JP2016189394A - デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法 - Google Patents

デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016189394A
JP2016189394A JP2015068794A JP2015068794A JP2016189394A JP 2016189394 A JP2016189394 A JP 2016189394A JP 2015068794 A JP2015068794 A JP 2015068794A JP 2015068794 A JP2015068794 A JP 2015068794A JP 2016189394 A JP2016189394 A JP 2016189394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission window
light transmission
workpiece
processed
desmear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015068794A
Other languages
English (en)
Inventor
智行 羽生
Satoyuki Haniyu
智行 羽生
真毅 三浦
Masatake Miura
真毅 三浦
村上 哲也
Tetsuya Murakami
哲也 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK, Ushio Inc filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2015068794A priority Critical patent/JP2016189394A/ja
Publication of JP2016189394A publication Critical patent/JP2016189394A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

【課題】乾式のデスミア処理を高い効率で実行することができるデスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法を提供する。【解決手段】本発明のデスミア用エキシマ光照射装置は、被処理物に真空紫外線を照射する紫外線出射ランプと、前記被処理物を支持する支持機構と、前記被処理物と前記紫外線出射ランプとの間に配置された、前記紫外線出射ランプからの真空紫外線を透過する光透過窓と、前記被処理物と前記光透過窓との間に酸素を含む処理用ガスを供給する処理用ガス供給機構とを備えたデスミア用エキシマ光照射装置であって、前記光透過窓を冷却する冷却機構と、前記被処理物を加熱する加熱機構とを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板材料のデスミア処理に用いられるデスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法に関する。
例えば半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための配線基板としては、絶縁層と導電層(配線層)とが交互に積層されてなる多層配線基板が知られている。このような多層配線基板においては、一の導電層と他の導電層とを電気的に接続するため、1つの若しくは複数の絶縁層を厚み方向に貫通して伸びるビアホールやスルーホールが形成されている。
この多層配線基板の製造工程においては、絶縁層にビアホール用またはスルーホール用の貫通孔が形成される。そして、絶縁層に貫通孔を形成する際には、絶縁層を構成する材料に起因するスミアが、例えば絶縁層における貫通孔の内壁面や、貫通孔の底部すなわち導電層における貫通孔によって露出した部分などに残留している。このため、配線基板材料に対してスミアを除去するデスミア処理が行われる。
配線基板材料のデスミア処理方法としては、真空紫外線を利用した乾式のデスミア処理方法が知られている。この乾式のデスミア処理方法においては、酸素(O2 )を含む雰囲気下に、被処理物である配線基板材料に対して真空紫外線を照射する。これにより、下記反応式(1)に示すように、配線基板材料の周囲に存在する酸素(O2 )が真空紫外線を受けることによって反応し、その結果、オゾン(O3 )が生成される。
反応式(1):3O2 +UV→2O3
このようにして生成したオゾン(O3 )は、下記反応式(2)に示すように分解することによって、活性種(酸素ラジカル)が生成される。
反応式(2):O3 →O2 +O( 1D)
そして、下記反応式(3)に示すように、被処理物に残留するスミアを構成する有機物が、活性種と反応することによって、炭酸ガス(CO2 )や水(H2 O)などに変化する。
反応式(3):Cm 2nk +jO( 1D)→mCO2 +nH2
このような反応が繰り返し生じることにより、配線基板材料に残留したスミアが除去される。
以上において、スミアを構成する有機物の反応に寄与しない活性種(酸素ラジカル)は、下記反応式(4)に示すように反応することにより、酸素(O2 )に変化する。
反応式(4):O( 1D)+O( 1D)→O2
このような乾式のデスミア処理方法に用いられる光照射装置としては、被処理物に真空紫外線を出射する紫外線出射ランプと、被処理物と紫外線出射ランプとの間に配置された、紫外線出射ランプからの真空紫外線を透過する光透過窓と、被処理物を加熱する加熱手段とを備えてなるものが提案されている(特許文献1参照。)。
このような光照射装置においては、被処理物の温度が上昇することに伴って、被処理物の周囲の温度も上昇する。このため、オゾン(O3 )の分解反応(上記反応式(2)による反応)が促進され、その結果、活性種(酸素ラジカル)が効率よく生成される。
特開2014−209548号公報
しかしながら、上記の光照射装置においては、以下のような問題があることが判明した。
光透過窓を透過した真空紫外線は被処理物に到達するまでの間に酸素(O2 )に吸収されることにより、被処理物の近傍における真空紫外線の強度は、光透過窓の近傍における真空紫外線の強度より低い。このため、被処理物の近傍においては、オゾン(O3 )の生成反応(上記反応式(1)による反応)は光透過窓の近傍よりも相対的に生じにくい。従って、被処理物の近傍におけるオゾン(O3 )の濃度は、光透過窓の近傍に比較して低い。
また、被処理物を加熱すると、その熱が被処理物と光透過窓との間のガスや光透過窓に伝達され、これにより、被処理物と光透過窓との間のガス全体の温度や光透過窓の温度が上昇する。このため、オゾン(O3 )の分解反応(上記反応式(2)による反応)、すなわち活性種(酸素ラジカル)の生成反応は、被処理物の近傍のみならず、光透過窓の近傍においても促進される。
一方、活性種(酸素ラジカル)の寿命、すなわち上記反応式(2)により活性種(酸素ラジカル)が生成してから上記反応式(4)により酸素(O2 )が生成するまでの時間は、マイクロ秒オーダーという極めて短い時間である。このため、光透過窓の近傍において生成した活性種(酸素ラジカル)の大部分は、被処理物に到達するまでの間に酸素(O2 )に変化してしまう。
以上のように、従来の光照射装置では、オゾン(O3 )が生成しやすい光透過窓の近傍において生成した活性種(酸素ラジカル)は、スミアの分解に十分に利用されない。従って、残留するスミアを除去するために相当に長い時間を要し、デスミア処理を高い効率で実行することが困難であった。
そこで、本発明の目的は、乾式のデスミア処理を高い効率で実行することができるデスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法を提供することにある。
本発明のデスミア用エキシマ光照射装置は、被処理物に真空紫外線を照射する紫外線出射ランプと、
前記被処理物を支持する支持機構と、
前記被処理物と前記紫外線出射ランプとの間に配置された、前記紫外線出射ランプからの真空紫外線を透過する光透過窓と、
前記被処理物と前記光透過窓との間に酸素を含む処理用ガスを供給する処理用ガス供給機構と
を備えたデスミア用エキシマ光照射装置であって、
前記光透過窓を冷却する冷却機構と、
前記被処理物を加熱する加熱機構と
を有することを特徴とする。
本発明のデスミア処理方法は、被処理物に対して、酸素を含む処理用ガスの存在下に、真空紫外線を透過する光透過窓を介して真空紫外線を照射する紫外線照射工程を有するデスミア処理方法であって、
前記紫外線照射工程において、前記光透過窓を冷却すると共に前記被処理物を加熱しながら、当該被処理物に真空紫外線を照射することを特徴とする。
本発明のデスミア処理方法においては、前記被処理物の温度をT1とし、前記光透過窓の温度をT2としたとき、下記式(1)〜式(3)を満たす条件で、前記紫外線照射工程を実行することが好ましい。
式(1):50℃≦T1≦250℃
式(2):0℃≦T2≦240℃
式(3):10℃≦T1−T2≦80℃
本発明においては、光透過窓が冷却されることにより、当該光透過窓の近傍におけるオゾンの分解反応が抑制される。そして、オゾンの寿命は活性種(酸素ラジカル)に比較して相当に長いため、当該オゾンは光透過窓の近傍から被処理物の近傍に到達する。一方、被処理物が加熱されることにより、当該被処理物の近傍におけるオゾンの分解反応、すなわち活性種(酸素ラジカル)の生成反応が促進される。
従って、本発明によれば、オゾンの分解反応によって生成した活性種(酸素ラジカル)が、スミアの分解に効率よく利用されるので、被処理物に対して乾式のデスミア処理を高い効率で実行することができる。
本発明のデスミア用エキシマ光照射装置の一例における構成を示す説明用断面図である。 光透過窓を冷却する冷却機構の一例における構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のデスミア用エキシマ光照射装置の一例における構成を示す説明用断面図である。このデスミア用エキシマ光照射装置(以下、単に「光照射装置」ともいう。)は、被処理物Wが配置される処理室S1を形成する処理室形成部材10と、この処理室形成部材10の上方に設けられた光源ユニット20とを有する。ここで、被処理物Wは、多層配線基板などの配線基板の製造工程において中間体として作製される、ビアホール用またはスルーホール用の貫通孔が形成された配線基板材料である。
処理室形成部材10は矩形の筒状の筐体15を有する。この筐体15内には、被処理物Wを支持する、矩形の板状の支持機構11が設けられている。この支持機構11の表面には、その周縁部に沿って矩形の枠状のスペーサ部材16が配置されている。図示の例では、筐体15の上端部15aが、スペーサ部材16の上面を覆うよう内方に突出した状態で形成されている。処理室形成部材10における筐体15の上端部15a上には、シール部材17を介して、光源ユニット20が配置されている。これにより、支持機構11と光源ユニット20との間に、被処理物Wが配置される処理室S1が形成されている。
光源ユニット20は、下面に開口部を有する略直方体の箱型のケーシング21を備えている。ケーシング21の内部には、ランプ収容室S2が形成されている。ランプ収容室S2には、棒状の複数の紫外線出射ランプ25が、同一水平面内において互いに平行に並ぶよう配置されている。また、ランプ収容室S2における紫外線出射ランプ25の上方には、反射ミラー26が設けられている。
紫外線出射ランプ25としては、例えば波長200nm以下の真空紫外線を放射するエキシマランプが用いられる。このような紫外線出射ランプ25としては、中心波長が172nmの真空紫外線を放射するキセノンエキシマランプ、発光管内にキセノンガスが封入されると共に、発光管の内面に例えば190nmの真空紫外線を出射する蛍光体が塗布されてなる蛍光エキシマランプなどを例示することができる。これらの中では、キセノンエキシマランプが好ましい。
被処理物Wと紫外線出射ランプ25との間には、紫外線出射ランプ25からの真空紫外線を透過する光透過窓30が配置されている。具体的には、光透過窓30は、ケーシング21の開口部に気密に設けられている。
光透過窓30を構成する材料としては、紫外線出射ランプ25から放射される真空紫外線について透過性を有し、かつ、真空紫外線および生成される活性種に対する耐性を有するものであればよい。このような材料としては、例えば合成石英ガラスを用いることができる。
光源ユニット20には、図2に示すように、光透過窓30を冷却する冷却機構31が設けられている。この冷却機構31は、例えば窒素ガスなどの不活性ガスによる冷却風によって光透過窓30を冷却するものである。また、この例の冷却機構31は、紫外線出射ランプ25から出射された真空紫外線が光透過窓30に到達するまでに減衰するのを防止するために、不活性ガスによってケーシング21のランプ収容室S2内をパージするガスパージ手段としての機能を併有する。
具体的に説明すると、冷却機構31は、ケーシング21の上面に配置された本体部32と、この本体部32内に不活性ガスを導入するガス導入管33と、本体部32からケーシング21のランプ収容室S2内に不活性ガスを供給する複数のガス供給管34とを備えてなる。ガス供給管34の各々は、その先端のガス供給口34aから供給された不活性ガスが、隣接する紫外線出射ランプ25の間の空間を介して、光透過窓30の内面に直接吹き付けられるよう配置されている。
また、冷却機構31には、不活性ガスを冷却するガス冷却手段(図示省略)が設けられていてもよい。
このような冷却機構31が設けられることにより、光透過窓30を冷却することができ、光透過窓30の表面近傍において生成したオゾン(O3 )の分解反応が抑制される。
支持機構11には、それぞれ支持機構11の厚み方向に貫通するガス供給用孔12およびガス排出用孔13が形成されている。ガス供給用孔12およびガス排出用孔13の各々における開口形状は、紫外線出射ランプ25のランプ軸方向に沿って延びる帯状とされている。そして、ガス供給用孔12およびガス排出用孔13は、紫外線出射ランプ25の配列方向に互いに離間した位置に形成されている。ここに、被処理物Wは、支持機構11の表面上において、紫外線出射ランプ25の配列方向における、ガス供給用孔12とガス排出用孔13との間の位置に配置される。
ガス排出用孔13の総開口面積は、ガス供給用孔12の総開口面積よりも大きいことが好ましい。総開口面積がガス供給用孔12より大きいガス排出用孔13を形成することにより、処理室S1内において、ガスが停滞することがなく、ガス供給用孔12からガス排出用孔13に向かう一方向に一様な流れで流通される。従って、処理室S1内においてガスの流れを安定に維持することができる。
ガス供給用孔12には、ガス管45を介して、処理室S1に処理用ガスを供給する処理用ガス供給手段40が接続されている。この処理用ガス供給手段40は、処理用ガスが貯蔵された処理用ガス供給源41と、ガス管45に設けられたバルブ43を調節することによって、処理用ガス供給源41からの処理用ガスの供給量を制御する制御部42とにより構成されている。
処理用ガス供給手段40から供給される処理用ガスとしては、活性種源として酸素(O2 )を含むものが用いられる。また、処理用ガス中には、活性種源として酸素(O2 )の他にオゾン(O3 )が含まれていてもよい。
処理用ガス中の活性種源の濃度は、50体積%以上であることが好ましく、より好ましくは70体積%以上、更に好ましくは90体積%以上である。このような処理用ガスを用いれば、当該処理用ガスが真空紫外線を受けることにより、十分な量の活性種が生成するため、所期のデスミア処理を確実に行うことができる。
また、活性種源として酸素(O2 )およびオゾン(O3 )を含む処理用ガスを用いる場合には、当該処理用ガス中のオゾン(O3 )の濃度は、0.1〜12体積%であることが好ましく、より好ましくは1〜12体積%である。
支持機構11には、当該支持機構11を介して被処理物Wを加熱する加熱機構50が設けられている。このような加熱機構50が設けられることにより、被処理物Wの被処理面の温度が上昇することに伴って、当該被処理物Wの被処理面の近傍において、オゾン(O3 )の分解反応が促進されて効率よく活性種(酸素ラジカル)が発生する。
本発明のデスミア処理方法においては、上記の光照射装置を用い、以下のようにして被処理物Wのデスミア処理が実行される。
先ず、処理室形成部材10から光源ユニット20が取り外された状態で、支持機構11の表面上におけるガス供給用孔12とガス排出用孔13との間の位置に、被処理物Wが載置される。次いで、処理室形成部材10上に、光源ユニット20がシール部材17を介して配置される。これにより、光源ユニット20における光透過窓30は、被処理物Wと紫外線出射ランプ25との間において、被処理物Wの被処理面に間隙を介して対向するよう配置される。また、冷却機構31が作動することによって光透過窓30が冷却され、加熱機構50が作動することによって、被処理物Wが加熱される。
そして、処理用ガス供給手段40によって、処理用ガスがガス供給用孔12を介して処理室S1に供給される。処理室S1内に供給された処理用ガスは、ガス排出用孔13を介して当該処理室S1から排出される。これにより、処理室S1内においては、ガス供給用孔12からの処理用ガスが、光透過窓30と被処理物Wとの間隙をガス排出用孔13に向かって流通する。このとき、光透過窓30と被処理物Wとの間隙を流通する処理用ガスの供給量が、制御部42によって制御される。
このような状態で、被処理物Wに対する紫外線照射工程が実行される。具体的に説明すると、光源ユニット20における紫外線出射ランプ25が点灯される。そして、紫外線出射ランプ25からの真空紫外線は、光透過窓30を介して、被処理物Wに照射されると共に、光透過窓30と被処理物Wと間隙を流通する処理用ガスに照射される。これにより、処理用ガスに含まれる酸素(O2 )の光化学反応が生じ、その結果、酸素(O2 )からオゾン(O3 )が生成する。更に、オゾン(O3 )が分解することにより、活性種(酸素ラジカル)が生成する。そして、生成した活性種が、被処理物Wに残留するスミアに接触することにより、スミアを構成する有機物が分解して当該スミアが除去される。
以上において、光透過窓30と被処理物Wとの間の距離は、例えば1mm以下であり、好ましくは0.1〜0.7mmである。
処理用ガスの供給量は、例えば6×10-5〜6×10-1L/minであり、好ましくは6×10-5〜2×10-1L/minである。
照射される真空紫外線の照度は、光透過窓30における被処理物Wに対向する表面上において、例えば100〜500mW/cm2 である。
真空紫外線の照射時間は、例えば30〜600秒間であり、好ましくは60〜300秒間である。
また、被処理物Wに対する紫外線照射工程は、被処理物Wの温度をT1とし、光透過窓30の温度をT2としたとき、下記式(1)〜式(3)を満たす条件で実行されることが好ましい。
式(1):50℃≦T1≦250℃
式(2):0℃≦T2≦240℃
式(3):10℃≦T1−T2≦80℃
このような条件を満足することにより、一層高い効率で被処理物Wのデスミア処理を確実に実行することができる。
被処理物Wの温度(T1)は50〜250℃の範囲とされるが、より好ましい範囲は80〜150℃である。特に被処理物Wを構成する配線基板材料の材質が、例えばエポキシ樹脂等の熱変質しやすい材料である場合には、被処理物Wの温度(T1)は150℃以下であることが好ましい。
光透過窓30の温度(T2)は0〜240℃の範囲とされるが、より好ましい範囲は50〜120℃である。
被処理物Wの温度と光透過窓30の温度との差(T1−T2)は10〜80℃とされるが、より好ましい範囲は30〜60℃である。
被処理物Wの温度(T1)が50℃未満である場合には、オゾン(O3 )の熱分解が、十分に進まず、活性種(酸素ラジカル)の生成が不十分となる虞がある。一方、被処理物Wの温度(T1)が250℃を超える場合には、オゾン(O3 )の熱分解が十分に行われ、活性種(酸素ラジカル)の生成には十分である。しかし、処理室S1内の処理用ガスの温度も上昇することにより、被処理物Wにオゾン(O3 )が十分に近づく前にオゾン(O3 )が熱分解してしまい、被照射物W近傍において活性種(酸素ラジカル)の生成が十分に行われない虞がある。
光透過窓30の温度(T2)が0℃未満である場合には、光透過窓30付近のオゾン濃度が高くなり過ぎる。オゾン(O3 )は濃度が高くなると、発熱を伴う急激な分解が行われる。この急激な分解は、時には爆発にも似た現象を伴い、危険であり、温度制御によるオゾン(O3 )の熱分解の抑制が困難となる虞れがある。一方、光透過窓30の温度(T2)が240℃を超える場合には、光透過窓30近傍における熱分解も非常に活発に行われるようになるため、もはや被照射物W近傍へ十分にオゾンを供給することが困難となる虞がある。
被処理物Wの温度と光透過窓30の温度との差(T1−T2)が10℃未満である場合には、本発明の効果が十分に得られない虞れがあり、スミアが十分に除去されるまでに要する時間が、温度に差がない(T1=T2)場合と同程度となることがある。一方、被処理物Wの温度と光透過窓30の温度との差(T1−T2)が80℃であれば、被処理物W近傍へオゾンを十分に供給することができ、それ以上の温度差を設ける必要はない。
本発明においては、冷却機構31によって光透過窓30が冷却されることにより、当該光透過窓30の近傍においてオゾン(O3 )の分解反応が抑制される。そして、オゾン(O3 )の寿命は活性種(酸素ラジカル)に比較して相当に長いため、当該オゾン(O3 )は光透過窓30の近傍から被処理物Wの近傍に到達する。一方、被処理物Wが加熱されることにより、当該被処理物Wの近傍においてオゾン(O3 )の分解反応、すなわち活性種(酸素ラジカル)の生成反応が促進される。
従って、本発明によれは、オゾン(O3 )の分解反応によって生成した活性種(酸素ラジカル)が、スミアの分解に効率よく利用されるので、乾式のデスミア処理を高い効率で実行することができる。
図1に示す構成に従って光照射装置を作製した。この光照射装置の具体的な仕様は以下の通りである。
[支持機構]
寸法:900mm×600mm×300mm
材質:アルミニウム
ガス供給用孔の開口寸法:600mm×10mm
ガス排出用孔の開口寸法:600mm×10mm
ガス供給用孔とガス排出用孔との距離:800mm
[紫外線出射ランプ]
種類:キセノンエキシマランプ
発光長:640mm
直径:40mm
紫外線出射ランプの数:5本
定格入力電力:500W
[光透過窓]
寸法:1000mm×700mm×5mm
材質:合成石英ガラス
[処理室]
寸法:600mm×500mm×0.5mm
[処理用ガス]
酸素ガス(濃度100%)
上記の光照射装置を用い、下記の被処理物のデスミア処理を下記の条件で行い、処理後の被処理物を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
[被処理物]
構成:銅箔上にビアホールを有する絶縁層が積層された配線基板材料
平面の寸法:500mm×340mm
銅箔の厚み:500μm
絶縁層の厚み:30μm
ビアホールの直径:50μm
[デスミア処理の条件]
光透過窓と被処理物との間の距離:0.3mm
被処理物の温度(T1):表1の通り
光透過窓の温度(T2):表1の通り
処理用ガスの供給量:0.1L/min
真空紫外線の照度:300mW/cm2
そして、上記のデスミア処理の操作を、真空紫外線の照射時間を変更して行い、真空紫外線の照射を開始してから被処理物に付着したスミアが十分に除去されるまでの時間(以下、「デスミア完了時間」という。)を測定した。ここで、スミアが十分に除去されているか否かは、ビアホールの底部をSEM観察したときに、該底部に像として確認し得るスミアが残留しているか否かをもって判断した。結果を表1に示す。
Figure 2016189394
表1において、「T1−T2」の値が0℃である例は、光透過窓の冷却を行わなかった例である。
表1の結果から明らかなように、光透過窓を冷却すると共に被処理物を加熱することにより、光透過窓を冷却しない場合に比較してデスミア完了時間が短く、従って、被処理物のデスミア処理が高い効率で実行されることが確認された。
10 処理室形成部材
11 支持機構
12 ガス供給用孔
13 ガス排出用孔
15 筐体
15a 上端部
16 スペーサ部材
17 シール部材
20 光源ユニット
21 ケーシング
25 紫外線出射ランプ
26 反射ミラー
30 光透過窓
31 冷却機構
32 本体部
33 ガス導入管
34 ガス供給管
34a ガス供給口
40 処理用ガス供給手段
41 処理用ガス供給源
42 制御部
43 バルブ
45 ガス管
50 加熱機構
S1 処理室
S2 ランプ収容室
W 被処理物

Claims (3)

  1. 被処理物に真空紫外線を照射する紫外線出射ランプと、
    前記被処理物を支持する支持機構と、
    前記被処理物と前記紫外線出射ランプとの間に配置された、前記紫外線出射ランプからの真空紫外線を透過する光透過窓と、
    前記被処理物と前記光透過窓との間に酸素を含む処理用ガスを供給する処理用ガス供給機構と
    を備えたデスミア用エキシマ光照射装置であって、
    前記光透過窓を冷却する冷却機構と、
    前記被処理物を加熱する加熱機構と
    を有することを特徴とするデスミア用エキシマ光照射装置。
  2. 被処理物に対して、酸素を含む処理用ガスの存在下に、真空紫外線を透過する光透過窓を介して真空紫外線を照射する紫外線照射工程を有するデスミア処理方法であって、
    前記紫外線照射工程において、前記光透過窓を冷却すると共に前記被処理物を加熱しながら、当該被処理物に真空紫外線を照射することを特徴とするデスミア処理方法。
  3. 前記被処理物の温度をT1とし、前記光透過窓の温度をT2としたとき、下記式(1)〜式(3)を満たす条件で、前記紫外線照射工程を実行することを特徴とする請求項2に記載のデスミア処理方法。
    式(1):50℃≦T1≦250℃
    式(2):0℃≦T2≦240℃
    式(3):10℃≦T1−T2≦80℃
JP2015068794A 2015-03-30 2015-03-30 デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法 Pending JP2016189394A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015068794A JP2016189394A (ja) 2015-03-30 2015-03-30 デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015068794A JP2016189394A (ja) 2015-03-30 2015-03-30 デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016189394A true JP2016189394A (ja) 2016-11-04

Family

ID=57239923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015068794A Pending JP2016189394A (ja) 2015-03-30 2015-03-30 デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016189394A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4257904A1 (de) * 2022-04-08 2023-10-11 Heraeus Noblelight GmbH Gekühltes infrarot- oder uv-modul

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4257904A1 (de) * 2022-04-08 2023-10-11 Heraeus Noblelight GmbH Gekühltes infrarot- oder uv-modul

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101689987B1 (ko) 광조사 장치
US20150075748A1 (en) Substrate Temperature Regulating Device and Substrate Processing Apparatus Using the Same
JP5765504B1 (ja) 光照射装置
JP5895929B2 (ja) 光照射装置
KR102036236B1 (ko) 광처리 장치 및 광처리 방법
JP5987815B2 (ja) アッシング方法およびアッシング装置
WO2015190263A1 (ja) デスミア処理装置およびデスミア処理方法
JP2016189394A (ja) デスミア用エキシマ光照射装置およびデスミア処理方法
TWI409848B (zh) Ultraviolet radiation device
JP2016165014A (ja) デスミア処理装置およびデスミア処理方法
JP6183202B2 (ja) アッシング装置およびアッシング方法
JP2015085267A (ja) デスミア処理装置
JP6102842B2 (ja) デスミア処理方法およびデスミア処理装置
JP2012176339A (ja) 光処理装置
JP2015103545A (ja) 光源装置およびデスミア処理装置
JP2017017070A (ja) 光処理装置および光処理方法
JP2016219656A (ja) 光処理装置および光処理方法
JP6459578B2 (ja) 光処理装置および光処理方法
JP2007129268A (ja) プラズマ処理装置
JP6507701B2 (ja) 光処理装置および光処理方法
WO2016125433A1 (ja) 光処理装置および光処理方法
TW201639057A (zh) 光照射裝置
JP2013140912A (ja) エキシマ照射装置
JP2008084568A (ja) 紫外線照射装置
JP2018020272A (ja) 超純水製造装置および超純水製造方法