JP2016148244A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮比の確保と、燃焼室壁面と燃焼領域との距離の確保の両立を図りやすくでき、さらに、燃焼の熱がシリンダヘッドに逃げにくくできる圧縮自着火式の内燃機関を提供する。【解決手段】ピストンの頂部4の、ピストンの中心軸線10に交差する位置に、燃焼室を形成する上面視で略扇形のキャビティ5が形成される。キャビティ5の基端部5aは中心軸線10からオフセットした位置に配置される。キャビティ5の略円弧状の第1壁面部5bは、基端部5aのオフセット方向と反対方向に中心軸線10からオフセットした位置に配置される。インジェクタ9は、基端部5aの側に中心軸線10からオフセットした位置において、シリンダヘッドのヘッド面に垂直に取り付けられる。インジェクタ9の噴孔はヘッド面からキャビティ5側に突出するように配置される。噴孔は第1壁面部5bの側のみに形成されて、噴孔から第1壁面部5bの方向に燃料が噴射される。【選択図】図2

Description

本発明は、燃焼室に燃料を直接噴射してその燃料を自着火燃焼させる圧縮自着火式の内燃機関に関する。
従来、燃焼室に燃料を直接噴射してその燃料を自着火燃焼させる圧縮自着火式の内燃機関が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、ピストンの上面(頂部)とシリンダヘッドのヘッド面のそれぞれに凹部を形成し、これら凹部により、燃焼噴射弁(インジェクタ)のノズルを基点として斜め下方に向けて水平方向に広がった扇状パターンに燃焼室を形成することが記載されている。これによれば、低いスペースでも噴射方向に対して大きな容積の燃焼室を確保できるとしている。
特開平7−317542号公報
ところで、圧縮自着火式の内燃機関においては、燃焼室に噴射された燃料の自着火を安定させるためには、圧縮行程時に燃焼室の容積を小さくする必要がある。言い換えると、下死点における燃焼室の容積と上死点における燃焼室の容積の比である圧縮比を大きくする必要がある。圧縮比が小さいと、上死点における燃焼室の圧力(筒内圧)が低くなる。その結果、燃焼室の温度が低くなり、着火性が悪化する。
一方で、圧縮比を大きくすると、上死点における燃焼室の容積が小さくなるので、燃焼室の壁面と燃料噴霧の燃焼領域との距離が短くなる。その距離が短くなると、壁面近傍での燃焼量が増加し、燃焼により発生した熱の壁面への移動が増加、つまり熱損失が増加し、その結果、内燃機関の熱効率が低下する。
このように、従来の圧縮自着火式の内燃機関では、圧縮比の確保と、燃焼室壁面と燃焼領域との距離の確保との両立を図り難いという問題がある。
また、特許文献1に記載の内燃機関では、インジェクタの噴孔がシリンダヘッド内に設けられており、そのシリンダヘッドは通常は冷却されているので、燃焼の熱がシリンダヘッドに逃げやすい。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、圧縮比の確保と、燃焼室壁面と燃焼領域との距離の確保の両立を図りやすくでき、さらに、燃焼の熱がシリンダヘッドに逃げにくくできる圧縮自着火式の内燃機関を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、シリンダ内を上下動するピストンの頂部に形成されたキャビティとシリンダヘッドにおける前記ピストンの頂部に対向する面であるヘッド面とで形成された燃焼室と、
前記シリンダヘッドに取り付けられ、噴孔から前記燃焼室に燃料を噴射するインジェクタとを備え、
前記インジェクタから噴射された燃料を前記燃焼室で自着火燃焼させる内燃機関であって、
前記キャビティは、前記ピストンの中心軸線が交差する位置において上面視で略扇形に形成され、
扇形の両半径部の交点に相当する前記キャビティの部分である基端部は、前記中心軸線からオフセットした位置に配置され、
扇形の円弧部に相当する前記キャビティの部分である第1壁面部は、前記中心軸線から、前記基端部のオフセット方向と反対方向にオフセットした位置に配置され、
前記インジェクタは、前記基端部の側に前記中心軸線からオフセットした位置において、前記噴孔が前記ヘッド面から突出するように配置され、かつ、前記第1壁面部の方向に燃料を噴射することを特徴とする。
本発明によれば、ピストンの頂部に、燃焼室を形成する略扇形のキャビティが形成される。そのキャビティのインジェクタ側の基端部、及び噴射方向側の第1壁面部は、ピストンの中心軸線から互いに反対方向にオフセットした位置に配置される。また、インジェクタは、キャビティの基端部側にオフセットした位置に配置されて、キャビティの第1壁面部の方向に燃料を噴射するので、燃焼室の中心から燃料噴射を行う構成に比べて、噴射方向における燃料噴霧と燃焼室壁面(第1壁面部)との距離を大きくできる。よって、燃焼室壁面と燃焼領域との距離を確保しやすくできるので、燃焼の熱が燃焼室壁面から逃げてしまうのを抑制、すなわち熱効率を向上できる。また、キャビティが略扇形となっているので、円形の場合に比べて燃焼室の容積を小さくできる。つまり、圧縮比を確保しやすくできる。このように、本発明では、圧縮比の確保と、燃焼室壁面と燃焼領域との距離の確保の両立を図りやすくできる。さらに、本発明では、インジェクタの噴孔が、シリンダヘッドのヘッド面から突出するように配置されるので、燃焼領域をヘッド面から離すことができる。これにより、燃焼の熱がシリンダヘッドに逃げにくくできる。
ディーゼルエンジンの側面断面図である。 ピストンの頂部を上面視した図である。 噴孔径と、燃料の液滴が気体の状態に変化するのに必要な噴霧到達距離(必要距離)との関係を示した図である。 1つの噴孔当たりの燃料の水平方向広がり角度を示した図である。 広がり角度が90度のキャビティを上面視した図である。 インジェクタのサック部の断面及び各噴孔から噴射された燃料噴霧の示した図である。 ピストンの中心軸線と基端部の両方に交差する直線11に対して非対称のキャビティの一例を上面視した図である。 比較例におけるエンジンの側面断面図である。 比較例における燃焼領域及びキャビティの一部を抜き出した図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の内燃機関としてのディーゼルエンジン1(圧縮自着火式内燃機関)の側面断面図を示している。なお、図1の側面断面図は、後述する基端部5a及び中心軸線10を通る平面でディーゼルエンジン1を切った図である。ディーゼルエンジン1は、4ストローク(4×ピストン行程)のエンジンである。すなわち、ディーゼルエンジン1は、吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程を1燃焼サイクルとして、この燃焼サイクルを繰り返し実行する。ディーゼルエンジン1は、シリンダブロック2、ピストン3、シリンダヘッド6、インジェクタ9等を備えている。
シリンダブロック2には、上面視で円形のシリンダ2aが形成されている。シリンダ2aには、シリンダ2aの内径(ボア径)と同じ径の、上面視で円形のピストン3が往復動(上下動)可能に収容されている。そのピストン3の頂部4(上面)には、キャビティ5(凹部)が形成されている。このキャビティ5の詳細は後述する。シリンダブロック2には、シリンダ2aの上端を塞ぐ形でシリンダヘッド6が組み付けられている。シリンダヘッド6は、ピストン3の頂部4に対向した、平面状のヘッド面7を有する。そして、キャビティ5とヘッド面7とで燃焼室8が形成されている。
また、シリンダヘッド6には、燃焼室8に開口する吸気ポート(図示略)と排気ポート(図示略)とが例えば1つのシリンダ2aに対して2つずつ(計4ポート)形成されている。そして、これら吸気ポート及び排気ポートが、それぞれ図示しないカムシャフトによって駆動される吸気弁(図示略)と排気弁(図示略)とにより開閉されるようになっている。さらに、吸気ポートには、燃焼室8に空気を吸入するための吸気通路(図示略)が接続され、排気ポートには、燃焼室8から燃焼ガス(排気)を排出するための排気通路(図示略)が接続されている。また、シリンダヘッド6の内部には、インジェクタ9等の各部品を冷却するための冷却水路(図示略)が形成されている。その冷却水路には冷却水が流れ、その冷却水はラジエターにより冷却される。
燃料ポンプ(図示略)により、コモンレール(図示略)へ燃料(軽油)が圧送される。コモンレール(蓄圧容器)は燃料を蓄圧状態で保持する。インジェクタ9(燃料噴射弁)は、コモンレール内に蓄圧状態で保持された燃料を、燃焼室8に噴射する。
ディーゼルエンジン1の吸気行程において吸気通路を通じて燃焼室8に空気が吸入され、圧縮行程においてピストン3により空気が圧縮される。圧縮上死点付近でインジェクタ9により燃焼室8に燃料が噴射され、燃焼行程において噴射された燃料が自着火して燃焼される。詳しくは、インジェクタ9からは燃料が液滴として噴射され、その燃料の液滴が燃焼室8内を進行するにしたがって圧縮により温度が上昇した空気から熱を受けて気相(気体)に変換されるとともに、その気相の燃料噴霧と空気とで混合気が形成される。そして、その混合気がある温度以上になった時に燃料が自着火し、燃焼が行われる。そして、排気行程において燃焼後のガス(排気)が、排気通路を通じて燃焼室8から排出される。
なお、燃料を安定して自着火させるには、燃料と空気との化学反応を十分に浸透させることができる熱エネルギーが必要、つまり、混合気を、所定の温度(例えば850K)以上の高温にする必要がある。そのために、上死点での燃焼室の容積を小さくする(圧縮比を大きくする)必要がある。圧縮比が大きいと、上死点での燃焼室の圧力(筒内圧)が大きくなり、筒内圧が大きくなると、混合気の温度が高くなる。
以下、本発明の特徴部分であるキャビティ5及びインジェクタ9の配置について説明する。先ずキャビティ5から説明する。図2は、ピストン3の頂部4を上面視した図である。なお、図2ではインジェクタ9も図示している。図2に示すように、キャビティ5は、ピストン3の中心軸線10に交差する位置において上面視で略扇形に形成される。詳しくは、キャビティ5は、扇形の両半径部の交点に相当する上面視でU字状又はV字状の外形線を有する基端部5aと、扇形の円弧部に相当する上面視で略円弧状の外形線を有する第1壁面部5bと、扇形の両半径部に相当する上面視で略直線状の外形線を有する第2壁面部5cとを備える。各第2壁面部5cは、第1壁面部5bの端部5dと基端部5aとを繋ぐ形で形成される。このように、キャビティ5は、基端部5aから第1壁面部5bにかけて、中心軸線10に直交する方向(以下、水平方向という)に180度未満の角度の広がりを持った形状に形成される。
基端部5aは中心軸線10から水平方向にオフセットした位置(図2では中心軸線10から左側にオフセット設置した位置)に配置される。第1壁面部5bは、基端部5aのオフセット方向(図2では中心軸線10から見て左方向)と反対の水平方向(図2では中心軸線10から見て右方向)に、中心軸線10からオフセットした位置に配置される。このように、基端部5a及び第1壁面部5bは、間に中心軸線10を挟んだ位置に、配置される。
キャビティ5は、中心軸線10に直交する平面(断面)における基端部5aと中心軸線10の両方に交差する直線11(水平方向に伸びた直線)に対して線対称に形成される。さらに言うと、キャビティ5は、中心軸線10に直交する平面における基端部5aと、第1壁面部5bの断面線(第1壁面部5bを該平面で切ったときの断面線)の中点5e(図2参照)とを通る直線(直線11と同じ)に対しても線対称に形成される。線対称にキャビティ5を形成することで、バランス良く燃焼させることでき、その結果、熱効率を向上できる。ただし、図7に示すように、直線11に対して非対称にキャビティ14を形成しても良い。図7のキャビティ14では、直線11よりも上側の領域が下側の領域よりも大きくなっている。
また、後述するようにインジェクタ9は基端部5a付近の位置に配置されるが、インジェクタ9の噴孔と第1壁面部5bまでの長さは、噴孔から噴射された燃料が液滴のまま第1壁面部5bに到達しない長さ、すなわち、燃料が第1壁面部5bに到達するまでに液体の状態から気体の状態に変化できる長さに設定される。具体的には、インジェクタ(噴孔)から噴射された燃料の液滴が気体の状態に変化するのに必要な噴霧到達距離(以下、必要距離という)は、図3に示すように、噴孔径が大きいほど大きい値となる。噴孔径が大きいほど、燃料液滴の径が大きくなるためである。よって、図3の特性を考慮して、インジェクタ9の噴孔径に対応する必要距離を求め、その必要距離を確保できるように、インジェクタ9から第1壁面部5bまでの長さを設定する。
例えば噴孔径が0.15mmであったとすると、必要距離は20mmとなる。この場合には、燃料噴射時におけるインジェクタ9の噴孔から第1壁面部5bまでの距離が20mm以上となるように、それらインジェクタ9、第1壁面部5bの位置を設定する。なお、噴孔から第1壁面部5bまでの水平方向成分の距離は、ピストン3が移動したとしても変化しないので、例えばその水平方向成分の距離が20mm以上となるように、インジェクタ9(噴孔)及び第1壁面部5bを配置する。これによって、噴孔径が0.15mm以下の場合に、燃料噴射時のピストン3の位置にかかわらず、噴孔から第1壁面部5bまでの距離を20mm以上とすることができる。
また、例えば、インジェクタ9を、第1壁面部5bのオフセット方向と反対方向(基端部5aのオフセット方向と同じ方向)に中心軸線10から20mm以上水平方向にオフセットした位置に配置するようにする。これによっても、噴孔から第1壁面部5bまでの距離を20mm以上とすることができる。
このように、インジェクタ9と第1壁面部5b間の距離を必要距離以上とすることで、インジェクタ9からの燃料が液滴のまま第1壁面部5bに接触してしまうのを抑制でき、燃焼領域と第1壁面部5bとの距離を適正にできる。その結果、燃焼の熱が第1壁面部5bから逃げてしまうのを抑制でき、熱損失を低減できる(熱効率を向上できる)。
なお、インジェクタ9は基端部5a付近の位置に配置されるので、基端部5aから第1壁面部5bまでの長さも、必要距離以上(例えば20mm以上)となる。さらに、基端部5a(インジェクタ9)から第1壁面部5bまでの長さは、燃焼領域と第1壁面部5b間の距離を確保するという点で、大きい値にするのが好ましく、例えば、ボア直径(ピストン3の直径、シリンダ2aの内径)の半分程度、又はそれ以上とすることができる。
キャビティ5の基端部5aから第1壁面部5bへの水平方向の広がり角度θ(図2参照)、すなわち両第2壁面部5cの成す角度θは、インジェクタ9から噴射される燃料の水平方向における広がりなどを考慮して設定される。詳しくは、図4に示すように1つの噴孔9d当たりの燃料の水平方向広がり角度φと、噴孔9dの個数に基づいて、噴孔9dから噴射される各燃料噴霧の水平方向広がり角度φを合算した総広がり角度が求まる。その総広がり角度程度に、キャビティ5の広がり角度θを設定する。
より詳しくは、通常、1つの噴孔9d当たりの燃料の広がり角度φは13度程度となる。よって、キャビティ5の広がり角度θは13度以上とするのが好ましい。これによって、噴孔9dが一つしか形成されていないインジェクタ9を用いた場合であっても、燃料が第2壁面部5cに接触してしまうのを抑制でき、良好な燃焼を実現できる。
また、広がり角度θが大きすぎると、基端部5aと第1壁面部5bの間の長さが短くなって、燃焼領域と第1壁面部5b間の距離を確保しづらくなるので、広がり角度θは90度以下とするのが好ましい。広がり角度θを90度とした場合には、例えば図5に示すようにキャビティ5が配置される。図5のキャビティ5では、基端部5aは頂部4の外周線上に配置され、第1壁面部5bの両端部5d間を結んだ直線13(円弧状の第1壁面部5bの弦に相当)は、中心軸線10と交わる。つまり、直線13はピストン3の直径に相当する。このように、広がり角度θを90度とすることで、基端部5aと第1壁面部5bの長さをピストン3の直径(ボア径)の半分以上の長さを確保できるとともに、より多くの噴孔数を有したインジェクタ9にも対応できる。
第1壁面部5bは上面視で円弧状に形成されるのが好ましい。第1壁面部5bを円弧状に形成することで、図6に示すように、各噴孔9dから噴射される各燃料噴霧15〜17の到達距離(噴霧長)と第1壁面部5b間の距離d1〜d3との関係(比)を、燃料噴霧15〜17間で均一にすることができる。その結果、各燃料噴霧15〜17を均一に燃焼させることができ、有害成分(NOx、PM等)の排出を少なくできる。なお、図6では、噴孔数が3つの場合を例示している。
また、第1壁面部5bを円弧状とする場合、距離d1〜d3を均一にするという観点では、円弧の曲率半径は、第2壁面部5cを中心軸線10に直交する平面で切ったときの第2壁面部5cの断面線の長さ、つまり基端部5aと第1壁面部5bの端部5d間の長さとするのが好ましいが、それ以外の値としても良い。また、第1壁面部5bは円弧状でなくても良く、例えば上面視で直線状であっても良い。
第2壁面部5cの曲率度は、燃料噴霧が第2壁面部5cに接触しない限度で、より大きな圧縮比を確保できるように、定められる。具体的には、例えば第2壁面部5cは上面視で直線状に形成される。これによって、キャビティ5における燃焼領域にあまり関係しない領域を最小限にでき、圧縮比を大きくすることができる。その結果、燃料の着火を安定させることができる。なお、第2壁面部5cは厳密に直線状でなくても良く、上面視で若干曲線状になっていても良い。キャビティ5が水平方向に広がるように第2壁面部5cを曲線状に形成した場合、燃料噴霧が第2壁面部5cに接触しにくくできる。
キャビティ5は、燃料噴霧がインジェクタ9から離れるにつれて次第に広がっていくことを考慮して、図1に示すように、基端部5aから第1壁面部5bの方向に進むにしたがって次第に深くなる形状に形成されている。これによって、インジェクタ9からの燃料噴霧が燃焼前にキャビティ5の底面5fに接触してしまうのを抑制できるとともに、図1の破線25のように一定の深さにした場合に比べて、燃焼領域にあまり関係がない領域を小さくできる。これにより、キャビティ5の容積を小さくでき、すなわち圧縮比を大きくできる。
次に、インジェクタ9について説明する。インジェクタ9は、図1に示すように、円筒状のノズル本体9aと、そのノズル本体9aの内部に配置された棒状のニードル9bとを備える。ノズル本体9aの先端には、ニードル9bが配置されるノズル本体9aの部分の径に比べて小さい径のサック部9cが形成されている。サック部9cには1又は複数の噴孔9dが形成されている。また、ノズル本体9aの内部の、ニードル9bが配置されない空間9eは、燃料の流通路である。
また、インジェクタ9は、電磁ソレノイド等からなる、ニードル9bを駆動する駆動部(図示外)を備えている。駆動部の電磁ソレノイドの通電が無い状態では、ニードル9bの先端がサック部9cの内部空間を塞いでいる。電磁ソレノイドが通電されると、ニードル9bがサック部9cから離れる方向(図1の上方向)に移動する。その移動に伴い、ノズル本体9aの内部空間9eに満たされた燃料がサック部9cに流れて、噴孔9dから噴射される。なお、図1では、インジェクタ9は先端側の一部のみを図示している。
インジェクタ9は、図1、図2に示すように、基端部5a付近の位置に配置される。すなわち、インジェクタ9は、基端部5aのオフセット方向と同じ方向に中心軸線10から水平方向にオフセットした位置に配置されている。詳しくは、インジェクタ9は、図2の上面視から見て直線11上、かつ、キャビティ5と重なる位置に配置されている。インジェクタ9を直線11上に配置することで、各噴孔9dから噴射される各燃料噴霧を均一に燃焼しやすくできる。
なお、インジェクタ9は、基端部5aの側(第1壁面部5bの反対側)に配置されていれば、直線11上に配置されていなくても良い。すなわち、インジェクタ9は、中心軸線10及び直線11の両方に直交する水平方向に伸びた直線21(図2参照)よりも基端部5a側のキャビティ5との重なり領域のうちのどこに配置されたとしても良い。
また、インジェクタ9は、噴孔9dがヘッド面7から突出するように配置される。すなわち、噴孔9d(ザック部9c)は、ヘッド面7より下側(キャビティ5側)の空間に配置される。噴孔9dをヘッド面7からどの程度下側に配置するかは、例えば、ピストン3が上死点の位置にあるときに、噴孔9dがキャビティ5の内部に入るようにする。
一方、インジェクタ9の噴孔9d周辺部以外の部分は、シリンダヘッド6内において、ヘッド面7に垂直、言い換えると中心軸線10と平行に配置されている。
さらに、インジェクタ9は第1壁面部5bの方向に燃料を噴射し、それ以外の方向には燃料を噴射しないように、噴孔9dの形成位置及び向きが定められている。図6には、図1のA−A線(インジェクタ9の軸線12に直交する線)でサック部9cを切ったときの断面を示している。図6に示すように、噴孔9dは、軸線12を中心した円周範囲のうち、第1壁面部5bが配置された側のみに形成されている。
また、噴孔9dは、第1壁面部5bが配置された側の範囲において、キャビティ5の水平方向の広がりに応じた個数だけ形成される。すなわち、キャビティ5の水平方向の広がりが大きいほど、噴孔9dの個数を多くできる。詳しくは、キャビティ5の広がり角度θの最大値を90度とし、1つの噴孔9d当たりの燃料噴霧の広がり角度φ(図4参照)を13度とする。そして、広がり角度θ=90度のときに、各噴孔9dからの燃料噴霧間の干渉を抑え、かつ、燃料噴霧が第2壁面部5cに接触するのを抑え、かつ、キャビティ5内の空間を最大限燃焼に使うことができる噴孔数は、90÷13=6.9・・・により6個となる。よって、広がり角度θ≦90度の場合では、噴孔9dの個数は6以下とするのが好ましい。
このように、本実施形態によれば、キャビティ5が上面視で略扇形に形成され、キャビティ5の基端部5aと第1壁面部5bとを互いに反対方向に中心軸線10からオフセットした位置に配置するので、基端部5aから第1壁面部5bまでの距離を大きくできる。そして、インジェクタ9を基端部5a側に中心軸線10からオフセットした位置に配置して、インジェクタ9から第1壁面部5bの方向に燃料を噴射するので、噴射方向における燃料噴霧と燃焼室壁面(第1壁面部5b)との距離を大きくできる。その結果、燃焼の熱が第1壁面部5bから逃げてしまうのを抑制でき、熱効率を向上できる。
また、キャビティ5は略扇形となっており、燃料の噴射方向以外の方向の空間が小さいので圧縮比を大きくできる。これにより、燃料の自着火及び着火後の燃焼を安定させることができる。このように、本実施形態では、圧縮比の確保と、燃焼室壁面と燃焼領域との距離の確保の両立を図ることができる。
さらに、噴孔9dがヘッド面7からキャビティ5側に突出して設けられるので、燃焼領域を、冷却されたシリンダヘッド6から離すことができる。これにより、燃焼の熱がシリンダヘッド6に逃げてしまうのを抑制でき、冷却損失(熱損失)を低減できる。
これに対して、特許文献1のように、噴孔をシリンダヘッド内に配置する構成では、燃焼領域がシリンダヘッドに接触しやすく、燃焼の熱がシリンダヘッドに逃げやすくなる。また、燃焼の熱がシリンダヘッドに伝わることでシリンダヘッドの温度が上昇しやすくなり、その上昇を抑えるために冷却システムの冷却性能(ラジエータや冷却水路)を大きくする必要がある。つまり、冷却システムが大型化する。本実施形態では、噴孔がヘッド面から突出しているので、シリンダヘッドの冷却システムを簡略化できる。
また、本実施形態では、インジェクタ9がヘッド面7に垂直に設けられるので、シリンダヘッド6の内部を有効に活用できる。これに対して、インジェクタをシリンダヘッド内に斜め(ヘッド面に対して斜め)に設けられる構成では、インジェクタを配置するための斜めの空間をシリンダヘッド内に形成する必要がある。この斜めの空間により、他の部品や冷却水路の配置がしにくくなったり、デッドスペースが増加したりする。
また、噴孔9dは第1壁面部5bが配置された側のみに形成されているので、インジェクタ9の本体を第1壁面部5bに向けて斜めにしなくても、インジェクタ9からは第1壁面部5bの方向のみに燃料を噴射させることができる。また、第1壁面部5b以外の方向には燃料が噴射されないので、燃費を向上できる。
本実施形態の構成に対して、図8、図9は比較例を説明する図である。詳しくは、図8は、ピストン22の中心軸線23に対して対称形状(リエントラント形状)のキャビティ18が形成され、インジェクタ19が中心軸線23上に配置されたエンジンの側面断面図を示している。図9は、図8のインジェクタ19から噴射された燃料噴霧の燃焼領域20及びキャビティ18の一部を抜き出した図である。
図8の構成では、キャビティ18が中心軸線23に対して対称となっているので、インジェクタ19から噴射される燃料噴霧の到達距離(噴霧長)を確保しにくくなり、ボア径の半分より短い噴霧長しか確保できない。その結果、液滴のままキャビティ18の壁面に接触したり、燃焼領域20とキャビティ18の壁面との距離d(図9参照)が短くなったりすることで、壁面近傍での燃焼量が増加し、熱効率が低下する。また、距離dを確保しようとすると、キャビティ18を大きくする必要があり、この場合には、圧縮比が低下して、燃料の着火性が悪化してしまう。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。
1 ディーゼルエンジン
2a シリンダ
3 ピストン
4 ピストンの頂部
5 キャビティ
5a 基端部
5b 第1壁面部
6 シリンダヘッド
7 ヘッド面
8 燃焼室
9 インジェクタ
9d 噴孔
10 ピストンの中心軸線

Claims (10)

  1. シリンダ(2a)内を上下動するピストン(3)の頂部(4)に形成されたキャビティ(5)とシリンダヘッド(6)における前記ピストンの頂部に対向する面であるヘッド面(7)とで形成された燃焼室(8)と、
    前記シリンダヘッドに取り付けられ、噴孔(9d)から前記燃焼室に燃料を噴射するインジェクタ(9)とを備え、
    前記インジェクタから噴射された燃料を前記燃焼室で自着火燃焼させる内燃機関(1)であって、
    前記キャビティは、前記ピストンの中心軸線(10)が交差する位置において上面視で略扇形に形成され、
    扇形の両半径部の交点に相当する前記キャビティの部分である基端部(5a)は、前記中心軸線からオフセットした位置に配置され、
    扇形の円弧部に相当する前記キャビティの部分である第1壁面部(5b)は、前記中心軸線から、前記基端部のオフセット方向と反対方向にオフセットした位置に配置され、
    前記インジェクタは、前記基端部の側に前記中心軸線からオフセットした位置において、前記噴孔が前記ヘッド面から突出するように配置され、かつ、前記第1壁面部の方向に燃料を噴射することを特徴とする内燃機関。
  2. 前記噴孔は、前記インジェクタの軸線(12)を中心とした円周範囲のうち、前記第1壁面部が配置された側のみに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記噴孔の個数が6以下であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記キャビティは、前記基端部から前記第1壁面部の方向に進むにしたがって次第に深くなる形状に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 扇形の両半径部に相当する前記キャビティの部分である両第2壁面部(5c)の成す角度は90度以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 扇形の両半径部に相当する前記キャビティの部分である両第2壁面部(5c)の成す角度は13度以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関。
  7. 前記インジェクタは、前記ヘッド面に垂直に設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関。
  8. 前記第1壁面部は、上面視で円弧状に形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関。
  9. 前記中心軸線に直交する平面内の方向における、前記噴孔から前記第1壁面部までの距離が20mm以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関。
  10. 前記キャビティは、前記基端部と前記中心軸線の両方に交差する、前記中心軸線に直交する方向に伸びた直線(11)に対して線対称に形成されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関。
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