JP2016148557A - 組合せ計量装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】計量精度の向上を図ることができる組合せ計量装置を提供する【解決手段】組合せ計量装置1は、物品を分散させる分散テーブル20と、分散テーブル20から供給される物品を搬送する複数の放射フィーダ30と、複数の放射フィーダのそれぞれに対応して配置され、各放射フィーダから供給される物品を計量する計量ホッパ50と、を備え、各計量ホッパに供給される物品が目標供給量TWとなるように放射フィーダごとの動作を制御する。組合せ計量装置は、放射フィーダ30上の物品の高さSを検知する検知部と、物品の高さと、搬送部の供給量と、搬送部の送力と、の関係を記憶する記憶部と、関係において、検知部において検知された高さと、目標供給量と、から得られる送力にて搬送部を制御する制御部と、各計量部によって計量される計量値に基づいて、搬送部ごとに目標供給量を変更するか否かを判定する変更判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、組合せ計量装置に関する。
従来の組合せ計量装置として、例えば特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の組合せ計量装置は、物品を搬送する複数の搬送手段と、各搬送手段から供給される物品を計量する複数の計量手段と、搬送手段上の物品を撮像する撮像手段と、撮像手段からの撮像信号に基づいて搬送手段上の物品の移送状況を判断する画像処理手段と、移送状況に基づいて物品の各搬送手段からの供給量の変化を予測する予測手段と、予測結果に基づいて各搬送手段からの供給量の変化を抑制するように各搬送手段の制御量を変化させる制御手段と、を備えている。
国際公開WO95/31702号
組合せ計量装置において、計量精度を高めるためには、計量手段に供給される供給量が目標供給量となるように、搬送手段の動作を制御する必要がある。上記従来の組合せ計量装置では、計量手段における計量結果又は搬送手段における移送状況に基づいて供給量が増加するか又は減少するかを予測し、この予測結果に基づいて、目標供給量となるように搬送手段を制御している。しかしながら、単に供給量が増加するか又は減少するかに基づいて搬送手段の送力を制御しているだけなので、精度高く目標供給量となるように制御することはできない。
そこで、本発明は、計量精度の向上を図ることができる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
本発明の組合せ計量装置は、物品を分散させる分散部と、分散部から供給される物品を搬送する複数の搬送部と、複数の搬送部のそれぞれに対応して配置され、各搬送部から供給される物品を計量する計量部と、を備え、各計量部に供給される物品が目標供給量となるように搬送部ごとの動作を制御する組合せ計量装置であって、搬送部上の物品の高さを検知する検知部と、物品の高さと、搬送部の供給量と、搬送部の送力と、の関係を記憶する記憶部と、関係において、検知部において検知された高さと、目標供給量と、から得られる送力にて搬送部を制御する制御部と、各計量部によって計量される計量値に基づいて、搬送部ごとに目標供給量を変更するか否かを判定する変更判定部と、を備える。
この組合せ計量装置では、制御部は、記憶部に記憶されている関係において、検知部により検知された高さと、目標供給量になる供給量と、から得られる送力にて搬送部を制御する。記憶部には、物品の高さと、搬送部の供給量と、搬送部の送力との関係が記憶されている。このような構成により、組合せ計量装置では、目標供給量とするための最適な送力で搬送部を制御できる。したがって、組合せ計量装置では、目標供給量となるように、搬送部から計量部に物品を供給できる。その結果、組合せ計量装置では、計量精度の向上を図ることができる。また、組合せ計量装置では、搬送部の特性など、条件によって、搬送部ごとに搬送の状況が異なる場合がある。この構成の組合せ計量装置では、各々の計量部によって計量される計量値に基づいて、搬送部ごとに目標供給量を変更するか否かを判定し、場合に応じて目標供給量を変更することができるようになるので、搬送の実態にあわせてより最適な送力で搬送部を制御することができる。
一実施形態においては、組合せ計量装置は、変更判定部によって目標供給量を変更すると判定された搬送部ごとに、各計量部によって計量される計量値に基づいて目標供給量を変更する目標供給量変更部を更に備える。
この構成の組合せ計量装置では、各々の計量部によって計量される計量値に基づいて、目標供給量を変更することができるので、搬送の実態にあわせてより最適な送力で搬送部を制御することができる。
一実施形態においては、目標供給量変更部は、複数の搬送部間においてスラント量の関係となるように、搬送部ごとの目標供給量を変更する。
この構成の組合せ計量装置では、計量部に供給された物品を組み合わせた際に組合せの成立性が向上する。そのため、計量精度を高めることができると共に組合せ計量装置における稼働率を高めることができる。
一実施形態において、組合せ計量装置は、各計量部にて計量した計量値が所定範囲内の値であるか否かに基づいて、搬送部が計量部に物品を安定供給ができているか否かを、搬送部ごとに判定する安定供給判定部を更に備える。
この構成の組合せ計量装置では、計量部に物品を安定供給できない搬送部を組み合わせの対象から外したり、使用者に安定供給できていない搬送部を知らせたり、安定供給の程度に基づいて、新たな目標供給量を変更したりすることができるようになるので、結果的に計量精度を高めることができる。
一実施形態において、検知部は、搬送部の排出端近傍に位置する物品の高さを検知する。
この構成の組合せ計量装置によれば、計量部に供給される直前の物品、すなわち、次に計量部に供給される物品の高さを検知できる。そのため、送力をより適切に設定できる。その結果、計量部に対して、目標供給量にて安定的に物品を供給することができる。
一実施形態において、組合せ計量装置は、送力をP、高さをS、供給量をWとしたとき、組合せ計量装置は、下記式(1)に基づいて送力Pを算出する。
P=A×W/S+B ・・・(1)
ただし、A及びBは、係数である。
この構成の組合せ計量装置では、上記式(1)により、搬送部の送力を一義的に求めることができる。
一実施形態において、記憶部において、供給量Wと、係数Aと、係数Bとは、供給される物品及び/又は搬送部の搬送路の形状に対応させて記憶されている。
この構成の組合せ計量装置では、物品及び/又は搬送部の搬送路の形状に応じた制御が自動でできる。そのため、物品及び/又は搬送部の搬送路の形状ごとに、オペレータが係数等の設定を変更する手間を省くことができる。
一実施形態において、組合せ計量装置は、記憶部に記憶されている関係を運転中に更新する更新部を更に備える。
この構成の組合せ計量装置では、例えば、分散部からの物品の供給状態の変化、物品の性状の変化等の状況の変化に応じて、記憶部に記憶された関係を更新できる。これにより、更新された関係に基づいて搬送部の送力を制御できる。そのため、搬送状況に変化が生じた場合であっても、計量部に対して、目標供給量にて安定的に物品を供給することができる。
一実施形態において、搬送部は、振動によって物品を搬送し、送力は、搬送部における振幅である。
この構成の組合せ計量装置において、振動によって物品を搬送する搬送部は、振動の振幅を変更することにより、物品の供給量を制御することができる。これにより、運転能力には影響せずに、供給量の制御を行うことができる。
一実施形態において、検知部は、搬送部の搬送方向に沿って複数設けられている。
この構成の組合せ計量装置では、搬送路に沿った高さに応じて将来の供給量の予測を行うことができるため、より精度の高い制御が可能となる。
本発明によれば、計量精度の向上を図ることができる組合せ計量装置を提供することができる。
一実施形態に係る組合せ計量装置を示す斜視図である。 組合せ計量装置の構成を模式的に示す図である。 組合せ計量装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 放射フィーダの排出端近傍を示す図である。 制御部の機能的な構成を示すブロック図である。 高さと供給量との関係を示すグラフである。 目標供給量変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。 目標供給量算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 記憶部に記憶されているテーブルの一例を示す図である。
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
(1)全体構成
図1は、一実施形態に係る組合せ計量装置の斜視図である。図2は、組合せ計量装置の構成を模式的に示す図である。図3は、組合せ計量装置のブロック構成図である。
組合せ計量装置1は、物品供給シュート10と、分散テーブル20と、複数の放射フィーダ30と、複数のプールホッパ40と、複数の計量ホッパ50と、集合排出シュート部60と、タイミングホッパ70と、制御部80と、を備えている。
上記構成を有する組合せ計量装置1は、以下のように機能する。組合せ計量装置1には、クロスフィーダCFにより、組合せ計量装置1の被計量物としての物品が搬送される。物品は、例えば食品である。クロスフィーダCFによって搬送されてくる物品は、物品供給シュート10に投入される。物品供給シュート10に投入された物品は、分散テーブル20に供給される。分散テーブル20は、物品を分散させながら搬送し、分散テーブル20の周囲に配置された複数の放射フィーダ30に物品を供給する。放射フィーダ30のそれぞれは、分散テーブル20から供給された物品を、各放射フィーダ30に対応して設けられたプールホッパ40まで搬送し、そのプールホッパ40に供給する。
各プールホッパ40に供給された物品は、そのプールホッパ40の下方に配置された計量ホッパ50へと受け渡される。制御部80は、計量ホッパ50が有する後述のロードセル56の計量値(計量ホッパ50内の物品の計量値)を基に組合せ計量演算を行い、組合せ計量演算の結果が所定の許容範囲内で、かつ最も目標値に近くなる物品の組合せを選択する。選択された組合せに含まれる計量ホッパ50内の物品は、集合排出シュート部60へと排出される。集合排出シュート部60に排出された物品は、タイミングホッパ70に供給される。タイミングホッパ70は、例えば、組合せ計量装置1の後段に設置された製袋包装機等に物品を供給する。
(2)詳細構成
続いて、組合せ計量装置1の構成について詳細に説明する。
(2−1)物品供給シュート
物品供給シュート10は、物品供給シュート10に物品を投入するクロスフィーダCF(図2参照)の端部(物品供給シュート10に物品を投入する側の端部)の下方に配置される。物品供給シュート10は、分散テーブル20の上方に配置される。物品供給シュート10は、クロスフィーダCFが搬送してくる物品の供給を受け、分散テーブル20へと物品を供給する。
(2−2)分散テーブル
分散テーブル20は、円錐状に形成されたテーブル状の部材である。分散テーブル20は、分散テーブル20の上方に設置されたクロスフィーダCFから、物品供給シュート10を介して物品の供給を受ける。分散テーブル20は、例えば、図示しない電磁石により振動させられることで、供給された物品を周方向に分散させながら径方向外向きに搬送する。分散テーブル20の外縁まで搬送された物品は、分散テーブル20の外縁側下方に配置された複数の放射フィーダ30に供給される。
(2−3)放射フィーダ
組合せ計量装置1は、複数(ここでは14個)の放射フィーダ30を有する。複数の放射フィーダ30は、分散テーブル20の周囲に環状に配置されている。複数の放射フィーダ30は、分散テーブル20を中心として放射状に延びている。
各放射フィーダ30は、例えば、図示しない駆動部(電磁石)により振動させられることで、分散テーブル20から供給された物品を、径方向外向き(分散テーブル20から遠ざかる向き)に搬送する。各放射フィーダ30の外縁まで搬送された物品は、各放射フィーダ30の外縁側下方に配置されるプールホッパ40に供給される。
各放射フィーダ30の上方には、各放射フィーダ30に対応して、測距センサ(検知部)32がそれぞれ配置されている。すなわち、第1実施形態では、測距センサ32は、14個設けられている。測距センサ32は、計量機構フレームに固定される支持フレーム34に取り付けられ、放射フィーダ30の上方に位置している。
測距センサ32は、当該測距センサ32と放射フィーダ30上の物品との間の距離を検出する。測距センサ32は、例えば、物品に向かって光を照射し、物品で反射された光を受光することにより、測距センサ32と物品との間の距離を得る。図4に示されるように、測距センサ32は、放射フィーダ30の排出端近傍に位置する物品との間の距離を検出する。排出端近傍とは、放射フィーダ30の搬送方向の先端から所定距離だけ後退する位置であり、一例としては、放射フィーダ30の先端から30mm〜50mm程度後退した位置である。測距センサ32は、検出した物品との距離を示す検出信号を制御部80に出力する。
(2−4)プールホッパ
組合せ計量装置1は、放射フィーダ30と同数のプールホッパ40を有する。図4に示されるように、プールホッパ40は、各放射フィーダ30の外縁側下方に1つ配置されている。プールホッパ40には、上方に配置された放射フィーダ30から供給される物品が一時的に貯留される。
各プールホッパ40の下部には、PHゲート42が設けられている。PHゲート42が開かれることで、プールホッパ40の下方に配置された計量ホッパ50に、プールホッパ40内の物品が供給される。各PHゲート42は、図示しないリンク機構が、ステッピングモータ44により動作させられることで開閉する。ステッピングモータ44の開閉は、制御部80により制御される。
(2−5)計量ホッパ
組合せ計量装置1は、プールホッパ40と同数の計量ホッパ50を有する。各プールホッパ40の下方には、計量ホッパ50が1つ配置される。計量ホッパ50は、プールホッパ40から供給された物品の質量、すなわち放射フィーダ30からプールホッパ40を介して供給された物品の質量を計量する。
各計量ホッパ50の下部には、WHゲート52が設けられている。WHゲート52が開かれることで、集合排出シュート部60に、計量ホッパ50内の物品が供給される。各WHゲート52は、図示しないリンク機構が、ステッピングモータ54により動作させられることで開閉する。ステッピングモータ54の開閉は、制御部80により制御される。
各計量ホッパ50は、計量ホッパ50に保持される物品を計量するためのロードセル(計量部)56を有する。ロードセル56は、計量機構の一例である。ロードセル56の計量結果は、計量信号として、図示しない増幅器を介して後述する制御部80のマルチプレクサ83に送信される。
(2−6)集合排出シュート部
集合排出シュート部60は、排出経路部材の一例である。集合排出シュート部60には、ロードセル56の計量結果に基づいた組合せ計量後に、計量ホッパ50から組合せに選択された計量済みの物品が供給される。集合排出シュート部60は、計量ホッパ50から供給された物品を集合させてタイミングホッパ70に供給する。
外側シュート64には、ロードセル56の計量結果に基づいた組合せ計量後に、計量ホッパ50から組合せに選択された計量済みの物品が供給される。外側シュート64は、計量ホッパ50から供給された物品を集合させてタイミングホッパ70に供給する。
(2−7)タイミングホッパ
タイミングホッパ70は、集合排出シュート部60から供給された物品を、後段の製袋包装機等に受け渡す。タイミングホッパ70の下部には、ゲート72が設けられている。ゲート72が開かれることで、後段の製袋包装機等に、タイミングホッパ70内の物品が供給される。ゲート72は、リンク機構74がステッピングモータ76により動作させられることで開閉する。ステッピングモータ76の開閉は、制御部80により制御される。
(2−8)制御部
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリ82と、を有する(図2参照)。また、制御部80は、マルチプレクサ83と、A/D変換器84と、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)85と、を有する(図3参照)。
マルチプレクサ83は、DSP85の命令に従い、ロードセル56の計量信号から1の計量信号を選択し、A/D変換器84に送信する。A/D変換器84は、マルチプレクサ83から受け取った計量信号(アナログ信号)を、DSP85から送信されるタイミング信号に従いデジタル信号に変換し、DSP85に送信する。DSP85は、A/D変換器84から送信されたデジタル信号に対してフィルタ処理を行う。
制御部80は、分散テーブル20、放射フィーダ30、ステッピングモータ44、ステッピングモータ54、ステッピングモータ76、及びタッチパネル86等、組合せ計量装置1の各部と接続されている。タッチパネル86は、入力と出力の両機能を兼ね備えた液晶ディスプレイ(LCD)であり、入力部及び出力部として機能する。タッチパネル86は、組合せ計量に関する各種設定等の入力を受け付ける。例えば、タッチパネル86は、分散テーブル20及び放射フィーダ30の振動強度や、放射フィーダ30の振動時間等の運転パラメータの入力を受け付ける。
制御部80は、タッチパネル86から入力される、分散テーブル20及び放射フィーダ30の振動強度や、放射フィーダ30の振動時間等の運転パラメータに基づいて、分散テーブル20や放射フィーダ30の図示しない電磁石を制御し、分散テーブル20や、放射フィーダ30を振動させる。運転パラメータには、放射フィーダ30からプールホッパ40を介して計量ホッパ50に供給される物品の目標供給量TWが含まれる。目標供給量TWは、計量ホッパ50に対して、単位時間当たりに供給されるべき物品の目標量(一定値)である。目標供給量TWは、物品ごとに設定される。
制御部80は、計量ホッパ50における計量値を基に、組合せ計量演算を行う。具体的には、制御部80は、DSP85によりフィルタ処理された信号を用いて、各計量ホッパ50に保持されている物品の質量を算出し、質量の合計が所定の目標質量範囲で、かつ、最も目標値に近くなるよう組合せ計量演算を行う。そして、制御部80は、組合せ計量演算の結果を基に、計量ホッパ50の組合せを決定し、決定された計量ホッパ50のWHゲート52が開くよう、ステッピングモータ54の動作を制御する。また、制御部80は、いずれかの計量ホッパ50が空である場合に、その計量ホッパ50の上方に配置されるプールホッパ40のPHゲート42を、ステッピングモータ44を動作させて開く。また、制御部80は、タイミングホッパ70のゲート72の開閉を制御する。
制御部80の構成について、より詳細に説明する。図5は、制御部の機能的な構成を示すブロック図である。図5に示されるように、制御部80は、記憶部90と、フィーダ制御部92と、更新部94と、変更判定部95と、安定供給判定部96と、目標供給量変更部97と、を有している。制御部80は、フィーダ制御部92、更新部94、変更判定部95、安定供給判定部96及び目標供給量変更部97を、各種制御処理を実行する概念的な部分として有している。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPU81で実行されるソフトウェアとして構成することができる。
記憶部90は、物品の高さSと、放射フィーダ30の供給量Wと、放射フィーダ30の送力Pと、の関係を記憶する。具体的には、記憶部90には、下記の式(1)が記憶されている。
P=A×W/S+B …(1)
送力Pは、放射フィーダ30の振動の振幅である。送力Pの値が小さい場合には、振幅が小さくなるため、放射フィーダ30から計量ホッパ50(プールホッパ40)に供給される物品の供給量が少なくなる。送力Pの値が大きい場合には、振幅が大きくなるため、放射フィーダ30から計量ホッパ50に供給される物品の供給量が多くなる。
高さSは、図4に示されるように、放射フィーダ30の排出端近傍における、放射フィーダ30の底面30aと物品の上部との間の距離である。供給量Wは、放射フィーダ30からプールホッパ40を介して計量ホッパ50に供給される物品の量である。
上記式(1)において、「A」及び「B」のそれぞれは、係数である。係数A,Bは、組合せ計量装置1の初期状態においては、例えば、組合せ計量装置1の構成に応じて、経験的に求められた値が初期値として与えられている。各係数A,Bは、放射フィーダ30の形状及び/又は物品の種類に応じて変更可能な値である。
フィーダ制御部92は、放射フィーダ30の送力Pを制御する。フィーダ制御部92は、上記式(1)を用いて、測距センサ32により検出された距離に基づく物品の高さSと、設定された目標供給量となる供給量Wと、から得られる送力Pにて放射フィーダ30を制御する。フィーダ制御部92は、測距センサ32から送信された検出信号が示す距離に基づいて、物品の高さSを算出する。詳細には、フィーダ制御部92は、放射フィーダ30の底面30aから測距センサ32までの距離と、検出信号が示す距離との差に基づいて、物品の高さSを算出する。
フィーダ制御部92は、算出した物品の高さSと、目標供給量となる供給量Wとを上記式(1)に代入し、送力Pを算出する。フィーダ制御部92は、算出した送力Pにより、連続的に動作する放射フィーダ30の動作を制御する。すなわち、フィーダ制御部92は、振動中の放射フィーダ30の動作を制御する。
更新部94は、記憶部90に記憶されている上記式(1)を運転中に更新する。運転中とは、例えば、物品が分散テーブル20に供給され、放射フィーダ30により物品が搬送されている状態である。更新部94は、係数A,Bを変更し、上記式(1)を更新する。
物品の高さSとロードセル56の計量値Gとは、下記の式(2)に示す関係を有している。
G=aS …(2)
上記式(2)において、「a」は、所定期間における、高さSと計量値Gとの関係から求められる傾きである。更新部94は、運転中に得られる高さS及び計量値Gに基づいて、上記式(2)から、傾きaを算出する。更新部94は、少なくとも2回の所定期間における傾きaを算出する。また、傾きaと送力Pとは、下記の式(3)の関係を有する。
a=(1/A)P−B/A …(3)
更新部94は、現在の運転状態における送力Pと傾きaとから、係数A,Bを算出する。更新部94は、算出した係数A,Bによって上記式(1)を更新する。
変更判定部95は、計量ホッパ50に保持される物品を計量するロードセル56によって計量される計量値に基づいて、放射フィーダ30ごとに目標供給量TWを変更するか否かを判定する。第1実施形態では、安定供給判定部96に基づいて判定された安定供給程度(安定供給の可否)に基づいて、目標供給量変更部97が算出した新たな目標供給量TWに変更するか否かを判定する。例えば、変更判定部95は、目標供給量変更部97によって算出された新たな目標供給量TWが、現在の目標供給量TWと異なっている場合には、算出された新たな目標供給量TWに更新し、現在の目標供給量TWと同じ場合には、算出された新たな目標供給量TWに更新しない。
安定供給判定部96は、各計量ホッパ50に対応するロードセル56によって計量された計量値に基づいて、各計量ホッパ50に物品を安定供給ができているか否かを、放射フィーダ30ごとに判定する。具体的には、安定供給判定部96は、搬送質量の標準偏差(σ〜σ)、平均搬送質量(X〜X)、全ての計量ホッパ50の標準偏差の平均値σ及び平均搬送質量の平均値Xに基づいて、放射フィーダ30が計量ホッパ50に物品を安定供給ができているか否かを判定する。
第1実施形態では、安定供給判定部96は、上記数値に基づいて、全計量ホッパ50に搬送された計量物の計量ホッパ50間におけるバラツキ状況を示し、分散テーブル20によって分散された計量物の分散方向間の分布状況を示す高さS、及び全計量ホッパ50に搬送された計量物のサイクルごとのバラツキ状況を示す指標βに基づいて、放射フィーダ30が計量ホッパ50に物品を安定供給ができているか否かを、放射フィーダ30ごとに判定する。なお、安定供給判定部96が用いる高さS及び指標βの詳細については、後段に説明する。
目標供給量変更部97は、変更判定部95によって目標供給量TWを変更すると判定された放射フィーダ30ごとに、各計量ホッパ50によって計量される計量値に基づいて目標供給量TWを変更する。第1実施形態では、目標供給量変更部97は、安定供給判定部96が判定した安定供給の程度(安定供給の可否)に基づいて、新たな目標供給量TWを算出する。また、目標供給量変更部97は、新たな目標供給量TWを算出するに際し、複数の放射フィーダ30間においてスラント量の関係となるように、目標供給量TWを算出する。
(3)制御部の動作
続いて、制御部80の動作について説明する。制御部80は、組合せ計量装置1の動作を開始させる信号が入力されると、分散テーブル20及び放射フィーダ30の動作を開始させる。制御部80は、動作開始時には、予め初期値として設定された送力Pにより、放射フィーダ30を動作させる。
制御部80は、測距センサ32により放射フィーダ30の排出端近傍に位置する物品が検知されると、測距センサ32から送信された検出信号を受け取る。制御部80は、検出信号に基づいて物品の高さSを算出し、物品の高さSと、目標供給量となる供給量Wとにより、記憶部90に記憶されている上記式(1)を用いて、送力Pを算出する。制御部80は、算出した送力Pにより、放射フィーダ30を制御する。制御部80は、各放射フィーダ30について、同様の処理により動作を制御する。
このような制御によって放射フィーダ30上を搬送されてきた物品が計量ホッパ50に投入されると、制御部80は、計量ホッパ50のロードセル56における計量値を基に、組合せ計量演算を行う。具体的には、制御部80は、DSP85によりフィルタ処理された信号を用いて、各計量ホッパ50に保持されている物品の質量を算出し、質量の合計が所定の目標質量範囲で、かつ、最も目標値に近くなるよう組合せ計量演算を行う。そして、制御部80は、組合せ計量演算の結果を基に、計量ホッパ50の組合せを決定し、決定された計量ホッパ50のWHゲート52が開くよう、ステッピングモータ54の動作を制御する。また、制御部80は、いずれかの計量ホッパ50が空である場合に、その計量ホッパ50の上方に配置されるプールホッパ40のPHゲート42を、ステッピングモータ44を動作させて開く。制御部80は、決定された計量ホッパ50から物品がタイミングホッパ70に供給されると、タイミングホッパ70のゲート72が開くように、ステッピングモータ76の動作を制御する。
制御部80は、計量ホッパ50のロードセル56において物品の計量が開始されると、その計量値と高さSとに基づいて、上記式(1)を更新する。具体的には、制御部80は、所定期間内においてロードセル56から送信される計量信号を受け取ると、その計量信号が示す計量値と、物品の高さSとを用いて、上記式(2)に基づいて傾き「a」を算出する。制御部80は、少なくとも2回の所定期間内において得られた傾き「a」を用いて、上記式(3)により係数A,Bを求める。制御部80は、求めた係数A,Bにより、上記式(1)を更新する。
第1実施形態の組合せ計量装置1では、上記組合せ計量処理と同時に、放射フィーダ30に設定された目標供給量TWを、放射フィーダ30ごとに変更するか否かを判定する目標供給量判定処理を行っている。
図7に示されるように、具体的には、変更判定部95は、1回の組合せ計量処理(ステップS11)が終了するたびに、その回数を示す計量回数カウンタCをインクリメントし(ステップS12)、計量回数カウンタCが所定値(例えば、100回)に達しているか否かを判定する(ステップS13)。計量回数カウンタCが所定値に達していない場合(S13:NO)には、目標供給量変更処理をスキップして、組合せ計量処理を継続する。言い換えれば、変更判定部95は、組合せ計量処理(ステップS11)を100回行うごとに1回、目標供給量変更処理を行う。
計量回数カウンタCが所定値に達していると判定した場合には(S3:YES)、変更判定部95は、例えば、N(1〜n)個のそれぞれの計量ホッパ50が所定回の計量動作を行った間の搬送質量の標準偏差(σ〜σ)及び平均搬送質量(X〜X)を算出する(ステップS14)。また、算出された標準偏差(σ〜σ)及び平均搬送質量(X〜X)に基づいて、全ての計量ホッパ50の標準偏差の平均値σ及び平均搬送質量の平均値Xを算出する。
次に、目標供給量変更部97は、上記搬送質量の標準偏差(σ〜σ)及び平均搬送質量(X〜X)に基づいて、新たな目標供給量TWを算出する(ステップS15)。第1実施形態では、目標供給量変更部97は、安定供給判定部96によって判定される放射フィーダ30における計量ホッパ50への物品の安定供給の可否(程度)に基づいて、新たな目標供給量TWを算出する(目標供給量算出処理)。以下、目標供給量算出処理について、図8を用いて説明する。
安定供給判定部96は、測距センサ32から高さSを取得する(ステップS21)。高さSは、全放射フィーダ30が共通の目標供給量TWとする送力Pにて搬送された時の、全計量ホッパ50に搬送された計量物の計量ホッパ50間におけるバラツキ状況を示し、分散テーブル20によって分散された計量物の分散方向間の分布状況を示す。
次に、安定供給判定部96が、下記式(12)に基づいて指標βを算出する(ステップS22)。
β=σ/X ・・・(12)
指標βは、全計量ホッパ50の搬送質量が小さく、かつ、それに対する標準偏差が大きい場合に大きな値となる。すなわち、指標βは全計量ホッパ50に搬送された計量物のサイクルごとのバラツキ状況を示す指標と言える。
次に、安定供給判定部96は、高さS及び指標βに基づいて判定データを生成する。すなわち、判定データには、高さS及び指標βが判定結果として含められる。安定供給判定部96は、このような各計量ホッパ50にて計量した計量値に基づいて、すなわち、計量物の分布状況に基づいて、放射フィーダ30が計量ホッパ50に物品を安定供給ができているか否かを、放射フィーダ30ごとに判定する。
次に、目標供給量変更部97は、変更判定部95によって目標供給量TWを変更すると判定された放射フィーダ30ごとに、前記各計量ホッパ50によって計量される計量値に基づいて目標供給量TWを変更する。
具体的には、目標供給量変更部97は、判定データに示される指標βに基づいて最大補正値RMaxを算出する(ステップS23)。なお、最大補正値RMaxとは、基準目標供給量TWに対して最大となる目標供給量TWを求めるための補正値である。すなわち、最大補正値RMaxの値が大きい場合には、設定される目標供給量TWの計量ホッパ50ごとの差が大きくなり、最大補正値RMaxが最小値「0」の場合には、全ての計量ホッパ50の目標供給量TWが同一値となる。
第1実施形態においては、指標βが、β<0.2を満たし、搬送質量のバラツキが比較的少ない場合には下記式(13)によって最大補正値RMaxを求め、
Max=0.45・・・(13)
指標βが、0.2≦β≦0.5を満たす場合には、下記式(14)によって最大補正値RMaxを求め、
Max=0.75−1.5(σt/Xt)・・・(14)
指標βが、0.5<βを満たし、搬送質量のバラツキが比較的大きい場合には、下記式(15)によって最大補正値RMaxを求める。
Max=0・・・(15)
組合せ計量装置1において、指標βの値が小さい場合とは、ある1つの計量ホッパ50に注目した場合に、搬送される計量物の質量がサイクル毎に比較的安定している場合(安定供給できている場合)である。このような場合には、計量ホッパ50について設定されている目標供給量TWと、実際に搬送される計量物の質量との誤差は小さくなる。一方、指標βの値が大きい場合は、安定供給ができていない場合であり、計量ホッパ50について設定されている目標供給量TWと、実際に搬送される計量物の質量との誤差が比較的大きくなる。
組合せ計量装置1では、指標βが小さい場合(安定供給できている場合)に最大補正値RMaxを比較的大きな値に設定して、各計量ホッパ50に割り当てられる目標供給量TWの差を大きくする。これにより、各サイクルにおいて、実際に計量ホッパ50に搬送される計量物の質量に意図的なバラツキ(スラント量制御)を与えることができ、効率的な組合せ動作を行うことができる。
一方、指標βが大きい場合(安定供給できていない場合)には、最大補正値RMaxを比較的小さく設定して、各計量ホッパ50に割り当てられる目標供給量TWの差を小さくする。これは、計量ホッパ50の搬送質量についてサイクルごとに大きなバラツキが生じている場合には、各目標供給量TWに差を設けて搬送しようとする計量物の質量にさらにバラツキを与える必要はないからである。これにより、各サイクルにおいて、各計量ホッパ50の搬送質量について計量ホッパ50間でのバラツキを適切な状態に抑制することができ、効率的な組合せ動作を行うことができる。
次に、目標供給量変更部97は、高さSの値に基づいて、各計量ホッパ50を降順にソートして、それぞれ順位づけを行う(ステップS24)。高さSは、先述のように計量物の分散方向間の分布状況を示す指標であるから、この順位付けにより、他の分散方向に比べて多くの計量物が分散されている方向に配置されている計量ホッパ50ほど高順位となる。以下、このときの計量ホッパ50の順位を順位m(1≦m≦n)とする。
次に、目標供給量変更部97は、最大補正値RMaxに基づいて、全計量ホッパ50のそれぞれについて、基準目標供給量TWに対する補正値を算出する(ステップS25)。なお、順位m(m=1)の計量ホッパ50の補正値は、最大補正値RMaxとする。目標供給量変更部97は、順位mの計量ホッパ50についての補正値Rを、下記式(16)により求める。
=(1+RMax)−2(m−1)RMax/(n−1)・・・(16)
次に、目標供給量変更部97は、補正値Rに基づいて、順位mの計量ホッパ50の目標供給量TWを、下記式(17)により求める。
TW=W×(1+R)・・・(17)
このようにして、目標供給量変更部97は、各計量ホッパ50に割り当てる目標供給量TWをそれぞれ算出する(ステップS26)。
次に、目標供給量変更部97は、新たに割り当てられた目標供給量TWを用いて、n番目の計量ホッパ50に計量物を搬送する放射フィーダ30の送力Pを補正する。例えば、下記式(18)により算出される補正値Eに基づいて、運転パラメータ(放射フィーダ30の振動強度又は放射フィーダ30の振動時間等)を補正する(ステップS16)。
=(W−X)/W・・・(18)
ここで、変更判定部95は、計量回数カウンタCをリセットする(ステップS17)これにより、フィーダ制御部92は、目標供給量TWが変更されたことにより、補正された運転パラメータパラメータに基づいて、n番目の放射フィーダ30を駆動制御する(ステップS18)。そして、一連の処理は、組合せ計量が継続される場合(S18:YES)にはステップS1に戻り、組合せ計量が継続されない場合(S18:NO)には終了する。
(4)作用効果
以上説明したように、第1実施形態に係る組合せ計量装置1では、フィーダ制御部92は、記憶部90に記憶されている上記式(1)において、測距センサ32により検知された検出信号に基づく高さSと、目標供給量となる供給量Wと、から得られる送力Pにて放射フィーダ30を制御する。記憶部90には、物品の高さSと、放射フィーダ30の供給量Wと、放射フィーダ30の送力Pとの関係を示す上記式(1)が記憶されている。このような構成により、組合せ計量装置1では、目標供給量とするための最適な送力Pで放射フィーダ30を制御できる。したがって、組合せ計量装置1では、目標供給量となるように、放射フィーダ30から計量ホッパ50に物品を供給できる。その結果、組合せ計量装置1では、計量精度の向上を図ることができる。
図6は、高さと供給量との関係を示すグラフである。図6では、横軸は放射フィーダ30上の物品の高さを示しており、縦軸は計量ホッパ50に供給された物品の供給量を示している。図6に示される各直線L1〜L7は、放射フィーダ30の振幅をそれぞれ異ならせた場合において、放射フィーダ30を所定時間だけ動作させたときに得られた結果の回帰直線(近似直線)である。
図6に示されるように、第1実施形態の組合せ計量装置1では、振幅を変更させた場合であっても、放射フィーダ30上の高さSと、計量ホッパ50に供給される物品の供給量Wとが比例する関係が得られる。つまり、組合せ計量装置1では、放射フィーダ30上の高さSを検知して、高さSに応じて送力Pを決定して放射フィーダ30を制御することにより、目標供給量となる供給量Wを得られる。したがって、組合せ計量装置1では、各計量ホッパ50に対して一定量の物品をバランス良く供給できるため、例えば14個の計量ホッパ50が設けられている構成において、7個の計量ホッパ50が選択可能となる。これにより、計量ホッパ50の組合せ数を最大とすることができる。その結果、組合せ計量装置1では、計量精度の向上を図ることができる。
第1実施形態では、測距センサ32は、当該測距センサ32と放射フィーダ30上の物品との間の距離を検出する。制御部80は、当該距離に基づいて、放射フィーダ30の排出端近傍に位置する物品の高さSを検知する。これにより、計量ホッパ50に供給される直前の物品、すなわち、次に計量ホッパ50に供給される物品の高さSを検知できる。そのため、送力Pをより適切に設定できる。その結果、計量ホッパ50に対して、目標供給量にて安定的に物品を供給することができる。
第1実施形態では、記憶部90に記憶されている上記式(1)を運転中に更新する更新部94を備える。この構成により、例えば、分散テーブル20らの物品の供給状態の変化、物品の性状の変化等の状況の変化、或いは、放射フィーダ30の形状の変化に応じて、上記式(1)を更新できる。これにより、更新された上記式(1)に基づいて放射フィーダ30の送力Pを制御できる。そのため、上流からの供給状態の変化、商品の性状変化(大きなチップ、小さなチップ等)、フレーバ堆積、及び温度湿度変化等、搬送状況に変化が生じた場合であっても、計量ホッパ50に対して、目標供給量にて安定的に物品を供給することができる。
第1実施形態では、送力をP、高さをS、供給量をWとしたとき、上記式(1)に基づいて送力Pを算出する。組合せ計量装置1では、上記式(1)を用いることにより、放射フィーダ30の送力Pを一義的に求めることができる。
第1実施形態では、放射フィーダ30は、振動によって物品を搬送する。送力Pは、放射フィーダ30における振幅である。振動によって物品を搬送する放射フィーダ30では、振動の振幅を変更することにより、物品の供給量を制御することができる。これにより、運転能力に依存することなく、供給量の制御を行うことができる。
第1実施形態では、フィーダ制御部92は、連続的に動作する放射フィーダ30の送力Pを制御する。この構成では、計量ホッパ50に対して物品を連続的に供給している状態において放射フィーダ30の送力Pを制御するため、計量が連続的に行われる。そのため、計量効率の低下を抑制できる。
第1実施形態では、放射フィーダ30の特性、及び/又は放射フィーダ30上流の分散テーブル20などの条件によって、放射フィーダ30ごとに搬送の状況が異なる場合がある。上記実施形態の組合せ計量装置1では、各々の計量ホッパ50によって計量される計量値に基づいて、放射フィーダ30ごとに目標供給量TWを変更するか否かを判定し、場合に応じて目標供給量TWを変更することができるようになるので、搬送の実態にあわせてより最適な送力Pで放射フィーダ30を制御することができる。
より具体的には、上記実施形態の組合せ計量装置1では、組合せ計量装置1の動作中に、安定供給判定部96により分散テーブル20によって分散された物品の分布状況を判定し、その判定結果に応じて、各計量ホッパ50のそれぞれに搬送すべき物品の質量となる目標供給量TWを算出する。さらに、このようにして算出された新たな目標供給量TWに応じて、各放射フィーダ30の搬送力を制御することにより、各計量ホッパ50に搬送される物品音の質量と、その計量ホッパ50の目標供給量TWとの誤差を抑制することができるため、効率のよい計量動作を実現することができる。
第1実施形態では、比較的多量の物品が分散されている方向の計量ホッパ50の目標供給量TWを比較的大きい値とし、比較的少量の物品しか分散されていない方向の計量ホッパ50の目標供給量TWを比較的小さい値とすることにより、実際に計量ホッパ50に搬送される物品の質量が目標供給量TWとなる確率を向上させることができる。
更に、第1実施形態では、目標供給量変更部97によって変更される放射フィーダ30ごとの目標供給量TWは、複数の放射フィーダ30間においてスラント量の関係となるように変更されるので、計量ホッパ50に供給された物品を組み合わせた際に組合せの成立性が向上する。そのため、計量精度を高めることができると共に組合せ計量装置1における稼働率を高めることができる。
(5)第2実施形態
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態の組合せ計量装置1は、制御部80の記憶部90に記憶されている、物品の高さSと、放射フィーダ30の供給量Wと、放射フィーダ30の送力Pと、の関係が、第1実施形態と異なる。
記憶部90は、物品の高さSと、放射フィーダ30の供給量Wと、放射フィーダ30の送力Pと、の関係を記憶する。具体的には、記憶部90には、例えば、図9に示すテーブルTが情報として記憶されている。図9に示されるように、テーブルTは、供給量W(W,W,…,W)の値と、物品の高さS(S,S,…,S)の値と、送力Pの値(P,PN−1,…,P)と、がそれぞれ対応付けられている。供給量Wは、W<W<…<Wの関係を有している。高さSは、S<S<…<Sの関係を有している。送力Pは、P<P<…<Pの関係を有している。
図9に示されるテーブルTにおいて、例えば、供給量Wを「W」とする場合には、物品の高さSが「S」であるときには送力Pの「P」が選択される。言い換えれば、物品の高さSが「S」である場合に送力Pを「P」とすれば、供給量Wが「W1」となる。
記憶部90に記憶される送力Pは、上記式(1)により算出される。初期値の係数A,Bを用いて算出された送力Pを格納するテーブルTは、初期のテーブルTとして記憶部90に記憶される。テーブルTの各情報は、更新(書き換え)可能とされている。
フィーダ制御部92は、放射フィーダ30の送力Pを制御する。フィーダ制御部92は、テーブルTにおいて、測距センサ32により検出された距離に基づく物品の高さSと、設定された目標供給量となる供給量Wと、から得られる送力Pにて放射フィーダ30を制御する。フィーダ制御部92は、算出した物品の高さSと、目標供給量となる供給量Wとにより、テーブルTを参照して、送力Pを抽出する。具体的には、フィーダ制御部92は、例えば、目標供給量となる供給量Wが「W」であり、算出した高さSが「S」の場合、テーブルTから、送力Pとして「P」を抽出する。フィーダ制御部92は、テーブルTから抽出した送力Pにより、放射フィーダ30の動作を制御する。
更新部94は、記憶部90に記憶されているテーブルTを運転中に更新する。更新部94は、上記式(1)において係数A,Bを変更して送力Pを算出し、テーブルTを更新する。更新部94は、上記式(2)及び式(3)に基づいて、係数A,Bを算出する。更新部94は、算出した係数A,Bを式(1)に用いて送力Pを算出し、当該送力PにてテーブルTを更新する。
以上説明したように、第2実施形態に係る組合せ計量装置1では、フィーダ制御部92は、記憶部90に記憶されているテーブルTにおいて、測距センサ32により検知された検出信号に基づく高さSと、目標供給量となる供給量Wと、から得られる送力Pにて放射フィーダ30を制御する。記憶部90には、物品の高さSと、放射フィーダ30の供給量Wと、放射フィーダ30の送力Pとの関係を示す上記テーブルTが記憶されている。このような構成により、組合せ計量装置1では、目標供給量とするための最適な送力Pで放射フィーダ30を制御できる。したがって、組合せ計量装置1では、目標供給量となるように、放射フィーダ30から計量ホッパ50に物品を供給できる。その結果、組合せ計量装置1では、計量精度の向上を図ることができる。
(6)変形例
以上、第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態の組合せ計量装置1では、放射フィーダ30が計量ホッパ50に物品を安定供給ができているか否かを放射フィーダ30ごとに判定する安定供給判定部96を備え、この安定供給判定部96が判定する安定供給の程度に基づいて、目標供給量変更部97が新たな目標供給量TWを算出する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、変更判定部95は、所定回の計量動作を行ったときの搬送質量の標準偏差(計測値)及び/又は平均搬送質量(計測値)を算出し、これらの値が所定範囲内の値である場合には、目標供給量TWを変更する対象となる放射フィーダ30であると判定し、これらの放射フィーダ30に絞って目標供給量TWを変更してもよい。そして、目標供給量変更部97は、これらの対象となる放射フィーダ30に対して、複数の放射フィーダ30間においてスラント量の関係となるように、新たな目標供給量TWを設定してもよい。
このような構成とすれば、安定的に供給され難い放射フィーダ30を組み合せ計量における組合せの対象から外すことができるので、計量精度を向上させることができる。また、所定回の計量動作を行ったときの搬送質量の標準偏差(計測値)及び/又は平均搬送質量(計測値)などに基づいて、放射フィーダ30の異常を判定し、これを作業者に報知するような構成とすることもできる。
また、例えば、変更判定部95は、所定回の計量動作を行ったときの搬送質量の平均搬送質量(計測値)を算出し、目標供給量変更部97は、全ての放射フィーダ30において共通に設定されている目標供給量TWについて、算出した平均搬送質量に基づいて、放射フィーダ30ごとに新たな目標供給量TWを設定してもよい。すなわち、目標供給量変更部97は、算出した平均搬送質量に基づいて、放射フィーダ30ごとに目標供給量TWを変更してもよい。
上記実施形態では、検知部として測距センサ32を一例に説明したが、検知部は測距センサ32に限定されない。検知部は、例えば、カメラ等であってもよい。
上記実施形態では、測距センサ32が各放射フィーダ30に対応して1個ずつ設けられている形態を一例に説明したが、測距センサ32は、放射フィーダ30の搬送方向に沿って複数設けられていてもよい。これにより、複数箇所の物品の高さSを検知できる。そのため、放射フィーダ30にて搬送される物品の全体的な状態に基づいて、放射フィーダ30を制御することができる。
上記実施形態では、測距センサ32が各放射フィーダ30に対応して1個ずつ設けられている形態を一例に説明したが、測距センサ32は、各放射フィーダ30に対応して設けられていなくてもよい。例えば、測距センサ32は、放射状に配置された放射フィーダ30に対して、例えば、2個ずつ間隔をあけて設けてもよい。分散テーブル20から供給される物品の供給量は、隣接する放射フィーダ30において大幅に異ならないことがある。そこで、1つの測距センサ32により検出された結果を、その測距センサ32が検出した放射フィーダ30の両隣に配置された放射フィーダ30における物品との距離として用いる。この場合、測距センサ(検知部)の数を減らすことができるため、コストの低減を図ることができる。
上記実施形態では、放射フィーダ30の送力Pが振幅である形態を一例に説明したが、送力Pは、放射フィーダ30の振動時間であってもよい。或いは、送力Pは、振幅及び振動時間の両方であってもよい。
上記実施形態では、測距センサ32により検出された検出信号に基づいてフィーダ制御部92が物品の高さSを算出し、算出した高さSを用いて送力Pを求める形態を一例に説明したが、高さSを算出することなく送力Pを求める形態であってもよい。この構成の場合には、送力Pの算出に下記式(21)を用いる。
P=A1×W/(L−Sp)+B1 …(21)
上記式(21)において、「A1」及び「B1」のそれぞれは、係数である。「L」は、放射フィーダ30の底面30aから測距センサ32までの距離である。「Sp」は、測距センサ32の検出信号が示す検出値(測距センサ32と物品との距離)である。フィーダ制御部92は、測距センサ32から送信された検出信号を受け取ると、検出信号が示す検出値Spと、目標供給量となる供給量Wとを上記式(21)に代入し、送力Pを算出する。
上記実施形態に加えて、記憶部90には、供給量W、係数A、及び、係数Bが、物品及び/又は放射フィーダ30の搬送路の形状に対応させて記憶されていてもよい。これにより、物品及び/又は放射フィーダ30の搬送路の形状に応じた制御ができる。そのため、物品及び/又は放射フィーダ30の搬送路の形状ごとに、オペレータが係数等の設定を変更する手間を省くことができる。
上記実施形態では、搬送部として放射フィーダ30を一例に説明したが、搬送部は、例えば、回転駆動可能なコイルユニット(スクリュー)、又は、ベルトコンベアによって物品を搬送する形態であってもよい。コイルユニット場合には、フィーダ制御部92は、送力として、コイルユニットの回転数(rpm)等を制御する。また、ベルトコンベアの場合には、フィーダ制御部92は、ベルトを駆動させるローラの回転数等を制御する。
上記実施形態では、組合せ計量装置1が分散テーブル20を備え、放射フィーダ300が分散テーブル20を中心に放射状に配置された円形配置の形態を一例に説明した。しかし、組合せ計量装置は、搬送部及び計量部のそれぞれが直線的に並んで配置された直線配置の形態であってもよい。
1…組合せ計量装置、10…物品供給シュート、20…分散テーブル、30…放射フィーダ(搬送部)、32…測距センサ(検知部)、34…支持フレーム、40…プールホッパ、50…計量ホッパ、56…ロードセル(計量部)、60…集合排出シュート部、70…タイミングホッパ、80…制御部、90…記憶部、92…フィーダ制御部、94…更新部、95…変更判定部、96…安定供給判定部、97…目標供給量変更部。

Claims (10)

  1. 物品を分散させる分散部と、
    前記分散部から供給される物品を搬送する複数の搬送部と、
    複数の前記搬送部のそれぞれに対応して配置され、前記各搬送部から供給される前記物品を計量する計量部と、を備え、
    前記各計量部に供給される前記物品が目標供給量となるように前記搬送部ごとの動作を制御する組合せ計量装置であって、
    前記搬送部上の物品の高さを検知する検知部と、
    前記物品の高さと、前記搬送部の供給量と、前記搬送部の送力と、の関係を記憶する記憶部と、
    前記関係において、前記検知部において検知された前記高さと、前記目標供給量と、から得られる送力にて前記搬送部を制御する制御部と、
    前記各計量部によって計量される計量値に基づいて、前記搬送部ごとに前記目標供給量を変更するか否かを判定する変更判定部と、
    を備える、組合せ計量装置。
  2. 前記変更判定部によって前記目標供給量を変更すると判定された前記搬送部ごとに、前記各計量部によって計量される計量値に基づいて前記目標供給量を変更する目標供給量変更部を更に備える、請求項1記載の組合せ計量装置。
  3. 前記目標供給量変更部は、複数の前記搬送部間においてスラント量の関係となるように、前記搬送部ごとの前記目標供給量を変更する、請求項2記載の組合せ計量装置。
  4. 前記各計量部にて計量した前記計量値が所定範囲内の値であるか否かに基づいて、前記搬送部が前記計量部に前記物品を安定供給ができているか否かを、前記搬送部ごとに判定する安定供給判定部を更に備える、請求項1〜3の何れか一項記載の組合せ計量装置。
  5. 前記検知部は、前記搬送部の排出端近傍に位置する前記物品の前記高さを検知する、請求項1〜4の何れか一項記載の組合せ計量装置。
  6. 前記送力をP、前記高さをS、前記供給量をWとしたとき、下記式(1)に基づいて前記送力Pを算出する、請求項1〜5の何れか一項記載の組合せ計量装置。
    P=A×W/S+B ・・・(1)
    ただし、A及びBは、係数である。
  7. 前記記憶部において、前記供給量Wと、前記係数Aと、前記係数Bとは、供給される物品及び/又は前記搬送部の搬送路の形状に対応させて記憶されている、請求項6記載の組合せ計量装置。
  8. 前記記憶部に記憶されている前記関係を運転中に更新する更新部を更に備える、請求項1〜7の何れか一項に記載の組合せ計量装置。
  9. 前記搬送部は、振動によって前記物品を搬送し、
    前記送力は、前記搬送部における振幅である、請求項1〜8の何れか一項記載の組合せ計量装置。
  10. 前記検知部は、前記搬送部の搬送方向に沿って複数設けられている、請求項1〜9の何れか一項記載の組合せ計量装置。
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