JP2016152173A - 車両用灯具 - Google Patents

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【課題】隣接するランプユニット間の隙間を簡単な構成で明るく照らして複数のランプユニットの点灯時の一体感を高めることができる車両用灯具を提供すること。【解決手段】ハウジング4,9とその開口部を覆うアウタレンズ5,10によって画成される灯室S1,S2内に、少なくともLED(光源)と該LEDからの光を導きながら発光する導光インナレンズ(導光体)6,13を収容して成る第1及び第2ランプユニット2,3を横方向に並設して構成されるリアランプ(車両用灯具)1において、第2ランプユニット3の導光インナレンズ13に分岐部13Bを形成し、前記LEDからの光の一部を前記導光インナレンズ13の分岐部13Bにその一端から入射させ、該分岐部13Bに入射した光を当該分岐部13Bの他端から両ランプユニット2,3間の隙間δに向けて出射させるよう構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、複数のランプユニットを並設して構成される車両用灯具に関するものである。
例えば、図8に車両の後部左右に配置されるリアランプの平断面を示すが、図示のリアランプ101は、開閉可能なトランクリッド側に設けられる可動のリッドランプ(以下、「第1ランプユニット」102と称する)と、ボディ側に設けられる固定のリアコンビネーションランプユニット(以下、第2ランプユニット)と称する)103によって構成されている。斯かるリアランプ101においては、第1ランプユニット102と第2ランプユニット103とは車幅方向(横方向)に隣接して並設されているが、第1ランプユニット102はトランクリッドと共に移動するため、該第1ランプユニット102と第2ランプユニット103との間には隙間δが設けられている。
上述のように第1ランプユニット102と第2ランプユニット102との間に隙間δが設けられているリアランプ101においては、点灯時に両ランプユニット102,103間の隙間δに光が届きにくいために隙間δ部分が暗く、両ランプユニット102,103の一体感が損なわれるという問題がある。
そこで、特許文献1には、第1ランプユニットと第2ランプユニットに導光体をそれぞれ設け、両ランプユニットにそれぞれ設けられた光源から出射する光をそれぞれの導光体に通すことによって各導光体の周囲を照らすように構成し、第1ランプユニットの導光体を通過した光が第2ランプユニットの導光体まで達し、第2ランプユニットの導光体を通過して光が第1ランプユニットの導光体まで到達するよう構成した複合ランプユニットが提案されている。この複合ランプユニットによれば、第1ランプユニットと第2ランプユニットの境界位置近傍で第1ランプユニットと第2ランプユニットとの明るさにバラツキが生じないため、複合ランプユニットの点灯時の一体感が高められる。
又、特許文献2には、第1灯具と第2灯具を車幅方向に隣接して配置して成る車両用灯具において、車幅方向外側に位置する第1灯具における第1透光カバーの内側脚部及び車幅方向内側に位置する第2灯具における第2透光カバーの外側脚部を、何れも灯具後方に向けて車幅方向内側に傾斜して延びるよう形成する構成が提案されている。このような構成を採用する車両用灯具によれば、正面視において第1及び第2灯具間の隙間に第1透光カバーの内側脚部が見え、第1灯具からの出射光の一部が第1透光カバーの内側脚部に入射するため、第1及び第2灯具間の隙間が暗部となることなく明るく光って見える。
特許第5526373号公報 特開2014−123547号公報
しかしながら、特許文献1において提案された複合ランプユニットにおいては、第1ランプユニットと第2ランプユニットには導光体が不可欠であるため、適用が限定されるとともに、部品点数が増えてコストアップを招くという問題がある。
又、特許文献2において提案された車両用灯具においては、第1灯具における第1透光カバーの内側脚部と第2灯具における第2透光カバーの外側脚部を灯具後方に向けて車幅方向内側に傾斜して延びるよう形成する必要があるため、デザインに制限を受けるという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、隣接するランプユニット間の隙間を簡単な構成で明るく照らして複数のランプユニットの点灯時の一体感を高めることができる車両用灯具を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ハウジングとその開口部を覆うアウタレンズによって画成される灯室内に、少なくとも光源と該光源からの光を導きながら発光する導光体を収容して成るランプユニットを複数並設して構成される車両用灯具において、隣接する2つのランプユニットの一方の導光体に分岐部を形成し、前記光源からの光の一部を前記導光体の分岐部にその一端から入射させ、該分岐部に入射した光を当該分岐部の他端から両ランプユニット間の隙間に向けて出射させるよう構成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アウタレンズに、前記導光体の前記分岐部の他端から出射する光が透過する光透過部を形成し、該光透過部の少なくとも内面に光拡散用のレンズカットを施したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記導光体に前記分岐部を一体に形成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記リフレクタの前記分岐部を本体部とは別体に構成したことを特徴とする。
本発明によれば、隣接する2つのランプユニットの一方の導光体に分岐部を形成し、光源からの光の一部を導光体の分岐部にその一端から入射させ、該分岐部に入射した光を当該分岐部の他端から両ランプユニット間の隙間に向けて出射させるようにしたため、この光によって両ランプユニット間の隙間が明るく照らされ、両ランプユニットが切れ目なく一様に発光し、当該車両用灯具の点灯時の一体感が高められる。この場合、導光体に形成された分岐部と既設の光源からの光の一部を利用して両ランプユニット間の隙間を照らすようにしたため、最小限の部品点数で前記効果を得ることができる。又、両ランプユニットのアウタレンズの形状に何ら制限を受けることがないため、当該車両用灯具がデザインの制約を受けることがない。
本発明に係る車両用灯具の正面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2のB部拡大詳細図である。 図3のC部拡大詳細図である。 図3のD部拡大詳細図である。 本発明に係る車両用灯具の第2ランプユニットの分解斜視図である。 本発明の別形態を示す図4と同様の図である。 従来のリアランプの平断面図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る車両用灯具の正面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB部拡大詳細図、図4は図3のC部拡大詳細図、図5は図3のD部拡大詳細図、図6は同車両用灯具の第2ランプユニットの分解斜視図である。尚、本実施の形態に係る車両用灯具は、車両後部の左右に設けられるリアランプであって、左右のリアランプの構成は左右対称であって、それぞれの基本構成は同じであるため、以下、一方(右側)のリアランプについてのみ図示及び説明する。
本実施の形態に係るリアランプ1は、開閉される車両後部のトランクリッドに設けられる可動のリッドランプ(以下、「第1ランプユニット」と称する)2と、ボディに設けられる固定のリアコンビネーションランプ(以下、「第2ランプユニット」と称する)3によって構成されている。これらの第1ランプユニット2と第2ランプユニット3は、車幅方向(図1及び図2の左右方向)に隣接して並設されており、第1ランプユニット2は、車両内側(図1及び図2の左側)に配置され、第2ランプユニット3は、車両外側(図1及び図2の右側)に配置されている。
図2に示すように、第1ランプユニット2は、ハウジング4とその開口部を覆う透明なアウタレンズ5によって画成された灯室S1内に、光源である不図示のLEDと、該LEDから出射する光を長手方向(横方向)に導く過程で車両後方(図2の下方)に出射させることによって発光する導光体としての透明な導光インナレン6と、該導光インナレンズ6の背面側に配置されたリフレクタ7と、導光インナレンズ6の表面側のアウタレンズ5との間に配置された透明な拡散インナレンズ8を収容して構成されている。ここで、導光インナレンズ6の背面には、光を反射させて表面側の出射面から車両後方に向かって出射させるためのレンズカットが施されている。又、リフレクタ7は、導光インナレンズ6の背面側に漏れた光を反射させて導光インナレンズ6に再入射させて該導光インナレンズ6の発光に供するためのものであって、その導光インナレンズ6に対向する表面にはアルミ蒸着等の反射処理が施されている。
又、第2ランプユニット3は、図3に詳細に示すように、ハウジング9とその開口部を覆う透明なアウタレンズ10によって画成された灯室S2内の外端部(図3の右端部)に、光源であるLED11と、該LED11を実装する平板状の基板12と、導光体である透明な導光インナレンズ13と、2つのリフレクタ14,15と、透明な拡散インナレンズ16及びエクステンション17を収容して構成されている。
上記ハウジング9は、図6に示すように、不透明樹脂によって矩形ボックス状に一体成形されており、その開口部の周縁に、湾曲する矩形の前記アウタレンズ10を被着することによって前記灯室S2が画成されている。
ところで、第2ランプユニット3に設けられた前記導光インナレンズ13は、図2。図3及び図6に示すように、アウタレンズ10の内側に沿って配置された細い曲面状の本体部13Aと、該本体部13Aの外端部から分岐して拡がりながら内端側に向かって一体に延びる曲面状の分岐部13Bとで構成されている。そして、この導光インナレンズ13の本体部13Aと分岐部13Bの各背面側には、曲面状に湾曲する前記リフレクタ14,15がそれぞれ配置されており、本体部13Aの表面側のアウタレンズ10との間には、同じく曲面状に湾曲する前記拡散インナレンズ16が配置されている。
又、前記エクステンション17は、リフレクタ14の周囲を覆うためのものであって、図6に示すように、光透明樹脂によって正面視コの字状に一体成形されている。尚、導光インナレンズ13の本体部13Aの背面全体と分岐部13Bの内端部の背面には、光を車両後方(図2及び図3の下方)に向けて反射させるためのレンズカットが施されている。又、リフレクタ14,15は、導光インナレンズ13の本体部13Aと分岐部13Bの各背面側に漏れた光を反射させて本体部13Aと分岐部13Bにそれぞれ再入射させることによって、本体部13Aと分岐部13Bの発光に供するためのものであって、その内面である反射面にはアルミ蒸着等の反射処理が施されている。
ところで、図4に詳細に示すように、導光インナレンズ13の外端部(LED11が配置された外端部)のLED11に対向する部位には、凸曲面状の入射面13aとその周囲を囲む平坦な入射面13bが形成されており、これらの入射面13a,13bとは反対側の表面には、入射した光を全反射させる方向に斜めにカットされた斜面状の反射面13cが形成されている。ここで、LED11は、図6に示すように、基板12の上下に2つ実装されており、各LED11は、その光軸が導光インナレンズ13の入射面13aの中心軸に一致する向きに配置されている。尚、LED11の個数は2つに限定されず、その数は任意である。
又、図5に詳細に示すように、可動側の第1ランプユニット2と固定側の第2ランプユニット3との間には、第1ランプユニット2のトランクリッドの開閉に伴う移動を許容するための隙間δが形成されている、そして、第2ランプユニット3のアウタレンズ10の隙間δに面する前後方向に延びる脚部10Aの内側には、第2ランプユニット2のLED11から出射して導光インナレンズ13の分岐部13Bを内端側に向かって導かれる光が透過する光透過部10aが直角に折り曲げられて横方向に形成されており、この光透過部10aの内面には、光拡散用のレンズカットが施されている。尚、本実施の形態では、アウタレンズ10の光透過部10aの内面にレンズカットを施したが、光透過部10aの内面と外面にレンズカットを施しても良い。
以上のように構成されたリアランプ1において、バッテリ等の不図示の電源から第1ランプユニット2の不図示のLEDに電流が供給されて該LEDが発光すると、その光は、導光インナレンズ6の一端から該導光インナレンズ6内に入射する。そして、導光インナレンズ6内に入射した光は、全反射を繰り返しながら該導光インナレンズ6内を長手方向(横方向)に進む過程で、導光インナレンズ6の背面に施されたレンズカットによって車両後方に向かって反射して導光インナレンズ6の正面側の出射面から出射し、拡散インナレンズ8を透過して拡散した後にアウタレンズ5を通って車両後方へと出射する。このため、導光インナレンズ6の全体が均一に発光し、第1ランプユニット2は、ストップランプやテールランプ等の本来の機能を果たす。
又、第1ランプユニット2と同時に第2ランプユニット3も同時に点灯し、該第2ランプユニット3も第1ランプユニット2と共に同様の機能を果たす。
即ち、第2ランプユニット3において、バッテリ等の不図示の電源から上下2つのLED11にそれぞれ供給されると、これらのLED11が発光し、その光の大部分は、図4に示すように、導光インナレンズ13の外端部に形成された入射面13aから該導光インナレンズ13の内部に入射する。そして、導光インナレンズ13の内部に入射した光は、反射面13cで全反射した後、導光インナレンズ13の本体部13Aの内部で全反射を切り返しながら内端部方向に進む過程で、本体部13Aの背面に施されたレンズカットによって車両後方へと反射し、拡散インナレンズ16を透過して拡散した後にアウタレンズ10を通過して車両後方へと出射する。このため、導光インナレンズ13の本体部13Aが均一に発光し、第2ランプユニット3は、第1ランプユニット2と同様にストップランプやテールランプ等の本来の機能を果たす。
又、図4に示すように、LED11から出射する残りの一部の光は、導光インナレンズ13の外端部に形成された入射面13bから導光インナレンズ13の分岐部13Bの内部へと入射する。そして、導光インナレンズ13の分岐部13Bに入射した光は、分岐部13B内を全反射しながら内端部方向へと進み、分岐部13Bの内端部の背面に施されたレンズカットによって車両後方へと反射し、図3及び図5に示すように、アウタレンズ10の光透過部10aを透過する際にレンズカットによって拡散しつつ、第1ランプユニット2と第2ランプユニット3との隙間δに向けて出射してこの隙間δを明るく照らす。又、導光インナレンズ13の分岐部13Bの内端部のレンズカットから漏れた光は、リフレクタ15で反射するため、アウタレンズ10の光透過部10aから再出射する。このため、第1ランプユニット2と第2ランプユニット3が切れ目なく一様に発光し、当該リアランプ1の点灯時の一体感が高められる。この場合、導光インナレンズ13に形成された分岐部13Bと第2ランプユニット3に既設のLED11からの光の一部を利用して第1ランプユニット2と第2ランプユニット3との間の隙間δを照らすようにしたため、最小限の部品点数で前記効果を得ることができる。又、第1ランプユニット2と第2ランプユニット3の各アウタレンズ5,10の形状に何ら制限を受けることがないため、当該リアランプ1がデザインの制約を受けることがない。
尚、以上の実施の形態では、導光インナレンズ13の分岐部13Bを本体部13Aと一体に形成したが、図7に示すように、分岐部13Bを本体部13Aとは別体に構成しても良い。又、以上は本発明をリアランプに対して適用した形態について説明したが、本発明は、リアランプ以外の任意の車両用灯具に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
1 リアランプ(車両用灯具)
2 第1ランプユニット
3 第2ランプユニット
4 ハウジング
5 アウタレンズ
6 導光インナレンズ(導光体)
7 リフレクタ
8 拡散インナレンズ
9 ハウジング
10 アウタレンズ
10a アウタレンズの光透過部
10 インナレンズ
11 LED(光源)
12 基板
13 導光インナレンズ(導光体)
13A 導光インナレンズの本体部
13B 導光インナレンズの分岐部
14,15 リフレクタ
16 拡散インナレンズ
17 エクステンション
S1,S2 灯室
δ 隙間

Claims (4)

  1. ハウジングとその開口部を覆うアウタレンズによって画成される灯室内に、少なくとも光源と該光源からの光を導きながら発光する導光体を収容して成るランプユニットを複数並設して構成される車両用灯具において、
    隣接する2つのランプユニットの一方の導光体に分岐部を形成し、前記光源からの光の一部を前記導光体の分岐部にその一端から入射させ、該分岐部に入射した光を当該分岐部の他端から両ランプユニット間の隙間に向けて出射させるよう構成したことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記アウタレンズに、前記導光体の前記分岐部の他端から出射する光が透過する光透過部を形成し、該光透過部の少なくとも内面に光拡散用のレンズカットを施したことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
  3. 前記導光体に前記分岐部を一体に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用灯具。
  4. 前記リフレクタの前記分岐部を本体部とは別体に構成したを特徴とする請求項1又は2記載の車両用灯具。
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