JP2016152213A - 負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子 - Google Patents

負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2016152213A
JP2016152213A JP2015030934A JP2015030934A JP2016152213A JP 2016152213 A JP2016152213 A JP 2016152213A JP 2015030934 A JP2015030934 A JP 2015030934A JP 2015030934 A JP2015030934 A JP 2015030934A JP 2016152213 A JP2016152213 A JP 2016152213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
active material
electrode active
boron
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015030934A
Other languages
English (en)
Inventor
伊藤 大輔
Daisuke Ito
大輔 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2015030934A priority Critical patent/JP2016152213A/ja
Publication of JP2016152213A publication Critical patent/JP2016152213A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】電池のサイクル特性を向上させるケイ素を含む新規な負極活物質粒子の提供。【解決手段】ケイ素と酸素とホウ素とを含み、酸素とホウ素の濃度が、傾斜しており、ケイ素と酸素とホウ素を含む部分は、アモルファス状態を有し、ケイ素と酸素とホウ素を含む部分は、ポーラス状を有する負極活物質粒子。酸素とホウ素とは、負極活物質粒子の表面にのみ含まれているか、又は負極活物質粒子の全体に含まれており、負極活物質の表面において、ケイ素、酸素及びホウ素の総量に対するホウ素の含有量は、1〜50原子%である負極活物質粒子。ケイ素を含む粒子に対して酸素とホウ素を熱処理することによりドーピングし、ドーピング温度が600〜900℃未満で1〜10時間熱処理して、酸素とホウ素を粒子表面のみとするか、900〜1000℃で、0.1〜24時間熱処理して所定の深さ又は全体にドープする負極活物質粒子の製造方法。【選択図】図1

Description

本技術は、ケイ素を含む負極活物質粒子およびその製造方法、ケイ素を含む負極、ケイ素を含む負極を備える電池、ならびにケイ素を含む導電性粒子に関する。
近年、SiO2粒子やSi粒子などのSi含有粒子は、様々な産業分野への応用が期待されている。産業分野のうちでも特にリチウムイオン二次電池への応用が盛んに研究されている。
例えば特許文献1では、Si含有粒子の応用例として、以下の構成を有する負極活物質粒子が提案されている。負極活物質粒子は、コア部およびその表面の少なくとも一部を被覆する被覆部を含んでいる。コア部は、ケイ素系材料(SiOx:0≦x<0.5)を含有しており、被覆部は、非結晶性あるいは低結晶性のケイ素系材料(SiOy:0.5≦y≦1.8)を含有している。特許文献1の記載によれば、このような構成により、サイクル特性および初回充放電特性を向上させることが可能になる。
特開2011−233497号公報
本技術の目的は、電池のサイクル特性を向上させることが可能な、ケイ素を含む新規な負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、ケイ素と酸素とホウ素とを含み、酸素とホウ素の濃度が、傾斜している負極活物質粒子である。
第2の技術は、集電体上に、負極活物質粒子を含む負極活物質層を有し、負極活物質は、ケイ素と酸素とホウ素とを含み、酸素とホウ素の濃度が、傾斜している負極である。
第3の技術は、正極と負極と電解質とを備え、負極は、集電体上に、負極活物質粒子を含む負極活物質層を有し、負極活物質は、ケイ素と酸素とホウ素とを含み、酸素とホウ素の濃度が、傾斜している電池である。
第4の技術は、
熱処理を施すことにより、ケイ素を含む粒子に対して酸素とホウ素をドーピングすることを含み、ドーピングされた酸素とホウ素の濃度が、傾斜している負極活物質粒子の製造方法である。
第5の技術は、
ケイ素と酸素とホウ素とを含有する導電性粒子である。
以上説明したように、本技術によれば、電池のサイクル特性を向上させることが可能な、ケイ素を含む新規な負極活物質粒子を実現できる。また、ケイ素を含む新規な導電性粒子を実現できる。
B−Oコドーププロセスを説明するための概略図である。 本技術の第3の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す断面図である。 図2に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本技術の第4の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。 図4のV−V線に沿った巻回電極体の断面図である。 本技術の第5の実施形態に係る電池パックおよび電子機器の一構成例を示すブロック図である。 本技術の第6の実施形態に係る蓄電システムの一構成例を示す概略図である。 本技術の第7の実施形態に係る電動車両の一構成を示す概略図である。 図9Aは、実施例1−1のSi含有粒子の粉体表面、および比較例1−1のSi結晶粒子の粉体表面のXPSプロファイルである。図9Bは、実施例2−1〜2−3のSi含有基板の表面、および比較例2−1のSi結晶基板の表面のXPSプロファイルである。 図10Aは、実施例2−1のSi含有基板の表面および断面SEM像である。図10Bは、実施例2−3のSi含有基板の表面および断面SEM像である。 図11Aは、実施例3−1のSi含有粒子の粉体表面、および比較例3−1のSi結晶粒子の粉体表面のXPSプロファイルである。図11Bは、実施例3−1、3−2のSi含有粒子の粉体表面、および比較例3−1のSi結晶粒子の粉体表面のXRDパターンである。 図12Aは、実施例4−1、4−2、比較例4−1のコインセルにおける初回充放電カーブである。図12Bは、実施例5−1、5−2、比較例5−1のコインセルにおけるサイクル特性を示すグラフである。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 第1の実施形態(Si含有粒子の例)
2 第2の実施形態(Si含有層の例)
3 第3の実施形態(円筒型電池の例)
4 第4の実施形態(扁平型電池の例)
5 第5の実施形態(電池パックおよび電子機器の例)
6 第6の実施形態(蓄電システムの例)
7 第7の実施形態(電動車両の例)
<1.第1の実施形態>
[Si含有粒子の構成]
以下、本技術の第1の実施形態に係るSi含有粒子の構成の一例について説明する。第1の実施形態に係るSi含有粒子は、負極活物質粒子または導電性粒子として用いて好適なものであり、ケイ素(Si)と酸素(O)とホウ素(B)とを含有している。負極活物質粒子は、導電性を有している。負極活物質粒子は、例えば、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池用のものである。導電性粒子は、例えば、導電層、帯電防止層、電磁波シールド、配線、電極、導電性インクに含まれるものである。
Si含有粒子は、例えば、粒子表面にケイ素と酸素とホウ素を含み、粒子内部にケイ素を含む粒子(以下「第1のSi含有粒子」という。)、粒子表面から所定深さの位置までケイ素と酸素とホウ素を含み、所定深さから中心位置までケイ素を含む粒子(以下「第2のSi含有粒子」という。)、粒子全体にケイ素と酸素とホウ素を含む粒子(以下「第3のSi含有粒子」という。)である。
Si含有粒子は、例えば、酸素およびホウ素の濃度が粒子表面から中心に向かってほぼ一様な粒子、または酸素およびホウ素の濃度が粒子表面から中心に向かって連続的に変化(傾斜)する粒子(以下「傾斜機能粒子」という。)である。Si含有粒子が傾斜機能粒子である場合、酸素およびホウ素の濃度は、例えば、粒子表面から粒子中心に向かって減少するように連続的に変化(傾斜)する。Si含有粒子が傾斜機能粒子である場合、Si含有粒子は、例えば、粒子表面のみに傾斜機能を有し、粒子内部に傾斜機能を有していない粒子、粒子表面から所定深さの位置まで傾斜機能を有し、所定深さから中心位置まで傾斜機能を有していない粒子、または粒子表面から粒子中心まで傾斜機能を有する粒子である。なお、傾斜機能を有していない領域は、例えばケイ素の結晶が含まれる領域である。
Si含有粒子は、遷移金属元素などの金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素を構成元素としてさらに含んでいてもよい。より具体的には例えば、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。ケイ素が金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素と合金を構成していてもよい。
Si含有粒子は、一次粒子および二次粒子のいずれであってもよい。粒子の形状としては、例えば、球状、楕円体状、針状、板状、鱗片状、チューブ状、ワイヤー状、棒状(ロッド状)、不定形状などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、2種以上の形状の粒子を組み合わせて用いてもよい。ここで、球状には、真球状のみならず、真球状がやや扁平または歪んだ形状、真球状の表面に凹凸が形成された形状、またはこれらの形状が組み合わされた形状なども含まれる。楕円体状には、厳密な楕円体状のみならず、厳密な楕円体状がやや扁平または歪んだ形状、厳密な楕円体状の表面に凹凸が形成された形状、またはこれらの形状が組み合わされた形状なども含まれる。
Si含有粒子のうちケイ素と酸素とホウ素を含む部分はアモルファス状態、またはアモルファス相と結晶相とが混在した状態を有し、Si含有粒子のうちケイ素を含む部分は結晶性を有している。例えば、Si含有粒子が第1のSi含有粒子である場合、Si含有粒子表面はアモルファス状態を有し、粒子内部は結晶状態を有する。Si含有粒子が第2のSi含有粒子である場合、粒子表面から所定深さの位置までの部分がアモルファス状態を有し、所定深さから中心位置までの部分が結晶状態を有する。Si含有粒子が第3のSi含有粒子である場合、粒子全体がアモルファス状態を有する。Si含有粒子が負極活物質粒子である場合には、Si含有粒子が上述のようにアモルファス状態を有することで、大きな体積変化を伴う充放電サイクル中においても体積膨張収縮歪みの緩和が容易となり、電池のサイクル特性を向上することができる。結晶相は、例えば、ケイ素の結晶構造、またはケイ素のサイトの一部がホウ素で置換された結晶構造である。一方、アモルファス相は、例えば、Si−B−O状態のアモルファス構造である。
Si含有粒子のうちケイ素と酸素とホウ素を含む部分はポーラス状を有し、Si含有粒子のうちケイ素を含む部分は孔の無いまたは孔の殆ど無い緻密な構造を有している。例えば、Si含有粒子が第1のSi含有粒子である場合、Si含有粒子表面はポーラス状を有し、粒子内部は孔の無いまたは孔の殆ど無い緻密な構造を有する。Si含有粒子が第2のSi含有粒子である場合、粒子表面から所定深さの位置までの部分がポーラス状を有し、所定深さから中心位置までの部分が孔の無いまたは孔の殆ど無い緻密な構造を有する。Si含有粒子が第3のSi含有粒子である場合、粒子全体がポーラス状を有する。Si含有粒子が負極活物質粒子である場合には、Si含有粒子が上述のようにポーラス状を有することで、大きな体積変化を伴う充放電サイクル中においても体積膨張収縮歪みの緩和が容易となり、電池のサイクル特性を向上することができる。
Si含有粒子の表面において、ケイ素、酸素およびホウ素の総量に対するホウ素の含有量は、1原子%以上50原子%以下であることが好ましい。ホウ素の含有量が1原子%未満であると、導電性が低下する虞がある。また、Si含有粒子が負極活物質粒子である場合には、ホウ素の含有量が50原子%を超えると、容量低下を招く虞がある。なお、上記含有量は、例えばSEM−EDXの表面分析で測定することができる。
Si含有粒子の表面は、以下の式(1)で表される組成を有することが好ましい。
SiBxy ・・・(1)
(0.01≦x≦1、0.5≦y≦1.5)
Si含有粒子が遷移金属元素などの金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素を構成元素としてさらに含んでいる場合には、Si含有粒子の表面は、以下の式(2)で表される組成を有することが好ましい。
SiBxyz ・・・(2)
(0.01≦x≦1、0.5≦y≦1.5、0.001≦z≦1、Mは、例えば、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素などの金属元素および/または半金属元素、より具体的には例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種である。)
[Si含有粒子の製造方法]
SiOxはSiと酸素というシンプルな組み合わせであり、コスト面や安全性のメリットも大きいと考えられる。しかしながら、一般的にSi中への酸素拡散は非常に困難であり、表面でのSiO2形成しか起こりえないのが通常である。現在のSiOxは特殊な製造方法で合成されている。例えば、SiOxの粉体は、SiとSiO2を混合し、1400℃以上の高温還元焼成することで形成されている。また、SiOx被覆は、CVD(Chemical Vapor Deposition)や蒸着により形成されている。
第1の実施形態におけるSiBxy(Si−B−O)化の方法は、B23ドープ源を用い、Si結晶に対して熱処理を加えることで、BO3クラスタをSi結晶にドープ(すなわちSi結晶にB−Oコドープ)する簡易なものである。上述の通り、Si中への酸素拡散は非常に困難であるが、Siとも酸素とも相性の良いBをコドープすることにより、Si内部へ酸素を拡散できるものと考えられる。この場合、酸素原子の片側がBと結合されているため、図1に示すようなBO3の状態でドープされる。つまり、Si−O−SiのSiO2結合(Si4+)をとらず、Si−B−O状態となるため、SiはSiO2化(Si4+)せず、SiO化(Si2+)するものと考えられる。また、表面からSiBxy化するため、処理温度と時間で反応距離を制御可能である。例えば、反応距離を制御することで、Si結晶材料の表面のみをSiBxy化したり、Si結晶材料の全体をSiBxy化したりすることができる。
以下、本技術の第1の実施形態に係るSi含有粒子の製造方法の一例について説明する。まず、ホウ素と酸素とを含む粒子の粉体を溶媒に分散させることにより、溶液を調製する。次に、この溶液に、ケイ素を含む結晶粒子(以下「Si結晶粒子」という。)を投入し、この混合溶液を撹拌しながら加熱することにより、乾燥させる。Si結晶粒子は、前述した遷移金属元素などの金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素を構成元素としてさらに含んでいてもよい。
次に、乾燥した混合粉体を回収し、ほぐしたのち、加熱処理を施し、図1に示すようにSi結晶粒子にホウ素と酸素をコドープする。この際、ケイ素と酸素は、BO3クラスタ状態でドープされると予想しており、Si−Si結合を断ち、Si−B−Oの状態でアモルファス化すると考えられる。これにより、ケイ素と酸素とホウ素とを含有するSi含有粒子が得られる。
加熱処理の温度と時間により、Si結晶粒子に対して酸素とホウ素をコドープする深さを制御可能である。粒子表面のみに酸素とホウ素をコドープする場合には、加熱処理の温度は、600℃以上900℃未満とすることが好ましい。また、加熱処理の時間は、0.1時間以上10時間以下とすることが好ましい。一方、粒子表面から所定深さの位置まで酸素とホウ素をコドープする、または粒子全体に酸素とホウ素をコドープする場合には、加熱処理の温度は、900℃以上1000℃以下とすることが好ましい。また、加熱処理の時間は、0.1時間以上24時間以下とすることが好ましい。
加熱処理の雰囲気を酸化雰囲気または還元雰囲気とすることで、Si結晶粒子に対する酸素およびホウ素のコドープ量を制御可能である。具体的には、加熱処理の雰囲気を大気雰囲気などの酸化雰囲気とすることで酸素とホウ素のコドープ量を増やすことができる。酸化雰囲気は大気雰囲気であってもよい。熱処理の雰囲気を大気雰囲気とした場合には、設備を簡略化することができる。一方、加熱処理の雰囲気を還元雰囲気とすることで酸素とホウ素のコドープ量を減らすことができる。なお、酸化雰囲気と還元雰囲気とを組み合わせて用いてもよい。
次に、混合粉体を溶媒に投入し、Si含有粒子の表面に固着したホウ素と酸素を溶解し、Si含有粒子を回収する。溶媒としては、粒子表面に固着したホウ素と酸素を溶解可能なものであればよく特に限定されるものではないが、例示するならば水が挙げられる。以上により、目的とするSi含有粒子の粉体が得られる。
[効果]
第1の実施形態によれば、ケイ素と酸素とホウ素とを含む新規なSi含有粒子を提供できる。このSi含有粒子は、負極活物質粒子または導電性粒子として用いて好適なものである。このSi含有粒子を負極活物質粒子として用いた場合には、電池のサイクル特性を向上させることが可能である。
23粉体と溶媒とを含む溶液にSi結晶粒子の粉体を添加し混合した後、熱処理を施すことにより、Si結晶粒子の粉体に対してBO3をドープすることができる。また、溶媒としては水やアルコール溶媒などの一般的な溶媒を用いることができる。したがって、簡易なプロセスにより、BO3がドープされたSi含有粒子の粉体(例えば、負極活物質粒子の粉体または導電性粒子の粉体)を得ることができる。
湿式混合と熱処理で簡易にSi結晶粒子をSiBxy化することができる。ホウ素が酸素と同時にドープ(コドープ)されることにより、通常のSiOxよりも高導電性を得ることができる。第1の実施形態に係るSi含有粒子の製造方法により、Si結晶粒子の表面にケイ素と酸素とホウ素とを含む被覆層を形成した場合には、被覆層の剥がれが抑制される。これは、第1の実施形態に係るSi含有粒子の製造方法では、B−Oの拡散によるSiの酸化を利用しているからである。熱処理温度でSiBxy被覆の厚さを制御できる。B23は水溶性のため、ドープ後にSi含有粒子の表面に残留した未反応物を水洗で除去することが可能である。
<2 第2の実施形態>
[Si含有層の構成]
以下、本技術の第2の実施形態に係るSi含有層の構成の一例について説明する。第2の実施形態に係るSi含有層は、負極活物質層または導電層として用いて好適なものであり、ケイ素と酸素とホウ素とを含有する材料により構成されている。負極活物質層は、例えば、リチウムイオン二次電池などの電池に用いられるものである。導電層は、例えば、電子部品、電子機器、光電変換素子、電池などに含まれる導電層である。負極活物質や導電層は所定の形状にパターニングされていてもよい。所定の形状を有する導電層としては、例えば、配線、電極などが挙げられる。
電子部品としては、例えば、撮像素子パッケージ、撮像モジュール、微細配線回路を有する電子部品が挙げられるが、これに限定されるものではない。微細配線回路を有する電子部品としては、例えば、DMD(Digital Micro-Mirror Device:DMD)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの半導体装置、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、タッチパネルなどの入力装置などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
電子機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット型コンピュータ、表示装置、撮像装置などが挙げられるが、これに限定されるものでなない。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、電界放射型ディスプレイ(Field Emission Display:FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)、電子ペーパなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。撮像装置としては、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Si含有層は、例えば、一方または両方の層表面にケイ素と酸素とホウ素を含み、層内部にケイ素を含む層(以下「第1のSi含有層」という。)、一方の層表面から所定深さの位置までケイ素と酸素とホウ素を含み、所定深さから他方の層表面までケイ素を含む層(以下「第2のSi含有層」という。)、層全体にケイ素と酸素とホウ素を含む層(以下「第3のSi含有層」という。)である。
Si含有層は、ケイ素と酸素とホウ素との濃度が一方の表面から他方の表面に向かってほぼ一様な層、またはケイ素と酸素とホウ素との濃度が一方の表面から他方の表面に向かって連続的に変化(傾斜)する層(以下「傾斜機能層」という。)である。Si含有層が傾斜機能層である場合、ケイ素と酸素の濃度は、例えば、一方の表面から他方の表面に向かって減少するように連続的に変化(傾斜)する。Si含有層が傾斜機能層である場合、Si含有層は、例えば、一方または両方の表面のみに傾斜機能を有し、それ以外の部分には傾斜機能を有していない層、一方の層表面から所定深さの位置まで傾斜機能を有し、所定深さから他方の表面まで傾斜機能を有していない層、または一方の表面から他方の表面まで傾斜機能を有する層である。
Si含有層は、遷移金属元素などの金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素を構成元素としてさらに含んでいてもよい。これらの金属元素および半金属元素の具体例としては、第1の実施形態と同様のものを挙げることができる。ケイ素が金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素と合金を構成していてもよい。
Si含有層のうちケイ素と酸素とホウ素を含む部分はアモルファス状態、またはアモルファス相と結晶相とが混在した状態を有し、Si含有層のうちケイ素を含む部分は結晶性を有している。例えば、Si含有層が第1のSi含有層である場合、Si含有層の一方または両方の表面はアモルファス状態を有し、Si含有層の内部は結晶状態を有する。Si含有層が第2のSi含有層である場合、Si含有層の一方の表面から所定深さの位置までの部分がアモルファス状態を有し、所定深さから他方の表面までの部分が結晶状態を有する。Si含有層が第3のSi含有層である場合、Si含有層の全体がアモルファス状態を有する。Si含有層が負極活物質層または負極である場合には、Si含有層が上述のようにアモルファス状態を有することで、大きな体積変化を伴う充放電サイクル中においても体積膨張収縮歪みの緩和が容易となり、電池のサイクル特性を向上することができる。
Si含有層のうちケイ素と酸素とホウ素を含む部分はポーラス状を有し、Si含有層のうちケイ素を含む部分は孔の無いまたは孔の殆ど無い緻密な構造を有している。例えば、Si含有層が第1のSi含有層である場合、Si含有層の一方または両方の表面はポーラス状を有し、Si含有層の内部は孔の無いまたは孔の殆ど無い緻密な構造を有する。Si含有層が第2のSi含有層である場合、Si含有層の表面から所定深さの位置までの部分がポーラス状を有し、所定深さから他方の表面までの部分が孔の無いまたは孔の殆ど無い緻密な構造を有する。Si含有層が第3のSi含有層である場合、Si含有層の全体がポーラス状を有する。Si含有層が負極活物質層または負極である場合には、Si含有層が上述のようにポーラス状を有することで、大きな体積変化を伴う充放電サイクル中においても体積膨張収縮歪みの緩和が容易となり、電池のサイクル特性を向上することができる。
Si含有層の表面において、ケイ素、酸素およびホウ素の総量に対するホウ素の含有量は、第1の実施形態に係るSi含有粒子の表面と同様に、1原子%以上50原子%以下であることが好ましい。Si含有層の表面は、第1の実施形態に係るSi含有粒子の表面と同様に上記式(1)で表される組成を有することが好ましい。また、Si含有層が遷移金属元素などの金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素を構成元素としてさらに含んでいる場合には、Si含有層の表面は、第1の実施形態に係るSi含有粒子の表面と同様に上記式(2)で表される組成を有することが好ましい。
[Si含有層の製造方法]
以下、本技術の第2の実施形態に係るSi含有層の製造方法の一例について説明する。まず、ホウ素と酸素とを含む粒子の粉体を溶媒に分散させることにより、溶液を調製する。次に、調製した溶液を、ケイ素を含む結晶層(以下「Si結晶層」という。)の一方の表面または両表面に塗布し、乾燥させる。Si結晶層は、遷移金属元素などの金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素を構成元素としてさらに含んでいてもよい。ケイ素が金属元素および/またはケイ素以外の半金属元素と合金を構成していてもよい。次に、Si結晶層に対して加熱処理を施し、Si結晶層にホウ素と酸素をコドープする。これにより、ケイ素と酸素とホウ素とを含むSi含有層が得られる。
加熱処理の温度と時間により、Si結晶層に対して酸素とホウ素をコドープする深さを制御可能である。層表面のみに酸素とホウ素をドープする場合には、加熱処理の温度は、600℃以上900℃未満とすることが好ましい。また、加熱処理の時間は、0.1時間以上10時間以下とすることが好ましい。一方、層表面から所定深さの位置まで酸素とホウ素をドープする、または層全体に酸素とホウ素をドープする場合には、加熱処理の温度は、900℃以上1000℃以下とすることが好ましい。また、加熱処理の時間は、0.1時間以上24時間以下とすることが好ましい。加熱処理の雰囲気を酸化雰囲気または還元雰囲気とすることで、Si結晶層に対する酸素およびホウ素のコドープ量を制御可能である。
次に、Si含有層の表面を溶媒で洗浄、またはSi含有層を溶媒に投入し、Si含有層の表面に固着したホウ素と酸素を溶解する。以上により、目的とするSi含有層が得られる。
なお、Si含有層が所定のパターンを有する場合には、Si結晶層をパターニングした後、上述のドーピング処理を施してSi結晶層をSi含有層にするようにしてもよいし、上述のドーピング処理を施してSi結晶層をSi含有層にした後、Si含有層をパターニングしてもよい。
[効果]
第2の実施形態によれば、ケイ素と酸素とホウ素とを含有する新規なSi含有層を提供できる。このSi含有層は、負極活物質層もしくは負極、または導電層として用いて好適なものである。
23粉体と溶媒とを含む溶液をSi結晶層の表面に塗布した後、熱処理を施すことにより、Si結晶層に対してBO3をドープすることができる。また、溶媒としては水やアルコール溶媒などの一般的な溶媒を用いることができる。したがって、簡易なプロセスにより、BO3がドープされたSi含有層(例えば、負極活物質層もしくは負極、または導電層)を得ることができる。
23粉体と溶媒とを含む溶液を、Si結晶層の表面に塗布した後、熱処理を施すプロセスにより、Si結晶層に対してBO3をドープすることができる。このプロセスは、種々の形状を有するSi結晶層に対して適用することができる。
湿式混合と熱処理で簡易にSi結晶層をSiBxy化することができる。ホウ素が酸素と同時ドープされることにより、通常のSiOxよりも高導電性を得ることができる。第2の実施形態に係るSi含有層の製造方法により、Si結晶層の表面にケイ素と酸素とホウ素とを含む被覆層を形成した場合には、被覆層の剥がれが抑制される。これは、第2の実施形態に係るSi含有層の製造方法では、B−Oの拡散によるSiの酸化を利用しているからである。熱処理温度でSiBxy被覆の厚さを制御できる。B23は水溶性のため、ドープ後にSi含有層の表面に残留した未反応物を水洗で除去することが可能である。
[変形例]
(変形例1)
Si含有層が基材の表面に設けられ、導電性基材が構成されるようにしてもよい。基材としては、例えば、ガラス、金属または金属酸化物などにより構成された無機材料基材、あるいは、プラスチックなどの有機材料基材が用いられる。
(変形例2)
Si含有層が、第1の実施形態に係るSi含有粒子により構成されていてもよい。この場合、Si含有粒子同士が焼結されて焼結体が構成されていてもよい。Si含有層が、結着剤、固体電解質および導電助剤のうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。結着剤としては、有機結着剤および無機結着剤のいずれを用いてもよい。Si含有層が、無機結着剤および固体電解質のうちの少なくとも1種を含む場合には、その少なくとも1種の材料は焼結されていてもよい。
<3 第3の実施形態>
[電池の構成]
以下、図2を参照しながら、本技術の第3の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例について説明する。この非水電解質二次電池は、例えば、負極の容量が、電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この非水電解質二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、ニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、電解質としての電解液が注入され、正極21、負極22およびセパレータ23に含浸されている。また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、封口ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられている。これにより、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合に、ディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。封口ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には、例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
以下、図3を参照しながら、非水電解質二次電池を構成する正極21、負極22、セパレータ23、および電解液について順次説明する。
(正極)
正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、電極反応物質であるリチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質層21Bは、必要に応じて添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、導電剤および結着剤のうちの少なくとも1種を用いることができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(A)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(B)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(C)、式(D)もしくは式(E)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(F)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(G)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)などがある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z ・・・(A)
(但し、式(A)中、M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4 ・・・(B)
(但し、式(B)中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k ・・・(C)
(但し、式(C)中、M3は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q ・・・(D)
(但し、式(D)中、M4は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u ・・・(E)
(但し、式(E)中、M5は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy ・・・(F)
(但し、式(F)中、M6は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM7PO4 ・・・(G)
(但し、式(G)中、M7は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などの樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体などから選択される少なくとも1種が用いられる。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、それらのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。
(負極)
負極22は、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質層22Bは、必要に応じて結着剤や導電剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。負極活物質は、上述の第1の実施形態に係るSi含有粒子の粉体である。負極活物質層22Bとして、上述の第2の実施形態に係るSi含有層を用いてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などの樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体などから選択される少なくとも1種が用いられる。導電剤としては、正極活物質層の場合と同様の炭素材料などを用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの樹脂製の多孔質膜によって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特にポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。他にも、化学的安定性を備えた樹脂を、ポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合またはブレンド化した材料を用いることができる。あるいは、多孔質膜は、ポリプロピレン層と、ポリエチレン層と、ポリプロピレン層とを順次に積層した3層以上の構造を有していてもよい。
また、セパレータ23は、基材である多孔質膜の片面または両面に樹脂層が設けられていてもよい。樹脂層は、無機物が担持された多孔性のマトリックス樹脂層である。これにより、耐酸化性を得ることができ、セパレータ23の劣化を抑制できる。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いることができ、また、これらの共重合体を用いることも可能である。
無機物としては、金属、半導体、またはこれらの酸化物、窒化物を挙げることができる。例えば、金属としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等、半導体としては、ケイ素(Si)、ホウ素(B)等を挙げることができる。また、無機物としては、実質的に導電性がなく、熱容量の大きいものが好ましい。熱容量が大きいと、電流発熱時のヒートシンクとして有用であり、電池の熱暴走をより抑制することが可能になるからである。このような無機物としては、アルミナ(Al23)、ベーマイト(アルミナの一水和物)、タルク、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiOx)等の酸化物または窒化物が挙げられる。
無機物の粒径としては、1nm〜10μmの範囲内が好ましい。1nmより小さいと、入手が困難であり、また入手できたとしてもコスト的に見合わない。10μmより大きいと電極間距離が大きくなり、限られたスペースで活物質充填量が十分得られず電池容量が低くなるからである。
樹脂層の形成方法としては、例えば、マトリックス樹脂、溶媒および無機物からなるスラリーを基材(多孔質膜)上に塗布し、マトリックス樹脂の貧溶媒且つ上記溶媒の親溶媒浴中を通過させて相分離させ、その後、乾燥させることで形成できる。
また、セパレータ23の突き刺し強度としては、100gf〜1000gfの範囲内であることが好ましい。さらに好ましくは、100gf〜480gfである。突き刺し強度が低いとショートが発生することがあり、高いとイオン伝導性が低下してしまうからである。
また、セパレータ23の透気度としては、30sec/100cc〜1000sec/100ccの範囲内であることが好ましい。さらに好ましくは、30sec/100cc〜680sec/100ccである。透気度が低いとショートが発生することがあり、高いとイオン伝導性が低下してしまうからである。
なお、上述した無機物は、基材としての多孔質膜に含有されていてもよい。
(電解液)
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。電解液が、電池特性を向上するために、公知の添加剤を含んでいてもよい。
溶媒としては、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの環状の炭酸エステルを用いることができ、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンのうちの一方、特に両方を混合して用いることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。
溶媒としては、また、これらの環状の炭酸エステルに加えて、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの鎖状の炭酸エステルを混合して用いることが好ましい。高いイオン伝導性を得ることができるからである。
溶媒としては、さらにまた、2,4−ジフルオロアニソールあるいは炭酸ビニレンを含むこと好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を向上させることができ、また、炭酸ビニレンはサイクル特性を向上させることができるからである。よって、これらを混合して用いれば、放電容量およびサイクル特性を向上させることができるので好ましい。
これらの他にも、溶媒としては、炭酸ブチレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチルなどが挙げられる。
なお、これらの非水溶媒の少なくとも一部の水素をフッ素で置換した化合物は、組み合わせる電極の種類によっては、電極反応の可逆性を向上させることができる場合があるので、好ましい場合もある。
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、ジフルオロ[オキソラト−O,O']ホウ酸リチウム、リチウムビスオキサレートボレート、あるいはLiBrなどが挙げられる。中でも、LiPF6は高いイオン伝導性を得ることができるとともに、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
上述の構成を有する非水電解質二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
[電池の製造方法]
次に、本技術の第3の実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。
まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21を形成する。
また、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
次に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けるとともに、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。次に、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回する。次に、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接するとともに、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。次に、正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。次に、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16を封口ガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図3に示した二次電池が得られる。
<4.第4の実施形態>
[電池の構成]
図4は、本技術の第4の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。この非水電解質二次電池はいわゆる扁平型または角型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。あるいは、アルミニウム製フィルムを心材として、その片面または両面に高分子フィルムを積層したラミネートフィルムを用いても良い。
図5は、図4に示した巻回電極体30のV−V線に沿った断面図である。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。負極34は、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ第3の実施形態における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液の組成は、第3の実施形態に係る二次電池と同様である。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
なお、第3の実施形態にてセパレータ23の樹脂層の説明で述べた無機物と同様の無機物が、ゲル状の電解質層36に含まれていても良い。より耐熱性を向上できるからである。
[電池の製造方法]
次に、本技術の第4の実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。
まず、正極33および負極34のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。次に、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。次に、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図4および図5に示した二次電池が得られる。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述のようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付ける。次に、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。次に、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
次に、電解質用組成物を外装部材40内に注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次に、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成する。以上により、図5に示した二次電池が得られる。
<5.第5の実施形態>
第5の実施形態では、第3または第4の実施形態に係る非水電解質二次電池を備える電池パックおよび電子機器について説明する。
以下、図6を参照して、本技術の第5の実施形態に係る電池パック300および電子機器400の一構成例について説明する。電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、電池パック300とを備える。電池パック300は、正極端子331aおよび負極端子331bを介して電子回路401に対して電気的に接続されている。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電池パック300の充電時には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック300の放電時(電子機器400の使用時)には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、電子回路401の正極端子、負極端子に接続される。
電子機器400としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォンなど)、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:PDA)、表示装置(LCD、ELディスプレイ、電子ペーパなど)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機などが挙げられるが、これに限定されるものでなない。
(電子回路)
電子回路401は、例えば、CPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器400の全体を制御する。
(電池パック)
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の二次電池301aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。なお、図6では、6つの二次電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例が示されている。二次電池301aとしては、第3または第4の実施形態に係る非水電解質二次電池が用いられる。
充電時には、充放電回路302は、組電池301に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、充放電回路302は、電子機器400に対する放電を制御する。
<6.第6の実施形態>
第6の実施形態では、第3または第4の実施形態に係る非水電解質二次電池を蓄電装置に備える蓄電システムについて説明する。この蓄電システムは、およそ電力を使用するものである限り、どのようなものであってもよく、単なる電力装置も含む。この電力システムは、例えば、スマートグリッド、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、車両など含み、蓄電も可能である。
[蓄電システムの構成]
以下、図7を参照して、第6の実施形態に係る蓄電システム(電力システム)100の構成例について説明する。この蓄電システム100は、住宅用の蓄電システムであり、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102cなどの集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108などを介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104などの独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅101には、家庭内発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、パワーハブ108、各種情報を取得するセンサ111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。家庭内発電装置104として、太陽電池、燃料電池などが利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105dなどである。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cなどである。
蓄電装置103は、第3または第4の実施形態に係る非水電解質二次電池を備えている。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数の組み合わせであってもよい。
各種のセンサ111は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサなどである。各種のセンサ111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサ111からの情報によって、気象の状態、人の状態などが把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報を、インターネットを介して外部の電力会社などに送信することができる。
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換などの処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)などの通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、Wi−Fiなどの無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、およびサービスプロバイダーのいずれかによって管理されていてもよい。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信してもよいが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機など)から送受信してもよい。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などに、表示されてもよい。
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種のセンサ111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能などを備えていてもよい。
以上のように、電力が火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102cなどの集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されてもよいし、単独で構成されていてもよい。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
<7.第7の実施形態>
第7の実施形態では、第3または第4の実施形態に係る非水電解質二次電池を備える電動車両について説明する。
図8を参照して、本技術の第7の実施形態に係る電動車両の一構成について説明する。このハイブリッド車両200は、シリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両である。シリーズハイブリッドシステムは、エンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置203で走行する車である。
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリー208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリー208としては、第3または第4の実施形態に係る非水電解質二次電池が用いられる。
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリー208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリー208に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両200が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリー208に蓄積される。
バッテリー208は、充電口211を介してハイブリッド車両200の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、非水電解質二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていてもよい。このような情報処理装置としては、例えば、非水電解質二次電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、またはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力をいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例においてXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)、SEM(Scanning Electron Microscope)およびXRD(X‐ray diffraction)には、以下の装置を用いた。
(XPS)
装置:JEOL JPS9010
測定:ワイドスキャン、ナロースキャン(Si2p、C1s、O1s、B1s)。
すべてのピークは、C1sの248.6eVで補正し、バックグラウンド除去とピークフィッティングを行うことにより結合状態を解析した。
(SEM)
装置:Hitachi S−4800
測定:2次電子像
Si断面解析は、試料としてSi含有基板を用い、B−O処理後、へき開することにより清浄な断面を形成した。
(XRD)
装置:Bruker D8 Advance
測定:2θ−θ スキャン
本実施例について以下の順序で説明する。
i 還元雰囲気下にて作製したB−OコドープSi含有粒子の粉体
ii 酸化雰囲気にて作製したB−OコドープSi含有基板
iii 酸化雰囲気にて作製したB−OコドープSi含有粒子の粉体
iv B−OコドープSi含有粒子の粉体を用いた電池
<i 還元雰囲気下にて作製したB−OコドープSi含有粒子の粉体>
(実施例1−1)
(材料)
まず、以下の材料を準備した。
Si:0.75μm結晶粉、キンセイマテック製
23:粉体(99.98%)、Sigma-Aldrich製
トリエタノールアミン:液体(≧99.0%(GC))、Sigma-Aldrich製
(B−Oドーピングプロセス)
次に、上記材料を用いて、以下のようにしてB−Oドーピングプロセスを実施した。まず、100mlビーカーに1gのB23を5wt%トリエタノールアミン含有H2O(10ml)に溶解(60℃程度で加熱溶解)させることにより、B23溶液を調製した。次に、このB23溶液に5gのSiを投入した。なお、SiとB23の比を合わせれば、kg単位以上の大量合成も可能である。次に、混合物が入ったビーカーをホットプレート(100℃)上にて撹拌しつつ乾燥させた。乾燥後、混合粉体を回収し、乳鉢で混練することによりほぐした(5分程度)。次に、ほぐした混合粉体に対して還元雰囲気下で1000℃にて3時間熱処理を施した。熱処理後、混合粉体は溶融したガラス状B23にて固着していた。次に、固着したSi−B23混合物を50mlのH2Oに投入し、60℃にて加熱し、1時間放置した。これにより、固着したB23がH2Oに溶解し、B−OコドープSi含有粒子の粉体が得られた。得られたB−OコドープSi含有粒子の粉体をH2Oにてリンスし、遠心分離により沈降分離させ、回収した。このリンス処理を3回繰り返した。次に、回収した粉体をメノウ乳鉢ですりつぶし、50μm粗さのふるいにかけ、目的とするB−OコドープSi含有粒子の粉体を得た。
(比較例1−1)
B−Oドーピングプロセスを施さず、そのままの状態のSi結晶粒子の粉体をサンプルとした。
(XPS)
上述のようにして得られた実施例1−1、比較例1−1の粉体の表面をXPSにより評価した。
(結果)
図9Aに、実施例1−1のSi含有粒子の粉体表面、および比較例1−1のSi結晶粒子の粉体表面のXPSプロファイルを示す。B−Oドーピングプロセスを施していない比較例1−1では、Si(Si0)とSiO2(Si4+)の明瞭なピークが観測される。一方、B−Oドーピングプロセスを施した実施例1−1では、ピーク形状が比較例1−1とは全く異なり、Si(Si0)とSiO2(Si4+)のピークは観測されず、SiO(Si2+)の明瞭なピークが観測される。
実施例1−1のB−OコドープSi含有粒子の粉体では、実際にはB単独ドープとBO3クラスタドープの混合と推測されるので、粒子表面の状態はSi−B−Oのアモルファス状態と考えられる。BO3クラスタはSi中を転がるように拡散すると推測される。なお、XPS評価用の粉体では、フッ酸処理により、SiO2やボロガラス等のガラス成分は除去されている。SiOはSiO2と比較し、フッ酸に溶解しにくい。
<ii 酸化雰囲気にて作製したB−OコドープSi含有基板>
上述の実施例1−1では、還元雰囲気下にてB−Oドーピングプロセスを実施したが、以下の実施例2−1〜2−3では、BO3クラスタの還元を防ぐため、酸化雰囲気(具体的には大気雰囲気)にてB−Oドーピングプロセスを実施した。
(実施例2−1)
次に、実施例1と同様の材料を用いて、以下のようにしてBドーピングプロセスを実施した。まず、100mlビーカーに1gのB23を5wt%トリエタノールアミン含有H2O(10ml)に溶解(60℃程度で加熱溶解)することにより、B23溶液を調製した。次に、このB23溶液をSi結晶基板の表面に塗布し、乾燥させた。次に、大気雰囲気下で800℃にて3時間熱処理を施した。熱処理後、基板表面には、溶融したガラス状B23が固着していた。次に、基板をH2Oに投入し、60℃にて加熱し、1時間放置した。これにより、表面に固着したB23がH2Oに溶解し、B−OコドープSi含有基板が得られた。
(実施例2−2)
23溶液をSi結晶基板の表面に塗布し、乾燥させた後、大気雰囲気下で900℃にて3時間熱処理を施したこと以外は、実施例2と同様にしてB−OコドープSi含有基板を得た。
(実施例2−3)
23溶液をSi結晶基板の表面に塗布し、乾燥させた後、大気雰囲気下で1000℃にて3時間熱処理を施したこと以外は、実施例2と同様にしてB−OコドープSi含有基板を得た。
(比較例2−1)
B−Oドーピングプロセスを施さず、そのままの状態のSi結晶基板をサンプルとした。
(XPS)
上述のようにして得られた実施例2−1〜2−3のB−OコドープSi含有基板の表面、比較例2−1のSi結晶基板の表面をXPSにより評価した。
(SEM)
上述のようにして得られた実施例2−1、2−3のB−OコドープSi含有基板の表面をSEMにより観察した。
(組成分析)
上述のようにして得られた実施例2−1のB−OコドープSi含有基板の表面を組成分析した。SEM−EDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)により組成分析を行った。
(結果)
図9Bに、実施例2−1〜2−3のSi含有基板の表面、および比較例2−1のSi結晶基板の表面のXPSプロファイルを示す。B−Oドーピングプロセスを行わなかった比較例2−1では、比較例1−1のXPSの評価結果と同様に、Si(Si0)とSiO2(Si4+)の明瞭なピークが観測される。一方、大気雰囲気下で800℃以上の熱処理を施すB−Oドーピングプロセスを行った実施例2−1〜2−3では、実施例1−1のXPSの評価結果と同様に、Si0やSi4+のピークは観測されず、Si2+のピークが観測される。この結果から、SiのSiOx化を確認できる。通常の大気酸化ならば、SiO2化するはずであるが、B−Oコドープの場合、SiがSiOx化し、SiOへ改質されたことがわかる。なお、XPS評価用の基板では、B−Oコドープ処理後、フッ酸処理により、SiO2やボロガラス等のガラス成分は除去されている。SiOはフッ酸に溶解しない。
図10Aに、実施例2−1のSi含有基板(800℃処理)の表面および断面SEM像を示す。図10Bに、実施例2−3のSi含有基板(1000℃処理)の表面および断面SEM像を示す。処理温度によらず、表面はポーラスな状態となっており、これはSiOx化(アモルファス化)の影響と考えられる。断面SEMの結果によれば、800℃処理では、深さ50nm程度までSiOx化されており、Siにとって被覆に近い状態といえる。一方、1000℃処理の場合、厚さ1.5μmの深い領域までSiOx化されている。この結果は、処理温度によって、SiOx領域の厚さをコントロールできることを示している。800℃以上の処理では、XPSの評価結果に変化がみられないため、800℃〜1000℃の処理温度では、形成したSiOxの品質は同様と考えられる。800℃処理はSi結晶粒子またはSi結晶基板のSiOx被覆処理に用いて好適であり、1000℃処理はSi結晶粒子またはSi結晶基板のSiOx活物質化に用いて好適であると考えられる。
以下に、組成分析の結果を示す。
ホウ素の含有量:48.64原子%
酸素の含有量:20.86原子%
ケイ素の含有量:30.50原子%
上記結果から、本実施例におけるホウ素のドーピング量は、一般的な半導体の製造プロセスにおけるホウ素のドーピング量に比して極めて高いことがわかる。
<iii 酸化雰囲気にて作製したB−OコドープSi含有粒子の粉体>
(実施例3−1)
ほぐした混合粉体に対して酸化雰囲気下(大気雰囲気)にて1000℃、3時間熱処理を施したこと以外は、実施例1−1と同様にしてB−OコドープSi含有粒子の粉体を得た。
(実施例3−2)
ほぐした混合粉体に対して還元雰囲気下にて1000℃、3時間熱処理を施したこと以外は、実施例3−1と同様にしてB−OコドープSi含有粒子の粉体を得た。
(比較例3−1)
B−Oドーピングプロセスを施さず、そのままの状態のSi結晶粒子の粉体をサンプルとした。
(XPS)
上述のようにして得られた実施例3−1のB−OコドープSi含有粒子の粉体表面、比較例2−1のSi結晶粒子の粉体表面をXPSにより評価した。
(XRD)
上述のようにして得られた実施例3−1、3−3のB−OコドープSi含有粒子の粉体表面、比較例3−1のSi結晶粒子の粉体表面をXRDにより評価した。
(結果)
図11Aに、実施例3−1のSi含有粒子の粉体表面、および比較例3−1のSi結晶粒子の粉体表面のXPSプロファイルを示す。B−Oドーピングプロセスを施していない比較例3−1では、Si(Si0)とSiO2(Si4+)の明瞭なピークが観測される。一方、B−Oドーピングプロセスを施した実施例3−1では、ピーク形状が比較例3−1とは全く異なり、Si(Si0)とSiO2(Si4+)のピークは観測されず、SiO(Si2+)の明瞭なピークが観測される。
図11Bに、実施例3−1、3−2のSi含有粒子表面、および比較例3−1のSi結晶粒子の粉体表面のXRDパターンを示す。還元雰囲気下にてB−Oコドープ処理を施した実施例3−2では、Si結晶のピークが観察される。このピーク強度は、B−Oコドープ処理を施さなかった比較例4−1よりも多少低い程度である。これは、実施例4−2では、B単独ドープとBO3クラスタドープのうち前者が粒子表面で支配的となるためと考えられる。一方、大気雰囲気下にてB−Oコドープ処理を施した実施例4−1では、Si結晶のピークが消えている。この結果は、Si結晶がSiOx化によりアモルファス化したことを証明している。
<iv B−OコドープSi含有粒子の粉体を用いた電池>
(実施例4−1)
負極活物質としてB−OコドープSi含有粒子の粉体を含む負極を作用極とし、Li金属箔を対極とする、2016サイズ(直径20mm、高さ1.6mmのサイズ)のコイン型の半電池(以下「対極Liコインセル」という。)を以下のようにして作製した。
まず、ほぐした混合粉体に対して酸化雰囲気下(大気雰囲気)にて800℃、3時間熱処理を施したこと以外は、実施例3−1と同様にしてB−OコドープSi含有粒子の粉体を得た。次に、このB−OコドープSi含有粒子の粉体と、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液(宇部興産株式会社製、商品名:U−ワニス−A)とを重量比で7:2となるように秤量し、これららを適当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散し、負極合剤スラリーとした。次に、調製した負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)上に塗布した後、真空焼成炉により700度で乾燥し、負極活物質層を銅箔上に形成することにより、負極を得た。次に、この負極を直径15mmの円形状に打ち抜いたのち、プレス機により圧縮した。これにより、目的とする負極が得られた。
次に、対極として直径15mmの円形状に打ち抜いたLi金属箔を準備した。次に、セパレータとしてポリエチレン製の微多孔フィルムを準備した。次に、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:1の質量比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1mol/kgの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。
次に、作製した正極と負極とを微多孔フィルムを介して積層して積層体とし、この積層体とともに非水電解液を外装カップおよび外装缶の内部に収容させてガスケットを介してかしめた。これにより、目的とする対極Liコインセルが得られた。
(実施例4−2)
負極活物質として実施例3−1のB−OコドープSi含有粒子の粉体(ドープ条件:酸化雰囲気下(大気雰囲気)、1000℃、3時間熱処理)を用いたこと以外は、実施例4−1と同様にして対極Liコインセルを得た。
(比較例4−1)
負極活物質として比較例3−1のSi結晶粒子の粉体(非ドープ)を用いたこと以外は、実施例4−1と同様にして対極Liコインセルを得た。
(実施例5−1)
B−OコドープSi含有粒子の粉体を負極活物質とし、コバルト酸リチウム(LCO)を正極活物質とする、2016サイズのコイン型のリチウムイオン二次電池(以下「LCO正極コインセル」という。)を以下のようにして作製した。
まず、コバルト酸リチウムと、カーボンブラック(導電剤)と、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)とを、適当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混錬し、100℃で乾燥することで正極合剤粉を得た。次に、この合剤粉をΦ15mmのアルミニウムメッシュにプレスで定着させることにより、正極を得た。
次に、実施例4−1と同様にして負極を得た。次に、電解液としてA77(富山化学製)を準備した。次に、作製した正極と負極とを微多孔フィルムを介して積層して積層体とし、この積層体とともに非水電解液を外装カップおよび外装缶の内部に収容させてガスケットを介してかしめた。これにより、目的とするLCO正極コインセルが得られた。
(実施例5−2)
負極活物質として実施例3−2のB−OコドープSi含有粒子の粉体(ドープ条件:酸化雰囲気下(大気雰囲気)、1000℃、3時間熱処理)を用いたこと以外は、実施例5−1と同様にしてLCO正極コインセルを得た。
(比較例5−1)
負極活物質として比較例3−1のSi結晶粒子の粉体(非ドープ)を用いたこと以外は、実施例5−1と同様にしてLCO正極コインセルを得た。
(導電性)
実施例4−1、4−2のB−OコドープSi含有粒子の粉体、比較例4−1のSi結晶粒子の粉体をそれぞれ用いて、粉体ペレット(バインダー無添加)を作製した。次に、2端子測定法によりペレットの表裏間の抵抗を測定した。なお、表1に示した導電性の評結果は、B−Oドーピングプロセスを施していないSi結晶粒子の粉体(比較例4−1)を用いて作製した粉体ペレットの測定抵抗を基準値「1」とし、相対比で表した。
(初回充放電特性)
上述のようにして作製した実施例4−1、4−2、比較例4−1の対極Liコインセルに対して、以下の条件にて充放電試験を行い、対極Liコインセルの初回充放電特性(初回充放電カーブ、初期容量(初回放電容量)および初期効率)を調べた。
Charge:0V CCCV(Constant Current/Constant Voltage) 0.2mA/cm2 0.04mA cut
Discharge:CC(Constant Current) 1.5V 0.2mA/cm2
なお、初期効率は以下の式より求めた。
初期効率(%)=(初回放電容量/初回充電容量)×100
(負荷特性)
上述のように作製した実施例5−1、5−2、比較例5−1のLCOコインセルの負荷特性を以下のようにして評価した。電流0.2C(=0.4mA/cm2)で定電流放電を行った時の放電容量と、電流2C(=4mA/cm2)で定電流放電を行った時の放電容量を求め、以下の式から負荷特性を求めた。なお、0.2Cは理論容量を5時間で放電しきる電流値であり、2Cは理論容量を30分で放電しきる電流値である。
負荷特性(%)=(電流2Cでの放電容量/電流0.2Cでの放電容量)×100
(サイクル特性)
上述のようにして作製した実施例5−1、5−2、比較例5−1のLCO正極コインセルに対して、以下の条件にて充放電試験を行い、LCO正極コインセルのサイクル特性を調べた。
Charge:0V CCCV 1.0mA/cm2 0.04mA cut
Discharge:CC 1.5V 1.0mA/cm2
(結果)
図12Aに、実施例4−1、4−2、比較例4−1のLi対極コインセルにおける初回充放電カーブを示し、図12Bに、実施例5−1、5−2、比較例5−1のLCO正極コインセルにおけるサイクル特性(Si利用率55%)を示す。また、表1に、充放電特性のサマリーを示す。
実施例4−1、4−2、比較例4−1:対極Liコインセル
実施例5−1、5−2、比較例5−1:LCO正極コインセル
B−Oドーピングプロセスにて800℃の熱処理(厚さ50nm程度のSi−B−O被覆Si)を施したSi含有粒子の粉体を用いたサンプル(以下「800℃の熱処理サンプル」という。)では、未処理のSi結晶粒子の粉体を用いたサンプル(以下「未処理サンプル」という。)と比較して、11%程度の初期容量の低下がみられる。しかしながら、両サンプルの充放電カーブ形状には大きな違いはみられない。800℃の熱処理サンプルでは、未処理のサンプルに比して、良好な初期効率、負荷特性およびサイクルが得られている。また、800℃の熱処理サンプルでは、未処理のサンプルに比して、導電性を向上することができる。
B−Oドーピングプロセスにて1000℃の熱処理(粒子全体がSiOx化)を施したSi含有粒子の粉体を用いたサンプル(以下「1000℃の熱処理サンプル」という。)では、0.5V以上の放電カーブがなだらかである。その初回効率は56.5%と低い。これは、酸素におけるLiトラップが要因と考えられる。1000℃の熱処理サンプルでは、未処理のサンプルに比して、良好なサイクル特性が得られる。
以上、本技術の実施形態およびその変形例、ならびに実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態および実施例では、電解質として電解液またはゲル電解質を備える電池に対して本技術を適用した例について説明したが、本技術はこの例に限定されるものではない。例えば、本技術は薄膜型全固体電池またはバルク型全固体電池にも適用可能である。
また、上述の実施形態および実施例では、円筒型、扁平型、角型およびコイン型の電池に本技術を適用した例について説明したが、電池の形状は特に限定されるものではない。例えば、スマートウオッチ、ヘッドマウンドディスプレイ、iGlass(登録商標)などのウェアラブル端末に搭載されるフレキシブル電池などについても適用することができる。
また、上述の実施形態および実施例では、巻回構造を有する電池に対して本技術を適用した例について説明したが、電池の構造はこれに限定されるものではなく、正極および負極を折り畳んだ構造、または積み重ねた構造を有する電池などに対しても本技術は適用可能である。
また、上述の実施形態および実施例では、電極が集電体と活物質層とを備える構成を例として説明したが、電極の構成はこれに限定されるもではない。例えば、電極が活物質層のみからなる構成としてもよい。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
ケイ素と酸素とホウ素とを含み、
上記酸素と上記ホウ素の濃度が、傾斜している負極活物質粒子。
(2)
上記ケイ素と上記酸素と上記ホウ素を含む部分は、アモルファス状態を有する(1)に記載の負極活物質粒子。
(3)
上記ケイ素と上記酸素と上記ホウ素を含む部分は、ポーラス状を有する(1)または(2)のいずれかに記載の負極活物質粒子。
(4)
上記酸素と上記ホウ素とは、負極活物質粒子の表面にのみ含まれている(1)から(3)のいずれかに記載の負極活物質粒子。
(5)
上記酸素と上記ホウ素とは、負極活物質粒子の全体に含まれている(1)から(3)のいずれかに記載の負極活物質粒子。
(6)
負極活物質粒子の表面において、上記ケイ素、上記酸素および上記ホウ素の総量に対する上記ホウ素の含有量は、1原子%以上50原子%以下である(1)から(5)のいずれかに記載の負極活物質粒子。
(7)
導電性を有している(1)から(6)のいずれかに記載の負極活物質粒子。
(8)
集電体上に、(1)から(7)のいずれかに記載の負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する負極。
(9)
正極と負極と電解質とを備え、
上記負極は、集電体上に、(1)から(7)のいずれかに記載の負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する電池。
(10)
熱処理を施すことにより、ケイ素を含む粒子に対して酸素とホウ素をドーピングすることを含み、
ドーピングされた上記酸素と上記ホウ素の濃度が、傾斜している負極活物質粒子の製造方法。
(11)
上記熱処理の温度は、600℃以上900℃未満である(10)に記載の負極活物質粒子の製造方法。
(12)
上記熱処理の温度は、900℃以上1000℃以下である(10)に記載の負極活物質粒子の製造方法。
(13)
上記熱処理は、酸化雰囲気下にて施される(10)から(12)のいずれかに記載の負極活物質粒子の製造方法。
(14)
ケイ素と酸素とホウ素とを含有する導電性粒子。
(15)
ケイ素と酸素とホウ素とを含有する導電層。
(16)
(9)に記載の電池を備える電池パック。
(17)
(9)に記載の電池を備え、
上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
(18)
(9)に記載の電池と、
上記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を備える電動車両。
(19)
(9)に記載の電池を備え、
上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
(20)
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う(19)に記載の蓄電装置。
(21)
(9)に記載の電池を備え、
上記電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記電池に電力が供給される電力システム。
11 電池缶
12、13 絶縁板
14 電池蓋
15 安全弁機構
15A ディスク板
16 熱感抵抗素子
17 ガスケット
20 巻回電極体
21 正極
21A 正極集電体
21B 正極活物質層
22 負極
22A 負極集電体
22B 負極活物質層
23 セパレータ
24 センターピン
25 正極リード
26 負極リード

Claims (14)

  1. ケイ素と酸素とホウ素とを含み、
    上記酸素と上記ホウ素の濃度が、傾斜している負極活物質粒子。
  2. 上記ケイ素と上記酸素と上記ホウ素を含む部分は、アモルファス状態を有する請求項1に記載の負極活物質粒子。
  3. 上記ケイ素と上記酸素と上記ホウ素を含む部分は、ポーラス状を有する請求項1に記載の負極活物質粒子。
  4. 上記酸素と上記ホウ素とは、負極活物質粒子の表面にのみ含まれている請求項1に記載の負極活物質粒子。
  5. 上記酸素と上記ホウ素とは、負極活物質粒子の全体に含まれている請求項1に記載の負極活物質粒子。
  6. 負極活物質粒子の表面において、上記ケイ素、上記酸素および上記ホウ素の総量に対する上記ホウ素の含有量は、1原子%以上50原子%以下である請求項1に記載の負極活物質粒子。
  7. 導電性を有している請求項1に記載の負極活物質粒子。
  8. 集電体上に、請求項1に記載の負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する負極。
  9. 正極と負極と電解質とを備え、
    上記負極は、集電体上に、請求項1に記載の負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する電池。
  10. 熱処理を施すことにより、ケイ素を含む粒子に対して酸素とホウ素をドーピングすることを含み、
    ドーピングされた上記酸素と上記ホウ素の濃度が、傾斜している負極活物質粒子の製造方法。
  11. 上記熱処理の温度は、600℃以上900℃未満である請求項10に記載の負極活物質粒子の製造方法。
  12. 上記熱処理の温度は、900℃以上1000℃以下である請求項10に記載の負極活物質粒子の製造方法。
  13. 上記熱処理は、酸化雰囲気下にて施される請求項10に記載の負極活物質粒子の製造方法。
  14. ケイ素と酸素とホウ素とを含有する導電性粒子。
JP2015030934A 2015-02-19 2015-02-19 負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子 Pending JP2016152213A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015030934A JP2016152213A (ja) 2015-02-19 2015-02-19 負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015030934A JP2016152213A (ja) 2015-02-19 2015-02-19 負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016152213A true JP2016152213A (ja) 2016-08-22

Family

ID=56695450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015030934A Pending JP2016152213A (ja) 2015-02-19 2015-02-19 負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016152213A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019040728A (ja) * 2017-08-24 2019-03-14 トヨタ自動車株式会社 負極活物質粒子、負極、リチウムイオン二次電池、および負極活物質粒子の製造方法
CN111316479A (zh) * 2017-11-06 2020-06-19 株式会社Lg化学 负极活性材料、包含其的负极、包含所述负极的二次电池以及所述负极活性材料的制备方法
WO2023090911A1 (ko) * 2021-11-19 2023-05-25 주식회사 엘지에너지솔루션 음극 활물질, 상기 음극 활물질을 포함하는 음극, 상기 음극을 포함하는 이차 전지 및 상기 음극 활물질의 제조 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019040728A (ja) * 2017-08-24 2019-03-14 トヨタ自動車株式会社 負極活物質粒子、負極、リチウムイオン二次電池、および負極活物質粒子の製造方法
CN111316479A (zh) * 2017-11-06 2020-06-19 株式会社Lg化学 负极活性材料、包含其的负极、包含所述负极的二次电池以及所述负极活性材料的制备方法
CN111316479B (zh) * 2017-11-06 2022-05-03 株式会社Lg新能源 负极活性材料、包含其的负极、包含所述负极的二次电池以及所述负极活性材料的制备方法
US11495797B2 (en) 2017-11-06 2022-11-08 Lg Energy Solution, Ltd. Negative electrode active material, negative electrode including the same, secondary battery including the negative electrode, and preparation method of the negative electrode active material
WO2023090911A1 (ko) * 2021-11-19 2023-05-25 주식회사 엘지에너지솔루션 음극 활물질, 상기 음극 활물질을 포함하는 음극, 상기 음극을 포함하는 이차 전지 및 상기 음극 활물질의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10727530B2 (en) Positive electrode active material, positive electrode, battery, battery pack, electronic device, electric vehicle, power storage device, and power system
KR102334085B1 (ko) 정극 활물질, 정극, 전지, 전지 팩, 전자 기기, 전동 차량, 축전 장치 및 전력 시스템
US10784498B2 (en) Positive electrode, battery, battery pack, electronic device, electric vehicle, electricity storage device, and electric power system
US10665856B2 (en) Positive electrode active material, positive electrode, battery, battery pack, electronic device, electric vehicle, power storage device, and power system
WO2016157743A1 (ja) 負極活物質およびその製造方法、負極、ならびに電池
WO2015079624A1 (ja) 電極および電池
US11631901B2 (en) Battery, battery pack, electronic device, electric vehicle, electric storage device, and electric power system
US10629904B2 (en) Positive electrode active material, positive electrode, battery, battery pack, electronic device, electric vehicle, power storage device, and power system
WO2018012528A1 (ja) 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP2013222502A (ja) 正極活物質およびその製造方法、正極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置ならびに電力システム
JP2013222503A (ja) 正極活物質、正極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
KR102160332B1 (ko) 전지, 전지 팩, 전자 기기, 전동 차량, 축전 장치 및 전력 시스템
WO2018096909A1 (ja) 負極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
JP2016152213A (ja) 負極活物質粒子およびその製造方法、負極、電池、ならびに導電性粒子
WO2018198967A1 (ja) 正極活物質、正極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム
WO2018034045A1 (ja) 負極活物質及びその製造方法並びに非水系二次電池
JP7251554B2 (ja) 電池、電池パック、電子機器、電動車両および電力システム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171011

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171012