JP2016148389A - 変速装置および電気自動車 - Google Patents

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Kenji Furukawa
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Abstract

【課題】装置自体の大型化を抑制しながら動力伝達の中断を生じない動力伝達装置を提供すること。【解決手段】電子制御ユニット60によって、アップシフトの際には、電磁パウダークラッチ52を締結しながら低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22との固定を解除するように制御して、低速段用ギヤ機構32を介したトルク伝達経路から高速段用ギヤ機構34を介したトルク伝達経路に切り替え、ダウンシフトの際には、一端締結した電磁パウダークラッチ52の締結状態を解除しながら第1入力軸22に低速段用駆動ギヤG1を固定するように制御して、高速段用ギヤ機構34を介したトルク伝達経路から低速段用ギヤ機構32を介したトルク伝達経路に切り替えるため、変速中にトルク伝達が中断されることがない。また、変速完了後は、電磁パウダークラッチ52の締結を解除するため、クラッチ容量を抑えてサイズアップの抑制を図ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、原動機からの動力を車軸に伝達する動力伝達装置および電気自動車に関する。
特開2012−107745(特許文献1)には、モータの回転軸に連結された入力軸と、当該入力軸に回転自在に配置された低速段ギヤおよび高速段ギヤと、低速段ギヤおよび高速段ギヤのいずれか一方を入力軸に選択的に固定するドグクラッチと、を備え、モータの回転軸の回転を低速段または高速段に変速して出力軸に伝達する動力伝達装置が記載されている。
当該動力伝達装置では、ドグクラッチのドグギヤを出没可能な構成とすることにより、変速時における衝撃の緩和を図っている。
特開2012−107745公報
しかしながら、上述した動力伝達装置では、変速途中においては低速段ギヤおよび高速段ギヤのいずれのギヤも入力軸に固定されていない状態となるため、動力伝達の中断が生じてしまう。動力伝達を中断させないために、入力軸を二重軸に構成すると共に各入力軸にクラッチを配置する所謂ツインクラッチ構造を採用することも考えられるが、構造が複雑化すると共に装置の大型化を招いてしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、装置自体の大型化を抑制しながら動力伝達の中断を生じない動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明の動力伝達装置および電気自動車は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る動力伝達装置の好ましい形態によれば、原動機からの動力を車軸に伝達する動力伝達装置が構成される。当該動力伝達装置は、第1入力軸と、第2入力軸と、出力軸と、第1ギヤ機構と、第2ギヤ機構と、クラッチ部材と、状態切替手段と、制御手段と、を備えている。第1入力軸は、原動機の回転軸と一体回転するように構成されている。第2入力軸は、第1入力軸と相対回転可能なように第1入力軸に同軸状に外嵌配置されている。出力軸は、車軸に接続されている。第1ギヤ機構は、遊転ギヤと、第1固定ギヤと、を有し、第1入力軸と出力軸とを第1ギヤ比をもって接続可能なように構成されている。遊転ギヤは、第1入力軸および出力軸の一方に相対回転可能に支持されている。第1固定ギヤは、遊転ギヤと噛み合うと共に第1入力軸および出力軸の他方に一体回転可能に支持されている。第2ギヤ機構は、第2固定ギヤと、第3固定ギヤと、を有し、第2入力軸と出力軸とを第2ギヤ比をもって接続するように構成されている。第2固定ギヤは、第2入力軸に一体回転可能に支持されている。第3固定ギヤは、第2固定ギヤと噛み合うと共に出力軸に一体回転可能に支持されている。クラッチ部材は、回転軸と第2入力軸との接続および接続の解除を行うように構成されている。状態切替手段は、第1状態と、第2状態と、第3状態と、を選択的に切り替え可能に構成されている。第1状態は、遊転ギヤが第1入力軸および出力軸の一方に固定される状態として規定される。第2状態は、第2固定ギヤが第1入力軸に固定される状態として規定される。第3状態は、遊転ギヤおよび第2固定ギヤのいずれも第1入力軸および出力軸のいずれにも固定されない状態として規定される。そして、制御手段は、状態切替手段によって状態を切り替える際、回転軸と第2入力軸とを接続するようにクラッチ部材を制御し、状態の切り替わりが完了したときには回転軸と第2入力軸との接続を解除するようにクラッチ部材を制御するように構成されている。
ここで、本発明における「車軸に接続された」とは、出力軸が車軸に直接接続される態様の他、出力軸が間接的に車軸に接続される態様を好適に包含する。出力軸が間接的に車軸に接続される態様としては、例えば、出力軸が差動装置を介して車軸に接続される態様が考えられる。
また、本発明における「回転軸と第2入力軸との接続」の態様としては、クラッチ部材が第2入力軸と回転軸とを直接接続する態様の他、クラッチ部材が第2入力軸と回転軸とを間接的に接続する態様を好適に包含する。なお、間接的に接続する態様としては、例えば、回転軸と一体回転する第1入力軸を介してクラッチ部材が第2入力軸と回転軸とを接続する態様が考えられる。
さらに、本発明における「回転軸と第2入力軸とを接続するようクラッチ部材を制御」する態様としては、回転軸と第2入力軸とが一体回転するようにクラッチ部材を制御する態様のみならず、回転軸と第2入力軸とが滑りを伴って回転する所謂半クラッチ状態となるようにクラッチ部材を制御する態様を好適に包含する。
また、本発明における「一体回転可能に支持された」とは、典型的には、第1固定ギヤや第2固定ギヤ、第3固定ギヤを第1入力軸や第2入力軸、出力軸に一体成形する態様が該当するが、第1固定ギヤや第2固定ギヤ、第3固定ギヤを第1入力軸や第2入力軸、出力軸とは別体に形成した後一体にする態様を好適に包含する。
本発明によれば、第1状態から第2状態、あるいは、第2状態から第1状態に状態を切り替える際に、クラッチ部材によって回転軸と第2入力軸とを接続する構成であるため、状態を切り替える際に、原動機からの動力がクラッチ部材を介して第2入力軸に伝達され、当該第2入力軸から第2ギヤ機構を介して出力軸に伝達される。これにより、動力伝達を中断することなく状態を切り替えることができる。しかも、状態の切り替えが完了したときには、クラッチ部材によって回転軸と第2入力軸との接続を解除する構成であるため、クラッチ部材は、状態の切り替え時にのみ動力伝達可能なクラッチ容量を有していれば良く、クラッチ部材のサイズアップを抑制することができる。この結果、装置自体の大型化を抑制しながら動力伝達の中断を生じない動力伝達装置を提供することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、クラッチ部材の締結状態を検知する検知手段をさらに備えている。制御手段は、第1状態から第2状態へ状態を切り替える場合、回転軸と第2入力軸とを接続するようにクラッチ部材を制御し、検知された前記クラッチ部材の締結状態に基づいて第1状態から第3状態となるように状態切替手段を制御すると共に、第1入力軸の回転数と第2入力軸の回転数との第1回転数差が小さくなるように原動機を制御する。そして、第1回転数差が第1所定範囲となったときに第3状態から第2状態となるように状態切替手段を制御し、第2状態となったときに回転軸と第2入力軸との接続を解除するようにクラッチ部材を制御する。
本発明における「原動機を制御する」とは、回転軸の回転数を制御する態様がこれに該当する。また、本発明における「第1回転数差」とは、文字通り、第1入力軸の回転数と第2入力軸の回転数との差として規定される態様の他、回転軸の回転数と第2入力軸の回転数との差、回転軸の回転数と第2固定ギヤの回転数との差、あるいは、第1入力軸の回転数と第2固定ギヤの回転数との差として規定される態様を好適に包含する。
本形態によれば、クラッチ部材の締結状態に基づいて第1状態から第3状態へ状態を切り替える構成であるため、クラッチ部材を介した第2入力軸から出力軸への動力伝達が開始されて以降に第1状態から第3状態に状態を切り替えることができる。これにより、動力伝達の中断を確実に防止することができる。
また、第1入力軸の回転数と第2入力軸の回転数とを調整した上で、第3状態から第2状態への切り替えを行う構成であるため、第3状態から第2状態への状態切り替えを滑らかに行うことができる。これにより、状態切り替えの際に生ずるショック低減効果を向上することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、制御手段は、第2状態から第1状態へ状態を切り替える場合には、回転軸と第2入力軸とを接続するようにクラッチ部材を制御すると共に、第2状態から第3状態となるように状態切替手段を制御する。そして、第3状態となったときに回転軸と第2入力軸との接続を解除するようにクラッチ部材を制御すると共に、第1入力軸および出力軸の一方の回転数と遊転ギヤの回転数との第2回転数差が小さくなるように原動機を制御する。そして、第2回転数差が第2所定範囲となったときに第3状態から第1伝達状態となるように状態切替手段を制御するように構成されている。
本発明における「第2回転数差」とは、文字通り、第1入力軸および出力軸の一方の回転数と遊転ギヤの回転数との差として規定される態様の他、回転軸および出力軸の一方の回転数と遊転ギヤの回転数との差として規定される態様を好適に包含する。
本形態によれば、第1入力軸および出力軸の一方の回転数と遊転ギヤの回転数とを調整した上で、第3状態から第1状態への切り替えを行う構成であるため、第3状態から第1状態への状態切り替えを滑らかに行うことができる。これにより、状態切り替えの際に生ずるショック低減効果を向上することができる。
もとより、クラッチ部材を介した第2入力軸から出力軸への動力伝達が行われるため、第2状態から第1状態への状態切り替え時においても動力伝達の中断を防止することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、制御手段は、検知されたクラッチ部材の締結状態が原動機からの動力の半分以上をクラッチ部材を介して第2入力軸に入力可能な状態となったときに、第1状態から第3状態となるように状態切替手段を制御する。
本形態によれば、第1状態から第2状態への状態切り替え時において、出力軸26に伝達されるトルクが大きく落ち込むこと(トルク伝達の中断)を良好に抑制することができる。この結果、当該動力伝達装置の変速性能の低下を良好に抑制することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、遊転ギヤは、第1入力軸に支持されるように構成されている。そして、状態切替手段は、第1入力軸に配置されるように構成されている。
本形態によれば、動力伝達経路における上流側に状態切替手段を配置する構成であるため、状態切替手段に作用する慣性力を小さく抑えることができる。これにより、状態切り替え時における状態切替手段への負担を低減できる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、状態切替手段は、シンクロナイザー機構と、当該シンクロナイザー機構を作動するように構成された作動機構と、を有している。
本形態によれば、状態切り替えをより一層滑らかに行うことができると共に、状態切り替えの際に生ずるショックをより一層低減することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、クラッチ部材は、駆動部材と、被駆動部材と、磁性体粉と、励磁コイルと、を備え、当該励磁コイルに電流が通電されることにより磁性体粉が磁化されて駆動部材と被駆動部材とが接続される電磁パウダークラッチを有している。駆動部材は、回転軸と一体回転するように構成されている。被駆動部材は、第2入力軸と一体回転するように当該第2入力軸に支持されている。磁性体粉は、駆動部材と被駆動部材との間に充填されている。
本発明における「回転軸と一体回転する」態様としては、駆動部材が回転軸に固定されて回転軸に直接回転される態様の他、駆動部材が第1入力軸に固定されて回転軸に間接的に回転される態様を好適に包含する。
本形態によれば、電流の通電量を制御するのみで良いため、クラッチ部材の制御を簡易に行うことができる。また、クラッチ部材を駆動するためのアクチュエータ等が必要ないため、装置自体の大型化を抑制することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、検知手段は、クラッチ部材の締結状態として励磁コイルに供給される通電量を検知するように構成されている。
本形態によれば、通電量を検知するのみで良いため、クラッチ部材の締結状態を容易に検知することができると共に、制御を容易なものとすることができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、第1および第2ギヤ機構は、第1ギヤ比に比べて第2ギヤ比が小さくなるように構成されている。
本形態によれば、第1入力軸から出力軸に動力を伝達する場合に比べて、第2入力軸から出力軸に動力を伝達する場合の伝達トルクが小さくなるため、クラッチ部材に要するクラッチ容量を小さく抑えることができる。これにより、クラッチ部材のサイズをより小さく抑えることができる。
本発明に係る電気自動車の好ましい形態によれば、電動機と、車軸と、電動機と車軸とを接続するように構成された上述のいずれかの態様の本発明に係る動力伝達装置と、を備えている。そして、電動機から動力伝達装置を介して車軸に伝達された動力を用いて走行するように構成されている。
本発明によれば、上述のいずれかの態様の本発明に係る動力伝達装置を備える構成であるため、本発明の動力伝達装置が奏する効果、例えば、装置自体の大型化を抑制しながら動力伝達の中断が生ずることがない効果などを奏することができる。これにより、電気自動車における電費性能および走行性能の向上を図ることができる。
本発明によれば、装置自体の大型化を抑制しながら動力伝達の中断を生じない動力伝達装置およびこれを備える電気自動車を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電気自動車1の構成の概略を示す概略構成図である。 電磁パウダークラッチ52の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る電気自動車1の電子制御ユニット60により実行される変速処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変速処理ルーチンから分岐した部分のフローチャートである。 車速Vと要求トルクT*と要求変速段との関係の一例を示す変速段設定マップである。 電磁パウダークラッチ52を通電する際の励磁電流の増加率の一例を示す説明図である。 電磁パウダークラッチ52の通電を停止する際の励磁電流の低減率の一例を示す説明図である。 アップシフトする際のクラッチ締結率μ、高速段用ギヤ機構34により伝達されるトルクTH、低速段用ギヤ機構32により伝達されるトルクTL、出力軸でのトルクTo、低速段用駆動ギヤG1の回転数NLg、第1入力軸22および回転軸2aの回転数N1,Nm、第2入力軸24の回転数N2の時間変化を示す説明図である。 ダウンシフトする際のクラッチ締結率μ、高速段用ギヤ機構34により伝達されるトルクTH、低速段用ギヤ機構32により伝達されるトルクTL、出力軸でのトルクTo、低速段用駆動ギヤG1の回転数NLg、第1入力軸22および回転軸2aの回転数N1,Nm、第2入力軸24の回転数N2の時間変化を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る電気自動車1は、図1に示すように、電動機2と、電動機2の回転軸2aに接続された変速装置20と、変速装置20の出力軸26に接続されたディファレンシャルギヤ機構6と、一端がディファレンシャルギヤ機構6に接続されると共に他端が駆動輪10,10に接続された車軸8,8と、車両全体を制御する電子制御ユニット60と、を備えている。
電動機2は、本発明における「原動機」に対応し、変速装置20、ディファレンシャルギヤ機構6および電子制御ユニット60は、本発明における「動力伝達装置」に対応する実施構成の一例である。また、本発明における電子制御ユニット60は、本発明における「制御手段」に対応する実施構成の一例である。
変速装置20は、図1に示すように、スプライン嵌合などによって電動機2の回転軸2aに直結された第1入力軸22と、当該第1入力軸22に対して相対回転可能に同軸状に外嵌配置された第2入力軸24と、回転軸2aの回転を第2入力軸24に伝達するための電磁パウダークラッチ装置50と、変速機構TMを介して第1および第2入力軸22,24に接続された出力軸26と、これらを収容するケーシング28と、を備えている。
出力軸26の一端部(図1の右側端部)には、図1に示すように、出力ギヤOGが一体成形されており、ディファレンシャルギヤ機構6のリングギヤRGと噛合っている。これにより、電動機2の回転軸2aから第1および第2入力軸22,24に入力され、変速機構TMを介して出力軸26に伝達された動力が、出力ギヤOGおよびリングギヤRGを介してディファレンシャルギヤ機構6に伝達される。ディファレンシャルギヤ機構6に伝達された動力は、車軸8,8を介して駆動輪10,10に伝達される。
電磁パウダークラッチ装置50は、図1に示すように、電磁パウダークラッチ52と、当該電磁パウダークラッチ52と電気的に接続されたブラシ54と、を備えている。電磁パウダークラッチ装置50は、本発明における「クラッチ部材」に対応する実施構成の一例である。
電磁パウダークラッチ52は、図2に示すように、第1入力軸22に固定されたローター部材55と、第2入力軸24に固定されたヨーク部材56と、当該ヨーク部材56に固定された励磁コイル57と、ローター部材55とヨーク部材56との間に封入された電磁パウダー部材58と、から構成されている。
電磁パウダークラッチ52は、ブラシ54から励磁コイル57への通電によって電磁パウダー部材58が磁化され、磁化された電磁パウダー部材58によってローター部材55とヨーク部材56とが結合される。これにより、第1入力軸22を介した電動機2の回転軸2aと第2入力軸24との接続が実現される。なお、ブラシ54から励磁コイル57への通電を停止することにより、第1入力軸22を介した電動機2の回転軸2aと第2入力軸24との接続が解除される。
ローター部材55は、本発明における「駆動部材」に対応し、ヨーク部材56は、本発明における「被駆動部材」に対応し、電磁パウダー部材58は、本発明における「磁性体粉」に対応する実施構成の一例である。
変速機構TMは、図1に示すように、低速段用ギヤ機構32と、高速段用ギヤ機構34と、シンクロナイザー機構36と、シンクロナイザー機構36に接続されたシフトフォーク38と、シフトフォーク38に接続されたアクチュエータ40と、を備えている。
低速段用ギヤ機構32は、本発明における「第1ギヤ機構」に対応し、高速段用ギヤ機構34は、本発明における「第2ギヤ機構」に対応する実施構成の一例である。また、シフトフォーク38およびアクチュエータ40は、本発明における「作動機構」に対応し、シンクロナイザー機構36、シフトフォーク38およびアクチュエータ40は、本発明における「状態切替手段」に対応する実施構成の一例である。
低速段用ギヤ機構32は、図1に示すように、第1入力軸22に対して相対回転可能なように当該第1入力軸22に支持された低速段用駆動ギヤG1と、当該低速段用駆動ギヤG1と噛合うと共に出力軸26に固定された低速段用被駆動ギヤG1’と、から構成されている。
高速段用ギヤ機構34は、図1に示すように、第2入力軸24に一体成形された高速段用駆動ギヤG2と、当該高速段用駆動ギヤG2に噛合うと共に出力軸26に固定された高速段用被駆動ギヤG2’と、から構成されている。なお、高速段用駆動ギヤG2は、第2入力軸24の一端部(図1の左側端部)に設けられている。
低速段用駆動ギヤG1、低速段用被駆動ギヤG1’、高速段用駆動ギヤG2および高速段用被駆動ギヤG2’それぞれのギヤ径および歯数は、高速段用ギヤ機構34により構成されるギヤ比の方が低速段用ギヤ機構32により構成されるギヤ比よりも小さくなるように構成されている。
低速段用駆動ギヤG1は、本発明における「遊転ギヤ」に対応し、低速段用被駆動ギヤG1’は、本発明における「第1固定ギヤ」に対応する実施構成の一例である。また、高速段用駆動ギヤG2は、本発明における「第2固定ギヤ」に対応し、高速段用被駆動ギヤG2’は、本発明における「第3固定ギヤ」に対応する実施構成の一例である。
シンクロナイザー機構36は、図示は省略するが、シンクロハブと、カップリングスリーブと、シンクロナイザリングと、クラッチギヤと、を備えており、図1に示すように、第1入力軸22の低速段用駆動ギヤG1と高速段用駆動ギヤG2との間に対応する位置にシンクロハブが固定される。
シンクロナイザー機構36のカップリングスリーブには、シフトフォーク38が係合されている。カップリングスリーブは、シフトフォーク38を介してアクチュエータ40により第1および第2入力軸22,24の軸線方向に沿って移動される。これにより、低速段用駆動ギヤG1または高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)が第1入力軸22に固定される。
即ち、シンクロナイザー機構36によって、低速段用駆動ギヤG1が第1入力軸22に固定された低速変速段と、高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)が第1入力軸22に固定された高速段変速段と、低速段用駆動ギヤG1および高速段用駆動ギヤG2のいずれも第1入力軸22に固定されないニュートラルと、に選択的に切り替えることができる。
シンクロナイザー機構36によって低速段用駆動ギヤG1が第1入力軸22に固定された状態(低速変速段)は、本発明における「第1状態」に対応し、シンクロナイザー機構36によって高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)が第1入力軸22に固定された状態(高速変速段)は、本発明における「第2状態」に対応する実施構成の一例である。また、シンクロナイザー機構36によって低速段用駆動ギヤG1および高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)のいずれのギヤも第1入力軸22に固定されていない状態(ニュートラル)は、本発明における「第3状態」に対応する実施構成の一例である。
電子制御ユニット60は、CPUを中心とするマイクロプロセッサにより構成されており、CPUの他に処理プログラムやデータなどを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAMや図示しない入出力ポートおよび通信ポートを備えている。
電子制御ユニット60には、アクセルペダル72の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ73からのアクセル開度Accや、車速センサ74からの車速V、回転数センサ76,78からの第1および第2入力軸22,24の回転数N1,N2、ポジションセンサ82からのシフトフォークポジションFP、電動機2への通電量を検出する電流計84からの電流Im、電磁パウダークラッチ52の励磁コイル57への通電量を検出する電流計86からの励磁電流Ieなどが入力ポートを介して入力されている。
また、電子制御ユニット60からは、電動機2への駆動制御信号や、ブラシ54への通電制御信号、アクチュエータ40の駆動制御信号などが出力ポートを介して出力されている。回転数センサ76は、本発明における「第1検出手段」に対応し、回転数センサ78は、本発明における「第2検出手段」に対応する実施構成の一例である。
次に、こうして構成された電気自動車1の動作、特に、低速段から高速段へのアップシフトおよび高速段から低速段へのダウンシフトの際の動作について説明する。なお、本実施の形態では、ダウンシフトの一例として、車両が定常走行からアクセルペダル72を急激に踏み込んだキックダウン操作の場合を説明する。
変速処理ルーチンが実施されると、電子制御ユニット60のCPUは、まず、アクセルペダルポジションセンサ73からのアクセル開度Accや車速センサ74からの車速V、ポジションセンサ82からのシフトフォークポジションFPなど制御に必要なデータを読み込む処理を実行する(ステップS100)。
データを読み込むと、読み込んだアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求される要求トルクT*を設定し(ステップS102)、読み込んだ車速Vと設定した要求トルクT*に基づいて変速段を変更する必要があるか否か(ステップS104)および当該要求がアップシフトであるかダウンシフトであるかを判定する(ステップS106)。
ここで、本実施の形態では、要求トルクT*の設定は、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクT*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると、記憶した要求トルク設定用マップから対応する要求トルクT*を導出して設定する構成とした。
また、変速段を変更する必要があるか否かおよび当該要求がアップシフトであるかダウンシフトであるかの判定は、本実施形態では、図5に示すように、車速Vと要求トルクT*と変速段との関係を予め定めて変速マップとしてROMに記憶しておき、車速Vと要求トルクT*とシフトフォークポジションFPとが与えられると、記憶した変速マップから対応する変速段を導出し、シフトフォークポジションFPと比較することにより判定する構成とした。
変速段を変更する必要がない場合には、何もせずに本ルーチンを終了する。一方、変速段を変更する必要があり、当該要求がアップシフトである場合には、増加率α(図6参照)で電磁パウダークラッチ52の励磁コイル57への通電を開始するすると共に(ステップS108)、電動機2へ供給される電流Imおよび励磁コイル57へ供給される励磁電流Ieを読み込む処理を実行する(ステップS110)。
続いて、閾値Iethrの設定を行う(ステップS112)。ここで、閾値Iethrは、電磁パウダークラッチ52が、回転軸2aからのトルクTのほぼ半分を当該電磁パウダークラッチ52を介して第2入力軸24に伝達することができる締結状態となる通電量を予め実験的に求めた値であり、本実施の形態では、電流Imと閾値Iethrとの関係を予め求めてマップとしてROMに記憶しておき、電流Imが与えられるとマップから対応する閾値Iethrが導出されるものとした。
そして、ステップS110で読み込んだ励磁電流Ieが閾値Iethr以上であるか否かの判定を行う(ステップS114)。励磁電流Ieが閾値Iethr未満の場合には、励磁電流Ieが閾値Iethr以上となるまでステップS110〜ステップS114までの処理を繰り返し実行し、励磁電流Ieが閾値Iethr以上となったときに、低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22への固定を解除するようにアクチュエータ40を制御すると共に(ステップS116)、第1入力軸22の回転数N1と第2入力軸24の回転数N2との回転数差が所定範囲内(0≦N1−N2≦Nthr)となるように電動機2を制御する(ステップS118)。
ここで、所定範囲は、高速段用駆動ギヤG2を相対回転する第1入力軸22に滑らかに(車両を運転する運転者に不快な変速ショックを感じさせずに)固定することができる許容回転数差の範囲として設定され、想定される最大相対回転数やシンクロナイザー機構36のシンクロ容量などに基づいて設定される。
ステップS110〜ステップS114を実行する電子制御ユニット60は、本発明における「検知手段」に対応する実施構成の一例である。
そして、第1入力軸22および第2入力軸24の回転数N1,N2を読み込み(ステップS120)、読み込んだ第1入力軸22および第2入力軸24の回転数N1,N2の回転数差が所定範囲内(0≦N1−N2≦Nthr)であるか否かを判定し(ステップS122)、第1入力軸22の回転数N1と第2入力軸24の回転数N2との回転数差が所定範囲内(0≦N1−N2≦Nthr)でない場合には、所定範囲内(0≦N1−N2≦Nthr)となるまでステップS118〜ステップS122の処理を繰り返し実行する。
第1入力軸22の回転数N1と第2入力軸24の回転数N2との回転数差が所定範囲内(0≦N1−N2≦Nthr)である場合には、高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)を第1入力軸22に固定するようにアクチュエータ40を制御し(ステップS124)、電磁パウダークラッチ52への通電を停止して(ステップS126)、本ルーチンを終了する。
ステップS106において、変速段を変更する要求がアップシフトでない場合には、変速段をダウンシフトで変更する制御が実行される。即ち、図4に示すように、増加率α’(図6参照)で電磁パウダークラッチ52への通電を開始し(ステップS200)、電磁パウダークラッチ52の締結が完了した否か、即ち、回転軸2aと第2入力軸24との接続が完了したか否かを判定する(ステップS202)。
ここで、本実施の形態では、図6に示すように、増加率α’は、増加率αよりも大きくなるように設定されている。これは、ダウンシフトの場合には、既にシンクロナイザー機構36によって高速段用駆動ギヤG2が第1入力軸22に固定され、第1入力軸22と第2入力軸24とが一体回転しているため、電磁パウダークラッチ52を迅速に締結状態としてもショックを生じることがないためである。
これにより、短時間で変速を実現することができる。なお、電磁パウダークラッチ52の締結が完了したか否かの判定は、例えば、電磁パウダークラッチ52の励磁コイル57への通電量などに基づいて行うことができる。
電磁パウダークラッチ52の締結が完了したときには、高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)の第1入力軸22への固定を解除するようにアクチュエータ40を制御すると共に(ステップS204)、低減率β(図7参照)で電磁パウダークラッチ52への通電量低減を開始する(ステップS206)。
そして、第1および第2入力軸22,24の回転数N1,N2を読み込み(ステップS208)、読み込んだ第2入力軸24の回転数N2に基づいて低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgを算出すると共に(ステップS210)、読み込んだ第1入力軸22の回転数N1と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの回転数差が所定範囲内(0≦N1−NLg≦Nthr)となるように電動機2を制御する(ステップS212)。
ここで、低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgは、読み込んだ第2入力軸24の回転数N2と低速段用および高速段用ギヤ機構32,34のギヤ比を用いて算出することができる。また、所定範囲は、低速段用駆動ギヤG1を相対回転する第1入力軸22に滑らかに(車両を運転する運転者に不快な変速ショックを感じさせずに)固定することができる回転数差の範囲として設定されるものであり、基本的には、前述した所定範囲と同じに設定される(想定される最大相対回転数やシンクロナイザー機構36のシンクロ容量などに基づいて設定される)。
そして、第1入力軸22の回転数N1と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの回転数差が所定範囲内(0≦N1−NLg≦Nthr)であるか否かを判定し(ステップS214)、第1入力軸22の回転数N1と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの回転数差が所定範囲内(0≦N1−NLg≦Nthr)でない場合には、所定範囲内(0≦N1−NLg≦Nthr)となるまでステップS212〜ステップS214の処理を繰り返し実行する。
第1入力軸22の回転数N1と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの回転数差が所定範囲内(0≦N1−NLg≦Nthr)である場合には、低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に固定するようにアクチュエータ40を制御し(ステップS216)、電磁パウダークラッチ52の締結を解除(通電を停止)して(ステップS218)、本ルーチンを終了する。
次に、アップシフトする際のクラッチ締結率μ、高速段用ギヤ機構34により伝達されるトルクTH、低速段用ギヤ機構32により伝達されるトルクTL、出力軸でのトルクTo、低速段用駆動ギヤG1の回転数NLg、第1入力軸22および回転軸2aの回転数N1,Nm、第2入力軸24の回転数N2の時間変化について説明する。
時間t1にアップシフトが要求されると(ステップS106)、図8に示すように、クラッチ締結率μが徐々に増加され(ステップS108)、低速段用ギヤ機構32を介したトルクTLが徐々に減少する一方で高速段用ギヤ機構34を介したトルクTHが徐々に増加する。
そして、時間t2において、電磁パウダークラッチ52を介して第2入力軸24に伝達されるトルクが、回転軸2aからのトルクTのほぼ半分となったときに(ステップS110〜ステップS114)、低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22への固定が解除される(ステップS116)。これにより、低速段用ギヤ機構32を介して伝達されるトルクTLが急激に低下して値0となる。
このように、アップシフトの際の変速段の変更中は、電磁パウダークラッチ52を締結するように制御しながら低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22との固定を解除するようにアクチュエータを制御して、回転軸2aからのトルクTを低速段用ギヤ機構32を介したトルク伝達経路から高速段用ギヤ機構34を介したトルク伝達経路に切り替える構成であるため、変速段の変更中においてトルク伝達が中断されることがない。
なお、電磁パウダークラッチ52を介して第2入力軸24に伝達されるトルクが、回転軸2aからのトルクTのほぼ半分となったときに、低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22への固定を解除する構成であるため、出力軸26に伝達されるトルクが大きく落ち込むこと(トルク伝達の中断)を良好に抑制することができる。この結果、車両の走行性の低下を良好に抑制することができる。
続いて、図8に示すように、時間t2おいて、回転軸2a(第1入力軸22)の回転数Nm(N1)と第2入力軸24(高速段用駆動ギヤG2)の回転数N2(NHg)との回転数差が所定範囲内となるように電動機2が制御されることにより(ステップS118)、回転軸2a(第1入力軸22)の回転数Nm(N1)が低下する。
そして、回転軸2a(第1入力軸22)の回転数Nm(N1)と第2入力軸24(高速段用駆動ギヤG2)の回転数N2(NHg)との回転数差が所定範囲内となる時間t3において、高速段用駆動ギヤG2が第1入力軸22に固定されると共に(ステップS120〜ステップS122)、電磁パウダークラッチ52への通電が停止される(ステップ124)。
このように、回転軸2aからの全トルクTが高速段用ギヤ機構34を介して出力軸26に伝達されるようになった後は、電磁パウダークラッチ52への通電を停止するため、電磁パウダークラッチ52は、変速段の切り替え時にのみトルク伝達可能なクラッチ容量を有していれば良く、サイズアップを抑制することができる。
続いて、ダウンシフトする際のクラッチ締結率μ、高速段用ギヤ機構34により伝達されるトルクTH、低速段用ギヤ機構32により伝達されるトルクTL、出力軸でのトルクTo、低速段用駆動ギヤG1の回転数NLg、第1入力軸22および回転軸2aの回転数N1,Nm、第2入力軸24の回転数N2の時間変化について説明する。
時間t11にダウンシフトが要求されると(ステップS106)、図9に示すように、クラッチ締結率μが増加され(ステップS200)、時間t12において、電磁パウダークラッチ52の締結が完了すると(ステップS202)、時間t13にかけて高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)の第1入力軸22への固定が解除される(ステップ204)。
時間t13において、高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)の第1入力軸22への固定が解除されると、電磁パウダークラッチ52への通電停止が開始されて(ステップS206)、高速段用ギヤ機構34を介して伝達されるトルクTHが低減し始めると共に、回転軸2a(第1入力軸22)の回転数Nm(N1)と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの回転数差が所定範囲内となるように電動機2が制御されて(ステップS208〜ステップS212)、回転軸2a(第1入力軸22)の回転数Nm(N1)が上昇する。
そして、時間t14において、回転軸2a(第1入力軸22)の回転数Nm(N1)と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの回転数差が所定範囲内となると(ステップS214)、低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に固定するようアクチュエータ40が制御されて(ステップS216)、低速段用ギヤ機構32を介して伝達されるトルクTLが増加し、時間t15において低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22への固定が完了する。
このように、ダウンシフトの際の変速段の変更中は、電磁パウダークラッチ52の締結状態を解除するように制御しながら低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に固定するようにアクチュエータを制御して、回転軸2aからのトルクTを高速段用ギヤ機構34を介したトルク伝達経路から低速段用ギヤ機構32を介したトルク伝達経路に切り替える構成であるため、変速段の変更中においてトルク伝達が中断されることがない。
そして、時間t16において、電磁パウダークラッチ52への通電が停止される(ステップ218)。
このように、ダウンシフトにおいても、回転軸2aからの全トルクTが低速段用ギヤ機構32を介して出力軸26に伝達されるようになった後は、電磁パウダークラッチ52への通電を停止するため、電磁パウダークラッチ52は、変速段の切り替え時にのみトルク伝達可能なクラッチ容量を有していれば良く、サイズアップを抑制することができる。
本実施形態では、アップシフトおよびダウンシフトの両方において、トルク伝達の中断を生じない構成としたが、アップシフトおよびダウンシフトのいずれか一方において、トルク伝達の中断が生じる構成であっても良い。
本実施の形態では、第1入力軸22の回転数N1と第2入力軸24の回転数N2に基づいて、低速段用ギヤ機構32を介したトルク伝達状態から高速段用ギヤ機構34を介したトルク伝達状態への切り替えを検知する構成としたが、これに限らない。例えば、第2入力軸24のトルクを検知するトルクセンサを設け、当該トルクセンサによりトルク伝達状態の切り替えを検知する構成としても良い。
本実施の形態では、低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に対して相対回転可能に配置すると共に、低速段用被駆動ギヤG1’を出力軸26に一体的に固定する構成としたが、低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に一体的に固定すると共に、低速段用被駆動ギヤG1’を出力軸26に対して相対回転可能に配置する構成としても良い。
この場合、高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)を第1入力軸22に固定するためのシンクロナイザー機構36に加えて低速段用被駆動ギヤG1’を出力軸に固定するためのシンクロナイザー機構を設け、アクチュエータ40によって当該シンクロナイザー機構およびシンクロナイザー機構36を作動する構成とすれば良い。
本実施の形態では、シンクロナイザー機構36によって低速段用駆動ギヤG1および高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)を第1入力軸22に固定する構成としたがこれに限らない。例えば、ドグクラッチによって低速段用駆動ギヤG1および高速段用駆動ギヤG2(第2入力軸24)を第1入力軸22に固定する構成としても良い。
本実施の形態では、回転軸2a(第1入力軸22)と第2入力軸24との接続および接続の解除を電磁パウダークラッチ装置50によって行う構成としたが、これに限らない。例えば、乾式摩擦クラッチや湿式摩擦クラッチによって行う構成としても良い。この場合、乾式摩擦クラッチや湿式摩擦クラッチを作動するために、ブラシ54に代えて電動式アクチュエータあるいは油圧式アクチュエータを用いる構成とすれば良い。
本実施の形態では、低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に配置し、高速段用駆動ギヤG2を第2入力軸24に配置する構成としたが、これとは逆の配置とする構成でも良い。
本実施の形態では、電磁パウダークラッチ52のローター部材55を第1入力軸22に固定する構成としたが、ローター部材55を回転軸2aに固定する構成としても良い。
本実施の形態では、スプライン嵌合などによって電動機2の回転軸2aに第1入力軸22を直結する構成としたが、第1入力軸22を回転軸2aと一体成形する構成としても良い。
本実施の形態では、原動機として電動機2を用いる構成としたが、これに限らない。例えば、原動機として内燃機関を用いる構成でも良い。
本実施の形態では、高速段用駆動ギヤG2を第1入力軸22に固定する際の第1入力軸22の回転数N1と第2入力軸24の回転数N2との許容回転数差の範囲と、低速段用駆動ギヤG1を第1入力軸22に固定する際の第1入力軸22の回転数N1と低速段用駆動ギヤG1の回転数NLgとの許容回転数差の範囲と、を同じに設定したが、これら許容回転数差は異なる範囲に設定しても良い。
本実施の形態では、電磁パウダークラッチ52を介して第2入力軸24に伝達されるトルクが、回転軸2aからのトルクTのほぼ半分となったときに、低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22への固定を解除する構成としたが、回転軸2aからのトルクTが電磁パウダークラッチ52を介して第2入力軸24に伝達されていれば、低速段用駆動ギヤG1の第1入力軸22への固定を解除するタイミングは何時でも良い。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 電気自動車(電気自動車)
2 電動機(原動機)
2a 回転軸(回転軸)
6 ディファレンシャルギヤ機構
8 車軸(車軸)
10 駆動輪
20 変速装置(動力伝達装置)
22 第1入力軸
24 第2入力軸
26 出力軸
28 ケーシング
32 低速段用ギヤ機構(第1ギヤ機構)
34 高速段用ギヤ機構(第2ギヤ機構)
36 シンクロナイザー機構(状態切替手段)
38 シフトフォーク(状態切替手段)
40 アクチュエータ(状態切替手段)
50 電磁パウダークラッチ装置(クラッチ部材)
52 電磁パウダークラッチ(電磁パウダークラッチ)
54 ブラシ
55 ローター部材(駆動部材)
56 ヨーク部材(被駆動部材)
57 励磁コイル(励磁コイル)
58 電磁パウダー部材(磁性体粉)
60 電子制御ユニット(制御手段)
72 アクセルペダル
73 アクセルペダルポジションセンサ
74 車速センサ
76 回転数センサ(第1検出手段)
78 回転数センサ(第2検出手段)
82 ポジションセンサ
84 電流計
86 電流計
TM 変速機構
OG 出力ギヤ
RG リングギヤ
G1 低速段用駆動ギヤ(遊転ギヤ)
G1’ 低速段用被駆動ギヤ(第1固定ギヤ)
G2 高速段用駆動ギヤ(第2固定ギヤ)
G2’ 高速段用被駆動ギヤ(第3固定ギヤ)
Acc アクセル開度
FP シフトフォークポジション
V 車速
N1 第1入力軸22の回転数
N2 第2入力軸24の回転数
Nm 回転軸2aの回転数
NLg 低速段用駆動ギヤG1の回転数

Claims (10)

  1. 原動機からの動力を車軸に伝達する動力伝達装置であって、
    前記原動機の回転軸と一体回転するよう構成された第1入力軸と、
    該第1入力軸と相対回転可能なように該第1入力軸に同軸状に外嵌配置された第2入力軸と、
    前記車軸に接続された出力軸と、
    前記第1入力軸および前記出力軸の一方に相対回転可能に支持された遊転ギヤと、該遊転ギヤと噛み合うと共に前記第1入力軸および前記出力軸の他方に一体回転可能に支持された第1固定ギヤと、を有し、前記第1入力軸と前記出力軸とを第1ギヤ比をもって接続可能に構成された第1ギヤ機構と、
    前記第2入力軸に一体回転可能に支持さされた第2固定ギヤと、該第2固定ギヤと噛み合うと共に前記出力軸に一体回転可能に支持された第3固定ギヤと、を有し、前記第2入力軸と前記出力軸とを第2ギヤ比をもって接続するよう構成された第2ギヤ機構と、
    前記回転軸と前記第2入力軸との接続および接続の解除を行うように構成されたクラッチ部材と、
    前記遊転ギヤを前記第1入力軸および前記出力軸の一方に固定する第1状態と、前記第2固定ギヤを前記第1入力軸に固定する第2状態と、前記遊転ギヤおよび前記第2固定ギヤのいずれも前記第1入力軸および前記出力軸のいずれにも固定しない第3状態と、を選択的に切り替え可能に構成された状態切替手段と、
    前記状態切替手段によって前記状態を切り替える際、前記回転軸と前記第2入力軸とを接続するよう前記クラッチ部材を制御し、前記状態の切り替わりが完了したときには前記回転軸と前記第2入力軸との接続を解除するよう前記クラッチ部材を制御する制御手段と、
    を備える動力伝達装置。
  2. 前記クラッチ部材の締結状態を検知する検知手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1状態から前記第2状態へ前記状態を切り替える場合には、前記回転軸と前記第2入力軸とを接続するよう前記クラッチ部材を制御し、検知された前記クラッチ部材の締結状態に基づいて前記第1状態から前記第3状態となるよう前記状態切替手段を制御すると共に、前記第1入力軸の回転数と前記第2入力軸の回転数との第1回転数差が小さくなるよう前記原動機を制御して、前記第1回転数差が第1所定範囲となったときに前記第3状態から前記第2状態となるよう前記状態切替手段を制御し、前記第2状態となったときに前記回転軸と前記第2入力軸との接続を解除するよう前記クラッチ部材を制御する
    請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記制御手段は、前記第2状態から前記第1状態へ前記状態を切り替える場合には、前記回転軸と前記第2入力軸とを接続するよう前記クラッチ部材を制御すると共に、前記第2状態から前記第3状態となるよう前記状態切替手段を制御し、前記第3状態となったときに前記回転軸と前記第2入力軸との接続を解除するよう前記クラッチ部材を制御すると共に、前記第1入力軸および前記出力軸の一方の回転数と前記遊転ギヤの回転数との第2回転数差が小さくなるよう前記原動機を制御し、前記第2回転数差が第2所定範囲となったときに前記第3状態から前記第1状態となるよう前記状態切替手段を制御するよう構成されている
    請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記制御手段は、検知された前記クラッチ部材の締結状態が前記原動機からの動力の半分以上を前記クラッチ部材を介して前記第2入力軸に入力可能な状態となったときに、前記第1状態から前記第3状態となるよう前記状態切替手段を制御するよう構成されている
    請求項2または請求項2に係る請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記遊転ギヤは、前記第1入力軸に支持されるよう構成されており、
    前記状態切替手段は、前記第1入力軸に配置されるよう構成されている
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の変速装置。
  6. 前記状態切替手段は、シンクロナイザー機構と、該シンクロナイザー機構を作動するよう構成された作動機構と、を有している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の変速装置。
  7. 前記クラッチ部材は、前記回転軸と一体回転するよう構成された駆動部材と、前記第2入力軸と一体回転するよう該第2入力軸に支持された被駆動部材と、前記駆動部材と前記被駆動部材との間に充填された磁性体粉と、励磁コイルと、を備え、該励磁コイルに電流が通電されることにより前記磁性体粉が磁化されて前記駆動部材と前記被駆動部材とが接続される電磁パウダークラッチを有している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の変速装置。
  8. 前記検知手段は、前記クラッチ部材の締結状態として前記励磁コイルに供給される通電量を検知するよう構成されている
    請求項7に記載の動力伝達装置。
  9. 前記第1および第2ギヤ機構は、前記第1ギヤ比に比べて前記第2ギヤ比が小さくなるよう構成されている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  10. 電動機と、
    車軸と、
    前記電動機と前記車軸とを接続するよう構成された請求項1ないし9のいずれか記載の動力伝達装置と、
    を備え、
    前記電動機から前記動力伝達装置を介して前記車軸に伝達された動力を用いて走行するよう構成されている電気自動車。
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