JP4344938B2 - エキシマ光照射装置 - Google Patents

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Description

この発明は、真空紫外域のエキシマ光を照射するエキシマ光照射装置に関する。
従来、エキシマ光照射装置は、殺菌装置、洗浄装置、樹脂硬化装置、化学気相成長法(CVD法)による成膜装置等に用いられている。エキシマ光照射装置の光源としては、エキシマ放電ランプが用いられる。通常、エキシマ放電ランプは、石英ガラスからなる容器内に、エキシマ光を発生するガスが封入され、容器外部から電気エネルギーを供給することにより、容器内で生じた放電によりエキシマ光を放射するものである。このような構造のエキシマ放電ランプとしては、例えば、特開平6−310102に開示されたものが知られている。
エキシマ光照射装置を用いた殺菌装置、洗浄装置、樹脂硬化装置、成膜装置等においては、処理速度を速めることにより、処理の低コスト化が達成される。処理速度を向上するためには、エキシマ放電ランプの高出力化と大面積化が必要である。高出力化するには、エキシマ放電ランプへの投入電力を増加することにより可能となる。
上記のようなエキシマ放電ランプでは、石英ガラスからなる容器がエキシマ光透過窓の役目を兼用している。このため、投入電力を増加すると放電で発生する熱により、エキシマ光の透過率が減少するという問題が発生する。
さらに、石英ガラスは、エキシマ光の照射により酸素を放出する。酸素はエキシマ光を強く吸収するため、エキシマ放電ランプの光出力が、ランプ点灯時間の経過とともに低下するという問題もある。
これらの問題を解決するため、例えば、特許第3125191号によれば、ステンレス製の筐体内に誘電体を介して設けられた電極対からなる電極対ユニットを複数配置してエキシマ光照射装置を構成し、筐体内に充填されたエキシマ光生成用ガスを置換することにより発光させる方法が知られている。
図22は、エキシ光生成用ガスを置換するエキシマ光照射装置の正面断面図である。
このエキシマ光照射装置は、ステンレス筐体1の内部に、誘電体で被覆された棒状金属電極(内側電極)2と、その外側に設けられた筒状金属電極(外側電極)3からなる電極対ユニット4が複数配置されている。筐体1内のエキシマ光生成ガスは、ガス吸入口5から導入され、ガス排出口6から排気されることにより置換される。内側電極2と外側電極3に高周波電源8から高周波高電圧を印加することにより、電極間に放電を発生させ、電極対ユニット4の鉛直方向の筐体1に設けられた透過窓7からエキシマ光を放射するものである。このエキシマ光照射装置は、電極対ユニット4を複数配置することにより大面積化が可能である。
ところで、図23は、エキシマ光を用いたCVD法の成膜装置の構成を示す図である。
この成膜装置において、101は成膜室、102は光源室であり、光源室102には先に示したエキシマランプやエキシマ光照射装置が設置される。103は透過窓、104は原料ガス導入口であり、膜の原料となるガスが導入される。105は原料ガス排出口、106はウエハ、107はウエハ106を支持するステージである。このような構造の成膜装置では、透過窓103から照射されるエキシマ光を効率よくウエハ106上に照射させるために、ウエハ106を透過窓103に近づけて設置する場合がある。しかし、ウエハ106と透過窓103の間の空間が狭いと、ウエハ106上の原料ガスの濃度が均一になりにくく、ウエハ106の中心部で原料ガスの濃度が高くなる。この結果、生成される膜厚が、中心部で大きく、外周部で小さくなるという問題が発生する。
この問題の解決法としては、特開2002−176046号公報に開示された技術によれば、解決法1として中心部のエキシマ光を遮光マスクでさえぎる方法、解決法2としてウエハ表面に直接原料ガスを導入するため、ウエハ近辺に原料ガス導入口や原料ガス排出口を設置する方法、解決法3として成膜室内の原料ガスの流れを均一にするため、成膜室内に整流板を設置する方法、解決法4としてウエハ上の原料ガスの温度分布を制御することにより原料ガスの濃度分布を制御するために、ステージとウエハの間に温度制御板を設置する方法、解決法5としてステージに回転、往復運動を行える機能を持たせる方法等が開示されている。
さらに、特開2003−133299号公報に開示された技術によれば、解決法6としてウエハ上の原料ガスの温度分布を制御するために、透過窓にヒーターを設置する方法、解決法7として図23に示すような透過窓と成膜室上部の天板との間にできる隙間を、透過窓の形状を加工してなくすことにより、隙間に生じていた原料ガスの対流をなくして、原料ガス濃度の均一性を向上させる方法、解決法8として成膜室内にファンを設置し、成膜室内の原料ガスを攪拌する方法等が開示されている。
特開平6−310102号公報 特許第3125191号公報 特開2002−176046号公報 特開2003−133299号公報
通常、エキシマ光照射装置を用いたCVD法により成膜を行うためには、ウエハに対してエキシマ光を均一に照射する必要がある。しかし、ウエハと同じ面積に電極対ユニットを配置した図22に示すような構造のエキシマ光照射装置を用いて成膜処理を行うと、ウエハに成膜される膜厚は、ウエハの中心部分では均一な厚さとなるが、外周部分ではそれよりも薄くなり、ウエハ上に均一な膜厚で成膜されないという問題が生じる。これは、ウエハの中心部に照射されるエキシマ光強度よりも、ウエハの外周部に照射されるエキシマ光強度が小さいために起こるものである。エキシマ光が不均一に照射される原因について以下に説明する。
図22に示すような構造のエキシマ光照射装置において、電極対ユニット4を円形の領域内に隙間なく配置した場合、エキシマ光透過窓下のエキシマ光照度分布を測定すると、図24に示すようなエキシマ光照度分布曲線となる。縦軸はエキシマ光強度、横軸は電極対ユニットを配置した円形領域における窓下での鉛直方向の位置である。
均一なエキシマ光強度が得られる領域の直径をX1、電極対ユニット4を配置した円形領域の直径をX2とすると、X1はX2よりも小さくなる。電極対ユニット4から放射されるエキシマ光は、放射状に広がるため電極対ユニット4よりも広い範囲に照射される。電極対ユニット4を配置した円形領域の中心部分においては、隣り合う電極対ユニット4からのエキシマ光のために、一つだけの電極対ユニット4よりも強度の強いエキシマ光が放射される。しかし、電極対ユニット4を配置した円形領域の外周部分では、隣り合う電極対ユニット4からのエキシマ光が少ないため、中心部分よりもエキシマ光強度が弱くなる。
直径がX1の均一なエキシマ光照射面積を得るためには、X1よりも大きな面積で電極対ユニットを配置しなければならない。しかし、配置する面積を大きくするためには、エキシマ光透過窓も大きくする必要があり、筐体外部と筐体内部の差圧を保つために透過窓の厚みを増やさなければならない。透過窓の厚みが増えると、エキシマ光の透過率が減少するという問題がある。このため、均一なエキシマ光照射を大面積で必要な場合においても、電極対ユニットを配置する面積はできるだけ小さくすることが望ましい。
また、上記で指摘した特開2002−176046号公報及び特開2003−133299号公報には、透過窓とウエハの間に不均一な原料ガス濃度分布が生じる問題についての解決方法が記載されているが、これらには、以下のような問題点がある。
解決法1では、遮光マスクによりエキシマ光の照度を弱めてしまうことになるので好ましくない。解決法2、3、4、5、8では、成膜室内に新たに部材を置くことになる。エキシマ光を用いたCVD法では、原料ガスに接しているウエハ以外の部分にも膜が生成されるため、成膜処理を繰り返す中で、成膜室内の洗浄をたびたび行う必要がある。このため、成膜室内に部材を置くと、洗浄箇所が増えるので処理効率が悪くなる。解決法6では、透過窓に設置したヒーターにより原料ガス濃度を完全に制御するためには、ヒーターの数を増やす必要があるが、これによりエキシマ光が遮られるので好ましくない。また、ヒーターを成膜室内に設置する方法も先に述べた理由と同じように洗浄箇所が増えるので処理効率が悪くなる。解決法7では、原料ガス濃度を完全に制御できるわけではなく、さらに透過窓を厚くすることはエキシマ光の透過率を減少させてしまうので好ましくない。従って、ウエハ上のガス濃度が不均一な場合において、透過窓表面や成膜室内に部材を設置することなく、均一な膜を生成することが望ましい。そのためには、エキシマ光の照度分布を制御する必要がある。
本発明の目的は、上記の種々の問題点に鑑み、電極対ユニットを配置する面積を広げることなく、エキシマ光が照射される面積を広げることができ、さらには照度分布を任意に制御することが可能なエキシマ光照射装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、エキシマ放電ガスが封入された放電室内に、垂直方向に等間隔で複数の貫通穴が形成された厚板状の一方の電極と前記各貫通穴に挿通した他方の電極、または、筒状に構成された一方の電極と前記一方の電極に挿通した他方の電極のうち、少なくともいずれかの一方の電極表面または電極表面近傍が誘電体で覆われ、前記一方の電極と前記他方の電極とで構成される電極対ユニットが複数並置され、各電極対ユニットの一方の電極と他方の電極間に高周波電圧を印加することにより、前記各電極対ユニット下方に配置された光放射窓からエキシマ光を放射するエキシマ光照射装置において、放射するエキシマ光の被照射面でのエキシマ光分布を制御する手段として、所定の電極対ユニットの電極長をその他の電極対ユニットの電極長より長く構成することを特徴とするエキシマ光照射装置である。
第2の手段は、エキシマ放電ガスが封入された放電室内に、垂直方向に等間隔で複数の貫通穴が形成された厚板状の一方の電極と前記各貫通穴に挿通した他方の電極、または、筒状に構成された一方の電極と前記一方の電極に挿通した他方の電極のうち、少なくともいずれかの一方の電極表面または電極表面近傍が誘電体で覆われ、前記一方の電極と前記他方の電極とで構成される電極対ユニットが複数並置され、各電極対ユニットの一方の電極と他方の電極間に高周波電圧を印加することにより、前記各電極対ユニット下方に配置された光放射窓からエキシマ光を放射するエキシマ光照射装置において、放射するエキシマ光の被照射面でのエキシマ光分布を制御する手段として、前記電極対ユニットへのエキシマ放電ガスの流量が異なる流路が複数路設けられていることを特徴とするエキシマ光照射装置である。
第3の手段は、エキシマ放電ガスが封入された放電室内に、垂直方向に等間隔で複数の貫通穴が形成された厚板状の一方の電極と前記各貫通穴に挿通した他方の電極、または、筒状に構成された一方の電極と前記一方の電極に挿通した他方の電極のうち、少なくともいずれかの一方の電極表面または電極表面近傍が誘電体で覆われ、前記一方の電極と前記他方の電極とで構成される電極対ユニットが複数並置され、各電極対ユニットの一方の電極と他方の電極間に高周波電圧を印加することにより、前記各電極対ユニット下方に配置された光放射窓からエキシマ光を放射するエキシマ光照射装置において、放射するエキシマ光の被照射面でのエキシマ光分布を制御する手段として、被照射面でのエキシマ光の分布を均一に制御するために、外周域に配置される電極対ユニットの電極を冷却することを特徴とするエキシマ光照射装置である。
請求項に記載の発明によれば、照度分布を制御するために、特定の位置の電極対ユニットの電極の長さを伸ばすことにより、エキシマ光透過窓に対して鉛直方向の放電部の体積増やすことができ、このため、特定の位置の電極対ユニットのエキシマ光強度を強くすることができ、エキシマ光の照度分布を制御することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、特定の位置の電極対ユニットから照射されるエキシマ光強度を強しようとする場合、その位置の電極対ユニットに流れるエキシマ生成用ガスの流量を他の電極対ユニットに流れるエキシマ生成ガスの流量より大きくする。その結果、特定の位置の電極対ユニットから照射されるエキシマ光強度を、他の電極対ユニットから照射されるエキシマ光強度よりも強くすることができ、エキシマ光の照度分布を制御することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、外周側の電極対ユニットが冷却され、内部に流れるエキシマ生成ガスの温度上昇が抑制される。その結果、外周側の電極対ユニットから照射されるエキシマ光強度を、中心側の電極対ユニットから照射されるエキシマ光強度よりも強くすることができるので、電極対ユニットを配置する面積を広げることなく、均一なエキシマ光照射面積を拡大することができる。

本発明の第1の実施形態を図1乃至図10を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図、図2は、エキシマ光照射装置のエキシマ光透過窓側から見た電極対ユニットの全体構成を示す図、図3は、エキシマ光照射装置のガスシャワーヘッド10に設けられた穴の位置を示す図である。
図1に示すように、ステンレス製の筐体1内に、例えば、直径240mm、厚さ30mmの外側電極3となるアルミニウム板に直径17mmの穴を多数設け、その穴の中心に、内側電極2として外径4mm、内径2mmのセラミクス製一端封じチューブ(アルミナ)に外径2mmの金属棒(銅)を挿入したものを固定する。各穴の側面を外側電極3として用いることにより、内側電極2と外側電極3とで電極対ユニット4を形成する。
図2に示すように、電極対ユニット4を配置した円形領域の直径は、例えば、200mmとなるような配置になっている。各電極対ユニット4の中心の間隔は全て、例えば、20mmである。
また、図1に示すように、シャワーヘッド10は、アルミニウムでできており内側電極2の金属電極が接続される。ステンレス筐体1のガス導入口14、15とガスシャワーヘッド10はガラスチューブ11によって接続されるため、ステンレス筐体1とガスシャワーヘッド10とは絶縁される。中心側にガスを流すために設けられた直径1mmの開口部12、及び外周側にガスを流すために設けられた直径3mmの開口部13は、それぞれガス導入口14とガス導入口15からのガスが流れるようになっている。さらに、それぞれの開口部12,13からガスを直接、電極対ユニット4に流すために内径17mmのガラス管16を、各電極対ユニット4とガスシャワーヘッド10の間に設置している。
図3に示すように、17は内側電極2である金属電極のシャワーヘッド10への接続箇所を示しており、1個の放電ユニット4に対して2個の開口部よりガスが導入される。ガスとしてキセノン、アルゴンを用いる。キセノンを用いる場合は、透過窓7として合成石英を用い、アルゴンを用いる場合には、CaFを用いる。
また、図1及び図2に示すように、外側電極3と筐体1の間にアルミニウム製の支持部材18を設置することにより、外側電極3と筐体1の間に隙間を設け、電極対ユニット4を通過したガスが、この隙間を通ってガス排出口6へと流れるようになっている。
図4は、内側電極2と外側電極3間に介在する誘電体9の構成を示す図である。
図4(a)に示すように、誘電体9は内側電極2と外側電極3間に介在し、内側電極2の表面を覆うように配置される。また図4(b)に示すように、誘電体9は内側電極2と外側電極3間に介在し、外側電極3の表面を覆うように配置することも可能である。また図4(c)に示すように、誘電体9は内側電極2と外側電極3間に介在し、内側電極2及び外側電極3のそれぞれの表面を覆うように配置することも可能である。また図4(d)に示すように、誘電体9は内側電極2と外側電極3間に介在し、内側電極2の表面近傍に配置することも可能である。なお、これらの電極構造は、後述する他の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置においても適用可能であることはいうまでもない。
このエキシマ光照射装置の動作は、図1に示すように、まず、ステンレス筐体1内にキセノンを充填し、圧力を50kPaに固定した状態でガス導入口14より1L/min、ガス導入口15より20L/minの流量で、それぞれキセノンガスを流す。内側電極2に4kV、50kHzの高周波高電圧を印加して各電極対ユニット4内に放電を発生させる。この放電により、172nmの波長を有するエキシマ光が放射される。
この状態で窓下より10mmの位置の図2に示すX軸方向におけるエキシマ光照度分布の測定を行った。図5はこのときのエキシマ光照度分布を示す図である。同図において、横軸は測定位置、縦軸は相対照度である。均一な照度が得られる領域を、相対照度が90%以上であると定義すると、均一な照度の領域の幅は約190mmである。この結果に対する比較例として、ガスシャワーヘッド10のない図22のエキシマ光照射装置において、ガス流量を1L/minとすること以外同じ条件下で放電させた場合のエキシマ光照度分布を図6に示す。均一な照度の領域の幅は約145mmであり、本実施形態のエキシマ光照射装置によれば、電極対ユニット4を配置する面積を広げることなく、均一な照度の領域の面積を大きくできることがわかる。
また、アルゴンを50kPa充填し、ガス導入口14より1L/min、ガス導入口15より20L/minの流量で、それぞれアルゴンガスを流し、キセノンを流した場合と同様に放電を発生させ、波長126nmのエキシマ光を放射させる。図7はこのときのエキシマ光照度分布を示す図である。均一な照度の領域の幅は約185mmである。アルゴンガス流量を1L/minとした比較例のエキシマ光照度分布を図8に示す。均一な照度の領域の幅は約150mmであり、キセノンを流した場合と同様に、本実施形態のエキシマ光照射装置によれば、均一な照度の領域の面積を大きくできることがわかる。
さらに、中心部よりも外周部で照度が強い照度分布を得るために、本実施形態のエキシマ光照射装置を用いて、エキシマ光照度分布の制御を行うことも可能である。例えば、エキシマ光照度分布の中心部100mmの幅よりも外側の照度が、中心部の照度よりも1割大きいという照度分布を得ようとする場合、図9に示すようにガスシャワーヘッド10の穴を変更する。アルゴンガスを直径1mmの開口部22より1L/min、直径3mmの開口部23より40L/minの流量を流して、先の実施例と同じ条件で放電させたときの照度分布を図10に示す。±50mmの範囲よりも外側では、その内側よりおよそ1割大きいエキシマ光照度分布が得られことがわかる。
ここで、ガス流量を調整することによりエキシマ光強度を制御できる理由について説明すると、エキシマ放電ランプは、ある一定の投入電力以上ではエキシマ光の発光効率が低下するという問題がある。これはエキシマ生成ガスの温度が上昇することで、エキシマ光の発光効率が低下するものと考えられている。また、電極対ユニットの電極間に流すエキシマ生成ガスの流量を増やすことで、エキシマ光出力の増加が確認されている。したがって、電極間に流すガス流量を増やすことで、ガスの温度上昇が抑制され、エキシマ光の発光効率の低下が抑えられているものと考えられる。全ての電極対ユニットに流すガス流量は、穴の大きさを変えることで調整できるので、各電極対ユニットから放射されるエキシマ光強度を制御できる。
本発明の第2の実施形態を図11乃至図13を用いて説明する。
図11は、本実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図である。
同図において、外側電極3の側面部に、例えば、外径6.35mm、肉厚1mmの銅チューブ30を8mmのピッチで埋め込み固定する。なお、その他の構成は第1の実施形態及び従来技術に示した同符号の構成に対応するので、説明を省略する。
銅チューブ30に流す冷却流体として水を使用する。また、キセノンガス流量1L/min、ガス圧力50kPa、印加電圧4kV、50kHz、冷却水を2000cc/min流した場合のエキシマ光照度分布を図12に示す。均一な照度の領域の幅は約170mmである。図6に示した比較例のエキシマ光照度分布と比べて、均一な照度の領域の面積を大きくできることがわかる。
また、アルゴンガス流量1L/min、ガス圧力50kPa、印加電圧4kV、50kHz、冷却水を2000cc/min流した場合の照度分布を図13に示す。均一な照度の領域の幅は約170mmである。図8に示した比較例のエキシマ光照度分布と比べて、均一な照度の領域の面積を大きくできることがわかる。
このように本実施形態のエキシマ光照射装置によれば、電極対ユニット4を配置する面積を広げることなく、均一なエキシマ光照射面積を拡大することができる。
本発明の第3の実施形態を図14乃至図21を用いて説明する。
図14は、本実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図である。
同図において、外周側の電極対ユニット4は、外側電極3の長さを伸ばすために、例えば、内径17mm、長さ20mmのステンレス製の筒40を取り付ける。なお、その他の構成は第1の実施形態及び従来技術に示した同符号の構成に対応するので、説明を省略する。
ステンレス製の筒40を取り付けた電極対ユニット4は、図15に模様付けした箇所で示している。キセノンガス流量1L/min、ガス圧力50kPa、印加電圧4kV、50kHzの条件における照度分布を図16に示す。均一な照度の領域の幅は約180mmである。図6に示す比較例のエキシマ光照度分布と比べて、均一な照度の領域の面積を大きくできることがわかる。
また、アルゴンガス流量1L/min、ガス圧力50kPa、印加電圧4kV、50kHzの条件における照度分布を図17に示す。均一な照度の領域の幅は約180mmである。図8に示す比較例のエキシマ光照度分布と比べて、均一な照度の領域の面積を大きくできることがわかる。
この実施形態では、長さが同じである複数の外側電極3の中でも外周側にある外側電極3の長さを伸ばすために、ステンレス製の筒40を付け加えている。しかし、本実施形態の別手段として、図18に示すように、長さの異なる複数の金属製の筒41,42を、外側電極と同じ位置に配置して、外側電極として用いてもよい。この場合、外側電極として、例えば、内径17mm、厚さ0.5mmのステンレス製の筒41,42を用いる。中心側の筒41の長さは30mm、外周側の筒42の長さは50mmである。例えば、直径240mm、厚さ30mmのアルミニウム板43に対して、外側電極と同じ位置に直径18mmの穴を多数設け、それらの穴の片方の開口部に、内径17mm、長さ2mmの突起部44を設ける。穴に筒41,42を挿入する際、突起部44で支持できるようにする。
図19は電極対ユニットの拡大断面図である。このようにして外側電極を構成することによっても、電極対ユニットを配置する面積を広げることなく、均一なエキシマ光照射面積を拡大することができる。
本実施形態のエキシマ光照射装置によれば、電極対ユニットを配置する面積を広げることなく、均一なエキシマ光照射面積を拡大することができる。
さらに、中心部よりも外周部で照度が強い照度分布を得るために、本実施形態のエキシマ光照射装置を用いて照度分布の制御を行う。例えば、照度分布の中心部100mmの幅よりも外側の照度が、中心部の照度よりも1割大きいという照度分布を得ようとする場合、図18に示すエキシマ光照射装置と同じ構成であるが、図20に示すように、模様付けした穴に、例えば、長さ70mm、内径17mm、厚さ0.5mmのステンレス製の筒42を挿入し、それ以外の穴に長さ30mmの同じステンレス製の筒41を挿入する。アルゴンガスを用いて同様の条件で放電させた照度分布を図21に示す。±50mmの範囲よりも外側では、その内側よりおよそ1割大きい照度が得られている。
上述のごとく、第1の実施形態乃至第3の実施形態の発明によれば、均一な照度の領域の面積を大きくする効果が得られた。これらの手段を組み合わせることによっても、より大きな効果が期待できる。また、第1の実施形態及び第3の実施形態において、照度分布の制御が可能となっている。第1の実施形態乃至第3の実施形態を組み合わせることにより精度の良い照度分布の制御が可能となる。
なお、各実施形態のエキシマ光照射装置においては、排気されたエキシマ光生成ガス中の不純物を除去してから、再び装置内に導入することにより、ガスを還流させることもできる。
第1の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図である。 第1の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置のエキシマ光透過窓側から見た電極対ユニット全体の構成を示す図である。 第1の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置のガスシャワーヘッドに設けられた穴の位置を示す図である。 各実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置の内側電極と外側電極間に介在する誘電体の構成を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてキセノンガスを用いた場合の、第1の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてキセノンガスを用いた場合の、従来技術に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてアルゴンガスを用いた場合の、第1の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてアルゴンガスを用いた場合の、従来技術に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 ガスシャワーヘッドの穴を変更したときの、第1の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のガスシャワーヘッドに設けられた穴の位置を示す図である。 ガスシャワーヘッドの穴を変更したときの、第1の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 第2の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図である。 エキシマ光生成用ガスとしてキセノンガスを用いた場合の、第2の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてアルゴンガスを用いた場合の、第2の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 第3の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図である。 第3の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置のエキシマ光透過窓側から見た電極対ユニット全体の構成を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてキセノンガスを用いた場合の、第3の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 エキシマ光生成用ガスとしてアルゴンガスを用いた場合の、第3の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 長さの異なる複数の金属製の筒を外側電極と同じ位置に配置して外側電極とした、第3の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置の正面断面図である。 図18に示したエキシマ光照射装置の電極対ユニットの拡大断面図である。 周辺部のステンレス製の筒の数を変更したときの、第3の実施形態の発明に係るエキシマ光照射装置のエキシマ光透過窓側から見た電極対ユニット全体の構成を示す図である。 周辺部のステンレス製の筒の数を変更したときの、第3の実施形態の発明に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布を示す図である。 従来技術に係るエキシ光生成用ガスを置換するエキシマ光照射装置の正面断面図である。 エキシマ光を用いたCVD法の成膜装置の構成を示す図である。 従来技術に係るエキシマランプ点灯装置のエキシマ光照度分布曲線を示す図である。
符号の説明
1 ステンレス筐体
2 内側電極
3 外側電極
4 電極対ユニット
5 ガス吸入口
6 ガス排出口
7 透過窓
8 高周波電源
9 誘電体
10 ガスシャワーヘッド
11 ガラスチューブ
12,13,22,23 開口部
14,15 ガス導入口
17 内側電極である金属電極のシャワーヘッドへの接続箇所
18 支持部材
30 銅チューブ
40,41,42 筒
43 アルミニウム板
44 突起部

Claims (3)

  1. エキシマ放電ガスが封入された放電室内に、垂直方向に等間隔で複数の貫通穴が形成された厚板状の一方の電極と前記各貫通穴に挿通した他方の電極、または、筒状に構成された一方の電極と前記一方の電極に挿通した他方の電極のうち、少なくともいずれかの一方の電極表面または電極表面近傍が誘電体で覆われ、前記一方の電極と前記他方の電極とで構成される電極対ユニットが複数並置され、各電極対ユニットの一方の電極と他方の電極間に高周波電圧を印加することにより、前記各電極対ユニット下方に配置された光放射窓からエキシマ光を放射するエキシマ光照射装置において、
    放射するエキシマ光の被照射面でのエキシマ光分布を制御する手段として、所定の電極対ユニットの電極長をその他の電極対ユニットの電極長より長く構成することを特徴とするエキシマ光照射装置。
  2. エキシマ放電ガスが封入された放電室内に、垂直方向に等間隔で複数の貫通穴が形成された厚板状の一方の電極と前記各貫通穴に挿通した他方の電極、または、筒状に構成された一方の電極と前記一方の電極に挿通した他方の電極のうち、少なくともいずれかの一方の電極表面または電極表面近傍が誘電体で覆われ、前記一方の電極と前記他方の電極とで構成される電極対ユニットが複数並置され、各電極対ユニットの一方の電極と他方の電極間に高周波電圧を印加することにより、前記各電極対ユニット下方に配置された光放射窓からエキシマ光を放射するエキシマ光照射装置において、
    放射するエキシマ光の被照射面でのエキシマ光分布を制御する手段として、前記電極対ユニットへのエキシマ放電ガスの流量が異なる流路が複数路設けられていることを特徴とするエキシマ光照射装置。
  3. エキシマ放電ガスが封入された放電室内に、垂直方向に等間隔で複数の貫通穴が形成された厚板状の一方の電極と前記各貫通穴に挿通した他方の電極、または、筒状に構成された一方の電極と前記一方の電極に挿通した他方の電極のうち、少なくともいずれかの一方の電極表面または電極表面近傍が誘電体で覆われ、前記一方の電極と前記他方の電極とで構成される電極対ユニットが複数並置され、各電極対ユニットの一方の電極と他方の電極間に高周波電圧を印加することにより、前記各電極対ユニット下方に配置された光放射窓からエキシマ光を放射するエキシマ光照射装置において、
    放射するエキシマ光の被照射面でのエキシマ光分布を制御する手段として、被照射面でのエキシマ光の分布を均一に制御するために、外周域に配置される電極対ユニットの電極を冷却することを特徴とするエキシマ光照射装置。
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