JP2016148571A - 自動分析装置及び自動分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試薬ボトルペアの切り替えが発生すると、コントロール検体の測定がされていない試薬を用いて患者検体を測定することがあった。
【解決手段】制御部は、試薬ボトルの試薬残量に基づいて算出した測定可能回数の範囲内で、分析モジュールに患者検体の測定を行わせる。そして、制御部は、試薬残量が患者検体の測定に必要な規定量に満たなくなると、試薬ボトルを新たな試薬ボトルに切り替え、分析モジュールが行う新たな試薬ボトルを用いた最初の測定をコントロール検体の測定とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、患者の血液、尿等に含まれる各種の成分を分析する自動分析装置及び自動分析方法に関する。
従来、患者の血液、尿等に含まれる各種の成分を自動的に分析することが可能な自動分析装置が知られている。このような自動分析装置は、多数の患者検体を各種の検査項目により検査することが可能である。
自動分析装置には、シングルタイプ、マルチタイプがある。シングルタイプの自動分析装置では、分析モジュールを1台しか備えておらず、分析項目数に制限がある一方で、マルチタイプの自動分析装置では、複数の分析モジュールにより多くの分析項目により患者検体を分析することが可能である。また、マルチタイプの自動分析装置では、複数の分析モジュールが同じ分析項目による分析を担当することにより、多数の患者検体を同時に分析することも可能である。
分析モジュールは、試薬庫に格納された試薬ボトルからピペットによって反応ターンテーブルに分注された試薬と患者検体とを反応させた後、この患者検体に光を当てて吸光度を測定し、予め作成してある検量線との関係に基づいて患者検体に含まれる所定成分の濃度を算出する。予め試薬の精度が管理されていれば、試薬に反応する患者検体の吸光度の測定値も妥当なものであると判断できる。しかし、測定値が規定値を超えていれば、試薬に異常が生じており、この試薬を用いて測定される患者検体の測定データにも異常が生じていると判断することができる。
このため、分析モジュールは、患者検体を測定する前に、コントロール検体を用いて、試薬の精度管理を行っている。このコントロール検体は、予め測定値(規定値)が判明している検体であり、測定される患者検体の所定数毎、又は所定時間毎に自動的に分析モジュールに移送される。このようなコントロール検体を「自動コントロール検体」と呼ぶ。分析モジュールがコントロール検体を用いて行う処理は、患者検体に対する処理と同様である。
また、自動分析装置では、同一の検査項目を測定するために用いる複数組の試薬ボトルを試薬庫に保管することが要求される。これは、一日当たりの患者検体数によっては、一つの試薬ボトルだけで全ての患者検体に用いられる試薬を用意することが難しいためである。このため、ある試薬ボトル内の試薬残量が少なくなれば、新たな試薬ボトルに切り替えて測定を継続する。しかし、従来の自動分析装置が運転状態にあるときに、試薬庫にある試薬ボトルを別の試薬庫から持ち込んだ試薬ボトルに切り替えることはできない。このため、自動分析装置の運転開始前から複数の試薬ボトルを予め試薬庫に保管しておく。
従来、試薬ボトルを切り替えるために様々な技術が提案されてきた。例えば、特許文献1には、使用ボトルの試薬切れが生じた場合に事前に精度管理試料(本明細書では、「コントロール検体」に相当する。)が測定されている待機試薬ボトルに移り分析を継続する技術が開示されている。
特開2004−271265号公報
特許文献1に開示されているように試薬ボトルの切り替えられた後に、精度管理試料を用いて試薬の精度管理を行う自動分析装置はこれまでにも存在していた。しかし、従来行われてきた、精度管理試料の測定機能は不完全なものであり、試薬ボトルの切り替え機能を充分に活用できるものではなかった。
試薬ボトルが切り替えられると、自動コントロール検体が分析モジュールに搬送される。しかし、一般的な自動分析装置では、コントロール検体が設置される場所と、分析モジュールにより患者検体又は自動コントロール検体が測定される場所は離れている。このため、試薬ボトルを切り替えた際には、既に分析モジュールに向けて搬送されている患者検体の後に自動コントロール検体が搬送される。このような患者検体は、自動コントロール検体による精度管理が行われていない試薬を用いて測定されることとなる。
自動コントロール検体による精度管理が行われる前の試薬を用いて測定された患者検体には、その測定データにフラグを付与したり、セーフティアラームを発生したりしてユーザに注意を促すことしかできなかった。このような患者検体は、自動コントロール検体による精度管理が行われた後の試薬を用いた再測定が必要となり、再検査の手間が掛かっていた。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、試薬ボトルペアの切り替えが発生しても、患者検体の測定データの信頼性を確保することを目的とする。
本発明は、コントロール検体収容部と、移送容器搬送部と、分析モジュールと、制御部と、を備える。
コントロール検体収容部は、コントロール検体を収容する。
移送容器搬送部は、コントロール検体収容部から供給されるコントロール検体が収容された移送容器、又は患者検体が収容された移送容器を搬送する。
分析モジュールは、試薬が収容される試薬ボトルを保管し、試薬ボトルの試薬残量を測定し、試薬ボトルから取り出した試薬と、移送容器から反応容器に分注されたコントロール検体又は患者検体との反応物を測定した結果に基づいて、コントロール検体又は患者検体を分析する。
制御部は、試薬ボトルの試薬残量に基づいて算出した測定可能回数の範囲内で、分析モジュールに患者検体の測定を行わせ、試薬残量が患者検体の測定に必要な規定量に満たなくなると、試薬ボトルを新たな試薬ボトルに切り替え、分析モジュールが行う新たな試薬ボトルを用いた最初の測定をコントロール検体の測定とする。
本発明によれば、試薬ボトルの切り替え後に分析モジュールが行う新たな試薬ボトルを用いた最初の測定がコントロール検体の測定とされるため、患者検体の測定データの信頼性を確保することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態例の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態例に係るマルチタイプの自動分析装置の概略構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施の形態例に係る自動分析装置の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態例に係る制御部の処理例を示すフローチャートである。 自動分析装置が行う従来の動作例を示す説明図である。 自動分析装置が行う従来の動作例を示す説明図である。 自動分析装置が行う従来の動作例によって測定される患者検体の測定データの例を示す説明図である。 自動分析装置が行う本実施の形態例に係る動作例を示す説明図である。 自動分析装置が行う本実施の形態例に係る動作例を示す説明図である。 自動分析装置が行う本実施の形態例に係る動作例によって測定される患者検体の測定データの例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例に係るシングルタイプの自動分析装置の概略構成を示す斜視図である。
[第1の実施の形態例]
以下、本発明の第1の実施の形態例に係るマルチタイプの自動分析装置について、添付図面を参照して説明する。
本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図1は、マルチタイプの自動分析装置1の概略構成を示す上面図である。
自動分析装置1は、生化学、免疫、尿等の様々な分析を行うための臨床検査用の自動分析装置の一例として示したものである。この自動分析装置1は、検体搬送部2と、希釈検体搬送部3(移送容器搬送部の一例)と、検体架設部4と、連結された複数の分析モジュール7(1)〜7(4)とを備えるマルチタイプとしてある。分析モジュール7(1)〜7(4)を区別しない場合には、分析モジュール7と呼ぶ場合がある。以下の説明において、自動分析装置1が4台の分析モジュール7(1)〜7(4)を備えた実施の形態例を示すが、分析モジュール7の数を2台又は6台のように増減させてもよい。
検体架設部4の隣りに分析モジュール7(1)が結合され、分析モジュール7(1)に分析モジュール7(2)〜(4)が順に結合される。検体架設部4と希釈検体搬送部3には、患者検体を搬送する検体搬送部2が結合される。また、希釈検体搬送部3は、検体架設部4と、分析モジュール7(1)〜7(4)とに併設されている。自動分析装置1が備える各部の動作は、自動分析装置1に接続された制御部20によって制御される(後述する図2を参照)。
検体架設部4は、コントロール検体が収容されるサンプルターンテーブル5(コントロール検体収容部の一例)と、サンプル希釈ピペット6とを備える。サンプル希釈ピペット6は、希釈検体搬送部3に設けられた希釈容器16(移送容器の一例)にサンプルターンテーブル5からコントロール検体を分注する。また、サンプル希釈ピペット6は、検体搬送部2によって搬送される搬送容器に収容された患者検体を希釈容器16に分注する。サンプル希釈ピペット6が希釈容器16にコントロール検体又は患者検体を分注する際には、所定濃度の希釈液を用いてコントロール検体又は患者検体を希釈している。患者検体又はコントロール検体が分注された希釈容器16は、希釈検体搬送部3によって分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかに向けて搬送される。希釈容器16の搬送先が分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれであるかは制御部20が管理している。
以下の説明では、希釈容器16に収容される希釈された患者検体又はコントロール検体を、そのまま「患者検体」又は「コントロール検体」と呼ぶ場合があり、「患者検体」又は「コントロール検体」を区別しない場合には、「希釈検体」と呼ぶ場合がある。また、患者検体から取り出された一部の検体を「子検体」と呼び、子検体が取り出された患者検体を「親検体」と呼び、希釈液によって希釈された患者検体を「希釈検体」と呼ぶ。
患者検体が希釈容器16に分注されると、希釈検体搬送部3は、分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかに向けて希釈容器16を搬送する。
分析モジュール7(1)〜7(4)は、それぞれ試薬庫8、第1試薬ピペット10a、第2試薬ピペット10b、反応ターンテーブル11、サンプリングピペット13、反応容器洗浄機構14を備える。試薬庫8には、第1試薬ターンテーブル9aと第2試薬ターンテーブル9bが設けられている。第1試薬ターンテーブル9aには、第1試薬が封入された第1ボトルが保管される。第2試薬ターンテーブル9bには、第2試薬が封入された第2ボトルとが保管される。以下の説明では、1つの希釈検体に用いられる第1試薬が封入された第1ボトルと、第2試薬が封入された第2ボトルの組を「試薬ボトルペア」と呼ぶ。
そして、試薬庫8には、同一の検査項目に対して複数の試薬ボトルペアを設置可能である。すなわち、第1試薬ターンテーブル9aには、複数の第1ボトルが保管され、第2試薬ターンテーブル9bには、複数の第2ボトルが保管されている。分析モジュール7(1)〜7(4)は、それぞれ第1試薬ピペット10aを用いて第1試薬ターンテーブル9aに保管される試薬ボトルペアの第1試薬の試薬残量を測定し、第2試薬ピペット10bを用いて第2試薬ターンテーブル9bに保管される試薬ボトルペアの第2試薬の試薬残量を測定する。そして、分析モジュール7(1)〜7(4)は、試薬ボトルから取り出した試薬と、希釈容器16から反応容器に分注されたコントロール検体又は患者検体との反応物を測定した結果(吸光度等の測定データ)に基づいて、コントロール検体又は患者検体を分析する。なお、分析モジュール7(1)〜7(4)は、試薬ボトルペアの試薬残量が既定値未満となったときには、新たな試薬ボトルペアに切り替えて希釈検体の測定を継続することが可能である。
反応ターンテーブル11には、患者検体又は試薬が分注される複数本の反応容器が反応ターンテーブル11の周上に配置されている。反応ターンテーブル11の傍には、測定部12が設けられている。反応ターンテーブル11は、回転して反応容器を移動させることにより、フルランダムアクセスが可能である。すなわち、反応ターンテーブル11が回転することにより、反応容器を任意の位置に移動させることが可能である。
それぞれの分析モジュール7(1)〜7(4)が患者検体を測定する際には、希釈検体搬送部3によって搬送される希釈容器16から、サンプリングピペット13が所定量の患者検体を吸引し、反応ターンテーブル11の円周上に設置された反応容器(不図示)に吐出する。そして、第1試薬ピペット10aは、第1試薬ターンテーブル9aに設置された第1ボトルから第1試薬を吸引しつつ、第1ボトルの試薬残量を測定した後、反応ターンテーブル11の反応容器に所定量の第1試薬を吐出する。第2試薬ピペット10bは、第2試薬ターンテーブル9bに設置された第2ボトルから第2試薬を吸引しつつ、第2ボトルの試薬残量を測定した後、第1試薬が吐出された反応容器に所定量の第2試薬を吐出する。その後、反応容器内の患者検体が攪拌される。そして、測定部12が、反応容器に光を当てて得た測定データを取得する。測定部12による測定が終了した反応容器は反応容器洗浄機構14によって洗浄される。
搬送先である分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかを通過した患者検体は、希釈検体搬送部3によって検体搬送部2の近くまで戻される。そして、希釈検体搬送部3に併設される希釈容器洗浄機構15によって希釈容器16が洗浄され、再び希釈容器16に希釈検体を収容可能とする。このようにマルチタイプの自動分析装置1は、大量の患者検体を搬送可能な検体搬送部2に接続されているため、大量の患者検体を測定することができる。
制御部20は、同一の検査項目において、複数の試薬ボトルペア毎に検量線を作成し、この検量線を保持する機能を有している。また、制御部20は、自動分析装置1の各分析モジュール7(1)〜7(4)で行なわれる試薬ボトルペアの切り替えに際して、コントロール検体を搬送させることにより、試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬の精度を管理する。このように制御部20が、試薬ボトルペアの切り替え前後でコントロール検体を測定し、第1及び第2試薬の精度を管理することは、測定データを管理する上で重要である。自動分析装置が、試薬ボトルペアの切り替え前後にコントロール検体を測定する目的は2つある。第1の目的は、試薬ボトルペアの切り替え前までの患者検体の測定データを管理することである。第2の目的は、試薬ボトルペアの切り替え後に続く患者検体の測定データを管理することである。
このため、自動分析装置1は、試薬ボトルペアの切り替えが発生することを事前に察知して、実際に試薬ボトルペアの切り替えが発生するまでの間に、サンプル希釈ピペット6に対して、コントロール検体(自動コントロール検体)を希釈容器16に分注させる制御を行なう。ここで、制御部20は、分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかに保管される試薬ボトルペアの試薬残量に基づいて算出した測定可能回数の範囲内で、患者検体の測定を行わせる。
制御部20は、試薬残量が患者検体の測定に必要な規定量に満たなくなると、試薬ボトルペアを新たな試薬ボトルペアに切り替える。そして、制御部20は、分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかに対して試薬ボトルペアを新たな試薬ボトルペアに切り替えさせる直前に、分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかに切り替え前の試薬ボトルペアを用いてコントロール検体の分析を行わせる。その後、制御部20は、試薬ボトルペアを切り替えた分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかが行う新たな試薬ボトルを用いた最初の測定をコントロール検体の測定とする。これにより、コントロール検体の測定が行われた後に搬送される患者検体は、精度管理された第1及び第2試薬によって測定することが可能となる。
図2は、自動分析装置1の内部構成例を示すブロック図である。
自動分析装置1は、ユーザが動作を指示するために用いる入力部21と、入力部21によって指示された動作を制御する制御部20とを備える。
入力部21は、ユーザからの入力操作を受け付け、制御部20に指示を行う。この入力部21には、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等が用いられる。
制御部20は、入力部21からの指示に従い、自動分析装置1内の各部(サンプルターンテーブル5、希釈検体搬送部3、第1試薬ターンテーブル9a、第2試薬ターンテーブル9b、反応ターンテーブル11、サンプル希釈ピペット6、サンプリングピペット13、希釈容器洗浄機構15、反応容器洗浄機構14、第1試薬ピペット10a、第2試薬ピペット10b)の動作を制御する。
次に、制御部20が行なう各制御について説明する。
図3は、制御部20の処理例を示す。
始めに、制御部20は、患者検体の測定項目数を把握する(S1)。ここでは、搬送先となる分析モジュール7に向けて患者検体の搬送が開始される位置から、第1及び第2試薬が搭載されている分析モジュール7との間に存在する患者検体の数を「測定項目数」とする。
次に、制御部20は、自動コントロール検体の測定回数を把握する(S2)。自動コントロール検体の測定回数は、例えば、制御部20の入力部21に表示された画面を通じて設定される。そして、自動コントロール検体が試薬ボトルペアの切り替え前後に測定される場合には、切り替え前に測定される自動コントロール検体を「第1自動コントロール検体」と呼び、切り替え後に測定される自動コントロール検体を「第2自動コントロール検体」と呼ぶ。本実施の形態例において、自動コントロール検体の測定回数とは、第1自動コントロール検体の測定回数を指す。
ステップS1,S2と並行して、制御部20は、患者検体を測定しようとする分析モジュール7の試薬庫8に格納されている試薬ボトルペアより、第1及び第2試薬の試薬残量を求める(S3)。制御部20は、これら第1及び第2試薬の試薬残量に基づいて、各試薬ボトルを用いて測定可能な患者検体及び自動コントロール検体の測定残数xを算出する。
ところで、現在の技術では、第1及び第2ボトルの試薬残量を正確に求めることは非常に難しい。このため、入力部21を通じて制御部20に余裕度(%)が設定される(S4)。この余裕度は、例えば、入力部21に表示されたパラメータ設定画面にて設定される値の一例を示すものであり、切り替え前の試薬ボトルペアに収容される試薬残量に余裕を持たせるために用いられる。
次に、制御部20は、余裕度を試薬残量に乗じて余裕測定残数を算出する(S5)。余裕測定残数は、切り替え前の試薬ボトルペアに収容されている試薬を用いて測定可能な患者検体及び自動コントロール検体の数であり、試薬ボトルを用いて患者検体を測定可能な余裕値の一例として求められる。余裕度が10%で設定されていれば、制御部20は、測定残数xに、0.9(=1.0−0.1)を乗じた0.9xを、余裕測定残数として算出する。
次に、制御部20は、測定項目数に測定回数を加算した数と、ステップS5で算出した余裕測定残数とを比較する(S6)。すなわち、希釈検体搬送部3によって搬送されている患者検体の数(測定項目数)と、自動コントロール検体の数(測定回数)との合算値が、余裕測定残数と比較される。そして、(測定項目数+測定回数)≦余裕測定残数であれば、制御部20は処理を終了する。このとき、切り替え前の試薬ボトルペアに収容された試薬だけを用いて、患者検体と自動コントロール検体を測定可能である。
一方、(測定項目数+測定回数)>余裕測定残数であれば、制御部20は自動コントロール検体測定機能を発動する(S7)。このとき、切り替え前の試薬ボトルペアに収容された試薬だけでは、患者検体と自動コントロール検体を測定することができないため、試薬ボトルペアを切り替えなければならない。このため、制御部20は、検体架設部4に対して、自動コントロール検体の搬送を開始する指示を行う。そして、希釈検体搬送部3によって患者検体、第1自動コントロール検体、第2自動コントロール検体が順に搬送される。患者検体は、分析モジュール7により、切り替え前の試薬ボトルペアで測定されることになる。
次に、制御部20は、分析モジュール7に患者検体の測定を開始させる(S8)。そして、分析モジュール7は、現在使用している試薬ボトルペアを用いて患者検体を測定する。患者検体の測定データは、現在使用している試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬から測定し、保持していた検量線を用いて算出される。
次に、第1自動コントロール検体が分析モジュール7に到着すると、制御部20は、現在使用中の試薬ボトルペアを用いて、分析モジュール7に第1自動コントロール検体を測定させ、切り替え前の試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬の精度管理を行う(S9)。その後、制御部20は、試薬ボトルペアを切り替える(S10)。
そして、第2自動コントロール検体が分析モジュール7に到着すると、制御部20は、新たな試薬ボトルペアを用いて、分析モジュール7に第2自動コントロール検体を測定させ、新たな試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬の精度管理を行う(S11)。このとき、新たな試薬ボトルペアで予め測定し、保持しておいた検量線を使用する。その後は、新たな試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬を用いて、分析モジュール7に到着する患者検体を測定する(S12)。
なお、制御部20が余裕度の算出を行ったとしても、第1自動コントロール検体が分析モジュール7に到着する前に試薬ボトルペアが空になってしまうと、制御部20は強制的に試薬ボトルペアを切り替える指示を分析モジュール7に行う。この場合、制御部20は、切り替えられた試薬ボトルペアにより測定される患者検体の測定データと、第1自動コントロール検体の測定データに対して「自動コントロール検体を測定する前に試薬ボトルペアが切り替わった」ことを意味するマークを付与する。このため、従来と同様に、患者検体の再測定が必要となる。
また、ステップS6において、(測定項目数+測定回数)<余裕測定残数とし、(測定項目数+測定回数)≧余裕測定残数のように条件を変更してもよい。
ここで、自動分析装置1について、従来行われていた動作と、本実施の形態例に係る動作とを順に説明する。
<従来の自動分析装置1の動作>
図4と図5は、自動分析装置1が行う従来の動作例を示す。ここでは、分析モジュール7(3)以外の構成について、符号の記載を一部省略する場合がある。
図6は、自動分析装置1が行う従来の動作例によって測定される患者検体の測定データの例を示す。
始めに、検体搬送部2より搬送されてきた患者検体を、サンプル希釈ピペット6が希釈検体搬送部3に設けられた希釈容器16に分注する(図4A)。
次に、制御部20は、希釈容器16に分注された患者検体を分析する1台の分析モジュールを、分析モジュール7(1)〜7(4)から指定する(図4B)。この例では、分析モジュール7(3)が指定される。
次に、患者検体が希釈して収容された希釈容器16aが分析モジュール7(3)に到達する(図4C)。このとき、制御部20は、指定した分析モジュール7(3)の試薬庫8に格納される試薬ボトルペアの試薬残量を確認する。試薬ボトルペアの試薬が無くなれば、制御部20は、第1試薬ターンテーブル9a、第2試薬ターンテーブル9bを回転し、新たな試薬ボトルペアに切り替える。このとき、希釈容器16aの後には、分析モジュール7(3)によって測定される患者検体を希釈して収容した希釈容器16b〜16dが続いている。
制御部20は、新たな試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬の精度を確認するために、検体架設部4に対して、サンプル希釈ピペット6を用いてコントロール検体を空の希釈容器16eに分注する指示を行う(図5D)。そして、希釈されたコントロール検体が希釈容器16eに収容される。この希釈容器16eに収容される希釈検体が自動コントロール検体である。
次に、制御部20は、希釈検体搬送部3に対して、希釈されたコントロール検体が分注された希釈容器16eを、分析モジュール7(3)の分注位置まで搬送させる。その後、自動コントロール検体を用いて試薬の精度管理を行う(図5E)。
図6には、切り替え前後の試薬ボトルペアの試薬を用いて測定された患者検体及び自動コントロール検体の測定データの例が示されている。ここでは、自動コントロール検体を用いた試薬の精度管理が一定回数、又は一定時間毎に行われたことが丸数字によって示される。しかし、図5に示したように試薬ボトルペアが切り替えられた直後には自動コントロール検体によって試薬の精度管理が行われていない。このため、試薬の切り替え後、自動コントロール検体による試薬の精度管理が行われるまでの間に測定された希釈容器16a〜16dに収容される患者検体の測定データは不確定なものとなってしまう。
このように従来の動作では、試薬ボトルペアに収容される第1及び第2試薬が無くなった後に搬送される自動コントロール検体の前に、希釈検体搬送部3によって搬送される患者検体は、精度管理されていない新たな試薬ボトルペアの試薬を用いて測定される。このため、患者検体の測定データが不確定な物となり、患者検体を再測定する手間が生じていた。
<本実施の形態例に係る自動分析装置1の動作>
図7と図8は、自動分析装置1が行う本実施の形態例に係る動作例を示す。ここでも、分析モジュール7(3)以外の構成について、符号の記載を省略する。
図9は、自動分析装置1が行う本実施の形態例に係る動作例によって測定される患者検体の測定データの例を示す。
上述したように分析モジュール7(3)の第1試薬ピペット10aは第1試薬ボトルの試薬残量を常に測定し、分析モジュール7(3)の第2試薬ピペット10bは第2試薬ボトルの試薬残量を常に測定する(図7A)。また、制御部20は、検体搬送部2から希釈検体搬送部3を経て、分析モジュール7(3)まで搬送中の希釈容器16の数を確認する。図7Aでは、分析モジュール7(3)で測定される患者検体が収容された希釈容器16a〜16dが希釈検体搬送部3によって搬送中であることが示される。そして、希釈容器16nから分注された患者検体が、分析モジュール7(3)によって測定中である。
次に、制御部20は、第1及び第2試薬ボトルの試薬残量と、希釈検体搬送部3によって搬送されている希釈容器16の数とから余裕測定残数を算出する(図7B)。例えば、余裕測定残数が“6”であれば、切り替え前の試薬ボトルペアを用いて、希釈容器16a〜16dの4本の患者検体と、2本の自動コントロール検体を測定することが可能である。
次に、制御部20は、サンプルターンテーブル5を回転させ、サンプル希釈ピペット6を用いてコントロール検体を空の希釈容器16eに分注する指示を行う(図7C)。そして、希釈容器16eに希釈されたコントロール検体が収容される。この希釈容器16eに収容される希釈検体が第1自動コントロール検体である。このように制御部20は、測定可能回数の範囲内で、希釈検体搬送部3に患者検体が収容された希釈容器16a〜16dを分析モジュール7(3)に搬送させ、患者検体が収容された希釈容器16a〜16dの最後尾に第1自動コントロール検体が収容された希釈容器16eを搬送させる。
次に、制御部20は、現在、希釈検体搬送部3によって搬送されている希釈容器16a〜16dに分注された患者検体について、分析モジュール7(3)に順に分析を実行させる(図8D)。
そして、制御部20は、コントロール検体が分注された希釈容器16eから第1自動コントロール検体を取り出して、分析モジュール7(3)に精度確認を行わせる(図8E)。このとき、切り替え前の試薬ボトルペアを用いて第1自動コントロール検体の測定が行われる。次に、制御部20は、サンプル希釈ピペット6を用いてコントロール検体を空の希釈容器16fに分注させ、コントロール検体が分注された希釈容器16fを分析モジュール7(3)に搬送させる。この希釈容器16fに収容される希釈検体が第2自動コントロール検体である。
次に、制御部20は、第1試薬ターンテーブル9a、第2試薬ターンテーブル9bを回転させ、新たな試薬ボトルペアを分注位置に移動させ、試薬ボトルペアを切り替える。そして、希釈容器16fから第2自動コントロール検体を反応容器に分注し、新たな試薬ボトルペアから取り出した試薬を用いて精度確認を行う(図8F)。その後、制御部20は、新たな試薬ボトルペアを用いて患者検体の分析を行う。
図9には、切り替え前後の試薬ボトルペアで測定された患者検体と、第1及び第2自動コントロール検体の測定データの例が示されている。試薬ボトルペアの名称は、上述した図6のものと同様である。本実施の形態例において、分析モジュール7(3)では、試薬ボトルペアを切り替え前後に第1及び第2自動コントロール検体により試薬の精度管理が行われる。このため、分析モジュール7(3)は、精度管理された試薬を用いて患者検体を測定することが可能となるため、不確定な測定データを得てしまう事態を避けられる。
以上説明した第1の実施の形態例に係る自動分析装置1によれば、試薬ボトルペアの試薬残量が少なくなって、新たな試薬ボトルペアに切り替えるときには、試薬ボトルペアの切り替え前後で第1及び第2自動コントロール検体の測定を自動的に行う。このとき、試薬ボトルペアが切り替えられる分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかと、コントロール検体が分注される検体架設部4との間で搬送されている患者検体が新たな試薬ボトルペアを用いた第2自動コントロール検体の測定前に新たな試薬ボトルペアで測定されないように制御される。これにより、試薬ボトルペアの切り替え後に搬送されてきた患者検体の測定データが信頼性の足るものとなる。
また、試薬ボトルペアの切り替わり時に第1及び第2自動コントロール検体を用いて、切り替え後の試薬ボトルペアに収容された試料の精度管理が行われるため、患者検体を再測定する必要がなくなり、患者検体の測定データを報告できるまでに要する時間が大幅に減少する。患者検体の再測定が不要となることで、再測定に要していた試薬や洗浄剤といった消耗品を節約できる。また、ユーザが試薬ボトルペアの切り替えタイミング等を監視しなくてよいため、ユーザの作業時間を節約することができる。
また、患者検体の再測定に要する自動分析装置1の稼働時間を減少させることにより、節電につながるばかりか、自動分析装置1で用いられる各種の消耗品のメンテナンス頻度を延ばすこともできる。
なお、上述した第1の実施の形態例において、第1及び第2自動コントロール検体を用いて、試薬ボトルペアの切り替え前後で第1及び第2試薬の精度管理を行うようにした。しかし、試薬ボトルペアを切り替えた後に第2自動コントロール検体だけを用いて第1及び第2試薬の精度管理を行ってもよい。この場合、搬送されるコントロール検体は1つだけとなり、切り替え前の試薬ボトルペアについてコントロール検体の測定が行われないが、検査時間の短縮を図ることができる。
また、上述した第1の実施の形態例において、自動分析装置1は切り替え前後の試薬ボトルペアの検量線を予め測定している。しかし、自動分析装置1は、試薬ボトルペアが切り替えられたタイミングで、新たな試薬ボトルペアを用いて検量線を測定する自動キャリブレーション検体測定機能を備えてもよい。この場合、希釈検体搬送部3は、第1自動コントロール検体、自動キャリブレーション検体、第2自動コントロール検体の順に希釈容器16を搬送し、この搬送順で測定を行う。この自動キャリブレーション検体が検量線の作成に用いられる検体である。そして、試薬ボトルペアの切り替えは自動キャリブレーション検体が到着したときとする。以降、自動分析装置1が患者検体を測定する際には、自動キャリブレーション検体を測定して得た新しい検量線を用いればよい。
また、自動分析装置1では、希釈検体が分注された希釈容器16が希釈検体搬送部3によって搬送されるが、親検体又は子検体が分注された希釈容器16が希釈検体搬送部3によって搬送されるようにしてもよい。この場合、自動分析装置1は、希釈容器洗浄機構15を備えなくてもよい。
[第2の実施の形態例]
次に、本発明の第2の実施の形態例に係るシングルタイプの自動分析装置について説明する。
図10は、シングルタイプの自動分析装置30の斜視図である。
この自動分析装置30は、サンプルターンテーブル31と、希釈ターンテーブル32と、第1試薬ターンテーブル33と、第2試薬ターンテーブル34と、反応ターンテーブル35と、を備えている。この自動分析装置30では、反応ターンテーブル35に付随する各部が1つの分析モジュールとして用いられる。また、自動分析装置30は、サンプル希釈ピペット36と、サンプリングピペット37と、希釈撹拌装置38と、希釈洗浄装置39と、第1試薬ピペット40と、第2試薬ピペット41と、第1反応撹拌装置42と、第2反応撹拌装置43と、多波長光度計44と、恒温槽45と、反応容器洗浄装置46と、計算機50とを備えている。
サンプルターンテーブル31には、複数の検体容器51と、複数の希釈液容器52が収容されている。検体容器51には、上述した患者検体が収容されている。希釈液容器52には、上述したコントロール検体の他に、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。
希釈ターンテーブル32には、複数の希釈容器53が希釈ターンテーブル32の周方向に並べて収容されている。希釈液によって希釈された患者検体又はコントロール検体を収容する希釈容器53を保持する希釈ターンテーブル32が、希釈検体搬送部として用いられる。
第1試薬ターンテーブル33には、複数の第1試薬容器54が第1試薬ターンテーブル33の周方向に並べて収容されている。また、第2試薬ターンテーブル34には、複数の第2試薬容器55が第2試薬ターンテーブル34の周方向に並べて収容されている。
反応ターンテーブル35は、希釈ターンテーブル32と、第1試薬ターンテーブル33及び第2試薬ターンテーブル34の間に配置され、複数の反応容器56が反応ターンテーブル35の周方向に並べて収容されている。
サンプル希釈ピペット36は、サンプルターンテーブル31と希釈ターンテーブル32の周囲に配置され、不図示の希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル31及び希釈ターンテーブル32の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。サンプル希釈ピペット36は、検体容器51内に収容された検体を所定量吸引し、吸引した検体と、サンプル希釈ピペット36自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器53内に吐出する。これにより、希釈容器53内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。
サンプリングピペット37は、希釈ターンテーブル32と反応ターンテーブル35の間に配置され、不図示のサンプリングピペット駆動機構により、希釈ターンテーブル32の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。サンプリングピペット37は、希釈ターンテーブル32の希釈容器53から所定量の希釈検体を吸引し、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル35の反応容器56内に吐出する。
希釈撹拌装置38及び希釈洗浄装置39は、希釈ターンテーブル32の周囲に配置されている。希釈撹拌装置38は、不図示の撹拌子を希釈容器53内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。希釈洗浄装置39は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器53内に洗剤を吐出する。
第1試薬ピペット40は、反応ターンテーブル35と第1試薬ターンテーブル33の間に配置され、不図示の第1試薬ピペット駆動機構により、反応ターンテーブル35の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。第1試薬ピペット40は、第1試薬ターンテーブル33の第1試薬容器54内にピペットを挿入して、所定量の第1試薬を吸引し、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル35の反応容器56内に吐出する。
第2試薬ピペット41は、反応ターンテーブル35と第2試薬ターンテーブル34の間に配置され、不図示の第2試薬ピペット駆動機構により、反応ターンテーブル35の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。第2試薬ピペット41は、第2試薬ターンテーブル34の第2試薬容器55内にピペットを挿入して、所定量の第2試薬を吸引し、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル35の反応容器56内に吐出する。
第1反応撹拌装置42、第2反応撹拌装置43及び反応容器洗浄装置46は、反応ターンテーブル35の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置42は、不図示の撹拌子を反応容器56内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。第2反応撹拌装置43は、不図示の撹拌子を反応容器56内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。反応容器洗浄装置46は、検査が終了した反応容器56内を洗浄する。
多波長光度計44は、反応ターンテーブル35の周囲における反応ターンテーブル35の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計44は、反応容器56内に注入され、第1薬液及び第2薬液と反応した希釈検体に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとして出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。多波長光度計44には、自動分析装置30の各部の動作を制御するための計算機50(制御部の一例)が接続されている。
反応ターンテーブル35の周囲には、恒温槽45が配置されている。この恒温槽45は、反応ターンテーブル35に設けられた反応容器56の温度を常時一定に保持するように構成されている。
この自動分析装置30において、希釈ターンテーブル32に収容される希釈容器53にコントロール検体又は患者検体が希釈されて収容される。そして、希釈容器53から希釈されたコントロール検体又は患者検体が反応ターンテーブル35の反応容器56に分注される。さらに、第1試薬容器54から吸引された第1試薬と、第2試薬容器55から吸引された第2試薬がそれぞれ反応容器56に分注される。ここで、第1試薬容器54に収容される第1試薬が規定量に満たなくなるか、第2試薬容器55に収容される第2試薬が規定量に満たなくなると、試薬ボトルペアが切り替えられる。このため、計算機50は、上述した第1の実施の形態例と同様に、試薬ボトルペアの切り替え前後のタイミングでコントロール検体を測定する制御を行う。
[3.変形例]
なお、上述した第1の実施の形態例では、余裕度を求めたが、試薬ボトルペアの試薬残量を正確に測定できるのであれば、余裕度を求めなくてもよい。この場合であっても、試薬残量に基づく検体の測定可能回数を余裕値として求め、コントロール検体を分析モジュール7(1)〜7(4)のいずれかに適切なタイミングで搬送することができる。
また、上述した第1の実施の形態例では、余裕度として割合(%)を求めたが、試薬残量(ml)や測定回数を求めても良い。また、余裕度を数段階に分けてもよい。例えば、試薬ボトルペアの試薬残量が多ければ余裕度が高くても、患者検体の測定中に試薬残量が既定値に満たなくなることはない。しかし、試薬ボトルペアの試薬残量が少なくなると、患者検体の測定中に試薬残量が既定値に満たなくなる可能性が高まる。このため、余裕度を低くすることで、患者検体の測定中に試薬残量が既定値に満たなくなる事態を避けるようにする。
また、余裕度を求める演算式は、別の式を用いてもよい。例えば、余裕度を測定項目数および測定回数に乗じてもよい。例えば、余裕度が10%であれば、測定項目数と測定回数は、それぞれ1.1(=1.0+0.1)が乗じられた、余裕測定項目数、余裕測定回数として求められる。
そして、(余裕測定項目数+余裕測定回数)≦測定残数であれば、何もしないが、(余裕測定項目数+余裕測定回数)>測定残数であれば、上述した実施の形態に係る自動コントロール検体を用いた試薬ボトルペアの切り替え処理を開始する。
また、上述した実施の形態では、第1及び第2試薬が収容される試薬ボトルペアを切り替える例について説明したが、単一の試薬が収容される試薬ボトルだけを切り替える場合に適用してもよい。また、3種類以上の試薬が収容される3本以上の試薬ボトルを切り替える場合に適用してもよい。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…自動分析装置、2…検体搬送部、3…希釈検体搬送部、4…検体架設部、5…サンプルターンテーブル、6…サンプル希釈ピペット、7…分析モジュール、8…試薬庫、11…反応ターンテーブル、12…測定部、13…サンプリングピペット、16…希釈容器

Claims (8)

  1. コントロール検体を収容するコントロール検体収容部と、
    前記コントロール検体収容部から分注される前記コントロール検体が収容された移送容器、又は患者検体が収容された移送容器を搬送する移送容器搬送部と、
    試薬が収容される試薬ボトルを保管し、前記試薬ボトルの試薬残量を測定し、前記試薬ボトルから取り出した前記試薬と、前記移送容器から反応容器に分注された前記コントロール検体又は前記患者検体との反応物を測定した結果に基づいて、前記コントロール検体又は前記患者検体を分析する分析モジュールと、
    前記試薬ボトルの試薬残量に基づいて算出した測定可能回数の範囲内で、前記分析モジュールに前記患者検体の測定を行わせ、前記試薬残量が前記患者検体の測定に必要な規定量に満たなくなると、前記試薬ボトルを新たな試薬ボトルに切り替え、前記分析モジュールが行う新たな前記試薬ボトルを用いた最初の測定を前記コントロール検体の測定とする制御部と、を備える
    自動分析装置。
  2. 前記制御部は、前記測定可能回数の範囲内で、前記移送容器搬送部に前記患者検体が収容された前記移送容器を前記分析モジュールに搬送させ、前記患者検体が収容された前記移送容器の最後尾に前記コントロール検体が収容された前記移送容器を搬送させる
    請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記制御部は、前記分析モジュールに対して前記試薬ボトルを新たな前記試薬ボトルに切り替えさせる直前に、前記分析モジュールに切り替え前の前記試薬ボトルを用いて前記コントロール検体の分析を行わせる
    請求項1又は2に記載の自動分析装置。
  4. 前記制御部は、前記試薬ボトルを用いて前記患者検体を測定可能な余裕値を算出し、前記余裕値が、前記患者検体毎に前記試薬を用いて行う測定項目数と、前記コントロール検体を用いて行う測定回数との合算値に満たない場合に、前記試薬ボトルの切り替え、及び前記コントロール検体の分析を行わせる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  5. 前記制御部は、前記分析モジュールに対して、新たな前記試薬ボトルを用いて予め検量線を作成させ、又は前記試薬ボトルが新たな前記試薬ボトルに切り替えられたタイミングで前記検量線を作成させる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  6. 前記自動分析装置は、複数の前記分析モジュールが連結されたマルチタイプであり、
    前記移送容器搬送部は、前記コントロール検体収容部と、前記分析モジュールとに併設される
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  7. 前記自動分析装置は、1つの前記分析モジュールで構成されるシングルタイプであり、
    前記移送容器搬送部は、希釈液によって希釈された前記患者検体又は前記コントロール検体を保持する希釈テーブルである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  8. コントロール検体を収容するコントロール検体収容部と、
    前記コントロール検体収容部から分注される前記コントロール検体が収容された移送容器、又は患者検体が収容された移送容器を搬送する移送容器搬送部と、
    試薬が収容される試薬ボトルを保管し、前記試薬ボトルの試薬残量を測定し、前記試薬ボトルから取り出した前記試薬と、前記移送容器から反応容器に分注された前記コントロール検体又は前記患者検体との反応物を測定した結果に基づいて、前記コントロール検体又は前記患者検体を分析する分析モジュールと、
    前記コントロール検体収容部、前記移送容器搬送部、及び前記分析モジュールの動作を制御する制御部と、を備える自動分析装置によって用いられる自動分析方法であって、
    前記試薬ボトルの試薬残量に基づいて算出した測定可能回数の範囲内で、前記分析モジュールに前記患者検体の測定を行わせるステップと、
    前記試薬残量が前記患者検体の測定に必要な規定量に満たなくなると、前記試薬ボトルを新たな試薬ボトルに切り替えるステップと、
    前記分析モジュールが行う新たな前記試薬ボトルを用いた最初の測定を前記コントロール検体の測定とするステップと、を含む
    自動分析方法。
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