JP2016148633A - ケース反転治具 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、セットブロックの位置測定を行うためには、トルクコンバータをケースから取り出した後、駆動源側取付面を上方に向けるために反転させる必要がある。しかしながら、トルクコンバータは重量物である上、周面が湾曲しており、取り出し作業や反転作業を行いにくいという問題があった。
そして、このケース反転治具は、前記ケース開口部に嵌合する外枠部と、前記外枠部に設けられ、前記ボス部が嵌合されることで前記トルクコンバータを支持する支持部と、を備える。
この結果、トルクコンバータを持ち上げてケースから取り出す作業を不要とすることができると共に、トルクコンバータを反転させる際の荷重負担を軽減することができる。これにより、ケースに収容されたトルクコンバータの取り出し作業及び反転作業の作業性を向上することができる。
まず、実施例1のケース反転治具の構成を、「全体構成」、「ケースへの装着状態の構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1のケース反転治具の外観を示す。図2は、ケース装着状態のケース反転治具を示す。以下、図1及び図2に基づき、実施例1のケース反転治具の全体構成を説明する。
すなわち、第1側面部21bと第2側面部21cとの間の間隔寸法は、ケース1の反転時回転方向Xの外形長さ寸法とほぼ同じに設定される。
そして、中央部21aと第2側面部21cとの間の屈曲部21dは、角が落とされたR形状となっている。
すなわち、支持枠部22の両端部の屈曲部分の間隔寸法は、ケース1の反転時回転方向Xと直交する方向の長さ寸法とほぼ同じに設定される。
なお、ここでは、支持枠部22は、回転方向枠部21の外側(図1では上側)に固定されており、回転方向枠部21から突出している。そこで、ケース反転治具10を反転させたときの外枠部20のがたつきを防止するため、回転方向枠部21の表面に、支持枠部22を設けたことで生じる段差を支える複数の支持突起部21eが設けられている。
前記取っ手部24は、平面視コ字状に形成されており、溶接により連結枠部23に固定されている。
ここで、支持部30は、ケース1に外枠部20を嵌合した際、このケース1に収容されたトルクコンバータT/Cのボス部5が嵌合穴31に嵌合するように、外枠部20の内側に向けて突出している。
また、嵌合穴31は、図2に示すように、平滑な内周面を有しており、油漏れ防止用キャップ6が被せられた状態のボス部5が嵌合可能な内径寸法に設定されている。なお、この嵌合穴31の深さ寸法は、ボス部5の立ち上がり長さよりも長くなるように設定されている。
図2に基づき、実施例1のケース反転治具のケースへの装着状態を説明する。
前記ケース側面3は、ケース底面2の周縁から立ち上がっている。前記ケース開口部4は、ケース側面3に取り囲まれると共にケース底面2に対向する。また、このケース開口部4は、トルクコンバータT/Cを出し入れ可能な開口面積を有している。
ここで、ケース反転治具10の装着は、外枠部20の第1側面部21bと第2側面部21cの間にケース1を配置し、一対の回転方向枠部21,21の各中央部21aがケース1のケース開口部4と干渉するまで外枠部20を差し込むことで行う。
また、回転方向枠部21,21の各中央部21aがケース開口部4に干渉し、外枠部20がケース1に嵌合すると同時に、支持部30の嵌合穴31にトルクコンバータT/Cのボス部5が嵌合する。なお、ケース1に収容されたトルクコンバータT/Cの位置はほぼ決まっている。このため、第1側面部21bと、第2側面部21cと、支持枠部22の両端の屈曲部分とに囲まれた空間にケース1が入り込めば、支持部30とボス部5とは自ずと対向する。つまり、支持部30の位置決めは不要となっている。
まず、「治具不使用時の作業上の課題」、「比較例のケース反転治具の構成と課題」を順に説明し、続いて、実施例1のケース反転治具における「ケース反転作用」を説明する。
図4Aは、ケース反転治具を使用しない場合でのトルクコンバータ取り出し作業を示し、図4Bは、ケース反転治具を使用しない場合でのトルクコンバータ反転作業を示す。以下、図4A及び図4Bに基づき、治具不使用時の作業上の課題を説明する。
一方、トルクコンバータは、変速機構側取付面に形成されたボス部を下(ケース底面)に向けると不安定になってしまうことや、トルクコンバータに充満されたオイルが漏れることを防止するといった理由のため、駆動源側取付面を下(ケース底面)に向け、ボス部を上(ケース開口部)に向けた状態でケースに収容されることが一般的である。
そのため、セットブロックのねじ穴検査等を行うためには、トルクコンバータをケースから取り出し、さらに反転させて駆動源側取付面を上に向ける必要がある。
図5は、第1比較例のケース反転治具を用いたケース反転作業を示し、図6は、第2比較例のケース反転治具を用いたケース反転作業を示す。以下、図5及び図6を用いて、比較例のケース反転治具の構成と課題を説明する。
図7A〜図7Fは、実施例1のケース反転治具を用いてケースに収容されたトルクコンバータの取り出し及び反転作業を示す説明図である。以下、図7A〜図7Fを用いて実施例1のケース反転作用を説明する。
すなわち、図7Aに示すように、外枠部20の内側にケース1を配置する。そして、回転方向枠部21の中央部21aがケース開口部4に干渉するまで外枠部20を差し込み、図7Bに示すように、ケース開口部4に外枠部20を嵌合させる。さらに、この外枠部20の嵌合と同時に、支持部30にトルクコンバータT/Cのボス部5が嵌合する。
このとき、第2側面部21cの延在長さL2を第1側面部21bよりも短く設定しているため、作業台Gに第2側面部21cの先端部βが接触することはない。そのため、ケース1が作業台G上を横滑りすることなく、スムーズに回転させることができる。
これにより、トルクコンバータT/Cは、作業台G上において、駆動源側取付面8を上に向けた状態でボス部5が支持部30によって支持され、そのままセットブロック8bのネジ穴検査を行うことができる。
つまり、トルクコンバータT/Cを反転させた後、反転状態で支持する支持治具にセットする必要がなくなり、この点でも作業員の負担を軽減することができる。
さらに、周面が湾曲したトルクコンバータT/Cよりも、直方体形状のケース1の方が反転させやすい形状であることで、反転作業にかかる作業員の荷重負荷を軽減させることができ、作業員負担を軽減することができる。
実施例1のケース反転治具にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記ケース開口部4に嵌合する外枠部20と、
前記外枠部20に設けられ、前記ボス部5が嵌合することで前記トルクコンバータT/Cを支持する支持部30と、
を備える構成とした。
このため、ケース1に収容されたトルクコンバータT/Cの取り出し作業及び反転作業の作業性を向上することができる。
このため、(1)の効果に加え、支持部30が油漏れ防止用キャップ6と共にボス部5に嵌合することができ、トルクコンバータT/Cを反転させた際のオイル漏れを抑制することができる。
前記ケース開口部4に架け渡される中央部21aと、
前記中央部21aの一端部から屈曲して前記ケース側面3の一部に沿う第1側面部21bと、
前記中央部21aの他端部から屈曲して前記ケース側面3の一部に沿い、且つ、前記第1側面部21bに対向する第2側面部21cと、を有し、
前記第2側面部21cの延在長さL2を、前記第1側面部21bの延在長さL1よりも短くなるように設定する構成とした。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、ケース1の回転時に第2側面部21cが作業台Gに引っかかることを防止し、よりスムーズに反転作業を行うことができる。
このため、(3)の効果に加え、ケース1の反転時に、ケース1が外枠部20から外れてしまうことを防止し、より確実に反転作業を行うことができる。
このため、(3)又は(4)の効果に加え、作業員が取っ手を掴んで反転作業を行うことができ、反転作業にかかる作業員負担をさらに軽減することができる。
このため、(3)から(5)のいずれかの効果に加え、ケース1の反転中、ケース反転治具10の屈曲部21dを支点にして回転させる際、ケース反転治具10を傾けるときの抵抗を少なくし、作業員負担の軽減を図ることができる。
実施例2のケース反転治具は、支持部を外枠部に対して回転可能に設けた例である。以下、図8に示す実施例2のケース反転治具に基づき、構成を説明する。なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
これにより、(1)から(6)のいずれかの効果に加え、トルクコンバータT/Cの検査作業の作業性を向上することができる。
これにより、ケースの大きさが異なっても、同じケース反転治具を用いることが可能になる。
つまり、ケース1の反転作業時に下側にならない位置であれば取っ手部を設けることができる。
1 ケース
2 ケース底面
3 ケース側面
4 ケース開口部
5 ボス部
6 油漏れ防止用キャップ
8 駆動源側取付面
8b セットブロック
9 変速機構側取付面
10 ケース反転治具
20 外枠部
21 回転方向枠部
21a 中央部
21b 第1側面部
21c 第2側面部
21d 屈曲部
22 支持枠部
23 連結枠部
24 取っ手部
30 支持部
31 嵌合穴
Claims (7)
- ケース底面の周縁から立ち上がったケース側面に囲まれると共に前記ケース底面に対向するケース開口部を有し、前記ケース開口部に変速機構側のボス部を向けた状態でトルクコンバータが収容されたケースを、前記ケース開口部が上方に向いた状態から前記ケース開口部が下方に向いた状態へと反転させるケース反転治具であって、
前記ケース開口部に嵌合する外枠部と、
前記外枠部に設けられ、前記ボス部が嵌合することで前記トルクコンバータを支持する支持部と、
を備えることを特徴とするケース反転治具。 - 請求項1に記載されたケース反転治具において、
前記支持部は、油漏れ防止用キャップが被せられた状態の前記ボス部が嵌合可能な嵌合穴を有する
ことを特徴とするケース反転治具。 - 請求項1又は請求項2に記載されたケース反転治具において、
前記外枠部は、
前記ケース開口部に架け渡される中央部と、
前記中央部の一端部を屈曲して前記ケース側面の一部に沿う第1側面部と、
前記中央部の他端部を屈曲して前記ケース側面の一部に沿い、且つ、前記第1側面部に対向する第2側面部と、を有し、
前記第2側面部の延在長さを、前記第1側面部の延在長さよりも短くなるように設定する
ことを特徴とするケース反転治具。 - 請求項3に記載されたケース反転治具において、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、いずれも前記ケースに収容されたトルクコンバータの重心位置よりも前記ケース底面に近い位置まで延在される
ことを特徴とするケース反転治具。 - 請求項3又は請求項4に記載されたケース反転治具において、
前記外枠部は、前記第1側面部に設けられた取っ手部を有する
ことを特徴とするケース反転治具。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載されたケース反転治具において、
前記外枠部は、前記中央部と前記第2側面部との間に、R状に形成された屈曲部を有する
ことを特徴とするケース反転治具。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載されたケース反転治具において、
前記支持部は、前記外枠部に対して回転可能に設けられる
ことを特徴とするケース反転治具。
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