JP2016152358A - 光処理装置および光処理方法 - Google Patents

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【課題】基板内での処理むらを抑制する。【解決手段】光処理装置は、光を発する光源部10と、前記光源部10から発せられた光に被処理物体Wが曝される処理部20とを備え、前記処理部20が、前記被処理物体Wが保持されて処理気体の雰囲気中で前記光に曝される処理領域R1と、前記処理気体が前記光に曝されながら通過して前記処理領域へと向かう、前記被処理物体の配置が禁止された準備領域R2であって、前記光源部に対向した底面が、前記被処理物体の前記光源部に対向した表面に較べて該光源部から離れている準備領域R2と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光処理装置および光処理方法に関する。更に詳しくは、本発明は、例えば、半導体や液晶等の製造工程におけるレジストの光アッシング処理、ナノインプリント装置におけるテンプレートのパターン面に付着したレジストの除去処理、液晶用のガラス基板やシリコンウエハなどのドライ洗浄処理、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに好適な光処理装置および光処理方法に関する。
従来、例えば、半導体や液晶等の製造工程におけるレジストの光アッシング処理、ナノインプリント装置におけるテンプレートのパターン面に付着したレジストの除去処理、液晶用のガラス基板やシリコンウエハなどのドライ洗浄処理、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに用いられる光処理装置および光処理方法として、紫外線を用いた光処理装置および光処理方法が知られている。特に、エキシマランプなどから放射される真空紫外線により生成されるオゾンや酸素ラジカル等の活性種を利用した装置や方法は、より効率良く短時間で所定の処理を行うことができることから、好適に利用されている。
例えば特許文献1では、ビアホールのデスミア処理として、基板に紫外線を照射する方法が提案されており、酸素を含む雰囲気下で、ビアホールを形成した基板に紫外線を照射することが提案されている。
国際公開第2014/104154号
本発明者らは、鋭意検討の結果、デスミア処理のための紫外線処理について、(1)酸素やオゾンといったガス、または酸素やオゾン等を含むガスを介して、基板に対して紫外線を照射すること、(2)処理用ガスは、処理室内に封じるよりも、基板上を流れるように移動させることにより、処理効率が高まることを見出している。
しかしながら、本発明者らは、実験の結果、給気口に近い基板の周辺部領域について、スミアが除去される速度(デスミアの処理速度)が、その処理用ガスの流れに対して下流側の内側領域よりも遅いこと、言い換えればスミアの除去処理について基板内にむらが生じることを見出した。
本発明は、基板内での処理むらを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光処理装置の一態様は、光を発する光源部と、前記光源部から発せられた光に被処理物体が曝される処理部とを備え、前記処理部が、前記被処理物体が保持されて処理気体の雰囲気中で前記光に曝される処理領域と、前記処理気体が前記光に曝されながら通過して前記処理領域へと向かう、前記被処理物体の配置が禁止された準備領域であって、前記光源部に対向した底面が、前記被処理物体の前記光源部に対向した表面に較べて該光源部から離れている準備領域と、を備える。
ここで「処理気体」とは、被処理物体を処理する気体であって、光源部からの光に曝されることで処理能力を得る気体である。光と処理気体との好ましい組み合わせとしては、例えば真空紫外光と酸素との組み合わせがある。酸素が真空紫外光に曝されると酸素ラジカル(活性種)やオゾンが発生して被処理物体の表面や付着物を酸化する。
本発明に係る光処理装置によれば、準備領域を通過することで処理能力を得た処理気体が処理領域に達して被処理物体を処理することになるので、給気口に近い基板の周辺部領域と下流側の内側領域とで処理速度などの違いが抑制され、処理むらも抑制されることとなる。また、準備領域の底面が被処理物体の表面に較べて光源部から離れているため、準備領域の広さを抑えることができ、装置の小型化などに寄与する。
また、前記光処理装置において、前記準備領域は、前記処理領域よりも流路断面積が大きいことが好ましい。これにより、処理ガスの流れに沿う方向で準備領域の長さを短縮することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光処理方法は、準備領域を通過中の処理気体に、光源から発せられた光を照射する準備工程と、前記準備領域に続く、該準備領域よりも流路断面積が小さい処理領域で該準備領域よりも速い流速の前記処理気体の雰囲気中に配置された被処理物体に、前記光源から発せられた光を照射する処理工程と、を経る。
このような光処理方法によれば、基板内での処理むらが抑制されるとともに、準備領域の広さを抑えることができる。
本発明の光処理装置および光処理方法によれば、基板内での処理むらが抑制される。
本実施形態の光処理装置を示す概略構成図である。 基板の概略的構造を示す断面構造図である。 デスミア処理における作用の第1段階を示す図である デスミア処理における作用の第2段階を示す図である。 デスミア処理における作用の第3段階を示す図である。 デスミア処理における作用の最終段階を示す図である。 準備領域における作用を示す図である。 紫外線の照射と活性種の濃度との関係を表したグラフである。 第2実施形態の光処理装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の光処理装置を示す概略構成図である。本実施形態では光処理装置の一例として例えばデスミア処理装置への応用例が示されている。
(光処理装置の構成)
光処理装置100は、基板Wを内部に保持して処理する処理部20と、例えば真空紫外線を発する複数の紫外線光源11を内部に収納し、処理部20の基板Wにその紫外線光源11からの光を照射する光照射部10とを備える。光照射部10が、本発明にいう光源部の一例に相当し、処理部20が、本発明にいう処理部の一例に相当する。反射鏡13の全幅にほぼ対応した有効照射領域R0全体に対してほぼ均等に紫外線光源11の光が照射される。なお、図示の便宜上、基板Wの厚さは実際よりもかなり大きめに示されている。
光照射部10は箱型形状のケーシング14を備え、このケーシング14の下方側に位置する面には、例えば真空紫外線を透過する例えば石英ガラス等の窓部材12が気密に設けられている。光照射部10の内部には供給口15から例えば窒素ガス等の不活性ガスが供給されて不活性ガス雰囲気に保たれている。光照射部10内の紫外線光源11の上方には反射鏡13が設けられていて、紫外線光源11から発せられた光を窓部材12側に反射する。この窓部材12が、本発明にいう窓板の一例に相当する。
紫外線光源11は、例えば真空紫外光(波長200nm以下の紫外線)を出射するものであって、種々の公知のランプを利用できる。例えば、キセノンガスを封入したキセノンエキシマランプ(波長172nm)、低圧水銀ランプ(波長185nm)などがあり、なかでも、デスミア処理に用いるものとしては、例えばキセノンエキシマランプが好適である。
処理部20には、紫外線照射処理(デスミア処理)を行う基板Wを表面に吸着して保持するステージ21が光照射部10の窓部材12に対向して設けられている。ステージ21の外周部分には外周溝21aが設けられていて、この外周溝21aと光照射部10の窓部材12との間にOリング22が挟まれることで光照射部10と処理部20とが気密に組み付けられている。ステージ21には図示が省略された熱抵抗ヒータが組み込まれており、デスミア処理の際にはステージ21上の基板Wごと加熱される。
ステージ21の一方(図1の右側)の側縁部には、処理用ガス供給用の給気口21bが設けられ、他方(図1の左側)の側縁部には排気口21cが設けられている。給気口21bと排気口21cは、図1では1つずつ図示されているが、ステージ21には給気口21bと排気口21cが複数ずつ設けられている。複数の給気口21bは図1の紙面に垂直な方向に並んでおり、複数の排気口21cも図1の紙面に垂直な方向に並んでいる。各給気口11には処理用ガス供給手段(不図示)が接続されて処理用ガスが供給される。また、各排気口12には排気手段(不図示)が接続される。
ここで、処理用ガスとしては、例えば、酸素ガス、酸素とオゾンや水蒸気の混合ガス、これらのガスに不活性ガスなどを混合したガスなどが考えられるが、本実施形態では酸素ガスが用いられるものとする。処理用ガスは、基板Wに光照射部10からの紫外線が照射されている間、給気口21bから供給され排気口21cから排出される。給気口21bから排気口21cへと向かう処理用ガスは窓部材12と基板Wとの間を図1の右から左へと流れていくこととなる。
ステージ21には、処理用ガスの流れにおける上流側(図1の右側)の領域R2に段差21dが設けられていて、ステージ21上のこの領域R2には基板Wの載置が禁止されている。ステージ21には、排気口21cの側に突起21eが設けられていて、基板Wは、この突起21eに突き当てられるようにステージ21上に載置される。
以下の説明では、ステージ21上の領域のうち、基板Wが載置されて処理される領域R1を処理領域R1と称し、基板Wの載置が禁止されている領域R2を準備領域R2と称する場合がある。このような処理領域R1が、本発明にいう処理領域の一例に相当し、このような準備領域R2が、本発明にいう準備領域の一例に相当する。
段差21dの上面は準備領域R2の底面を成しており、この底面は、光照射部10に対向した基板W表面に較べて光照射部10から離れた位置に存在する。つまり、処理領域R1と準備領域R2とでは準備領域R2の方が図の上下方向(処理用ガスの流れに交わる方向)に広いということになる。このため、準備領域R2における処理用ガスの流速は、処理領域R1における処理用ガスの流速よりも遅い。
(基板構造)
光処理装置100による処理対象である基板Wとしては各種の構造の基板Wが用いられるが、ここでは単純化された構造例について説明する。
図2は、基板Wの概略的構造を示す断面構造図である。
基板Wは、例えば、半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための多層配線基板を製造する途中の中間的な配線基板材料である。
多層配線基板においては、一の配線層と他の配線層とを電気的に接続するため、1つのもしくは複数の絶縁層を厚み方向に貫通して伸びるビアホールが形成される。多層配線基板の製造工程においては、絶縁層31と配線層32とが積層されてなる配線基板材料に、例えばレーザ加工を施すことによって絶縁層31の一部を除去することにより、ビアホール33が形成される。
しかし、形成されたビアホール33の底部や側部の表面には、絶縁層31を構成する材料に起因するスミア(残渣)Sが付着する。このスミアSが付着したままの状態でビアホール33内にメッキ処理を施すと、配線層間の接続不良を引き起こすことがある。このため、ビアホール33が形成された配線基板材料(基板W)に対して、ビアホール33に付着したスミアSを除去するデスミア処理が行われる。
基板Wが図1に示すステージ21上に載置される際には、ビアホール33の開口が光照射部10に向くように、即ちスミアSが紫外線光源11からの紫外線に曝されるように載置される。
(デスミア処理の手順)
次に、図1に戻り、光処理装置100で実行されるデスミア処理の手順について説明する。
先ず、処理部20の外から処理対象の基板Wが処理部20の中へと搬送されて来て、ステージ21上に載せられる。基板Wは真空吸着などでステージ21に保持される。その後、処理用ガス供給手段により給気口21bから処理用ガスが処理部20に供給される。
処理用ガスの供給と同時に、紫外線光源11が点灯し、照射部10から紫外線が処理部20に向けて照射され、基板Wに対し処理用ガスを介して紫外線が照射される。
紫外線が照射された処理用ガスは、例えばオゾンや酸素ラジカルなどの活性種を生成し、後で詳しく説明するように、ビアホール内のスミアと反応してこれを除去する。処理用ガスとスミアとが反応して生じた例えば二酸化炭素等のガスは、新しく供給される処理用ガスの流れに乗って下流に運ばれ、排気口21cから引き込まれて排気手段により排出される。
処理が終わった基板Wは、ステージ21上から取り除かれて処理部20の外に搬出される。
(デスミア処理の作用)
ここで、デスミア処理における詳細な作用について説明する。
図3〜図6は、デスミア処理における作用の各段階を示す図である。
図3に示す第1段階では、給気口から供給された処理用ガスに、図の上方から下方を向いた矢印で示されるように紫外線が照射されることにより、処理用ガスに含まれる酸素から活性種34であるオゾンや酸素ラジカル(ここでは酸素ラジカルのみを図示)が生成される。この活性種34は、基板Wのビアホール33内に進入する。
図4に示す第2段階では、活性種34がビアホール33内のスミアSと反応してスミアSの一部が分解されるとともに、紫外線がスミアSに照射されることでもスミアSの一部が分解される。このようなスミアSの分解によって、例えば二酸化炭素ガスや水蒸気などの反応生成ガス35が生成される。
そして、図5に示す第3段階で反応生成ガス35は、給気口側(図の右側)から流れてくる、活性種34を含んだ新しい処理用ガスにより、ビアホール33から排気口側(図の左側)へと押し流される。反応生成ガス35の排出に伴って、活性種34を含んだ新しい処理用ガスがビアホール33内に進入する。
紫外線の照射、活性種34の進入、および反応生成ガス35の排出が繰り返された結果、図6に示す最終段階では、ビアホール33内からスミアが完全に除去される。ビアホール33外に押し流された反応生成ガス35は、基板W上の処理用ガスの流れに乗って、図1に示す排気口21cから排出される。
図3〜図6に示す光処理の工程が、本発明にいう処理工程の一例に相当する。
このように、デスミア処理では、紫外線の照射によって例えば酸素ラジカルやオゾンなどの活性種が生成されてビアホール33内に進入するとともに紫外線そのものがビアホール33内に照射されることが処理効率向上の為に重要である。このため、図1に示す窓部材12と基板Wとの間の距離は、例えば1.0mm以下とされることが好ましく、特に0.5mm以下とされることが好ましく、更に好ましくは0.3mm程度である。これにより、酸素ラジカルやオゾンを安定して生成することができると共に基板Wの表面に到達する真空紫外線を十分な大きさの強度(光量)とすることができる。
(準備領域での作用)
ところで、従来の光処理装置においては、光照射部10から照射する紫外線を効率よく利用することが重視されるため、一般には、処理に有効な放射強度の紫外線が照射される領域は、基板Wの全体は覆うが、それ以上に広い領域を照射するようには設定されていない。
そのため、従来の装置においては、給気口に近い周辺部領域では、紫外線によって充分な濃度の活性種が生成される前に新しい処理用ガスにより下流側へと押し流されてしまうと考えられる。そのため、周辺部領域ではビアホールに到達する活性種の濃度が低く、処理用ガスの下流側に位置する内側領域よりもデスミアの処理速度が遅くなり、その結果として基板内での処理むらが生じると考えられる。
これに対し、図1に示す光処理装置100では、ステージ21に段差21dが設けられている準備領域R2では基板Wの載置が禁止されているが、この準備領域R2にも処理領域R1と同様に光が照射される。
図7は、準備領域における作用を示す図である。
ステージ21に段差21dが設けられている準備領域R2では、例えば酸素ガスである処理用ガス36に対して光照射部からの紫外線が照射され、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種34が生成される。
準備領域R2には基板Wがない(即ちスミアがない)ので、生成された活性種34は、新しく供給される処理用ガス36に押されて下流に流されながら、濃度が徐々に高まり安定化する。即ち、準備領域R2は、処理用ガス36に紫外線を照射して活性種34の濃度を安定化させる役割を果たす領域である。また、準備領域R2は処理領域R1に較べて底が深いので、準備領域R2を通過する処理用ガスの流速は遅く、処理用ガスが短い距離で光照射部10からの光に充分に曝されることとなる。
一方で、準備領域R2の底が深すぎると、準備領域R2の底面付近で紫外線の到達量が不足して活性種34の濃度が上がらない虞がある。本発明者らは、種々の実験や計算を行い、準備領域R2の上下幅(即ち図1に示す窓部材12から段差21dまでの距離)を10mm以下、望ましくは5mm以下、特に望ましくは0.4mmから3.0mm程度とするべきという結論を得た。
準備領域R2で活性種34の濃度が高まって安定化した処理用ガスは、活性を維持したまま基板W上に達してビアホール内に進入し、スミアと反応して除去する。基板Wに達した段階で処理用ガスの活性種34の濃度は高く安定しているので、基板Wの各箇所における処理速度は処理用ガスの流れの上流から下流までのいずれの箇所でも速く、基板W内での処理むらは抑制される。
図7に示す準備領域における工程が、本発明にいう準備工程の一例に相当する。
なお、図7においては、一例として、酸素に紫外線が照射されて活性種である酸素ラジカルが発生する様子が模式的に示されている。しかし、活性種としてはオゾンも発生するし、処理用ガスにオゾンが含まれている場合は、紫外線照射によりオゾンからも酸素ラジカルが発生する。また、処理用ガスに水蒸気や過酸化水素が含まれている場合は、紫外線照射により活性種である水酸基ラジカルが発生する。
このような各種の処理用ガスおよび活性種のいずれについても、図7で説明した準備領域R2での作用は同様に生じ、基板W内での処理むらは抑制される。
次に、処理用ガスの流れに沿った方向における準備領域の長さについて検討する。
図8は、紫外線の照射と活性種の濃度との関係を表したグラフである。
図8のグラフの横軸は、紫外線の照射時間を示しており、グラフの縦軸は、活性種であるオゾンの濃度を示している。また、図8に示す例では、処理用ガスとして酸素が用いられ、紫外線として波長172nmの真空紫外線が250mW/cmの強度で用いられ、ステージが150°Cに加熱されている。
活性種(オゾン)は、照射時間がゼロ秒から増えるのに従って濃度が増加していくが、濃度の増加に伴って、活性種同士の反応などによる消滅量も増加する。その結果、例えば濃度3%程度で濃度が安定する。図8のグラフでは、0.5秒程度の照射時間で活性種の濃度が安定しているが、発明者らが鋭意検討した結果、活性種のこのような濃度安定は、例えば紫外線の強度や処理用ガスの温度などで多少の変化を生じるものの、概ね0.5秒の紫外線照射で実現し、長くても1.0秒程度であることがわかった。
また、酸素ラジカルの場合にも同様に濃度安定を生じることがわかった。
従って、準備領域の長さは、処理用ガスの流速に応じて、0.5秒以上1.0秒以下の通過時間を要する長さに設定されることになる。具体的には、処理用ガスの処理領域R1における流速は、処理で発生した排ガスを処理領域R1から効率的に排出するため、ある程度の高さに保つ必要があり、例えば50〜500mm/s程度の流速が採用される。そして、上述したように、処理領域における窓部材12と基板Wとの間の距離は1.0mm〜0.3mmが好ましく、準備領域における窓部材12から段差21dまでの距離は3.0mm〜0.4mmが望ましいことを考慮すると、準備領域の長さは典型的な条件では200mm以下の短距離で充分であることがわかった。
即ち、処理領域においては窓部材12と基板Wとの間の距離を狭くすることで、基板Wの上では速やかなガス交換(排ガスの除去と新しい活性種の供給)が図れる早い流速を維持できる。一方、準備領域においては、窓部材12から段差21dまでの距離を、窓部材12と基板Wとの間の距離よりも長くすることで、準備領域を長く(装置を大型化する)ことなく、処理用ガス36に対して長い時間の光照射ができ十分な活性種を発生させられる、ゆっくりとした流速を達成することができる。
次に、第2実施形態について説明する。
図9は、第2実施形態の光処理装置を示す概略構成図である。
この第2実施形態の光処理装置200は、準備領域におけるステージ21の構造が異なる点を除いて、図1に示す実施形態と同様の実施形態であるので、以下では重複説明を省略する。なお、この図9でも、図示の便宜上、基板Wの厚さは実際よりもかなり大きめに示されている。
多層配線基板としては2mmを超すような厚い基板も存在し、第2実施形態ではそのように厚い基板Wの処理を想定している。
第2実施形態では、処理領域R1におけるステージ21の表面21fが、準備領域R2におけるステージ21の表面21gよりも低い位置(即ち図の下方の位置)に存在し、その低い表面21f上に基板Wが載置され、高い方の表面21gには基板Wの載置が禁止されている。このように第2実施形態では、準備領域R2におけるステージ21の表面21gは高いが、処理領域R1と準備領域R2とで上下方向の幅を較べると、第1実施形態と同様に、処理領域R1よりも準備領域R2の方が広くなっている。このため、第2実施形態でも、図7で説明したように準備領域R2で活性種の濃度が高まって安定化するので基板W内での処理むらが抑制されるとともに、準備領域R2の長さは充分に短い。
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
(実験例)
図1に示す構成を参照して、下記の仕様を有する本発明に係る光処理装置を作製した。
[ステージ21]
寸法:755×650mm、厚さ20mm
材質:アルミニウム
準備領域の上下幅:1.0mm
準備領域の長さ:40mm
加熱温度:150°C
[紫外線光源11]
キセノンエキシマランプ
発光長:700mm
幅:70mm
入力電力:500W
ランプの数:7本
真空紫外線の照射時間:300秒間
[窓部材12]
寸法:755×650mm、厚さ5mm
材質:石英ガラス
窓部材と基板との距離:0.3mm
[基板W]
構成:銅基板上に絶縁層を積層し、絶縁層にビアホールを形成したもの
寸法:500mm×500mm×0.5mm
絶縁層の厚さ:30μm
ビアホールの直径:50μm
[処理用ガスなどの条件]
処理用ガス:酸素濃度100%
処理用ガス流量:1.0L/min
このような仕様の光処理装置では、準備領域を処理用ガスが通過するために約1.2秒を要し、基板W内での処理むらは生じなかった。
なお、上記説明では、本発明の光処理装置の一例としてデスミア処理装置への応用例が示されているが、本発明の光処理装置は、例えば光アッシング処理装置やレジストの除去処理装置やドライ洗浄処理装置などに応用されてもよい。
100…光処理装置、W…基板、10…光照射部、20…処理部、11…紫外線光源、12…窓部材、21…ステージ、R1…処理領域、R2…準備領域

Claims (3)

  1. 光を発する光源部と、
    前記光源部から発せられた光に被処理物体が曝される処理部とを備え、
    前記処理部が、
    前記被処理物体が保持されて処理気体の雰囲気中で前記光に曝される処理領域と、
    前記処理気体が前記光に曝されながら通過して前記処理領域へと向かう、前記被処理物体の配置が禁止された準備領域であって、前記光源部に対向した底面が、前記被処理物体の前記光源部に対向した表面に較べて該光源部から離れている準備領域と、
    を備えたことを特徴とする光処理装置。
  2. 前記準備領域は、前記処理領域よりも流路断面積が大きいことを特徴とする請求項1記載の光処理装置。
  3. 準備領域を通過中の処理気体に、光源から発せられた光を照射する準備工程と、
    前記準備領域に続く、該準備領域よりも流路断面積が小さい処理領域で該準備領域よりも速い流速の前記処理気体の雰囲気中に配置された被処理物体に、前記光源から発せられた光を照射する処理工程と、
    を経ることを特徴とする光処理方法。
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WO2014104154A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 ウシオ電機株式会社 デスミア処理方法およびデスミア処理装置

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