JP2008262808A - 電線・ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 銅線とアルミニウム線のそれぞれの利点を兼ね備えた軟化CCA線を導体として用いて、十分な導電率と柔軟性、耐屈曲性を確保すると共に、絶縁体やコネクタへの悪影響を抑えて汎用端子・コネクタの適用も図れ、低コストで軽量化を実現できる電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】 銅体積比を13〜20%としたCCA線15を軟化して銅部15b及びアルミニウム部15aをそれぞれ軟銅及び軟アルミとし、複数本の撚線状態として電線・ケーブルの導体14とすることから、適切な割合で表層に配置した銅部15bが導線に高い機械的強度を付与することに加えて、表面の摩擦抵抗を少なくし、屈曲応力の集中を緩和して、耐屈曲性を向上させると共に、柔軟性や耐振動性にも優れることとなり、軽量化を実現しつつ取扱い性に優れた電線・ケーブルとすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軽量化を期待される移動用ケーブルや自動車用、各種機器用電線として銅クラッドアルミニウム線を導体として使用する電線・ケーブルに関し、特に、低コストで軽量化が図れ、取扱性に優れる電線・ケーブルに関する。
近年、様々な機器や装置で軽量化が要求されるようになっているが、信号伝達や電力供給等で重要な位置を占める電線・ケーブルにおいてもそれは例外ではなく、特に、自動車等の輸送機械用電線においては、軽量化による燃費向上、CO2削減効果が期待でき、また、可搬型の機器や装置に接続されて用いられる移動用ケーブルにおいては、軽量化による省力化や安全衛生面での向上が期待できることから、軽量化が強く求められている。
電線・ケーブルの導体としては、従来、銅線やアルミニウム線が一般的に使用されている。このうち銅線は、導電率が高く、耐腐食性及び耐屈曲性にも優れていることから、電気用導体として主に利用されているが、比重が大きく、導電性を損ねずに大幅に軽量化を図ることは非常に困難であった。
これに対して、アルミニウム線は、銅線と比較して導電率は低下するものの、比重が小さく、軽量化を目的として銅線の代りに用いるのには適している。しかし、アルミニウム線は空気に触れると瞬時に表面に酸化皮膜が生じるため、端子やコネクタ取付けの際には皮膜除去が必要であり、皮膜除去コンパウンド等を使用して接続したり、皮膜除去のための特別な洗浄を行ったり、接続部の信頼性低下を補償できる特殊な端子・コネクタの設計開発を要する等、特別なコストが加わるという問題があった。また、強度が低いため、導体加工時の断線による製造効率の低下、屈曲性の低下も懸念されていた。
一方、新たな軽量化の手法として、アルミニウムの心線を被覆する銅層を配設して、銅の導電性とアルミニウムの軽量性の両方の特長を備える銅クラッドアルミニウム線(Copper Clad Aluminum wire、以下、CCA線と略称)が注目されている。軽量化と導電性等の特性維持を高いレベルで両立できる銅クラッドアルミニウム線は従来から種々提案されており、その一例が、特開平4−230905号公報に開示されている。
この従来のCCA線は、Mg1.5〜10重量%、一部添加物Cr、Mn、通常の不純物及び残部がアルミニウムからなるAl−Mg系アルミニウム合金を心材とし、この周囲に純度99.9%以上の銅を面積被覆率20〜40%で被覆したものであり、軽量化の効果が大きい上、引張り強度や屈曲性、半田付け性、及び塩水に対する耐食性に優れるという特長を有する。
特開平4−230905号公報
電線・ケーブルの軽量化にあたっては、銅線に代えてアルミニウム線やCCA線を使用することが容易に考えられるが、従来、軽量化を優先する場合に最も一般的に使用されている硬アルミ線は、送電用の架空裸電線としての使用が主であり、電線・ケーブルの導体として軽量化を優先する目的への適用を考慮した場合、硬アルミ線は、強度が高いものの硬く曲げにくいため、銅線同様に柔軟性を要求される用途には使用しにくいという課題を有していた。一方、軟アルミ線については、強度が低いため、伸線、撚線等の導体製造時に断線や引き伸びが発生して加工性が劣り、また表面に製造時に用いられた潤滑油が残留し、これらの絶縁体やコネクタへの影響が懸念されるため、絶縁被覆を備える電線・ケーブルには、特に絶縁厚が薄い低電圧、低電流の小サイズ電線・ケーブルを含めて、使用は困難であり、従来も一般的には用いられていなかった。
また、CCA線は、銅部分とアルミ部分が一般にそれぞれ硬銅と硬アルミの状態であり、従来は被覆無しの単線として、マグネットワイヤ等の用途に主に利用されているが、可撓性が劣り、また、高価である等の理由で、軽量化された電線・ケーブル用導体として銅線を置換えるまでには至っていなかった。
さらに、前記特許文献1に記載されるように、CCA線において、強度向上と性質改善のため、アルミニウム部にMgやCr、Mn等を添加したAL−Mg系合金等を用いる等の事例もあるものの、非常にコスト高となり、汎用の電線・ケーブルの導体としては使用しにくいという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、銅線とアルミニウム線のそれぞれの利点を兼ね備えた軟化CCA線を導体として用いて、十分な導電率と柔軟性、耐屈曲性を確保すると共に、絶縁体やコネクタへの悪影響を抑えて汎用端子・コネクタの適用も図れ、低コストで軽量化を実現できる電線・ケーブルを提供することを目的とする。
本発明に係る電線・ケーブルは、アルミニウム部の周りに銅部を銅体積比13〜20%として配置し、アルミニウム部及び銅部を軟化してなる銅クラッドアルミニウム線を、複数撚り合わせて電線用導体とし、当該電線用導体を所定の絶縁材料で被覆したものである。
このように本発明によれば、銅体積比を13〜20%とした銅クラッドアルミニウム線を軟化して銅部及びアルミニウム部をそれぞれ軟銅及び軟アルミとし、複数本の撚線状態として電線・ケーブルの導体とすることにより、適切な割合で表層に配置した銅部が導線に高い機械的強度を付与することに加えて、表面の摩擦抵抗を少なくし、屈曲応力の集中を緩和して、耐屈曲性を向上させると共に、柔軟性や耐振動性にも優れることとなり、軽量化を実現しつつ取扱い性に優れた電線・ケーブルとすることができる。また、線間の摩擦が小さくなることで製造時に断線しにくく、製造が容易となる上、導体製造においてアルミ伸線時のような潤滑油は不要であり、線表面に残留した潤滑油によるコネクタや絶縁被覆等の特性低下の懸念がなく、特殊な素材や部品を要求せず低コスト化が図れる。さらに、適切な割合で銅部を配置していることで、端子取付時等の圧縮加工でアルミニウム部が露出することもなく、信頼性、安定性に優れた端子接続が行える。
また、本発明に係る電線・ケーブルは必要に応じて、前記銅クラッドアルミニウム線が、伸線後に軟化機で200〜500℃で連続軟化されて得られるものである。
このように本発明によれば、銅部とアルミニウム部との割合を適切なものとした銅クラッドアルミニウム線を伸線後、軟化機で連続的に軟化し、電線・ケーブルの導体として適した性質とすることにより、銅クラッドアルミニウム線の軟化を効率よく進行させることができ、コストを抑えつつ断線の防止が図れる。
また、本発明に係る電線・ケーブルは必要に応じて、前記アルミニウム部が、純度99.5%以上の電気用アルミニウムであり、前記銅部が、純度99.9%以上の電気用銅であるものである。
このように本発明によれば、銅クラッドアルミニウム線における中心のアルミニウム部に電気用アルミニウムを用いると共に、銅部に電気用銅を用いて、導体を形成することにより、一般的な電気用の導体として用いられる材料で銅クラッドアルミニウム線を構成することとなり、汎用的な電線・ケーブルとして問題ないコストで製造でき、低コストで軽量化を実現できる。
以下、本発明の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るケーブルの断面図及びCCA線の拡大断面図、図2は本実施形態に係るケーブルにおけるCCA線の軟化工程説明図である。
前記各図において本実施形態に係るケーブル1は、円断面形状の三本の絶縁線心11、12、13を撚り合わせてなるものであり、各絶縁線心11、12、13の導体14が、銅クラッドアルミニウム線(CCA線)の撚り線とされ、この導体14周囲に所定材質製の絶縁体層16をそれぞれ有すると共に、最外層にシース17を備える構成である。
前記絶縁線心11、12、13は、導体14周囲を、絶縁体層16で被覆される構成である。前記導体14は、アルミニウム部15aの周囲に銅部15bを配置したCCA線15を複数本撚り合わせた構成である。CCA線15の銅部15bは、銅体積比13〜20%としてアルミニウム部15aの周りに配置される。この適切な割合で表層に配置された銅部15bにより、CCA線15は導電性に優れることとなり、同じ電流容量を確保する場合、アルミニウム線に比べて電線サイズを縮小でき、軽量化と共に電線・ケーブルの小径化が図れる。このCCA線において、銅体積比が前記範囲を外れた場合、すなわち、銅体積比13%未満では、製造時の断線頻度が多くなり、また、20%以上では強度は上がるものの、比重が大きく増加するため、軽量化導体としては不適切である。なお、CCA線15のクラッド構造及びその接合方法については、公知のものであり、説明を省略する。
前記アルミニウム部15a及び銅部15bは、電線・ケーブルとして標準的な純度以上のアルミニウムや銅であれば、問題なく適切な性質のCCA線を得ることができるが、特に、アルミニウム部15aが純度99.5%以上の電気用アルミニウムで、銅部15bが純度99.9%以上の電気用銅(タフピッチ銅)である場合が、コストと性能のバランスに優れたものとすることができる。
CCA線15は、軟化させた後、撚線機で複数撚り合わされて電線用の導体14とされ、さらに絶縁体層16を周囲に配設される。電線・ケーブルの導体となる金属線を一般的な撚線機で撚線加工する場合、引張強さ100MPa以下程度の軟アルミ線では断線が多発するが、銅体積比13〜20%としたCCA線は引張強さ120MPa以上を確保でき、一般的な撚線機でも断線頻度を極めて少なくすることができ、生産効率の向上と低コスト化を実現できる。
前記絶縁体層16は、塩化ビニルをはじめ、難燃剤を配合した耐燃性ポリエチレン混合物や耐燃性ポリオレフィン、また、天然ゴム混合物、エチレンプロピレンゴム混合物、クロロプレンゴム混合物、フッ素樹脂混合物等からなるもので、被覆構造自体は公知のものであり、詳細な説明を省略する。この絶縁体層16をなす塩化ビニルや耐燃性ポリエチレン混合物、耐燃性ポリオレフィン等は、いずれも油による膨潤、機械的強度の低下、絶縁抵抗の低下が懸念される材質であるが、導体14製造時にアルミ伸線時のように潤滑油を用いる必要がないため、残留潤滑油による絶縁被覆への影響は考慮せずに済み、前記各被覆材を用いても問題なく信頼性の高い電線・ケーブルとすることができる。
次に、前記構成に基づくケーブルの製造工程について説明する。まず、公知のクラッド工程により、アルミニウム線の周囲に銅が被覆され、CCA線15が得られる。CCA線15における銅体積比はこの時点で13〜20%とされる。得られたCCA線15は、伸線工程で所望の径となるまで伸線され、続いて軟化機50に通され(図2参照)、連続して200〜500℃で軟化され、CCA線15のアルミニウム部15a及び銅部15bがそれぞれ軟アルミ及び軟銅となる。
軟化したCCA線15は所定の本数撚り合わされて導体14とされ、続いてこの導体14周囲に絶縁体層16が配設されたものが、さらに複数本撚り合わされた後、シース17をまとめて被覆されて、ケーブル1として完成した状態となる。
得られたケーブル1は、銅線導体を用いた場合に比べ軽量化が図れる上、アルミニウム線を用いた場合より高い導電率を得られ、柔軟性も確保して取扱いやすく、また、導体表面が銅でアルミニウム線のような酸化皮膜ができないため、端子やコネクタ接続は従来の銅線導体と同様の接続が可能となり、特殊な端子やコネクタを用いる必要が無く、汎用品でも高い接続信頼性を得ることができる。
さらに、高周波においては表皮効果により、線表面の電流密度が増加するため、表面に銅部15bをもつCCA線15では、アルミニウム線と比較して交流抵抗の増加が少なく、また銅線と比較して大幅な軽量化を実現することができ、特に架空通信用ケーブル導体として有効である。
加えて、この銅体積比13〜20%としたCCA線15を用いたケーブルでは、アルミニウム部15aが導体14表面に露出しにくいことから、導体14と絶縁体層16間に塩水等が浸入したとしても、導体の腐食は発生せず、銅導体と同様の高い耐腐食性、信頼性を得ることができ、端末部の水密加工や導体と被覆間への水密材充填処理等の特別な処置は不要である。
このように、本実施形態に係る電線・ケーブルは、銅体積比を13〜20%としたCCA線15を軟化して銅部15b及びアルミニウム部15aをそれぞれ軟銅及び軟アルミとし、複数本の撚線状態として電線・ケーブルの導体14とすることから、適切な割合で表層に配置した銅部15bが導線に高い機械的強度を付与することに加えて、表面の摩擦抵抗を少なくし、屈曲応力の集中を緩和して、耐屈曲性を向上させると共に、柔軟性や耐振動性にも優れることとなり、軽量化を実現しつつ取扱い性に優れた電線・ケーブルとすることができる。また、適切な割合で銅部15bを配置して、摩擦を小さくし且つ強度を上げることで、製造時に断線しにくく、製造が容易になると共に、端子取付時等の圧縮加工でアルミニウム部15aが露出することもなく、信頼性、安定性に優れた端子接続が行える。
なお、前記実施形態に係る電線・ケーブルにおいては、ケーブルとして撚り合わせる絶縁線心の数を三つとする構成としているが、これに限らず、絶縁線心のみの単心絶縁電線構造としたり、また、適宜必要とされる絶縁線心を所定数撚り合わせて、又は所定数並列させて一体化し、ケーブルとして用いる構成とすることもできる。
本発明に係る電線・ケーブルに用いるCCA線の各特性の測定を実施し、得られた測定結果について、比較例としての銅線やアルミニウム線の測定結果と比較評価した。
まず、本発明に係る軟化したCCA線と、比較例としての軟銅線、軟アルミ線について、各素線の引張強さと伸びの各測定を行った。各素線径は0.45mmであり、また、CCA線の銅体積比は15%である。測定結果を表1に示す。規格値のあるものは合わせて示している。
一般に、市販撚線機で撚線加工する場合、引張強さ100MPa以下程度の軟アルミでは断線が多発するが、銅体積比13〜20%のCCA線は引張強さ120MPa以上を確保でき、一般の撚線機でも断線頻度が大幅に低減でき、生産効率の向上、低コスト化を実現できる。また、軟アルミ線の細径素線の場合は、圧縮や圧着で断線しやすいが、軟化CCA線は軟アルミ線より強度に優れ、断線しにくい。ただし、適切な銅体積比の範囲外、すなわち、銅体積比13%未満では断線頻度が多くなり、20%以上では強度は上がるが比重が大きく増加するため軽量化導体としては不適切である。
次に、本発明に係るCCA線と、比較例としての銅線、アルミニウム線について、密度と導電率から、等価抵抗をなす各線の外径に係る各値の割合を、銅を100とした相対値として算出した。測定結果及び計算結果を表2に示す。CCA線の銅体積比は15%である。なお、CCA線の欄におけるカッコ内の値は、アルミを100とした相対値を示している。
表2より、軽量化のために一般的に用いられる軟アルミ線より、CCA線は導電率が高いため、同一抵抗を確保する場合、軟アルミ線の約95%の断面積でよく、小径化に寄与できることがわかる。
次に、本発明に係る軟化したCCA導体と、比較例としての軟アルミ導体について、繰返し屈曲試験を行った。導体断面積はそれぞれ60mm2とし、屈曲の基準面としての円筒の半径70mm、100mm、20kN加圧後の円筒半径100mmの各屈曲条件について試験を行い、試験結果として得られた断線の有無と素線数(380本)に対する断線発生率(カッコ内数値)を表3(円筒の半径70mm、100mm)、及び表4(20kN加圧後の円筒半径100mm)に示す。CCA線の銅体積比は15%である。
また、同様の屈曲試験を、本発明に係る軟化したCCA線導体と、比較例としての軟銅線導体について、導体断面積を8mm2とし、基準面の円筒半径30mm、40mm、及び50mmの各屈曲条件について試験を行い、試験結果として得られた断線の有無と素線数(50本)に対する断線発生率を表5に示す。CCA線の銅体積比は15%である。
表3、表4、及び表5に示したように、軽量化を目的として軟アルミ線を適用すると、屈曲による断線が発生しやすいことがわかるが、軟化CCA導体では耐屈曲性が向上しており、これは表面の銅層の摩擦抵抗が少なく、屈曲応力の集中が緩和されることによると考えられる。ただし、屈曲半径が小さくなると軟化CCA導体は銅導体と比べて断線発生が増加する傾向があるため、一定の屈曲半径(例えば、電線外径の10倍以上の屈曲半径)を確保することが必要と考えられる。
次に、JIS規格銅圧着端子を用いて、軟化CCA導体の端子との圧着接続を行った状態の断面図及びその拡大図を図3に示す。CCA線の銅体積比は15%である。
図3から、CCA各素線のアルミニウム部の露出なく、銅層同士が確実に接合していることがわかり、銅体積比13〜20%のCCA導体を使用すれば信頼性低下の恐れはなく、高い信頼性で市販の銅端子、コネクタの使用が可能であるといえる。なお、銅体積比13%未満では銅厚が薄く端子の圧縮時にアルミ部が露出する危険性があり、20%以上では比重が大きく増加するため軽量化導体としては不適切である。
JIS規格の銅圧縮端子は、JIS規格アルミ圧縮端子より短くコンパクトであることから、CCA導体の適用により、端子・コネクタをコンパクト化でき、端子・コネクタ自身の酸化皮膜対策も不要となるメリットがある。
このCCA線に対し、アルミ線に銅等の薄膜のメッキを施した場合、圧着端子や圧縮端子、コネクタへの接続時にメッキが破れたり剥がれたりして、異種金属接触による腐食や信頼性低下の恐れがある。特に柔軟性が必要な用途の場合には、一般に線径を細くして線本数を多くする手法が採られるが、細径素線で薄厚のメッキの場合には特に信頼性低下の恐れが高くなる。
次に、本発明に係る軟化したCCA導体と、比較例としての軟アルミ導体について、導体断面積がそれぞれ60mm2のものにそれぞれJIS圧着端子を接続した上でヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクルの詳細と、試験の前後での抵抗率変化を表6に示す。CCA線の銅体積比は15%である。なお、表6中、カッコ内の温度値は周温に対する温度上昇を示す。
また、同様のヒートサイクル試験を、本発明に係る軟化したCCA導体と、比較例としての軟銅導体について、導体断面積がそれぞれ8mm2のものにそれぞれJIS圧着端子を接続した上でヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクルの詳細と、試験の前後での抵抗率変化を表7に示す。CCA線の銅体積比は15%である。なお、表7中、カッコ内の温度値は周温に対する温度上昇を示す。
表6、表7に示したように、ヒートサイクルを経て、JIS圧着端子を接続した軟アルミ導体は抵抗値の増加、端子部での異常発熱が見られるのに対して、JIS圧着端子を接続したCCA導体及び銅導体は、抵抗値の増加や異常発熱はなく、安定した特性が得られることがわかる。なお、銅体積比13%未満では銅厚が薄く端子の圧縮時にアルミニウム部が露出する危険性があり、この露出で抵抗値増加や異常発熱を招くおそれがあることから、銅体積比13〜20%の範囲が接続特性の安定の面からも適当である。
さらに、本発明に係るCCA導体と、比較例としての素線径0.45mmの銅導体及び軟アルミ導体について、周波数を変化させた交流導体抵抗を算出した。100MHzまでの各周波数における交流導体抵抗のグラフを図4に示す。CCA線の銅体積比は15%である。
図4から、CCA線の交流抵抗算出値は、100kHzを超える辺りから軟アルミ線より抵抗値が大幅に低減され、銅導体の抵抗値に近くなる。軽量化効果と高周波での交流抵抗値、コストの観点からも銅体積比13〜20%程度が適当であることがわかる。高周波においては表皮効果により、線表面の電流密度が増加するため、表面に高い導電率を有する銅覆部をもつCCA線は、アルミニウム線と比較してインピーダンスの増加が少なく、銅線と比較して大きな軽量化を実現することができ、特に架空通信用ケーブル導体として有効である。
本発明の一実施形態に係るケーブルの断面図及びCCA線の拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るケーブルにおけるCCA線の軟化工程説明図である。 本発明に係る電線・ケーブルにおけるCCA導体の端子接続状態断面画像及び拡大断面画像である。 本発明に係る電線・ケーブルにおけるCCA導体の交流導体抵抗のグラフである。
符号の説明
1 ケーブル
11、12、13 絶縁線心
14 導体
15 CCA線
15a アルミニウム部
15b 銅部
16 絶縁体層
17 シース
50 軟化機

Claims (3)

  1. アルミニウム部の周りに銅部を銅体積比13〜20%として配置し、アルミニウム部及び銅部を軟化してなる銅クラッドアルミニウム線を、複数撚り合わせて電線用導体とし、当該電線用導体を所定の絶縁材料で被覆したことを
    特徴とする電線・ケーブル。
  2. 前記請求項1に記載の電線・ケーブルにおいて、
    前記銅クラッドアルミニウム線が、所定径への伸線加工後に軟化機で200〜500℃で連続軟化されて得られることを
    特徴とする電線・ケーブル。
  3. 前記請求項1又は2に記載の電線・ケーブルにおいて、
    前記アルミニウム部が、純度99.5%以上の電気用アルミニウムであり、前記銅部が、純度99.9%以上の電気用銅であることを
    特徴とする電線・ケーブル。
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