信号を出力する操作入力装置として機能する。
次に図4および図5を参照しつつ、本実施形態に係る多方向スイッチ11の動作について説明する。
図4の(a)に示すように、操作部15すなわちスライダ18に操作力が加えられていない状態においては、圧縮されて収容空間30内に配置されている環状コイルばね17の外縁部は、収容空間30の内周面30aに当接している。
図4の(b)に示すように、操作部15に右向きの操作力が加えられると、スライダ18は摺動空間35内を右方向に摺動する。操作部15は、第2スライド端子22の挿通溝22aに当接して第2スライド端子22を右方向に移動させる。第2スライド端子22に設けられた接触子22bは、回路基板20上に形成された図示しない導電パターン上を摺動し、多方向スイッチ11の左右方向におけるスライダ18の位置に応じた信号がコネクタ部16から出力される。
このとき収容空間30内に配置された環状コイルばね17は、収容空間30の内周面の一部すなわちスライダ18の凹部18fの内周面左側部分18hと、下ケース14の凹部14bの内周面右側部分14dとによって圧縮される。
操作部15に加えた操作力を解除すると、環状コイルばね17は弾性復元力により元の形状に戻ろうとし、凹部18fの内周面左側部分18hを左方向へ押し戻す。この結果、スライダ18は摺動空間35内を左方向に摺動し、図4の(a)に示す初期状態に復帰する。
同様にして操作部15に前向きの操作力が加えられると、スライダ18は摺動空間35内を前方向に摺動する。操作部15は、第1スライド端子21の挿通溝21aに当接して第1スライド端子21を前方向に移動させる。第1スライド端子21に設けられた接触子21bは、回路基板20上に形成された図示しない導電パターン上を摺動し、多方向スイッチ11の前後方向におけるスライダ18の位置に応じた信号がコネクタ部16から出力される。
このとき収容空間30内に配置された環状コイルばね17は、収容空間30の内周面の一部すなわちスライダ18の凹部18fの内周面後側部分と、下ケース14の凹部14bの内周面前側部分とによって圧縮される。
操作部15に加えた操作力を解除すると、環状コイルばね17は弾性復元力により元の形状に戻ろうとし、凹部18fの内周面後側部分を後方向へ押し戻す。この結果、スライダ18は摺動空間35内を後方向に摺動し、図4の(a)に示す初期状態に復帰する。
操作部15に加えた操作力の向きが斜め方向である場合は、スライダ18は摺動空間35内を当該斜め方向に摺動する。操作部15は、当該操作力の前後方向および左右方向の分力に応じた量だけ第1スライド端子21および第2スライド端子22をそれぞれ移動させ、スライダ18の位置に応じた信号がコネクタ部16から出力される。
このとき収容空間30内に配置された環状コイルばね17は、スライダ18の凹部18fの内周面における操作方向後側部分と、下ケース14の凹部14bの内周面における操作方向前側部分とによって圧縮される。
操作部15に加えた操作力を解除すると、環状コイルばね17は弾性復元力により元の形状に戻ろうとし、凹部18fの内周面における操作方向後側部分を操作方向と逆向きに押し戻す。この結果、スライダ18は摺動空間35内を操作方向と逆向きに摺動し、図4の(a)に示す初期状態に復帰する。
本実施形態においては、下ケース14の凹部14bの開口縁を形成する角部14cおよびスライダ18の凹部18fの開口縁を形成する角部18gは直角とされているため、収容空間30に収納されることにより圧縮される環状コイルばね17が、スライダ18の摺動時に各凹部の開口縁を乗り越えて外に出てしまうことが防止され、スライダ18に対して安定した弾性復元力を付与することができる。
本実施形態の構成によれば、弾性部材としての環状コイルばね17がスライダ18の外周面と摺動空間35の内面35aとの間に配置されていないため、スライダ18の外周面と摺動空間35の内面35aが当接するまでスライダ18の可動距離を延ばすことができる。すなわち操作部15の操作量(ストローク)を可能な限り大きくすることができる。上ケース12に形成された開口12bの寸法は、このようにして定まる操作部15のストロークに応じて定めればよい。
また弾性部材として操作部15の操作により全体が圧縮される環状コイルばね17を用いているため、発生する応力を環状コイルばね17全体に分散させることができる。よって最大応力値が低くなり、疲労破壊しにくい構造とすることができる。さらに弾性部材として使用可能な変形量を大きくとることができるため、操作部15のストローク延長にも寄与する。
また弾性部材がスライダの外周面と摺動空間の内面との間に設けられている構成と比較すると、操作量(ストローク)を同一とした場合に、弾性部材の寸法分だけスライダ18の外径を大きくし、スライダ18の外周面と摺動空間35の内面35aの距離を短くすることができる。このことは操作部15の操作性を高めることに寄与する。その理由について以下説明する。
スライダ18を摺動空間35内で円滑に摺動させるため、スライダ18の上周壁18cと中ケース13の下面13d(摺動空間35の天井面)との間には僅かな隙間が設けられている。
図5の(a)はこのような隙間を有する構成においてスライダに操作力を加えた場合に生ずるガタつきを説明するための図である。隙間の寸法をh、スライダが上下の筐体に当接する箇所間の長さ(スライダの保持長)をLとした場合、ガタつき量θはtan−1(h/L)で表すことができる。すなわちLが長いほどガタつき量を小さくすることができる。
本実施形態の構成によれば、ストロークを延ばすことによって、またはスライダ18の外径を大きくすることによって、操作部15の操作時においてスライダ18の外周面を摺動空間35の内面35aに可能な限り接近させることができる。そのため図5の(b)に示すように、スライダ18の上周壁18cおよび下周壁18eが中ケース13および下ケース14に当接する箇所間の長さ、すなわちスライダ18の保持長Lを可能な限り大きくすることができる。
したがって操作部15の操作時におけるスライダ18の摺動空間35内におけるガタつきを可能な限り小さくすることができる。このことは多方向スイッチ11の操作性が向上することを意味する。
図6は本発明の第2の実施形態に係る多方向スイッチ51の外観を示す斜視図である。多方向スイッチ51は、上ケース52と、中ケース53と、下ケース54とが積層されて直方体形状の本体を形成している。
上ケース52の天板52aには上スライダ59が配置されており、上スライダ59の上面59aより操作部55が上方に延在している。操作部55は、ユーザによる操作力が直接的あるいは間接的に入力される部分である。
中ケース53の左側面53cには矩形の開口53dが形成されており、当該開口53dよりコネクタ部56が側方に延在している。コネクタ部56には、図示しない外部接続用の端子が設けられている。
次に、図7から図9を参照して多方向スイッチ51の内部構成について説明する。図7に示すように、多方向スイッチ51は、環状コイルばね57、下スライダ58、回路基板60、第1スライド端子61、第2スライド端子62、および保持部材63をさらに備えている。
図7および図8の(a)に示すように、上スライダ59は、円板状の本体59aを有する。本体59aの下面59eの外周部は下方に突出して周壁59fを形成している。周壁59fにより、下面59eの側には平面視円形かつ有底の凹部59bが区画形成されている。
環状コイルばね57は、圧縮コイルばねの両端を連結することにより環状の外観を呈し、円形状の外縁部を有するように形成されている。
下スライダ58は、円板状の本体58aを有する。本体58aの上面58bから嵌合軸58iが上方に延在している。嵌合軸58iは操作部55に形成された嵌合孔55aに嵌入される。上面58bの外周部は上方に突出して周壁58cを形成している。周壁58cにより上面58bの側には平面視円形かつ有底の凹部58fが区画形成されている。本体58aの下面58dの中央部より操作軸58eが下方に延在している。
図8の(b)に示すように、本発明の第1のスライダとしての下スライダ58と本発明の第2のスライダとしての上スライダ59が、本発明の筐体としての上ケース52における開口52bを含む部分を挟持するように配置されることにより、凹部59bおよび凹部58fによって、上スライダ59と下スライダ58の間に収容空間70が区画形成される。また上ケース52の開口52bの内周縁も収容空間70の一部を構成する。本発明の弾性部材としての環状コイルばね57は、この収容空間70内に配置される。
なお図8の(a)に示すように、環状コイルばね57は、収容空間70に配置されていない状態において外径D4を有している。一方、図8の(b)に示すように、収容空間70は、環状コイルばね57の外径D4よりも小さな外径D5を有している。外径D5は、平面視円形の収容空間70における直径を意味する。換言すると、後述する下スライダ58の摺動方向における収容空間70の幅寸法を意味する。
また環状コイルばね57は、収容空間70に配置されていない状態において中心径D6を有している。中心径D6は、環状コイルばね57の中心を通り、ばねが環状に旋回している部分の旋回中心同士を結ぶ線分の長さを意味する。
また本発明の第1の凹部としての凹部59bの開口縁を形成する角部59gは直角とされている。また上ケース52の開口52bの縁を形成する角部52cも直角とされている。さらに本発明の第2の凹部としての凹部58fの開口縁を形成する角部58gも直角とされている。
環状コイルばね57を収容空間70内に配置するには、まず図8の(a)に示すように、環状コイルばね57を上ケース52の開口52b上に載置する。この状態の環状コイルばね57の外径D4は、収容空間70の外径D5すなわち開口52bの外径よりも大きいため、環状コイルばね57は開口52bの角部52cを覆うように配置される。
次いで環状コイルばね57を上方から上スライダ59で押さえつける。この状態の環状コイルばね57の外径D4は、収容空間70の外径D5すなわち凹部59bの外径よりも大きいため、凹部59bの角部59gが環状コイルばね57の上部に当接する。
上スライダ59が押し下げられることにより、環状コイルばね57は凹部59bの角部59gおよび開口52bの角部52cに挟まれつつ内方に圧縮され、凹部59bと凹部58fにより区画形成される収容空間70内に配置される。
環状コイルばね57の中心径D6は、収容空間70の外径D5よりも小さいため、角部52cと角部59gによって挟まれる環状コイルばね57を容易に収容空間70内に滑り込ませることができる。上ケース52の天板52a上に載置した環状コイルばね57に上スライダ59を押し付ける作業のみで環状コイルばね57の収容空間70への配置が完了するため、作業性を大幅に向上させることができる。
図7に示すように、中ケース53の上面53aには平面視円形の開口53bが形成されている。図9の(a)に示すように、上ケース52の下端面52dが中ケース53の上面53a上に配置されることによって、中ケース53は、上ケース52との間に摺動空間75を区画形成する。
下スライダ58は嵌合軸58iの一部を除いて摺動空間75内に配置され、操作部55に加えられる操作力に応じて摺動空間75内を二次元的に摺動可能とされている。操作軸58eの一部は開口53bを通じて中ケース53の下側に突出する。
図7および図9の(a)に示すように、回路基板60は下ケース54の上面54a上に配置される。回路基板60の一部はコネクタ部56とされており、回路基板60の上面60aには、コネクタ部56に設けられた外部接続端子と電気的に接続される回路が実装されている。
図7および図9の(a)に示すように、第1スライド端子61は、回路基板60の上方において多方向スイッチ51の左右方向X3に延在するように配置される長尺状の部材である。第1スライド端子61には、その長手方向に延在する挿通溝61aが形成されている。また第1スライド端子61の長手方向における一端部の下面には導電性の接触子61bが設けられている。
図7に示すように、第2スライド端子62は、第1スライド端子61の上方において多方向スイッチ51の前後方向X4に延在するように配置される長尺状の部材である。第2スライド端子62には、その長手方向に延在する挿通溝62aが形成されている。また第2スライド端子62の長手方向における一端部の下面には導電性の接触子62bが設けられている。
保持部材63は、第2スライド端子62の上方において多方向スイッチ51の左右方向X3に延在するように配置される長尺状の部材である。固定部材63には、その長手方向に延在する挿通溝63aが形成されている。保持部材23が中ケース53内に収容された状態において、挿通溝63aの内縁は操作軸58eに形成された図示しない平坦部に対向するように配置され、操作軸58eの軸周りに生ずる動きを規制する。
図9の(a)に示す多方向スイッチ51の組立て状態において、第1スライド端子61は、多方向スイッチ51の前後方向X4に移動可能となるように中ケース53内に支持される。また第2スライド端子62は、多方向スイッチ51の左右方向X3に移動可能となるように中ケース53内に支持される。操作軸58eは、第1スライド端子61の挿通溝61a、第2スライド端子62の挿通溝62a、および保持部材63の挿通溝63aを通じて下方に延在し、回路基板60の上面60aに対向する。
操作部材55が多方向スイッチ51の前後方向X4に操作されることにより、操作軸58eは第1スライド端子61に形成された挿通溝61aの内縁に当接し、第1スライド端子61を多方向スイッチ51の前後方向X4に移動させる。第1スライド端子61の接触子61bは、回路基板60の上面60aに形成された図示しない導電パターン上を摺動し、その位置に応じた信号がコネクタ部56から出力される。
操作部材55が多方向スイッチ51の左右方向X3に操作されることにより、操作軸58eは第2スライド端子62に形成された挿通溝62aの内縁に当接し、第2スライド端子62を多方向スイッチ51の左右方向X3に移動させる。第2スライド端子62の接触子62bは、回路基板60の上面60aに形成された図示しない導電パターン上を摺動し、その位置に応じた信号がコネクタ部56から出力される。
すなわち回路基板60、第1スライド端子61、および第2スライド端子62は、操作部55に加えられた操作力により摺動空間75内を二次元的に摺動する下スライダ58の位置に応じた信号を出力する信号出力部80として機能する。このとき本実施形態に係る多方向スイッチ51は、操作部55に入力された操作に応じた信号を出力する操作入力装置として機能する。
次に図9および図10を参照しつつ、本実施形態に係る多方向スイッチ51の動作について説明する。
図9の(a)に示すように、操作部55すなわち下スライダ58に操作力が加えられていない状態においては、圧縮されて収容空間70内に配置されている環状コイルばね57の外縁部は、収容空間70の内周面70aおよび開口52bの内周縁に当接している。
図9の(b)に示すように、操作部55に右向きの操作力が加えられると、下スライダ58は摺動空間75内を右方向に摺動する。操作軸58eは、第2スライド端子62の挿通溝62aに当接して第2スライド端子62を右方向に移動させる。第2スライド端子62に設けられた接触子62bは、回路基板60上に形成された図示しない導電パターン上を摺動し、多方向スイッチ51の左右方向における下スライダ58の位置に応じた信号がコネクタ部56から出力される。
このとき収容空間70内に配置された環状コイルばね57は、収容空間70の内周面の一部すなわち下スライダ58の凹部58fの内周面左側部分58hと、上スライダ59の凹部59bの内周面左側部分59dと、上ケース52の開口52bの内周縁右側部分52eとによって圧縮される。
操作部55に加えた操作力を解除すると、環状コイルばね57は弾性復元力により元の形状に戻ろうとし、凹部58fの内周面左側部分58hおよび凹部59bの内周面左側部分59dを左方向へ押し戻す。この結果、下スライダ58は摺動空間75内を左方向に摺動し、図9の(a)に示す初期状態に復帰する。
同様にして操作部55に前向きの操作力が加えられると、下スライダ58は摺動空間75内を前方向に摺動する。操作軸58eは、第2スライド端子62の挿通溝62aに当接して第2スライド端子62を前方向に移動させる。第2スライド端子62に設けられた接触子62bは、回路基板60上に形成された図示しない導電パターン上を摺動し、多方向スイッチ51の前後方向における下スライダ58の位置に応じた信号がコネクタ部56から出力される。
このとき収容空間70内に配置された環状コイルばね57は、収容空間70の内周面の一部すなわち下スライダ58の凹部58fの内周面後側部分と、上スライダ59の凹部59bの内周面後側部分と、上ケース52の開口52bの内周縁前側部分とによって圧縮される。
操作部55に加えた操作力を解除すると、環状コイルばね57は弾性復元力により元の形状に戻ろうとし、凹部58fの内周面後側部分および凹部59bの内周面後側部分を後方向へ押し戻す。この結果、下スライダ58は摺動空間75内を後方向に摺動し、図9の(a)に示す初期状態に復帰する。
操作部55に加えた操作力の向きが斜め方向である場合は、スライダ58は摺動空間75内を当該斜め方向に摺動する。操作軸58eは、当該操作力の前後方向および左右方向の分力に応じた量だけ第1スライド端子61および第2スライド端子62をそれぞれ移動させ、下スライダ58の位置に応じた信号がコネクタ部56から出力される。
このとき収容空間70内に配置された環状コイルばね57は、下スライダ58の凹部18fの内周面における操作方向後側部分と、上スライダ59の凹部59bの内周面における操作方向後側部分と、上ケース52の開口52bの内周縁における操作方向前側部分とによって圧縮される。
操作部55に加えた操作力を解除すると、環状コイルばね57は弾性復元力により元の形状に戻ろうとし、凹部58fの内周面における操作方向後側部分および凹部59bの内周面における操作方向後側部分を操作方向と逆向きに押し戻す。この結果、下スライダ58は摺動空間75内を操作方向と逆向きに摺動し、図9の(a)に示す初期状態に復帰する。
本実施形態においては、上スライダ59の凹部59bの開口縁を形成する角部59g、上ケース52の開口52bの縁を形成する角部52cおよび下スライダ58の凹部58fの開口縁を形成する角部58gは直角とされている。したがって収容空間70に収納されることにより圧縮される環状コイルばね57が、上スライダ59および下スライダ58の摺動時に各凹部の開口縁を乗り越えて外に出てしまうことが防止され、上スライダ59および下スライダ58に対して安定した弾性復元力を付与することができる。
本実施形態の構成によれば、弾性部材としての環状コイルばね57が下スライダ58の外周面と摺動空間75の内面75aとの間に配置されていないため、下スライダ58の外周面と摺動空間75の内面75aが当接するまで下スライダ58の可動距離を延ばすことができる。すなわち操作部55の操作量(ストローク)を可能な限り大きくすることができる。上ケース52に形成された開口52bの寸法は、このようにして定まる操作部55のストロークに応じて定めればよい。
また弾性部材として操作部55の操作により全体が圧縮される環状コイルばね57を用いているため、発生する応力を環状コイルばね57全体に分散させることができる。よって最大応力値が低くなり、疲労破壊しにくい構造とすることができる。さらに弾性部材として使用可能な変形量を大きくとることができるため、操作部55のストローク延長にも寄与する。
また弾性部材がスライダの外周面と摺動空間の内面との間に設けられている構成と比較すると、操作量(ストローク)を同一とした場合に、弾性部材の寸法分だけ下スライダ58の外径を大きくし、下スライダ58の外周面と摺動空間75の内面75aの距離を短くすることができる。このことは操作部55の操作性を高めることに寄与する。その理由について以下説明する。
下スライダ58を摺動空間75内で円滑に摺動させるため、下スライダ58の下面58dと中ケース53の上面53a(摺動空間75の底面)との間には僅かな隙間が設けられている。
本実施形態の構成によれば、ストロークを延ばすことによって、または下スライダ58の外径を大きくすることによって、操作部55の操作時において下スライダ58の外周面を摺動空間75の内面75aに可能な限り接近させることができる。そのため図10に示すように、下スライダ58の周壁58cおよび下面58dが上ケース52および中ケース53に当接する箇所間の長さ、すなわち下スライダ58の保持長Lを可能な限り大きくすることができる。
したがって、図5の(a)を参照して説明したように、操作部55の操作時における下スライダ58の摺動空間75内におけるガタつきを可能な限り小さくすることができる。このことは多方向スイッチ51の操作性が向上することを意味する。
また本実施形態の構成によれば、少なくとも操作部55すなわち下スライダ58に操作力が加えられていない状態において、上ケース52の開口52bは上スライダ59により覆われている。このため埃等が開口52bから本体内部に進入することを極力防止することができる。また本実施形態の構成によれば、信号出力部80を摺動空間75の下方に配置することができるため、信号出力部80が備える電気回路部品を埃等の侵入からより確実に保護することができる。
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
第1の実施形態に係る多方向スイッチ11において、弾性部材は必ずしも環状コイルばね17であることを要しない。円形状の外縁部を有していれば、ゴムやエラストマ等からなるOリングや円板状部材を採用することができる。第2の実施形態に係る多方向スイッチ51における環状コイルばね57についても同様である。
第1の実施形態に係る多方向スイッチ11において、収容空間30を区画形成する下ケース14の凹部14bとスライダ18の凹部18fは、必ずしも平面視円形状であることを要しない。収容空間30が平面視点対称な形状をしていれば、各凹部を多角形状とすることも可能である。また各凹部内に環状コイルばね17を収容可能な枠体を設け、当該枠体が平面視点対称な形状をしていれば、各凹部自体の形状は任意である。
第2の実施形態に係る多方向スイッチ51において、収容空間70を区画形成する上スライダ59の凹部59b、下スライダ58の凹部58f、および上ケース52の開口52bは、必ずしも平面視円形状であることを要しない。収容空間70が平面視点対称な形状をしていれば、各凹部および開口52bを多角形状とすることも可能である。また各凹部内に環状コイルばね57を収容可能な枠体を設け、当該枠体が平面視点対称な形状をしていれば、各凹部自体の形状は任意である。
第2の実施形態に係る多方向スイッチ51において、収容空間70は必ずしも上スライダ59の凹部59bと下スライダ58の凹部58fによって区画形成されることを要しない。開口52bを含むように上スライダ59と下スライダ58の間に収容空間を区画形成することができれば、いずれか一方が凹部を有する構成を採用することができる。
11:多方向スイッチ、13:中ケース、14:下ケース、14b:凹部、14c:角部、17:環状コイルばね、18:スライダ、18f:凹部、18g:角部、30:収容空間、35:摺動空間、40:信号出力部、51:多方向スイッチ、52:上ケース、52a:天板、52b:開口、52c:角部、53:中ケース、57:環状コイルばね、58:下スライダ、58f:凹部、59:上スライダ、59b:凹部、59c:角部、70:収容空間、75:摺動空間、80:信号出力部、D1:環状コイルばね17の外径、D2:収容空間30の外径、D3:環状コイルばね17の中心径、D4:環状コイルばね57の外径、D5:収容空間70の外径、D6:環状コイルばね57の中心径

Claims (11)

  1. 第1の筐体と、
    前記第1の筐体との間に摺動空間を区画形成する第2の筐体と、
    少なくとも一部が前記摺動空間内に配置され、操作力に応じて前記摺動空間内を二次元的に摺動可能とされたスライダと、
    円形状の外縁部を有する弾性部材とを備え、
    前記第1の筐体と前記スライダは、これらの間に点対称形状の収容空間を区画形成しており、
    前記弾性部材は前記収容空間内に配置されており、
    前記スライダに操作力が加えられない状態において、前記弾性部材の前記外縁部は前記収容空間の内周面に当接し、
    前記スライダが前記摺動空間内を摺動することにより、前記収容空間の内周面の一部により前記弾性部材が圧縮される、多方向スイッチ。
  2. 前記弾性部材は、環状コイルばねである、請求項1に記載の多方向スイッチ。
  3. 前記環状コイルばねの前記収容空間内に配置されていない状態での中心径は、前記スライダの摺動方向における前記収容空間の幅寸法よりも小さい、請求項2に記載の多方向スイッチ。
  4. 前記弾性部材は、前記収容空間内に配置されていない状態で第1の幅寸法を有し、
    前記収容空間は、前記スライダの摺動方向について前記第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法を有し、
    前記収容空間は、前記第1の筐体に形成された第1の凹部と前記スライダに形成された第2の凹部により区画形成され、
    前記第1の凹部と前記第2の凹部の開口縁を形成する角部はそれぞれ直角である、請求項1から3のいずれか一項に記載の多方向スイッチ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の多方向スイッチと、
    前記スライダの位置に応じた信号を出力する信号出力部を備える、操作入力装置。
  6. 点対称形状の開口を有する筐体と、
    少なくとも一部が前記筐体内に配置され、操作力に応じて二次元的に摺動可能とされた第1のスライダと、
    前記筐体外に配置され、前記第1のスライダとともに前記開口を含む前記筐体の一部を挟持する第2のスライダと、
    円形状の外縁部を有する弾性部材とを備え、
    前記第1のスライダと前記第2のスライダは、これらの間に点対称形状の収容空間を区画形成しており、
    前記弾性部材は前記収容空間内に配置されており、
    前記第1のスライダに操作力が加えられない状態において、前記弾性部材の前記外縁部は前記収容空間の内周面および前記開口の内周縁に当接し、
    前記第1のスライダが摺動することにより、前記収容空間の内周面の一部および前記開口の内周縁により前記弾性部材が圧縮される、多方向スイッチ。
  7. 前記弾性部材は、環状コイルばねである、請求項6に記載の多方向スイッチ。
  8. 前記環状コイルばねの前記収容空間内に配置されていない状態での中心径は、前記第1のスライダの摺動方向における前記収容空間の幅寸法よりも小さい、請求項7に記載の多方向スイッチ。
  9. 前記弾性部材は、前記収容空間内に配置されていない状態で第1の幅寸法を有し、
    前記収容空間は、前記第1のスライダの摺動方向について前記第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法を有し、
    前記収容空間は、前記第1のスライダに形成された第1の凹部と前記第2のスライダに形成された第2の凹部により区画形成され、
    前記第2の凹部の開口縁と前記筐体の開口の縁を形成する角部はそれぞれ直角である、請求項6から8のいずれか一項に記載の多方向スイッチ。
  10. 少なくとも前記第1のスライダに操作力が加えられていない状態において、前記筐体の前記開口は前記第2のスライダにより覆われている、請求項6から9のいずれか一項に記載の多方向スイッチ。
  11. 請求項6から10のいずれか一項に記載の多方向スイッチと、
    前記第1のスライダの位置に応じた信号を出力する信号出力部を備える、操作入力装置。
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