JP2016152181A - 非水二次電池用負極の製造方法、および非水二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生産性に優れた非水二次電池用負極の製造方法、および安全性に優れた非水二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】 本発明の非水二次電池用負極の製造方法は、負極集電体の少なくとも片面に、負極活物質、バインダ樹脂および溶媒を含有する負極合剤含有組成物を塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥して負極合剤層を形成する乾燥工程とを有しており、前記乾燥工程では、前記塗膜の加熱を開始して前記塗膜の表面温度を上昇させ、続いて前記塗膜の表面温度が降下してから所定温度(Ta)±5℃の範囲内に継続して収まるように前記塗膜の表面温度を調整し、その後に前記塗膜の表面温度が(Ta+5℃)×1.2℃以下の時点で乾燥を終了する。本発明の非水二次電池の製造方法は、本発明の非水二次電池用負極の製造方法によって負極を製造する工程を有することを特徴とする。【選択図】 なし
Description
本発明は、生産性に優れた非水二次電池用負極の製造方法、および安全性に優れた非水二次電池の製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水二次電池の負極には、通常、金属箔などからなる負極集電体の片面または両面に、負極活物質およびバインダなどを含有する負極合剤層を有する構造のものが使用されている。こうした負極は、例えば、集電体を巻き取ったロールから集電体を引き出し、その表面に、負極活物質、バインダおよび溶媒などを含有する負極合剤含有組成物(負極合剤層を形成するための塗料)を塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後にロール状に巻き取る工程を有する製造方法によって、連続的に製造される場合が多い。
そして、非水二次電池用の負極の製造に関しては、例えば生産性を高める観点から、種々の技術が開発されている。例えば、特許文献1には、負極合剤層を形成するための乾燥が終了した後の冷却時に、負極合剤層の表面にシワが生じたり割れが生じたりする虞があることに鑑み、集電体である金属箔の進行方向に従って温度が上昇すると共に、最終段階において温度が低下するように設定した乾燥手段を適用することで、こうした問題を回避する技術が提案されている。
ところで、特許文献1に記載の製造方法のように乾燥の最終段階に至る前に温度を上昇させ続けるのではなく、集電体の表面に形成した負極合剤含有組成物の塗膜の表面温度を一定に保つようにして乾燥を行った場合には、特許文献1で指摘されているような負極合剤層の割れなどが生じ難い。
ところが、近年は非水二次電池を小型化しつつ高容量化を図ることが求められることが多いが、例えば、負極集電体を薄くし、電池内に導入できる活物質量を増やす方法でこれに対応しようとすると、前記のように、集電体の表面に形成した塗膜の表面温度を一定に保つようにして乾燥する工程を有する製造方法によっても、形成される負極合剤層に割れが生じやすいことが、本発明者らの検討により明らかとなった。
負極合剤層に割れが生じた負極では、負極合剤層と集電体との密着性が悪く、導電性が低下するため、このような負極を用いて非水二次電池を製造すると、負極でLiが析出しやすくなって、安全性が損なわれてしまう。そのため、負極合剤層の割れが生じた部分は電池に使用できないことから、負極の生産性が低下してしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性に優れた非水二次電池用負極の製造方法、および安全性に優れた非水二次電池の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池用負極の製造方法は、負極集電体の少なくとも片面に、負極活物質、バインダ樹脂および溶媒を含有する負極合剤含有組成物を塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥して負極合剤層を形成する乾燥工程とを有しており、前記乾燥工程では、前記塗膜の加熱を開始して前記塗膜の表面温度を上昇させ、続いて前記塗膜の表面温度が降下してから所定温度(Ta)±5℃の範囲内に継続して収まるように前記塗膜の表面温度を調整し、その後に前記塗膜の表面温度が(Ta+5℃)×1.2℃以下の時点で乾燥を終了することを特徴とする。
また、本発明の非水二次電池の製造方法は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水二次電池を製造するに当たり、本発明の非水二次電池用負極の製造方法によって負極を製造する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、生産性に優れた非水二次電池用負極の製造方法、および安全性に優れた非水二次電池の製造方法を提供することができる。
<非水二次電池用負極の製造方法>
本発明の非水二次電池用負極(以下、単に「負極」という場合がある)の製造方法は、負極集電体の少なくとも片面に、負極活物質、バインダ樹脂および溶媒を含有する負極合剤含有組成物を塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥して負極合剤層を形成する乾燥工程とを有している。
本発明の非水二次電池用負極(以下、単に「負極」という場合がある)の製造方法は、負極集電体の少なくとも片面に、負極活物質、バインダ樹脂および溶媒を含有する負極合剤含有組成物を塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥して負極合剤層を形成する乾燥工程とを有している。
本発明の負極の製造方法に使用する装置の構成の一例の模式図を図1に示す。図1に示す装置は、負極集電体102を送り出すためのロール101と、負極集電体102上に負極合剤含有組成物を塗布して塗膜を形成するための塗布手段104と、負極集電体102上の負極合剤含有組成物の塗膜を乾燥するための乾燥手段105と、乾燥塗膜(負極合剤層)が形成された負極集電体102を巻き取るためのロール103とを有している。
前記装置では、負極集電体102を巻き取ったロール101から負極集電体102を送り出しロール103で巻き取ることで、装置内を負極集電体102が図中矢印方向に走行する間に、塗布手段104によって集電体102上に負極合剤含有組成物の塗膜を形成し、これを乾燥手段105によって乾燥して負極合剤層を形成することで、負極集電体102上に負極合剤層を連続的に形成することができる。
負極合剤層を形成するための負極合剤含有組成物は、負極活物質、バインダ樹脂および溶媒を含有するもの(スラリー、ペーストなど)であり、負極活物質などが溶媒中に分散している(バインダ樹脂は溶媒中に溶解していてもよい)。この負極合剤含有組成物が負極集電体上に塗布されて塗膜が形成され、乾燥により塗膜から溶媒が除去されて、負極合剤層が形成される。
本発明の負極の製造方法の塗膜形成工程において、負極合剤含有組成物を負極集電体上に塗布する塗布手段については、特に制限はなく、従来の負極の製造で使用されている公知の塗布方法(グラビアコート、ダイコート、ダムコータなどを使用する方法)などと同じ方法を採用することができる。
図1に示すような装置を用いた乾燥工程中の、負極合剤含有組成物の塗膜(以下、特に断りなく「塗膜」と記載した場合は、負極合剤含有組成物の塗膜を意味する)の表面温度の変化の様子を図2に示す。図2に示す塗膜の表面温度の変化の様子は、塗膜の表面温度が所定温度Ta(℃)となるように調整することで、表面温度がTa±5℃の一定温度に保たれた状態で塗膜を乾燥する場合のものである。図2では、塗膜が形成された負極集電体が乾燥手段内に入ってから乾燥手段を出るまでの時間(すなわち、乾燥工程での経過時間)を横軸に示し、塗膜の表面温度を縦軸に示している。
塗膜が形成された負極集電体が乾燥手段内に入ると、まず、予熱が開始され、この予熱段階(図2中Aの段階)では塗膜の表面温度が上昇する。そして、予熱段階後の乾燥段階(図2中Bの段階)に入ると、塗膜の表面温度は一旦低下し、Ta±5℃の温度で安定化して、この間に塗膜から溶媒などの揮発成分が除去される。
乾燥手段内では、乾燥が進むことで塗膜が収縮するため、塗膜を設けた集電体に塗膜形成面側に折れ曲がるように応力がかかったり、これを抑制するために走行する集電体にテンションをかけることで、塗膜形成面の反対側に折れ曲がるように応力がかかったりするが、乾燥が進んで塗膜(負極合剤層)の表面温度が上昇しすぎた場合には、こうした応力によって塗膜(負極合剤層)に割れが生じやすくなることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
こうした乾燥工程での負極合剤層の割れは、従来のように比較的厚い負極集電体を使用し、負極合剤層にかかる応力を負極集電体によって十分に緩和できる場合には、抑制することが可能であった。しかしながら、近年の非水二次電池の高容量化の要請を受けて、負極集電体を例えば6μm以下と薄くするか、または負極合剤層の量を例えば集電体の片面あたり12mg/cm2以上と多くする(すなわち、負極合剤層を厚くする)場合には、負極合剤層の割れが特に生じやすくなる。
ところで、塗膜から揮発成分の大部分が除去されてしまうと、気化熱として塗膜(負極合剤層)から熱が奪われることがなくなるためか、乾燥条件(加熱条件)を一定にしていても、塗膜(負極合剤層)の表面温度が上昇してしまう(図2中Cの段階)。このように塗膜が乾燥して形成された負極合剤層の表面温度が上昇してしまった段階で乾燥工程を終了すると、負極合剤層の割れが生じやすくなることを、本発明者らは見出した。
そこで、本発明では、塗膜の乾燥が終わって負極合剤層が形成された後に、表面温度が(Ta+5℃)×1.2℃以下の時点で乾燥を終了するようにして、乾燥工程での負極合剤層の表面温度が上昇しすぎることによる負極合剤層の割れの発生を抑制している。よって、本発明の負極の製造方法であれば、薄い負極集電体を使用していたり、負極合剤層の量を多くしたりすることで非水二次電池の高容量化に適した構造とした負極を製造しても、負極合剤層の割れが生じることで非水二次電池の製造に使用できなくなる部分の割合を低減できることから、高い生産性で負極を製造することができる。
また、乾燥工程での乾燥を終了するときは、塗膜を十分に乾燥させる観点から、塗膜(負極合剤層)の表面温度がTa−5℃以上であることが好ましい。
Taは、負極合剤含有組成物に係る溶媒の種類にもよるが、60〜120℃の間が好ましい。この範囲であると効率よく塗膜を荒らさずに乾燥することができるので好ましい。負極合剤含有組成物の溶媒として代表的な水を用いる場合には、Taは60〜100℃であることがより好ましい。
乾燥工程中での塗膜の表面温度は、常法(例えば、非接触型の温度計を使用する方法)で、複数箇所にわたって測定すればよい。
本発明の負極の製造方法に使用する乾燥手段では、例えば、ドライヤーによる温風や、遠赤外線ヒーターなどの乾燥方法によって塗膜を加熱し、乾燥することができる。乾燥手段では、複数の乾燥方法を組み合わせて塗膜を加熱、乾燥してもよい。
乾燥手段においては、例えば、予熱段階(図2中Aの段階)とその後の乾燥段階(図2中Bの段階)とは、塗膜を加熱する温度条件を同じとしてもよく、変えてもよい。具体的な乾燥手段の温度条件は、乾燥手段での塗膜の加熱時間や、負極合剤含有組成物に使用する溶媒の沸点などに応じて変動するが、例えば、予熱段階では、温風の場合、その温度を70〜130℃程度とすることが好ましく、遠赤外線ヒーターの場合、その温度を130〜230℃程度とすることが好ましい。また、乾燥段階では、温風の場合、その温度を80〜140℃程度とすることが好ましく、遠赤外線ヒーターの場合、その温度を150〜250℃とすることが好ましい。
乾燥手段においては、塗膜を十分に乾燥させる観点から、乾燥段階(図2中Bの段階)における塗膜の表面温度が一定である時間(Ta±5℃で安定している状態が継続する時間)を、10秒以上とすることが好ましい。よって、塗膜の表面温度がTa±5℃の範囲内に収まるように継続して調整する時間は、10秒以上とすることが好ましい。なお、塗膜の表面温度がTa±5℃で安定している状態が継続する時間が前記の値以上となれば、塗膜の表面温度が(Ta+5)×1.2℃以下の時点で乾燥を終了すればよい。
本発明の負極の製造方法において、負極集電体の走行速度は、10〜100m/分とすることが好ましい。
なお、負極集電体の両面に負極合剤層を形成する場合には、まず、前記塗膜形成工程および前記乾燥工程を経て負極集電体の片面に負極合剤層を形成した後に、その他面に、前記塗膜形成工程および前記乾燥工程を経て負極合剤層を形成すればよい。また、この場合、片面に負極合剤層を形成した後、一旦ロール状に巻き取り、その後、このロールから引き出してから他方の面に負極合剤層を形成してもよい。
ここで、負極集電体の片面に負極合剤層〔負極合剤層(A)という〕を形成し、その後負極集電体の他面に負極合剤層〔負極合剤層(B)という〕を形成する段階では、先に形成した負極合剤層(A)の表面温度が、負極合剤層(A)の乾燥終了条件となる温度を超えないようにすることが好ましく、例えば、負極合剤層(B)の乾燥工程時に、負極合剤層(A)側は加熱しないことが好ましい。すなわち、負極集電体の両面に負極合剤層を形成する場合には、負極合剤層(A)形成時において、負極合剤層(A)の表面温度が(Ta+5)×1.2℃以下の条件で負極合剤層(A)の乾燥を終了し、その後の負極合剤層(B)の形成時においても、負極合剤層(B)の表面温度が(Ta+5)×1.2℃以下の条件で負極合剤層(B)の乾燥を終了すればよいが、この負極合剤層(B)の乾燥の終了時点において、負極合剤層(A)の表面温度も(Ta+5)×1.2℃以下であることが好ましい。
負極合剤含有組成物に係る負極活物質には、公知のリチウムイオン二次電池などの非水二次電池で使用されているもの、具体的には、黒鉛〔天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;など〕、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、MCMB、炭素繊維、活性炭などの炭素材料;リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)や、これらの金属を含む材料(合金など);などのうちの1種または2種以上を用いることができる。
負極合剤含有組成物に係るバインダ樹脂には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのうちの1種または2種以上が好適に用いられる。
負極合剤含有組成物に係る溶媒には、水や、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒を使用することができる。
本発明の負極の製造方法で得られる負極の負極合剤層には、必要に応じて導電助剤を含有させてもよく、この場合には、導電助剤も含有する負極合剤含有組成物を用いて負極合剤層を形成すればよい。負極合剤含有組成物に含有させる導電助剤としては、電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、低温焼成カーボン、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)、炭素繊維などの炭素材料;金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの粉末)、金属繊維などの金属材料;ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの);などの材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上用いることができる。
負極の負極合剤層においては、負極活物質の含有量が80〜95質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜20質量%であることが好ましく、導電助剤を使用する場合には、その量が1〜10質量%であることが好ましい。よって、負極合剤含有組成物は、溶媒を除く各成分の合計量を100質量%としたときの前記各成分の含有量が、負極合剤層における前記好適含有量を満たすように、前記の各成分を含有していることが好ましい。
負極集電体には、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。負極集電体の厚みは、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする観点から、30μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。なお、負極集電体の厚みが6μm以下である場合には、負極集電体の強度が非常に小さくなるために、負極合剤層の形成時(負極合剤含有組成物の塗膜の乾燥時)において、負極合剤層に割れが生じやすくなるが、本発明の負極の製造方法であれば、このような薄い負極集電体を使用しても、負極合剤層の割れの発生を良好に抑制することができる。また、負極集電体にある程度の強度を持たせる観点から、負極集電体の厚みは、2μm以上であることが好ましい。
更に、負極集電体は、引張強度が400N/mm2以上であることが好ましい。このような引張強度を有する負極集電体であれば、前記のように薄くても、乾燥工程で塗膜(負極合剤層)にかかる応力を緩和する作用が強くなるため、乾燥工程での負極合剤層の割れの発生を、より良好に抑制できる。また、負極集電体の引張強度は、1000N/mm2以下であることが好ましい。
本明細書でいう負極集電体の引張強度は、島津製作所製「小型卓上試験機EZ−L」を用い、負極集電体を160mm×25mmのサイズに裁断したものを測定サンプルとして、引張速度2mm/min、温度20℃の条件で測定して得られた値である。
負極集電体の引張強度を前記のように高めるには、負極集電体に、Zr、Cr、Zn、Ni、SiおよびPよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むCu合金で構成された集電体(集電箔)を用いることが好ましい。前記のような元素を含むCu合金であれば、前記のように引張強度の大きな集電体を構成できる。
より好ましいCu合金の組成としては、例えば、Cu−Cr、Cu−Ni、Cu−Cr−Zr、Cu−Ni−Siなどが挙げられる。なお、Cu合金におけるCu以外の合金成分の量は、例えば、0.01〜5質量%であることが好ましい(この場合、残部は、例えば、Cuおよび不可避不純物である)。
また、Cu−Cr−Zr合金の場合、各合金成分の含有量は、例えば、Cr:0.05〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.3質量%であることが好ましい。なお、Cu−Cr−Zn合金には、必要に応じて、例えば、Mg、Zn、Sn、Pなどが、前記の合金成分の好適含有量の範囲内で含まれていてもよい。
更に、Cu−Ni−Si合金としては、例えばコルソン合金が挙げられ、この場合、各合金成分の含有量は、例えば、Ni:1.0〜4.0質量%、Si:0.1〜1.0質量%であることが好ましい。なお、Cu−Ni−Si合金には、必要に応じて、例えば、Mg、Zn、Sn、Pなどが、前記の合金成分の好適含有量の範囲内で含まれていてもよい。
負極の集電体には、前記のCu合金箔以外にも高強度の電解銅箔などを用いることができ、例えば特開2014−101581号公報や特開2014−9365号公報に記載の銅箔なども使用することができる。
更に、本発明の負極の製造方法では、負極集電体に形成される負極合剤層の量を、負極集電体の片面あたり、12mg/cm2以上と多くしてもよく、このような場合でも、乾燥工程での負極合剤層の割れの発生を、良好に抑制できる。また、これにより、本発明の製造方法により得られる負極を用いた非水二次電池の高容量化を図ることができる。
また、負極集電体上に負極合剤層を形成して得られた負極には、ロール状に巻き取る前の段階またはロール状に巻き取った後の段階で、カレンダー処理などのプレス処理を施して、負極合剤層の厚みおよび密度を調整することができる。
負極集電体上に負極合剤層を形成して得られた負極をロール状に巻き取った後(ロール状に巻き取った後にプレス処理を施す場合には、このプレス処理を終えてから更にロール状に巻き取った後)には、例えば、このロールから負極を引き出して必要なサイズに切断し、更に、負極集電体(負極合剤層を形成せずに露出させておいた箇所)に、必要に応じて、非水二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を取り付けて、非水二次電池の製造に供する負極とする。
<非水二次電池の製造方法>
本発明の非水二次電池の製造方法は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水二次電池を製造するに当たり、本発明の非水二次電池用負極の製造方法で負極を製造する工程を有することを特徴としている。本発明の非水二次電池の製造方法において、負極を製造する工程以外の工程(正極の製造工程、負極と正極との間にセパレータを介在させて電極体を製造する工程、電池の組み立て工程など)については、従来から知られている非水二次電池の製造時に採用されている工程と同様とすることができる。
本発明の非水二次電池の製造方法は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水二次電池を製造するに当たり、本発明の非水二次電池用負極の製造方法で負極を製造する工程を有することを特徴としている。本発明の非水二次電池の製造方法において、負極を製造する工程以外の工程(正極の製造工程、負極と正極との間にセパレータを介在させて電極体を製造する工程、電池の組み立て工程など)については、従来から知られている非水二次電池の製造時に採用されている工程と同様とすることができる。
本発明の非水二次電池の製造方法であれば、薄い負極集電体を使用していたり、負極合剤層の量を多くしたりすることで非水二次電池の高容量化に適した構造とした負極を使用していても、負極合剤層に割れが生じておらず、電池の充電時でのLiの析出を良好に抑制できることから、このようなLiによる短絡の発生が生じ難い安全性に優れた非水二次電池を製造することができる。
本発明の非水二次電池の製造方法に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダ樹脂などを含む混合物(正極合剤)を、適当な溶媒を加えて十分に混練して正極合剤層形成用組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して前記組成物中の溶剤を除去し、更に必要に応じてカレンダー処理などのプレス処理を施して正極合剤層を形成する工程を経て得られた正極を使用することができる。
正極活物質には、公知のリチウムイオン二次電池などの非水二次電池で使用されているものと同じもの、例えば、Li1+xMO2(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mnなど)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物;LiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物;LiMn2O4のMnの一部を他元素で置換したLiMnxM(1−x)O2;オリビン型LiMPO4(M:Co、Ni、Mn、Fe);LiMn0.5Ni0.5O2;Li(1+a)MnxNiyCo(1−x−y)O2(−0.1<a<0.1、0<x<0.5、0<y<0.5);などの1種または2種以上を用いることができる。
正極合剤層に係るバインダ樹脂には、例えば、負極合剤含有組成物に係るバインダ樹脂に使用可能なものとして先に例示したものと同じものを用いることができる。また、正極合剤層に係る導電助剤にも、例えば、負極合剤含有組成物に係る導電助剤に使用可能なものとして先に例示したものと同じものを用いることができる。
正極の集電体は、公知のリチウムイオン二次電池などの非水二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層が形成されている場合には、片面あたりの厚み)は、例えば、10〜100μmであることが好ましい。また、正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質の量が60〜95質量%であることが好ましく、バインダ樹脂の量が1〜15質量%であることが好ましく、導電助剤の量が3〜20質量%であることが好ましい。
また、正極には、必要に応じて、非水二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の負極の製造方法により製造された負極と前記正極とは、セパレータを介在させて電極体とする。
電極体の製造工程では、例えば、前記の負極と前記の正極とを、セパレータを介在させつつ重ねて積層電極体としたり、更にこれを渦巻状に巻回し、必要に応じて横断面を扁平状に成形して巻回電極体としたりする。
セパレータには、例えば、大きなイオン透過度および所定の機械的強度を有する絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度以上(例えば100〜140℃)で構成材料の溶融によって孔が閉塞し、抵抗を上げる機能を有するもの(すなわち、シャットダウン機能を有するもの)が好ましい。このようなセパレータの具体例としては、耐有機溶剤性および疎水性を有するポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などポリオレフィン系ポリマー、またはガラス繊維などの材料で構成されるシート(多孔質シート)、不織布若しくは織布;前記例示のポリオレフィン系ポリマーの微粒子を接着剤で固着した多孔質体;などが挙げられる。
セパレータの孔径は、正負極より脱離した正負極の活物質、導電助剤およびバインダなどが通過しない程度であることが好ましく、例えば、0.01〜1μmであることが望ましい。セパレータの厚みは、8〜30μmとすることが一般的であるが、本発明では、10〜20μmとすることが好ましい。また、セパレータの空孔率は、構成材料や厚みに応じて決定されるが、30〜80%であることが一般的である。
前記のようにして得られた電極体を用いて非水二次電池を組み立てる。電池の組み立て工程では、例えば、前記の電極体を外装体内に収容し、非水電解質を注入した後に外装体を封止して、非水二次電池を得る。外装体には、スチール製やアルミニウム(アルミニウム合金)製の筒形(円筒形や角筒形など)の外装缶、金属を蒸着したラミネートフィルムからなるラミネート外装体などを用いることができる。
非水電解質には、例えば、下記の非水系溶媒中に、リチウム塩を溶解させることで調製した溶液(非水電解液)が使用できる。
非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ-BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
非水電解液に係るリチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li2C2F4(SO3)2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCnF2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO2)2〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
また、前記の非水電解液にポリマーなどの公知のゲル化剤を添加してゲル化したもの(ゲル状電解質)を、非水電解質として使用することもできる。
外装体の有する端子と電極体に係る各電極との電気的な接続や、外装体の封止については、常法に従って行えばよい。
本発明法により製造される非水二次電池は、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの非水二次電池と同様の用途に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<負極の作製>
負極活物質である平均粒子径D50が20μmである黒鉛質炭素:98質量部、粘度が1500〜5000mPa・sの範囲に調整された1質量%濃度のCMC水溶液:1.0質量部およびSBR:1.0質量部を、比伝導度が2.0×105Ω/cm以上のイオン交換水を溶剤として混合して、水系の負極合剤含有ペーストを調製した。
<負極の作製>
負極活物質である平均粒子径D50が20μmである黒鉛質炭素:98質量部、粘度が1500〜5000mPa・sの範囲に調整された1質量%濃度のCMC水溶液:1.0質量部およびSBR:1.0質量部を、比伝導度が2.0×105Ω/cm以上のイオン交換水を溶剤として混合して、水系の負極合剤含有ペーストを調製した。
前記の負極合剤含有ペーストを用い、図1に示す構成の装置を使用して負極を作製した。ILJIN Materials社製の電解銅箔「I2S」(厚みが6μmで引張強度が300N/mm2)からなる負極集電体を巻き取ったロール102から負極集電体を20m/分の走行速度で送り出し、塗布手段(ダイコータ)104で前記負極合剤含有ペーストを、定期的に集電体の露出部が形成されるように間欠塗布し、ドライヤーと遠赤外線ヒーターとを備えた乾燥手段105で乾燥して負極集電体の片面に負極合剤層(A)を形成し、ロール103に巻き取った。次に、負極合剤層(A)を形成した負極集電体をロールから送り出し、負極集電体の他面に、負極合剤層(A)の形成時と同じ条件で負極合剤層(B)を形成して、負極集電体の両面に負極合剤層を有する負極を作製し、ロールに巻き取った。最後にカレンダー処理(図示しない)によって全厚が160μmになるように負極合剤層の厚みを調整して、ロールに巻き取った。なお、塗布手段104による前記負極合剤含有ペーストの塗布は、塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が集電体の片面あたり12mg/cm2となるようにした。また、乾燥手段105では、ドライヤーによる温風の温度を90〜110℃に設定し、遠赤外線ヒーターの温度を180〜210℃に設定して、図2中に示すBの領域での塗膜の表面温度が80℃±5℃で一定となるように調整し、この一定温度で20秒乾燥した後に、塗膜(負極合剤層)の表面温度が80℃の段階で乾燥を終了した。
その後、負極のロールから負極を引き出して、幅が55.5mmになり、かつ集電体の露出部を含むように切断し、その集電体の露出部にタブを溶接してリード体を取り付けて、電池組み立て用の負極を得た。
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO2:95質量部と、導電助剤である人造黒鉛:1質量部およびケッチェンブラック:1質量部と、バインダ樹脂であるPVDF:3質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。前記正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に厚みを調節して片面塗布量25mg/cm2になるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が145μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅が54.5mmになるように切断して正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
正極活物質であるLiCoO2:95質量部と、導電助剤である人造黒鉛:1質量部およびケッチェンブラック:1質量部と、バインダ樹脂であるPVDF:3質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。前記正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に厚みを調節して片面塗布量25mg/cm2になるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が145μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅が54.5mmになるように切断して正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<非水電解液の調製>
EC、MEC、およびDMCを、体積比で1:1:1の割合で混合した混合溶媒に、リチウム塩としてLiPF6を1.1mol/dm3の濃度で溶解させて非水電解液を調製した。
EC、MEC、およびDMCを、体積比で1:1:1の割合で混合した混合溶媒に、リチウム塩としてLiPF6を1.1mol/dm3の濃度で溶解させて非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記の負極(電池組み立て用負極)と前記の正極とを、非水二次電池用PE製微多孔質セパレータ(厚み16μm、空孔率40%、平均孔径0.08μm、PEの融点135℃)を介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して巻回電極体を作製した。得られた巻回電極体を押し潰して扁平状にし、厚み6mm、幅42mm、高さ61mmのアルミニウム合金製外装缶に入れ、前記の非水電解液を注入した。そして、非水電解液の注入後に外装缶の封止を行って、図3に示す構造で、図4に示す外観の角形非水二次電池を作製した。
前記の負極(電池組み立て用負極)と前記の正極とを、非水二次電池用PE製微多孔質セパレータ(厚み16μm、空孔率40%、平均孔径0.08μm、PEの融点135℃)を介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して巻回電極体を作製した。得られた巻回電極体を押し潰して扁平状にし、厚み6mm、幅42mm、高さ61mmのアルミニウム合金製外装缶に入れ、前記の非水電解液を注入した。そして、非水電解液の注入後に外装缶の封止を行って、図3に示す構造で、図4に示す外観の角形非水二次電池を作製した。
ここで図3および図4に示す電池について説明すると、図3は部分断面図であって、この図3に示すように、正極1と負極2とはセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回電極体6として、角形(角筒形)の外装缶4に非水電解液と共に収容されている。ただし、図3では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や非水電解液は図示していない。
外装缶4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この外装缶4は正極端子を兼ねている。そして、外装缶4の底部にはPEシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回電極体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、外装缶4の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は外装缶4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図3の電池では、蓋板9に非水電解液注入口14が設けられており、この非水電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって外装缶4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、外装缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図4は前記図3に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図4は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図4では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図3においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
塗膜(負極合剤層)の表面温度が86℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
塗膜(負極合剤層)の表面温度が86℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例3
塗膜(負極合剤層)の表面温度が95℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
塗膜(負極合剤層)の表面温度が95℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例4
負極集電体の厚みを4μmに変更した以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極集電体の厚みを4μmに変更した以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例5
負極集電体の厚みを8μmに変更した以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極集電体の厚みを8μmに変更した以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例6
負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が10mg/cm2となるようにした以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が10mg/cm2となるようにした以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例7
負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が14mg/cm2となるようにした以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が14mg/cm2となるようにした以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例8
負極集電体を、引張強度が400N/mm2のものに変更した以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極集電体を、引張強度が400N/mm2のものに変更した以外は実施例3と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例9
乾燥手段105でのドライヤーによる温風の温度、および遠赤外線ヒーターの温度を調節して、図2中に示すBの領域での塗膜の表面温度が70℃±5℃で一定となるように調整し、この一定温度で20秒乾燥した後に、塗膜(負極合剤層)の表面温度が70℃の段階で乾燥を終了した以外は、実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
乾燥手段105でのドライヤーによる温風の温度、および遠赤外線ヒーターの温度を調節して、図2中に示すBの領域での塗膜の表面温度が70℃±5℃で一定となるように調整し、この一定温度で20秒乾燥した後に、塗膜(負極合剤層)の表面温度が70℃の段階で乾燥を終了した以外は、実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例10
塗膜(負極合剤層)の表面温度が76℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
塗膜(負極合剤層)の表面温度が76℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
比較例1
塗膜(負極合剤層)の表面温度が105℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
塗膜(負極合剤層)の表面温度が105℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
比較例2
負極集電体の厚みを8μmに変更した以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極集電体の厚みを8μmに変更した以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
比較例3
負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が10mg/cm2となるようにした以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が10mg/cm2となるようにした以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
比較例4
負極集電体を、引張強度が400N/mm2のものに変更した以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極集電体を、引張強度が400N/mm2のものに変更した以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
比較例5
塗膜(負極合剤層)の表面温度が95℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例9と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
塗膜(負極合剤層)の表面温度が95℃となった段階で乾燥を終了した以外は実施例9と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
参考例
負極集電体の厚みを8μmに変更し、負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が10mg/cm2となるようにした以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
負極集電体の厚みを8μmに変更し、負極合剤含有ペーストを塗布した箇所における乾燥後の塗膜の量(形成される負極合剤層の量)が10mg/cm2となるようにした以外は比較例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例、比較例および参考例の各非水二次電池について、下記方法によって加熱試験を行った。各電池について、1Cの電流値で電圧が4.40Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて4.40Vの定電圧で充電を行った(定電流充電の開始から定電圧充電の終了までの時間を3時間とした)。充電後の各電池を150℃に調整した恒温槽内に3時間入れ、そのときの電池の表面温度を測定した。
実施例、比較例および参考例の各非水二次電池に使用した負極の構成、負極作製時の乾燥工程での条件、および前記の加熱試験結果を表1に示す。また、負極作製後の負極合剤層の割れの有無を目視で確認した結果も併せて表1に示す。なお、表1では、加熱試験結果について、恒温槽内に入れたときの電池の表面温度の最高値が180℃以下であったものは、その温度(最高到達温度)を記載し、電池の表面温度の最高値が180℃を超えたものは、熱暴走が生じたと判断して「熱暴走」と記載する。また、表1における「負極合剤層の量」は、集電体の片面あたりの量(負極合剤層を形成した部分のみでの量)を意味している。
表1に示す通り、塗膜の乾燥工程において、塗膜(負極合剤層)が適正な表面温度の段階で乾燥を終了して得られた負極を用いた実施例1〜10の非水二次電池は、負極集電体を薄くしたり負極合剤層の量を多くしたりすることで、高容量化を可能としたものであるが、加熱試験の際の電池の温度上昇が抑えられており、良好な安全性を有していた。なお、これらの非水二次電池に用いた負極においては、負極合剤層の割れの発生が抑制されていた。
これに対し、塗膜の乾燥工程において、塗膜(負極合剤層)の表面温度が(Ta+5)×1.2℃よりも上昇してしまった段階で乾燥を終了して得られた負極を用いた比較例1〜5の非水二次電池は、負極の負極合剤層に割れが生じていたために、加熱試験時に熱暴走が生じ、安全性が劣っていた。なお、参考例に示しているように、塗膜の乾燥工程において、塗膜(負極合剤層)の表面温度が(Ta+5)×1.2℃よりも上昇してしまった段階で乾燥を終了して得られた負極であっても、負極集電体が比較的厚く、また、負極合剤層の量が少ない場合には、負極合剤層に割れが生じておらず、これを用いた電池は安全性が良好であった。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 外装缶
6 扁平状巻回電極体
9 蓋体
101 ロール(負極集電体を巻き取ったロール)
102 負極集電体
103 ロール(負極合剤層形成後の負極集電体を巻き取るためのロール)
104 塗布手段
105 乾燥手段
2 負極
3 セパレータ
4 外装缶
6 扁平状巻回電極体
9 蓋体
101 ロール(負極集電体を巻き取ったロール)
102 負極集電体
103 ロール(負極合剤層形成後の負極集電体を巻き取るためのロール)
104 塗布手段
105 乾燥手段
Claims (6)
- 非水二次電池用負極の製造方法であって、
負極集電体の少なくとも片面に、負極活物質、バインダ樹脂および溶媒を含有する負極合剤含有組成物を塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、
前記塗膜を乾燥して負極合剤層を形成する乾燥工程とを有しており、
前記乾燥工程では、前記塗膜の加熱を開始して前記塗膜の表面温度を上昇させ、続いて前記塗膜の表面温度が降下してから所定温度(Ta)±5℃の範囲内に継続して収まるように前記塗膜の表面温度を調整し、その後に前記塗膜の表面温度が(Ta+5℃)×1.2℃以下の時点で乾燥を終了することを特徴とする非水二次電池用負極の製造方法。 - 前記負極集電体の厚みが6μm以下である請求項1に記載の非水二次電池用負極の製造方法。
- 前記負極合剤層の量が、前記負極集電体の片面あたり12mg/cm2以上である請求項1または2に記載の非水二次電池用負極の製造方法。
- 前記負極集電体の引張強度が400N/mm2以上である請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池用負極の製造方法。
- 前記塗膜の表面温度が降下してから所定温度(Ta)±5℃の範囲内に10秒以上継続して収まるように調整する請求項1〜4のいずれかに記載の非水二次電池用負極の製造方法。
- 正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水二次電池の製造方法であって、
請求項1〜5のいずれかに記載の非水二次電池用負極の製造方法によって前記負極を製造する工程を有することを特徴とする非水二次電池の製造方法。
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