JP2013140912A - エキシマ照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空紫外領域の幅広い波長範囲で使用可能で、かつ、放電容器が大型化しても高価な材料の使用を抑制して材料コストを低減可能なエキシマ照射装置を提供する。
【解決手段】エキシマ照射装置1は、放電容器2、複数の光照射窓9、窓側電極層3、背面側電極層4、電源装置5、および放電用ガス供給装置8を備えている。放電容器2は放電用ガスの流入口211および流出口212を備え、下面に複数の開口2Bを有する。複数の光照射窓9は、エキシマ光を透過させる材料で開口2Bと同程度若しくはそれ以上の面積を有する平板状に形成され、複数の開口2Bの各々を覆うように配置される。窓側電極層3は、複数の光照射窓9の各々の外側面に配置され、エキシマ光を透過させる。背面側電極層4は、放電容器2における複数の開口2Bに対向する背面の外側面に配置される。電源装置5は、窓側電極層3と背面側電極層4との間に高周波電圧を印加する。放電用ガス供給装置8は、流入口211から放電用ガスを供給する。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体製造におけるドライ洗浄、表面活性化処理又はソフトアッシング等に用いられ、高周波放電によってエキシマ光を照射するエキシマ照射装置に関する。
半導体製造技術の分野におけるドライ洗浄、表面活性化処理およびソフトアッシング、並びに環境技術の分野におけるオゾンの生成、水や大気の汚染浄化および超純水製造等に利用される紫外線光源として、エキシマランプを備えたエキシマ照射装置が用いられている。エキシマランプは、光化学反応により、単波長の紫外線(エキシマ光)を照射する。
エキシマランプは、放電用ガスの種類に応じて126nm、146nm、172nm、193nm、222nmまたは308nmなどに中心波長を持つ紫外線(以下、「エキシマ光」という。)を処理すべき被照射体に照射する。紫外線のうち10〜200nmの領域は真空紫外線と呼ばれる。
従来のエキシマランプとして、平板状の被処理物を効率よく処理するのに適した形状として、薄箱形状を採用することが提案されている(特許文献1または2参照。)。薄箱形状のエキシマランプは、薄箱形状の放電容器を備える。放電容器の厚さ方向に直交する、対向する2平面の一方が窓面、他方が背面に設定される。窓面の外側面に窓側電極層、背面の外側面に背面側電極層が形成される。窓側電極層は、エキシマ光の出射面である窓面を遮光しないように、網状など開口を有する平面形状で形成される。
特開2010−118370号公報 特開2011−3463号公報
放電容器はエキシマ光を透過できる材料で形成され、その材料としては安価で入手が容易であり、加工性に富むことから、石英が多用される。放電容器の材料に石英を用いることは特許文献1にも記載されている。しかし、石英は、材料特性として、図5に示すように、160nm付近に透過限界があり、それより短い波長の真空紫外線を透過できない。このため、真空紫外領域の広い波長範囲で使用出来ないという課題があった。例えば、126nmに中心波長を有するエキシマランプを実現するためには、放電容器内部で生じた126nmエキシマ光を透過する材料で放電容器を形成する必要がある。
ここで、石英の透過限界より短い波長の光を透過する材料として、例えば、フッ化マグネシウムが挙げられるが、このような材料は石英と比較すると一般に相当高価である。また、これらの材料は切削加工等に適さず、加工性が悪い。したがって、放電容器の大型化には適さない材料である。
しかし、ウェハの表面を一括処理するなど、処理面積を増大することが要請としてあり、この要請に対応するには、放電容器の大型化が避けられない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、真空紫外領域の幅広い波長範囲で使用可能で、かつ、放電容器が大型化しても高価な材料の使用を抑制して材料コストを低減可能なエキシマ照射装置を提供することを目的とする。
この発明のエキシマ照射装置は、放電容器、複数の光照射窓、窓側電極層、背面側電極層、電源手段、および放電用ガス供給手段を備えている。放電容器は放電用ガスの流入口および流出口を備え、厚さ方向に直交する対向する互いに平行な2平面のうち一方側に複数の開口を有する。複数の光照射窓は、エキシマ光を透過させる材料で前記開口と同程度若しくはそれ以上の面積を有する平板状に形成され、前記複数の開口の各々を覆うように配置される。窓側電極層は、前記複数の光照射窓の各々の外側面に配置され、エキシマ光を透過させる。背面側電極層は、前記放電容器における前記複数の開口に対向する背面の外側面に配置される。電源手段は、前記窓側電極層と前記背面側電極層との間に高周波電圧を印加する。放電用ガス供給手段は、前記流入口から放電用ガスを供給する。
これにより、放電容器内は、流入口および流出口を介して外部に開放され、必要とされるエキシマ光の波長に応じた放電用ガスを選択的に放電容器内に供給できる。したがって、広い範囲の各波長のエキシマ光について透過性の高い素材で光照射窓を構成し、発生するエキシマ光の波長が異なる複数種類の放電用ガスの何れかを選択的に放電容器内に供給することで、複数種類の波長のエキシマ光が選択的に照射される。
エキシマ光の発生効率を向上させるために放電容器に次のような工夫が凝らされる。前記放電容器内に、前記開口を有する放電空間が複数区画される。そして、前記流入口は前記複数の放電空間のうちの1つに接続され、前記流出口は前記複数の放電空間のうちの他の1つに接続される。さらに、前記流入口に接続された前記放電空間から前記流出口に接続された前記放電空間へと至るように、前記複数の放電空間を連結する放電用ガスの流動路が前記放電容器に形成される。前記流動路は、放電容器をトンネル状に加工するのが難しいため、流動路に沿って溝を形成しておき、該溝の開放部を別部材で閉蓋する構造により容易に形成出来る。
この構成において、光照射窓の素材としては、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウムなどのフッ化物を用いることが好ましい。フッ化物は、切削加工等には適さないが小型円形状に成形することが容易で、紫外線域内の比較的広い帯域にわたって高い光透過性を有し、126nmのエキシマ光も透過させるので、多数種類の放電用ガスに適用できる。
また、放電容器の背面が遮光性を有するか、又は背面側電極が遮光性を有することが好ましい。放電容器の背面から外部にエキシマ光が放出されることを防止し、光照射窓を経由して被照射体に効率的にエキシマ光を照射するとことができる。
窓側電極層は、光照射窓の外側面に貼付され、エキシマ光を透過させる例えば網状電極である。背面側電極層は、放電容器における開口に対向する背面の外側面に配置される。電源手段は、窓側電極層と背面側電極層との間に高周波電圧を印加する。放電用ガス供給手段は、放電容器の流入口から放電容器内に放電用ガスを供給する。
この構成では、放電用ガス供給手段によって放電容器の複数の放電空間内に放電用ガスを供給しつつ、電源手段から窓側電極層と背面側電極層との間に高周波電圧を印加すると、放電容器内の放電用ガスがその種類に応じた波長のエキシマ光を発生する。放電空間内で発生したエキシマ光は、放電容器における下方の窓面側に配置された小型円形状の光照射窓を被照射体に向かって全面にわたって均一に透過し、窓の外側に配置された窓側電極層を透過して被照射体に照射される。
放電容器における窓面以外の面のエキシマ光を検出するセンサと、センサの検出信号に応じてエキシマ光の照射状態を検出する制御部と、を備えることが好ましい。放電容器内におけるエキシマ光の発生状態を容易に確認することができる。この場合に、制御部は、センサの検出信号に応じて電源手段の出力を制御するようにしてもよい。
この発明によれば、光照射窓は放電容器に形成された複数の開口を覆うものであり、実質的にこの光照射窓を透過して放電空間で生じたエキシマ光が被照射体に出射される。放電容器と光照射窓は別の部材であり、材料を切り分けることが可能である。個々の光照射窓は小型に出来、複数の光照射窓の総面積も放電容器の面積に比べて小さくなる。これにより、放電容器には廉価な材料、光照射窓にエキシマ光の透過性の良い高価な材料を用いることで、真空紫外領域の幅広い波長範囲で使用可能で、かつ、放電容器が大型化しても高価な材料の使用を抑制して材料コストを低減可能となる。
本発明の実施形態に係るエキシマ照射装置の断面図である。 同エキシマ照射装置の要部の拡大断面図である。 同エキシマ照射装置に用いられる放電容器を下から見た平面図である。 別の実施形態に係るエキシマ照射装置の要部の拡大断面図である。 石英とフッ化マグネシウムの材料特性として、光の波長と透過率の関係を示した図である。
図1は、本発明の実施形態に係るエキシマ照射装置の断面図である。図2は、同エキシマ照射装置の要部の拡大断面図である。エキシマ照射装置1は、下方の図示しないチャンバ内を水平方向に搬送される被照射体に対して、紫外線であるエキシマ光を照射する。このため、エキシマ照射装置1は、放電容器2、窓側電極層3、背面側電極層4、電源装置5、押さえ窓6、放電用ガス供給装置8、光照射窓9、フレーム20、カバー30、センサ40、制御部50、表示器60を備えている。
放電容器2は、背面側面に流入口211、側面側に流出口212が形成されている。このため、放電容器2は、加工性を考慮して例えば、厚さが1〜8mm程度の石英又は合成石英等の誘電体を素材としている。流入口211には、放電用ガス供給装置8が接続されている。流出口212には、圧力調整装置(不図示。)が備えられている。圧力調整装置は、流出口212の開口状態を変化させて、放電容器2内をエキシマ光の照射に適した圧力(例えば、通常1〜110KPa程度)に調整する。放電容器2の流入口211および流出口212の配置位置および配置数は、放電用ガスの流通状態に応じて決定される。
図1に示すように、放電容器2は、全体として扁平な板形状を呈し、その上面と下面が厚さ方向に対向する2平面を構成する。図3は、放電容器2を下から見た平面図を示している。放電容器2は、一例として円形の平面形状を呈する。放電容器2には、複数の放電空間2Aが区画されている。各放電空間2Aは、一例として、放電容器2の下面に開放された小型円形の穴として形成される。複数の放電空間2Aは放電容器2の面方向に均等に分散配置されている。放電空間2Aは放電容器2の下面に開放されているため、放電容器2を下面には放電空間2Aの平面形状をそのまま象った小型円形の開口2Bが形成されることになる。つまり、本実施の形態では、複数の開口2Bは、複数の放電空間2Aの各々に対応して形成される。
なお、本実施の形態のように放電空間2Aと開口2Bが一対一で対応していることは必須ではなく、例えば、図4に別の実施形態を示すように、放電空間2Aを面方向に広がりを持つ一つの空間として形成しておき、この放電空間2Aに連通するように、上記と同形状の複数の開口2Bを下面に形成することも可能である。要は、複数の開口2Bが放電容器2の下面に形成される構造であればよい。
流入口211は複数の放電空間2Aのうちの1つに接続され、流出口212は複数の放電空間2Aのうちの他の1つに接続される。さらに、流入口211に接続された放電空間2Aから流出口212に接続された放電空間2Aへと至るように、複数の放電空間2Aを連結する放電用ガスの流動路213が、放電容器2に形成される。流動路213は、放電容器をトンネル状に加工するのが難しいため、流動路213に沿って溝を形成しておき、該溝の開放部を光照射窓9およびフレーム20で閉蓋する構造により容易に形成出来る。
光照射窓9は、エキシマ光を透過させる材料で構成された小型円形状を呈し、放電容器の溝に対応してフレーム20上に置かれる。光照射窓9は、小型円形状を呈するために素材として加工性を考慮する必要があり、エキシマ光の透過性のみだけでなく加工性を考慮して、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等のフッ化物を素材としている。これらフッ化物は、切削加工等には適さないが径が10〜100mm程度の小型円形状に形成することが容易で、紫外線域内の比較的広い帯域に渡って高い光透過性を有する。
放電容器2は、放電容器2の流入口211および流出口212を介して外部に開放している。このため、放電容器2と光照射窓9との接合部分に気密性は要求されない。放電容器2は、全体の大きさが例えば、縦および横が3〜50cm、高さが0.5〜2cm程度に形成することができる。
窓側電極層3は、光照射窓9の外側面に貼付される。窓側電極層3は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、酸化銅、又はそれらの合金を素材として網目状に形成されている。窓側電極層3は、網目状に限るものではないが、光照射窓9の全面にわたって均一に開口部を備える必要がある。光照射窓9を透過したエキシマ光は、窓側電極層3の開口部を透過して被照射体に向かう。
背面側電極層4は、放電容器2の背面の外側面に貼付される。背面側電極層4は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、酸化銅、又は
それらの合金を素材として構成された網電極42とその上側に配置されるアルミニウム薄板の板電極43とからなる。板電極43は、放電容器2の背面(上面)側を遮光する遮光部材も兼ねており、放電容器2内で発生したエキシマ光を放電容器2の前面(下面)側に向けて反射する。背面側電極層4は、エキシマ光が放電容器2内の各放電空間2Aで均一に放電して光照射窓9での照射分布が均一になるように、複数の放電空間2Aに対応して均等に配置される。
背面側電極層4の上面は、押さえ板41で被覆されている。押さえ板41は、放電容器2をフレーム20に向けて押し付けて固定する。押え板41は一例として円板状を呈し、その下面に放電容器2の同程度の内径を有する円筒形の位置決め壁411が突出している。位置決め壁411は、その内面に放電容器2の側面が当接されることで、放電容器2の面方向の位置決めを行い、位置ズレも防止している。
図1に示すように、背面側電極層4および押え板41には、貫通孔4A,4B,41A,41Bが形成されている。放電容器2の流入口211、貫通孔4Aおよび貫通孔41Aは平面位置が一致している。押さえ板41は、石英又は合成石英を素材とした板状を呈している。放電容器2内で発生したエキシマ光の一部は、貫通孔4Bを通過して押さえ板41に導かれる。センサ40は、貫通孔4Bから漏出したエキシマ光を検出する。
なお、背面電極層4を網電極42のみで構成した場合には、押さえ板41を遮光性材料で構成し、この発明の遮光部材とすることもできる。この場合には、押さえ板41の貫通孔4Bに対向する位置に貫通孔を形成する。
背面側電極層4を板状とすることで、別体の押さえ板41を設けることなく、背面側に向かうエキシマ光が押さえ板41の外部に漏出することを防止できる。この場合には、背面側電極層4が、遮光部材に相当する。また、放電容器2の背面が遮光性を有する場合には、必ずしも背面側電極層4を板状とする必要もない。
図1に示す電源装置5は、窓側電極層3と背面側電極層4との間に高周波電圧を印加する。窓側電極層3と背面側電極層4との間への高周波電圧の印加により、放電容器2の各放電空間2A内で放電用ガスがエキシマ光を発生する。
フレーム20は板状を呈し、放電容器2の複数の開口2Bに対応して複数の開口部20Aが貫通して設けられている。開口部20Aは一例として小型円形を呈する。開口部20Aの周面はフレーム20の厚さ方向の略半分の位置に段を有する。段面にはパッキン61が装着されている。パッキン61は一例としてOリングが用いられる。
押さえ窓6は、フレーム20の各開口部20Aに上方から嵌入させ、パッキン61を介して装着されている。押さえ窓6は、上面の窓側電極層3に密着させて配置されている。押さえ窓6は、例えば、光透過性に優れたフッ化マグネシウム又はフッ化カルシウム等を素材として、小型円形状に形成されている。本実施形態では、押さえ窓6として、光照射窓9と同一部品を用いている。
押さえ窓6は必須ではなく、例えば、窓側電極層3を光照射窓9の外側面に蒸着によって形成した場合は、押さえ窓6を省略することが可能である。
フレーム20の上面には、複数の開口部20Aを取り囲む外縁部に複数の支柱62が取り付けられている。支柱62には、上面から内部に向かってネジ穴が形成されている。このネジ穴には、押さえ板41を上下に貫通した固定ネジ64が螺合する。固定ネジ64のネジ部の上部には、スプリング63が外嵌している。スプリング63は、固定ネジ64の頭部と押さえ板41との間で圧着されることにより、押さえ板41を下方に押圧する。スプリング63の押圧力により、フレーム20に、押さえ窓6、窓側電極層3、光照射窓9、放電容器2、背面側電極層4および押さえ板41が下からこの順に積層して固定して配置される。
押さえ窓6のさらに外側(図では下側)にフィルタを設けても良い。このフィルタは、光透過性に優れたフッ化マグネシウム又はフッ化カルシウム等を素材として、薄板状に形成されている。フィルタは、例えば、固定ネジを介して、全面を押さえ窓6の底面に密着させて着脱自在に配置されている。被照射体の表面において発生した塵埃は、フィルタに付着し、光照射窓に付着することがない。フィルタのみを交換又は清掃することで塵埃の付着によるエキシマ光の照射効率を回復することができ、エキシマ照射装置1のランニングコストを低減できる。
なお、エキシマ照射装置1とその下方に配置されるチャンバとの間が、真空状態又は不活性ガスで置換された状態のように無酸素状態に維持される環境では、チャンバの上面にフィルタを装着することが出来る。チャンバの上面にフィルタを装着すると、フィルタをチャンバの上面に固定部材を介して固定する必要がなく、エキシマ照射装置1をチャンバの上方から排除するだけでフィルタの交換が出来るため、フィルタの着脱作業を簡略化できる。
放電用ガス供給装置8は、この発明の放電用ガス供給手段であり、放電容器2に形成されている流入口211を介して放電空間2A内に放電用ガスを供給する。放電用ガス供給装置8はガス供給ラインの末端にガス導入管81を備える。ガス導入管81の先端部は貫通孔41A、貫通孔4Aおよび流入口211に挿入される。放電用ガスは流動路213を通って複数の放電空間2Aに行き渡り、流出口212から排出される。このようにして放電空間2A内に継続して放電用ガスを供給することが出来る。
放電用ガスは、被処理物に対する処理に必要とされるエキシマ光の波長に応じて、選択的に変更される。例えば、希ガスに属するガスが使用され、その中でもエキシマ光のエネルギーの高い、Ar(126nm)、Kr(146nm)、Xe(172nm)などが好適である。希ガスにハロゲン化合物を混ぜた混合ガスを用いても良い。
なお、流入口211を放電用ガス供給装置8に接続し、放電用ガス供給装置8が放電容器2内をエキシマ光の発生に適した圧力とするように、放電用ガスの供給量を変化させることで、圧力調整装置を省略できる。
光照射窓9は、小型円形状を呈するために素材として加工性を考慮する必要があり、エキシマ光の透過性と加工性を考慮して素材を選択しなくてはならない。放電容器2は流入口211および流出口212を介して外部に開放しており、必要とされるエキシマ光の波長に応じた放電用ガスを選択的に放電容器2に供給できる。
したがって、光照射窓9の素材として、広い範囲の波長域にわたってエキシマ光の透過性が高い素材を選択することで、発生するエキシマ光の波長が異なる複数種類の放電用ガスの何れかを選択的に放電容器2内に供給して複数種類の波長のエキシマ光を選択的に照射することができる。
押さえ板41、放電容器2、窓側電極層3、光照射窓9、背面側電極層4および押さえ窓6は、フレーム20の上面に載置された状態で配置され、カバー30で被覆されている。カバー30は、上面に窓部30Aおよび孔部30Bが形成されている。窓部30Aは、貫通孔4Bに対向する位置に配置されている。孔部30Bは、貫通孔41Bに対向する位置に形成されている。孔部30Bおよび貫通孔41Bには、電源装置5の出力に接続された、導体からなる端子棒70が挿入される。端子棒70の下端は貫通孔41Bを貫通して背面側電極層4に接触している。なお、窓側電極層3は電源装置5の図示しないアースに接続されている。
センサ40は、カバー30の窓部30Aの外部に配置されている。センサ40は、窓部30Aを介して、貫通孔4Bから漏出したエキシマ光の受光量の応じたレベルの検出信号を制御部50に出力する。放電容器2の側面が被覆されていない場合には、センサ40を放電容器2の側面に対向するように配置してもよい。
制御部50は、センサ40が出力した検出信号に基づいて、表示器60の点灯状態を制御する。制御部50は、センサ40から所定レベル以下の検出信号が入力されると、表示器60を点灯させる。表示器60の点灯状態を視認することにより、エキシマ照射装置1から被照射体にエキシマ光が照射されているか否かを確認できる。
また、制御部50は、検出信号のレベルに基づいて、電源装置5の出力を制御する。制御部50は、検出信号のレベルに応じた制御データを電源装置5に出力する。例えば、制御部50は、検出信号のレベルを基準レベルと比較し、比較結果に応じて駆動回路の高周波電圧を昇降させるように制御データを出力する。電源装置5は、制御データに応じた周波数の高周波電圧を窓側電極層3と背面側電極層4との間へ印加する。放電容器2内におけるエキシマ光の発生状態に基づいて電源装置5の出力をフィードバック制御することができ、被照射体に対する処理に適した光量のエキシマ光を安定して照射することができる。
なお、制御部50による表示器60の点灯制御、および電源装置5の出力制御は、必ずしも必須ではなく、何れか一方又は両方を省略することもできる。
電源装置5から窓側電極層3と背面側電極層4との間に高周波電圧を印加することによって、放電容器2内で無声放電が起こり、光照射窓9から均一且つ十分なエキシマ光が照射される。電源装置5は、例えば、10kHz〜20MHzの周波数で高周波電圧を印加する。これによって、発光効率や熱効率を向上させることができ、消費電力を小さくすることができる。より好ましい高周波電圧の周波数は、1MHz〜4MHzである。この時の高周波電圧は、1〜20kVが好ましい。高周波電圧が1kV未満の場合には、窓側電極層3と背面側電極層4との間で均一且つ十分な放電が起こらず、光照射窓9から十分なエキシマ光を均一に照射することが出来ない。
また、高周波電圧が20kVを超える場合には、エキシマ照射量が飽和し、入力電源に対して十分な発光効率を得ることができないとともに、消費電力が大きくなるので効率が悪くなる。高周波電圧は、放電開始時と放電時のランプ静電容量が異なる。このため、例えば、電源装置5に放電開始時の印加周波数と放電時の印加周波数を切り替える機能を設け、電源装置5の出力をトランスにより昇圧して窓側電極層3と背面側電極層4との間に印加するようにしてもよい。
エキシマ照射装置1は、複数の小型円形状の光照射窓9から均一にエキシマ光を照射できる。そのため、一度に多くの光量のエキシマ光を被照射体へ照射することができる。また、エキシマ光が光照射窓9の全面から均一に照射される。このため、光照射窓9と被照射体との間隔を一定にすることによって、均一な強度のエキシマ光を効率よく被照射体に照射することができ、被照射体には、減衰の少ないエキシマ光が大面積で照射され、表面改質処理や有機化合物の分解処理が効率的に行われる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…エキシマ照射装置
2…放電容器
211…流入口
212…流出口
2A…放電空間
2B…開口
3…窓側電極層
4…背面側電極層
5…電源装置
6…押さえ窓
8…放電用ガス供給装置
9…光照射窓
20…フレーム
30…カバー
40…センサ
41…押さえ板
50…制御部
60…表示器

Claims (11)

  1. 放電用ガスの流入口および流出口を備え、厚さ方向に直交する対向する互いに平行な2平面のうち一方側に複数の開口を有する放電容器と、
    エキシマ光を透過させる材料で前記開口と同程度若しくはそれ以上の面積を有する平板状に形成され、前記複数の開口の各々を覆うように配置された複数の光照射窓と、
    前記複数の光照射窓の各々の外側面に配置され、エキシマ光を透過させる窓側電極層と、
    前記放電容器における前記開口に対向する背面の外側面に配置される背面側電極層と、
    前記窓側電極層と前記背面側電極層との間に高周波電圧を印加する電源手段と、
    前記流入口から放電用ガスを供給する放電用ガス供給手段と、
    を備えたエキシマ照射装置。
  2. 前記放電容器内に、前記開口を有する放電空間が複数区画された、請求項1に記載のエキシマ照射装置。
  3. 前記流入口は前記複数の放電空間のうちの1つに接続され、前記流出口は前記複数の放電空間のうちの他の1つに接続され、前記流入口に接続された前記放電空間から前記流出口に接続された前記放電空間へと至るように、前記複数の放電空間を連結する放電用ガスの流動路が前記放電容器に形成された、請求項2に記載のエキシマ照射装置。
  4. 前記光照射窓は、フッ化物を素材とする、請求項1〜3のいずれかに記載のエキシマ照射装置。
  5. 前記窓側電極層の更に外側に、エキシマ光を透過させる材料で形成され、該窓側電極層を固定するための押え板を配置した、請求項1〜4のいずれかに記載のエキシマ照射装置。
  6. 前記放電用ガスに、希ガスに属するAr、Kr、Xeガスを使用する、請求項1〜5のいずれかに記載のエキシマ照射装置。
  7. 前記放電用ガスに、前記希ガスにハロゲン化合物を混ぜた混合ガスを使用する、請求項6に記載のエキシマ照射装置。
  8. 前記窓側電極層は前記光照射窓の面方向に沿って複数の開口を有する網状電極である、請求項1〜7のいずれかに記載のエキシマ照射装置。
  9. 前記背面側電極層は、前記放電容器における前記開口に対向する背面の外側面に配置され、前記背面の面方向に沿って複数の開口を有する網状電極と、前記網状電極の外側に配置された板状電極と、から構成される、請求項1〜8のいずれかに記載のエキシマ照射装置。
  10. 前記放電容器から放出される紫外光を検出するセンサと、前記センサの検出信号に応じて前記紫外線の照射状態を検出する制御部と、を備えた、請求項1〜9のいずれかに記載のエキシマ照射装置。
  11. 前記制御部は、前記センサの検出信号に応じて前記電源手段の出力を制御する請求項10に記載のエキシマ照射装置。
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