JP2016152089A - 分岐付ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】幹線ケーブル150と支線ケーブル110とを備えた分岐付ケーブル100は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体51,11を有する第1幹線ケーブル50と第1支線ケーブル10がケーブルの大部分を占めており、その第1幹線ケーブル50と第1支線ケーブル10の端部に、銅又は銅合金からなる導体62,21を有する第2幹線ケーブル60と第2支線ケーブル20がそれぞれ接続されているので、導体全体が銅もしくは銅合金であった従来の分岐付ケーブルに比べて軽量化と低コスト化を図ることができるとともに、既存の分電盤や電源設備に分岐付ケーブル100を電気的に接続する場合に異種金属接触腐食が問題とならずに好適に接続することが可能になる。
【選択図】図1
Description
中高層ビルに敷設された分岐付ケーブルの幹線ケーブルは、その上端部が最上階付近に固定されて鉛直向きに懸架され、その途中部分が中途の階に適宜支持固定されており、各支線ケーブルが各階に引き込まれて分電盤に接続されている。
そして、近年のビルの中高層化に伴い、中高層ビルの受電容量が大容量化している。それに応じて分岐付ケーブルのサイズも大型化し、ケーブルの重量が増大する傾向にある。そのため、分岐付ケーブルを吊り上げてビル内に敷設する施工コストも増大する傾向にある。
一方、現在広く普及している分電盤は、銅導体との接続を前提に設計されているため、アルミニウム導体を接続する場合には異種金属接触腐食が問題となる。つまり、その接続箇所に結露が生じるなどして水分が介在してしまうと、アルミニウム導体が損傷してしまうので、分電盤での結露・湿気対策が必要になる。
このアルミ端子は、アルミ電線と銅ブスバーとの接続箇所での異種金属接触腐食の発生を防ぐ機能を有している。
また、上記特許文献1,非特許文献1のアルミ端子は、通常の端子に比べて高価であり、コストの増大を招いてしまうので、その使用は控えたいということがある。
幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、前記第1幹線ケーブルに接続されており、
前記第1幹線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記支線ケーブルの導体の材料が銅、銅合金、銀又は銀合金のいずれかであることを特徴とする。
幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、前記第1幹線ケーブルに接続されており、
前記第1幹線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記支線ケーブルの導体の表面が、銅、銅合金、銀、銀合金、錫又は錫合金のいずれかからなる被覆層で覆われていることを特徴とする。
前記第1幹線ケーブルの導体と前記第2幹線ケーブルの導体および前記支線ケーブルの導体は、それぞれ複数の素線を撚り合わせてなり、
前記第1幹線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記第2幹線ケーブルの導体を構成する素線の方が細く、前記第1幹線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記支線ケーブルの導体を構成する素線の方が細いことを特徴とする。
幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、一端部が前記第1幹線ケーブルに接続された第1支線ケーブルと、既存の設備に電気的に接続するために前記第1支線ケーブルの他端部に接続された第2支線ケーブルと、を有しており、
前記第1幹線ケーブルと前記第1支線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記第2支線ケーブルの導体の材料が銅、銅合金、銀又は銀合金のいずれかであることを特徴とする。
幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、一端部が前記第1幹線ケーブルに接続された第1支線ケーブルと、既存の設備に電気的に接続するために前記第1支線ケーブルの他端部に接続された第2支線ケーブルと、を有しており、
前記第1幹線ケーブルと前記第1支線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記第2支線ケーブルの導体の表面が、銅、銅合金、銀、銀合金、錫又は錫合金のいずれかからなる被覆層で覆われていることを特徴とする。
前記第1幹線ケーブルの導体と前記第2幹線ケーブルの導体は、それぞれ複数の素線を撚り合わせてなり、
前記第1幹線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記第2幹線ケーブルの導体を構成する素線の方が細いことを特徴とする。
前記第1支線ケーブルの導体と前記第2支線ケーブルの導体は、それぞれ複数の素線を撚り合わせてなり、
前記第1支線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記第2支線ケーブルの導体を構成する素線の方が細いことを特徴とする。
前記第1幹線ケーブルの導体と前記第2幹線ケーブルの導体、および前記第1支線ケーブルの導体と前記第2支線ケーブルの導体は、それぞれ接続部材を介して接続されており、
前記接続部材の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金、もしくは銅又は銅合金であることを特徴とする。
前記接続部材を介して前記第1幹線ケーブルと前記第2幹線ケーブルとを接続した箇所と、前記接続部材を介して前記第1支線ケーブルと前記第2支線ケーブルとを接続した箇所を、絶縁性の材料で被覆した絶縁被覆部を備えることを特徴とする。
当該分岐付ケーブルは、前記幹線ケーブルと前記支線ケーブルとが施工現場での布設前に接続されて所定箇所に布設されることを特徴とする。
図1は、本実施形態の分岐付ケーブル100を示す外観図である。図2は、その分岐付ケーブル100における幹線ケーブル150と支線ケーブル110の接続部分を一部断面視して示す側面図である。図3は、分岐付ケーブル100の支線ケーブル110における第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20の接続部分を一部断面視して示す側面図である。
なお、分岐付ケーブル100の幹線ケーブル150における第1幹線ケーブル50と第2幹線ケーブル60の接続部分は、図3に示した第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20の接続部分と太さが異なるだけで構成は同様のものである。
分岐付ケーブル100は、中高層ビルに電力を供給するためのケーブルであり、例えば、中高層ビルの階数に応じた本数の支線ケーブル110が幹線ケーブル150に接続されている。
この分岐付ケーブル100は、幹線ケーブル150(第1幹線ケーブル50)の上端部に取り付けられた吊り下げ治具100aによって、最上階側の天井1に固定されている。なお、幹線ケーブル150(第1幹線ケーブル50)の途中部分は、各階の壁面などに適宜支持固定されている。
幹線ケーブル150は、主たる第1幹線ケーブル50と、第1幹線ケーブル50の下端部に接続された第2幹線ケーブル60を有している。
この第1幹線ケーブル50の導体51の材料には、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられている。
導体51は、複数の素線が撚り合わされてなる。例えば、導体51は、φ2.6mmの素線を19本撚りした断面積が100mm2の導体である。この導体51は絶縁材料からなる絶縁層52で覆われている。なお、絶縁層52は図示しないシースにより覆われていてもよい。
この第2幹線ケーブル60の導体61の材料には、銅又は銅合金が用いられている。
導体61は、複数の素線が撚り合わされてなる。例えば、導体61は、φ2.0mmの素線を19本撚りした断面積が60mm2の導体である。この導体61は絶縁材料からなる絶縁層62で覆われている。なお、絶縁層62は図示しないシースにより覆われていてもよい。
ここで、銅の導電率を100とした場合、アルミニウムの導電率は約60であるので、銅製の導体とアルミニウム製の導体とで略同じ通電容量を得るために導体の抵抗を等しくするように、アルミニウム製の導体の断面積に対し、銅製の導体の断面積を約60%にしている。
支線ケーブル110は、一端部が第1幹線ケーブル50に接続された第1支線ケーブル10と、第1支線ケーブル10の他端部に接続された第2支線ケーブル20を有している。
この第1支線ケーブル10の導体11の材料には、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられている。
導体11は、複数の素線が撚り合わされてなる。例えば図4に示すように、導体11は、φ2.0mmの素線を19本撚りした断面積が60mm2の導体である。この導体11は絶縁材料からなる絶縁層12で覆われている。なお、絶縁層12は図示しないシースにより覆われていてもよい。
この第2支線ケーブル20の導体21の材料には、銅又は銅合金が用いられている。
導体21は、複数の素線が撚り合わされてなる。例えば図5に示すように、導体21は、φ2.6mmの素線を7本撚りした断面積が38mm2の導体である。この導体21は絶縁材料からなる絶縁層22で覆われている。なお、絶縁層22は図示しないシースにより覆われていてもよい。
ここで、銅の導電率を100とした場合、アルミニウムの導電率は約60であるので、銅製の導体とアルミニウム製の導体とで略同じ通電容量を得るために導体の抵抗を等しくするように、アルミニウム製の導体の断面積に対し、銅製の導体の断面積を約60%にしている。
分岐コネクタ70を介して第1幹線ケーブル50の導体51と第1支線ケーブル10の導体11とを接続した箇所には、ポリエチレンやEPゴムからなるインジェクションモールド80が設けられている。
接続部材30には、例えば導体接続管やコネクタを用いることができる。コネクタとしてはC型コネクタ、T型コネクタなどを用いることができるが特に限定するものではない。
接続部材30の材料には、アルミニウム又はアルミニウム合金、もしくは銅又は銅合金が用いられている。なお、接続部材30は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。
接続部材30が、アルミニウム又はアルミニウム合金、もしくは銅又は銅合金からなることで、導体11と導体21、および導体51と導体61とを好適に接続することができる。
絶縁被覆部40は、絶縁性の材料でケーブルの接続箇所を被覆したものであり、例えば、レジン、モールド、テープ巻き、熱収縮チューブ、常温収縮チューブなどを用いることができる。
この絶縁被覆部40は、ケーブルの接続箇所を保護する機能を有しており、後述するように、その接続箇所に良好な絶縁性や防水性を付与するようになっている。
第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20、また第1幹線ケーブル50と第2幹線ケーブル60を品質管理の行き届いた工場にて接続することによれば、ケーブルの接続箇所に良好な絶縁性や防水性を付与することができる。
具体的には、熟練作業者が工場にて専用工具を用いて第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20、また第1幹線ケーブル50と第2幹線ケーブル60を接続することにより、分岐付ケーブル100の品質が安定する。特に、熟練作業者が温度・湿度が管理された工場内で、導体11,21表面の酸化被膜や導体51,61表面の酸化被膜を除去するブラッシング後に酸化及び腐食を防止するコンパウンドを内面に塗布した接続部材30との接続作業を所定の時間内に終えるようにすることで、分岐付ケーブル100の品質がより一層安定する。
また、幹線ケーブル150と支線ケーブル110との接続も同様に工場にて行い、その品質を安定させるようになっている。
そして、分岐付ケーブル100の幹線ケーブル150の端部に、銅又は銅合金からなる導体61を有する第2幹線ケーブル60が接続されており、分岐付ケーブル100の支線ケーブル110の端部に、銅又は銅合金からなる導体21を有する第2支線ケーブル20が接続されているので、既存の分電盤や電源設備に分岐付ケーブル100を電気的に接続する場合に異種金属接触腐食が問題となることがない。また、第2幹線ケーブル60の導体61の材料と、第2支線ケーブル20の導体21の材料とに銅又は銅合金を用いており、曲げやすい第2幹線ケーブル60や第2支線ケーブル20の取り扱い性がよいので、既存の分電盤や電源設備に作業性よく接続することができる。
つまり、本実施形態の分岐付ケーブル100は、軽量化と低コスト化を図るとともに、既存の設備に作業性よく好適に接続することを可能にした優れたケーブルである。
第2幹線ケーブル60の導体61や、第2支線ケーブル20の導体21の材料に銀又は銀合金を用いる場合、分岐付ケーブル100のうち最低限必要な長さに銀導体を用いるようにすれば、コストアップを抑えることができる。
このように、第2支線ケーブル20の導体21の素線が細いほど、さらに曲げやすくなる。素線を細くするほど第2の電線・ケーブル20の取り扱い性がよくなるので、既存の分電盤や電源設備に作業性よく接続することができる。
次に、本発明に係る分岐付ケーブルの実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
第2支線ケーブル20の導体21の材料には、銅又は銅合金が用いられている。導体21は、図6(a)示すように、複数の素線21aが撚り合わされてなり、例えば、φ1.6mmの素線を19本撚りした断面積が38mm2の導体となっている。
第2幹線ケーブル60の導体61の材料には、銅又は銅合金が用いられている。導体61は、複数の素線が撚り合わされてなり、例えば、導体61は、φ2.0mmの素線を19本撚りした断面積が60mm2の導体となっている。
なお、第1幹線ケーブル50と第2幹線ケーブル60の素線は、第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20の素線(11a、21a)と太さが異なるだけで構成は同様であるので、図示は省略する。
また、第1幹線ケーブル50の導体51を構成する素線よりも、第2幹線ケーブル60の導体61を構成する素線の方が細い構造の幹線ケーブル150であれば、第1幹線ケーブル50よりも第2幹線ケーブル60の可撓性が向上する。つまり、第2幹線ケーブル60の素線を更に細線構造とすることで、可撓性が向上する。
同様に、第2幹線ケーブル60を既存の電源設備に電気的に接続する作業時の取り回し性が向上するので、幹線ケーブル150を既存の設備に接続し易くなる。
つまり、分岐付ケーブル100を既存の設備に接続し易くなり、その作業効率が上がるようになる。
また、第2支線ケーブル20や第2幹線ケーブル60の素線を更に細くするだけでなく、アルミニウムよりも取り扱い性の良い銅を用いることで、第2支線ケーブル20や第2幹線ケーブル60を既存の分電盤や電源設備に電気的に接続する作業時の取り回し性が向上するので、分岐付ケーブル100を既存の設備に接続し易くなり、その作業効率が上がるようになる。
また、第2幹線ケーブル60の導体61の素線は、素線径がφ2.0mmのものに限らない。例えば、断面積60mm2の導体の場合、素線径がφ1.6mmの素線を30本撚りした導体61や、φ0.45mmの素線を20本撚りしたものを一束の子撚りとし、その子撚りを19本撚り合わせて親撚りとした導体61であってもよい。なお、第2幹線ケーブル60の素線は、第2支線ケーブル20の素線21aと太さが異なるだけで構成は同様であるので、図示は省略する。
また、導体61を構成する素線の径を細くするほど、第2幹線ケーブル60の可撓性が一層向上するので、第2幹線ケーブル60を既存の電源設備に電気的に接続する作業性がより一層向上する。
このような構成の分岐付ケーブル100であれば、ケーブルの端部ほど導体の素線径が細くなっており、第2支線ケーブル20の可撓性がより一層向上するので、ケーブルの接続作業をより容易に行うことが可能になる。
同様に、第1幹線ケーブル50(導体51)と、第2幹線ケーブル60(導体61)が同じケーブルサイズである場合も、第2幹線ケーブル60(導体61)の素線61aの径を細くするほど、第2幹線ケーブル60の可撓性が一層向上するので、第2幹線ケーブル60を既存の分電盤や電源設備に電気的に接続する作業性がより一層向上する。
次に、本発明に係る分岐付ケーブルの実施形態3について説明する。なお、実施形態1,2と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
その場合、銅又は銅合金ではない他の金属材料からなる導体の表面を覆うように、銅又は銅合金からなる被覆層(21d)が設けられる。
具体的には、第2支線ケーブル20の導体21が断面積38mm2の導体であって、φ1.6mmの素線21aを19本撚りした導体である場合、例えば、図7に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素線本体21cの表面を、銅又は銅合金からなる被覆層21dで覆った素線21aを19本撚りした構成の導体21であればよい。
また、第2幹線ケーブル60の導体61が断面積60mm2の導体であって、φ2.0mmの素線を19本撚りした導体である場合、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素線本体の表面を、銅又は銅合金からなる被覆層で覆った素線を19本撚りした構成の導体61であればよい。なお、第2幹線ケーブル60の素線(素線本体、被覆層)は、第2支線ケーブル20の素線21a(素線本体21c、被覆層21d)と太さが異なるだけで構成は同様であるので、ここでは詳述せず、図示も省略する。
なお、第2支線ケーブル20の導体21の材料にアルミニウム又はアルミニウム合金を用いているので、第1支線ケーブル10導体11の断面積は、第2支線ケーブル20の導体21と同じ38mm2であることが好ましい。同様に、第2幹線ケーブル60の導体61の材料にアルミニウム又はアルミニウム合金を用いているので、第1幹線ケーブル50導体51の断面積は、第2幹線ケーブル60の導体61と同じ60mm2であることが好ましい。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素線本体21cの表面を、銅又は銅合金からなる被覆層21dで覆った素線21aとして、銅クラッドアルミ線を用いることもできる。
また、第2支線ケーブル20の導体21(素線21a)の表面は、銅又は銅合金からなる被覆層21dで覆われているので、既存の分電盤に分岐付ケーブル100(支線ケーブル110)を電気的に接続する場合に異種金属接触腐食が問題となることがない。
なお、ここでは被覆層21dの材料に銅又は銅合金が用いたが、被覆層21dの材料に銀又は銀合金、あるいは錫又は錫合金を用いた場合も同様の効果が得られる。
また、第2幹線ケーブル60の導体61の表面は、銅又は銅合金からなる被覆層で覆われているので、既存の電源設備に分岐付ケーブル100(幹線ケーブル150)を電気的に接続する場合に異種金属接触腐食が問題となることがない。
なお、ここでは被覆層の材料に銅又は銅合金が用いたが、被覆層の材料に銀又は銀合金、あるいは錫又は錫合金を用いた場合も同様の効果が得られる。
さらに、第1支線ケーブル10の端部に接続されている第2支線ケーブル20と、第1幹線ケーブル50の端部に接続されている第2幹線ケーブル60とは、銅又は銅合金からなる導体21,61、又はその表面が銅又は銅合金からなる被覆層21dで覆われた導体21,61を備えているので、既存の分電盤や電源設備に電気的に接続した場合に異種金属接触腐食が問題となることがない。また、第1支線ケーブル10の端部に接続されている第2支線ケーブル20と、第1幹線ケーブル50の端部に接続されている第2幹線ケーブル60が、銀又は銀合金からなる導体21,61、又はその表面が銀又は銀合金あるいは錫又は錫合金からなる被覆層(21d)で覆われた導体21,61を備えている場合も、既存の分電盤や電源設備に電気的に接続した場合に異種金属接触腐食が問題となることがない。
このような分岐付ケーブル100であれば、軽量化を図るとともに、既存の設備に作業性よく好適に接続することができる。
例えば、図8に示すように、支線ケーブル110全体が上記第2支線ケーブル20である分岐付ケーブル100であってもよい。
この分岐付ケーブル100は、幹線ケーブル150と、幹線ケーブル150に分岐接続された複数の第2支線ケーブル20(支線ケーブル110)を備えている。
特に、幹線ケーブル150は天井1に吊られるケーブルであるので、その軽量化を図ることは施工手順や施工コストの観点からも好ましい。
以下に、分岐付ケーブル100の変形例について説明する。なお、実施形態1〜3と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
主たる第1支線ケーブル10の導体11の材料に銅又は銅合金を用いるとともに、第2支線ケーブル20の導体21の材料に銅又は銅合金を用いた支線ケーブル110(分岐付ケーブル100)において、第1支線ケーブル10の導体11をφ2.6mmの素線11aを7本撚りしてなる断面積38mm2の導体とし、第2支線ケーブル20の導体21をφ1.6mmの素線21aを19本撚りしてなる断面積38mm2の導体とするように、第2支線ケーブル20の導体21の素線21aを、第1支線ケーブル10の導体11の素線11aよりも細くしてもよい。更に、主たる第1幹線ケーブル50の導体51の材料に銅又は銅合金を用いるとともに、第2幹線ケーブル60の導体61の材料に銅又は銅合金を用いた幹線ケーブル150(分岐付ケーブル100)において、第1幹線ケーブル50の導体51をφ2.0mmの素線を19本撚りしてなる断面積60mm2の導体とし、第2幹線ケーブル60の導体61をφ1.6mmの素線を30本撚りしてなる断面積60mm2の導体とするように、第2幹線ケーブル60の導体61の素線を、第1幹線ケーブル50の導体51の素線よりも細くしてもよい。
よって、分岐付ケーブル100を既存の設備に接続し易くなり、その作業効率が上がるようになる。
なお、第1支線ケーブル10の導体11と第2支線ケーブル20の導体21は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
また、第1幹線ケーブル50の導体51と第2幹線ケーブル60の導体61は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体のみを用いた変形例1の分岐付ケーブル100において、支線ケーブル110全体が第2支線ケーブル20であり、その第2支線ケーブル20の導体21がアルミニウム又はアルミニウム合金からなるものでもよい。
この場合、第2支線ケーブル20の導体21の素線21aが細いものであれば、その可撓性が向上し、第2支線ケーブル20を既存の分電盤に電気的に接続する作業時の取り回し性が向上するので好ましい。
主たる第1支線ケーブル10の導体11の材料に硬銅線を用いるとともに、第2支線ケーブル20の導体21の材料に軟銅線を用いた支線ケーブル110(分岐付ケーブル100)であってもよい。更に、主たる第1幹線ケーブル50の導体51の材料に硬銅線を用いるとともに、第2幹線ケーブル60の導体61の材料に軟銅線を用いた幹線ケーブル150(分岐付ケーブル100)であってもよい。なお、軟銅線は調質により硬度を下げた銅であって、硬銅線に比べて硬度が低く、柔軟性に富む金属材料である。
特に、第1支線ケーブル10の導体11をφ2.6mmの素線11aを7本撚りしてなる断面積38mm2の導体とし、第2支線ケーブル20の導体21をφ1.6mmの素線21aを19本撚りしてなる断面積38mm2の導体とするように、第2支線ケーブル20の導体21の素線21aを、第1支線ケーブル10の導体11の素線11aよりも細くすることが好ましい。同様に、第1幹線ケーブル50の導体51をφ2.0mmの素線を19本撚りしてなる断面積60mm2の導体とし、第2幹線ケーブル60の導体61をφ1.6mmの素線を30本撚りしてなる断面積60mm2の導体とするように、第2幹線ケーブル60の導体61の素線を、第1幹線ケーブル50の導体51の素線よりも細くすることが好ましい。
よって、分岐付ケーブル100を既存の設備に接続し易くなり、その作業効率が上がるようになる。
なお、第1支線ケーブル10の導体11と第2支線ケーブル20の導体21は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
また、第1幹線ケーブル50の導体51と第2幹線ケーブル60の導体61は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
主たる第1支線ケーブル10の導体11の材料に硬アルミ線を用いるとともに、第2支線ケーブル20の導体21の材料に軟アルミ線を用いた支線ケーブル110(分岐付ケーブル100)であってもよい。更に、主たる第1幹線ケーブル50の導体51の材料に硬アルミ線を用いるとともに、第2幹線ケーブル60の導体61の材料に軟アルミ線を用いた幹線ケーブル150(分岐付ケーブル100)であってもよい。なお、軟アルミ線は調質により硬度を下げたアルミであって、硬アルミ線に比べて硬度が低く、柔軟性に富む金属材料である。
特に、第1支線ケーブル10の導体11をφ2.6mmの素線11aを7本撚りしてなる断面積38mm2の導体とし、第2支線ケーブル20の導体21をφ1.6mmの素線21aを19本撚りしてなる断面積38mm2の導体とするように、第2支線ケーブル20の導体21の素線21aを、第1支線ケーブル10の導体11の素線11aよりも細くすることが好ましい。同様に、第1幹線ケーブル50の導体51をφ2.0mmの素線を19本撚りしてなる断面積60mm2の導体とし、第2幹線ケーブル60の導体61をφ1.6mmの素線を30本撚りしてなる断面積60mm2の導体とするように、第2幹線ケーブル60の導体61の素線を、第1幹線ケーブル50の導体51の素線よりも細くすることが好ましい。
よって、分岐付ケーブル100を既存の設備に接続し易くなり、その作業効率が上がるようになる。
なお、第1支線ケーブル10の導体11と第2支線ケーブル20の導体21は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
また、第1幹線ケーブル50の導体51と第2幹線ケーブル60の導体61は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
主たる第1支線ケーブル10の導体11の材料にアルミニウム又はアルミニウム合金を用いるとともに、第2支線ケーブル20の導体21として、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体21(素線21a)の表面に、イオン化傾向の順位がアルミニウム以下であって銅以上である金属材料(例えば、亜鉛、ニッケル)からなる被覆層21dを設けた構成の支線ケーブル110(分岐付ケーブル100)であってもよい。更に、主たる第1幹線ケーブル50の導体51の材料にアルミニウム又はアルミニウム合金を用いるとともに、第2幹線ケーブル60の導体61として、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体61(素線)の表面に、イオン化傾向の順位がアルミニウム以下であって銅以上である金属材料(例えば、亜鉛、ニッケル)からなる被覆層を設けた構成の幹線ケーブル150(分岐付ケーブル100)であってもよい。
なお、導体21(素線21a)の表面に中間合金層を介して被覆層21dを設けることが好ましい。ここでいう中間合金層とは、イオン化傾向の順位が導体11の材料と被覆層21dの材料の間の材料からなる合金層のことである。この中間合金層を設けることで、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体21(素線21a)の腐食をより好適に防ぐことができる。第2幹線ケーブル60の導体61(素線)の表面に被覆層を設ける場合も同様である。
このような分岐付ケーブル100であれば、ケーブルの主要部がアルミニウム又はアルミニウム合金からなるので、従来のケーブルに比べて、軽量化と低コスト化を図ることができる。
なお、第1支線ケーブル10の導体11と第2支線ケーブル20の導体21は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
また、第1幹線ケーブル50の導体51と第2幹線ケーブル60の導体61は、接続部材30を介して接続されており、その接続部材30を介して第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20とを接続した箇所は、絶縁被覆部40で覆われていることは勿論である。
主たる第1支線ケーブル10の導体11の材料と、主たる第1幹線ケーブル50の導体51の材料とに銅又は銅合金を用いるとともに、第2支線ケーブル20の導体21の材料と、第2幹線ケーブル60の導体62の材料とに銀又は銀合金を用いた分岐付ケーブル100であってもよい。第2支線ケーブル20の導体21と、第2幹線ケーブル60の導体62の材料とに銀又は銀合金を用いる場合、分岐付ケーブル100のうち最低限必要な長さに銀導体を用いるようにすれば、コストアップを抑えることができる。
このような分岐付ケーブル100も既存の分電盤や電源設備に接続することができる。なお、分岐付ケーブル100全体の導体を銀にしてもよい。
例えば、品質管理の行き届いた工場にて、第1支線ケーブル10の端部にコネクタのソケットを取り付け、第2支線ケーブル20の端部にコネクタのプラグを取り付けたケーブルを用いてもよい。同様に、品質管理の行き届いた工場にて、第1幹線ケーブル50の端部にコネクタのソケットを取り付け、第2幹線ケーブル60の端部にコネクタのプラグを取り付けたケーブルを用いてもよい
このような分岐付ケーブル100であれば、コネクタのソケットとプラグを接続することで、施工現場などであっても第1支線ケーブル10と第2支線ケーブル20、第1幹線ケーブル50と第2幹線ケーブル60とを容易に接続することが可能になる。
110 支線ケーブル
10 第1支線ケーブル
11 導体
11a 素線
12 絶縁層
20 第2支線ケーブル
21 導体
21a 素線
21b 子撚り
21c 素線本体
21d 被覆層
22 絶縁層
150 幹線ケーブル
50 第1幹線ケーブル
51 導体
52 絶縁層
60 第2幹線ケーブル
61 導体
62 絶縁層
70 分岐コネクタ
80 インジェクションモールド
30 接続部材
40 絶縁被覆部
Claims (10)
- 幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、前記第1幹線ケーブルに接続されており、
前記第1幹線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記支線ケーブルの導体の材料が銅、銅合金、銀又は銀合金のいずれかであることを特徴とする分岐付ケーブル。 - 幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、前記第1幹線ケーブルに接続されており、
前記第1幹線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記支線ケーブルの導体の表面が、銅、銅合金、銀、銀合金、錫又は錫合金のいずれかからなる被覆層で覆われていることを特徴とする分岐付ケーブル。 - 前記第1幹線ケーブルの導体と前記第2幹線ケーブルの導体および前記支線ケーブルの導体は、それぞれ複数の素線を撚り合わせてなり、
前記第1幹線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記第2幹線ケーブルの導体を構成する素線の方が細く、前記第1幹線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記支線ケーブルの導体を構成する素線の方が細いことを特徴とする請求項1又は2に記載の分岐付ケーブル。 - 幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、一端部が前記第1幹線ケーブルに接続された第1支線ケーブルと、既存の設備に電気的に接続するために前記第1支線ケーブルの他端部に接続された第2支線ケーブルと、を有しており、
前記第1幹線ケーブルと前記第1支線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記第2支線ケーブルの導体の材料が銅、銅合金、銀又は銀合金のいずれかであることを特徴とする分岐付ケーブル。 - 幹線ケーブルと、前記幹線ケーブルに分岐接続された複数の支線ケーブルとを備えている分岐付ケーブルであって、
前記幹線ケーブルは、主たる第1幹線ケーブルと、電源に電気的に接続するために前記第1幹線ケーブルの一方の端部に接続された第2幹線ケーブルとを有しており、
前記支線ケーブルは、一端部が前記第1幹線ケーブルに接続された第1支線ケーブルと、既存の設備に電気的に接続するために前記第1支線ケーブルの他端部に接続された第2支線ケーブルと、を有しており、
前記第1幹線ケーブルと前記第1支線ケーブルの導体の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第2幹線ケーブルと前記第2支線ケーブルの導体の表面が、銅、銅合金、銀、銀合金、錫又は錫合金のいずれかからなる被覆層で覆われていることを特徴とする分岐付ケーブル。 - 前記第1幹線ケーブルの導体と前記第2幹線ケーブルの導体は、それぞれ複数の素線を撚り合わせてなり、
前記第1幹線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記第2幹線ケーブルの導体を構成する素線の方が細いことを特徴とする請求項4又は5に記載の分岐付ケーブル。 - 前記第1支線ケーブルの導体と前記第2支線ケーブルの導体は、それぞれ複数の素線を撚り合わせてなり、
前記第1支線ケーブルの導体を構成する素線よりも、前記第2支線ケーブルの導体を構成する素線の方が細いことを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の分岐付ケーブル。 - 前記第1幹線ケーブルの導体と前記第2幹線ケーブルの導体、および前記第1支線ケーブルの導体と前記第2支線ケーブルの導体は、それぞれ接続部材を介して接続されており、
前記接続部材の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金、もしくは銅又は銅合金であることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の分岐付ケーブル。 - 前記接続部材を介して前記第1幹線ケーブルと前記第2幹線ケーブルとを接続した箇所と、前記接続部材を介して前記第1支線ケーブルと前記第2支線ケーブルとを接続した箇所を、絶縁性の材料で被覆した絶縁被覆部を備えることを特徴とする請求項8に記載の分岐付ケーブル。
- 当該分岐付ケーブルは、前記幹線ケーブルと前記支線ケーブルとが施工現場での布設前に接続され所定箇所に布設されることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の分岐付ケーブル。
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