以下、本発明の一形態に係るゲームシステムについて説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの外観を概略的に示す図である。図1に示すように、一例として、ゲームシステム1は、景品払出機構GP及び2台のゲーム機GMを含んでいる。
景品払出機構GPは、内部に貯留する景品をユーザに提供するための機構である。一例として、景品払出機構GPは、これらの2台のゲーム機GMに接続されて使用される。つまり、景品払出機構GPは、2台のゲーム機GMにより共用される。景品払出機構GPは、例えば、貯留部6及び排出部7を備えている。貯留部6は、複数の景品を貯留するための部分である。貯留部6には、例えば、複数のカプセル8が貯留される。各カプセル8は、内部にフィギュア等の各種の物理的な景品(物)を収容するカプセル型の球形の容器である。つまり、カプセル8には、実際の景品(特典)が収容されている。そして、景品払出機構GPは、カプセル8を介して景品を提供する。
貯留部6の正面側には正面側蓋6aが、上面側には上面側蓋6bが、それぞれ設けられている。正面側蓋6a及び上面側蓋6bは、貯留部6の正面側の壁或いは上面を形成するための蓋部材である。貯留部6の内部には、正面側蓋6a及び上面側蓋6bによって空間が形成される。正面側蓋6aには、一例として、半球体状の立体的な窓9が設けられる。このため、貯留部6は、窓9を通して内部のカプセル8の情報(例えば残数等)を視覚的に外部に提供する。
一方、排出部7は、貯留部6の内部の景品をユーザに提供するための部分である。排出部7には、下側排出口7aが形成される。下側排出口7aは、接続通路(不図示)に接続される。接続通路は、貯留部6の内部と外部とを接続する通路である。つまり、下側排出口7aは、接続通路を介して貯留部6の内部と外部とを接続する開口である。そして、貯留部6のカプセル8は、下側排出口7aを介して排出部7(外部)に排出される。具体的には、景品払出機構GPは、景品条件が満たされた場合に、貯留部6の内部の各カプセル8を一つずつ下側排出口7aから外部に排出する。このように景品払出機構GPは、一例として、貯留部6のカプセル8を適宜ユーザに提供するベンダ―ユニット(いわゆるガチャガチャ)として構成されている。
一方、ゲーム機GMは、一例として、業務用(商業用)のゲーム機として構成されている。業務用のゲーム機は、有料或いは無料で所定範囲のゲームをプレイさせるゲーム機である。一例として、ゲーム機GMは、有料でゲームを提供する。また、一例として、ゲーム機GMは、所定の対価を徴収した後にゲームを提供する。具体的には、ゲーム機GMは、例えば、所定の対価の消費(徴収)と引き換えに、その対価に応じた範囲で景品払出機構GPを利用するゲームを提供する。また、所定の対価に応じた範囲には、通常(初めから)のプレイだけでなく、コンティニュ(ゲームの途中から)のプレイも含まれる。つまり、ゲーム機GMは、ゲームのプレイが途中で終わった場合には、所定の対価の徴収に伴いその対価に応じた範囲として、プレイが終わったその途中から再開されるゲームも提供する。ゲーム機GMは、例えば、店舗等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。
ゲーム機GMは、筐体Cを備えている。筐体Cには、モニタMOが設けられている。モニタMOの表面には、透明なタッチパネルTPが重ね合わされている。タッチパネルTPは、指等の接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。また、筐体Cの前面には、対価徴収手段としてのコイン回収機構SOが設けられる。コイン回収機構SOは、コインの徴収及び返却等を実行するための周知の機構である。
コイン回収機構SOは、コイン投入口SO1及び返却口としてのコイン排出口SO2を有している。コイン投入口SO1はコインの投入に、コイン排出口SO2はコインの排出(返却)に、それぞれ使用される。より具体的には、コイン投入口SO1は、コインの投入を受け付けるために使用される。また、コイン投入口SO1に投入されたコインは、回収部(不図示)に回収される。そして、回収部への回収に伴い、コインが徴収(消費)される。つまり、一例として、コイン投入口SO1を通じて所定の対価が消費(支払い)される。このように所定の対価の徴収には、一例として、コインが使用される。
一方、回収部に回収出来ないコインがコイン投入口SO1から投入される場合がある。或いはコイン投入口SO1を通過した後に回収部が回収し損なうコインも存在する。このような場合、これらのコインは、コイン排出口SO2から返却される。つまり、コイン排出口SO2は、一例として、このようなコインの返却に使用される。なお、ゲーム機GMには、その他にもボリューム操作スイッチ、電源スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられてよい。
次に、ゲームシステム1の制御系の要部について説明する。図2は、景品払出機構GP及びゲーム機GMの制御系の要部の構成を示す図である。図2に示すように、ゲーム機GMは、一例として、上述のコイン回収機構SOに加え、リーダDS1を有している。また、ゲーム機GMには、コンピュータとしての制御ユニット10及び記憶ユニット11も設けられている。
制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット10には、一例として、上述のコイン回収機構SO、リーダDS1、及び記憶ユニット11が接続される。なお、制御ユニット10には、上述のモニタMO及びタッチパネルTPに加え、例えば、その他にも公知のゲーム機と同様に、スピーカ、カードリーダ(一例として近距離無線通信を利用し、記憶媒体に記録された各種の情報を非接触状態で読み取る周知の装置)等の各種の出力装置或いは入力装置が接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
リーダDS1は、ICチップ(RFIDの一種でICタグと呼ばれることもある)の情報を読み取るための周知の装置である。例えば、各カプセル8内の景品8aには、ICチップ38が設けられている。各ICチップ38には、例えば、景品8aを管理するために必要な管理情報が記録される。管理情報は、例えば、景品ID、景品8aの種類等の内容、出荷時期、出荷場所等の情報を含んでいる。景品IDは、各景品8aを識別するためのユニークなIDである。つまり、景品IDによって個々の景品8aが特定される。一例として、リーダDS1は、このようなIDチップ38の読み取りに使用される。そして、リーダDS1は、例えば、ICチップ38の読み取り結果、つまり取得した管理情報を制御ユニット10に提供(出力)する。
コイン回収機構SOは、上述の通り、コインCOの徴収或いは返却に使用される機構である。また、コイン回収機構SOは、ブロッカSO3を有している。ブロッカSO3は、コインCOの徴収を妨げる周知の部材である。ブロッカSO3は、一例として、可動式に構成されている。例えば、ブロッカSO3は、コインCOの徴収を妨げない通常状態とコインCOの徴収を妨げる停止状態の間で動作する。
具体的には、ブロッカSO3は、例えば、通常状態では、コイン投入口SO1から投入されたコインCOの移動を妨げない。結果として、この状態では、コイン投入口SO1から投入されたコインCOは、回収部に回収される。つまり、通常状態では、コイン投入口SO1から投入されたコインCOは、ブロッカSO3の影響を受けず、そのまま徴収される。一方、一例として停止状態では、ブロッカSO3は、コイン投入口SO1を通過したコインCOの回収部への移動を妨げるように機能する。結果として、この場合、コインCOは、回収部に回収されずにコイン排出口SO2から返却される。つまり、ブロッカSO3は、コイン投入口SO1を通じて投入されたコインCOが徴収(消費)されずコイン排出口SO2から返却される状態をコイン回収機構SOが形成するように作動する。一例として、コイン回収機構SOには、このようなブロッカSO3が設けられる。
また、記憶ユニット11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気記録媒体や光記録媒体、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶ユニット11には、ゲームプログラム14及びゲームデータ15が記憶されている。ゲームプログラム14は、ゲーム機GMがゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム14の実行に伴って、制御ユニット10の内部には、ゲーム提供部17が設けられる。ゲーム提供部17は、ゲームを提供するために必要な各種処理を実行する。ゲーム提供部17は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
ゲームデータ15は、ゲームプログラム14の実行に伴って参照され得るデータである。ゲームデータ15は、例えば、画像データ、及び効果音データを含んでいる。画像データは、ゲームに必要な各種画像を表示するためのデータである。効果音データは、ゲームに必要な各種の音声を再生するためのデータである。さらに、ゲームデータ15は、後述の払出管理データ25aも含んでいる。なお、ゲームデータ15は、その他にもゲームに必要な各種のデータを含み得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、景品払出機構GPは、上述の貯留部6に加え、一例として、モータ18、排出検知センサ19、及びカプセル検知センサDSを備えている。また、景品払出機構GPは、制御ユニット20及び記憶ユニット21も備えている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット20には、例えば、上述の記憶ユニット21、モータ18、排出検知センサ19、及びカプセル検知センサDSが接続される。なお、制御ユニット20には、例えば、その他にも各種の出力装置或いは入力装置が接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
記憶ユニット21は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気記録媒体や光記録媒体、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶ユニット21には、景品管理用プログラム24及び景品管理用データ25が記憶されている。景品管理用プログラム24は、景品払出機構GPがカプセル8の管理(排出を含む)をするために必要なコンピュータプログラムである。景品管理用プログラム24の実行に伴って、制御ユニット20の内部には、景品提供部27が設けられる。景品提供部27は、景品を管理するために必要な各種処理を実行する。景品提供部27は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット20の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
景品管理用データ25は、景品管理用プログラム24の実行に伴って参照され得るデータである。景品管理用データ25は、例えば、払出管理データ25aを含んでいる。払出管理データ25aは、払い出した各景品8aを管理するためのデータである。払出管理データ25aは、例えば、景品ID、及び払出日時等の情報を含んでいる。景品IDは、上述の通りである。払出日時は、各景品8aを払い出した日時を示す情報である。なお、払出管理データ25aは、例えば、その他にも払出筐体或いはユーザID等の情報を含んでいてよい。払出筐体は、各景品8aを払い出した各ゲーム機GMを示す情報である。つまり、例えば、各ゲーム機GMを識別するためにゲーム機GM毎にユニークな筐体ID等が管理されている場合には、払出管理データ25aは、この筐体IDの情報を払出筐体として含んでいてよい。同様に、ユーザIDは、各ユーザを識別するためのユニークなIDの情報である。例えば、ゲームのプレイ時にIDカード等によりユーザIDが取得される場合には、払出管理データ25aは、このような情報を含んでいてもよい。
貯留部6は、一例として、箱部33、回転部材としての配送円盤34、底面盤35、及び制限バネ36を備えている。箱部33は、貯留部6の上側の部分である。具体的には、箱部33は、一例として、内部にカプセル8を収容するための空間を有する部分である。箱部33は、例えば、貯留部6の周囲及び上面を形成する。したがって、箱部33は、上述の正面側蓋6a及び上面側蓋6bを含む。つまり、箱部33には、正面側蓋6aによって正面側の壁が、上面側蓋6bによって上面が、それぞれ形成される。
配送円盤34は、貯留部6の内部のカプセル8を排出部7に配送するための部材である。配送円盤34は、一例として、箱部33の下方に配置される。換言すれば、配送円盤34は、箱部33に貯留された各カプセル8を排出部7に配送するために各カプセル8の下方に配置される。また、配送円盤34は、一例として、モータ18によって回転駆動される。そして、配送円盤34は、回転に伴い、排出部7からカプセル8が一つずつ排出されるように下方に位置する各カプセル8を順に一つずつ配送する。また、底面盤35は、配送円盤34の配送を補助するように配送円盤34の更に下方に配置される部材である。制限バネ36は、貯留部6の内部の各カプセル8の移動を一部制限するように配置されるバネである。
一方、カプセル検知センサDSは、カプセル8の配送の有無を検知するためのセンサである。具体的には、一例として、カプセル検知センサDSは、配送円盤34の配送状況を検知するために使用される。また、カプセル検知センサDSは、例えば、リーダDS1及びフォトセンサDS2を含んでいる。フォトセンサDS2は、赤外線等を発光する発光素子を利用した周知のセンサである。フォトセンサDS2は、その検知結果を制御ユニット20に出力する。
リーダDS1は、上述の通りである。リーダDS1は、例えば、ICチップ38から情報を取得することによりカプセル検知センサDSとして機能する。そして、リーダDS1は、例えば、ICチップ38の読み取り結果、つまり取得した管理情報を制御ユニット20に提供(出力)する。そして、制御ユニット20は、一例として、ICチップ38の情報の取得の有無によりカプセル8の配送状況を検知する。このようにリーダDS1は、ICチップ38の情報の提供の有無によりカプセル検知センサDSとして機能する。
モータ18は、上述のように配送円盤34を回転駆動させるための動力源である。モータ18の動作は、制御ユニット20によって制御される。排出検知センサ19は、下側排出口7aから排出されるカプセル8の有無を検知するためのセンサである。例えば、排出検知センサ19は、下側排出口7aを通過するカプセル8の有無を検出する周知のセンサでよい。具体的には、例えば、排出検知センサ19は、下側排出口7aを通過するカプセル8の進行によって押される部材(進行自体は妨げない)を有していてよい。また、排出検知センサ19は、カプセル8の進行により押された場合にカプセル8の排出を示す信号を出力してよい。排出検知センサ19は、一例として、このように構成されてよい。したがって、排出検知センサ19は、一例として、接続通路の下側排出口7a付近に配置される。また、排出検知センサ19の検知結果は、制御ユニット20に出力される。
図3〜図5を参照して、景品払出機構GPについて更に説明する。図3は、正面側蓋6a及び上面側蓋6bを外した状態の貯留部6の斜視図の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、箱部33の内部には、多数のカプセル8を収容するための空間が形成される。また、例えば、箱部33は、囲い部33aを有している。囲い部33aは、内部空間を囲む側壁を形成する部材である。より具体的には、囲い部33aは、貯留部6の内部空間を形成する側壁のうち、正面側蓋6aが形成する正面側の壁以外の周囲の側壁を形成する。また、一例として、箱部33の下方には、筒状に下方に延びる筒状部BHが形成される。同様に、筒状部BHの更に下方には、モータ28が配置される。
図4は、図3の例において更に囲い部33aを外した状態の貯留部6を模式的に示す図である。図4に示すように、一例として、筒状部BHの内部には、配送円盤34及び底面盤35が上から順に配置される。一例として、配送円盤34は回転可能に配置される一方で、底面盤35は移動しないように固定的に配置される。
また、一例として、配送円盤34は、複数の通過口部CHを有している。各通過口部CHは、配送円盤34の上面側と底面側とを接続するように開口する部分である。換言すれば、各通過口部CHは、配送円盤34の上方に位置する各カプセル8が配送円盤34の下方まで通過可能なように開口する部分である。したがって、各通過口部CHは、配送円盤34を厚さ(高さ)方向に貫くように形成される。また、各通過口部CHは、カプセル8の大きさ(半径)を基準に所定の高さ(深さ)に形成される。より具体的には、一例として、配送円盤34には、6つの通過口部CHが形成される。また、各通過口部CHは、一例として、各カプセル8が通過可能なように各カプセル8に対応する大きさ及び形状に形成される。一例として、各通過口部CHは、各カプセル8の通過に支障がなく、かつ複数のカプセル8が侵入しないように各カプセル8よりも一回り程度大きい円形形状に形成される。つまり、各通過口部CHは、一例として、各カプセル8が一つずつ通過する大きさ及び形状に形成される。
さらに、各通過口部CHの上部側の開口の一部には、延長部34bも形成される。延長部34bは、各通過口部CHの高さを延長するように延びる部分である。結果として、各通過口部CHには、上部側の一部において延長部34bにより他の部分よりも高い部分が形成される。また、各通過口部CHの延長部34bは、配送円盤34の回転方向RDに沿ってその後方側に位置するように配置される。つまり、延長部34bは、各通過口部CHの回転方向RDと反対側の上方に設けられる。このため、配送円盤34の回転時には、延長部34bは、各カプセル8の各通過口部CHへの収容を補助するように機能する。
底面盤35は、筒状部BHの底面に沿うように盤面状に形成されている。結果として、底面盤35は、各通過口部CHの下側を塞ぎ、各通過口部CHの底面として機能する。つまり、底面盤35は、各カプセル8の通過を妨げ、各カプセル8を各通過口部CH内に留まらせるように配置される。このため、各通過口部CHには、そこを通過せずに留まるカプセル8が収容される。結果として、配送円盤34が回転する場合には、この回転に伴い各通過口部CHはそこに留まるカプセル8、つまりそこに収容されるカプセル8とともに回転する。結果として、配送円盤34は、このような通過口部CHを通じて各通過口部CH内のカプセル8を回転方向に順に配送する。
また、配送円盤34の上方には、制限バネ36が配置される。より具体的には、制限バネ36は、6つの通過口部CHのうちの一つの上方を横切るように配置される。結果として、制限バネ36は、この一つの通過口部CHへのカプセル8の侵入を制限する。一方、制限バネ36は、各通過口部CHに収容された状態のカプセル8の高さよりも高い位置に配置されている。このため、制限バネ36は、配送円盤34の回転に伴い、各通過口部CHとともに下方に位置するように移動するカプセル8の妨げにはならない。つまり、制限バネ36は、下方に位置する通過口部CHへのカプセル8の直接の侵入を制限する一方で、配送円盤34の配送に伴うカプセル8の下方への移動は許容するように配置されている。
さらに、配送円盤34及び底面盤35の中央部には、攪拌部43が設けられる。攪拌部43は、貯留部6の内部のカプセル8を攪拌するためのユニットである。具体的には、攪拌部43は、一例として、配送円盤34及び底面盤35の中央部を貫くように配置される。そして、攪拌部43は、配送円盤34と同様に、モータ18により回転駆動される。また、攪拌部43には、一例として、上部に2つの攪拌用バネ43aが設けられる。各攪拌用バネ43aは、攪拌効率を向上させるために垂直方向と交差する斜め上方に延びるように配置される。攪拌用バネ43aは、攪拌部43とともに回転する。つまり、攪拌部43は、攪拌用バネ43aにより貯留部6の内部の各カプセル8の状態(位置等)に影響を与えるように回転する。
図5は、図4の例の貯留部6の平面図を模式的に示す図である。ただし、図5の例では、説明の便宜のため、攪拌用バネ43aの図示は省略している。図5に示すように、一例として、貯留部6の下方には、上側排出口7bが設けられる。上側排出口7bは、貯留部6の内部のカプセル8を外部に排出するための開口である。上側排出口7bは、下方に位置する接続通路に向かって開口している。つまり、上述のように、上側排出口7bは、接続通路を介して下側排出口7aと接続される。また、上側排出口7bは、通過口部CHと同様に、一例として、一つのカプセル8を排出しつつ他のカプセル8の侵入を抑制するように、カプセル8よりも一回り大きい程度の円形状に形成されている。
同様に、底面盤35は、接続口部35aを有している。接続口部35aは、上側排出口7bにカプセル8を提供するために開口する部分である。具体的には、接続口部35aは、底面盤35の上面側と底面側とを接続するように開口する。したがって、底面盤35の上面側は、接続口部35aを介して上側排出口7bと接続される。そして、接続口部35aは、上側排出口7bに対応する位置に配置される。一例として、接続口部35aは、制限バネ36の下方に位置する通過口部CH(以下、便宜的に接続通過口部CH1と呼ぶ場合がある)の位置に配置される。
また、接続口部35aは、通過口部CH等と同様に、一つのカプセル8を通過させつつ他のカプセル8の侵入を抑制するように、カプセル8よりも一回り大きい程度の円形状に形成されている。結果として、底面盤35は、接続通過口部CH1では接続口部35aにより接続通過口部CH1を通過したカプセル8を上側排出口7bに提供するように形成されている。一方で、底面盤35は、上述の通り、接続通過口部CH1以外の残りの5つの通過口部CHでは各通過口部CHの下側を塞ぐように形成されている。
また、底面盤35の接続通過口部CH1以外の残りの5つの通過口部CHの位置には、センサ用の孔45が更に設けられている。センサ用の孔45は、カプセル検知センサDSがカプセル8を検知するために使用する孔である。具体的には、センサ用の孔45は、例えば、リーダDS1やフォトセンサDS2が電波や光を各通過口部CH内のカプセル8に対して出力するための孔である。センサ用の孔45は、接続口部35aと同様に、底面盤35の上面側と底面側とを接続するように開口する。ただし、センサ用の孔45は、接続口部35aよりも小さい。具体的には、カプセル8の直径よりもはるかに小さい。このため、カプセル8は、センサ用の孔45を通過できない。
また、リーダDS1及びフォトセンサDS2は、筒状部BHの下に配置されている。つまり、リーダDS1及びフォトセンサDS2は、底面盤35を挟んで配送円盤34の反対側に配置される。したがって、筒状部BHにも同様にセンサ用の孔45が設けられている。
一方、配送円盤34は、各通過口部CHの一つが上側排出口7bの位置に対応するように配置される。つまり、配送円盤34は、各通過口部CHの一つが接続通過口部CH1として機能するように配置される。一方で、各通過口部CHの位置は、配送円盤34の回転に伴い順に変化する。具体的には、例えば、各通過口部CHの位置は、この回転に伴い回転方向RDに順に各通過口部CHが接続通過口部CH1として機能するように変化する。具体的には、接続通過口部CH1の回転方向RDの一つ手前に位置する通過口部CH(以下、便宜的に次回通過口部CH2と呼ぶ場合がある)が次回に、二つ手前に位置する通過口部CHが次々回に、それぞれ順に接続通過口部CH1として機能する。以降の各通過口部CHについても同様である。
また、各通過口部CHは、内部のカプセル8とともに回転する。結果として、この回転に伴い、各通過口部CHが接続通過口部CH1として順に機能するように内部に収容するカプセル8を上側排出口7bの位置に配送する。また、接続通過口部CH1の位置には、接続口部35aが設けられている。したがって、接続通過口部CH1は、他の通過口部CHと異なり、接続口部35aを介して上側排出口7bに接続される。このため、各カプセル8は、接続通過口部CH1の位置において上側排出口7bに提供される。配送円盤34は、一例として、このような回転により、各通過口部CHを介して貯留部6の内部のカプセル8を一つずつ上側排出口7bに提供する。
カプセル検知センサDSは、接続通過口部CH1以外の通過口部CH毎に設けられる。つまり、センサ用の孔45を介した筒状部BHの下方には、5つの通過口部CHにそれぞれ対応する5つのカプセル検知センサDSが配置される。一例として、5つのカプセル検知センサDSは、1つのリーダDS1と4つのフォトセンサDS2により構成される。具体的には、一例として、回転方向RDに接続通過口部CH1の一つ手前の通過口部CH、つまり次回通過口部CH2の下方には、リーダDS1が配置される。したがって、次回通過口部CH2において、換言すれば排出される一つ手前の位置においてリーダDS1を介して各カプセル8のICチップ38に記録される情報が取得される。一方、その他の4つの通過口部CH、つまり接続通過口部CH1及び次回通過口部CH2以外の各通過口部CHの下方には、フォトセンサDS2が配置される。
また、配送円盤34及び底面盤35の中央部には、攪拌部43用の挿入口46が形成される。挿入口46は、配送円盤34及び底面盤35を貫くように形成されている。挿入口46には、攪拌部43が挿入されている。したがって、カプセル8の中央部の移動は攪拌部43によって制約を受ける。具体的には、接続通過口部CH1への中央部側からの侵入が抑制される。結果として、上側排出口7bから排出されるカプセル8は、配送円盤34による配送に限定される。一例として、景品払出機構GPは、このように構成される。
次に、ゲーム機GMが提供するゲームについて説明する。ゲーム機GMは、景品払出機構GPを利用する各種のゲームを提供してよい。例えば、ゲーム機GMは、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、シューティングゲーム等を提供してよい。
また、各ゲーム機GMは、景品払出機構GPを通じて提供した各景品8aをゲームで使用してもよい。例えば、各景品8aが各種のキャラクタと関連付けられている場合には、各景品8aに対応するキャラクタがゲーム内に再現されてもよい。このような景品8aの一例として、各種のキャラクタに対応するフィギア等が使用されてもよい。さらに、自己が提供した景品8aが使用された場合には、ゲームの進行に特別の変化が付与されてもよい。また、各ゲーム機GMの自己の範囲には、景品払出機構GPを共用する2台のゲーム機GMが含まれてよい。つまり、景品払出機構GPを共用する2台のゲーム機GMでは、これらのいずれかのゲーム機GMにより提供された景品8aが使用された場合、特別の変化が付与されてよい。特別の変化として、例えば、特別のアイテムの提供、特別のゲーム展開、特別のキャラクタの使用等が利用されてよい。一例として、このようなゲームがゲーム機GMを通じて提供される。
また、ゲーム機GMは、例えば、景品条件が満たされた場合に景品の提供に景品払出機構GPを使用する。つまり、景品払出機構GPは、一例として、各ゲーム機GMにおいて景品条件が満たされた場合に各景品8aを排出(払出)する。景品条件は、例えば、単に各ゲーム機GMにおいて所定の対価が徴収(消費)された場合に満たされてもよい。或いは、景品条件の対象は、両ゲーム機GMであってもよい。つまり、景品条件は、例えば、両ゲーム機GMで対価が徴収された場合等、両ゲーム機GMが所定の条件(ゲーム機GM毎に相違していてよい)を満たした場合に満たされてもよい。または、景品条件は、2台のゲーム機GM毎に満たされてもよい。つまり、例えば、一方で対価が徴収された場合には、一方のゲーム機GMの払出として景品8aが提供されてもよい。また、景品条件は、各ゲーム機GMが提供するゲームに関連してもよい。具体的には、例えば、各ゲーム機GMが提供するゲームは、例えば、複数のモードを有していてよい。各モードは、一例として、プレイ方法の異なるゲームを意味する。そして、景品条件は、それらのモードに関連して満たされてもよい。以下では、一例として、景品条件がモードに関連して満たされる場合について説明する。
図6は、複数のモードの一例を説明するための説明図である。図6に示すように、ゲーム機GMが提供するゲームは、例えば、払出用モードとしての景品ありモード及び払出不要モードとしての景品なしモードを含んでいてよい。景品ありモードは景品8aの払出(排出)に関連するモードである。具体的には、景品条件は、例えば、景品ありモードのプレイに伴い、つまり景品ありモードでプレイされた場合は必ず満たされる。この場合、景品ありモードでプレイされた場合には、必ず景品8aが景品払出機構GPを通じて払い出される。また、一例として、実際の景品8aの払出は、景品ありモードのプレイ終了に伴い実行される。なお、景品条件は、景品ありモードでプレイされた場合のプレイ状況に応じて満たされてもよい。
一方、景品なしモードは、景品8aの払出に関連しないモードである。つまり、景品なしモードでプレイされても景品8aが払い出されることはない。つまり、景品条件は、ゲームの景品ありモードに関連する一方で、景品なしモードには関連しない。このため、景品ありモードをプレイする場合と景品なしモードをプレイする場合とでは徴収されるべき所定の対価が相違していてもよい。例えば、徴収されるべき所定の対価の価値は、景品ありモードをプレイする場合の方が景品なしモードをプレイする場合よりも高くてよい。一例として、このように各ゲーム機GMのゲームは、景品8aの払出を基準にする2つのモードを有していてよい。そして、景品条件は、一例として、景品ありモードがプレイされる場合、つまり複数のモードのうち景品ありモードがプレイ対象に選択された場合に満たされる。
次に、景品払出機構GPに貯留される各景品8aの残数が少ない場合のゲームシステム1の動作について説明する。上述のように景品払出機構GPでは、配送円盤34により、貯留部6内の各カプセル8が一つずつ配送され、排出される。また、接続通過口部CH1以外の5つの通過口部CHの下方には、これらがカプセル8を収容しているか否か検出するカプセル検知センサDSが設けられている。つまり、カプセル検知センサDSによって次回以降に配送を予定する各通過口部CHがカプセル8を配送可能か否か検知される。したがって、カプセル検知センサDSを通じて、景品残数として少なくとも5つ以上の在庫或いは5つ以内の具体的な残数情報が検知される。
一例として、この残数情報は、各ゲーム機GMに反映される。例えば、景品払出機構GPに貯留される各景品8aの残数情報が停止条件を満たした場合には、各ゲーム機GMは停止状態となる。停止状態は、一例として、ゲーム機GMが所定の対価の徴収を停止する状態である。また、一例として、停止状態は、解除条件が満たされた場合に解除される。つまり、解除条件が満たされた場合には、各ゲーム機GMの状態は、停止状態から通常状態(所定の対価の徴収可能)に変化する。一例として、このように景品8aの残数に応じてゲーム機GMの状態が変化する。
図7を参照して、景品8aの残数に応じたゲーム機GMの状態の変化について更に説明する。図7は、景品8aの残数に応じたゲーム機GMの状態の一例を説明するための説明図である。図7に示すように、通常状態では、一例としてゲーム機GMは、所定の対価の徴収を随時受け付ける。つまり、ユーザUは、ゲームをプレイするために随時コインCOを支払う(消費する)ことができる。
具体的には、通常状態では、各ゲーム機GMはコイン回収機構SOを通じて随時コインの投入を受け付ける。また、ブロッカSO3は、作動しておらず通常状態である。つまり、コイン投入口SO1から投入されたコインCOは回収部に回収される。そして、コインCOの回収部への回収を条件に、換言すれば所定の対価がコインCOを通じて徴収された後に、各ゲーム機GMは、ユーザUにゲームを提供する。また、ゲームにおいて景品条件が満たされた場合、つまり景品ありモードでプレイされた場合には、景品払出機構GPを通じてカプセル8(景品8a)が払い出される。具体的には、ゲーム機GMからの払出指示に基づいて景品払出機構GPがユーザUにカプセル8を払い出す。
一方、停止条件が満たされた場合には、各ゲーム機GMは通常状態から停止状態に変化する。一例として、停止条件は、残数情報が所定数以下の残数を示す場合に満たされる。具体的には、上述のように景品払出機構GPは、2台のゲーム機GMに共用される。結果として、2台のゲーム機GMから景品8aの払出が同時に要求される可能性がある。この場合、2つ以上の景品8aが景品払出機構GPに残っていなければ、この払出を実行できない。したがって、所定数の一例として、2台のゲーム機GMに応じた数が設定される。具体的には、所定数の一例として、2台のゲーム機GMからの要求を満たせない“1”が採用される。つまり、一例として、停止条件は、残数情報が1つ以下の残数を示す場合に満たされる。すなわち、景品払出機構GPの景品8aの残数が1つ以下の場合に、各ゲーム機GMは通常状態から停止状態に変化する。
停止状態では、一例として、各ゲーム機GMは、コインCOの回収部への回収を停止する。具体的には、各ゲーム機GMは、停止条件が満たされた場合に、コインCOの回収部への移動が妨げられるようにブロッカSO3を動作(作動)させる。つまり、停止状態では、ブロッカSO3が停止状態に変化する。一例として、各ゲーム機CMは、このようにして停止状態を形成する。結果として、コインCOが投入されたとしても、ブロッカSO3に遮られ、コイン排出口SO2から返却される。つまり、停止状態において各ゲーム機GMは、所定の対価の徴収を停止する。したがって、停止状態では、各ユーザUは、通常状態と異なり、ゲームをプレイするためにコインCOを支払う(消費する)ことができない。また、各ゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えにゲームを提供する。このため、停止状態では、各ユーザUはゲームをプレイすることができない。つまり、停止状態では、各ゲーム機GMは、コインCOの徴収の停止に伴い、ゲームの提供(ゲームのプレイ)を停止する。
一方で、上述のように、各ゲーム機GMが提供するゲームは、一例として、景品ありモード及び景品なしモードを有している。そして、景品ありモードでプレイされる場合に景品8aの払出が要求される。このため、この場合、ゲームの提供には景品8aの在庫が必要になる。一方で、景品なしモードでプレイされる場合には、景品8aは払い出されない。つまり、この場合、ゲームの提供のために景品8aの在庫が残っている必要はない。したがって、景品8aの残数が1つ以下でも、景品なしモードでプレイされる場合には、ゲーム機GMはゲームを提供することができる。或いは、2台のゲーム機GMのうち一方のゲーム機GMが景品なしモードでプレイされる場合には、他方のゲーム機GMは景品ありモードを提供することができる。このため、解除条件は、一例として、停止状態においてプレイ対象のモードとして景品なしモードがプレイされる場合に満たされる。
具体的には、各ゲーム機GMは、停止状態において各ユーザUに案内を提供する。一例として、この案内には、停止状態を伝える情報が含まれる。また、上述のように停止状態は、景品払出機構GPの残数情報に基づいて景品8aの残数が少ない場合に形成される。換言すれば、停止状態は、景品ありモードのプレイができない場合に形成される。このため、この案内には、一例として、景品ありモードのプレイができない状況を伝える情報が含まれてもよい。
さらに、各ユーザには、例えば、案内の内容を了承した上でゲームのプレイを希望するか否か意思表示する意思表示機会が与えられる。具体的には、意思表示機会では、一例として、景品ありモードのプレイができなくてもゲームのプレイを希望するか否かの意思表示がユーザUに要求される。このような機会は、例えば、上述の案内に含まれていてもよいし、所定の操作に伴い案内とは別に提供されてもよい。そして、解除条件は、一例として、このような状況がユーザUによって了承された場合に満たされる。つまり、一例として、この了承を得た場合、即ち停止状態の意思表示機会において景品ありモードのプレイができなくてもゲームのプレイを希望する意思表示がされた場合に停止状態が解除される。
具体的には、解除条件が満たされると、各ゲーム機GMは、コインCOの回収部への移動を妨げないようにブロッカSO3の状態を変更する。つまり、解除条件が満たされると、ブロッカSO3は、コインCOの移動を妨げるように作動しない通常状態に変化する。結果として、コインCOを使用した所定の対価の徴収が再開される。つまり、通常状態への変化に伴い、各ユーザUは、ゲームをプレイするためにコインCOを支払う(消費する)ことができる。換言すれば、所定の対価の徴収時期が変化する。具体的には、所定の対価の徴収時期は、通常状態では随時である一方で、停止状態では意思表示機会における了承後に限定される。そして、各ゲーム機GMは、所定の対価の徴収を条件にゲーム(景品なしモード)の提供を再開する。一方、ゲームの提供後には再度停止条件が満たされるので、再度停止状態に変化する。つまり、各ユーザUの了承に伴い、停止状態は一時的に解除される。一例として、このような通常状態及び停止状態が景品8aの残数に応じて各ゲーム機GMに形成される。
図8〜図10を参照して、停止状態の解除の流れについて更に説明する。図8は、停止状態の解除の流れの一例を説明するための説明図である。図8に示すように、一例として、停止状態の解除の流れは、案内工程(ステップS1)、解除工程(ステップS2)、対価徴収工程(ステップS3)、及びプレイ工程(ステップS4)を順に含んでいる。
案内工程は、上述の停止状態を各ユーザUに案内するための工程である。案内工程では、一例として、停止状態を伝える情報を含む案内画面がモニタMOに表示される。また、この案内画面には、例えば、景品ありモードのプレイができない状況を伝える情報も含まれる。さらに、一例として、意思表示機会も案内画面を通じて提供される。そして、意思表示機会において、ゲームのプレイを希望しない場合等、ゲームのプレイを希望する意思表示が得られない場合(希望なし)、以降の工程をスキップして、解除の流れを終了する。つまり、この場合、停止状態は解除されず、維持される。一方、景品ありモードのプレイができなくてもゲームのプレイを希望する意思表示がされた場合(希望あり)、解除工程に進む。
解除工程は、ゲーム機GMの停止状態を解除するための工程である。つまり、解除工程では、ゲーム機GMの状態が停止状態から通常状態に変更される。より具体的には、解除工程では、ブロッカSO3の作動が解除される。つまり、コインCOが回収部に回収されるようにブロッカSO3の状態が通常状態に変更される。
続く対価徴収工程は、所定の対価を徴収するための工程である。つまり、対価徴収工程では、コインCOを通じた所定の対価の支払いが要求される。そして、所定の対価の支払いを条件(対価あり)にプレイ工程に進む。一方で、例えば、対価徴収工程において、所定時間以上、所定の対価の支払いがされない場合には、解除の流れが停止されてよい。そして、再度停止状態に変更されるようにブロッカSO3が動作してよい。つまり、所定の対価が徴収されない場合(対価なし)、元の停止状態に戻り、再度案内工程から再開されてよい。
次のプレイ工程は、実際にゲームを提供するための工程である。つまり、プレイ工程において、各ユーザUは、実際にゲームをプレイする。また、この工程は、一例として、モード選択画面を提供する工程を含んでいてよい。モード選択画面は、ゲームに含まれる各モードを選択するための画面である。そして、選択結果に対応するモードがプレイ工程において提供されてよい。また、モード選択画面には、選択できない選択肢を選択不可の状態で含んでいてよい。具体的には、モード選択画面には、一例として、景品なしモードに対応する選択肢が選択可能な状態で表示される一方で、景品ありモードに対応する選択肢が選択不可の状態で表示されてよい。つまり、この場合、モード選択画面では、景品ありモードの選択はできない。このようなプレイ工程が提供され、解除の流れが終了する。一例として、このような流れで停止状態の解除が実行される。
図9は、案内画面の一例を模式的に示す図である。図9に示すように、案内画面50は、一例として、情報表示領域51、意思確認領域52、及び選択肢ボタン53を含んでいる。情報表示領域51は、ユーザUに伝えるべき情報を表示するための領域である。例えば、情報表示領域51には、上述の停止状態を伝える情報及び景品ありモードのプレイができない状況を伝える情報が表示される。意思確認領域52は、ユーザUに意思表示を要求するための領域である。また、選択肢ボタン53は、ユーザUの意思を受け付けるためのボタンである。具体的には、タッチパネルTPを介する選択肢ボタン53の位置へのタッチ操作により、選択肢ボタン53はボタンとして機能する。
図9の例では、情報表示領域51には、“景品の払出ができません。”という情報が表示されている。これは、一例として、停止状態を伝える情報及び景品ありモードのプレイができない状況を伝える情報の両方として機能する。また、意思確認領域52には“それでも遊びますか”と表示され、選択肢ボタン53を通じた意思表示が要求されている。また、選択肢ボタン53は、この状況を了承した上でプレイを希望する“Yes”ボタン53a及びプレイを希望しない“No”ボタン53bを含んでいる。つまり、この場合、“Yes”ボタン53aが選択された場合には、解除条件が満たされ、解除工程が提供される。一方で、“No”ボタン53bが選択された場合には、解除条件は満たされず、以降の工程はスキップされる。一例として、このような案内画面50が提供される。また、一例として、このような選択肢ボタン53を含む案内画面50を提供する案内工程が、より具体的には案内工程を通じて提供される意思表示機会が、本発明の選択機会として機能する。同様に、一例として、“Yes” ボタン53a及び“No” ボタン53bが本発明の複数の選択肢として機能し、“Yes” ボタン53aが更に本発明の解除選択肢として機能する。
一方、図10は、モード選択画面の一例を模式的に示す図である。図10に示すように、一例として、モード選択画面55は、モード選択用ボタン56を含んでいる。モード選択用ボタン56は、ゲームが有する各モードを選択するためのボタンである。したがって、モード選択画面55には、モード選択用ボタン56として、各モードに対応するボタンがモード毎に表示される。そして、選択されたモード選択用ボタン56に対応するモードのゲームがプレイ工程において提供される。
図10の例では、モード選択用ボタン56は、第1モードボタン56a及び第2モードボタン56bを含んでいる。第1モードボタン56aには、“景品ありモード”と表示されている。つまり、第1モードボタン56aは、景品ありモードをプレイするための選択肢である。一方、第2モードボタン56bには、“景品なしモード”と表示されている。つまり、第2モードボタン56bは、景品なしモードをプレイするための選択肢である。また、解除の流れで提供されるプレイ工程では、景品ありモードは提供できない。この状況は、案内画面50を通じてユーザUにも了承されている。このため、この場合、第1モードボタン56aは、選択不可の状態で表示される。つまり、タッチパネルTPの第1モードボタン56aに対応する位置にタッチ操作がされても、プレイ工程には進行しない。一方で、タッチパネルTPの第2モードボタン56bに対応する位置がタッチ操作された場合には、景品なしモードのゲームが提供される。一例として、このようなモード選択画面55が提供される。
次に、初期数設定処理、徴収停止処理、停止解除処理、及び特別進行処理について説明する。初期数設定処理は、停止条件に関連する所定数を設定するための処理である。一例として、初期数設定処理は、図11のルーチンを通じて景品払出機構GPの制御ユニット20によって実現される。より具体的には、図11のルーチンは、一例として、制御ユニット20の景品提供部27を通じて実行される。
一方、徴収停止処理は、ゲーム機GMの状態を停止状態に変更するための処理である。停止解除処理は、ゲーム機GMの停止状態を解除するための処理である。また、特別進行処理は、ゲームの進行に特別の変化を付与するための処理である。一例として、徴収停止処理は図12のルーチンを通じて、停止解除処理は図13のルーチンを通じて、特別進行処理は図14のルーチンを通じて、それぞれゲーム機GMの制御ユニット10によって実現される。より具体的には、図12〜図14のルーチンは、一例として、いずれも制御ユニット10のゲーム提供部17を通じて実行される。
なお、制御ユニット20或いはゲーム機GMの制御ユニット10は、例えば、その他にも景品払出機構GPを制御するため、或いはゲームを実行するための各種の周知な処理等を実行する。そこには、リーダDS1及びフォトセンサDS2の検知結果を使用する各種の処理も含まれる。このような処理として、制御ユニット20は、例えば、在庫数(5つ以上あるか等)を管理するための処理を実行する。しかし、これらの詳細な説明は省略する。
図11は、初期数設定処理を実現するための初期数設定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図11のルーチンは、例えば、初期数の設定を指示する所定の指示操作に伴い実行される。また、所定の指示操作は、例えば、店舗等の施設に設置される際に実行される。或いは、図11のルーチンは、例えば、所定の時期(例えば、店舗等の施設の開店時或いは閉店時等)毎に実行されてもよい。
図11のルーチンが開始されると、景品提供部27は、まずステップS11においてゲーム機GMの台数を取得する。この取得は、一例として、制御ユニット20に接続されるゲーム機GMの制御ユニット10の数を取得することにより実行される。或いは、ゲーム機GMの台数は、例えば、施設の運営者等により設定されてもよい。
続くステップS12において、景品提供部27は、初期数を決定する。この決定は、例えば、ステップS11で取得したゲーム機GMの台数に基づいて実行される。具体的には、景品提供部27は、一例として、ステップS11で取得したゲーム機の台数から一つ少ない数を初期数として決定する。例えば、ステップS11で取得したゲーム機GMの台数が“2”の場合、それより一つ少ない“1”が初期数として決定される。
次のステップS13において、景品提供部27は、ステップS12で決定した初期数を停止条件に使用する所定数のデフォルト値(初期値)として設定して、今回のルーチンを終了する。これにより、景品払出機構GPに接続されるゲーム機GMの台数に応じて停止条件に使用される所定数の初期値が自動で設定される。なお、所定数は、初期数に限定されない。例えば、所定数は、デフォルト値、つまり図11のルーチンによって設定された値から適宜に変更されてもよい。例えば、排出されずに景品払出機構GPに残る景品8aの数を抑制する場合には初期数よりも低い値が設定されてもよい。反対に、例えば、コインCOを徴収しつつ景品8aの払出ができないケースをより確実に抑制する場合には初期数よりも大きな値が所定数として設定されてもよい。ただし、所定数は景品払出機構GPに接続されるゲーム機GMの台数に応じて設定される方が好ましい。
図12は、徴収停止処理を実現するための徴収停止処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図12のルーチンは、例えば、景品払出機構GPが各カプセル8を払い出す毎に実行される。一例として、各カプセル8の払出は、排出検知センサ19によって検知される。また、図12のルーチンは、一例として、図13のルーチンが実行された場合には、図13のルーチンの実行後にも更に実行されてよい。
図12のルーチンが開始されると、ゲーム提供部17は、まずステップS21において景品払出機構GPから残数情報を取得する。続くステップS22において、ゲーム提供部17は、ステップS21で取得した残数情報が停止条件を満たすか否か判別する。例えば、上述のように、停止条件は、景品払出機構GPに残る景品8aの残数が1つ以下の場合に満たされる。したがって、ゲーム提供部17は、一例として、ステップS22において、残数情報に基づいて景品払出機構GPに残る景品8aの残数が1つ以下に該当するか否か判別する。この判別結果が否定的結果の場合、つまり停止条件が満たされない場合(例えば景品8aの残数が2つ以上の場合)、ゲーム提供部17は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
一方、ステップS22の判別結果が肯定的結果の場合、つまり停止条件が満たされる場合(景品8aの残数が1つ以下の場合)、ゲーム提供部17は、ステップS23に進む。ステップS23において、ゲーム提供部17は、ブロッカSO3を作動させる。具体的には、ゲーム提供部17は、ブロッカSO3の状態が停止状態に変更されるようにコイン回収機構SOを制御する。
続くステップS24において、ゲーム提供部17は、ゲーム機GMの停止状態を告知するためにゲーム機GMの状態等の情報を案内する。一例として、この案内は、案内画面50を通じて実行される。このため、ゲーム提供部17は、一例として、ステップS24において案内画面50をモニタMOに表示させる。そして、ゲーム提供部17は、ステップS24の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。なお、モニタMOには、例えば、所定時間経過後には案内画面50に代わって待機画面が表示されてもよい。待機画面は、ユーザによる任意の或いは所定のタッチ操作により案内画面50に切り替わる画面である。また、待機画面として、モニタMOの表示機能の低下(例えば焼きつき等)を抑制するための画面が使用されてもよい。
図12のルーチンにより、景品払出機構GPの景品8aの残数が所定数以下になった場合に各ゲーム機GMの状態が通常状態から停止状態に変更される。つまり、コインCOを通じた所定の対価の徴収が停止される。また、そのような停止状態を示す情報が各ユーザUに案内される。
図13は、停止解除処理を実現するための停止解除処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図13のルーチンは、例えば、案内画面50において選択肢ボタン53に対するタッチ操作が行われる毎に実行される。
図13のルーチンが開始されると、ゲーム提供部17は、まずステップS31において選択肢ボタン53を通じた選択結果を取得する。より具体的には、ゲーム提供部17は、選択肢ボタン22に対するタッチ操作の結果、つまり“Yes”ボタン53a及び“No”ボタン53bのいずれに対してタッチ操作が実行されたか取得する。
続くステップS32において、ゲーム提供部17は、ステップS31に取得結果に基づいてプレイの希望があるか否か判別する。具体的には、ゲーム提供部17は、一例として、ステップS31で取得した選択結果が“Yes”ボタン53aの場合には希望あり(肯定的結果)と、“No”ボタン53bの場合には希望なし(否定的結果)と、それぞれ判別する。そして、この判別結果が否定的結果の場合、つまりゲームのプレイが希望されない場合には、ゲーム提供部17は以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
一方、ステップS32の判別結果が肯定的結果の場合、つまり景品ありモードがプレイできなくてもゲームのプレイを希望する場合には、ゲーム提供部17はステップS33に進む。ステップS33において、ゲーム提供部17は、ブロッカSO3の作動を解除させる。具体的には、ゲーム提供部17は、ブロッカSO3の作動が解除されるように、つまりブロッカSO3の状態が通常状態に変更されるようにコイン回収機構SOを制御する。そして、ステップS33の処理を終えると、ゲーム提供部17は今回のルーチンを終了する。これにより、ゲーム機GMがコインCOを徴収しない停止状態においても、ユーザUの意思確認を介してゲームが提供される。より具体的には、景品払出機構GPが払出可能な景品8aの残数が1つ以下の場合でも、ユーザUの意思表示に基づき景品8aを払い出さない景品なしモードが提供される。
図14は、特別進行処理を実現するための特別進行処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図14のルーチンは、一例として、リーダDS1を通じて各景品8aのICチップ38の情報が読み取られる毎に実行される。
図14のルーチンが開始されると、ゲーム提供部17は、まずステップS41においてリーダDS1の出力結果に基づき管理情報を取得する。続くステップS42において、ゲーム提供部17は、ステップS41で取得した管理情報に基づいて、この管理情報を取得した景品8aが進行変更条件を満たすか否か判別する。この判別は、例えば、次のようにして実行される。
まずゲーム提供部17は、管理情報に含まれる景品IDの情報を特定する。また、ゲーム提供部17は、景品払出機構GPの記憶ユニット21から景品管理用データ、より具体的には払出管理データ25aを取得する。さらに、ゲーム提供部17は、特定した景品IDが払出管理データ25aに含まれているか否か、つまり景品IDに対応する景品8aが自己或いは景品払出機構GPを共用するゲーム機GMによって払い出されているか否か判断する。そして、ゲーム提供部17は、この判断結果が肯定的結果の場合、つまり景品IDが払出管理データ25aに含まれている場合、進行変更条件を満たすと判別する。一方、この判断結果が否定的結果の場合、つまり景品IDが払出管理データ25aに含まれていない場合、ゲーム提供部17は進行変更条件を満たさないと判別する。一例として、ステップS42の判別は、このようにして実行される。
そして、ステップS42の判別結果が肯定的結果の場合、つまり進行変更条件を満たす場合、ゲーム提供部17は、ステップS43に進む。一方、ステップS42の判別結果が否定的結果の場合、つまり進行変更条件を満たさない場合、ゲーム提供部17は、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
ステップS43において、ゲーム提供部17は、ゲームの進行に特別の変化を付与して、今回のルーチンを終了する。これにより、景品払出機構GPを共用する各ゲーム機GMによって提供された景品8aがこれらのゲーム機GMで使用された場合に、ゲームに特別の変化が付与される。つまり、自己或いは景品払出機構GPを共用する他方のゲーム機GMが一つのグループとして判別され、このグループ単位でゲームの進行に特別の変化が付与される。
以上に説明したように、この形態によれば、2台のゲーム機GMのいずれか一つにおいて景品条件が満たされた場合に各景品8aが景品払出機構GPを通じて払い出される。つまり、2台のゲーム機GMは、一つの景品払出機構GPを共用することができる。より具体的には、2台のゲーム機GMは、一つの景品払出機構GPの景品8aを共通に使用することができる。したがって、こられの景品払出機構GPを共用する2台のゲーム機GM間では景品8aの残数を一致させることができる。これにより、景品8aの残数のバラつきを、この2台のゲーム機GM間では排除することができる。
また、景品払出機構GPではカプセル検知センサDSを介してカプセル8、つまり景品8aの残数が検知される。そして、その景品8aの残数を示す残す情報が取得され、ゲーム機GMの状態に反映される。例えば、その残数情報が停止条件を満たす場合には、ゲーム機GMでは停止状態が形成される。例えば、停止状態は、各ゲーム機GMの払出の要求に対応できない景品8aの残数の場合に形成される。具体的には、景品8aの残数が1つ以下の場合に停止状態が形成される。そして、停止状態では、ゲーム機GMは、コインCO、つまり所定の対価の徴収を停止する。つまり、景品8aの残数情報に基づいて所定の対価の徴収を停止することができる。これにより、例えば、上述のように景品8aを払い出すことができない場合に所定の対価の徴収を停止することができる。結果として、所定の対価を返還すべき状況が生じることを抑制することができるので、ユーザU及び管理者等の双方の利便性を向上させることができる。
さらに、ゲーム機GMの停止状態は、例えば、解除条件が満たされた場合に解除される。そして、解除条件は、一例として、景品8aの払出がなくともゲームのプレイをユーザUが希望する場合に満たされる。より具体的には、解除条件は、一例として、ユーザUが景品ありモードのプレイができないことに了承した場合に満たされる。そして、このような状況を了承するか否か意思表示の機会が、例えば案内画面50を通じてユーザUに付与される。つまり、ユーザUに停止状態を解除してプレイするか否か意思表示する機会を付与することができる。これにより、停止状態の解除にユーザの意思を反映することができる。
また、ユーザUが景品ありモードのプレイができないことに了承した場合、つまり景品なしモードのプレイを希望する意思表示がされた場合に停止状態が解除され、所定の対価の徴収が少なくとも一時的に再開される。そして、景品なしモードがユーザUに提供される。つまり、例えば、景品8aの払出に関連する景品ありモードの提供を停止する一方で、景品8aの払出に関連しない景品なしモードを提供することができる。換言すれば、景品8aの払出が十分に実行できない場合でも、これと関連しない景品なしモードを提供することができる。これにより、景品8aの残数に応じて一律にゲームの提供が停止される場合、つまり一律に停止状態が維持される場合に比べてゲーム機GMの利用率を向上させることができる。
さらに、景品払出機構GPを共用する各ゲーム機GMによって提供された景品8aがこれらのゲーム機GMで使用された場合には、ゲームに特別の変化が付与される。つまり、自己或いは景品払出機構GPを共用する他方のゲーム機GMを一つのグループとして判断し、このグループ単位でゲームの進行に特別の変化を付与することができる。結果として、例えば、このようなグループ単位で優遇或いは冷遇することができる。
以上の形態において、ゲーム機GMの制御ユニット10が、ゲーム提供部17を通じて図12のルーチンを実行することにより本発明の残数情報取得手段、停止制御手段、及び機会付与手段として機能する。また、ゲーム機GMの制御ユニット10が、ゲーム提供部17を通じて図12のルーチンを実行することにより本発明の解除制御手段として機能する。
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。例えば、上述の形態では、案内画面50には、ユーザUの意思確認用の選択肢として、“Yes”ボタン53a及び “No”ボタン53bが採用されている。そして、“Yes”ボタン53aが解除選択肢として使用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、第1モードボタン56a及び第2モードボタン56bを案内画面50が含んでいてもよい。つまり、一例として、案内画面50がモード選択画面55としても機能してよい。そして、第2モードボタン56bが解除選択肢として機能してもよい。この場合、“Yes”ボタン53a及び “No”ボタン53bは省略されてもよい。さらに、この場合、第2モードボタン56bを操作せずに立ち去る等、第2モードボタン56bに対する不作為が選択機会における他の選択肢として機能してよい。したがって、第1モードボタン56aの表示は省略されてもよい。そして、この場合、第1モードボタン56aが本発明の払出用選択肢として、第2モードボタン56bが本発明の払出不要選択肢として、それぞれ機能する。一方、反対に、例えば、案内画面50でユーザの意思が確認された後には、モード選択画面55が省略されてもよい。つまり、案内画面50によって意思確認された後には、モード選択画面55を介さずに強制的に景品なしモードのゲームが提供されてもよい。
上述の形態では、ブロッカSO3は、コインCOの回収部への移動を妨げるように作動している。しかし、ブロッカSO3は、このような形態に限定されない。例えば、ブロッカSO3は、コイン投入口SO1からの投入を妨げるように作動してもよい。この場合も対価の徴収を停止することができる。また、ブロッカSO3により対価の徴収を停止する形態にも限定されない。コイン回収機構SOは、各種の態様で所定の対価の徴収を停止してもよい。
また、上述の形態では、所定の対価の徴収にコインCOが使用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。所定の対価の徴収には、各種の価値が使用されてよい。したがって、このような価値は、物理的媒介を使用した価値に限定されない。例えば、このような価値として、電子的価値が使用されてもよい。一例として、電子的価値は、電子的仮想通貨或いは電子的通貨を含んでいてもよい。したがって、対価徴収手段は、コイン回収機構SOにも限定されない。対価徴収手段として、例えば、電子的価値を読み取る各種のリーダ等が採用されてもよい。この場合、例えば、電子的価値の読み取り停止等により停止状態が形成されてよい。
上述の形態では、各景品8aはカプセル8を介して提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。各種の景品が各種の形態で提供されてよい。例えば、景品として、キャラクタカード等のカードが採用されてもよい。したがって、景品払出機構GPも上述の形態に限定されない。各種の景品の払出を実行できるように、各種の形態が採用されてよい。例えば、景品払出機構は、各種景品を払い出すクレーン型に形成されてもよいし、カードを印刷するプリンタが景品払出機構として機能してもよい。結果として、景品払出機構では、各種の景品の残数を検知できる各種のセンサ等がカプセル検知センサDSとして、或いはそれに代わり採用されてよい。
また、ゲーム機GMは、業務用のゲーム機に限定されない。所定の対価を徴収した後にゲームが提供される限り、ゲーム機GMとして、例えば、家庭用の据置型ゲーム機(ゲームを実行可能な据置型のパーソナルコンピュータを含む)、携帯型のゲーム機(ゲームを実行可能なスマートフォン、タブレットPC、携帯型のパーソナルコンピュータ等の携帯端末を含む)等、適宜の形態が採用されてよい。また、上述の形態では、制御ユニット10及び記憶ユニット11がゲーム機GMに設けられている。しかし、本発明のゲーム機は、このような形態に限定されない。例えば、クラウドコンピューティングを利用してネットワーク上に論理的に制御ユニット10及び記憶ユニット11が設けられてもよい。つまり、ゲーム機GMは、各種のネットワークを通じて制御ユニット10処理結果を表示して提供する端末として構成されていてもよい。
さらに、上述の形態では、景品払出機構に2台のゲーム機GMが接続されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。景品払出機構に接続されるゲーム機GMの台数は、任意でよい。したがって、例えば、1台のゲーム機GMが景品払出機構に接続されてもよい。或いは、各ゲーム機GM自体が景品払出機構として機能してもよい。つまり、一例として、各ゲーム機GMの内部に景品払出機構が設けられていてもよい。一方、反対に景品払出機構がゲーム機として機能してもよい。この場合、ゲーム機GMは省略あされてよい。したがって、この場合、コイン回収機構SO等は、例えば、景品払出機構GPに設けられていてよい。さらに、この場合、景品払出機構は、景品の払出をゲームとして利用してもよい。したがって、景品払出機構は、例えば、案内画面50等を通じて選択機会を提供する限り、その他のゲームの提供を省略してもよい。つまり、本発明は、景品払出機構単体として構成されてもよい。この場合、景品払出機構の制御ユニット20が、一例として図11〜図14のルーチンを実行してもよい。つまり、この場合、景品払出機構の制御ユニット20が本発明の残数情報取得手段、停止制御手段、機会付与手段及び解除制御手段として機能してよい。
以下に、上述の内容から得られる本発明の一例を記載する。なお、以下の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の景品払出機構は、所定の対価(CO)を徴収した後に物理的な複数の景品(8a)のうちから各景品をユーザに払い出す景品払出機構(GP)であって、前記所定の対価を徴収する対価徴収手段(SO)と、景品の残数を示す残数情報を取得する残数情報取得手段(20)と、前記残数情報に基づいて前記景品の残数が停止条件を満たす場合に前記所定の対価の徴収を停止する停止状態が形成されるように前記対価徴収手段を制御する停止制御手段(20)と、を備えている。
また、本発明のゲームシステムは、所定の対価(CO)を徴収した後に当該所定の対価に対応する範囲のゲームをユーザに提供するゲームシステム(1)であって、物理的な複数の景品(8a)のうちから各景品を前記ゲームに関連して払い出す景品払出機構(GP)と、前記所定の対価を徴収する対価徴収手段(SO)と、前記景品払出機構の景品の残数を示す残数情報を取得する残数情報取得手段(10)と、前記残数情報に基づいて前記景品の残数が停止条件を満たす場合に前記所定の対価の徴収を停止する停止状態が形成されるように前記対価徴収手段を制御する停止制御手段(10)と、を備えている。
本発明の景品払出機構或いはゲームシステムによれば、景品の残数を示す残数情報が取得され、その残数情報が停止条件を満たす場合には停止状態が形成される。そして、停止状態では、所定の対価の徴収が停止される。つまり、残数情報に基づいて所定の対価の徴収を停止することができる。これにより、例えば、景品を払い出すことができない場合に所定の対価の徴収を停止することができる。結果として、景品払出機構のユーザ及び管理者等の双方の利便性を向上させることができる。
本発明の景品払出機構或いはゲームシステムの一態様として、前記停止状態において当該停止状態を解除するための解除選択肢(53a)を複数の選択肢のうちの一つとして含む選択機会を前記ユーザに付与する機会付与手段(10、20)と、前記選択機会において前記解除選択肢が選択された場合に前記停止状態が解除されるように前記対価徴収手段を制御する解除制御手段(10、20)と、を更に備える態様が採用されてもよい。この場合、所定の対価の支払いを予定するユーザに停止状態を解除する機会を付与することができる。つまり、停止状態の解除にユーザの意思を反映することができる。
また、本発明の選択機会を付与するゲームシステムの一態様において、前記ゲームは、各景品の払出に関連する払出用モード及び各景品の払出に関連しない払出不要モードを有し、前記解除選択肢が選択された場合には、前記払出不要モードを対象としてプレイされ、前記景品払出機構は、前記払出用モードのプレイ状況に応じて各景品を払い出すことにより前記ゲームと関連してもよい。この場合、停止状態は、払出不要モードのプレイを条件に解除される。つまり、景品を払い出すことができなくとも景品の払い出し不要でプレイしたい場合には、ユーザの意思を反映し、景品の払い出しのない払出不要モードを提供することができる。これにより、景品の残数に基づいて一律に停止状態が維持される場合に比べてゲームステムの利用率を向上させることができる。
解除選択肢として、各種の選択肢が使用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数の選択肢は、前記払出不要モードをプレイするための払出不要選択肢(56b)を含み、前記選択機会では、前記払出不要選択肢が前記解除選択肢として使用される一方で、前記払出用モードをプレイするための払出用選択肢(56a)が選択不可の選択肢として使用されてもよい。
停止条件として、残数情報を利用する各種の態様が採用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記停止条件は、前記景品の残数が所定数以下の場合に満たされてもよい。
また、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム機を備え、前記所定数として、前記複数のゲーム機の台数に応じた数が設定されてもよい。この場合、停止条件、つまり停止状態の形成に景品払出機構を共用するゲーム機の台数を反映することができる。
停止状態として、各種の態様が採用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の対価の徴収には、コイン(SO)が使用され、前記対価徴収手段は、前記コインの投入を受け付けるための投入口(SO1)及び前記コインを返却するための返却口(SO2)を有し、前記停止制御手段は、前記停止状態として前記投入口を通じて投入された前記コインが徴収されず前記返却口から返却される状態が形成されるように前記対価徴収手段を制御してもよい。
景品として、各種の態様が採用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、各景品は、カプセル型の容器(8)に収容され、当該カプセル型の容器を介して提供されてもよい。また、この態様において景品払出機構は、各種の態様でカプセル型の容器を払い出してよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記景品払出機構は、前記カプセル型の容器を一つずつ配送するように回転する回転部材(34)を有し、前記回転部材の回転を通じて前記カプセル型の容器を一つずつ払い出してもよい。
また、本発明の制御方法は、所定の対価(CO)を徴収した後に当該所定の対価に対応する範囲のゲームをユーザに提供するゲームシステム(1)であって、物理的な複数の景品(8a)のうちから各景品を前記ゲームに関連して払い出す景品払出機構(GP)と、前記所定の対価を徴収する対価徴収手段(SO)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)に、前記景品払出機構の景品の残数を示す残数情報を取得する残数情報取得工程と、前記残数情報に基づいて前記の景品の残数が停止条件を満たす場合に前記所定の対価の徴収を停止する停止状態が形成されるように前記対価徴収手段を制御する対価徴収制御工程と、を実行させるものである。
同様に、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、所定の対価(CO)を徴収した後に当該所定の対価に対応する範囲のゲームをユーザに提供するゲームシステム(1)であって、物理的な複数の景品(8a)のうちから各景品を前記ゲームに関連して払い出す景品払出機構(GP)と、前記所定の対価を徴収する対価徴収手段(SO)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)を、前記景品払出機構の景品の残数を示す残数情報を取得する残数情報取得手段、及び前記残数情報に基づいて前記景品の残数が停止条件を満たす場合に前記所定の対価の徴収を停止する停止状態が形成されるように前記対価徴収手段を制御する停止制御手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法若しくはコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。